エンパイアウォー⑨~山陽道、大火蜂の赤に燃ゆ
「うわーっ! 大変大変っ! これはヤバいってば~っ!?」
蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)が予知を見た直後に頭を抱えていた。一体、何を見たというのだろうか?
「猟兵のみんなは『第六天魔王』織田信長の居城、魔空安土城へ向かう幕府軍が、関ヶ原に到着したのは知っているよねっ? だけど、関ヶ原を超えた西日本でも魔軍将の軍勢が待ち受けていることが予知で判ったんだよっ!!」
これより徳川軍は関ヶ原で待ち受ける信長軍を突破し、さらに山陽道、山陰道、南海道の3手に別れて進軍する。
今回レモンが予知したのは、山陽道の侵略渡来人『コルテス』の軍勢の企みだった。
「あの侵略渡来人『コルテス』おじ様は、幕府に叛意を持つ長州藩の毛利一族を手駒につけて、彼らを生贄に骸の海から大量のオブリビオンを呼び寄せているんだよっ!」
なんというか、人と人として見ていない悪逆非道な遣り口である。
富士山の噴火を促した事も鑑みれば、コルテスにとってこの世界の人的被害など勘定に入れていないのだろう。だからこそ許し難いのだが。
「オブリビオンの軍勢も厄介だけど、一番危険なのは『山陽道熱波地獄』!」
聞き慣れない言葉に、猟兵たちは首を傾げた。
「これはね? 山陽道周辺の気温を極限まで上昇させ、進軍してくる幕府軍を、熱波によって茹で殺す』という非道な作戦なんだよっ! ただでさえ、ここ最近の山陽道の平均気温は夜間でも35度超えてるのに、このままだと50度を超える酷暑を超えた殺暑になっちゃうんだよっ!! まだ驚くのは早いよ? なんと熱波だけじゃなく、同時に『南米原産の風土病』も蔓延させ、幕府軍に死をまき散らそうっていう極悪な企みなんだよ……っ!」
そんなことになれば、幕府軍のみならず、山陽道に暮らすエンパイアの人々も死屍累々。
絶対に食い止めなければいけないっ!!
だが、こんな大量虐殺作戦を、いったいどう食い止めるというのか?
「手立てはあるよっ! 熱波を生み出しているオブリビオンを撃破すれば、風土病のウイルスは低気温下で全部まとめて死滅、気温も元通りになるよっ!!」
でも、その熱波を生み出しているオブリビオンはどこに??
「それも予知で見当が付いてるから安心してっ! オブリビオン達は『富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉』を使って儀式を行っているから、敵軍勢を撃破後に、この霊玉を砕いてほしいんだよっ!」
オブリビオンの集団を倒して、霊玉を破壊。
そこまで依頼内容は複雑ではないので、さっさと企みを阻止しよう。
「それじゃあ、みんな? 水分補給はしっかりねっ? 熱中症対策は万全にっ!」
レモンの頭上のグリモアが輝く。
こうしてサムライエンパイアの山陽道への転送が始まった。
七転 十五起
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
七転十五起、なぎてんはねおきです。
毎日暑いですが、皆様はお元気でしょうか?
このシナリオはコルテス軍の『山陽道熱波地獄』を阻止していただくシナリオです。
気温が暑くなる前に、皆様の熱いプレイングで悪巧みを食い止めて下さい。
それでは、皆様の挑戦をお待ちしております。
第1章 集団戦
『大火蜂』
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POW : 種火
【自身の身体】が命中した対象を爆破し、更に互いを【火事の炎】で繋ぐ。
SPD : 延焼
【周囲の炎が燃え広がること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火事】で攻撃する。
WIZ : 不審火
自身が戦闘で瀕死になると【炎】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紅月・美亜
火蜂と言われたら挑まざるを得ない!
「往け、浮き世に捨てられし者達よッ!」
私自身が戦場にいる必要が無いから今回は遠隔操縦だ。UNCHAINEDをひっそり飛ばして情報収集はするがな。
相手の攻撃は全て火、つまり陽気だ。陽気吸収防壁なら全て吸収できる。性質として強い陽気があるなら陰気には弱い。陽機を盾にして陰気の機銃で攻撃するコンビネーションで行こう。十分に陽気を吸収したら属性反転して攻防入れ替え。そして、吸収した陽気を反転させた陰気による追尾レーザー”力の解放”を発動する。
「緋蜂の癖に弾幕が薄いな……まあ、元から単一色なら斑鳩の敵じゃないんだがな!」
真白・白夜
ただでさえ暑いのに、これ以上暑くされてはたまりません!こいつらはここで全部倒します!
戦闘開始直後、人格を僕から残忍な人格に交代します
「任せるよ!敵の炎には気を付けるんだ!」
『相手が火だろうが関係ねー!殺せるんだからよぉ!』
俺のサイキックブラストをくらわせてやる!【範囲攻撃】で攻撃範囲を広げて【衝撃波】で吹っ飛ばしてやるぜ!
同時にハンドガン・改からの【誘導弾 スナイパー クイックドロウ】で同時攻撃だ!
敵の炎攻撃は、【オーラ防御 火炎耐性】で防いでやる!
『んな炎が通じるかよ!』
防ぎきれなければ【残像】で回避するぜ
『やったと思ったか?俺はここだ!』
アドリブ&協力OK
二天堂・たま
極寒育ちのワタシにとって灼熱地獄は効果覿面だよ…。
他の猟兵に任せたいところだが、高みの見物をしたいなどとは言えんな。
今は少しでも多くの人手が欲しいところだし。
UC:アルダワ流錬金術で周囲の地面等の無機物を水に変え、霧状にする。
こうすれば暑さを和らげることが出来るし、敵の視界を阻害することもできる。
戦闘でも使うのはUC:アルダワ流錬金術だ。
相手が火の身体を持つオブリビオンならこのまま水を操り、水鉄砲や水の竜巻を操作し攻撃する。
あの熱い身体に直接触りたくはないからな。
夜羽々矢・琉漣
砂漠で気温が50℃超えても生きていけるのは、あくまで湿度が低くて気化熱が仕事してくれるからなんだけど。湿度60~70%がザラな夏の日本で同じことしないでくれる。(持参した経口補水液入りのマグボトルをあおる)
召喚するのはDPS・タイプ:黒魔道士。出力を上げるために一人だけ。まとめないと、火力がね…。攻撃は極低温の冷気を操る凍結術。大本である蜂に攻撃するのと同時に、炎を包むように氷を発生させることで酸素供給を断って延焼の抑制を狙う。
俺自身は「Nigredo」の鈍化・腐敗の【呪殺弾】で翅を狙って撃ち落としを狙うよ。(【スナイパー】技能での精密狙撃)
ヴィクティム・ウィンターミュート
──ハッ、コルテスの野郎の策ってことか
面白ェ、上から企みを潰してやらぁ
火事で俺のことを攻撃してくるってんなら、それを逆手に取るまでだ
これ見よがしに正面に立って、攻撃を誘ってやる
周囲の炎が燃え広がるんだから、それを視ちまえばUCの展開も速く行える
セットアップ『Dainslaif』
どんなに強く熱い炎でも…ユーベルコードであるなら、俺が掌握できる
エネルギーを奪い、変換終了!
血の刃を飛び道具のように射出し、まとめて切り飛ばす
これを繰り返せば殲滅ができるだろう
俺への攻撃が無意味と判断されても構わない
そうなりゃ、真正面から一体ずつ処理するだけだ
この俺を相手に対策なんかできねえってこと、教えてやるぜ
マディソン・マクナマス
『しっかし暑いのぅ、マディソン。クーラーのリモコンその辺に無いか』
「ある訳ねぇだろ神様。つーかあんたは俺の見てる幻覚なんだから、暑い訳ねぇだろうが」
『幻覚と分かっとるなら律儀に返事せんでもええんじゃよ?』
【先制攻撃】・【早業】で大量の蒸気爆発手榴弾を撒いて、戦場に蒸気を充満させ湿度を上昇させる事で敵の【延焼】が広がるのを防ぎ、また視認されにくい環境を作る。
自身は設置したパイプ椅子タレットを起動し、近場へと伏せて潜伏。傍らに寝そべった自称神と雑談し敵を待つ。
タレットの攻撃と発砲音に【おびき寄せ】られた敵を、羽音を頼りに探知。大まかな位置に向けて、至近から対UDC軽機関銃の制圧射撃で射殺を試みる。
――暑い。
数メートル先の光景が陽炎で揺らぐ程の熱波の中、猟兵たちは山陽道の廃村の中へと転送された。
目の前には、全身が炎で構成された大火蜂が10匹ほど、耳障りな羽音と炎を撒き散らしていた。
その中央には簡易的な祭壇があり、七色に光る宝珠が鎮座していた。
「ただでさえ暑いのに、これ以上暑くされてはたまりません! こいつらはここで全部倒します!」
真白・白夜(多重人格者のサイキッカー・f10864)は身にまとうオーラフィールドをすかさず展開して臨戦態勢へと移行する。
その後ろで、既にぐったりしている灰青の毛玉めいたケットシーがいた。
「極寒育ちのワタシにとって灼熱地獄は効果覿面だよ……」
二天堂・たま(神速の料理人・f14723)は全身の毛の先に滴る汗を払いながら、大火蜂から発散される熱波に顔をしかめた。
「他の猟兵に任せたいところだが、高みの見物をしたいなどとは言えんな。今は少しでも多くの人手が欲しいところだし」
「それはそうなんだけど、本当にこの暑さは勘弁してほしい……」
夜羽々矢・琉漣(コードキャスター・f21260)も額から吹き出る汗を拭いながら悪態をついた。
「砂漠で気温が50℃超えても生きていけるのは、あくまで湿度が低くて気化熱が仕事してくれるからなんだけど。湿度60~70%がザラな夏の日本で同じことしないでくれる?」
そう言って、持参した経口補水液入りのマグボトルを呷った。
ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は空に浮かぶお天道様よりもギラギラしな眼差しで大火蜂を見定めて口元を歪める。
「──ハッ、コルテスの野郎の策ってことか。面白ェ、上から企みを潰してやらぁ」
ヴィクティムが真っ先に大火蜂の群れの前に飛び出すと、これみよがしに挑発を開始。
「物を焼くしか能がねぇ虫ケラが。そんな火力じゃ俺は焼けないぜ? 試してみるか?」
大火蜂たちは言葉を理解しているのか、それともヴィクティムの覚悟が届いたのか、4匹の大火蜂たちが一斉に彼へ視線を向ける。
すると、周囲で燃えていた炎がまるで蛇のように伸びてゆき、ヴィクティムの足元に引火する!
しかも4方向から同時延焼!
一瞬でヴィクティムの身体が火達磨に!
「おいおい、洒落になってねぇぞ!?」
ヴィクティムを救出せんとマディソン・マクナマス(アイリッシュソルジャー・f05244)が飛び出るも、目の前に2体の大火蜂に阻まれてしまう。
『うっわ暑い、じゃなくて熱いのぅ、マディソン。クーラーのリモコンその辺に無いか。むしろ冷却マットがほしいのう』
「んなのある訳ねぇだろ神様。つーかあんたは俺の見てる幻覚なんだから、暑い訳ねぇだろうが」
『幻覚と分かっとるなら律儀に返事せんでもええんじゃよ? ヒヒ……!』
既に戦闘前にしこたま飲酒していたマディソン。
これが『バッカスの乱痴気騒ぎ(シコタマサケヲノムトミエルタダノゲンカク)』の発動トリガーなのだ。
「俺はダメだ! そっちでその兄ちゃんの救出できるか!?」
叫ぶマディソン。
だが二天堂と夜羽々矢の元にも2匹ずつマークされ、身動きができない。
「あの熱い身体に直接触りたくはないな! 止せ、毛がチリチリになるだろう!?」
「まいったね、俺みたいな駆け出しの猟兵に突っかかってこられても困るんだけど」
思いのほか防戦一方の猟兵たち。
マディソンは幻覚の神様の助言に従うことにした。
「熱いんなら水を散布してやる。ただし、水蒸気爆発だがな?」
安全ピンを歯で抜いた後に蒸気爆発手榴弾を3個同時投擲!
後方に飛び退くマディソン!
3カウント経過すると、蒸気爆発手榴弾が一斉爆発!
マディソン周辺が真っ白なスチームで覆われて視界が遮られた。
これを見ていた二天堂と夜羽々矢も、自分のやるべきことを思い立ち、行動に移してゆく。
「ちちんぷいぷい!と」
地面や廃屋がたちまち水分へと変わり、大火蜂の熱波に当てられて一気に蒸発してゆく!
「なるほど、こうすれば暑さを和らげることが出来るし、敵の視界を阻害することもできる」
マディソン同様、濃霧を人工的に発生させて大火蜂の視界を奪ってゆく。
夜羽々矢も水分を利用すべく、ユーベルコード『戦闘式・幻想現像(コード・レヴェリー)』を発動。
「おいで、僕の英雄……DPS・タイプ:黒魔道士。全員合体してブリザードを発射だ」
まぁ、まとめないと火力がね……と苦笑いを浮かべながらも、二天堂のバラ撒いた水蒸気を急速凍結、猛吹雪を発生させる!
大火蜂の全身の熱を一気に奪い、氷の膜でコーティング、酸素供給を絶って2匹まとめて消し去ることに成功した。
戦闘の手応えを感じた夜羽々矢は拳を握って勝利を噛み締めた。
「やった……倒したぞ」
「やるじゃないか。ワタシも負けられないな。ほら、打ち水だ」
向かいの廃屋を唐突に鉄砲水へ変化させると大火蜂の1匹を押し流して鎮火させてしまた。
一方、マディソンは視界不明瞭なスチームの中でパイプ椅子タレットを設置して木陰に避難していた。
タレットがけたたましく弾幕を張れば、音と攻撃方角から反撃せんとスチームの中から飛び出してくる1匹の大火蜂。
『ほれマディソン、今じゃよ』
「判ってる! ほら礼はいらねぇからたんと喰らっとけ、蜂の巣だけにな!?」
無骨な10mmサブマシンガンの銃弾が大火蜂の全身に浴びせられた!
瞬くマズルフラッシュ! 飛び散る薬莢! 立ち込める硝煙の独特の香り!
炎が銃弾によって千切れ吹き飛び、跡形もなく吹き飛ばしていった。
『ワシの言うとおりじゃろ?』
「だから黙ってろよ幻影が……」
さて、燃えたヴィクティムの救助には、真白が向かっていた。
「あの人を助けて! 敵の炎には気を付けるんだ!」
もうひとりの自分である残忍な人格へと呼びかけると、すぐさま身体の主導権を交代する真白。
「相手が火だろうが関係ねー! 殺せるんだからよぉ! って助けるんだったか?」
不承不承でヴィクティムに駆け寄ろうとするが、生き残った瀕死の大火蜂が強烈な炎を生み出して裏真白へぶつけてきた!
「んな炎が通じるかよ!」
炎に強いオーラ障壁を高速展開!
だが裏真白も炎に包まれてしまう!
万事休す!
「……かと、思っただろ? 残像だ、俺はここだぜ!」
大火蜂たちの群れの背後を突き、両手を広げる。
「俺のサイキックブラストをくらわせてやる! 衝撃波もオマケにして吹っ飛べ!」
左右の掌から電撃が迸り、大火蜂たちの動きを封じて吹き飛ばしてゆく!
そして衝撃波の風圧でヴィクティムの全身の炎も消え去ってゆく……!
と、ヴィクティムが口を開いた。
「エネルギーを奪い、変換終了。なぁ? ただマヌケに燃えていたわけじゃねぇぜ。いいか? 俺はな? “こんなカスみたいな涼しい炎なんて、避けるのが単に面倒くせぇ”んだよ!」
ヴィクティムの両腕に変化が起きてゆく!
「セットアップ『Dainslaif』――! どんなに強く熱い炎でも……ユーベルコードであるなら、俺が掌握できる」
ヴィクティムに炎症していた炎は、衝撃波で掻き消されたのではない。
彼自身がユーベルコードの炎を無効化したのだ。
無効化されてヴィクティムの体内に吸収された炎のエネルギーが、彼の血液を凝固させて刃を形成させる!
「舞台に上がるには格が足りねぇんだよ、さっさと降りな……!」
ヴィクティムの両腕からデスサイズめいて血の刃を腕より射出させると、刃は回転しながら大火蜂の身体を容易く通過して切断してしまった!
だが刃を掻い潜って1匹の大火蜂が急接近!
自らを燃やして零距離からの延焼を狙う!
「もうネタ切れかと思ったか? 虫ケラの癖につまらねぇ知恵を働かせやがって」
だがヴィクティムはやはり避けようとしない!
「言っただろ? 避けるのが面倒くせぇんだよ」
突っ込んできた大火蜂がヴィクティムに激突!
そのまま爆ぜる!
だが、次の瞬間、真っ二つになってヴィクティムの後方で爆裂四散する大火蜂の骸が存在した。
彼のサイバネ演算によって攻撃タイミング・敵の攻撃の演算を瞬時に算出。
そのデータを上回る一撃を、高度学習機能搭載型生体ナイフ『エクス・マキナ・カリバーンVer.2』で放つことで、大火蜂の上半身と下半身を永久に断ち切ったのだ。
「やっぱ虫ケラだったなぁ? 俺が武装してねぇわけねぇだろ」
あっという間に形勢逆転!
残り僅かになった大火蜂たちは、霊珠を守るように祭壇近くへ集まってゆく。
「的が集まって狙いやすくなったぜ!!」
裏真白はハンドガン・改を祭壇ごと狙って乱射!
トリガーハッピーだ!
「俺も援護射撃しようか」
夜羽々矢は猟銃めいた長銃身の愛銃のNigredo(ニグレド)から、腐敗・鈍化の呪詛の弾を撃ち込む。
大火蜂たちの翅に命中すうると、腐るように穴が空いて飛行能力を阻害してゆく。
だが、大火蜂の決死の防衛で霊珠が守られてしまっている。
もうひと押しが足りない……!
ヴィクティムも生体ナイフで切りつけ、マディソンも制圧射撃で応戦し、ニ天堂も『アルダワ流錬金術(クラシカル・アルケミア)』で次々と周囲の無機物を水竜巻にしてぶつけてゆく。
だが、霊珠のパワーのせいなのか、なんとも言えないしぶとさを残存する大火蜂は見せた。
しかも奴らは瀕死になると強力な炎を生み出し、それを盾にして猟兵の攻撃を凌いでいたのだ!
攻めあぐねる猟兵たちに焦りの色が見え始めた、その時だった。
『待たせたな! 火蜂と言われたら挑まざるを得ない! 往け、浮き世に捨てられし者達よッ!』
上空から響く紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)の音声と戦闘機のジェット気流音!
『Operation;FAITH(オペレーションフェイス)! 済まない、私は遠隔操作で参戦している! このユーベルコードは私が傷を負うと解除されてしまうのでな。そしてこの音声は上空に飛ばした熱光学迷彩搭載早期警戒機から発している。もっとも、キミたちが警戒機を認識するのは難しいだろうがな?』
警戒機からの映像情報を元に、遠隔操作している紅月は本命である陰と陽の戦闘機を発進させたのだ。
『スモークによる視界阻害もなくなった。これでようやく出撃ができる。さぁ、猟兵諸君! あとは私に任せてもらおうか!』
戦闘機が大火蜂たちへ突っ込む!
瀕死の大火蜂たちは戦闘機へ一斉に強力な炎を生み出して吹き掛ける!
飲み込まれる戦闘機!
だが、その炎はまるで喰われるように戦闘機の発生させた防壁へ吸収されてゆく!
『驚いたか? この陽気吸収防壁は、あらゆる陽の気を吸収できる。貴様等の炎もれっきとした陽の気だ。そして、強い陽の気は陰の気に弱い』
戦闘機の属性と色が瞬時に変化!
『さっき吸収した陽の気を反転、陰の気の追尾レーザーとして照射だ! 死ぬがよい!』
地表で翅を蝕まれて逃げることが出来ない大火蜂は、容赦なく浴びせられる紅月の戦闘機に蹂躙されてゆく!
更に、富士の霊珠に溜まったエネルギーも火山と太陽のエネルギー、つまり純粋な陽の気の塊!
『緋蜂の癖に弾幕が薄いな……まあ、元から単一色なら斑鳩の敵じゃないんだがな! このまま霊珠は破壊させてもらうぞ!! そこだっ!!』
陰の気の追尾レーザーが大火蜂たちごと富士の霊珠を撃ち抜くと、一瞬、フラッシュグレネードめいた眩い光が辺り一面に広がると、その場から蜃気楼のように霊珠もオブリビオンも存在が消失していった。
廃村周辺の気温がだいぶ落ち着いてきた。
これで50度の殺人的な暑さと風土病も防ぐことが出来たのだ。
しかし、未だ猟兵たちは魔軍将たちの脅威を防ぐために奔走してゆく。
徳川軍10万人の命を守り、島原に送り届けるためにも、猟兵たちは戦い続ける。
成功
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