1
神々の庭園

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




 皆さま、聞いてください。私はダンピールの聖者×精霊術士、赤月・句穏です。たった今、ダークセイヴァー世界で事件が起きることがわかりました。

●ダークセイヴァーの世界
 この世界では、今も尚オブリビオン達の完全な支配下にあります。100年ほど前に蘇ったヴァンパイア達はオブリビオンを呼び寄せ世界を破滅に導こうと活動しているのです。荒野や森林といった辺境は、「異端の神々」と呼ばれる超常存在や、恐るべき魔獣の領土と化しています。そして、人々は我々「猟兵」の存在を知りません。

●神々の伝承
 とある町―。時刻は夜9時を過ぎる。
「お前さん、こんな時間に何処行こうってんだい?」
パン屋を営むブレッド家の朝は早い。夜の9時には翌朝の仕込みを終え就寝し朝は3時には窯に火をいれるのだ。そうして、朝の7時には焼き立てのパンを店に並べる。
「…。早く、行かなければ―。」
何を寝ぼけたことを言っているのだと女は言ったが、男の方は聞こえていないのかブツブツと繰り返し聞き取れない言葉を呟き続ける。
「ちょっと、お前さん!きいているのかい!?」
女の方が先に苛立ち声を上げた。そろそろ灯かりを消して明日に備えて休もうとしていたところだったからだ。
「ちょっと?お前さん!?」
女は呼び止めようと男の肩を掴む。
「ぐ… 触るなっ。ぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁ!!」
男は凄い力で女を振り払うと壁に打ち付けた。
「ぉ・・・お前さん・・?」
弱弱しく女が男を呼び止めようとするが、女の方は痛みですぐに動けない。男は何かを叫びながら家を飛び出し走りだした。

 男が向かったのは町を抜け外れにある深い森。昔から、入らずの森と呼ばれ禁忌にされている場所だ。伝承では、この森には神々が大切にする庭園が隠されているのだそうだ。森には神様の御使いが住んでいて、勝手に踏み込む人間に罰を下すのだという。―それでも、大の大人だって入るのを躊躇う森の中へ迷わず男は入っていく。

 何かに呼ばれるように。何かに追われるように。何かに急かされるように。
早く、速く、ハヤク。男は先を急ぎ森の闇へ溶けていった。

●入らずの森
「とある森の周辺の町で、多くの人間が居なくなるという失踪事件が続いております。」
句穏は青空を映したような蒼い瞳を見開き、説明をはじめる。
「失踪する人間は一人や二人といった少人数ではなく、すでに数十人単位で消えているのでございます。」
ダークセイヴァーの世界の移動手段は馬や馬車であり、情報伝達が遅く事の全容は各町でも把握できていない。その為、かなりの人数が失踪していても事の重大さに気が付くものは少ないだろう。句穏の話によれば『森』を中心の町や村から失踪者がでており、その全ては森へ誘われるように消えているようなのだ、との事だった。このまま放置するのも嫌な予感がする―。句穏は猟兵達に向かい嘆願した。
「…私の力ではその全容を視る事は叶いませんでしたが、皆さまでしたらきっと真実を暴いて頂けると信じております。どうぞ皆さま、力をお貸しくださりませ。」
句穏は向き直ると、もう一度猟兵達の顏をみる。
「入らずの森の探索をお願い致します。」
それから、深く頭を下げると仲間の無事を祈るのだった。


月灯
月灯です。今回もダークセイヴァーの世界です。未熟者ですがみな様の冒険のお手伝いができるように頑張っていきますのでよろしくお願い致します。
13




第1章 冒険 『禁忌の森』

POW   :    道なき道をひたすら進む

SPD   :    迷わないように事前に対策する

WIZ   :    村人から森の情報を得る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天星・零
天星・暁音と連携

『(神か‥‥下らないな。そういう、胡乱なものにすぐ頼るからつくづく呆れる。それを語る奴も頼る奴も。居てもそれは救うとは限らないのに)』

暁音と二人で【情報収集】で村人たちから情報を聞き出す。
もし、説得が必要な場合は【鼓舞】でこれ以上犠牲者が出ないようにこれからこの事態を解決する為に協力したいと説得
オルタナティヴ・ダブルで別人格を出し、一緒に情報収集をする
別人格口調はステシ参照

森に入るとき、後続の猟兵が進みやすいように通った道に木などに目印をワイヤーの鉤爪で付けておく


暁音のことは暁音と呼ぶ。
暁音、自身が使うオブリビオン話すときとそれ以外の人と話すときは喋り方が違います(ステシ参照)


天星・暁音
…失踪する人々、それに神の御使いね…どう考えても誘われているのだろうね。

消えた人達が戻れる可能性はそう高くはないだろうけど…それでも放っておく訳には行かないよね。
大切な人がいなくなったら当たり前だけど悲しいもの。

でも気をつけないと神とは常に正しいものではなく。
時にどうしよもなく危険で厄介なものなのだから…

【誘惑】【おびき寄せ】等で人を集めたり誘ったりして【コミュ力】【情報収集】等で情報を集めます。

【影の追跡者】に失踪者を追跡させ、自らも集めた情報を基に【追跡】で痕跡を探してみます。


【天星・零との共同で行動します。
関係は家族、呼び方は零です。】

アドリブ可



■入らずの森より東の村
 天星・零(多重人格者の探索者・f02413)と天星・暁音(貫く想い・f02508)は二人で町を訪れていた。―正確には零のもう一つの人格である夕夜を入れて三人だ。
(神か‥‥下らないな。そういう、胡乱なものにすぐ頼るからつくづく呆れる。それを語る奴も頼る奴も。居てもそれは救うとは限らないのに。)
今は金髪にゴールドとワインレッドのオッドアイの瞳、零の方が出ている。
「暁音、この辺りで情報収集するべきかな?」
零が声をかけると暁音も頷く。
「…失踪する人々、それに神の御使いね…どう考えても誘われているのだろうね。他にも誘われた人がいるかもしれないしね。」
金髪のまだ年端もいかない少年は、どこか大人びた様にも見える。
「消えた人達が戻れる可能性はそう高くはないだろうけど…それでも放っておく訳には行かないよね。…大切な人がいなくなったら当たり前だけど悲しいもの。」
暁音の言葉に零は微笑んだまま頷く。
「そうだね。暁音、悲しいのは嫌だね。」

■情報収集
 零はユーベルコード【オルタナティヴ・ダブル】を発動させ、自身のもう一つの人格、夕夜を呼びだした。
「出番だぜ!」
元気いっぱいの少年は銀髪にシルバーとマリンブルーの瞳、夕夜だ。金と銀、静と動、一対にも見える二人は双子のようにも見えただろう。
零と暁音は早速、村人を集めた。よそ者の子供が三人も迷い込めば、好奇心という【誘惑】に逆らえず、直ぐに人は集まってくる。最も、彼らがわざわざ【おびき寄せ】ているのだと気づく者はいない。
「すみません、どなたかこの先の森についてご存知の人はいらっしゃいませんか?」
零の呼びかけに村人がざわつく。
「俺たち、この先に用事を頼まれていて。」
暁音は【コミュ力】を使い村人の警戒を解こうとする。
「子供が三人でいくような所じゃない。そもそもあの森は入ったらいかんのだ。」
村人たちの中でも年長者だろう気難しそうな老齢の男が口を開く。
「それでも、森にいかなきゃなんだぜぇ!」
楽しそうに広間を走り回るのは夕夜だ。3人に根負けしたのか。毒気を抜かれた村人は仕方なさそうに話はじめた。

■入らずの森
 村人から情報収取を終えて、3人は森を進む。情報の多くは『神様がいるから、森に入ったらダメ』という内容だったが、それには理由があった。正確には『森の中のモノは食べてはダメ』なのだという。森を進む為に有益な情報ではないが、どうにも気になった。
「気をつけないと神とは常に正しいものではなく。時にどうしよもなく危険で厄介なものなのだから…。」
暁音はユーベルコード【影の追跡者】で、探索を始める。情報通りであれば、滅多なことで村人はこの森の中へ踏み込んではいない。つまり―。この森に最近立ち入ったのは『被害者』だけのはずなのだ。その痕跡を見つけて【追跡】すれば、おのずと目的の場所へ辿りつけるだろう。零は、暁音の進む後に、ワイヤーの鉤爪で跡を残す。
「こうすれば、仲間の猟兵が追ってきやすいからね。」
零がそう言えば、暁音もこたえる。
「そうだね、零。はぐれないように、ゆっくり行こうね。」
森を進む三人、零は前方にあるものに気が付く。
「暁音、どうやら先客もいるみたいだね。」
「そうだね。零、先を急ごう。」
其処に在ったのは、木に結ばれたリボン。暁音の【影の追跡者】が進む先へと続いている。道筋はあっているようだ。零と暁音、二人が顏を見合わせ頷き合う。
「お!どけどけぇー!」
柔らかな二人の会話を他所に、夕夜が一人元気にバタバタ森を走りまわっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九条・文織
SPDで判定

「森に消えた、か。元々森は人の世から隔絶した場所ではあるけど、あそこでは今何が起こっているんだろうね。」
森の奥にあるものを見通そうとするように、森の方をじっと見て。

「携帯食糧に方位磁針は必要だ。後は軽くマッピングもできるようにして、と。忘れちゃいけないのは、目印用のリボンってところかな。」
方位磁針で方角を調べ、一定間隔で木の枝に目印となるリボンを色で使い分けて結ぼうとし。
地形的な特徴を紙に書き込んで行こうとして。

「一応野営の準備も必要かな?備えあれば憂いなしって言うしね」
必要最低限の野営準備も整えておく。



時を同じくして―。

■森の先へ
「森に消えた、か。元々森は人の世から隔絶した場所ではあるけど、あそこでは今何が起こっているんだろうね。」
逸早く、到着していた九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)が森を眺めて呟く。
「携帯食糧に方位磁針は必要だ。後は軽くマッピングもできるようにして、と。忘れちゃいけないのは、目印用のリボンってところかな。」
準備万端である事を確認すると、森の中へ踏み込んでいった。鬱蒼と茂る木々は人の侵入を拒むように足元の草木も、絡みつくようで歩き難い。進むに連れて霧に覆われて見通しも悪くなっていく。文織は方位磁石を確認する。ところが、方位磁石はくるくると止まる事なく回り続ける。
「成程、入らずの森か。」
予想範囲だったのか、文織は一定間隔に用意したリボンを使い色分けして結び進む。折りたたまれた大判の用紙も取り出し、丁寧に的確なマッピングを始めた。
「日が暮れる前に辿りつければいいが…。」
念のため野営の準備も怠らなかった文織は空を見上げる。これだけ茂った森では木々に遮られて星を確認することも難しいだろう。
「さて、先を急ごうかね。」
文織は黙々と先を進んだ。そうして―。明らかに開けた空間にでる。不自然に実った果物や咲き誇る花々。抗えないように果物を手に取る。食べたいと文織は思った。衝動に近い誘惑を前に、【まるで10秒先の未来を見てきたかのように】手に取った果物を食べるのをやめる。
「やれやれ・・。」
文織は果物を投げ捨てるとその先へと進むことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユート・エルスフォード
人がどんな手段で誘い込まれたのかも気になる…
正体不明の相手の手掛かりになるかもしれない。
消えたのが男か女か、大人か子供か、事前に共通する行動は
なかったか等を聞き込んだ上で森に向かう。


数十人が同じ場所を目指しているなら、
踏み入った跡が残っていない方がおかしい。
「入らずの森」というくらいだ。人が通る道も
大して整備されていないだろうから目立つはず。

足跡、折れた枝、落とし物、血痕…一つ一つ
注意して観察しながら森を探索していく。

人を見つけたら情報収集。錯乱してこちらを
攻撃してくるようなら気絶させ、縛って無力化し森の外まで運ぶ。
可愛そうだがまた森に入ってしまうよりはマシだろう。



■痕跡
 近くの町で情報収集を終えたユート・エルスフォード(ダンピールの黒騎士・f07769)は森の中を進んでいた。彼が手に入れた情報では被害者が森に向かったという繋がりは得られなかった。『そういえば、あの人最近みないね?』町の住人の認識はその程度で、現時点で全容を知っているのは猟兵だけだったからだ。ただし、失踪した者の身近な家族は別である。失踪した家族を持つ者がいうには、失踪者は男女子供問わず、共通点らしいものは見当たらなかった。しかし、数人の家族には共通点があった。失踪者が居なくなる前に親切な人から果物を分けてもらったのだという。「人がどんな手段で誘い込まれたのかも気になるな…。果物か、偶然か否か。」
ユートは得た情報を元に森を進む。失踪者が生きている可能性も考え、彼らを森から救出する手はずも取っていた。これだけ生い茂った森だからこそ、侵入の痕跡は残る。注意深く、森に入った痕跡を探し進んでいく。
「鉤爪の跡―。これは、失踪者…いや、仲間のものか。」
木々残る痕跡、仲間がつけたものだとユートは瞬時に判断した。続いてリボンが結んである。しかし更に、ユートは見つける。不自然に折れた枝が足元に落ち、誰かが踏みつけた跡。獣道と呼ぶには高い位置の枝が折れている。猟兵が仲間が知らせるには些か紛らわしい。落ちた木の乾き具合をみるに、数日は経っている。
「やはり、目立つな。」
手がかりを元にユートは先を急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルスラーン・アウロフ
【POW】
誘われるように消える、とは何とも不気味な話だ。しかし、これ以上失踪者を増やすわけにはいかぬ。それがしも此度の全容を明らかにするために調査へ赴こう。

それがしは森の中を進み、失踪者の痕跡や、彼らの目指す場所が何処に在るのかを調べるとしよう。極力見通しの良い太い道を選んで進むが、必要とあらば道無き道でも切り開き突き進むぞ。

だが帰り道を見失い、失踪者として名を連ねては本末転倒だ。概ね百歩歩く毎に、どの方向から来たのかの矢印を鉄塊剣を用いて深めに抉り掘り、それを帰還時の道標とする。借りに埋め消されても不自然な土の様子から推察は難しくはないだろう。

「……失踪した者たちが無事だと良いのだが……」



■獣道
 森に一歩踏み入れると、空気がかわる。ルスラーン・アウロフ(白き霊園の守護騎士・f10776)は、出来るだけ太い道を選び進もうとした。視線を巡らせ、地面に違和感を探す。すると、森の中に獣に踏み固められた通り道を見つけた。ルスラーンは獣道を注意深く進む。
「誘われるように消える、とは何とも不気味な話だ。しかし、これ以上失踪者を増やすわけにはいかぬ。」
ルスラーンは何より、家族を失う痛みを知っていた。
(それがしも此度の全容を明らかにするために調査へ赴こう。)
愛する妻を自分の村の仲間をオブリビオンに奪われているからだ。今も妻たちの眠る霊園を一人守るルスラーンにとっては他人事とも思えないのだろう。
「変だ。」
ルスラーンは獣道がまるで中央を避けるように遠回りしている事に気が付いた。何故わざわざ遠回りをしているのか。そもそも、獣道なのだから曲がっていてもおかしくはないのだが、中央を避ける道理が見当たらない。何かあるのかも知れない。ルスラーンは歩みを止め思案する。そして、鉄塊剣を抜くと地面に突き立て矢印にするように抉り堀り刻む。土は、簡単に盛り上がった。
「こうしておけば、迷うこともないだろう。」
一定間隔で矢印を付け道なき森の中を突き進む。進むに連れて霧は濃く深くなっていった。やがて、開けた場所にでる。見慣れぬ果物に花々が茂っている。
「果物か。」
嫌な予感がしてルスラーンは果物から距離をとる。事前に得た情報の中に、気になる事があったからだ。
「……失踪した者たちが無事だと良いのだが……。」
目的の場所は近い。予感を感じてルスラーンは先を急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上垣・重
【WIZ】で行動

猟師見習いを思わせるような風体に【変装】して、情報収集をします。
町の中にある食料店や飲食店、出来ればお肉を取り扱っているお店でお話を伺いたい所ですね。

こちらが尋ねたい事は
・入らずの森には神々が大切にする庭園があるとの事ですが、そこの神様の御使いはどんな姿かご存知ではないですか?
・猟で森へ入ってみたいのですが『勝手に踏み込む』わけにはいかないので、ちゃんとした手順が有れば知りたいという旨

尋ね終われば、情報の共有を他猟兵へ行う。それと情報のお礼として、聞き込みをしたお店でちょっとした軽食とか買っておこうと思います



■森から西
 上垣・重(虚飾の魔人・f00260)は森から西の町を訪れていた。如何にも見習い猟師の恰好に【変装】している。
「店主、入らずの森には神々が大切にする庭園があるとの事ですが、そこの神様の御使いはどんな姿かご存知ではないですか?」
客を装い店主に尋ねると、暇をしていた店主が面白そうにのってきた。
「森の神様かい?なんだ、あの森で狩りをしようってのか?」
店のカウンター越しに身体を乗り出し重の装備をしげしげとみると、まだ見習いといったところ。
「いや、まぁ。あんた、あの森には大きな翼をもった神様が住んでいるんだそうだよ。俺もばぁさんから聞いただけだが…大昔に一度禁忌を犯して、神様がお怒りになった事があってなぁ。」
重が猟師の【変装】をしている為か肉屋の口は軽い。柔和な笑顔で店主から【情報収集】を続ける。
「それで、どうなったのでしょうか?」  
店主にとって猟師と仲良くするのは悪い事ではない。猟師は肉屋にとっては贔屓にすれば上客にも、いい獲物を捕らえた時には滅多に手に入らない肉を買い取れる、取引先にもなるだろう。
「怒った神様は毎晩、一人ずつ『生贄』を所望されたそうだよ。」
怒りが静まるまで村が幾つか潰れたともきくな・・と、店主は続けた。 
「大きな翼ですか、猟で森へ入ってみたいのですが『勝手に踏み込む』わけにはいかないので、ちゃんとした手順が有れば知りたいのですが。」
店主が青ざめた。
「入らずの森は、入っちゃなんねぇから、…だが、まぁ。もし入るなら森の中には獣道があるから。獣道より外れてすすまねぇように。」
店主はさらに重に続ける。
「嘘か本当かは知らねぇが森の中の食べ物には手を出さないことだ。あれは神様の物だからな。深追いするなよ?」
これだけ、脅せば新米の猟師なら、びびって近づかないだろうと店主は思った。
「ありがとうございます。店主、なにか軽食にできそうなもの頂けますか?」 
尋ねられれば店主は気前のいい接客用の笑顔を披露する。
「おう!待ってろ。」
暫くすると、ライ麦パンに薄くスライスされたハムがぎっしり詰め込まれたサンドイッチが紙袋に詰め込まれて手渡された。重は店主に代金を支払うと店をでる。
瞳を伏せたまま、森の方を見つめた。
「他の猟兵と情報共有できれば良かったのですが、先を急ぎましょう。」
ゆったりとした足取りで重は森へ向かったのだった。

■入らずの森
 重は、店主の情報を元に森を進む。獣道を探すとそれは直ぐに見つかった。
(店主の情報なら、獣道を外れて進む必要がありそうです。)
幾ばくか獣道を進み、ふと、道に違和感を覚える。重は森を囲むように緩い円を描いているのではないかと気が付いた。だとすれば、目的の場所は森の中央である。
重は森の中央を目指したのだった―。

 やがて、森は深く暗くなっていく。真っすぐ進んでいるのかどうかも危うい。それでも真っすぐに進む。そうして、ぽっかりと開けた場所へ出た。木々や花々が生い茂り、果物があちこちに実っている。
(食べたりしない方がよさそうです。)
そのまま奥へと進む。

 明らかに森の中とは思えない、手入れをされた『庭園』がそこにあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『血の薔薇園』

POW   :    大胆に行動

SPD   :    慎重に行動

WIZ   :    アイテムや特技を活用

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●神々の庭園
 入らずの森を抜け、猟兵達が辿り着いた先には、ぽっかりと開けた空間。怪しい果物と、美しい花々―。そしてその先に、明らかに手入れされた庭園があった。四方を囲うように、青々とした垣根。中央には、アーチを描く美しい細工の施された門がある。その門をくぐれば、毀れるように芳しい薔薇の香り。そして、幾重にも広がる紅い、紅い薔薇の庭園。大切に育てられたと一目で分かる。美しい神々の庭園、成程と猟兵は思うだろう。確かにそこは、この世のモノとは思えない神々の庭園だった。

 ただ一つを除けば―。
紅い、紅い、紅い、薔薇の花。どこを見ても美しい、だた一輪も枯れる事を赦されずそこに咲き続ける。水をやる者も、手入れをする者も見当たらない。猟兵達は気が付いてしまうだろう。そう、彼らが踏みしめる地面が赤黒く、そして甘ったるい噎せ返る程の花々の香りにまざって、鼻につく、酸味を帯びる鉄錆のような血の香りに―。

●紅い庭園
 神々の庭園と呼ばれたソレ。薔薇の庭園は人間を養分に育つ『神々の庭園』だった。猟兵たちは、こういう悪趣味な趣向を行うオブリビオンに心当たりがあるだろう。恐らく、それはヴァンパイア。しかし、彼らの姿は見当たらない。だとしたら、この先にいるという『神様』はなんだというのだろう。しかし、このまま、この庭園を放置していれば村人から更なる犠牲がでるだろうことは安易に想像できる。

 ―今は、『神々の庭園』を破壊しなければ。

●猟兵の活躍で入らずの森から神々の庭園までの道が開けました。
発見された庭園は危険なものです。これ以上被害が及ぶ前に破壊してください。
ユート・エルスフォード
悪趣味だな…人間にとっては。
オブビリオンであればいい娯楽なんだろう。

この庭園を破壊するにしても、先に目印を
付けていた仲間との合流もしておきたい。

黒剣で薔薇と果物を根から薙ぎ払いつつ味方の位置、
そして庭園の構造を把握して庭の主の居場所や
いざというときの逃走経路に当たりをつけておく。

特に果物は根も断って実は種まで潰しておく。
これは薔薇よりも性質が悪いかもしれない。

犠牲者は早く弔いたいところだが
…これ以上、この庭園の主を放置できない。
「神様」などと呼んではやらない。

この庭を見る限り、相当に自意識過剰な
奴だし逃げないとは思うが、庭破壊後は
出来る限り静かに奥を目指す。


天星・零
暁音と連携



夕夜『こんな、見た目だけの庭園はみんなで壊して燃やしちまおうぜ?そっちの方が綺麗だしな。それに、嫌いなんだよこの匂い』

零『同感だね。神が堕ちたか、それとも神を名乗った悪魔か‥まぁ、どちらにせよ悪趣味だ。僕のオブリビオン達も怒ってる』

【第六感・情報収集】を使いつつ周りに何か読み取れる情報がないかを探しつつ、【オルタナティブ・ダブル】を使い別人格の夕夜は武器の『Punishment Blaster』を使い燃やしつつ、零は『Ø』を使って切り刻む形で花を暁音と除去
【追跡】できるものがあれば追跡する

指定技能以外にも使用できるものがあれば臨機応変に使用

アドリブ可能
口調はステシ参照


天星・暁音
零と連携

「本当に見た目だけは綺麗だよね…」

「うん、到底いい趣味の栽培方法ではないよね…この子たちもこんな所に咲いてなければ…まあ、そもそも咲かない可能性のほうが高い…か…うん、ささっとやっちゃおう」

【全力魔法・範囲攻撃・高速詠唱】の【裂光流星】でもって薔薇園を【なぎ払い】吹き飛ばします。
その際自らも【第六感・情報収集・世界知識】等で庭園の様子を観察します。

武器による薔薇たちへの【共苦】で痛みを感じて少しは気分は良くないです。

表には出さないつもりですが、そこはMS様にお任せします。
掘り下げてみてもかまいません。


ルスラーン・アウロフ
【POW】
手遅れであったか……なんと、惨い……。
だが、悼むのは全てが終わってからだ。先ずはここを全て破壊し、更なる被害を食い止めねば。

しかし……ここに来るまでに一切の妨害がなかったことが少し気になる。そして犠牲者の直接の死因。あの薔薇が人の命を餌にしているのは確かであろうが、ヴァンパイアや神とやらに殺されてから餌にされたのか、あの薔薇自体にも人を死に至らしめる力があるのか判断出来ぬ。無論、破壊の手は一切緩めぬが、ここは既に敵地中心部。警戒と観察は怠らぬ方がよいだろう。

「許し難き所業は、我が剣にて打ち砕く……」

◇備考
怪力5、見切り3
観察と警戒はするが、大胆かつ派手に破壊行動を行うことに変わり無し


上垣・重
花の出来はとても良い物だと思いますが、これを作るまでの工程がとてもとても気に食わないですね。
喪ったものが帰って来るわけではないですけど、これ以上の犠牲を出さないためにも機能が働かなくなるぐらいに壊してしまいましょう。

【エレクトロレギオン】を使って、庭園の端からじっくりと整地作業をしましょう。
花は燃やして、潰して新しい肥料に。
土は焼いて、穴を空けて耕して。
整地漏らしがないよう、自分で壊したモノを足で踏み硬めながら行きます。

此処の『神様』は翼があるとの事なので、上空の方を少し警戒しておきましょうか。
守衛のような存在が居るわけでもなく、ただ存在だけする庭園。それに翼を持った相手…気にはなりますね。


九条・文織
【SPDで判定】

「見事な庭園だけど、どうやら肥料は悪趣味で問題がありそうだ。」
周囲の様子を見てひざをつくと、土の状態を調べて。

「桜の下には死体が埋まっているなんて言うけれど、この薔薇見ていると綺麗なはずなのに禍々しく感じるね。」
「花に罪はないのかもしれないけど、消えて貰うとしようか。森の中で火は不本意だけど・・・これはしょうがないかな。」
森への延焼に気を付け、ランタンの油を使って庭園に火をかけて燃やそうとする。

「しかし薔薇が自ら人を襲うんでも無い限り、管理者が居てもおかしくないんだけど・・・。リアクションが無いのは気になるね。」
何かに襲撃されないか周囲を警戒しておく。



●庭園
 美しい庭園がそこにはあった。天星・暁音(貫く想い・f02508)は天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)と零のユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】によって現れたもう一人の人格、『夕夜』と共に庭園を見てまわる。
「本当に見た目だけは綺麗だよね…。神様なんて呼ばれるモノはこれだから困るよ。」
暁音は庭園を眺めて呟くと、夕夜が同意するように頷く。
「こんな、見た目だけの庭園はみんなで壊して燃やしちまおうぜ?そっちの方が綺麗だしな。それに、嫌いなんだよこの匂い。」
根が素直で真っ直ぐな印象の夕夜は本当に嫌そうに零の方を向いてそう告げる。半身とも呼べるもう一人の自分の言葉に零も続く。
「同感だね。神が堕ちたか、それとも神を名乗った悪魔か‥まぁ、どちらにせよ悪趣味だ。僕のオブリビオン達も怒ってる。」
零のゴールドとワインレッドの瞳が細められる。真っ赤な薔薇の色がその瞳に映り込んだ。
「うん、到底いい趣味の栽培方法ではないよね…この子たちもこんな所に咲いてなければ…まあ、そもそも咲かない可能性のほうが高い…か…うん。」
本来なら花々に『罪』はないのかもしれないと暁音は考えていた。しかし、その考えは直ぐに改められる。育ってはいけなかった花達。猟兵として、解ってはいてもやるせないモノがあったのだろう。暁音は、二人の―零と夕夜の―顏をみる。
「ささっとやっちゃおう。」
そうして、零と夕夜に提案するのだった。

 ユート・エルスフォード(ダンピールの黒騎士・f07769)とルスラーン・アウロフ(白き霊園の守護騎士・f10776)も庭園を歩いていた。花の香りに混ざるソレに、失踪した者の末路は想像に容易い。
「悪趣味だな…人間にとっては。オブビリオンであればいい娯楽なんだろう。」
ユートは血の染みついた土を踏みしめた。邪悪であるのは、オブリビオンばかりではないと彼は知っている。人間も人間で残虐なものだ。それでも、オブリビオン達の娯楽ほどではないとユートは思った。厚く曇った空にユートの灰色の髪が重なる。
「手遅れであったか……なんと、惨い……。だが、悼むのは全てが終わってからだ。」
ルスラーンは注意深く薔薇の花を観察していた。鎧に覆われ、素顔も隠されているが、その下の紫の瞳は庭園全体の異変を逃すまいと見開かれている。管理人がいないとはいえ、用心に越したことはない。
(あの薔薇自体にも人を死に至らしめる力があるのか判断出来ぬ。)
今のところ、特に襲ってくる気配はないとはいえ、ここは既に敵地中心部だ。
「先ずはここを全て破壊し、更なる被害を食い止めねば。」
警戒と観察は怠らぬようにとルスラーンは気を引き締めた。ユートもまた、庭園の構造を確認しながら歩く。どこか浮世離れした空間。
「いざという時の退路も確保しておかねばな。」
戦闘になるだろう事を見越した様にユートは退路に当たりをつける。仲間の猟兵との連携を念頭に置かなければならないだろう。
「犠牲者は早く弔いたいところだが…これ以上、この庭園の主を放置できない。」
美しい庭園、神々の庭園。真っ赤な血で作られた、多くの命を摘み取った、庭園。そんなもの・・、ユートは思う。夕日のようなオレンジの瞳が苛立ちに染まる。
(―『神様』などと呼んではやらない。)

 上垣・重(虚飾の魔人・f00260)に九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)も、庭園を見回っていた。
「見事な庭園だけど、どうやら肥料は悪趣味で問題がありそうだ。」
文織が周囲の様子を見て、膝をつき土の状態を調べる。凛とした雰囲気を纏った銀髪の女性は、左右違った色の瞳を称えている。調べてみると土はどこか生臭く、異臭を放っていた。やはりな、と文織は手についた土を払う。重も足を止めて周囲を観察していた。不自然すぎる程に、瑞々しく花々が彩っている。
「花の出来はとても良い物だと思いますが、これを作るまでの工程がとてもとても気に食わないですね。」
重もこの庭園が何で出来ているか気が付いていた。ゆったりとした佇まいの中に僅かであるが苛立ちがみえる。
「桜の下には死体が埋まっているなんて言うけれど、この薔薇見ていると綺麗なはずなのに禍々しく感じるね。」
文織が溜息交じりに立ち上がる。重は文織の言葉に同意するように伏せたままの金色の瞳で庭園を見渡した。
「喪ったものが帰って来るわけではないですけど、これ以上の犠牲を出さないためにも機能が働かなくなるぐらいに壊してしまいましょう。」
この提案に文織は大いに賛成だ、と頷くのだった。

●破壊の先に―
この庭園の破壊に赴いたのは6人の猟兵。
「花に罪はないのかもしれないけど、消えて貰うとしようか。森の中で火は不本意だけど・・・これはしょうがないかな。」
文織がまず、手持ちの荷物から野営用にと用意したランタンの油を取り出すと庭園に撒いていく。森は神聖なモノ。彼女には、この世界に在って、この世界ではないあちらの領域として認識されていた。無為に荒らすのは本意ではないのだろう。それ故に、文織は『森』に燃え移らぬよう火を放つ。夕夜もまた、『Punishment Blaster』を呼びだした。
「おらおらぁー!」
虚空から現れる4体の骸骨の頭蓋。それぞれが夕夜の指示に従い森を庭園を砲撃し始める。
「夕夜、あまりやりすぎないように…。いや、やってしまってよかったね。」
派手に砲撃する自身の別人格を前に、零も【第六感】を働かせ、【情報収集】を使う。暁音もまた、【全力魔法】の【範囲攻撃】を【高速詠唱】を行った。
『星の光よ集え。我が意を持ちて流星と成し悪しきを散せ。走れ魔法陣。輝け!裂光流星(シャイニング・エストレア)!』
杖の先端が庭園に向けられる。虚空に瞬時に出現した魔法陣が淡く輝いた。星の光―。それが幾つも魔法陣から撃ちだされ、庭園を【薙ぎ払】う。
「零、何かわかった事あるかな?」
暁音もまた【第六感】を働かせ、この庭園から何か【情報収集】ができないか注意深く観察していた。【世界知識】から、暁音はこれがヴァンパイア…オブリビオンの庭園であることに間違いないのだろうと察する。普通の花々とは違い、この庭園は人間の血を飲んで育つ。焼き払い、薙ぎ払う花々は最後の時を鮮やかな炎に身を包み燃え上がらせていた。痛みが走る、花々の悲鳴―。僅かに痛みを感じたかのように暁音の表情が揺らぐ。【激痛耐性】のある暁音だからこそ、揺らぎは瞬くように短く気が付ける者はいなかっただろう。
「許し難き所業は、我が剣にて打ち砕く……」
ルスラーンがブレイズフレイムを打ち放つ、自身の身体を切り裂き噴出したのは『地獄の炎』、紅い薔薇は紅蓮の炎に染まり、その身を灰にしていく。【戦闘知識】のあるルスラーンは無駄のない攻撃で確実に庭園を焼き払っていった。ユートは周りを見渡し、庭園にある果実を斬り落とし確実に処分していく。
「種一つ残さず処理しなければ…。花よりもある種、厄介だからな。」
これだけ荒らせば、親玉が出てきてもおかしくはない。
「この庭を見る限り、相当に自意識過剰な奴だし逃げないとは思うが…。」
ユートは庭園の破壊後、この先に控えているかも知れない『神さま』の存在を警戒していた。出来るだけ静かに事を運べばまた違ったかもしれないが、この際派手に庭園をぶち壊して怒らせた方が早いのではないだろうかと、ユートは仲間によって破壊されていく庭園を眺めた。
「ユート殿。手伝おう。彼らに任せておけば大丈夫だろうからね。」
そこに文織が加わる。文織は、庭園から森に火が燃え移らないように【まるで10秒先の未来を見てきたかのように】炎を予想し、森への被害拡大を確実に回避させていた。

 そうして―。重が仲間に声をかける。
「そろそろ、いいでしょう。」
零の言葉に、暁音と零、夕夜が庭園から距離をとった。続いてユートと文織、ルスラーンも庭園を囲むように離れる。仲間が離れたことを確認すると重はゆっくりとした動作でユーベルコード【エレクトロレギオン】を発動させる。
「じっくりと整地作業をしましょう。」
70を超える小型の機械兵器が現れ重の指示に従い、庭園の端から『整地』作業を始めた。
「花は燃やして、潰して新しい肥料に。土は焼いて、穴を空けて耕して。」
漏らしがないように、的確に、機械兵器達は庭園の土を掘り起こしていく。それを踏み固める様に、重は庭園だった跡を歩く。
「整地漏らしがないよう。」
跡形もなく―。
「此処の『神様』は翼があるとの事なので、上空の方を少し警戒しておきましょうか。守衛のような存在が居るわけでもなく、ただ存在だけする庭園。それに翼を持った相手…気にはなりますね。」
誰に、ともつかず重は声をかける。『神々の庭園』は文字通り、猟兵達の手によって『消滅』を迎えるばかりであった。

 空が鳴いているようだった。『庭園』は燃え煙を高くあげ、終わりを迎えた。曇った空は更に煙で渦を巻き、暗く黒く見えるだろう。この場にいて、重はふと空を見上げる。大きく、真っ黒い『影』がそこに在った―。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『不服従の賢王』

POW   :    贄の叫び
自身が戦闘で瀕死になると【墓場の亡者 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    闇の嘆き
自身の装備武器を無数の【黒百合 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    葬られる孤独
【死の恐怖 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【有象無象の蛇のかたまり】から、高命中力の【恐れを喰らう蛇】を飛ばす。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠揺歌語・なびきです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●神と呼ばれたモノ
 この森には神様がいて、そして神様の庭園があった。猟兵達は空を見上げる中、町で知った情報が頭をよぎる。
 (バサリッ。バサリッ。…。バサリッ。バサリッ。)
それは羽ばたき。風が吹き荒れる。空が軋んだと思った。その大きな鳥のような『影』は、旋回するように庭園の上を飛んでいる。次第にそれは大きな鳥の姿として猟兵達に視認された。フクロウ―と安易に呼ぶには大きい、人間の頭蓋などその肢で容易く持ち上げられるだろう。その声は森が軋むほど、甲高く。そして不気味に聞こえた。鳥の頭上には豪奢な王冠、その上に乗る蛇がギョロリとした目で猟兵を見下ろす。しゅるしゅると赤い舌が伸びる。森の神―。人間であればそう認識してもおかしくはない。時に人知を超え、人を脅かす『存在』を人間は『神』と呼ぶ。そして、一方的に振るわれる『理不尽』を受け入れる『理由』にするのだろう。しかし、この森にいるのは『猟兵』。猟兵とって目の前にいるのは『オブリビオン』でしかない。オブリビオンを滅ぼす事が猟兵の業である。

 ならば、きっと。『神』を殺すのもまた―『猟兵』達なのであろう。
明日葉・雅
神と呼ばれたものですか。それでも人々に手を上げるのであれば容赦はしません。
あーくん、一緒に闘ってくれますか?
『みーちゃんが行くのならばそれが俺の道でもあるさ。なに、神殺しだろうとやってやるよ』

敵の力を削ぐことをメインに行う。戦闘時は明日葉(あーくん)が表に。雅(みーちゃん)はフォローに。
回復が必要な場面なら雅が歌を奏でる。
拷問具の動力源として左手首を切り、血をながし続けている。
空を飛び回るのは厄介だな。その機動力を削がせてもらうさ!



●処刑人と不服従の賢王
 深い森の真ん中にぽっかりと開けた広場。明日葉・雅(咎喰らい・f07590)が空を見上げる。
「神と呼ばれたものですか。それでも人々に手を上げるのであれば容赦はしません。」
神と呼ばれた『ソレ』を見つめるのは雅だ。これから戦う相手を見定める。怪鳥とも呼べる大きな梟が翼を広げた。黒い影が広間全体に濃い影を落とす。
「我は不服従の賢王ナリ。贄を差し出せ―。」
甲高い声と共に、ひらりと空から何かが降ってくる。自らを『賢王』と名乗るオブリビオン。翼から羽根が舞うかのようだと雅は思った。だが違う。―月光が雲間からのぞく、すぐに花びらだと解った。暗い、黒い花びら。賢王からの専制攻撃である。黒い百合の花びらが雅の身体を襲った。肌を切り裂く程鋭く、それは幾重にも雅の身体を切り刻む。
「あーくん、一緒に闘ってくれますか?」
呼びかける相手は姿形は存在しない。しかし、直ぐに返事は届く。
『みーちゃんが行くのならばそれが俺の道でもあるさ。なに、神殺しだろうとやってやるよ。』
雅をみーちゃんと呼ぶ声は、雅自身から発せられた。同じ身体に二つの人格が同居する。あーくんと呼ばれた『明日葉』は一切の躊躇いなく自らの左手首を傷つけた。賢王に向かい、咎力封じの力で【手枷】【猿轡】【拘束ロープ】を次々と放つ。
『反撃だよ。』
躱そうとした賢王を【だまし討ち】するように手枷はその大きな爪を持つ肢へ、猿轡は嘴へ、拘束ロープは翼へ絡みついた。
『地面に引きずり降ろしてやる』
捕らえたまま【傷口をえぐる】様に、明日葉がオブリビオンの動きを封じる。地面が揺れた。落下したオブリビオンの翼が暴れると同時に舞い散る花びらが地面にぱたぱたと、落ちる。
「あーくん、傷を癒します。」
雅が、明日葉と入れ替わる。戦場と化した夜の森に、透き通る歌声が響き渡った。空気を震わせる美しい響き、明日葉の【歌唱】に耳を傾ける猟兵の傷が癒されていく。雅は歌い終わると直ぐに明日葉に入れ替わった。
『空を飛び回るのは厄介だな。その機動力を削がせてもらうさ!』
明日葉が続けて賢王の動きを封じようと攻撃を試みる。的確に―翼を狙う。
(バサリッ。)
賢王は振り払うように、再び空へと舞い上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルスラーン・アウロフ
あれが『神』か。ふん、無辜の民を脅かし、大地を血で染めるアレが神であるならば、それがしは喜んで神殺しになってくれる。

先ず、奴の翼をどうにか出来ればかなり戦いやすくなるだろう。厄介な攻撃をされる前に、補助武器のバスタードソードを奴の片翼目掛け投げつけるぞ。最悪当たらなくても構わん。狙いは隙を作ることだ。一瞬でも奴の目が投げた剣に向いたなら、【血統覚醒】で強化した身体で地面を強く蹴り跳躍。鉄塊剣にてその翼に渾身の一撃を与えん。

「我らダンピールは生まれながらに神殺しの力を持つらしい。真偽は知らぬ。故に貴様で試すとしよう」

もし亡者が召喚されたら、強化した身体と持ちうる技能を駆使し、全力で相手をしよう。



●霊園の守護騎士
「あれが『神』か。ふん、無辜の民を脅かし、大地を血で染めるアレが神であるならば、それがしは喜んで神殺しになってくれる。」
ルスラーン・アウロフ(白き霊園の守護騎士・f10776)が再び舞い上がったオブリビオンに向かい鉄塊剣を突き付けた。空を舞う大きな梟は人語を操り、自身を『不服従の賢王』と名乗っている。仲間の猟兵により一度は地に落ちた『賢王』を前にやはりなと、ルスラーンは思う。
「先ず、奴の翼をどうにか出来ればかなり戦いやすくなるだろう。」
厄介な攻撃をされる前に、その動きを封じる方が良さそうだと、ずしりと重い鉄塊剣を地面に突き刺す。代わりにすらりと抜いたのは、バスタードソードだ。今もなお空を旋回する『賢王』の片翼に、バスタードソードを勢いよく投げつけた。外れるかもしれない。不確かな攻撃だった。しかし、ルスラーンの【怪力】と身に沁みついた【戦闘知識】がそれを可能にした。投げつけられた剣は『賢王』の左翼へ命中する。威力が足りないのか賢王に大きなダメージはない。だが、ルスラーンは不敵に笑んでいた。彼の狙いは敵に隙を作ることだ。ルスラーンの紫の瞳が、深紅に染まる。夜の闇に燃えるような炎を思わせる瞳は、血の色をしていた。【血統覚醒】、ルスラーンのヴァンパイアとしての血が目覚めの聲を上げる。鉄塊剣を再び手にすると、強化された力で、地面を強く蹴り跳躍する。ルスラーンは通常では到達できない程に高く、空を跳んだ。
「―その翼に渾身の一撃を与えん。」
そのまま、『賢王』の翼に一撃を加える。それは翼に確実なダメージを与えた。
「オノレ、猟兵め。」
賢王が高らかに声を上げる。
「我が忠実なる僕よ。起きよ。夜は深く我が兵となりて己が王を守れ」
ルスラーンの一撃でバランスを崩す、賢王は大きく翼を羽ばたかせた。確かな手ごたえを手に地に着地するルスラーンは異変を感じる。彼を取り巻く地面が、盛り上がった。ボコり、っと地面から何かが這い上がるのように、現れる。人間の形をした異形―。ルスラーンはそれが近隣の住人達の成れの果てであると気づいてしまうだろう。ルスラーンは動じることなく鉄塊剣を振るった。
「我らダンピールは生まれながらに神殺しの力を持つらしい。真偽は知らぬ。故に貴様で試すとしよう。」
襲い来る亡者達を振り払いながら、空を飛ぶ賢王に向かってルスラーンは言い放つ。未だ空を飛ぶオブリビオンは片翼を傷つけられ確実に追い詰められてみえた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユート・エルスフォード
随分遅いお出ましだな…近くにはいなかったのか?
いや考察はあとだな。まずはコイツを倒してしまおう。

相手が飛んでいるうちは【衝撃波】を掌から放ち攻撃し、
相手の攻撃動作が判別できるようになったら仲間にも知らせる。
狙えそうなら羽に集中攻撃、相手の機動力を奪ってみる。

【葬られる孤独】に対しては
【激痛耐性】【呪詛耐性】で対抗を試みる。

蛇、亡者が現れた際は【魔導蒸気式徹甲弾】を使用。
「そう来るだろうと思ったよ。
死者を使うのもお前らがよくやる手だ」
瀕死状態の相手ごと一掃するつもりで連射していく。

コイツを倒したとして…本当にこの事件は終わるのだろうか。
果物を配っていた存在が別にいたはずだが…?



●届かない光
「随分遅いお出ましだな…近くにはいなかったのか?」
ユート・エルスフォード(亡霊甲冑・f07769)は空を飛ぶオブリビオンを見上げる。今は焼け落ち形もない庭園。旋回するように飛ぶ、人語を操り、自らを賢王と名乗る『神様』は大きな梟を姿をしていた。成程、とユートは思う。
「暗くなるのを待っていたか―。」
梟は夜行性だ。オブリビオンであるが、その可能性は否定できない。
「いや考察はあとだな。まずはコイツを倒してしまおう。」
黒剣を抜き、武器を構える。しかし、空を旋回するオブリビオンには間合いが遠い。ユートは手のひらを敵に向かってかざした。ユートの手のひら近くの空気が僅かに振動した。それは大きな波となって賢王の翼を狙う。命中せずとも、その余波は大きい。賢王は【衝撃波】のあおりを受け上手く飛べないのか、確実に動きを封じられていた。
(バサリッバサリッ)
大きな羽音は森に響き渡る。【衝撃波】によって行き場を追い詰められた賢王は甲高く鳴き声を上げた。

 地中から嫌な感じがした。這い上がるような…蠢くような…、この世にあってはならない。だが、確実に存在する何かが目を覚ます。地面を盛り上がらせ幾つもの亡者達がユートの前に立ちはだかった。
「そう来るだろうと思ったよ。死者を使うのもお前らがよくやる手だ」
数も多いが、亡者の攻撃は一発が重い。ユートでも、これだけの数の攻撃を避け続けるには至らなかった。確実にダメージを受ける。だが、ユートは群がる亡者達をぎりぎりまで引き付けていた。
『この距離、この数なら……いける!!』
【籠手から高圧魔導蒸気を利用した徹甲弾】を放ち、自身から周囲の亡者達を一掃する。ぎりぎりまで、敵を引き付けてからの攻撃に、亡者達は、崩れ落ち土へと還って逝く。ユートは旋回する賢王を視界の隅に納め、亡者達に連射で応戦していた。
「コイツを倒したとして…本当にこの事件は終わるのだろうか。」
町で『果物』配っていた存在が気になる。恐らくは、庭園の持ち主。ヴァンパイアか或いはその手下、又はオブリビオンに脅され従うしかない『人間』の仕業。果物を食べた人間が何らかの中毒に侵され夜、森にやってくる。辿り着いた庭園で果物を貪っている間に『賢王の贄』となる。そしてー『残りカス』が庭園の『肥料』とされていた。こんなところだろうか―。だが、一方でユートは確信するだろう。此奴を倒せば終わる。
「終わらせてやる。」
高らかに飛ぶオブリビオンを見上げ、そう吐き捨てるとユートは沸いてくる亡者達を片付けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上垣・重
まさかあのような巨大な梟が庭園だったこの場所で祀られている神の正体だったとは…
どう見てもオブリビオンですし、例えそうではなくても──人に害する存在であるのは変わりない。つまりは僕らの出番って訳ですね。

再度【エレクトロレギオン】を呼び出し、空に向けて射撃を行います。
相手に当てるためというよりも空に居る相手の動きを牽制し、自由に動き回れないようにするためですね。
一斉に撃つのではなく、広範囲に時間差をつけて弾幕を貼ります。当たればラッキー程度で。

もし相手が地上戦に変えて来たら、【エレクトロレギオン】の攻撃が他の猟兵に当たらないよう後方から援護します。



●闇を飛ぶは…
庭園上空で繰り広げられる戦闘に、ゆったりと上垣・重(虚飾の魔人・f00260)は戦況を読む。【暗視】を特技とする重は、僅かな月灯かりでもその全容を把握できた。
「まさかあのような巨大な梟が庭園だったこの場所で祀られている神の正体だったとは…。」
空を飛ぶのは梟に似た大きな姿の『敵』である。
「どう見てもオブリビオンですし、例えそうではなくても──人に害する存在であるのは変わりない。」
神様などと呼ばれていても、その姿をみれば一目瞭然である。そして、相手がオブリビオンであればやることは一つだ。
「…つまりは僕らの出番って訳ですね。」
金色の瞳は未だ伏せられたまま、重は、【エレクトロレギオン】を使用する。無数の機械兵器は重の指示に従い、一斉に空に向けて射撃を始める。それは、空を縫う様に【串刺し】する無数の光の柱。僅かでも【時間を稼ぎ】敵の力を削ぐ、他の猟兵達への援護となった。幾重にも広域に射撃が行われる。一斉射撃とも呼べる攻撃は、位置を変え弾幕のようにオブリビオンの動きを狭めていく。
「此処で落としてしまいましょうか。」
更に、敵を追い詰めようと攻撃をしかけたその時、【死の恐怖 】が重の心を侵す。空から蛇のかたまりが降ってきた。しゅるり、と真っ赤な舌を伸ばす蛇は重の首に絡みつく。
「っく。」
首が強くしまった。息ができない―。重は、何とか蛇を引き放そうともがいた。次いで、【エレクトロレギオン】で自分のまわりの蛇を焼き払う。げほごほっと急に入っ
てきた空気に咽る。ボタボタと落ちてくる蛇のかたまりを重は順番に全て焼き払っていく。締め付けられた首の状態を確認し、ゆったりと目を伏せたままの空を見上ると、重はそっと息をつく。その瞳の金は未だ開くことはなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

九条・文織
「やっと神様のおでましか。庭園は綺麗さっぱり無くなった後だけどね。」
現れたフクロウに向かってそう言って『句切』を鞘から抜き

「幾ら花びらが無数にあったとしても、あらかじめ視えていれば対処はしやすいものだよ。」
闇の嘆きを使用されたら【絶望の福音】を使って回避を試み

「災いを振り撒くだけの神など、この世界には必要無いんだよ。」
「私の刃が届かない所に逃げられないようにしようか。翼を禁ずれば、飛ぶこと能わず」
フクロウの飛翔を阻害するための言霊を込めた呪符を飛ばして攻撃し、『句切』を使って斬りつける【二回攻撃】しようとし

「句穏。もう直ぐ帰るから、もう少し待っててね。」
守り刀の『句穏』にそっと触れ、句穏を想い



●句切る者
森を飛来する賢王を頭上に、九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)は敵を見上げる。
「やっと神様のおでましか。庭園は綺麗さっぱり無くなった後だけどね。」
皮肉にも似た言葉をオブリビオンに向かって言い放つ。本当に綺麗さっぱり、整地された庭園を眺めて文織はやれやれと思う。猟兵達の本気は怖い。徹底的なまでに破壊された庭園に仲間に頼もしさを感じる。それに、と文織は思う。大きな翼を持つ賢王は仲間の猟兵達によって幾分弱ってみえた。羽ばたくオブリビオンからひらり、と何かが空を舞う。文織の前に無数の黒い花びらは無数に舞う。黒い百合の花びらだ。またか、と彼女は腰にある刀、句切を抜いた。
(それは、もう視えているよ)
鋭い刃となって花びらが風と共に文織を襲う。数が多いゆえ全てを避けるには能わない様にみえた。だが、文織は【まるで10秒先の未来を見てきたかのように】その攻撃を全て避けていく。
「幾ら花びらが無数にあったとしても、あらかじめ視えていれば対処はしやすいものだよ。」
句切の刃が弧を描く。文織を襲った花びらが二つに割れ地にぱたぱたと落ちた。
「災いを振り撒くだけの神など、この世界には必要無いんだよ。」
未だ上空に留まる賢王、オブリビオンに文織は嘲笑う。
「私の刃が届かない所に逃げられないようにしようか。」
オブリビオンの飛翔を阻害するように、文織は呪符を取り出しそれを放った。
「…翼を禁ずれば、飛ぶこと能わず。」
呪符に込めるのは言霊。空を飛んでいたオブリビオンが態勢を崩す。言霊が、オブリビオンの翼を縛り付けていた。滑空する賢王に文織は微笑む。
「良い子だ…。」
地を蹴ると跳ぶ。そのまま、賢王の身体を『句切』で斬りつけた。悲鳴に似た鳴き声を上げる賢王に、【二回攻撃】を見舞う。深手を負った賢王はなりふり構わず翼を羽ばたかせ暴れ始めた。多くの血を流し再び飛翔する賢王に、文織の目が苛立ちに目を細める。
「悪い子だ。…大人しく地を這っていればよいものを。」
(トドメは仕損じたが、此れで良いか。)
文織はそっと、自身の守り刀である『句穏』へ手を伸ばし、指先で鞘を撫でる。
「…句穏。もう直ぐ帰るから、もう少し待っててね。」
今はただ、自分の帰りを待っているだろう彼女を思う。文織は再び呪符を取り出し、賢王に対峙するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
【零と共闘】

黒幕のお出ましって訳だね。
ここまでくれば、後はこいつをぶちのめしておしまいだ。
とはいっても俺は回復に回るんだけど…
命を吸う庭園の主、きっちり永遠の闇へと放逐しないとね。
出来ればこここで亡くなった人たちの為に鎮魂の舞も捧げたい所だけど…そんな余裕残るかな…

「零、夕夜、2人とも気をつけて…皆の支援は引き受けるから、2人とも好きなようにやって大丈夫だよ」

【覚悟・優しさ】で仲間を癒し支援します。
側に零達がいるので倒れてるくらい構わないと思っているので全霊込めて行きます。
戦闘後にその余裕があれば【祈り】で亡くなった人の為に安息と鎮魂を願い巫女として舞を捧げます。


天星・零
暁音と連携

「オルタナティブ・ダブル」で零と夕夜で戦う
SPD技を警戒し間合いを保つ

夕夜は武器『Punishment Blaster』を使い砲撃
零は「首狩り女王の死刑執行」自身も『マフェッドスレッド』で【毒使いと呪詛】を用い相手へ攻撃


敵が地上から離れた場合、装備の『アンダーヘイル』を媒介に周りの霊力を使い「死した嘆きの魔女」を発動

【追跡】で敵を見失わない様に、万が一のことに備えて【第六感】を働かせておく

戦闘後零に、また犠牲者に祈りを捧げ暁音が倒れたのであれば背負ってその場を立ち去る

首狩り女王(ディミオス)の口調
私+貴様、お前、零のことは名前で+-だ、だよな、だろう?と女王様らしい喋り方

アドリブ歓迎



●そして―。
 未だ、空を飛ぶ『神様』がいる戦場に、天星・暁音(貫く想い・f02508)と天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)、オルタナティブダブルで肉体を得た零のもう一つの人格、夕夜ががいた。
「黒幕のお出ましって訳だね。ここまでくれば、後はこいつをぶちのめしておしまいだ。」
暁音は、星杖シュテルシアを力強く握り締める。此処には大切な零、夕夜、そして猟兵の仲間達がいる。初めから攻撃に参加する気はない、暁音は回復に回ろうと決めていた。彼らを支え守り抜く【覚悟】を持って暁音は戦場に臨む。
「命を吸う庭園の主、きっちり永遠の闇へと放逐しないとね。」
零と夕夜に笑顔を向ける。
「零、夕夜、2人とも気をつけて…皆の支援は引き受けるから、2人とも好きなようにやって大丈夫だよ」
仲間を深く信頼するからこそできる選択。互いの役割を把握するように3人が、頷き合う。さぁ―。オブリビオンに引導を渡そう。

●不服従の賢王と首狩り女王
 羽ばたく賢王は、あと一歩という所まで弱っている。羽根は傾き、もう一押しに見えた。
「逃げるかな。」
まずいかも知れないと零は危惧した。追い詰めた敵を逃がしては元も子もない。何時でも追えるよう【追跡】と【第六感】を働かせ準備をする。そんな事を知ってか知らずか、元気な声が森に響いた。
「やっちまおうぜ!」
夕夜である。先陣を斬った夕夜は、4個の頭蓋を自在に操り砲撃で以て賢王に攻撃をはじめた。
「夕夜、援護して―。」
零の言葉に、詳しい説明を要さず夕夜は視線だけを交わし短く頷く。零が服から取り出したのは鉤爪のついたワイヤーだ。『マフェッドスレッド』、猛毒のついた零の武器である。夕夜が砲撃でオブリビオンの動きを封じ、巧にワイヤーを操る零が鉤爪を賢王の皮下へと深く食い込ませた。

 猛毒が賢王の身体を巡る、翼を持つオブリビオンが抵抗するように、反撃に出る。黒い百合、漂う様に無数に零たちを囲む。そして―。刃よりも鋭く零の、夕夜の身体を切り裂いた。皮膚が切れる痛みに零が顏を歪める。しかし、痛みはすぐに消えた。
暁音が、神聖なる祈りの抱擁で仲間を癒しの力で包み込む。【覚悟】と【優しさ】で仲間に癒しを与えていく。
『祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を…傷ついた翼に再び力を!』
複数同時の高速治療、暁音の疲労は溜まっていく。
「まだだよ。」
背中を支える暁音を気遣うように零が声を上げた。暁音がいるから、攻撃に集中できる。だからさっさと仕留めよう。
『おいで、僕のお友達。首狩りの女王が求めるのは汝の首と血なり。‥僕のとっておきの子です。首を狩られないように気をつけて下さいね』
零の呼びかけに応じるように、現れ出でたのは首狩り女王、巨大な骨の山羊の姿をした禍々しい人型は女王に相応しい横柄言葉使いで零の前に立った。
「零、なんだアレは?」
交戦中である『敵』を不愉快だと言うように零に尋ねる女王。
「…神様という役割を持った敵だよ。」
零は女王に気安く声をかける。気位の高そうな彼女は、それでも気分を害す様子はない。零の言うところ彼女はお友達だからだろう。しかし、それは敵に対して適用されるモノではない。
「では、狩るか―。」
冷たく、微笑みを称える女王。それは一瞬だった、大きな鎌が賢王に向かって振り降ろされる。大きな梟の王冠が転げ落ちた。どすん。と落ちる音、そしてそこから染み渡る赤い血溜まり。動かなくなったオブリビオンは庭園だった場所に自らの墓標を気づいた。

 どれ程の時間が経ったのだろうか、森が薄ら明るくなっていく。他の猟兵達は、賢王の討伐を確認すると、各々帰還していった。暁音、零と夕夜が庭園の跡地に3人佇む。
「零、夕夜。…いいかな?」
暁音の言葉に、困ったような顏をして零が応えた。
「仕方ないね。」
零の言葉に、暁音は笑顔で頷く。そして―。朝日が昇ろうとする森で其れはおこなわれた。凛と響く声、歌声にもきこえる【優しさ】に満ちた【祈り】が森へ庭園だった場所へ染み渡る。鈴の音がしゃらんと響き渡った。亡くなった人の為に安息と鎮魂を願う巫女として舞いが、静かに森を清めていく。
「捧げます。」
彼らの痛みも全て引き受けるように暁音は最後まで舞い祈る。溜まっていく疲労は、暁音の【覚悟】持ってしても容量超過だったのだろう。舞い終えるとバランスを崩す。暁音は意識を失っていた。零は待っていたかのように暁音の身体を大切そうに、抱き支える。
「暁音。お疲れさまだよ。」
零が暁音を背おうと、夕夜と彼の友人と4つの人影が森を立ち去っていった。こうして―。この町周辺で起きた失踪事件は猟兵達の活躍によって終わりを告げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日
宿敵 『不服従の賢王』 を撃破!


挿絵イラスト