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エンパイアウォー㉔~南下戦路

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「よぉ猟兵。ちょいと春日山城に暴れに行かねぇか」
 それはグリモアベースで声をかけていたエコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)だ。
 現在サムライエンパイアは戦争中。
 その中で今猟兵が動くべき情勢があった。
「信州上田城から撤退した上杉軍は今関ヶ原に向け主力を投じようとしている。そのためやつらの本拠地である越後の春日山城の防衛が薄れ、俺らが攻め入るのには絶好の機会が到来ってわけだ」
 現在城の防衛は無数のオブリビオンたちが担当している。
 この城を攻略し制圧することができれば上杉軍への打撃はもとより、何かしら情報などを得ることが可能かもしれないのだ。
「俺が送り出すのは城の外周、北の方向。実はこの城の南にはグリモア猟兵であるニコラも同時に猟兵を送り出す手はずになっている」
 北と南に同時に展開する転送ゲート。
 猟兵たちが近づけば開けるよう調整しておき、猟兵たちにが出た場所から城の外周を半周し、送り出された転送ゲートとは違うゲートを利用して帰還することが可能だという。
「まぁ一周回って倒しまくってくれてもいいんだが。敵も数が多い連中とはいえ一体ずつがそこそこ強い。油断せず戦ってくれ」
 エコリアチが送り出す場所から遭遇するであろう敵は怨霊女武者。
 猟兵一人に対し一人の怨霊女武者が向かってくるという。
 薙刀や弓といった武器で遠近の攻撃を使い分けてくる厄介な敵だ、油断して戦えば猟兵も痛手を負うことだろう。
「この城を攻略出来た時どんな情報が出てくるかはお楽しみだな。命大事に暴れてきてくれ、よろしくな猟兵」
 そう猟兵たちへ伝えるとエコリアチは城の外周、北の場所に向け転送ゲートを開くのであった。


鬼騎
 上杉軍の本拠地である春日山城を制圧するためにシナリオです。
 今回なんとなくReyoと連携したシナリオになってますが、まったく気にしなくても大丈夫です。
 城壁をぐるっと半周(あるいは一周)して敵を討伐しましょうという感じでよろしくお願いします。
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 またこのシナリオに成功する事で、春日山城の攻略度が5%づつ進みます。攻略度が100%になると、春日山城を制圧する事が出来ます。
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第1章 集団戦 『怨霊女武者』

POW   :    局流薙刀術
【薙刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    局流早射ち
レベル分の1秒で【矢】を発射できる。
WIZ   :    落武者呼び
【鎧武者】の霊を召喚する。これは【槍】や【弓】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:游月

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

二天堂・たま
軍神が居城から離れているおかげで、この戦場が攻略しやすくなった。
おそらく、徳川軍への妨害を猟兵が防いだことで動かざるを得なかったのだろう。
この機は是非ともモノにしたい。

防御にはUC:アルダワ流錬金術を使う。
敵が放つ弓矢、鎧武者や女武者の持つ槍や薙刀は無機物だからな…鷹の羽にでも変えて無力化しよう。
万が一、直接変えられないなら地面などの無機物を鉄のカーテンに変えて防げばいい。
攻撃には“ケットシーの肉球”を用いる。
肉球に物理的ダメージがあるわけではないが、鎧の上からでも負の感情を浄化する魔性の肉球だ。
オブリビオンにとっては脅威だろう。



 そこは越後にある春日山城、城の外周北の方角。
「軍神が居城から離れているこの機は是非ともモノにしたいところだ」
 まずこの地に降り立ったのは二天堂・たま(神速の料理人・f14723)であった。
 情報通り、春日山城の警備は随分手薄になっているようである。
 城の周囲に配属されているオブリビオンたちもその数はまばらで、あまり統制も取れていない模様。
 徳川軍への妨害を猟兵が早々に防ぎきったことで、敵は本隊を動かさざるを得なかったのだろう。
 そのような中で一人の怨霊女武者とたまが会敵する。
「猟兵だとっ! 出合え!」
 怨霊女武者は即座に鎧武者を召喚。
 怨霊女武者の背後から出現した鎧武者は矢を番え問答無用でたまへと攻撃を仕掛けてきた。
「そのような攻撃はお見通しだ」
 しかしたまは敵の攻撃の一歩先の行動をとっていた。
 敵からの攻撃を防ぐ速度を優先しユーベルコード、アルダワ流錬金術を発動。
「ちちんぷいっ! と」
 そのユーベルコードは周囲の無機物を自然界に存在する物質へと変換する能力。
 その力によって変異したのはたまと敵の間にあった地面だ。
 急激に地面から迫り上がってきたのは自然鉄で構成された鉄板であった。
「なにっ!」
 敵よりも早く動いたたまの行動により鎧武者が放った矢は見事鉄の壁に弾かれる。
 また、その隙に肉薄しようと薙刀を手に駆け込んできた怨霊女武者も止まりきれず鉄板の壁に軽く衝突した。
「もう一回行くぞ」
 たまは敵を足止め出来たことを確認し、さらにアルダワ流錬金術を発動。
 次に変えるは怨霊女武者と鎧武者が手にする武器だ。
 ふわりと光れば握られていた薙刀と弓は鷹の羽へと変化させることに成功した。
「これで攻撃は無効化できただろう。あとは戦意を削ぐまでだ」
 ケットシーとはやはりネコ。
 その見事な脚力で一気に鉄の壁から飛び出て怨霊女武者へと詰め寄り、そして。
 ふよん。
 怨霊女武者の鎧の上から柔らかく触れるのはケットシーの、もとい、たまの肉球。
「っあ……ああ……なんて、なんて癒やされるっ!?」
 その肉球はたとえ鎧の上からでも負の感情を浄化する魔性の肉球。
 これに触れられ生き残れるオブリビオンは、いない。
 世界を滅亡させることが存在意義であるオブリビオンが負の感情を浄化されたら。
 しかも今回の敵は怨霊といわれるようなオブリビオンだ。
 その体は浄化され、維持することができなくなり、ゆっくりと崩壊していく。
「ぁあ……なんて、こと……」
 しかしその最後の表情はなんとも言えない幸福感に包まれていたのであった。
 鎧武者も召喚者である怨霊女武者が消えたことにより消滅。
 この戦い、たまの勝利となるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
・SPD

…転送完了
姉さんは南側、私は北側担当でそれぞれに別れてのミッションですが…いえ大丈夫ですよね

まずは【目立たない】よううまく【地形利用】できるポイントを探し出し、そこからボルトアクションライフルで【スナイパー】として他の方々の【援護射撃】もしくは狙撃です
敵も私の居場所を知れば忍び寄ってくるでしょうが…僅かな物音や【第六感】で気づけば【クイックドロウ】でハンドガンを抜く『早撃ち』、矢を射られる前に撃ちます

ある程度殲滅したら次のポイントに移動です
姉さん…たぶん何時も小言をぶつける相手の私が居ないから寂しがってるでしょうね
他の方にご迷惑をおかけする前に早く合流しませんと
※アドリブ&連携歓迎です



「無事に転送完了ですね」
 春日山城の外周北の場所へと降り立ったのは秋月・信子(魔弾の射手・f00732)。
 いつもはユーベルコードで作り出す、姉としているもう一人の自分とよく行動を共にしている。
 しかし今回城を挟んだ二面作戦だと聞き、それぞれ分かれて行動をすることにしたのだ。
 お互いの活動範囲が広くとれるのは一重にこれまで戦闘に身を投じてきた鍛錬の証拠である。
 今回一人で敵と立ち向かう信子は、転送された後まずは敵から発見されにくい場所を探し出し、そこへと身を隠した。
 城の周辺にはまばらに配属されたオブリビオンたち。
 統制がとれてないだけでそこそこの数がいるのだ。
 これを一度に全員相手するわけにはいかない。
 信子は一度息を吐き、冷静沈着に行動できるよう己の精神状態を整える。
 どの敵を狙うかを決めた信子は、ボルトアクション式の旧式軍用小銃を構え、狙いをしっかりと定めていく。
 連射をするには少々むかないこの銃だが、狙撃精度はかなりのもの。
 極力一発で決められれば有利にことを運ぶことができるだろう。
 信子が集中を高めていけば辺りからは雑音が消え、己の心臓音だけが聞こえる状態まで高まる。
 狙いをつけ、静かに指がかけられたトリガーを引けば、銃声と共に狙いをつけたオブリビオンの頭部へ風穴を開けた。
「……よし」
 敵が倒れこみ、動かなくなったのをスコープごしに確認した信子は小さく喜びの声をあげる。
 倒れた仲間を見つけたり銃声を聞いたオブリビオンたちは敵の襲撃だとざわめきだすが、信子の位置を把握できたものはいなかった模様。
 弓や槍を手に辺りを警戒するオブリビオンたちが再び散開するのを静かに待つ。
 次の狙撃機会を逃さぬよう第六感などで近づく敵がいないか警戒しつつ、スコープを覗き続ける信子。
 敵がこちらの居場所に気づき接近してきた場合は、ハンドガンを素早く抜き、攻撃を受ける前に急所目掛けた早撃ちで片していく。
 信子はその場である程度片した後は移動し、再び敵を殲滅するべく狙撃していった。
 最終的には目指せ姉との合流だ。
 極力敵に見つからないよう動きながら、信子は城の外周を南下していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗原・獅子丸
(たどたどしい口調)
戦争、あまり好きじゃ、ない。
傷つくし、倒されやすいし、敵が多すぎたりする、し、疲れる、し。
…でも、戦わないのは、もっと好きじゃない。

左腕はビームガドリングアームに換装、空いた右腕で模倣小銃『銀狼』を持つ。
オレの邪魔になるなら、全部撃つ。恨みはない。
遭遇したら、【ヘビーアームド・ウェポナイズ】で火力を上げて蜂の巣に。
自分からは動けないけど、その前に、倒せばいい。解決。



 春日山城、外周北の地。
 そこに一人降り立ったのは物々しい雰囲気の人物。
 ミレナリィドールの栗原・獅子丸(片割れフランケン・f16684)だ。
 物々しい雰囲気とは裏腹に、獅子丸の表情は心なしか暗い。
「戦争、あまり好きじゃ、ない」
 あたりを警戒しながらそう呟く獅子丸。
 表情が暗いのはそういう理由からだった。
 戦争とは獅子丸の中で傷つき、倒れ、敵の多さに目まぐるしく、そして疲れるものという印象だ。
 しかし獅子丸はこの地に立つ。
 それは戦わずに負けるのは先の理由よりもっと嫌だからだ。
 獅子丸の左腕は銃火器に換装されており、それはビーム弾を高速で射撃できるガトリングガン。
 そして空いた右手には火縄銃型小銃の銀狼を持ち、城外周を南下しながら敵を探す。
「――っ猟兵か!」
 ある一角を曲がった時、獅子丸はオブリビオンと鉢合わせる形に。
 敵の怨霊女武者は薙刀を振るうため後方へと飛び退くが、獅子丸にとってもそれは絶好の距離感であった。
 まずは初手に右手に握っていた銀狼で一発敵へと弾丸を撃ち込み、続いて左腕のビームガトリングアームを敵へと向ける。
 その間にユーベルコード、ヘビーアームド・ウェポナイズも発動すればガトリングガンの威力は増す。
「猟兵め、去ね!!」
 ユーベルコードによりその場から動けないほどの重武装となった獅子丸だが、攻撃を食らう前に敵を倒しきれば問題ない。
 弾丸を受けながらも薙刀で突きを放とうとしてくる怨霊女武者だったが、それよりも一歩早く獅子丸のガトリングガンが火を吹いた。
「オレの邪魔をするものは皆、撃つ」
「っ!!!」
 ガガガガと激しい銃撃音を立てながら左腕のガトリングガンは煙を上げながら銃身が高速回転。
 カラカラという音を立てながらようやく止まったガトリングガンの威力は語るまでもない。
 オブリビオンを蜂の巣にし、付近の地面をえぐりとってこの戦は獅子丸の勝利だ。
 辺りに敵がまだ居ないことを確認し重武装モードを解除した獅子丸。
 新たな敵を探すためこの場からさらに南下し索敵を行っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルノ・ネッケル
数は多いが一人に一体、基本はタイマンって訳やな。
それじゃ、城半周討伐ツアーの始まりや!

近距離が得手の奴に無闇に近づく事はない、距離を取って戦うで。
とはいえ向こうは遠距離にも手が出せ、尚且つ早撃ちの名手と来とる。
こりゃあ、早撃ちの異種格闘技戦になるな……けど、負けはせん。

構え、狙い、番え、撃つ……それが弓。
熟練すればする程、その動作は速くなる……それこそ、1秒かからん位にな。
やけど、銃は構え、狙い、撃つ。弓よか動作の少ない、文明の利器って奴や。

うちかて、それなりに場数は踏んどる。
……うちの方が、速い!【勇気】を持て、信じろ!
鍛えた【クイックドロウ】の技能も乗せた『クイックドロウ』、撃ち込むっ!!



「到着っと。それじゃ、城半周討伐ツアーの始まりや!」
 春日山城へと降り立ったメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)はいつでも戦闘が行えるよう熱線銃、レッドアンドブラックを手に構え、索敵しながら城の外周を南下し始める。
 生まれも育ちもこのサムライエンパイアの出身であるメルノにとって、この戦いは他の猟兵よりも一層気合の入るものである。
 この世界を、故郷を守るためこの戦争は絶対に負けるわけにはいかないのだ。
 事前の情報通りならば敵の数はいても向かってくるのは一人の猟兵に対し一人のオブリビオン。
 実力に自信があるのか、あるいは一騎討ちであることが敵にとっては大事なのか。
 タイマン勝負となることを意識しつつ、どんどん先へと進んでいく。
 メルノが進んでいくと、ほどなくしてオブリビオンである怨霊女武者と会敵する。
「出たな猟兵め。成敗してくれるっ!」
「それはこっちの台詞や!」
 こちらが手にする武器が近距離用ではないと即座に判断した怨霊女武者は薙刀を捨て弓を構える。
 無理やり接近戦へと持ち込もうとしてこない敵に、元より距離を取って戦うつもりであったメルノは不敵な笑みを浮かべた。
 いわば早撃ちの異種格闘技戦といった様相だが、メルノは負けるつもりはない。
 相手の弓は構え、狙い、番え、撃つといった動作が必要なものだ。
 熟練した早撃ちの名手ともくればその速さは目にも留まらぬほどだろう。
 しかしメルノが使う外世界で学んできた銃は構え、狙い、撃つという動作のみで弾を発射できる優れもの。
 弓よりも先の時代を行く文明の利器だ。
「うちの方が、速い!」
 敵が早撃ちの名手といえどメルノもいままで踏んできた場数は数しれず。
 鍛え上げた素早さと精度を持って、銃を構えトリガーを引いた。
 ――弾丸と矢が空を切る音が止み、倒れたのは怨霊女武者。
 これが火縄銃と弓であれば勝負は変わったかもしれぬが、メルノが持つのは最先端とも言える熱線銃。
 敵が矢を放つより先にメルノの銃が敵を貫いたのだ。
 それにより放たれた矢は精度を欠き、メルノの頬を矢が掠めるだけに終わった。
 熱線銃から立ち上る煙をフッと吹く。
 メルノは自信に満ちた表情で束の間、己の勝利を味わった。
「ま、こんなもんやろ。城半周討伐ツアーは始まったばかりや。まだまだいくで!」
 メルノは帰還場所である外周南の場所へ向け、敵を倒しながらどんどん進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
ふむ、春日山城。
祖父が北条家に仕えていた時分、謙信公に攻め込まれる事はあっても、逆に越後まで攻め返した事はありませんでしたので、こんな機会に拝む事になるとは。

さても今は領土争いの乱世ではなく天下静謐の為の戦。
気を引き締めて参りましょう。

◆戦闘
愛馬に【騎乗】しながら進行。
敵と遭遇次第、【羅刹の太刀】にてお相手願うとしましょう。

騎馬突撃の突進力と馬上の高低差を利用し、【怪力】を以て上段から打ち据えながら、此方への反撃は【早業】で機先を制して柄を払って阻止。

時間をかけず、敵の隙を【見切り】、そのまま斬撃の【衝撃波】を浴びせて討ち取らせて頂く。

余裕があれば他猟兵の援護も心掛けつつ、慎重に参りましょう。



「ふむ、春日山城」
 転送された先、春日山城。
 その外周北の地で愛馬、夙夜に跨り思いにふけるのは鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)だ。
 景正は祖父の代までは小田原北条氏に仕え、父からは徳川家旗本として仕える武家の嫡男。
 北条家に仕えていた時分には攻め込まれることはあれど、ここ越後の地まで攻め返したことがなかったと思う。
 このような機会にこの城を拝むことになった事は景正にとって感慨深いものであったのだ。
 しかし今はただこの場に留まっている場合ではない。
「さても今は領土争いの乱世ではなく天下静謐の為の戦。気を引き締めて参りましょう」
 景正は愛馬を操り外周を南下し始めた。
 目指す南の地まで索敵しながら進んだ道半ば。
 オブリビオン、怨霊女武者へと会敵した。
「これ以上先へは行かせんぞ猟兵!!」
 薙刀を手に突撃してくる怨霊女武者を見て景正は夙夜へと騎乗したまま刀を手にする。
 普段は節義を重んじる景正だが、一度刀を交える場面となればその羅刹の血は昂りを見せ鋭い眼光が敵を貫く。
「薙ぎ払いし後に残すは屍山血河のみ。お相手願おう」
 発動するはユーベルコード、羅刹の太刀。
 それは手にする刀を野太刀へと変化させ、強力な攻撃手段へと化す力。
「やぁああ!!」
 騎乗したままの景正を狙い薙刀を突き出してくる怨霊女武者に対し、景正は上段から捉え、薙刀を叩き折るようにして野太刀を打ち下ろす。
 野太刀と薙刀が火花を散らしぶつかり、辺りに金属音が鳴り響く。
 圧し折れるのは怨霊女武者の薙刀。
 だが景正の攻撃はそれだけにとどまらない。
 ただの刀から見れば野太刀は間合いが伸びるが、それよりも敵を襲うは野太刀が振るわれた際に発生した飛ぶ斬撃。
 景正の通常の人間よりも強い羅刹の怪力も加わった斬撃の勢いは計り知れない。
 避けることがかなわない速度で空を斬り怨霊女武者へと襲いかかった斬撃は薙刀だけでなく、怨霊女武者の体を真っ二つに斬り裂いた。
「オブリビオン一体、討ち取ったり」
 敵の絶命を確認し景正はユーベルコードを解除し刀を通常のサイズに戻す。
 力を使うことによる体力の消耗は夙夜が己の足の変わりを努めてくれることで戦うための力を温存する事ができる。
 まだ帰還する場所までは距離がある。
 景正は敵を殲滅しながら夙夜と共に戦場を駆け抜けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト