エンパイアウォー⑱~毘沙門天の加護ぞある
●『軍神』上杉不識庵謙信
「……幕府軍との決戦を前に、居所を暴かれるとはな」
白布を纏った男が呟く。思い通りにはいかぬという言葉とは裏腹に、その口ぶりに一切の動揺はない。
……思えば、生涯競い合い続けた好敵手であるあの男、『越後の虎』の復活を妨げた猟兵達が、幕府に与しているのだ。
こうなるのも、また必然の事であったのだろうか。
「やはり、彼らは私が食い止めるのが最良であろう」
白布の男が戴く主……『第六天魔王』も、共に魔軍将に名を連ねる『陰陽師』も、猟兵達の秘めた力を理解している訳ではない。
ならば、『軍神』である私が。日の本の東西を結ぶ要衝である『此の地』にて、迎え撃つべきであろう。
「私の名は、『上杉謙信』。私の得手は『人軍一体』。車懸かりの陣にて、お相手致そう」
その男の名は、『魔軍将』が一人、『軍神』上杉謙信。
戦国の時代において五指に入るであろう名将が、関ヶ原にて猟兵達を待ち受けていた。
●待ち受ける『軍神』
「エンパイアウォー。幕府軍は着々と進軍を進めているようです」
グリモアベースに集まる猟兵達の前に、グリモア猟兵であるヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)が現在の状況を説明している。
幕府軍に降り掛かるとされた様々な『苦難』。その尽くは解決され、幕府軍は順調に進軍を進めているのが現在の状況だ。
……だが、幕府軍に降り掛かる『苦難』はこれだけではない。このまま進めば、幕府軍は甚大な被害を受ける事になるとヴィクトリアは語る。
その理由とは……
「このまま進んだ場合、『関ヶ原』と呼ばれる地にて。『魔軍将』の一人、『軍神』上杉謙信の攻撃を受けてしまうからです」
上杉謙信は既に関ヶ原の地に陣を敷き、幕府軍の到来を待ち構えているのだという。『軍神』と呼ばれ畏れられた男とその配下達が幕府軍に襲いかかれば……その被害は、想像を絶する物となるだろう。
そんな未来を防ぐ為に、『軍神』上杉謙信は何としても討たねばならないのだ。
「ですが、事はそう簡単にはいかないようでして……」
上杉謙信は、自身の周囲に配下の軍勢を配しながら敵軍に突入する『車懸りの陣』を得意とする武将である。
まるで全軍が風車の如く回転し、最前線の兵士を交代させ続けるこの戦術は、上杉謙信のずば抜けた統率力が可能とした『超防御型攻撃陣形』だ。
だが、この陣形の真の価値は他にある。それは……
「上杉謙信は、万一自分が討たれた際の蘇生時間を稼ぐ為にも、この陣形を採っているようなのです」
過去猟兵達が戦ってきた強力なオブリビオンの例に漏れず。上杉謙信もまた、『倒されても『躯の海』から再出撃出来る』という能力を持つ。
その再出撃に掛かる僅かな時間を稼ぐという意味でも、この『車懸りの陣』は有効に活用されるらしい。
つまり、『軍神』上杉謙信を真の意味で打倒する為には。『上杉謙信』本人の撃破と、彼が率いる『上杉軍』の撃破を、両方とも為さねばならないのだ。
「……非常に厳しい戦いとなります。ですが、幾つか光明となる要素もあります」
一つ。この場に集まった者達の役割は、あくまでも『軍神』上杉謙信の撃破、ただ一つ。
『車懸りの陣』を突破し、陣の中央で指揮を取る上杉謙信を撃破するのが、この場に集まった皆の役割となる。
二つ。上杉謙信は類稀な采配能力を持つが、他の有力なオブリビオンとは違い『先制攻撃能力』は持っていない。
確実に先手を取られるという事は無いので、その辺りの対処に気を張る必要が無いのは助かる所だ。
……とは言え、彼は『純粋に強い』。決して、油断をしてはならないだろう。
三つ。上杉謙信の持つ『刀』について。
彼が携える12本の毘沙門刀は、それぞれ「水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇」の属性を持つのだという。
なお、両手に構える白と黒の刀は、それぞれ『アンヘルブラック』『ディアブロホワイト』というそうだが……その2本に関しては、詳細不明である。
「……上杉謙信。サムライエンパイアの戦国の時代において、最強の名に最も近い、『軍神』の名に恥じぬ武将であったそうです」
そんな彼との戦いは、きっと苦しい物となるはずだ。
だが、サムライエンパイアの未来の為にも。ここで『軍神』は、叩かねばならないのだ。
「皆さんの勝利を、お祈りしています」
祈るように深く礼をしながら、ヴィクトリアはそう締め括ると……静かに転移の準備を進めるのだった。
月城祐一
エンパイアウォーも『魔軍将』が登場し遂に中盤戦へ。
どうも、月城祐一です。 ……暑さヤバい。ヤバない???(二回連続二回目)
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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という訳で、戦争シナリオです。
戦国屈指の名将、『軍神』上杉謙信との決戦となります。
以下、補足となります。
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軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
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この依頼は、『⑱決戦上杉謙信』の依頼となります。敵は『上杉謙信』一体となります。
配下である『車懸りの陣』を突破し、上杉謙信と相まみえるというシーンからスタート致します。配下との戦闘描写はありません。
また、陣を突破する際の消耗などもありません。万全な状態で上杉謙信との戦闘に当たれますので、ご留意下さい。
上記特筆事項の通り、上杉謙信には先制攻撃能力はありません。通常のボス戦と同じ様な流れでの判定処理となります。
ただし、OP本文で触れてあります通り、『純粋に強い』敵です。苦戦は免れない強敵であると認識して頂ければと思います。
この辺りの事を把握して頂いた上で、参加をご検討下さいませ。
皆様のプレイング、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『軍神『上杉謙信』』
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POW : 毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:色
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●『車懸り』のその先へ
「来たか。車懸りをこうも容易く抜けてくるとは」
流石と言った所か、と。白布の男の声が響いた。
……『関ヶ原』の地に降り立った猟兵達は、多くの猟兵達の援護を受けながら上杉軍の猛攻を突破した。
そうして敷かれた円形陣の一角を食い破っていけば……必然、その陣の中央に立つ男の前へ、辿り着く事となる。
白布を纏う細身の男。その周囲に揺蕩うように浮く10の刀。手に携えられた二振りを合わせれば、12本。
……『軍神』の携える毘沙門刀は、12本。つまり、この男こそが……
「信玄を阻んだ者達の事を侮りはしない。この『上杉謙信』、全身全霊の力を以て、お相手致そう」
膨れ上がる白布の男──『軍神』上杉謙信の覇気。気圧されそうな強烈なその圧を感じれば、彼の力量の程も推測出来るかもしれない。
だが……そんな事で。怖気づく訳には、いかないのだ!
「……その意気やよし!」
それぞれに武器を構える猟兵達に、『軍神』が不敵な笑みを浮かべて答える。
戦国最強と謳われた武勇と、猟兵達の信念が。今、ぶつかりあうのだった。
筒石・トオル
【WIZ】
強敵相手に体が震える。怯えか武者震いか、どちらかは自分でも分からない。それでも倒さねばならない相手ならば──
「軍神…相手にとって不足無し」
【オーラ防御、毒・火炎・雷撃・氷結耐性】で少しでも防御を固め、【第六感、見切り】で回避出来なかった場合に備える。
味方の動きに合わせ、熱線銃で【援護射撃】を行う。敵の攻撃を阻害したり、味方の攻撃が通り易いようにする。
敵が大技を仕掛けてくるタイミングに合わせ『ヒプノシスリストラクション』を発動。一時的に動きを止める事で、味方の攻撃チャンスを作る。
強敵だと効果が薄いかもしれないけど、一瞬でも隙が作れれば、皆がやってくれると信じているよ。
イヴ・クロノサージュ
アドリブ◎
――
●心情
軍神、謙信公ですね……。
無双武将として、有名な方ですね。
はて敵対勢力……でしたよね。
――何故、織田軍に……?
●戦闘
『この一撃に全力を掛けます。――勝負です。謙信公!』
天変地異に対応する為に、
自身の防具にバリア【オーラ防御】を何重に張り
攻撃は直感を頼りに【見切り】回避します
謙信も攻撃した後は隙ができるはず
その瞬間を見逃さず、大量の聖なる光を放出
目的は、攻撃の相殺及び目くらましに
聖槍に魔力を込め【ランスチャージ】【破魔】
反撃を開始【カウンター】
神速で空から地上【空中戦】に奇襲します
突き立てる聖槍の連続攻撃は、巨大なビーム【全力魔法】となり強力な【衝撃波】をも生み出すでしょう
●『軍神』の眼を超えろ
上杉謙信。越後の龍と呼ばれ、軍神とも称される、サムライエンパイアの戦国時代に於ける最強格の武将の一人。
良く似た歴史を辿った別世界においても、彼の経歴は似たような物。戦国時代を扱う創作物にも度々登場し、一般的な知名度も非常に高い武将である。
(軍神、謙信公ですね……)
イヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)の知識にも、その名は刻まれている。
だが、そんな敵に対してふと思う事がある。
(確か上杉家は……織田信長、織田家とは敵対関係、でしたよね?)
そう。史実の上では、織田信長と上杉謙信は敵対関係にあった間柄である。実際に干戈を交えたのは信長の配下であり、信長本人と刃を交えた訳では無いが……それでも、敵対関係にあった事は間違いないはず。
そんな彼が、何故『第六天魔王』織田信長の配下である『魔軍将』に名を連ねているのか?
(……いえ。今は集中しないと)
きっとその事を尋ねても、上杉謙信が答えを返す事は無いはずだ。今はお互いの信念、譲れない物の為にも刃を交える時なのだ。
だから……
「──勝負です。謙信公!」
白銀の聖槍を構え、イヴは強く戦意を漲らせる。
そんな戦意を高める彼女とは違い、筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)の様に上杉謙信から発せられる圧をまともに受けて身体を震わせる者もいる。
圧倒的強者、力量の上では明らかに格上の存在である敵将。そんな存在を前にして感じるこの震えは……怯えか、それとも武者震いか。どちらかは、トオル自身にも分からない。
だが、どちらであっても……この敵は、倒さねばならない障害である。ならば──
「軍神……相手にとって、不足無し」
言葉を口にするトオル。その言葉は己を奮い立たせ、少年の瞳を決意に染まる。トオルの身体の震えが、ピタリと止まった。
その瞬間、イヴとトオルが同時に動き出す。戦いの火蓋は、落とされた。
●
「──参ります!」
まず動いたのは、イヴだった。高まる戦意に反応するように幾重にも重ねられたオーラのバリアを身に纏ったイヴが、無数の聖なる光を放ったのだ。
どうやら事前にグリモア猟兵から伝えられていた通り、上杉謙信に『先制攻撃能力』が無いのは事実らしい。上杉謙信の動きは後手に回る。
235本の聖なる光の槍。更にトオルの熱線銃による援護射撃も加わり、まさに光の壁が上杉謙信に襲い掛かり、飲み込んでいく。
並のオブリビオンであるならば、一溜りも無いだろう凄まじい一斉攻撃。だが、その攻撃は……
「我が武には、毘沙門天の加護ぞある!」
振るわれた毘沙門刀。水の壁が熱線を立ち、闇の風が光の槍を薙ぎ払う。
ありとあらゆる属性を網羅する、上杉謙信の毘沙門刀。その力が組み合わされ生み出された超常現象が、謙信の身に迫る脅威の尽くを阻んでいく。
「……まさか、これが全力とは言うまい?」
ゆらり、と視線を上げる謙信。その視線の先には……空へと飛び上がり聖槍を構えたイヴの姿を捉えていた。
(──気付かれた!?)
その冷徹な視線を受けて、イヴの頬に冷たい汗が一筋流れる。
攻撃を受けられるのは、想定内だった。あの光は、あくまでも攻撃の相殺と目くらましが主目的。手に構える聖槍による奇襲こそが、イヴの攻撃の本命なのだ。
だがその目論見は、見透かされていたらしい。上杉謙信はその手の白と黒の刀を以て、迎撃の構えを取ってしまっている。これでは、奇襲を打つことなど不可能だ。
(流石は、『軍神』とまで畏れられた武将……ッ!)
奇襲は、望めない。ならば強襲とするしかない。
覚悟を固め、槍の穂先に破魔の力を凝縮した……その瞬間だった。
「……むっ?」
イヴの槍から放たれる聖なる光。その光を反射する様に、トオルの眼鏡が煌めいた。点滅するように光が瞬く。
その光が、謙信の視界の端に入る事で。まるで『何かに誘導されるかのように』、謙信の注意がほんの一瞬だけ引き付けられた。
「光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに」
トオルのユーベルコード、【ヒプノシスリストラクション】。眼鏡から点滅する光によって敵を催眠するというユーベルコードである。
だが、敵はあまりにも強敵だ。その催眠の力が完全に通じるとは、トオル自身も考えてはいない。
それでも……
(一瞬でも隙が作れれば……味方がやってくれるはず)
あくまでも、自分は敵の隙を作り出し、味方をフォローするサポート役として振る舞う。
その姿勢が、謙信の隙を作り出す。ピクリと動く、謙信の視線。ほんの一瞬のその動きを、イヴは見逃さなかった。
「今です!」
「むっ!?」
槍の穂先を向け、突撃するイヴ。その強烈な一撃を謙信の白と黒の刃が受け止めるが……瞬間、二つの力がぶつかり合い、衝撃波が生じる。
そしてその衝撃波に乗せる様に……
「この一撃に、全力を掛けます……!」
槍に込められた聖なる波動が、開放される!
「ぐっ……!!」
ほぼゼロ距離と言って良い位置で開放された聖なる力。その膨大な力を即座に感じ、上杉謙信は後方に大きく跳躍して難を逃れる。
だがその身体は無傷とはいかなかった。纏う白布は光に灼かれ、手傷を負っている様子が確認出来た。
「……油断した訳では無かったが。いや、言い訳にしかならぬな」
トオル一人では、『軍神』に傷をつける事は能わなかったかもしれない。
イヴ一人では、双方痛み分けという形に終わっていたかもしれない。
だが力を合わせて猟兵それぞれが持つ持ち味を組み合わせれば……上杉謙信の上を行く事も不可能ではない。
トオルとイヴは、その事実を確かに証明したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ナミル・タグイール
そんなに色々持ってるのになんで金ぴか刀がないにゃ!
金ぴか持ってないやつに用はないにゃ!ザクッと倒すにゃー!
先制攻撃されないならこっちがしちゃうにゃ!
【UC】で歯車を展開して呪いの輝きにゃー!
一部の剣は対策してきそうだけどほとんどは止まってくれるはずにゃ。
効果が切れたり壊されたりする前に突撃して呪いの斧で本体ザックリ狙うにゃ!
特に両手の白と黒の刀には注意を払う。【野生の勘】にゃ!避けるにゃ!
他の剣は致命傷になりそうな攻撃以外は無視で【捨て身の一撃】いれにいくにゃー!
そんな光でナミルの呪詛が消えると思うなデスにゃ!
【呪詛】を斧に集めてパワーアップしてドッカーンにゃー!
ウィルバー・グリーズマン
いい武器ですねそれ
12本も属性があるとは……でもその、それは何の属性なんですかね?
まあいいです、いつでもどうぞ
あれだけの属性があるのです。合成した現象も凄まじい物でしょう
僕はその属性を『タイムクリエイト』で低速化させたり、『シャドウプラン』で影の中に逃げたり、『ブラスト』の属性攻撃で相殺したりして、防ぎ続けましょう
一気に仕留めようと強力な属性攻撃を行って来た時、【イコール・カウンター】を発動します
強力な属性攻撃を完全反射でカウンターして、更にはその威力に比例した戦闘能力アップです
影から剣を作り出して、格闘戦闘知識をフルに活用して一気に攻め込みましょう
意外と剣も使えるんですよね。どうです?
チトセ・シロガネ
12本も刀を持つなんてなんというラグジュアリーな軍神ネ!
手数が多いのはなかなか厄介ヨ。
飛んでくる刀を全て受け止めてたらボクは壊れちゃうネ。
【第六感・見切り・残像】で飛びかかる刀は回避、
それでも当たりそうな刀は
【戦闘知識】を総動員、
【念動力】で軌道をそらす
【武器受け・武器落とし】で弾く
【オーラ防御】でダメージを最小に留めるネ。
お願い、『ヒメヅルストレート』ってネ!
でもこのままじゃジリ貧ヨ。
弾いた刀を【グラップル】してUC【霹靂閃電】を発動。
『アシュラユニット』のクローアームでキャプチャー、
刀がじゃじゃ馬そうなら【怪力】でねじ伏せて【カウンター・盗み攻撃】するヨ。
ナイス業物、いい刀ネ!
●毘沙門刀を折れ
「12本も刀を持つなんて、なんというラグジュアリーな軍神ネ!」
「えぇ、それにどれも中々の業物。いい武器ですね」
上杉謙信の周囲に揺蕩う毘沙門刀に目を輝かせるチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)。ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)もまた、そんなチトセの声に賛同するかのような声を上げる。
確かに、天下に名高い『軍神』の扱う刀である。その刃の輝きはそこらのナマクラ刀と比べるのも烏滸がましい輝きを放っている。種々様々な属性も相まって、いっそ幻想的とさえ思える光景だ。
だが、そんな名刀の数々を前にして。ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)の様に、不満を持つ者もいる。
「そんなに色々持ってるのに! なんで金ぴか刀がないにゃ!!」
金ぴかの財宝を心から愛するナミルである。これだけ色々取り揃えてるのになんで金ぴかが無いのだとご立腹のご様子。
そんな彼女の様子には、チトセとウィルバーのみならず、上杉謙信も毒気を抜かれたように苦笑を浮かべていた。
……そんな、肩の力が抜けそうな一幕もあったりしたのだが。
「期待に添えずに、申し訳ないが……準備は、整っているようだな」
「……ッ!」
全てを見透かした様な『軍神』のその言葉に、ウィルバーの背筋に冷たい汗が流れる。
チトセとウィルバーはそれぞれ、上杉謙信の周囲に展開された刀の属性を見極め、戦術を見極めようとしていた。気付かれぬようにジリジリと距離を見計らい、戦い易い距離感を掴もうと動いていたのだ。ナミルの本気なのかボケなのか判らない発言は、二人の動きを上手く隠す発言となるはずだった。
だが、上杉謙信の眼はその動きを見逃さなかった。数多の戦場に立ち勝利を重ねたその『眼』の鋭さは、まさしく『軍神』の二つ名に相応しいと言えるそれだ。
「……まぁ、いいです。いつでもどうぞ?」
「良かろう。ならば……思う存分、仕合おうとしよう!」
上杉謙信の力量の一端に触れたウィルバーの言葉を受けて、毘沙門刀が動き出す。
力量に勝る『軍神』上杉謙信。その力を超える事は、果たして……
●
茂る草木が足を取ろうと忍び寄り、天からは炎の雨が降り注ぎ、また毒の風が吹き荒れる。
毘沙門刀が巻き起こす多種多様な超常現象。その尽くに対し、ウィルバーはその手に携えた魔導書の魔力を用い、時には低速化させ、時に影に身を隠し、時には相殺を図る事で、対抗していく。
攻撃を防ぎ続け相手を焦らし、一気に攻勢に出てきた所でカウンターを狙う……ウィルバーの考えた戦術は、上手く行っている様に見えた。
だが、誤算があるとするならば……
(想定していた以上に、攻撃が重い……!)
そう、謙信の攻撃の重さや速さは、ウィルバーの想定を超える物だった。寸での所で防ぎきってはいるが……押し切られるのは、時間の問題だと言えるだろう。
そしてその事を、『軍神』と呼ばれた男は正しく理解しているらしい。焦らず、確実に、ウィルバーの防御を剥ぎ取り続けていく。
(この手数の多さは、なかなか厄介ヨ!)
『ヒメヅルストレート』と銘打たれたフォースセイバーを振るうチトセもまた、謙信が次々と繰り出す刃の前に悪戦苦闘していた。
飛来する薬と氷の刃に対して、虫の知らせの如き第六感や動体視力による見切りで回避を試みては居るものの……相手の刃の速さと鋭さは、チトセの防御の上を行く。薄皮を裂くが如く、少しずつ、少しずつ、チトセの肌に傷が増えていく。
それでも、負傷の程はまだ軽傷だ。致命打を受けていないのは……豊富な戦闘知識や念動力など、持ちうる防御手段を余す所無く利用しての守りを固めているからだ。
チトセも、ウィルバーも。軍神の猛攻を前に、今はなんとか耐えられている。だが……
(このままじゃ、ジリ貧ヨ……!)
また飛来した刃を受け流しながら、チトセは現状を憂う。
……このままでは、確実に押し切られてしまう。この状況を変える為には何らかの『冒険』をする必要があるかもしれないが……
そのタイミングを、見計らっていた時だった。
「金ぴか持ってないやつに用はないにゃ!」
猪突猛進、真正面から上杉謙信へと挑みかかる靭やかな影。
悍ましき呪詛の力持つ呪いの斧を携えたナミルが、謙信へと挑みかかったのだ。
「……勇気と蛮勇を、履き違えたか。甘く見たな、猟兵!」
そのナミルの姿は、謙信には『蛮勇』と見えた。猛攻を耐え凌ぎ続けるチトセとウィルバーの姿を眼にしているから、余計にそう見えたのだろう。
ナミルの身体に向けて撃ち出された光と闇の毘沙門刀。愚かな猟兵を切り裂かんと、空間を裂く様な鮮烈さでもってナミルの身体に刃が迫り……
「そんなナマクラ! ずっと止まってろ、ですにゃ!!」
ナミルの言葉に呼応する様に、黄金に輝く呪われた斧。いつの間にやら彼女の周囲に展開されていた無数の歯車もまた輝きだして……その光に照らされた毘沙門刀が、動きを止める!
「……むっ!?」
「ザクッと倒すにゃーっ!!」
目を見開き僅かに驚きを顕にする上杉謙信に向けてナミルが更に踏み込むと、黄金の斧が振るわれる!
……ナミルは数多の猟兵の中でも屈指の【呪詛】の使い手だ。その身を纏う装具も、ユーベルコードも、呪詛の力を引き出し、増幅する物が多い。
その強力無比な呪詛の力を持ってすれば……
「そんな光で、ナミルの呪詛が消えると思うなデスにゃ!」
振るわれた呪いの斧は、謙信の両の手の白黒の太刀によって受け止められた。だがその激しい衝撃によって、斧に込められた強烈な呪詛が周囲にバラ撒かれていく。
撒かれた呪詛を浴びた『光』の毘沙門刀が、その力の負荷に耐えきれずに遂に折れる。『闇』の力纏う刀もまた、より強い呪われた力の前に地に落ちる。
そしてその呪詛の渦が……謙信の力を、曇らせた!
「タイミングは……今!」
降り注ぐ炎の雨。相反しながらも拮抗する二つの属性の力。
その力に生まれた僅かな隙を見逃さず、ウィルバーの身体が……いや、彼の身体から浮かび上がる漆黒のオーラが、攻撃を受け止める。
攻撃を受けたオーラは、その威力をそのまま相手に反射する能力を持つ。弾かれた炎と水が、それぞれを司る毘沙門刀へと返されると……
「意外と剣も、使えるんですよ……!」
鎮められる炎と、蒸発する水の力に追い打ちを駆ける様に……ウィルバーの影の刃が、その刃を打ち、両断する!
「ダンスの時間ね! クローアーム、シュートヨ!」
チトセもまた、生じた隙を見逃さない。
僅かに動きの乱れた氷の刃を腰部の『アシュラユニット』に付属するクローアームで捕獲。抵抗する力を怪力で捻じ伏せると……!
「ナイス業物! いい刀、ネ!!」
そのまま薬の刀に叩きつける。圧倒的な剛力の前には、『軍神』の佩く名刀と言えど抗いきれず。氷は薬を凍らせて、割れて爆ぜて地に解ける。
……12本の毘沙門刀の内、今の攻防でその半数を失ったのだ。
「毘沙門刀を……! 猟兵め、やってくれる!」
クロスレンジで斧を振るうナミルを弾き飛ばし、仕切り直しと距離を取る上杉謙信。
その身体に、目立った外傷は見当たらない。だが纏う武器は……猟兵の粘りと、強烈な呪詛の力によって、傷ついている物が多く見える。
ナミルとウィルバー、チトセの三人は、『軍神』の力を大きく削ぐことに成功したと。そう言って良いだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
秋月・信子
・SPD
生憎私は甲斐の虎…ではありませんが、これが私の、川中島の戦いです
ですが毘沙門刀を纏っての高速移動…ならこちらは【影の魔獣の召喚】で召喚し、影の黒豹に騎乗して応戦
虎のように雄健な姿に謙信公はかつての宿敵、信玄公を思い起こす【挑発】に受け止められるかもしれませんがこれも計算の範疇です
毘沙門刀を放射され黒豹に刺されば【激痛耐性】で耐えます
相手が的の大きい黒豹に毘沙門刀を集中放射したら…反撃です
「擬態、結束解除!影よ…伸びて私を飛ばしなさい!」
不定形の影に戻り触腕で私を謙信公の真上まで投げさせ形象(イメージ)...撃ち出すは龍殺しの魔弾(ドラゴンブレイカー)
瞳を蒼く輝かせ落下しながら撃ちます
●『虎豹』と『龍』
12本の毘沙門刀。その半数を失った『軍神』上杉謙信。その身体にも多少の傷を負っており、猟兵との激戦の程を伺わせる。
だが、その武威は未だ健在。残る刀だけでも十分に戦えると、その戦意は高い。
……『軍神』と謳われ、史書に名を残す程の偉大な武将。そんな彼の武名は、とある一人の武将の名と切っても切れぬ関係にある。
(『甲斐の虎』、武田信玄。天下に名高い、好敵手である二人)
信濃国を巡る度重なる戦。塩留めをされ苦境に陥った信玄へ差し伸ばした手。ただ敵対するだけでない、不思議な関係性。
『甲斐の虎』と『越後の龍』。秋月・信子(魔弾の射手・f00732)の知識にある二人の関係は、まさに『好敵手』と呼べるそれである。
(生憎、私は『甲斐の虎』ではありませんが……)
影の黒豹に騎乗し、信子の黒の瞳が『軍神』の姿をキッと睨む。
『軍神』と呼ばれ畏れられたその力。オブリビオンと化して蘇った今、彼我の実力差は圧倒的であろう。
その差を少しでも埋める為……喚び出した黒豹は、その策の一つである。
(これが私の、『川中島の戦い』です!)
信子の意思を受けて、黒豹が駆け出す。野性的で靭やかな獣が、地を駆ける。
「……豹、か」
迫りくるその姿の前に、謙信が浮かべた表情はどこか懐かしい物を見る表情だった。虎のような黒豹の雄建さが、かつての宿敵であり好敵手である男の姿を思い起こさせたのだろうか。
「あの時は、私が討ち入ったが……良かろう。その挑戦、受けて立とう!」
歴史の皮肉を感じたのか、謙信の口元が僅かに歪むのを信子の瞳は見た。
次の瞬間、残る毘沙門刀を纏う謙信が動く。跳ね飛ぶ野獣を追うように地を駆けて、刀を射出する。
飛来した刃は黒豹の脚を穿ち、地に縫い付けて機動力を殺す。生じた痛みを影で繋がる信子も感じるが……表情を歪めるだけで、視線は謙信からは外さない。
「声を上げることも無い、か。中々の覚悟を固めていると見える」
その覚悟に敬意を表そう。謙信の言葉と共に、残る刃が撃ち出される。回避することは、叶わない。
……この状況こそが、信子が狙っていた状況だ。
「擬態、結束解除!」
刃が撃ち放たれた、その瞬間。響く信子の声に、黒豹の姿が溶ける。後に残るは、不定形の影の姿。その影が信子を包むと……
「影よ、伸びて私を飛ばしなさい!」
跳ね上げられる様に飛ばされた、信子の身体。直後、毘沙門刀が影を穿つ。
間一髪のタイミングで難を逃れた信子だが……本当の狙いは、ここからだ!
(形象……!)
謙信の上を飛び越えながら、瞳を閉じて脳裏でイメージを固めていく。形成する弾丸は……強大な龍をも穿つ、『竜殺しの魔弾』だ。
(魔弾、装填!)
そうして生み出された弾丸を愛用の拳銃に装填し、謙信に向けて指向すれば。
「──セット、ファイア!!」
閉じた瞳を開けば、『蒼く輝く』その瞳が目標を射抜く。
次の瞬間、放たれる魔弾。音の速さを超える科学が生んだ弾丸が突き進み……
「──ッァ!!」
その弾丸を、黒白の刀が受け止めた。魔弾の魔力と、毘沙門刀に宿る力。強大なその力がぶつかり合い、打ち消し合う……!
傷ついた謙信、刃毀れのある毘沙門刀。万全とは程遠い『軍神』であるが、その力は絶大。このまま、魔弾を押し返すか。そう思った時だった。
「魔弾よ! 『越後の龍』を破りなさい!!」
信子の瞳が、更に輝きを増す。その輝きに同調する様に、魔弾の力が更に高まりを見せ……!
──バキィッ!!
謙信の手の、黒と白の二振りが。魔弾の力に遂に屈し、砕け散る。遮るものを失った魔弾は……
「ぐぁッ!!」
謙信の、胸の中央を見事に貫いて……衝撃を受けて倒れ込むその身体を、塵へと返していく!
……上杉不識庵謙信。その異名は、幾つかある。
例えば、『軍神』。例えば、『毘沙門天の化身』。そして……『越後の龍』の異名も、彼を示す者である。
彼が龍の異名を持つのであれば。『竜殺し』の力を持つ魔弾は、その力を飛躍的に高めてくれるはず。そう考えた信子の考えは……見事な成果を、齎したのだ。
「……此度は、ここまでか。だが、まだ完全に破れた訳ではない」
『軍神』と、上杉の『毘』の旗印。そう簡単には抜かせはせんぞ……
そう言葉を残し、消えていく『軍神』上杉謙信。いずれ彼は、この戦場に再び姿を表すだろう。
ならば、完全にその力を失うまで戦い続けるのみ。エンパイアウォーの中盤戦を占う『軍神』との死闘は、まだ続くのだった。
大成功
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