1
エンパイアウォー⑱~その歩み、毘沙門天が如く

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #上杉謙信

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#戦争
🔒
#エンパイアウォー
🔒
#魔軍将
🔒
#上杉謙信


0




●軍神、関ヶ原に降り立つ
「――謙信の居所を掴んだ。が……同時に最悪な知らせもしなきゃならねェ」
 霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)の顔は晴れず。頭を抱えるようにしていたが、集まった猟兵達に居直ると、説明を始める。

「軍神『上杉謙信』は関ヶ原にいる。そう、幕府軍が10日にゃ到達する事になってた所だ。……今、謙信はそこで軍神たる代名詞の『車懸かりの陣』を展開してやがる。狙いは――」
 幕府軍の疲弊だと、その口許は動いた。焦燥感に駆られながらも、彼は説明を続ける。
「この陣形、何が問題かと言うと、どんな配下だろうと、万全なコンディションで望む事ができて、なおかつ代わる代わる入替が行われることで『超防御力』を発揮する守備陣形って事だ。……コレを突破しないと、謙信が復活する時間すら稼がれる」
 つまりは、車懸りの陣を突破できなければ、謙信と相対する事も出来ず、完全に撃破出来なければ、幕府軍にも被害が及び、謙信も取り逃がす可能性があるのだ、という。

「――こんな知らせだが、幸い俺らは少人数じゃねェ。今からお前らは、この『車懸りの陣』を突破する連中に送り出してもらう、または加勢する形で、向こうの指揮官たる軍神『上杉謙信』の所まで向かって貰う。……当然、俺からのオーダーは『撃破』だ」
 クロト曰く、既に展開されている車懸りの陣が先制攻撃のようなものらしく、謙信本人は先制攻撃は全く行わないようなのだ。
「その代わり――相手は腐っても軍神だ。舐めて掛かると越後の龍に喰われると思え」

 続けて、クロトは謙信本人の戦闘能力について言及する。
「軍神は、12本の毘沙門刀を携えてるんだが、それぞれが『属性』を持ってやがる。水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇―― 悪りィが、あとの2本は良く分からねェ。たぶん『過去』と『未来』みたいなモンだとは思うけどなァ」
 その毘沙門刀を活かし、各種属性を利用した多種多様な攻撃を放ってくると言う。なるべく隙の無いような戦術が求められるだろう。

 その後、クロトは転送準備を始めるが、先刻の説明に、まだとっかかりがある猟兵が居たのか、その質問に答えるような形で、こんな言葉を返した。
「――なぁ、なんで謙信が『アンヘルブラック』と『ディアブロホワイト』って属性の刀を持ってるんだ? どんな経緯か知らねェが……とんでもない相手なのは間違いねェ。気を抜くんじゃねぇぞ!!」


逢坂灰斗
 まさかその名前を此処で聞くと思わなかったよ謙信さん!!
 逢坂灰斗です。
 今回は、『車懸りの陣』を抜けた先で『軍神『上杉謙信』』と相対して頂きます。

【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
・軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
・つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
・上記の為、このシナリオでは先制攻撃判定はありませんが、このシナリオは『やや難』かつ、プレイングをしっかり見させて頂きますので、よく練り込んだプレイングをお願いします。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。

 では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……御武運を。
91




第1章 ボス戦 『軍神『上杉謙信』』

POW   :    毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。

イラスト:色

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シル・ウィンディア
すごいプレッシャーだね…
でも、ここで怯んでなんかいられないっ!

真正面から行っても
力負けするから機動力で勝負っ!!

【空中戦】【残像】【フェイント】を駆使して撹乱機動!
敵の集中を邪魔するために空中から
精霊電磁砲を連射
【誘導弾】で嫌らしい場所へ撃ち込む
当たずも敵UCの発動を少しでも邪魔できれば…
接敵したら、二刀流の光刃剣で【フェイント】を駆使して
撹乱してから【二回攻撃】
ヒット&アウェイを心掛けるよ
対敵UC
【第六感】で感じて【見切り】で敵UCの穴を見つけて回避
回避不能時は【盾受け】でムシールドを展開して
【オーラ防御】で広範囲防御

UC使用時は
【高速詠唱】で隙を減らして【全力魔法】で限界以上を引き出すよ



●属性を繰り合う者達
 幕府軍は滞りなく関ヶ原に到達した。だが――苦難は既に待ち構えていた。
 その苦難の片翼を担う車懸りの陣……その先に、かの軍神は真っ直ぐに。その威容を示していた。
 他の猟兵達の力を借り受けながらも、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は陣の先――指揮官たる謙信を視界に収め、少しだけ震える手を制止するように。
(すごいプレッシャーだね……でも、ここで怯んでなんかいられないっ!)
 強敵に接敵する前から圧で負けてはならない――覚悟を決め、彼女は真白き世界の空へ躍り出る。

「――なるほど、ただの撹乱では無いようですね」
 空より牽制の電磁砲を撃ち込みながら舞い踊るシルのその姿にも軍神は平静を崩さず。
 周囲を漂う毘沙門刀が主に付き従うように護りを固めるが、何せ接敵する為の砲撃だ。
 防御の薄い箇所を縫い通すような精確な追尾が放たれるも、それに即座に対応するように、軍神は護りを回していく――
「やっぱり真正面から力比べを挑むと押されちゃう……けれど、少しでも!!」
 その言葉とともに、側面に付けた少女は光刃を振り翳す。
「……成る程、確かに私の手で打ち破らねばならぬ様ですね」
 速度で確実に上回る事が彼女の理として働く。かの武将に少しづつ肉薄しているという感触が、シルにはあったが、まだこれが手の内の全てでは無いとも気付いていた。

 その悪寒をなぞるかの様に、天地が鳴動する。
 毘沙門刀の共鳴が、それの予兆かのように始まったのを見受け、シルも悟る。完全に巻き込まれる前に――通さねばならないと!
(完全に異変が起こる前に――此処じゃないと、もう通せない!!)
 鍔迫り合いを演じながらも、片手間で『切り札』を通しに掛かる行為はとても一朝一夕で出来る物ではないが。彼女の技量が、それを可能にさせた。後は――
「――限界以上を、私の全力を!!」
 闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ。
「――我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」

 ついぞ関ヶ原に降り立たんとした暴虐の闇の乱流を貫かんとする四元素の光条が降り注ぐ。
 乱流の顕現を受け、護りを固めながら離脱していく彼女は見ることは無かったが――
「……見事な物だ」
 その得物も、装束も、喰らいつかれたという証左を刻まれていた。
 軍神に、確実な一撃を与えた事が、この戦場での足掛かりの1つを築き上げたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
その左手の白の刀
帝国最強ウォーマシンの力を何故貴方が所持しているのか…
答えなくとも結構です
「白騎士」の力を手に持つ以上、ウォーマシンとして誠に勝手ながら因縁をつけさせて頂きます、勝負!

センサーで●情報収集、四方八方から飛来する刀の軌道を●見切り、頭部、肩部格納銃器の●スナイパー技能を使った撃ち落としで迎撃
●盾受けで刀を受け止めつつ盾が限界を迎えたら放棄、スラスターでの●スライディングで接近戦の間合いへ

勝負はUC効果時間の約5秒
予測演算で攻撃を●見切り二刀流(●二回攻撃)の●武器受けで捌ききり目の前で剣を放棄
剣に気を取られた隙に腕部の伸縮機構と鉄爪を使った●怪力の貫手の●だまし討ちを繰り出します



●その名を冠する因縁
 闇色の乱流が収まりし頃。次なる姿はその闇を割くように、躍り出た。
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は陣を抜けた先に座す謙信の姿――その内の左手に警戒の眼差しを注ぐ。
「その左手の白の刀――帝国最強ウォーマシンの力を何故貴方が所持しているのか……」
 白騎士ディアブロ――嘗て宙域の世界で猟兵達を苦しめた『未来』操る帝国の強者。しかし、何故この軍神がかの名を背負し剣を携えているのか。
 彼は、語らない。ただ真っ直ぐに眼前の騎士へ眼差しを注ぐのみ。
「答えなくとも結構です」
 互いの剣が振り抜かれる。彼其の物に因縁は無いかも知れない。だが――
「『白騎士』の力を手に持つ以上、ウォーマシンとして誠に勝手ながら因縁をつけさせて頂きます」
 その宙域に生まれた者として。断片であろうと、その力を行使する者に因果を感じずには居られないのだ――!!
「良いでしょう。私が貴方の『覚悟』を全て、受け止めるまで」
「――勝負!!」

 十の刀が意志持つかのように、トリテレイアに降り注ぐ。
 近寄るだけであるというのに、その軌道を捌き切るまでに携えた盾が持たないという予測は容易に算出された。
(……やはり『手段』を持たずとも他の『魔軍将』に比類しうる力の持ち主という訳ですか)
 即座に盾を放棄しながらも、迎撃は怠らず。苛烈な剣舞の中でも吹き上げるバーニアが彼がその一瞬に至るに必要な距離までを『詰めて』いく。
「――そちらが『白騎士』を携えるならば、此方は『白騎士』を宿すまでです」
 手繰れる未来はほんの一瞬。だが、強者と斬り合うのだ――その刹那でも掌握出来るのなら、十分!!

 手にした未来が、過去と未来の斬撃を打ち破る算段を授ける。
 刹那の剣戟がその激しさを物語り――撃ち落とされた剣が、白き騎士の敗北を示した……かのように、見えた。
 だが。
「――剣を用いないのは正道に反するかも知れませんが」
 謙信のその身からは、騎士の腕が『生えて』いて。
「……我々も勝たねばならないのです。未来の為に」

成功 🔵​🔵​🔴​

ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○連携ご自由に

各属性に過去と未来…とんだチート野郎じゃな…無双っちゅーか無敵の領域じゃねーかこれ

○戦闘
【「ゲンジロウ、これで貸しひとつだ」】により装備10の蒼衣の剣士(以下蒼衣)を呼び出す。
12刀の斬撃を蒼衣の剣術の【早業】で凌ぎつつ、わしは蒼衣を【盾受け】や【オーラ防御】で【かばう】
決定打は打たせん、他は凌げる自信はある…問題は過去・未来の属性じゃな。

じゃが、そのチートを振るう時が好機じゃ。
一瞬でいい蒼衣よ、その剣閃で【挑発】し隙を作れ。
謙信が無敵だという確かな【覚悟】を抱き【選択したUC】を発動。
無敵に等しい過去の刃も未来の刃も打ち破り、【捨て身の一撃】を叩き込んでやろう。



●『覆す』意志の拳
「各属性に過去と未来……とんだチート野郎じゃな……」
 ゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)は車懸りの陣の切れ目を抜けながらも、交戦の始まった謙信のその姿を視界に収める。
「……無双っちゅーか無敵の領域じゃねーかこれ」
 猟兵達が圧倒的に練度で劣っている事は無い。だが、それ以上にこの地に座した『越後の龍』は強大と言えるのだ。
「『――油断するなよ、ゲンジロウ。真正面から挑めばお前の抱いた懸念が事実に変わるだけだ』」
 いつの間にやら現れた蒼衣の剣士は、戦友に忠告するかのように、並走する。
「皆まで言わなくとも、わーっとるよ。じゃが――」
「『……それを意志で『覆す』のが、お前だろう?』」

 謙信を間合いに収めた2人。
 まず先を取ったのは蒼衣の剣士。彼の瞬速の剣ならば数多の刃を操る者だろうと、渡り合えると。本人だけでなく何よりゲンジロウが確信していたのだ。
 彼とて熟練の技量を持つが――それに平然と対応し続ける軍神も軍神。
 高速の剣閃と12の刃が奏でる鍔迫り合いが、謙信に一分の隙を見せぬような強者であると錯覚させる。
 このような状況下。速度でも手数でも彼らに劣るゲンジロウに、出来る事はあるのか……?
 ――だが、この男はそんな状況にすら喰らいつく。

 それは、どんな鋭い刃でも、無骨な鈍器でも、ましてや魔法ですらない。
 ただの、愚直な。右ストレート。
「――どんなに無敵で無双だろうと、知ったこっちゃねーなぁ」
 謙信の女とも見紛うような美丈夫の顔面に、確かな信念が打ち付けられる。
「……俺のこの手は、それを打ち破る為のモンだからよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

良い!とても良い!素晴らしい強さだ!(狂った様なテンションで)

私と一騎打ちをしないか?命を削って殺し合おうじゃないか!

【血脈回帰】発動
自身に暴走の「呪詛」を付与…全制限解除。代償に身体の自壊が始まるが溜め込んだ膨大な生命力を消費して無視。
「全力魔法」により身体強化発動
更に「毒使い」により一時的に身体能力増大(戦闘終了後、虚脱)
相手の動きを「見切り」ながら

今回は大槍のみ使用…一槍に全てを籠める

「怪力」で「呪詛・生命力吸収」を籠めた槍を振るう(+猛毒)
相手の刀を「鎧砕き」の「なぎ払い」
全部黒いけど自分の周囲にも刀を浮かせよう(呪詛・全力魔法)
相手の手に持つニ刀は確実に回避する…

征こう…



●それを死合いと言わずして
 死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)は、歯止めを失ったかのように、真っ直ぐに車懸りの陣を貫いていた。
 既に見えた強さに、彼女の胸高鳴りは最高潮と言っても過言ではない。
「――良い!とても良い!素晴らしい強さだ!」
 もう、欲を抑え切る事は出来ぬ。指揮官でありながら天地を狂わせ、事象を従える紛うことなき強者……これこそが、彼女の求めていた者!!
 そのまま大槍を携えた彼女は、その欲のまま、狂気のまま、軍神に吶喊する。
「私と一騎打ちをしないか? 命を削って殺し合おうじゃないか!」
 謙信は突如現れた狂戦士にも、眉一つ動かさずに冷静に、刃を振るう。
「私達に介入しようなどと考える者は居ないでしょう――では『望むまま』に。その全てを討ち果たしてみせよう」

 暴虐的なその技量を刃で防ぎながらも、謙信の表情が揺らぐことはない。いくら得物が砕かれようと、相反するような平静さが謡に突きつけられる。
 反して。12の刃を見切り、薙ぎ払い、突き進む度に謡はその顔に悦を見せていく。その身の崩壊を告げるような流血が、彼女の狂気を軍神に突き付ける。
「……自らをも厭わず、ただ戦場にその身を置くのですね」
「お前のような強者との滾る死線――これこそが私の望むモノだからねェ!」
 呪毒の一槍が、その狂気を凝縮したかのように振り抜かれる。
 互いと互いの血が混ざり合い、白き地を染め上げていく。
 ……この光景を『死合い』と言わずとして、何と呼ぶのだろうか?

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
ふふふ
越後の龍、上杉謙信。相手にとって不足なし!!
俺は天武古砕流後継者!御剣刀也!!いざ尋常に勝負!!

連斬は第六感、見切り、残像で避ける、もしくは日本刀で弾くなどしながら距離を詰めて、捨て身の一撃に全てを込めて斬り捨てる
車懸かりは第六感で高速移動先を予測し、見切りと残像で回転する方向に身体を流し、受け止めるのではなく、流れに身を任せるようにして滑り込むように接近し、捨て身の一撃で斬り捨てる
天変地異は発動されたら制御も難しいので、自滅する可能性もあるが、そんな詰らない戦いはせず、自滅する前に謙信を斬りに行く
「戦場では俺は死人。死人は死を恐れない。さぁ、軍神!真っ向勝負を楽しもうぜ!」



●更なる高みを望む為に
 狂戦士と死合った後でも、油断は一分たりともしていなかった。
 新たに陣を抜け、現れた猟兵――御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)の瞳の輝きは、先刻の女となんら変わらぬ。戦場にて自らを見出すものの輝きだ。
「越後の龍、上杉謙信。相手にとって不足なし!!」
「……貴方も修羅、いいえ。『剣鬼』ですか」
 再び現れた好戦的な刃に、既に傷を負っている筈の謙信は超然と構える。構え合えば、血に染まった白き世界が、再び死地に移り変わる。
「俺は天武古砕流後継者! 御剣刀也!! いざ尋常に勝負!!」

 強烈な連斬は幾度とも彼の刀筋を阻む。だが、彼はそんな物では止まらない。
 幾ら刃がその身を狙おうとも、いなし、残像を斬り捨てさせ、だがそれでも正確無比に自らを斬り裂かんとするその冷徹な刃に、男は確かな実感を覚える。
 ……ああ、この強さだ、と。
 そして互いの間合い、最早躊躇うことは無い。
「この切っ先に一擲をなして――乾坤を賭せん!!」
 一撃が為ならば、その身を何度でも賭そう。たとえ、その身を焔の刃が割こうとも。彼は、立つのだから。

「――戦場では俺は死人」
 死人は死を恐れない。死地に身を置く者が、死を畏れてはその場に立つこともままならぬ。故に、この場に立つ彼は――
 強者と死合う喜びと、自らの技量でどこまで往けるのか。それだけで立ち続けている。
「……さぁ、軍神!真っ向勝負を楽しもうぜ!」
 その挑発的な笑みに対しても、謙信はどこまでもその表情を揺るがせる事は無かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎です。

では行きましょう!

鏡に映るのは誰だ? その顔は…!


【Metallic dance stage】を使用、陽動も兼ねてスピーカーを分散して配置。

【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、早業、マヒ攻撃、精神攻撃、催眠術】を駆使して楽曲を演奏、白い人を攻撃します。

【地形の利用】を駆使して戦場を絶えず動きながら、【早業】と【パフォーマンス】の軽業で逃げ回ります。

その間も演奏は継続、各所の追加スピーカーも大音量で鳴らしつつ、必要とあれば味方の盾にしたり自分の盾にしたりしましょう。

相手が天変地異を呼んだら、それを拒絶、指定UCで反射します。

天変地異は【パフォーマンス】の敵なのでゆるしません!


ヴィクティム・ウィンターミュート
──軍神、上杉謙信
いざ尋常に──勝負だ

テメェ相手に出し惜しみはしねえよ
封印指定コードを切る
アンロック『Forbidden』
セット『Flatline』
奪わせてくれ、お前から何もかもを!!

【ハッキング】で全サイバネ出力限界突破、【ドーピング】でコンバットドラッグ摂取
【ダッシュ】【ジャンプ】【早業】【フェイント】で高機動戦闘開始、こちらから【先制攻撃】で一気に行く

毘沙門刀を【武器落とし】で弾きつつ【見切り】【第六感】【武器受け】で攻撃を回避、いなす。チャンスがあれば【カウンター】

ナイフに塗るのは【マヒ攻撃】【毒使い】による麻痺と猛毒のダブルパンチ
【目潰し】【鎧無視攻撃】も使って急所を狙い続ける



●全てを簒奪する
「――もう少しで確定的に『返せる』な」
 ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は陣を突破した直後でも、戦況のみを見ていた。
「そのよーですね。後ひと押しまでが遠いですけど――やるしかないという奴ですよ」
 ほぼ彼と同時に突破したフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)もまた、眼前の戦果を眺めていたが、辿り着く結論は同じ。

 元より強敵相手なのだから、出し惜しみなどするつもりはない。
 札の中でも普段は切らぬ、極上の切り札を以て迎え撃つまで――
「──軍神、上杉謙信 いざ尋常に──勝負だ」
 そう呟いたと同時に、今迄以上の速度で吶喊していったヴィクティムを見遣りながらも、フローライトは自らの『開演』の支度を整える。
 観客は、もう眼前にまで迫っている――
「……では行きましょう!」
 弦に手をかけ、フレーズを走らせれば。『舞台』は始まる。
「『鏡に映るのは誰だ? その顔は……!』」

 戦場にて曲が奏でられる中でも、謙信はその事態を不快とは思わず。むしろ状況を冷静に判断する事を務めていた。
 12の刃を繰り、護りを怠ることは無かったが――2人同時に相手取るのは中々に技量を擁する。
(――どちらかと言えば『あちら』の方が問題ですか)
 戦場を忙しなく駆け回りながら、新たな遮蔽たるスピーカーを次々に用意していくフローライトは、演奏の手を休める事も無い。
 だが――悠長に余所見をしている場合でも無いのは事実として存在していた。
「おおっと、お前の相手は――俺だ。忘れんなよ」
 後ろを狙おうとすれば、即座にその機会を『奪い取り』に来るのだ。
 自らの超人とも言い難い才を引き伸ばし、限界を超越させ、軍人の眼前で男は踊る。
 全ては布石。視界を『奪い』、自由を『奪い』。そして最後は勝利を『奪う』が為。
「――私から全て奪おうという算段ならば」
 その返礼とばかりに毘沙門刀が共鳴を始める。異様なまでの放電音が空耳かとばかりに耳に刺さるが――
「これも、『奪って』みせると言うのですね」

 紫電の津波が、真白き大地に広がる。だが、それでも。彼は不敵に笑っていた。
「――頃合いだ」
「勿論分かってます。……地震も台風も、なんなら火事だってライブの天敵ですからね」
 2人は即席とはいえ、予め役割を噛み合わせていた。まるでフローライトが援護し、ヴィクティムが斬り結ぶように見えていたが――
 『天変地異』を確実に返す札が有るのだから、確実に全てを『奪い取る』。なら『天変地異』を使わざるを得ない状況に『追い込めば』良い。
 歌声が紡ぐのは歪んだ鏡写しの世界。招かれた紫電の津波を反射するように、歌声が響く――!!
「『――微睡む世界の 鏡写しの自分? 目覚めろ……!』」

 積み重なった麻痺と猛毒が、軍神に棒立ちを強要する。
 自らの励起させた天変地異が――自らの手を離れ、自らを飲み込まんとする光景に、ただただ。目を見開くしか出来ない。
「……言ったろ、全て『奪う』ってな」
 紫電の奔流に、軍神が呑まれたのを見届けぬまま、2人はこの地を去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

梅ヶ枝・喜介
【迷家突撃班】

おれァ馬鹿だ!
属性だ毘沙門だとかは知らん!わからん!
だが蘇ったあの関東管領が、十と二振りの刀を操るのは合点したゼ!

なぁに!どんな形なれども、剣を振るうなら剣士ヨ!
同じく剣ならば!打ち払えない道理は無い!

おれの総てを懸けて!真正面からぶつかっていこうじゃねぇか!

先駆けの祢々に続いて踏み込み!幾つもある刀へ向け!大上段に構えた木刀を振り下ろす!

簡単にへし折れるなんざ思っちゃいない!
僅かながらでも欠けが出来りゃあいい!
後ろにゃ景明のヤツが控えてんだからナ!

ほんの少しでも刃筋に乱れが見えりゃあ、それが好機!
より一層気合いを入れ!渾身の一太刀を見舞ってやる!

あんたァぶっ潰すのはこのおれだ!


上泉・祢々
【迷家突撃班】で連携

いやー、刀がより取り見取りですね!
私あれとそれとこっちので!
一番乗りはもらいました!

景明先輩が準備している間に我先にと突貫
最初は刃には振れぬように見切って刀を受け流して太刀筋を把握

ん?なんだかこちらへ来る攻撃が減ってると思ったら全員揃っていましたか
ちょっと残念ですが今は目の前に集中です
楽はできますしね

精霊ちゃんの雷も利用して出来るだけそちらへ攻撃を受け流し当てに行く
狙うのは刀の破壊
数が減れば対処しやすくなりますし12本もいらないでしょう?
雷撃と自身の拳を利用して出来る限りの刀は折る

そうして隙ができたら相手の首元目掛け手刀を放ちその首をいただきます

あなたを斬るのはこの私です!


遠呂智・景明
【迷家突撃班】

風林火陰山雷 雷霆の如く。
七体の精霊を呼び出し、隙を見て雷撃を放つよう伝える。

さて、準備終わったし……、ってもう突っ込んでるじゃねぇかあいつら!
いいか、お前ら(精霊)隙を見てだぞ!
よっしゃ俺も行くか!

腰から二刀を抜き放ち、突っ込んだ2人が対応してる奴以外の刀を●見切りつつ、危ねぇのは●2回攻撃の応用、●武器受けでいなす。
はっはっは、立ち替わりつつの連撃はどうyって危ねぇ!精霊共こっち諸共撃ってきやがったな!
当たりゃぶった斬る雷撃だ、上手いこと躱しつつ敵の方へ誘導!

そうすりゃ少しくらい隙は出来るだろ。
隙を見せたら●カウンターの●早業の一撃を叩き込む。

てめぇを殺すのは俺だァ!!



●軍神を討ち取ったのは誰か?
 正直な所、頭はあまり良くない自覚はある。属性? 毘沙門? なにそれ。
「だが蘇ったあの関東管領が、十と二振りの刀を操るのは合点したゼ!」
 梅ヶ枝・喜介(武者修行の旅烏・f18497)は車懸りの陣の最中でも、謙信のみを見ていた。傍らに友達は折れど、その勇むような足取りは逸る気持ちを抑えられぬかのようで。
「いやー、刀がより取り見取りですね! 私あれとそれとこっちので!」
 戦場であろうのに、遠足のような呑気さで毘沙門刀を選び始める上泉・祢々(百の華を舞い散らす乙女・f17603)に至っては。
「一番乗りはもらいました!」
 ……まだ準備している者も居るというのに、とっとと吶喊を始める始末である。
 ……作戦はあるんだろうか無いんだろうか。
「さて、準備終わったし……、ってもう突っ込んでるじゃねぇかあいつら!」
 最早引率のような状況と化したが、遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)の準備が終わる頃には、喜介まで姿を既に消している始末で。
「――いいか、お前ら、隙 を 見 て だぞ! ……よっしゃ俺も行くか!」
 ……準備という前段階すらなければ、彼も大差なかったのかもしれない――とは思えたが。こうして、最後の三人が、陣を駆け抜けていく。

「……血気盛んなのは喜ばしい事ではありますが」
 肝心の軍神当人は半ば唖然としていたかもしれない。
 なにせ、3人組のように見える彼らは、連携をしている訳でもなく。『互いに目的が同じ敵(ライバル)同士』にしか見えないのだから。
「――ん?なんだかこちらへ来る攻撃が減ってると思ったら全員揃っていましたか」
「たりめぇよ! おれの総てを懸けて!真正面からぶつかって行くと決めたんだからよ!!」
「お前達が待たずにとっとと駆け出すからだろ!」
 傍目から見れば非常に賑やかだが、相手をする謙信からすれば溜まったものではない。三者が隙を与えるつもりもなく、怒涛の攻めを繰り広げ続けるのだから。
「はっはっは、入れ替わり立ち替わりの連撃はど――」
 景明がちょっと気持ちを良くしそうなところに、雷撃が飛んできたことで、3人だけではないと、発覚する。
 ……最早彼らとて同じなのだろう。再三の指示にも関わらず、『景明ごと』撃ったのだ。
「――って危ねぇ!精霊共こっち諸共撃ってきやがったな!」
 紫電一閃とはよく言ったものだが。精霊達も刃を携えているならば、同じことなのかもしれない。
(私を前にして、功を争うとは――私を見ながらにして、私を見ていないような)
 手刀にて、或いは木刀にて、はたまた雷の剣にて砕かれていく毘沙門刀。
 彼らにとっては『誰が軍神を取る』のかが繰り広げられている『だけ』なのがいよいよ以て――
 軍神に余裕など、もはや介在していない。崩れなかった表情が、明確に崩れていたのを、彼らのうちの一人でも見届けたのだろうか?

「てめぇを殺すのは俺だァ!!」
「いや、あなたを斬るのはこの私です!」
「ともかく、あんたァぶっ潰すのはこのおれだ!」
 ――争うような渾身の三振りが、軍神の上にて激突する。
「……ははは」
 嘗ての彼は、戦場で死ぬことは無かった。首を求められることはあれど、取られるという事などは無かったから。
 だが、今、自分は、そうして討ち取られようと、している。
「見事です」
 謙信の最後の言葉は驚愕だったのか、称賛だったのかでも、最も分からなかったことは―――

 喧々諤々とする三人が示す通り。
『誰が謙信を討ち取ったのか』という事実だったのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月14日


挿絵イラスト