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エンパイアウォー㉕~輝

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●太陽の力
「これが、太陽の力か」
 禍々しい姿の仮面の武僧が、富士の火口近くにある儀式場に立っていた。
 顔を向けた先には、富士に眠る太陽の力が込められた『霊玉』。

 武僧は霊玉を手にして、すぐに儀式場から離れて行く。
「さて……急ぎ、コルテス殿にこれを渡さなければ」
 富士を噴火させようとしたオブリビオン達の裏では、この様な事が起きていたのだ。

●グリモアベース
「……とまぁ、この霊玉という物を奪って、捨てて来て欲しい訳です」
 予知の内容を見せながら、ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は依頼内容を語り始める。

「予知を見せましたけど、仮面のオブリビオンが太陽の力を霊玉に込めて、それを魔軍将コルテスに渡そうとしているのです。これが敵の手に渡ってしまえば……」
 言わずとも分かるが、碌な事にならない。
 何としてでも阻止しなければならないが、此度の依頼における武僧の実力は高い。
「まあ、皆さんならば大丈夫でしょう。下山する武僧を迎え撃って下さい」
 ウィルバーは猟兵達の勝利を確信している様子だ。

 阻止できれば、コルテスの企みも潰す事が可能かも知れない。やらない手はない。
「霊玉を手に入れたら、すぐに火口に投げて来て下さいね。放置するとマグマ化するので……ああ、湖に投げても大丈夫ですよ」
 とにかく、まずは武僧をぶっ倒せば良いのだ。一気に殴り込んでしまおう。

 ウィルバーは軽く頭を下げて、猟兵達を転送を行うのだった。


小強欲
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 どうも、小強欲と申します。
 何度か戦争シナリオを出しています。

 詳しい内容はOPの通り。
 ぶっ倒して奪って投げ込みましょう。(要約)
 それでは、楽しい戦闘プレイングをお待ちしております。

●他
 プレイングが来たらとりあえずリプレイを書きます。
 4名様以上のプレイングを頂いた後、全リプレイが書き終わり次第に一斉提出してシナリオを終了します。
 また、リプレイ提出時には一度リロードしますが、その際にプレイングが増えていた場合は、そのリプレイを書き終えてから一斉提出します。
 7人目以降は私の執筆力不足により、採用率が下がります。申し訳御座いません。
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第1章 ボス戦 『仮面の武僧』

POW   :    末世読経
予め【読経を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    狛犬噛み
自身の身体部位ひとつを【狛犬】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    金剛力士の招来
戦闘用の、自身と同じ強さの【金剛力士(阿形)】と【金剛力士(吽形)】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:水登うみ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キル・トグ
 キル・トグは冷やかしなのさ。貧弱だからね。

 まあ、適当に血反吐吐きながら空を跳ぼうじゃあないか。まずは高く跳ぼう、太陽に手が届くほど。
 手付かずの広大な樹海を眼下に笑おう。わたしはいきていると。
 素肌に鮮血が滲む頃、降りて来ればいい、イカロスの様に、朱を散らしながら。

「ヘイロウ!、我帰りし、地虫の這う戦場に!」

 うん、低空開傘のイメージだね、空気を蹴り敵に向かい徐々に角度の調整。着地の事を考えると最終突入角は30度から20度の間位かな、抉るのは獣の牙、太陽と同じくらい位置エネルギーは正義だと言うことを教えてあげるのさ。

 地面との間の空気を全力で蹴りながら制動して、出来ればまた空を飛びたいな。


尾崎・ナオ
技能「盗み攻撃」が役立つ?って思ったけど、これ、殺してから奪い取る、でもいいわけか。じゃあ、盗み攻撃をしながら敵の動きを制限してって感じに動こうかにゃー。

珍しくナオちゃんが攪乱役を引き受けよう~。敵の隙を作るから、攻撃してくれる猟兵を募集するよ~。

「なにそれ宝石ー?可愛いナオちゃんが持ってこそ相応しいっしょ!」
【指定UC】で高速移動しながら接近。【盗み攻撃41】【早業35】をしようとする姿をガンガンに見せるよ。敵が霊石を取られまい、と動いてくれたら嬉しいなぁ。

今回は左手に拳銃で【クイックドロウ145】、右手で手を伸ばして霊石を狙いつつ、敵の噛みつき攻撃は【第六感40】で回避。ちな右利きです☆


鎧坂・灯理
【鎧坂探偵社】
玉を奪って火口へ捨てる。シンプルですね。
では、参りましょうかレディ。
あなたならば大丈夫。あんな輩に負けたりはしません。
私もついていますし、ね。

赤の女王《レィディ・レッド》が戦場へ来たのだ
セッティングは完璧にしなくてはね
UC発動。さあ――『止まれ』
そのまま念動力で防御を解除させる

さあ、刑の執行だ。腕を広げて受け止めろ
判決は死刑……やさしいな?
レディの恩情に感謝するといい
では、これにて閉廷としよう

宝玉は……持って歩いていたらマグマになってしまいますかね?
個人転移で、近場の死火山にでも捨てて参ります

とても上手でした。大変よくできましたね、ミ・レディ
それでは、手を繋いで帰りましょうか


ヘンリエッタ・モリアーティ
【鎧坂探偵社】
ビリヤードみたいってことぉ?
んー、ヘンリーやマダムは上手だと思うけど
私にもちゃんとできるかしらぁ
あは、ありがと。そうよね!
優秀なコーチがいるもん!「ルビー」ちゃんがんばりまーす!

あっは、止まった止まったァ
じゃああとは殺すだけね
大丈夫よ、2回で済ませてあげるから
怪力まかせでもいいけど、ちゃんと無駄なくしとめてあげないとねぇ
苦しまないように執行しないと、死刑の意味がないんだもの
ワトソンで丁寧に両腕をコーティングしたら
【刑が先、判決は後】
――さあ、首を狩ってお終い。

ナイスショット!素敵だったわぁ、灯理
じょーずにできた?ふふ、ああ楽しい!
次も一緒に連れてって?
――うん、手も握って帰るっ。



●空へ
 霊峰富士の麓にて、キル・トグ(空の語り部・f20328)は空を見上げている
 巨獣キルと、制御装置の少女のトグ。こんな天気のいい日には、空を飛びたい。こんな場所に来る機会も中々ないのだから、偶には良いのかも知れない。
「貧弱だからね、仕方ない。……さあ跳ぼう、太陽に手が届くほど」
 バチバチと身体に走る痛み。それと共に傷が現れて、鮮血が舞う。
 それでも、空を求める苛烈な意思を以て、キルとトグは空へと駆け出した。

●読経する武僧
 儀式を終えて、山を下る仮面の武僧。
 手に持つは拳一つ分ほどの大きさの、金色に輝く霊玉。

「故説般若波羅蜜多咒。即説咒日……」
 辺りに響き渡るそれは、武僧の読経。
 経文の一文字一文字が彼に力を与えて、徐々に徐々にと強化されて、元の四倍近い戦闘力を得ている。
 しかし目の前に現れた相手を見ると、読経を止めて。
「玉を奪って火口へ捨てる。シンプルですね。では、参りましょうかレディ」
「んー……ビリヤードみたいってことぉ? ヘンリーやマダムは上手だと思うけど、私にもちゃんとできるかしらぁ」
 鎧坂・灯理(不退転・f14037)は武僧が持っている霊玉を見ながら、そう口に出す。
 灯理のすぐ隣に居るヘンリエッタ・モリアーティ(犯罪王・f07026)。彼女の人格の一つ、ルビー・モリアーティは、その言葉をゲームに見立てて、自分に出来るのかが気になっている様子で。
 武僧は無言のままで、巨大な錫杖を揺らして、二人を見据えている。
「あなたならば大丈夫。あんな輩に負けたりはしません」
 それに、自分もついているのだから。と、微笑んで。
「あは、ありがと。そうよね! 優秀なコーチがいるもん! ルビーちゃんがんばりまーす!」
 ルビーは灯理に笑い返すと、UDCのワトソンを両腕に纏って行く。

「もう良いか? 儂は急いでいるのだ、早く失せろ」
 今は霊玉をコルテスの元に届けるのが最優先。
 武僧は目の前の猟兵の事などはどうでも良いのだろう、興味なさげの様子で。
「そうは行かないな。赤の女王《レィディ・レッド》が戦場へ来たのだ……さあ――『止まれ』」
 セッティングは完璧にしなくてはならない。目を見開いて、武僧へと睨み付けると、武僧と彼の周囲一帯が停滞して行って、完全に動きが止まる。
 念動力で腕を強制的に横に移動すれば、まるで十字架のようになって。
「あっは、止まった止まったァ。 じゃああとは殺すだけね……あら」
 読み続けていた経文によって高められた戦闘力は、武僧の力を凄まじい物にしていた。無茶苦茶に高められた戦闘力……精神力で、無理矢理に静止状態を解こうとして、僅かにだが身体が震えている。
「……防御は解除しました、刑の執行を」
 強力な思念波と念動力で抑えてはいるが、その力はあまりにも凄まじい。長くは持たないだろう。
 すぐにルビーは両腕に纏ったワトソンを鎌形に変異させながら、武僧に近付いて。
「ちゃんと無駄なくしとめてあげないとねぇ。――首をはねてお終い!」
 女王の宣言によって、その御使いが鎌首をもたげると、解き放たれるは致命の一撃。
 しかし同時に、武僧は静止状態から抜け出して、ルビーの鎌の軌道上に……即ち首の一部を狛犬の頭に変形させて、鎌を噛みに掛かる。
 ズシャアッ、と鎌は狛犬の頭が割ってしまうが、武僧の首を切断させるには至らなかった。

●輝ける霊玉
 武僧は今の一撃でダメージは受けたものの、狛犬による防御で戦闘は問題なく可能。
「失せろと言ったのが分からなかったようだな……」
 仮面の隙間からギロリと覗かせる金色の眼がルビーに向けられると、錫杖で吹き飛ばそうとするが……その瞬間、武僧へと放たれる銃弾。
 タンッ、タンッ、タンッ、と武僧を撃ち抜いて後退させるが、すぐにそれを狛犬と錫杖で防いで。
「なにそれ宝石ー? 可愛いナオちゃんが持ってこそ相応しいっしょ!」
 銃声の先には尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)が霊玉を見ながら、拳銃を構えていた。
 左手に拳銃、右手は何を持たずに、軽くわきわきと動かしているスタイル。すぐに武僧はナオが何をするのかに気付いて。
「霊玉を盗む気か。この儂から?」
 やれるものならばやって見ろと言わんばかりに、体の至る部分から狛犬を現して、錫杖を大きく振れば、辺りに衝撃波が現れる。
 見るからに強そう……事実、凄まじいまでの強さなのだが、歴戦の猟兵が三人。時間は掛かるが撃破は十分に可能だ。三人は武僧を取り囲むように陣形を組み始める。

 陣形を組んで、ナオが高速で武僧へと接近すれば、銃撃しながらも鋭い手の動きで霊玉を狙って。
 銃使いが正面から接近してくるとは思わず、すぐに距離を取って霊玉を取られまいと動き出すが……直後、後ろに下がる筈が、何かに動きを阻まれる。
 何だと思って渾身の力で振り向けば、そこには灯理が立っており、手を突き出して念動力を放っている。
 更には別の方向からルビーが走っているのが見えて。
「大人しく刑を受けてくれないかしらぁっ!」
 鎌による一撃ではなく、力任せの回し蹴り。狛犬の生えていない部位を狙って放つが、すぐに腕によって防がれる。
 しかしその威力は絶大、強化された武僧を大きく飛ばして。
 そこにナオが駆けて行って、霊玉を奪い取ろうとするが……。
「やらんッ!!」
 近付かせまいと錫杖を振り回して、衝撃波を発生させる。
「ちっ、中々隙がないな……」
 ナオは軽く舌打ちをして、また別の陣形を組み始めれば、次の霊玉奪取のタイミングを計っていく。

●空から
 その頃、空の上では全身が地に染まったキルとトグが、笑いながら広大な樹海を眺めていた。
 自らが生きていると実感して、下を見れば、誰かが戦闘しているのが見えて。
 それを見ていると、一人の大きなオブリビオンが居るのを確認して。
「ヘイロウ! 我帰りし、地虫の這う戦場に!」
 トグが高らかに言葉を出せば、キルはその場所へと駆け出して。
 朱い血液を散らして、一直線に向かって行く。

 戦闘では猟兵達がほんの僅かに押しているが、拮抗状態にある。兎にも角にも、武僧の戦闘能力の高さが厄介なのだ。
 これをどうにか打破しようと三人が奮戦をしていると、武僧の後方より、空から落ちてくる獣が見えて。
「ん? あれって……」
 ナオがそれを見ると、何かを察したのか徐々に後ろに下がって。
 灯理とルビーもそれに視線を移せば、同じ様に少しずつ移動を始める。
「ふん、その様な子供騙しが儂に通用するとでも…………ぐおおッッ!!?」
 キルとトグの突進。
 急降下からの角度調整によって、地面スレスレを飛び、強力な位置エネルギーを以てキルの牙が突き立てられる。
 その威力は絶大。不意を突かれた必殺級の一撃は武僧を吹き飛ばして、倒れ伏させて。
「さあ! もう一度、空へっ!」
 そしてキルは地面スレスレの空気を蹴って、またもや空へと飛んで行ってしまった。

●死刑執行
 吹き飛ばされた武僧は凄まじいダメージを受けてしまったが、それでも戦闘が続行可能らしく、立ち上がろうとする。
 しかしナオの銃撃によって肩を撃たれると、身体をよろけさせて。
「っしゃあ、いただきぃっ!」
 その隙を逃さまいと右手を突き出して、霊玉を奪おうとする。
 武僧はそれを防ごうとするが、突如として身体が強張ってしまって。呆気なく霊玉を奪われてしまった。
「な、何が……また貴様かッ!」
 またもや、灯理の念動力が武僧の動きを阻害。
 今回は武僧が傷を負っていて、簡単には解けない。更には目を見開いて、武僧を静止させてしまって。
「さあ、刑の執行だ。腕を広げて受け止めろ」
 これ程のダメージを受けても、まだ静止状態から逃れようとする武僧。しかし今回こそは絶対に間に合わない。ギリギリギリっと、武僧を十字架のポーズにして。
 武僧に歩いて近付くルビー。再度両腕を鎌に変形させ、敵の目の前へと。
「今度は逃さないわ。苦しまないように執行しないと、死刑の意味がないんだもの」
 そして今一度、紅の女王は高らかに宣言する。
「――さあ、首を狩ってお終い」
 御使いが鎌で武僧の首を斬り裂いて。
 今度は防げず逃げられず。二度目の刃が、その命を断ってしまった。
「判決は……『死刑』。……やさしいな? レディの恩情に感謝するといい」
 刑が先、判決は後。そうして、長きに渡る武僧の裁判は閉廷した。

●太陽の霊玉
 金色に光り輝く霊玉は富士の火山、太陽の力を持つ。
 その美しさとは裏腹に、極めて危険なものだ。
「綺麗だけど持って帰れないのにゃー、じゃあいらないや」
 折角盗んだはいいものの、危険物ならば仕方がない。ナオは霊玉を処理する方法があると言う灯理に、それを投げ渡した。
 惜しいには惜しいが、別に絶対に欲しいほどではなかったらしい。
 気紛れな黒猫は、楽しく戦ってそこそこ満足な様子で、鼻歌交じりで去って行く。

 適当な火口か湖か、死火山へと霊玉を転移させて来た灯理。
「ナイスショット! 素敵だったわぁ、灯理! じょーずにできた?」
 ニコニコと満面の笑みで灯理を見詰めるルビーは、最高に楽しい様子で。
「とても上手でした。大変よくできましたね、ミ・レディ」
 ルビーへと手を差し出せば、すぐに握られて、歩き始める。
「ありがとっ! ……次も一緒に連れてって?」
 そっと顔を覗くルビーに、灯理もまた出来る限りの最高の笑顔で。
「はい、いつでも」

 空を見上げれば、赤い獣が鳴いている。
 喜びか、楽しさか。何れにしても良き感情で、何度も何度も鳴いていた。
 暫くの間は、この霊峰にて鳴き響く事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月09日


挿絵イラスト