エンパイアウォー⑦~大火蜂乱舞
●軍神車懸かりの陣
上杉謙信率いる上杉軍精鋭部隊が関ヶ原で幕府軍を蹂躙しようとしている。
全軍が風車のごとく回転し、また最前線の兵士が交代した。
超防御型攻撃陣形の軍神車懸かりの陣を以って、十分な回復の手を確保し、常に万全の態勢で襲ってくるのだ。
その中心で指揮を執る上杉謙信の撃破も、このままではかなわないだろう。
上杉謙信の号令により、また最前線の兵士が入れ替わった。
バチバチと火花が散る音。
火事から生まれるとされる妖、大火蜂が数体。守る力を大幅に上昇させ、常に回復の恩恵を受けながら牙をむく。
関ヶ原での戦いを勝ち抜くため、幕府軍に被害を出さないためにも、軍神車懸かりの陣を構成するオブリビオンの集団を撃破しなければならない。
●大火蜂乱舞
「軍神『上杉謙信』を倒すためには、上杉軍も倒してしまわなければならないみたいなんだよ」
ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は説明を始めた。
第六天魔王『織田信長』の居城、魔空安土城へ向かう幕府軍は、最大の難所である関ヶ原に集結した。ここからは関ヶ原で幕府軍を待ち受ける信長軍を突破し、さらに山陽道、山陰道、南海道の3手に別れて進軍することになるようだ。
そしてこの関ヶ原では、上杉軍精鋭部隊が軍神車懸かりの陣を発動させ襲い掛かってくるという。
「この陣は、最前の兵士を常に交代させて、万全の状態で戦い続けるという特徴があるの。上杉謙信も、この陣で回復時間を稼いでいるから、この陣は崩さなければならないよね」
ルビナは次に、今回猟兵たちが相手取るオブリビオンの集団について言及した。
「今回皆に相手をしてもらうのは大火蜂だよ。5体くらいいるようだね。防御力が大幅にアップしているし、常に回復されるから、撃破を狙うなら敵の防御を撃ち抜くような大ダメージの攻撃が必要になるよ」
一撃で撃破できなかった場合は、回復する前に連携攻撃等で撃破する必要も出てくるだろう。
並大抵のダメージでは、こちらの攻撃に耐えきったうえ、体力を即座に回復してしまうとのことだ。
「敵を一撃で撃破できるような、大ダメージを叩き込んでね」
最高のコンディションで襲い掛かってくる敵に対しては、その上を行く一撃を叩き込むしかないというわけ。
「これは集団戦だけれども、敵の防御力を甘く見ないで。皆の、特大の一撃をお願いします!」
ルビナはそう言って、皆に頭を下げた。
陵かなめ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
⑦軍神車懸かりの陣を切り崩しましょう。最大のダメージを叩き込み、敵を一体ずつ撃破します。
軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。
それでは、プレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『大火蜂』
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POW : 種火
【自身の身体】が命中した対象を爆破し、更に互いを【火事の炎】で繋ぐ。
SPD : 延焼
【周囲の炎が燃え広がること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火事】で攻撃する。
WIZ : 不審火
自身が戦闘で瀕死になると【炎】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:白狼印けい
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
デナイル・ヒステリカル
オブリビオンに指揮されるオブリビオン…
これほどまでに厄介だとは想定していませんでした。
個体の能力によるタフネスではなく、戦術によって成り立つ耐久力。
正しく、軍団。
今までに遭遇してきたどんなオブリビオンとも毛色が違っています。
それ故に、今ここで倒してしまわなければならない。
戦術を学習した個体を逃す訳にはいきませんから。
UC:レギオンを召喚
本来、レギオン達へ命ずるのは手数を活かした面制圧ですが、
今日この戦場においては火線の集中を指示しましょう。
確実に一個体ずつ排除していきます。
全機、構え。
タイミングを合わせ、発射。
正面の敵個体排除を最優先。
瀕死になる暇すら与えませんよ。
赤星・緋色
へーい、なんかこの蜂は久しぶりに見た感じ
最近ずっと暑いんだから、もうこれ以上周りを温めなくていいよ
下っ端にこんなの使役するなんて上杉さんは暑さに強いのかなぁ
ガトリングの属性弾は水をセット
範囲攻撃も駆使して一気に消火していっちゃうよ
もし攻撃が外れても火事は消せるし一石二鳥だね
炎を出し続けるならこっちは弾を打ち続けて、相手が完全に消化するまで付き合うよ
動き回るようなら羽根を狙って撃ち落とすし
硬い様なら鎧砕きで貫くまで撃ち続ける
他の猟兵が近くにいるなら連携して火力を上げて一気にせん滅するのもいい感じだね
一度の攻撃で倒さないといけないなら、防御は捨てて攻撃重視でいくよ
黒天・夜久
【連携・アドリブOK】
なかなか厄介ですね。流石は「軍神」、ということでしょうか。全力で行きましょう。
武器を全てユーベルコードに使い、【空中戦】で同じ高さまで動きます。一体の攻撃を集中させ、存在が保てなくなるまで微塵に斬り刻み続けましょう。
反撃でくる炎は【オーラ防御】と【火炎耐性】で防ぎながら、同じく微塵に斬り刻んで散らしてしまいましょうかね。火の粉となってしまえば恐るるに足りません。
●一撃必殺の大打撃
バチバチと、軍神車懸かりの陣最前線で火花の散る音がする。
『大火蜂』たちが、一斉に躍り出て来たのだ。
猟兵たちは、すぐさま敵の撃破へと向かた。
今最前線に立っている大火蜂は、普段ならば集団で襲ってきても、個々の力はそれほど強力に感じないだろう。
しかし防御力を大幅に高めた敵の姿は、その強さを象徴しているようだった。
デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は最前線で飛ぶ大火蜂を見上げる。
「オブリビオンに指揮されるオブリビオン……、これほどまでに厄介だとは想定していませんでした」
敵が有しているのは、個体の能力によるタフネスではなく、戦術によって成り立つ耐久力だ。
目の前の敵は正しく軍団だとデナイルは思う。
今までに遭遇してきたどんなオブリビオンとも毛色が違っている。
それゆえに、今ここで倒してしまわなければならない。
「戦術を学習した個体を逃す訳にはいきませんから」
言って、デナイルはユーベルコード・疲れ知らずの僚属たちを発動させた。
「さぁ、状況開始だ」
小型の戦闘用電子精霊が、使用する架空兵器と共に召喚される。
その数実に255体。
ずらり並んだ電子精霊に、デナイルは的確な指示を出した。
「全機、構え」
本来これらレギオンに命ずるのは、手数を生かした面制圧。しかし、今日この戦闘においては火線の集中が第一である。
――ギィ、ィ!
並んだレギオン達を見て、大火蜂の群れがデナイルへと向かって来た。
だが今はこのギチギチと顎を鳴らす蜂全てを制圧するのではない。
デナイルは自分に向かって来た蜂の中でも、真正面の一番近い個体に狙いを定めた。
レギオン達が照準を全て狙いの個体に合わせる。
「確実に一個体ずつ排除していきます。タイミングを合わせ」
全ての銃口が揃って敵を捉えた。
「発射」
命令を下すデナイルの声。
レギオンの持つ兵器から、一斉に攻撃が放たれた。
――ギィ、ィイイッ!
狙う大火蜂が声を上げ、火の粉を散らして飛び回る。
だが、レギオン達は手を緩めない。一体の攻撃が回避されても、次の一体が敵を捉える。この全ての火器から逃れることなどできるはずもない。いくら防御力が強化されているとはいえ、255体からの一斉攻撃を防ぎきるなど不可能だった。
「瀕死になる暇すら与えませんよ」
デナイルの言葉通り、敵は炎を召喚する間もなく消滅した。
最初の個体が撃破され、大火蜂達はますますバチバチと火花を散らす。
そんな敵の前に出てきたのは赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)だ。
「へーい、なんかこの蜂は久しぶりに見た感じ」
最近はずっと暑い日が続いている。これ以上周りを温めなくていいのにとガトリングを構えた。
「下っ端にこんなの使役するなんて上杉さんは暑さに強いのかなぁ」
とは言え、この大火蜂達は十分に防御力を強化された個体である。更に撃ち漏らしてしまうと、すぐに回復してしまうのだと。
ならば、一度の攻撃で倒さなければならない。
緋色はガトリングに水の属性弾をセットしてユーベルコード・セミオートバーストを発動させた。
「ひっさーつ!」
一体の敵に的を絞り、命中重視にしたガトリングガンから水属性の弾を発射する。
弾は大火蜂の身体を貫かんと真っ直ぐ飛んだ。
――ギィ、ィイイッ!
敵が身体を旋回させ、それを回避する。
外れた弾が着弾し、周辺の炎を消した。
「動き回るんだ? でも、逃がさないよ」
ガトリングガンは、大量の弾丸を吐き出し敵を襲う。
緋色が狙ったのは、敵の羽根だ。
炎の羽根を撃ち砕き、敵の身体が空中で自由を失う。
だが緋色は攻撃の手を休めない。
まだ周辺には炎が舞っているし、敵の身体は消滅していないのだから。
ガトリングからの大量射撃で敵を蜂の巣にし、それでも消えない敵を見て水属性の弾丸を打ち続ける。
「かなり硬いんだね。それなら、貫くまで撃ち続けるよ」
緋色の攻撃は止まらなかった。
敵からの炎は熱い。
しかしそれを防ぐことは頭になく、攻撃のみを考えてガトリングガンを持つ手に力を込めた。
鎧を砕く力を乗せた弾丸が、ついに敵の体を貫通する。
――ギィ……ッ!
敵が何かを叫んだ。
緋色はお構いなしに攻撃を続ける。
やがて発射する水属性の弾丸すべてが貫通すると、大火蜂の身体は微塵も残さず消滅した。
カラカラとガトリングが回る音。
敵一体の撃破を確認して、緋色はようやく攻撃の手を止めた。
「なかなか厄介ですね」
敵の防御力や回復のスピードを感じ、黒天・夜久(ふらり漂う黒海月・f16951)は呟いた。
すでに2体が撃破されているが、敵の群れの勢いは全く弱まっていない。
「流石は『軍神』ということでしょうか。全力で行きましょう」
そう言って、夜久は地面を力強く蹴った。目指すはハチが飛んでいる空中。敵と同じ高さまで跳んだ。
敵に回復させてはいけない。攻撃を仕掛けたなら、必ず敵を消滅させなければ。
「咲け。散れ。悉く微塵に裂き散らせ」
夜久はユーベルコード・彼岸の獄を発動させると、持てる武器を全て白い彼岸花の花びらに変える。
空中で火花を散らす大火蜂たちを見極め、一体の敵を見据えた。そして花びらを繰る。
「その存在が保てなくなるまで微塵に斬り刻み続けましょう」
そう言うと、一斉に花びらを舞わせて、敵の体を斬り刻んだ。
花びらは次々と敵に襲い掛かり、鋭く斬りつけていく。
無数の花びらは、敵が逃げる隙も与えない。体をいくつも斬られ、敵の身体が崩れていく。
――ギィッ!
それでも、敵の鳴き声が響いた。
敵が炎を呼び、夜久へと襲い掛かって来る。
「炎ですか」
夜久は慌てずオーラで防ぎながら、敵から放たれた炎にも白い彼岸花の花びらを向かわせた。
花びらは敵の炎をも斬り裂く。
見る見るうちに炎が微塵となり散っていった。
「火の粉となってしまえば恐るるに足りません」
言いながら、更に花びらを舞わせ敵本体を切り刻む。
もはや敵の反撃はない。あれだけ切り刻んで消し去れば、回復するはずもないだろう。
夜久は地面に着地して敵の消滅を確認した。
「これで3体ですか」
仲間たちと併せて3体。
狙った敵を滅ぼした夜久は空中を見る。猟兵たちに襲い掛かってきた当初を思えば、数を半分まで減らすことができた。今のところ撃ち漏らしもない。各自が一体一体を消滅させ、順調に敵を追い込んでいる。
残るは3体。
夜久は敵の回復がないことを確認して、いったんその場を退いた。
大成功
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ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
※アドリブ・連携歓迎
防御が硬く回復力も高い相手を一撃で仕留める必要がある、と。
まあ、幸いやりやすい相手だし、やってみようか。
●種火で体当たりを仕掛けてきた大火蜂をそのまま【火炎耐性】で受け止めて、
離れないように【怪力】で捕まえて【万喰熱線】を発動、火事の炎と大火蜂の体の炎を吸収するよ。
大火蜂が回復し続けるかぎりこっちも炎を吸収して熱線の威力を高め続けられるから、
確実に一撃で倒せるまで熱線の威力を上げて、一撃で消し飛ばすよ。
メイスン・ドットハック
【WIZ】
車懸かりの陣というのは厄介なものじゃのー
じゃけど、最大火力でやれとは、僕はあまり得意ではないんじゃがのー
ユーベルコード「倫敦は霧に包まれて」のパープルミストは展開しておく
最初は他の仲間と連携して、電脳魔術で生み出した冷却弾頭ミサイルを【誘導弾】【一斉発射】でサポートして最大火力の上積みを行う
そして終盤になったら、分析させたパープルミストにありったけのリソースを注ぎ込んで氷結爆弾を生み出し、それを大火蜂の近くで爆発させる
凍結して脆くなったところを、渾身の電脳ミサイルの【一斉発射】で一気に破壊を試みる
仲間のサポートに使うのもよし、という感じで撃破を狙う
絡みアドリブOK
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です
上杉謙信さんの所へ
向かうには…
先ずこの陣形を突破しなければ
いけないんですね…
味方の猟兵さん達と
連携して戦闘・攻撃
自身の剣
『ヴォーパルソード』に
『氷雪』の属性を付与しての
【属性攻撃】や【なぎ払い】
【鎧無視攻撃】等の剣戟や
剣から放つ
【衝撃波】【誘導弾】等の
遠距離攻撃を
【早業】【2回攻撃】とも組み合わせ
味方の攻撃と連携して攻撃
敵に大打撃を与える際には
UCで
強力な氷雪の竜巻を発生させ
敵にぶつけます
(味方を巻き込まない様に注意)
敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【オーラ防御】等で
回避・防御
『強固な陣形です…けど…ここを突破しない事には、謙信さんのもとへは…頑張らなきゃ…!』
●力込め
残り3体になったとはいえ、『大火蜂』たちの炎はまだまだ健在だ。
「防御が硬く回復力も高い相手を一撃で仕留める必要がある、と」
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は、火の粉を散らす敵の目の前に躍り出た。
――ギィッィイイイ!
敵がペトニアロトゥシカの姿を見て顎を鳴らす。
「まあ、幸いやりやすい相手だし、やってみようか」
構えるペトニアロトゥシカに向かって、一体の大火蜂が突撃を仕掛けてきた。
周辺に火の粉が舞い、炎が降り注ぐ。
炎の勢いは増すばかり。眼前に迫った敵は、炎の弾丸のようにも見えた。
そんな勢いのある炎を浴びたペトニアロトゥシカは、火炎耐性を最大限に活かしてその場に立ち、敵本体が飛び込んでくるのを待つ。
ゴウと、さらに激しい炎。
周囲の温度が一気に跳ね上がり、大火蜂が突撃してきた。
「ここだよ」
ペトニアロトゥシカが腕に力を込める。そして勢いを増した敵の体をその手で受け止めた。
暴れる敵を抑え込もうと更に力をかける。勢いに吹き飛ばされないよう、めいっぱい踏ん張った。
――ギィッ! ギィッ!
敵が炎を撒き散らす。
ペトニアロトゥシカはその炎にも耐えながら万喰熱線を発動させた。
「全部まとめて、お返しだよ!」
全身をエネルギー吸収状態にし、敵の炎を吸収する。
「まだだ、まだ」
火事の炎も、敵の炎も、全てを吸収しつくす勢いだ。
確実に一撃で敵を倒せるまで、ギリギリまで、敵を抑え込んで我慢する。
大火蜂はペトニアロトゥシカから逃れようと暴れ狂った。
だが、決して敵を放さない。
ついに納得できるまで炎を吸収できた時。
ペトニアロトゥシカは手元の大火蜂に向けて熱線を放つ。
「一撃で消し飛ばすよ」
吸収した炎のエネルギーを全て熱線に変えた。
放たれた熱線が敵の体を撃ち抜く。力の塊と化した熱線は、大火蜂を捉え突き抜けた。
大火蜂は熱線に耐えることができず、焼かれて消滅する。
「これで、残り2体だねえ」
ペトニアロトゥシカの目の前には、敵の欠片も残ることはなかった。
●氷乱舞
「車懸かりの陣というのは厄介なものじゃのー」
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は敵の陣を見てそう言った。
「上杉謙信さんの所へ向かうには……、先ずこの陣形を突破しなければいけないんですね……」
アリス・フェアリィハート(不思議の国の天使姫アリス・f01939)は残った敵を見ながら静かに胸元で手を組む。
「じゃけど、最大火力でやれとは、僕はあまり得意ではないんじゃがのー」
「協力して……戦いましょう」
メイスンの言葉を聞いて、アリスが提案する。
「そう言ってもらえると、ありがたいのー」
「行きましょう」
二人は軍神車懸かりの陣最前線で火花を撒き散らす『大火蜂』に向かって行った。
「電脳AI『パープルミスト』展開、いや散布じゃのー」
メイスンはユーベルコード・倫敦は霧に包まれてを発動させ、紫霧型電脳AIを召喚する。戦況を分析し、戦局に有効な電脳兵器の創造を可能にしたのだ。
一方、アリスは氷雪属性を付加したヴォーパルソードを構えた。
「この陣を……突破しなければ……」
そう言って、地面を蹴る。
素早く剣を振るい、二回攻撃を繰り出した。
大火蜂の防御がアリスの剣を弾く。だが、そこにメイスンの放った冷却弾頭ミサイルが飛来した。
「火力を積み重ねていくのが良いようじゃのー」
敵に回復の間を与えぬよう、ミサイルを一斉発射し援護する。
アリスは頷いて、敵の鎧を無視するような痛烈ななぎ払いを仕掛けた。
「強固な陣形です……けど……ここを突破しない事には、謙信さんのもとへは……頑張らなきゃ……!」
さらに、剣技から発する衝撃波が敵を襲い、動きを封じる。
――ギィィッ!
ミサイルと衝撃波に晒されながら、敵が炎を吐き出した。
これに対抗するように、メイスンの冷却弾頭ミサイルとアリスの氷雪属性の剣技が、炎の延焼を妨げるように周囲を冷やしていく。
「これを凌げば、最後の仕上げじゃ」
メイスンは電脳AIパープルミストに、ありったけのリソースを注ぎ込んで氷結爆弾を生み出した。
「敵の近くで爆発させるからのう、近くに寄らない方が良いじゃろう」
それを聞いたアリスは、衝撃波を生み出しながら一歩敵と距離を取る。
――ギィィッ! ィイイッ!
敵は二体で固まって炎を増そうとしていた。
そこに、メイスンが氷結爆弾を落とす。
「さあ、凍結するはずじゃ」
大火蜂の近くで爆発した氷結爆弾。
爆発の瞬間、周辺を巻き込んで敵の身体が凍り付いた。
今だ、と、二人は思う。
メイスンは凍結して動けない敵に向かって、電脳ミサイルを一斉に射撃した。渾身のミサイルが次々と敵の体を貫いていく。ギィギィと敵は鳴くが、凍結からは抜け出せない。炎を発しているが、周辺の氷が敵の炎を消してしまうようだ。
ここで大打撃を与え、完全に敵の存在を消さなければならない。
アリスは敵との距離を見ながらワンダーランド・シンフォニアを発動させた。
「不思議の国の精霊さん達……その力の片鱗を……世界に……!」
生み出したのは、氷雪の竜巻。
凍り付くような激しい竜巻は、勢いを増しながら敵二体に襲い掛かった。
ミサイルでボロボロになった敵の身体は、激しい竜巻に飲まれ細部まで破壊されていく。
アリスは竜巻を制御しながら、もっと、もっとと力を込めた。
「あと……少しです……」
決して仲間に当たらないよう、細心の注意を払いながら敵だけを攻撃する。
周囲は竜巻に合わせて氷の風が吹き荒れた。
「おお、敵が消えていくのー」
凍り付いた敵の身体が崩れていく様を眺め、メイスンが言う。
もはや敵は炎を発することもできない様子。
最後にパリンと小さな音がして、敵二体の身体は完全に崩れ落ちた。
「どうやら、何とかなったようじゃのー」
「はい……良かったです……これで……!」
メイスンとアリスが頷き合う。
猟兵たちは、一つ上杉軍精鋭部隊を切り崩した。
大成功
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