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エンパイアウォー⑳~応仁の乱再び

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #日野富子

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●応仁の乱再び
「魔軍将・日野富子の居場所が突き止められました」
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)はグリモアを浮かべくるくる、と回した。
 紫紺の瞳が無機質に猟兵たちを見つめている。
「場所は京都、花の御所」
 投影されたモニターに映し出されるのは豪華絢爛なる御所。
 日野富子の有り余る私財を投じて作り上げられた絢爛なる彼女の城。
「私的にはなんか趣味悪いなーと思いますが」
 何を口走ってるんだこの娘は。
 無機質な表情、眼差しのまま、銀糸の少女はゲートの展開の準備にかかる。
「日野富子は非常に強力なオブリビオンです」
 告げながら開示されるデータ。
 それは確かに彼女が強力なオブリビオンであることを示していた。
「彼女は我々よりも速くユーベルコードを繰り出せます」
 故にその一撃をどうにかして凌がねば敗北は必至。
 ユーベルコードを繰り出そうとするより速く相手がユーベルコードを繰り出す。
 それ故に先制の一撃は自らの技能や頭脳でどうにかして凌がねばならないのだ。
「また複数のユーベルコードを繰り出した場合、その全てが先を行かれます」
 つまり、己の力のみでなんとかしろ、と言うお話である。
 ゲートが展開され、京都の、豪華絢爛なる花の御所が見える。
「相手は非常に強力ではありますが……」
 無機質な眼差しのまま、彼女は君たちを一瞥した。
 感情も灯らぬ表情のまま。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
 声音も変わらぬ無機質で無感情。
 されど、託す信頼はこの上なし。


虎河豚天
 虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
 うわあああああああ戦争だあああああああああ。
 第二回ボス戦です。
 難易度は公式予告の通り、高めなので失敗の可能性もあります。
 また、下記注意事項はよくお読みください。
 ユーベルコード乱れ打ちすると乱れ先制攻撃されますよ。こわい。

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 大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『大悪災『日野富子』』

POW   :    アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:みそじ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

二天堂・たま
御所も身に纏う衣装も豪奢なのだがなぁ…。
如何せんそれを纏う本人が貧相だな、人としての中身が貧しい。
オブリビオンだからというより、元の性根がそうなのだろう。

さて…相手は確実に先手をとってくる。
ワタシはUC:アルダワ流錬金術で屋敷を砂塵に変えて砂嵐を操り、火矢を防ぐ。
火矢そのものは変えられなくとも、周囲は無機物だからだからな。
金屏風とか豪華な物を優先して変化させてやりたいものだ。
自分の富の象徴である御所をめちゃくちゃにされては冷静ではいられまい。
忍者ではないが忍び足と残像を活かしつつ砂嵐に紛れて懐に入り、“ケットシーの肉球”を叩きこむ。
一撃で倒そうなどとは思わん。まずは一矢、だ。


アウル・トールフォレスト
(※好きにお任せします)

わたしは好きだよ?キラキラ、ギラギラ。眩しいお城

でも、敵なんだよね
それじゃあ、殺してあげなきゃね(存在感、恐怖を与える)

【対策】
予め苔植物を増やして全身に覆っておく。たっぷり水属性も含ませておいてね(オーラ防御、属性攻撃)
後は真正面から立ち塞がって、爆発を受け止めるよ(勇気)
生きてる植物って、意外と燃えにくいんだよ?

【戦闘】
ブラッド・ガイストを使用して、爪を真っ赤な殺戮捕食態に
体が燃えながらでも、再度爆発を受け続けようとも、真っ直ぐに近づいて爪を振るう(怪力、衝撃波、範囲攻撃)
その時に一緒に血肉を捕食して受けたダメージを回復するよ(吸血、生命力吸収)



●きらきらぎらぎら。
「ああ……ふざけやがって……!!」
 花の御所に攻め入った猟兵たちを見て、日野富子は苛立たしげに声をあげた。
 燃え盛る炎が周囲に舞う。
「なめんじゃねぇぞ、死にやがれぇッ!!」
 その炎が放たれ、猟兵たちに襲いかかる。
 されど、その炎は真正面から打ち払われた。
 アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)の纏う苔植物相手にだ。
「なんで苔如きが燃えねぇんだよ!!」
「生きてる植物って意外と燃えにくいんだよ?」
 それでも、真正面から彼女の炎を受け止めるには随分と勇気が必要であった。
 苔植物の生命力、そして、たっぷりと含んだ水分。
 さらに自らの気を張り巡らせた三重の防御、それで漸く互角かあるいは……。
「ちくしょうがッ!!」
 さらに放たれた紅蓮の紫の炎を纏った無数の火矢。
 応仁の乱で散った怨霊たちの放つ火矢が降り注ぐ。
「物理は不味いかな?」
 炎は効かねど、突き立つ矢そのものに対する防御は薄い。
 薄いが、周囲の畳や屏風がその矢を阻んで燃えた。
「いやはや、畜生そのものではあるがね」
 ねこです。二天堂・たま(神速の料理人・f14723)がその火矢を防いだ。
 己の富の象徴であるソレを畜生如きに盾として用いられたのだ。
「ああ、くそが、くそがくそがくそがくそがぁッ!!」
 怒りの炎が燃え盛り、周囲をさらに焼き尽くしていく。
 盾にされたことに怒るのに、自ら燃やす事には何も感じないのか。
 紫の炎は周囲を焼き焦がしていく。
「わたしは好きだけどな。でも仕方ないよね」
 だって、敵なんだもの、敵なら――――殺してあげなきゃね。
 いっそ邪気のかけらもない程に、けれど膨大な存在感。
 殺意の塊、纏うは濃厚な死臭。
 それは死んでいるからするのではない。
 幾十、幾百と屠ったからこそ染み付いた殺戮者の臭い。
 気づけば少女の姿はなく、そこにあるは巨大な熊。
 その爪は元からなのか、それともこびりついてもはや落とせぬほどに染まったのか。
 真紅の爪をぎらつかせていた。
「畜生二匹が揃って何の真似だくそがァッ!!」
 灼熱の紫炎が放たれる。
 燃え盛る炎が殺戮熊の身を燃やし、焦がす。
 されど、その巨躯を止めるには能わず。
 真正面からの突撃、そして刹那の斬撃。
 爪が抉るように日野富子の体を引き裂き、鮮血を散らす。
「あがあぁああああッ?!」
 悲鳴をあげる。
 そんな悲鳴をよそに、殺戮熊はその血をべろり、と舐めた。
 しゅうしゅう、とそんな音をあげ、燃えて焦げた皮膚が癒えていく。
「なんなんだよ、てめぇはよぉッ!!」
「ネコだよ」
 いつの間にか忍び寄っていたたまがその頬をケットシーの肉球で打ち据えた。
 ぷにん、とした感触。けれど、その勢いは日野富子が吹き飛ぶ破壊力。
 襖をいくつも突き破り吹っ飛んでいくその姿を見ながらたまは呟いた。
「御所も衣装も豪奢だが……キミの中身があまりに貧しくて見てられんな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・ドレッドノート
アドリブ連携歓迎!
【SPD】

京都・花の御所…うん、実に怪盗好みな舞台ですね。
主を退治して、となると強盗みたいで残念ですが、相手がオブリビオンなら遠慮は無用。
――お宝、頂戴いたします。

敵の攻撃はソードビット×4、ライフルビット×4を放って空中で相殺、逸らしきれなかった爪は真紅銃の粒子剣と、閃光の魔盾で受け流します。

受け流しに成功したら【紺青の剣劇】を発動、新たに出現したライフルビットからカウンターの一斉射撃。更に弾幕を貫いて、5本ずつ合体させたソードビットで爪の破壊を狙います。

その後はビットを操ってフェイントや援護射撃を行いつつ、隙を見て真紅銃と精霊石の銃を同時発射、額と胸を狙い撃ちます!


レナータ・バルダーヌ
立派なお屋敷ですし、炎を使うのはやめておこうと思ったのですけど、向こうも使うのなら遠慮はいりませんよね!

わたしは【B.I.ライダー】で炎の鎧を纏い、敵の攻撃から身を守ります。
ただし初撃には間に合わない可能性が高そうなので、形成し終わるまでの間はサイキック【オーラで防御】しつつ、防ぎきれないダメージは【痛みに耐え】て凌ぎます。
全身を覆ったら防戦一方を装いつつ、相手の放つ炎熱も利用して自身が纏う炎の温度を上げ、超高温の輻射熱で【カウンター】します。
特に富子さんのように怒鳴り散らす方だと呼吸量も増えるでしょうから、肌だけでなく熱された空気で気道も焼いてしまうかもしれません。



●怪盗と炎の鎧
「うん、実に怪盗好みな舞台ですね!!」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は怪盗である。
 是非ともここにある山程ある金銀財宝を盗みたい。
「こそ泥がぁッ!!」
 されど、それをこの場の主である日野富子が赦すわけがない。
 許しがたき所業であることは間違いない。
 吹き飛んだ先から一足、長く伸びた爪がシンを貫こうと迫る。
 シンは即座に8つのビットを放つ。
 8つの爪はそれを貫き爆散させた。
 されど残るはあとひとつ。
「それは予測済みですよ」
 閃光の魔盾がその爪を受け流した。
 真紅銃の粒子剣が爪をカウンター気味に切り裂き、折る。
「あぁぁぁぁ、どいつも、こいつもぉッ!! 死ねやぁッ!!」
 紫の炎が放たれ、シンに迫る。
 サイキックエナジーまじりのオーラがその炎に干渉する。
「ぐぅ……ッ!!」
 レナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)の身体にわずかに焼け付く痛みが走る。
 だが、倒すには至らなかった。
 そして、遂に形成にそれは至る。
 紅蓮の炎が至る所から吹き出し、レナータの体を包み込む。
 それはまるで炎の巨人の如く、全身から吹き出す炎は鎧と化す。
 これぞ、レナータ・バルダーヌのブレイズインフェルノ・ライダー。
 紅蓮の防御にして、ほむらの武装である。
「ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ!!」
 シンは攻撃を防いでもらい、レナータは炎鎧を形成する時間を稼いでもらった。
 ならば、反撃はここから成る。
「ビット展開ッ!!」
 破壊されたはずのソードビットとライフルビットが再度展開される。
 それらは弾幕を形成し、日野富子の9連撃を遥かに上回る攻撃密度を放つ。
「あぁあああああッ!! うっとうしい、うざってぇッ!!」
 焼き尽くす紫炎がライフルビットたちに襲いかかろうとした刹那。
 レナータはすでに踏み込んでいた。
 炎とサイキック・エナジーをまとった拳が彼女を打ち据える。
「てめぇ……舐めた真似しやがってぇッ!!」
 紫炎と9連爪、それが代わりにと言わんばかりにレナータに襲いかかる。
 その爪を、サイキック・エナジーの盾で受け流し、炎を炎で食らわせる。
 一方的に攻め立ててるように見えながら、その実、日野富子はダメージを負っていた。
 レナータの炎鎧が攻め立てる度に炎を吹き出し、輻射熱を放ち傷つけるからだ。
 さらに、この娘を無視しようとしてもそうやすやすと抜かせない。
 挙げ句、死角からシンのライフルビットが狙い、束ねられたソードビットが攻撃力を奪おうと狙ってくるからだ。
「あぁあああああッ!! くそ、くそ、くそ、くそぉぉおおッ!!」
 わめきたてた刹那の隙。
 その一瞬の隙をレナータは狙い撃つ。
 サイキック・エナジーをこめた拳が顎を打ち上げ、その身を浮かび上がらせる。
「ナイスタイミングですッ!!」
 シンが浮かんで無防備な日野富子の額と胸目掛け、真紅銃と精霊石の銃を放つ。
 それは確実に彼女を撃ち抜き、その衝撃でその身が後ろに吹き飛ぶ。
 だが、だが、しかし。
「あぁぁ……くそ、がぁ……!!」
 穿たれた弾痕から紫の炎を放ちながら、それはまだ生きていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

死之宮・謡
アドリブ&絡み歓迎

さてさて…守銭奴か…理解出来んなぁ?金なんざ如何でも良かろう?欲しいものは奪えば良い…経済活動など必要ない(仮にも猟兵の台詞である)

WIZ
怨霊か…喰えば良いか?此奴の怨霊なら旨そうではあるが…
まぁ喰いながら【波濤】で諸共に吹き飛ばすか…
この温度だと、延焼する可能性が否定できんが…まぁ問題あるまい?
相手の行動を「見切り」ながら
崩壊の「呪詛」を籠めた大槍を「怪力」で振るって
呪いの黒矢を乱射して(全力魔法)追撃…

最後まで油断はせん…此奴(戦士でもなんでもない怨霊)何ぞに醜態を曝すわけにはいかん


メンカル・プルモーサ
ふむ。結局の所……思い通りにならない自分にも苛立っているのかな……
…豪華なお屋敷、と言うのであれば部屋の天井の高さも相応以上はあるだろう…
…箒で空を飛んで空中戦…天井近くを飛んで爪の回避を試みるよ…
…爪が伸びても腕は二本、周囲を周回するように回避しながら飛び回って…
…回避しきれない分はオーラ防御で凌ぐ…行動不能にならないなら多少は傷を受けても構わない…

…日野を翻弄する間に拘束術式を使い、日野の足下を固定…容易に逃げられないようにして……
…良い物を上げよう、それも沢山…【愚者の黄金】を発動…ボロボロになった天井を破って降る大量の小判の豪雨で押しつぶす…



●黄金怒涛の流れ
「さてさて……守銭奴か……理解はできんが」
 死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)が大槍を振るう。
 怨霊たちの放つ火矢は見切り、振るった一撃で薙ぎ払い、消し飛ばす。
「あたしの奪われた金を奪い返そうってんだよッ!? それの何が悪いって言うんだぁッ!!」
「なるほど、その言い分なら幾ばくかの理解を示す」
 そんな会話を交わしながら、天井付近に突如としてその爪は放たれた。
 伸びた爪が天井を穿つ。
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はそれを左右に揺れながら紙一重に回避していく。
「……結局の所、思い通りにならない自分にも苛立っているのかな……」
 それは核心をついた。致命の一撃に等しかった。
 一瞬、日野富子の足が止まる。
 その刹那の間隙を謡が逃すはずもなく。
 大槍の一撃がその足を貫いた。
 拘束術式が発動し、日野富子は完全に動きを殺される。
「……良い物をあげよう……」
 魔法陣が天井に走り、戦闘で燃えて、傷つき、ぼろぼろになったそこが音をあげる。
 まるで何かに押しつぶされるようなめきめき、と言う音。
「世に漂う魔素よ……変われ、転じよ……汝は財貨、汝は宝物……」
 ミシ、ミシ、と言う音がさらに大きくなる。
 ざらり、と金色の塵が落ちる。
「何、しやがるつもりだ、てめぇッ!!」
「魔女が望むは王が呪いし愚かなる黄金――――日野富子が大好きなもの」
 詠唱が成立し、世界は誓約を結ぶ。
 魔素が構築し、転じて変ずる。
 それは財貨。
 それは宝物。
 それは財宝。
 金色の煌めきが構築され、黄金の大判小判となって日野富子に降り注ぐ。
 ――――金と言うのは存外重い代物である。
 それ故に降り注ぐその豪雨は質量打撃に等しい。
「ぎっ、が、ごっ、ぉぉっ、ごぉっ、がぁ?!」
 痛々しい悲鳴が響き、何度も何度も日野富子を強かに打ち付ける。
 それを見やれば謡もまた背後に魔法陣を展開する。
「なら私もくれてやる」
 展開されるのは、どろどろに溶けた黄金。
 その溶け切って融解した黄金の津波が日野富子に襲いかかる。
「や、め……ろ……やめろ、やめろぉぉおおおおおおおッ!!」
「大好きな金にまみれて死ねるんだ」
「感謝してくれてもいい」
 二人の声が重なり、黄金の雨と黄金の津波。
 豪奢にして絢爛、絢爛にして豪華な輝きと煌めき。
 それに飲まれて、日野富子は黄金の彼方へと飲まれて沈んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月10日


挿絵イラスト