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平穏と恐慌を越えて

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●「アルダワ魔法学園」 某所
 アルダワ大迷宮、堅固な扉と恐慌の罠を乗り越えたその奥。
 蔓、藪、蔦。植物に覆われた部屋で1人の女が笑っていた。
「あはははははっ!」
 視線の先には蔓に四肢を絡み取られた生徒。必死にもがくものの、絡みついた蔓は脱出を許さない。女の嘲笑を招くのみだ。
「ここまで辿り着けた貴方ですもの! きっと良質な栄養になってくれるに違いありませんわ!」
「やめてくれ! 命だけは――」
 女が手を振り上げると、傍らに控えていた蜂が生徒に群がった。凄惨な悲鳴が空間をつんざく。
 その悲鳴とハーモニーを奏でるかのように、女――、もとい女王と呼ばれるオブリビオンは、高らかに哄笑するのであった。

●グリモアベースにて
「……ということが近い内に起きるらしいんです。大変なことになる前に迷宮の奥に行ってきて、あのオブリビオンを倒しちゃってください!」
 グリモア猟兵のプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)は大げさな身振り手振りを交えながら、自らが視た光景を語った。
 ――迷宮の奥に行ってくる。
 言葉にするのは簡単だが、幾多もの仕掛けが備えられた迷宮を進むのは容易なことではない。それを証明するかのように、プルミエールは説明を始める。

「第一の関門は、精霊の封印扉です。扉の前にいる精霊さんたちを満足させないと開かないみたいです」
 精霊はずっと迷宮にいて退屈しているそうだ。外の世界で身に付けた知識や技能を活用し、うまく精霊の機嫌をとろう。
「第二の関門は、それぞれが怖いと思うものが映像になって出てくるトラップです。たとえば虫が怖い人には虫の大群が、ピーマンが怖い人には巨大なピーマンが、驚愕のリアリティで迫ってくるんです!」
 厄介な罠ではあるが、所詮は映像だ。直接危害を加えてくるわけではない。虚構に耐えきる強い心か、もしくは映像を見なくて済むような工夫があればいいかもしれない。

「この2つを乗り越えて、最後にボスの"迷宮温室の女王"を倒せばめでたしめでたし、です。蔓や虫とかで攻撃してくるそうですよ。気をつけてくださいね」
 説明を終えたプルミエールは猟兵たちを見回す。
「私から言えるのはこれぐらいです。あとは後ろで応援してますから、よろしくお願いしますね!」


ぐみめろん
 皆さんこんにちは。
 今回は冒険メインのシナリオとなります。
 よろしくお願いします。

●注意
 第2章は「プレイヤーキャラクターの皆さんが怖いと思うもの」の記載を忘れないようお気をつけください。記載がなかった場合は無難な風に仕上げておきます。
 コメディ路線でもシリアス路線でも歓迎です。
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第1章 冒険 『暇を持て余す精霊達と遊ぼう』

POW   :    身体を使って挑戦。<楽器演奏>や<歌唱>など、場を和ませて楽しんでもらおうか。

SPD   :    技術を使って挑戦。<料理>や<パフォーマンス>など、技術を使ってご機嫌を取ってみようか。

WIZ   :    知恵を使って挑戦。<世界知識>や<優しさ>など、感性や知恵で満足させてみようか。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


テレポートした猟兵たちは、広間と思わしき場所にいた。
 眼前には迷宮の奥部へと続く巨大な鉄扉。
 そしてその周囲では、フェアリーによく似た小さき者たちがふわふわと浮かんでいた。猟兵たちが呼びかけるまでもなく、人懐っこい子犬のように近づいてくる。

 ――さて、どうやって彼らの機嫌をとろうか?
花京院・紗
こんにちは、精霊さん
どうぞ一曲お付き合いくださいな

そう告げ扇を片手に一礼


私は舞を披露しましょう
曲がなくともこの身一つでゆるり楽しんでもらえればと

神楽舞のようなゆっくりとしたものではなく
扇を片手に流れるように風に身を任せ舞います
ダンスのように華やかなものではないかもしれないけれど

扇を、掌を差し伸べるように差し出して
「よかったら一緒に踊りませんか?」

貴方も、そこの貴方もおいで
みんなで踊りましょう
笑い合い、時には手を取り合って

この扉の先にある目的を忘れてはいません
けれど、それに気を取られた舞は手抜きです
ならば私は今を全力で楽しみましょう
彼らとのこの時間を



花京院・紗(花巫女・f04284)は背筋をしゃんと伸ばしながら、精霊たちの前へ歩み出た。
「こんにちは、精霊さん。どうぞ一曲お付き合いくださいな」
 扇を片手に礼儀正しく一礼。
 ――そうして始まったのは、舞。
 その舞は巫女姿の者が踊るにしては動きが激しく、しかしダンスにしてはゆったりしすぎていた。まるでを花畑をそよぐ秋風のように、紗は踊り続ける。動きに合わせて白銀の髪が優雅に宙を舞った。

 精霊たちはすっかり舞に見入り始める。紗はそれを見て、掌を差し伸べるように扇を差し出した。
「よかったら、一緒に踊りませんか?」
 きょとんとする精霊たちだったが、やがて見よう見まねに踊りだす。紗に比べたら稚拙な踊りで、適当に体を動かしているだけにも見えた。
 けれど、大事なのは技量ではなく、心だ。精霊たちの顔には楽しそうな笑顔が浮かんでいた。手を取り合って踊る者さえいた。
 紗もそれを分かっていたから、優しい微笑を浮かべる。
「気に入ってくださって嬉しいです」
 ……彼らもこの閉ざされた空間にうんざりしていたのだろうか。思いを馳せそうになり、打ち切る。雑念が混じった舞は失礼だ。
 今はただ、彼らとの時間を全力で楽しむとしよう――。

成功 🔵​🔵​🔴​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
花京院さんが地上の舞なら、ボクは空中のダンスだ!
背中の翼と【ジャンプ】【空中戦】【パフォーマンス】技能を使って、スカイダンスを披露してみるよ。
【歌唱】もして、場を出来るだけ盛り上げてみたいね。

ついでに踊りながら【鈴蘭の嵐】で花びらを舞い散らせて、華やかなステージを演出してみるよ。

「ボクのスカイライブ、楽しんでいってね!」



セリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)はオラトリオのスカイダンサーだ。向こうで楽しそうにしている紗や精霊たちを見ると、自身も踊りたいという気持ちが湧き上がってくる。
「花京院さんが地上の舞なら、ボクは空中のダンスだ!」
 オラトリオの翼で空中に躍り出て、見上げる精霊たちに大きく手を振る。
「ボクのスカイライブ、楽しんでいってね!」
 セリエルフィナは歌い始める。明るくテンポの良い、流行りの楽曲だ。
 もちろん歌だけではない。豪奢なドレスを翻し、上下左右を縦横無尽に踊り回る。まさにスカイダンサーという肩書にふさわしいパフォーマンスだった。
 元気な歌声と、まばゆいばかりのダンスのコラボレーション。
 目を輝かせる精霊たちのもとに、ひらひらと白雪が舞い落ちる。セリエルフィナのユーベルコード、"鈴蘭の嵐"で現れた鈴蘭の花びらである。精霊は花びらを捕まえ、サイリウムのように振ることでセリエルフィナへの応援を表現する。鈴蘭の花には毒があるが、その点はさすが精霊、無効化しているようだ。

 ――あっという間に1曲目が終わる。セリエルフィナがウインクを送ると、精霊たちは花びらをぱたぱたと振って応じた。
「ふふっ、みんなありがとー! まだまだいくよー!」
 精霊たちの間の、小さなアイドルの誕生だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

五條・桜花
こんにちは!私と一緒にゲームで遊びませんか?

シンプルなカードゲームからちょっと凝ったボードゲームまで取り揃えてみます
でも私の一押しはこれなんです!と一つのカードゲームを提示します
まずはお教えしますので私とどなたか勝負してくださいませんか?
接待なんてしませんが私も強くはないのでいい勝負になるのでは
ええゲームは楽しむものルールなんて少し間違えたっていいんです



「こんにちは! 私と一緒にゲームで遊びませんか?」
 五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)は持ってきたゲームを並べる。単純明快なカードゲームから、少々複雑なボードゲームまで。多種多様なテーブルゲームが揃っていた。
 興味を示した精霊たちがふよふよと寄ってくる。
「私の一押しはこれなんです!」
 桜花はとあるカードゲームを指差す。比較的シンプルなルールで、おそらくはゲームに親しんでいない精霊でも楽しめるようなものだ。
「まずはお教えしますので、私とどなたか勝負してくださいませんか?」
 目立ちたがり屋な精霊が手を挙げた。桜花はひとまず必要最低限のルールを説明するが、精霊は難しい顔をしてしまう。
「ゲームは楽しむもの! ルールなんて間違えたっていいんです。とりあえずやってみましょうか」
 語り聞かせるよりは実際にやったほうがいいと判断し、ゲームを始める。
 結果は――桜花の勝利だった。何事もなく勝ってしまった。やはり経験者とそうでない者の差は大きかったということだろうか。
 しょんぼりする精霊に、桜花は慌てて慰めの言葉をかける。
「そう落ち込まないでください。誰だって最初は初心者ですから。もう1度チャレンジしてみましょう?」
 桜花はめげずにゲームのコツや楽しみ方を教え続けた。その努力も最終的には実を結び、精霊は徐々に笑顔を見せ始める。
 さらにゲームの楽しさを知った精霊たちは、あのゲームはこのゲームはと桜花に教えを乞うようにもなった。
「そのゲームは農場を開拓する……え? 農場を知らない? あ、今は別のゲームを説明しているのでちょっと待っててくださいね」
 精霊たちが各々ゲームを楽しむ一方、桜花は目を回す羽目になるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャルル・エルンスト
始めまして、もしよろしければ僕たちの人形劇を見ていってくれないかい?

小鳥やリス等の動物を模した人形を操って、ささやかな人形劇を行うよ。
まるで本物の動物たちがそこで踊るように、唄うように。
小鳥たちは飛び交い、小さな動物たちは語り合いながらにこの広い舞台を盛り上げる。

ここにいるすべての者たちに、心を込めて贈れるような劇にしよう。

さぁ、観客の皆さま!ともに楽しい時間を過ごそうじゃないか。



シャルル・エルンスト(人探しの人形師・f10223)は人形劇の準備をしていた。即興の舞台を整え、ひとつひとつの人形に不備はないかしっかりチェックする。
「……うん、これでいいかな」
 準備を終えたシャルルが顔を上げると、周りには既に好奇心旺盛な精霊たちが集まっていた。
「はじめまして。もしよければ僕たちの人形劇を見ていってくれないかい?」
 にこりと笑いかけ、物腰柔らかに人形劇を見やすい場所へ案内する。精霊たちは素直に彼の言葉に従い、これからなにが始まるのかと顔を見合わせた。
「さぁ、観客の皆さま! ともに楽しい時間を過ごそうじゃないか。動物たちの物語の、はじまりはじまり――」
 シャルルは人形を操り、物語を紡いでゆく。森に棲む動物たちによる、ささやかな冒険譚だ。情緒豊かに小鳥が飛び交い、小動物が語り合う。
 ここにいるすべての者たちに、心を込めて贈れるような劇にしよう。真摯な気持ちは人形を本物の動物のように昇華させていた。どこからか森のそよ風が吹いてくるような――そんな錯覚さえ感じてしまう。
 やがて劇はハッピーエンドを迎え、シャルルは終わりの言葉を告げる。
「……おわり。楽しんでいただけたかな?」
 言葉は交わせないが、精霊たちの表情からは満足と、それに続きをせがむ色がはっきりと読み取れた。
 子供たちに人形劇を披露したときのことが脳裏をよぎる。しばらく拘束される未来が悟られ、シャルルは口元に苦笑を浮かべた。とはいえ、それは劇を楽しんでもらえた証左だ。決して悪い心地ではなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅月・美亜
「いや、扉を開けるなら開錠すればいいだろう。何故正直に精霊の遊びに付き合う必要がある……と、言うのは無粋か」
 とは思うのだが、こちらはまだ装備が揃ってないのでハッキング以外の技能が無い。
「なら、こんなのはどうだ? Operation;R、発令」
 飛行甲板から4機の戦闘機を発進させる。
「まずはチェンジオーバーターン、続けてレイン・フォール。ヴァーティカル・クライム・ロール」
 航空ショーで見た技を次々と実演していく。管制制御で飛んでいるのでジェット機の様に高難易度ではないが、
「締めはキューピットだ!」
 スモークを焚いた四機が二重のハートを描き、残り一機で矢を描く。やはり、これが一番見栄えがいい。



黒い軍服の少女、紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は依然閉まったままの鉄扉を睨めつける。正直に精霊の遊びに付き合わずとも、扉なんて解錠すればいい。そういう考えも頭に浮かんだ、が。
「……それは無粋か」
 誰にともなくつぶやくと、その真紅の瞳に精霊たちを映す。
「面白いものを見せてやる。――こんなのはどうだ? Operation;R、発令」
 美亜の持つ飛行甲板から4機の小型戦闘機が発進する。本来は戦闘用の波動砲搭載次元戦闘機であるが、今回は平和的に活用することにした。
「まずはチェンジオーバーターン、続けてレイン・フォール。ヴァーティカル・クライム・ロール」
 管制制御で戦闘機を操る。編隊を組んだ戦闘機はなめらかにカーブを描き、突如急降下――かと思うと、くるくると機体を回転させながら天高くへ飛び立つ。
 流麗なこのパフォーマンスは、美亜がかつて目にした航空ショーの再現だ。
「締めはキューピットだ!」
 4機の戦闘機がスモークを焚き、2機ずつ左右に分かれた。それぞれが半分のハートを描き、空中に二重のハートが完成する。さらにもう1機が甲板より発進。空を翔ける矢となってハートの中心を貫いた。
「やはり、これが一番見栄えがいい」
 感嘆の眼差しを向ける精霊たち。美亜は尊大に自らの名を謳い上げた。
「我が名はレイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット! 戦場の演出家にして大いなる始祖の末裔だ。喧伝する機会なき身であったとしても、せいぜい記憶に留めておくがいい」

成功 🔵​🔵​🔴​

マカ・ブランシェ
ふふっ、可愛い子たちなのだよ。
私も皆に倣って何か芸を見せようか……と思ったのだけれど、華のあるユーベルコードは持ち合わせていないのだよ。
ここはひとつ吟遊詩人のように、外の世界……私の好きなスペースシップワールドの話を聞かせてあげるのだよ。

宇宙の広大さに宇宙船の様々な機能。
銀河帝国の強さ、戦闘中に感じたことを身振り手振りで語ってみせよう。
「絶体絶命のピンチ……けれど私達猟兵は、諦めなかった!」
山場に差し掛かったら演出として血統覚醒で姿を変えてみせるのだよ。
怖がられたら、「大丈夫、私だよ」とウインクしてみせよう。

扉の封印が解けたら、妖精たちともお別れなのだね……少し寂しいのだよ。
なんて、ね。



「ふふっ、可愛い子たちなのだよ。……扉の封印が解けたらお別れなのが、少し寂しいぐらいなのだよ」
 マカ・ブランシェ(真白き地を往け・f02899)は精霊たちを優しい表情で見やる。
 なにを披露しようかと考えるが、華のあるユーベルコードは持ち合わせていない。となると、吟遊詩人のように外の世界のことを語って聞かせるのが良さそうだという結論に至った。
「外の世界……私の好きなスペースシップワールドの話をするのだよ」
 マカは宇宙世界について雄弁に語りだす。
 広大な星の海、人々を乗せてただよう宇宙船、人間たちの叡智が生み出したさまざまな技術……。
「私のこの銃にも、スペースシップワールドの技術が組み込まれているのだよ」
 マカの熱線銃に話が及ぶと、その流れで彼女が経験した帝国兵との戦いの話に移る。身振り手振りとともに、帝国騎士との手に汗握るような駆け引きが語られる。
「絶体絶命のピンチ……けれど私達猟兵は、諦めなかった!」
 戦いはついに山場に差し掛かった。
 そのとき、突然マカの虹彩が真っ赤に染まり、身体が変化を見せる。"血統覚醒"を発動したのだ。
 彼女に恐ろしいことが起きたのかと、精霊たちは怯えてしまうが――。
「大丈夫、私だよ」
 マカはお茶目にウインクをしてみせる。話の演出だと理解した精霊たちは、ほっと胸を撫で下ろした。
「こんな技を使ったりして、私達は諦めずに戦い続けたのさ。そして無事、宇宙の平和を取り戻したのだよ」
 精霊たちの拍手の音が鳴り響く。話すことが好きなマカは、元に戻った目を細めて笑い、朗らかに話を続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『恐怖に打ち勝て!』

POW   :    恐怖の対象も気合いがあればなんとかなる!

SPD   :    ダッシュで走り抜ければ見なくてすむよね。

WIZ   :    目を瞑れば怖くない!頭良い!

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「扉が開いてるぞ!」
 猟兵の誰かが大声で知らせる。
 どうやらすべての精霊を満足させたようだった。
 猟兵たちは慎重に扉の先を覗く。長い長い一本道だ。灯りもついていて、一見なにもおかしな点はない――はずなのだが、猟兵たちの直感が邪悪ななにかを予感させる。
 平穏な時間はもう終わりだ。ここから先は気を引き締めて進まなければならない。

 ここにずっと居てくれないかと、そう言いたげな精霊たちに別れを告げ、猟兵たちは歩みを進める。
 己の使命を全うするために。
紅月・美亜
「心当たりがありすぎる……」
 怖いと思う物。性格上面には出さないが、
「死ぬがよい……いや、弾幕系よりも夏の夕暮れのようなイベント系か。はたまた見た目のグロさならRかXマルチが……と、言うかあの会社は初見殺しが多すぎて」
 色々と思い浮かべるが、
「何か、熱い気がするな……まさか」
 妙に入り組んだ通路。近づくと回る壁。後方から押し寄せるドロドロに溶けた溶鉄。
「ぼ、暴走兵器工房だとッ! ガチな奴ではないかッ!?」
 単なる映像と言う事はすっかり忘れて蘇るあの日のトラウマ。
「こっちか? いや、この配置はこっちだったか!?」
 必死で攻略パターンを思い出そうとするもこれは現実な訳で。
「ヤメロー! ヤメロー!」



 踵を鳴らす高い音が、静かな空間に反響する。
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は悠々と道を歩いていた。堂々とした様子からは「恐ろしいものなぞ自分の力のみだ!」などと言い放ちそうな余裕さえただよう。
 しかし、実際の美亜の胸中はというと――。

 ……出てくるものの心当たりがありすぎる。死ぬがよい……いや、弾幕系よりも夏の夕暮れのようなイベント系か。はたまた見た目のグロさならRかXマルチが……と、言うかあの会社は初見殺しが多すぎて。

 冷や汗を掻いていた。歴戦のシューティングゲーマーとしての方向性で。
「まあ、かつての強敵が再戦を挑みにきたと考えれば、悪くはないかもな……。ボスラッシュみたいなものか」
 ふっ、と笑い飛ばして焦燥を紛らわす。
 少し落ち着いた気分で歩いていると、迷宮の変化に気がついた。壁が近未来的な、機械を剥き出しにしたものに変わっていたのだ。やけに既視感を覚える壁だ。嫌な予感がふつふつと湧き上がる。
「……まさか」
 ぎこちなく後ろを振り返り、美亜は目を見開いた。ドロドロに溶けたマグマのような溶銑が美亜を呑み込むべく迫ってきていたのだ。
「ぼ、暴走兵器工房だとッ! ガチな奴ではないかッ!?」
 悪夢が走馬灯のようにフラッシュバックする。妙に入り組んだ通路。近づくと回る壁。そして背後から押し寄せる溶銑――!
「ヤメロー! ヤメロー!」
 同時に攻略パターンも指と頭が思い出すが、ここはゲームではなく迷宮。美亜は悶え苦しみながら、ひたすらに足を動かす。
 すべてがただの映像だと思い出したのは、溶銑から逃げ切った後だったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

五條・桜花
目をつむって走り抜けます
見えななければ多分平気……聴覚のみとかって逆に恐怖が増すような……危険な感じ
怖いもの:胡瓜、そしておいて行かれること

暗闇を突っ切る
ここは【覚悟】を決めていくしかないのですよね
大丈夫、私は……負けない!
目をつむり、走り抜けます
危ないところは【第六感】でよけられると信じて!

でも、私の苦手なものである胡瓜って……見て怖いわけじゃないので、目をつむっても匂いがしているような?!
私はあのみずみずしい香りが苦手なのにい
みんなピクルスになっちゃえばいいんだ!
でも、このまま走っていけば、誰にもおいていかれない
私はひとりぼっちで取り残されない
だから走る、その先に何かがあるって信じて!



 五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)は深呼吸をし、心を落ち着ける。
 目を瞑って走り抜ける――それが桜花の考えた作戦だった。なにも見えない状態は危険でもあるが、持ち前の第六感で補うことにした。
「大丈夫、私は……負けない!」
 意を決して桜花は走りだした。
 閉じた瞼の裏に、桜花の苦手なキュウリの姿がぼんやりと浮かび上がってくる。キュウリの見た目に特別な嫌悪感はないが、あのみずみずしい香りが鼻を突いてくるようで。
「みんなピクルスになっちゃえばいいんだ!」
 とりあえず、瞼に浮かんだキュウリは切り刻んで瓶に漬けておいた。一晩もすればおいしいピクルスになってくれるだろう。
 気を取り直した桜花は、暗黒の視界の中で自らの心と向き合う。

 ……キュウリは確かに嫌だ。
 けど、キュウリよりも怖いのは――置いていかれること。
 このまま走っていけば、誰にも置いていかれない。
 私はひとりぼっちで取り残されない。そして、これから起こる悲劇を阻止するためにも。
 私は走る、走ってみせる――!!

 決意に満ちた桜花を止められるものは存在しなかった。
 事実、手足の生えたキュウリの怪物が道に立ち塞がっていたのだが、桜花は何事もなく通り過ぎる。キュウリは寂しく彼女の後ろ姿を見送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花京院・紗
怖いと思うもの…
ああ、お稽古が上手くいっていない時のお母様のお顔は今思い出しても身震いしそう…

けれど、私はそのお稽古を乗り越えて今ここにいるのです
だから大丈夫、いけますっ


走っている最中、まるで本物に叱られているような気分になっても

お稽古が終わった後の反省会で最後に見せてくれる優しさ
それは次はもっと頑張ろうという力になった

お稽古が上手くいったとき、自分の事のように喜んで褒めてくれた
その時の母の笑顔は美しくて憧れた

怖いだけじゃなかった、その記憶は私の中に刻まれている
それを思い出せばこんな虚構、私にはどうってことありません
先に進ませてもらいますね



 花京院・紗(花巫女・f04284)にとって、怖いものと聞いて思い浮かぶのは母の顔だった。稽古がうまくいっていないときの、不機嫌そうな母の顔。
「けれど、私はそのお稽古を乗り越えて今ここにいるのです……」
 だからこそ精霊たちを満足させ、扉を開けることにも成功したのだ。そんな自負が勇気をくれた。
「大丈夫、いけますっ」
 紗は走り始めるが、程なくして足を止めることになった。進路を遮る人影が現れたのだ。
「ああ、やはり……」
 案の定、現れたのは紗の母親だった。こんな場所でなにをやってるんだと言わんばかりに、母親の幻は怒りの表情を作る。
 記憶の中の姿よりも恐ろしく感じ、思わずひるんでしまう。それでも紗は屈さずに口を開いた。
「……お母様は、恐ろしいだけの人ではありませんでした」
 母の笑顔と暖かな思い出が、紗の脳裏に蘇る。
「お稽古が終わった後の反省会で最後に見せてくれる優しさ。それは次はもっと頑張ろうという力になりました。お稽古が上手くいったとき、自分の事のように喜んで褒めてくれた。その時の母の笑顔は美しくて憧れました」
 紗は桔梗の髪飾りを撫でる。昔、母から貰った品だ。今もこうして身に着けている意味は、言うに及ばず。髪飾りから伝わる優しい想いを確かめ、紗は静かに宣告する。
「怖いだけじゃなかった、その記憶は私の中に刻まれています。ですからこんな虚構、私にはどうってことありません」
 母親の幻はじっと紗を見つめる。紗も揺るぎない瞳で母親を見つめ返す。
 そうしてしばらくの後、幻は風に浚われたかのように忽然と消え去った。張り詰めていた緊張の糸がぷつりと切れる。
「……さようなら。先に進ませてもらいますね」
 紗は別れの言葉を残し、再び歩みだした。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルル・エルンスト
名残惜しいけれど、精霊たちとはここでお別れだね。
一緒に楽しんでくれてありがとう。また会う時まで。

扉の先へ進んでいく。
しかし......。何かが、おかしい。体の底から嫌なものを感じる、焦りと不快感が溢れるような、これは一体...?

それは唐突に起きた。灯りが灯っていた道が暗くなり、周囲の音が消えた。
そしてそれは現れた。

ああ...これは、火だ。あのときと同じ、町を師を、襲ったあの悪意の災害だ。過去の記憶が映像化される。


......違う、これは罠だ。立ち止まるな!
あのときと同じように無力に嘆くのか?
何の為に猟兵になったのか!思い出せ、あの時の様にはもうならない!

決意を振り絞り、前へ走り出す。



「一緒に楽しんでくれてありがとう。また会うときまで」
 名残惜しさを感じつつも、人形劇を終えたシャルル・エルンスト(人探しの人形師・f10223)は精霊たちに手を振り、扉の先へ進み始めた。
 最初はなにも起きなかった。しかし、歩いていくうちにシャルルは奇妙な感覚を覚える。罠に対する緊張とも違う。まるで焦りと不快感が体の底から湧き上がるような、とても嫌な感覚だった。
 突如、灯りが消える。シャルルは代わりの灯りを準備しようとするが、その必要はなかった。
 すぐさま闇の中より炎が生じたからだ。シャルルは息を詰まらせる。
「これ、は……」
 炎は瞬く間に勢いを増し、黒の空間を赤とオレンジに塗りつぶす。苛烈に燃え盛る炎に、シャルルが思い当たることはたった1つだった。
 ――これは、あの悪意の災禍なのだ。人も建物も、万物を焼き尽くす炎による、狂った運命の再演。
 動悸が激しくなる。炎よりも先に、果てしない恐怖がシャルルを呑み込もうとした。

「……――違う、これは罠だ。立ち止まるな!」
 シャルルは吼えた。己を奮い立たせるために。
「あのときと同じように無力に嘆くのか? 何の為に猟兵になったのか! 思い出せ、あのときの様にはもうならない!」
 今はあのときとは違う。抗う力も意志も手に入れたはずなのだ。
 炎の向こうに、再会を求め続けてきた姿が見えた気がした。
 そうだ、ここで立ち止まってる暇はない。拳を握り締め、震える足で無理やり1歩を踏みだす。
「僕は、必ず――!」
 誓いの言葉をつぶやいて。
 シャルルは幻影の猛火を駆け抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅月・美亜
「UNCHAINED、発令!」
 甲板から早期警戒機を発進させ、自分の後方の俯瞰できる位置に付ける。そしてN.D.A.L.C.S.から自分の視界をカットする。
「くっくっくっ……完璧だ。私自身は何も見ない。見るのは早期警戒機、空飛ぶカメラに自体に怖い物などない!」
 完璧な作戦……のはずだった。
「いや、私が早期警戒機にとって怖い物を思い浮かべてしまったら」
 思いついてしまった。空間の壁を突き破って現れる生っぽい機体群。
「索敵中の亜空間ロックからの亜空間カウンター!?」
 むしろ、最前線で目を担いながらも武装が無い早期警戒機は怖い物だらけな訳で。
「バルカンが弾切れってそりゃあの動画の話だけだろ!?」



 なんとか溶銑から逃げ切った紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)。「逆走もあるのか……? ないのか?」と悩んでいる途中で、すべてが単なる映像にすぎなかったことを思い出し、深いため息をついていた。
「あれほど心を乱されるとはな。だが、私は攻略法を思いついたぞ! UNCHAINED、発令!」
 美亜は甲板から早期警戒機を発進させる。ユーベルコードの力を宿すそれは、美亜と五感を共有できる能力を備えていた。自身の後方近くに飛ばすことにする。
 さらに"N.D.A.L.C.S."という全方位レーダー管制システムを利用し、美亜自身の視界をカット、早期警戒機からのものに置き換える。
「くっくっくっ……完璧だ。私自身は何も見ない。見るのは早期警戒機、空飛ぶカメラに自体に怖い物などない!」
 美亜は不敵に笑う。今度は心の方も堂々とした気分で、順調に進んでゆく。
 ……進んでゆくのだが、
「いや、私が早期警戒機にとって怖い物を思い浮かべてしまったら……?」
 早期警戒機は優れた目ではあるが、武装は無い。よくよく考えたら怖いものばかりだ。
 一抹の不安、立てられるフラグ。
「――索敵中の亜空間ロックからの亜空間カウンター!?」
 悲しいことにフラグは速攻で回収されてしまった。生っぽい機体群が空間の壁を突き破って現れる。ちょっとえぐみが強いビジュアルである。
 今度はただの映像だと分かっていたが、それでも美亜の奥深くをトラウマが抉る。
「バルカンが弾切れってそりゃあの動画の話だけだろ!?」
 またしても美亜は悲痛な叫び声を上げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エルス・クロウディス
「やばいやばい、準備に手間取って来るのが遅れた!」
第一関門がー! はぁ……追いかけよ。
劉迅で突っ切れるかなー……<騎乗>が相当うまいけりゃ?
俺の場合は、エアビート使いながら<ダッシュ>したほうが早いか。
ま、実際に足回りとか道幅とか見てから判断しよう。

「しかし、恐怖……恐怖ねぇ」
映像でってなるとなぁ……。
〝彼女〟が笑顔でいられないこと、だけど……抽象的なことでも、何か映像になったりするんだろうか?
まぁ、直近でそうなりそうな事柄が目の前にある以上、どうあっても駆け抜けることになるんだけど。
いやでも待てよ、何かしら形になるのなら、逆に心構えの材料にしたりもできるんじゃ――

「あれ、到着? 映像は?」



「やばいやばい、準備に手間取って来るのが遅れた!」
 黒の外套を身に纏った青年、エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)は慌てて広間にやってきた。精霊たちが怪訝げに様子を窺う中、彼は扉の先を確認し、"骸装:劉迅"を起動する。エルスの持つ十字槍と、エルス自身の意志の光が合わさり、特殊な移動形態ができあがった。
「はぁ……追いかけよ」
 少々気落ちしつつも、先の猟兵たちに追いつくため全速力のスピードを出す。
「しかし、恐怖……恐怖ねぇ」
 エルスは頭をひねらせる。
 彼が恐ろしいと感じるのは「"彼女"が笑顔でいられないこと」だった。笑顔が似合う"彼女"には、常に元気に笑っていてほしかった。しかし内容が抽象的すぎてなにが現れるか想像がつかない。
 ――いやでも待てよ、迷宮の罠が具体的に映像として見せてくれるなら、逆に今後起こることへの心構えの材料にできるんじゃ?
 エルスは緊張と若干の期待を胸に抱え、走る。が、なにも起こらず突き当たりが見えてきた。先に進んでいた猟兵たちが集まっている。
「あれ、到着? 映像は?」
 あっけない終わりに拍子抜けするエルス。これはこれでいいかと思ったが、結局そんなことはなく。
 いきなり眼前にドラゴンが現れた。特に面白みのない、普通のドラゴンだ。ドラゴンは灼熱のブレスをエルスに浴びせようとする。
「げっ、今更!? しかも大して怖くないし!」
 突き当たりに到着するまでの束の間、エルスとドラゴンの幻は追いかけっこを繰り広げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『迷宮温室の女王』

POW   :    百裂蔓撃
【髪のように見える無数の蔓】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    捕縛液噴射
【腹部の食人植物】から【刺激臭のする液体】を放ち、【空気に触れると凝固する性質】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    女王の花蜜
レベル×5体の、小型の戦闘用【昆虫型モンスター】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 長い道を越え、辿り着いた先は植物だらけの部屋だった。ここが迷宮温室なのだろう。
 猟兵たちが武器を構えた、そのとき。
「あら、侵入者ですのね?」
 植物の海から女が姿を現す。猟兵たちを見下す高慢な表情に、植物と同化したような躯。間違いなく"迷宮温室の女王"だ。
「歓喜も悲哀も憤怒も必要ない! すべての感情と思考を捨て、ただ私たちの養分になりなさい。それこそが唯一の正しい道なのですから。あははははははっ!」
 女王は高笑いとともに、蔓の鞭を高く振り上げた。
紅月・美亜
「はー、はー……くっ、くーっくっくっく、いよいよもってここまでたどり着いたか。猟兵諸君は腹立たしいがまでに優秀である。全てが私の思惑通りに進んでいる事は愉快痛快だ。女王とな、お前はこれから我が最終平和兵器により死ぬだけだ。どこまであがき、もがき、苦しむか愉しませてもらおう……」
 (練習した)台本めいた長台詞を口にして、
「では、消えるがよい」
 飛行甲板から出せるだけのBLACKを出撃。昆虫型モンスターや無数の蔦を撃ち落として他の猟兵が攻め込む隙を作る。液体にはビーム解放して干渉を起こして食い止める。
「……決め技はもう少し取っておくさ」


五條・桜花
真の姿:白い2枚の翼が生え、桜の花びらを纏っている

虫……虫いっぱいですって
ちょっとお断りしたいのですが
群れるとこう気持ち悪いですね

一撃で沈むというのならば、とにかく削っていきましょう
数で来るというならば私の技との相性はいいですからね

我が桜は綺麗なだけではありません
さあ、切り刻みなさい!我が花よ

不用意に近寄らずひたすら削りますよ

どれほど呼ぼうとも私がすべてなくして差し上げましょう
養分となるのは貴方の方ですよ


エルス・クロウディス
さて、早く片づけたいところだけど、流石にいきなりはな……。
「そんじゃま、少しばかり邪魔させてもらうか」
狙い目は百裂蔓撃だな。
味方を<かばう>、<覚悟>を決めて<武器受け>する。
<時間稼ぎ>に徹して、なるべく味方が立ち回りやすくなるように。

威力重視か? それなら、闇套で十分いなせるだろ。
当てに来るなら正確か面か……どちらにせよ、間に骸装壊態を置いて対応。
手数で来るなら、こっちもウィルと真頼の二刀で切り崩そう。
いずれも<第六感>を合わせて<見切り>、場合によって<残像>で誘い込む。
器用ではあるけど、まだどれも特化ってほどじゃないからな。
技能総動員で迎撃するぞー。

「さぁ、お互いどこまで持つかな?」



「はー、はー……」
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は肩で息をしながらも、振り下ろされた蔓の鞭を躱す。そして女王が自分を見ていることに気づき、急いで胸を張った。
「くっ、くーっくっくっく、いよいよもってここまでたどり着いたか」
「たどり着いたのはあなたたちですわよね」
「猟兵諸君は腹立たしいがまでに優秀である。全てが私の思惑通りに進んでいる事は愉快痛快だ」
「あなた、どういう立ち位置ですの?」
「女王とな、お前はこれから我が最終平和兵器により死ぬだけだ。どこまであがき、もがき、苦しむか愉しませてもらおう……」
「苦しむのもあなたたちですわよ」
 数回ほど邪魔が入ったが、なんとか美亜は長台詞を言い切ることに成功した! これには美亜もドヤ顔だ。実は裏で練習していたというのは、本人のみが知る事実である。
「では、消えるがよい」
 美亜の飛行甲板から新型光学兵器搭載戦闘機"BLACK"が発進する。無数の戦闘機は蜂の眷属たちを光学兵器で撃ち落とすが、同時に蔓の一撃によって次々と叩き落とされてゆく。
 それでも尊大な姿勢を崩さない美亜に、女王はくすりと笑った。
「ふふっ。偉そうに囀るくせに、私にはかすり傷も負わせられませんのね」
「決め技はもう少し取っておくさ。……それより、私に気を取られすぎなんじゃないか?」
 美亜の口角がニヤリと吊り上がる。女王がぎょっとするよりも早く、白き剣閃が女王の胴を切り裂いた。
「そんじゃま、少しばかり邪魔させてもらうか」
 民族衣装をはためかせ、光の剣"ウィル"と十字槍"骸装:闇套"を手にしたエルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)が女王の前に立ちはだかった。
 激昂した女王は、自身の長い髪、もとい蔓の鞭で振りかぶる。エルスは正面にかざした闇套で受け流す。間髪入れずに下段から蔓が突き上げるが、身を反らすことでなんとか回避。
 なるほど、手数で来る気だな――エルスは悟る。
 そしてすぐさま上方より鞭が迫る。下からの攻撃に気を取られていたエルスは、まんまと脳天に直撃を喰らい――その鞭は彼の体をすりぬける。女王の表情が驚愕に歪む。残像によって生み出した僅かな隙を活かして、本物のエルスは叫んだ。
「骸装、展開。頼んだぜ、真頼!」
 相手に合わせて柔軟に立ち回れるのがエルスと骸装の強みだ。ウィルと闇套が合体し、機械と生体金属の特性を兼ね備える剣"骸装:真頼"が生まれる。
 エルスはウィルと真頼の二刀を構え、改めて女王と対峙した。
「さぁ、お互いどこまで持つかな? できれば早く倒れてくれると嬉しいけど」
「小癪な……! 我が眷属たちよ!」
 女王の命に応じ、大量の蜂が現れる。
 蜂たちがエルスを捉え、毒針をきらめかせたその瞬間――刃の如き桜の花弁が蜂を引き裂いた。花弁は一裂き程度では満足せず、すぐに向きを反転してニ裂き、さらに反転して三裂き。なにが起こったのか理解する間すら与えない、不意打ちにして早業だ。木っ端微塵になった蜂の死骸は、無残に草の上へと落ちていく。
 桜の花弁を取り巻く少女、五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)は眉をひそめながらその光景を見守っていた。
「虫……虫がいっぱい。群れてるとこう気持ち悪いですね」
「すべて滅ぼすとするか」
「ええ。やりましょう」
 真の姿を開放した桜花は、一対の白翼を大きく広げる。身に着けているヴェールと相まって神聖ささえ感じられる姿で、彼女は自身を取り巻く花弁に命じた。
「我が桜は綺麗なだけではありません。さあ、切り刻みなさい! 我が花よ」
 桜の花弁は激しい嵐となり、周りの植物ごとずたずたに蜂たちを引き裂く。美しくも残酷な光景だった。
「どれほど呼ぼうとも私たちがすべてなくして差し上げましょう。養分となるのは貴方の方ですよ」
「ぐうぅぅぅっ……!」

 エルスが最前線で斬り合って時間を稼ぎ、その間に美亜と桜花が女王の眷属を殲滅する。
 猟兵たちの攻撃は、着実に女王の手勢を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花京院・紗
申し訳ありません
私、誰かに示された正しい道とやらに興味はありませんので

それに、私なんて栄養どころか毒かもしれませんよ?

▼戦闘
初めはなぎなた[なぎ払い、2回攻撃、呪詛]
もしくは[属性攻撃(火属性)]

召喚されたモンスターに対しては[範囲攻撃]

確実に火属性が効くと判断
且つ自分や仲間の攻撃で弱点を把握したら
フォックスファイアでそこを集中的に狙う

敵の攻撃は[見切り]で躱します
予測不能の場合は[第六感、野生の勘]
強攻撃の場合は[オーラ防御]をなぎなたで

ふふっ、ごめんなさい
やっぱり貴女にとって私は毒だったみたい
さようなら


シャルル・エルンスト
たどり着いた最終の間の女王を見据え、戦闘体制に入る!
女王のつるや虫等による攻撃から身を守りつつ、反撃する。

まずは、邪魔なつるから片付けようか!
「行くよ、ラシェーラ(僕の銀狼)」

美しき銀の人狼人形を操る。
鋭く強い眼をもって出で立ち、敵を睨み付ける。

周囲の猟兵たちの攻撃通りやすくするために、女王の蔓を切り裂く!

襲い来る女王の蔓を【フェイント】を交ぜつつ、確実に仕留めていく。

たとえ、この空間が女王の領域であるとしても、けして無限に操り続けていくことは困難だ。

戦線に隙が出来る、その瞬間を狙う!
【ユーベルコード】を発動し、畳み掛けるよ!

速く、鋭く!喰らえ...!


紅月・美亜
「ふん、牽制はもういいか」
 落とされる度にOperation;BLACKを追加発令して弾幕を形成していたが、BLACKは所詮自動制御。
「なら、そろそろ切り札を使う。Operation;R、発令」
 全てを一機に集約した次元戦闘機を発艦させる。こっちはN.D.A.L.C.S.による手動制御だ。自動制御のプログラムは私が作っているので私の癖は出ている。手動制御でもやはり私の癖は出てしまうものだが、私も自分の癖は把握している。散々自動制御に慣れさせてからの手動制御機は落とせん。
「いよいよもって眠るがよい。ヲヤスミ、ケダモノ」
 2ループチャージのハイパー波動砲を浴びせて一気に仕留める。


エルス・クロウディス
よし圏内、切り替えて畳みかける!

「戻るのは……この程度か……!」
ざわりと髪が波打ち、根元から半ばほどまでが黒く染まる。
全身真の姿に戻るには、流石にちょっと足らんのん。
ともあれ、装備を舜濤に切り替えて、力を抜いて切っ先を下す。
「起源解放……循環、反転――――」
さぁ、

「――躱せるか?」

<残像>を残しながら<ダッシュ>で攻撃を潜り抜け、胴を横に薙ぎ払う。
勢い殺さず切り抜けて、

「もう、一丁ぉっ!」

<2回攻撃>。
間で闇套に切り替え、薙ぎの回転を乗せながら思い切り<槍投げ>だ。
流石に無視はできまいよ。

「さて、ここで復習です。最初に何と言われたでしょーか」

気を取られてたらどうなるか、わかるよなぁ?



「唯一の正しい道、ですか……」
 花京院・紗(花巫女・f04284)が小さくつぶやく。女王はついに自分に賛同する者が現れたかと、エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)と斬り合いながらも紗を見やる。
 だが、
「申し訳ありません。私、誰かに示された正しい道とやらに興味はありませんので」
「ッ――!!」
 紗は一切の容赦もなく、毅然と否定の言葉を突きつけた。
「……あなたの死体は真っ先に食らってあげますわ」
「それは怖いですね。でも、私なんて栄養どころか毒かもしれませんよ?」
 脅しをさらりと受け流し、紗は"フォックスファイア"で無数の狐火を呼びだす。相手は植物、炎が有効なはずだ。なぎなたの柄に手をかけ、炎とともに斬りかかる。
「くっ!」
 迫る狐火。女王は慌てた様子で回避する。その隙に死角からなぎなたが振るわれ、脇腹を抉った。
 駆けて、跳んで。紗は優美に舞い、刃の軌跡を描く――。

 シャルル・エルンスト(人探しの人形師・f10223)も、強い決意を持った眼差しで女王を見据える。傍らには彼が操る美しき人狼人形のラシェーラが佇んでいた。
「邪魔な蔓を片づけようか! 行くよ、ラシェーラ」
 灰銀の人狼は軽やかに草上を駆け、女王の懐に滑り込む。蔓の中でも、エルスや紗の攻撃で傷ついた部分を見極め、鋭利な爪で切り裂いた。
「たとえ、この空間が女王の領域であるとしても、けして無限に操り続けていくことはできない……!」
 ラシェーラはフェイントを織り交ぜて軽快に立ち回る。左に右に、翻弄しながら蔓を引き裂く。
 蔓という攻撃手段が減るのは、女王にとって大きな痛手だ。素早く動き回る彼女に目を向けようとすると、エルスや紗が斬撃と火球で攻撃を加える。優れた連携が成立していた。

 ――そして、猟兵が優位なままに戦いは進んでゆく。
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)の戦闘機も、落とされる度に追加で発進することを繰り返し、順調に蜂の数を減らしていた。他の猟兵が駆除した数も合わせると、おそらく100は超えているだろうか。
「……ふん、牽制はもういいか。雑魚の相手は飽きた」
「そうだね。蔓も無くなってきたみたいだよ」
「切り替えて畳みかけるときってことだな!」
 美亜とシャルルの言葉にうなずき、エルスは真の姿を開放した。彼の白い髪にざわりとさざなみが起き、髪の根本から半分ほどまでが漆黒に染まってゆく。
「戻るのは……この程度か……!」
 エルスは悔しげに唇を噛む。全身を真の姿に戻すことは叶わなかった。とはいえ今はこれで満足するより他ない。機械の剣"骸装:真頼"を、無骨な野太刀"骸装:舜濤"に変化。
 一旦息を吐き、刃の切っ先を下す。骸装に眠る力を呼び覚ます。
「起源解放……循環、反転――――」
 "回帰顕現:技"を発動。魂を削ることを代償に竜槍の力を解放し、エルスの身体は神速を得た。
「――躱せるか?」
 姿勢を下に傾けて捕縛液を躱し、肉薄。衝撃波すら生まれる猛速で太刀を薙ぎ払う。
「もう、一丁ぉっ!」
 薙いだ刃が光に包まれ、舜濤から闇套に変形した。薙ぎの遠心力を乗せ、勢い良く闇套を投擲。女王の腹部を穿ち、貫く。ついでに挑発の言葉も投げかける。
「さて、ここで復習です。最初に何と言われたでしょーか」
「ぐっ……餌の話なぞいちいち覚えてい――」
 エルスの目配せを合図にラシェーラが飛びかかる。意思なき人形であるはずなのに、鋭い眼差しからは確かな殺意が感じられた。
「速く、鋭く! 喰らえ……!」
 満を持してシャルルはユーベルコードを発動。ラシェーラの力が増幅される。
「離れなさい、人形風情がぁっ!」
「……その侮りが、君の敗因だ」
 ラシェーラの爪が袈裟斬りに振り下ろされる。強大な力を帯びた、必殺の一撃。ただ切り裂くのみならず、女王の体は吹き飛ばされ、地面をバウンドする。もはや満身創痍と言ってもいい状態だった。
「私もそろそろ切り札を使う。――Operation;R、発令」
 ラシェーラは刺さったままの闇套を回収して女王から距離を取る。
 美亜はそれを確認すると、1機の次元戦闘機を飛び立たせる。丸形のキャノピーには17という数字が燦然と刻まれていた。
 わずかに残った眷属が戦闘機に突撃するが、戦闘機はひらりと回避する。この戦闘機は先ほどまでの自動制御ではなく、"N.D.A.L.C.S."による手動制御だ。自動制御のプログラムは美亜が作っているため、どちらにも美亜自身の癖が出ているが、自動と手動ではやはり動きのキレが違う。容易には墜とされない。
「いよいよもって眠るがよい。ヲヤスミ、ケダモノ」
 戦闘機の砲口に光が満ち、2ループチャージのハイパー波動砲が放たれる。青白い光線が大気を灼いた。標的はもちろん女王。終わりなき眠りへの誘い――。
 爆音が、轟く。そして熱風が猟兵たちの間を吹き抜けた。

「そ、そんな、……私が、負ける、わけっ……!」
 黒煙に沈みながら、女王はなおも足掻いていた。
 ――奴らは私が死んだと思っているはずだ。草木に身を潜め、油断したところを皆殺しにしてやる!
 一筋の光明に縋る女王に、人影がゆらりと近づく。
「おま、えは――!」
「ふふっ、ごめんなさい。やっぱり貴女にとって私は毒だったみたい」
 澄んだ声だった。
 なぎなたが風を切る。刃が纏うは、女王の天敵たる炎の力。
「さようなら」
 女王が最期に目にしたのは、毒めいた微笑を湛える紗の姿だった――。



 女王は斃れ、迷宮からまた1つ危機が去った。
 広間に戻った猟兵たちを精霊が出迎える。その無邪気さが、猟兵たちに戦いの終わりと平穏への帰還を実感させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト