エンパイアウォー㉔~反撃の城攻め
●春日山城を制圧せよ!
「諸君、連日お疲れ様であるのだな。一休み……と言いたい所であるが、ここが攻め所である」
マイン・ラクーンは集まった猟兵たちへと、そう告げた。
先の戦いにおいて、信州上田城に集った上杉軍を、電光石火、速やかに撃退した猟兵たち。その結果、猟兵たちはある情報を手にすることに成功した。
それは、上杉軍本隊が、越後から関ヶ原に向けて移動を開始した、という事である。
「そのため、春日山城の防備が手薄になっていることが発覚したのだ」
と、マインがむにむにと頷く。
春日山城は、堅城……攻め落とすことは難しいと思われていたが、今このタイミングであれば、攻め入り、攻略できる可能性が見えてきたのである。
「戦争の本筋とは外れた作戦になるわけであるが、上手い事ここを制圧できれば、上杉軍へ大きな打撃を与えることができるであろう。加えて、信長軍に関する情報や、何らかのアイテムなども手に入れることができる……やもしれぬ」
春日山城の制圧を狙うのであれば、おそらくは今しかあるまい。しかし、春日山城には、未だ少なくない数の兵力は残っている。
激戦となることは、間違いはないのだ。
「もし、このまま春日山城へと攻め入るのであれば、我が送り出そう」
マインはむにむにと、手をこすり合わせて、頷いた。
「転送先は、春日山城の入り口付近。ここには、15体ほどのオブリビオン、『剛鬼武童衆』なる集団が待ち構えているのである。こいつらは、きゃしゃな顔からは想像できぬ武闘派。正面からのぶつかり合いを得手とする、肉体派である」
猟兵たちには、この剛鬼武童衆を撃退し、敵戦力を低下させてもらいたい。
「以上である。それでは、レッツでゴーである、諸君。見事城攻めを成功させて来るのだ」
そう言って、マインは猟兵たちを送り出した――。
洗井落雲
お世話になっております。洗井落雲です。
エンパイアウォーのボーナスシナリオとなります。
春日山城に攻め入り、逆に占領してしまいましょう。
●このシナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
また、このシナリオに成功する事で、春日山城の攻略度が5%づつ進みます。攻略度が100%になると、春日山城を制圧する事が出来ます。
●成功条件
『剛鬼武童衆』の撃退。
●状況
春日山城入り口付近に陣取る、15体の剛鬼武童衆が相手です。
敵は策を弄するタイプではなく、真正面からのぶつかり合いを得意としています。
周辺には、猟兵たちの戦闘をbのうがいする要素などはなく、敵との闘いに集中できるでしょう。
以上となります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『剛鬼武童衆』
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POW : 極武技・相撲
【敵の防具を打ち砕くほどの強烈な突っ張り】が命中した対象に対し、高威力高命中の【背骨折りの抱擁と、脳天から落とす投げ技】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 極武技・空手
【視線】を向けた対象に、【一瞬で間合いを詰め、拳・蹴りの百連打】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 極武技・柔術
【四肢と首を同時に極める関節技】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●攻撃、春日山城
春日山城へと到着した猟兵たちを待ち構えていたものは、剛鬼武童衆たちの防衛線だ。
周囲に視界を遮る様なものはなく、彼らも正面から堂々とこちらを待ち構えているようだ。
正面からぶつかり合うか、あるいは何らかの搦手を考えるか……それは、猟兵たちの判断に任されている。
いずれにせよ、彼らを突破しなければ、春日山城の攻略に着手はできない。
さあ、武器を手に取り、防衛線を突破せよ!
黒鵺・瑞樹
アレンジ連携OK
こういう力自慢には正面きってぶつかり合いたくはないなぁ。
可能な限り奇襲をかけて倒したいところだ。
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流。
UC空翔で空中を、【存在感】を消し【目立たない】ように移動、【先制攻撃】【奇襲】【暗殺】の攻撃。ついでに【マヒ攻撃】【傷口をえぐる】でダメージ増と動きを制限を狙う。
一撃離脱を繰り返しながら倒せる奴は倒していく。
うかつに半端な手負い状態で残すと始末悪そうだし、できれば一撃で倒せればいいんだが。
相手の物理攻撃は基本【第六感】【見切り】で回避。
回避しきれなものは黒鵺で【武器受け】からの【カウンター】を叩き込む。
喰らったら【気合い】と【激痛耐性】でこらえる。
デュナ・ヴァーシャ
肉体を鍛え抜いたその姿、そして主の城を守ろうと言う忠誠心。敵ながら実に好ましい。ならばこの我が、鍛え抜いた肉体の極限と言う物を教えてやろう。
あちらが真っ向勝負を好むと言うなら、無論こちらも真っ向からぶつかる。権能を発揮して我が肉体の力を引き出し、正面から相撲でぶつかるぞ。
鎧を砕く張り手とて、我の剛健なる肉体は砕けるものか。逆に天力の張り手でねじ伏せてくれる。抱擁に対しても抱擁を返して相手の背骨をへし折ってから、褌を掴んで投げ飛ばしてやろう。
貴様らが非力なのではない。だが我は女神デュナ、この肉体は人の身では届かぬ究極。神に挑んだ栄誉を噛み締めながら骸の海に還るが良い。
(アドリブ、絡み歓迎)
赤星・緋色
ふははははー空き巣じゃ空き巣じゃあー
何かいるかもだけど、一番強いのはいないの確定だし
さくさく倒していけばいいよね
視線を向けた対象に一瞬で間合いを詰めて攻撃ってことは
そのユーベルコードのメリットで最大の弱点は移動と攻撃がセットになってることかな
言い換えると、ユーベルコードを使ったら必ず間合いを詰めないといけない
上手く先読みできれば潰せそうだね
という訳で、ガジェットショータイム!
今回ご紹介するのは魔導蒸気で駆動する圧縮機
ブロアともいうよね
見切りと第六感技能を使って、ユーベルコードの能力で接近する瞬間に圧縮した魔導蒸気を放出
敵を吹っ飛ばすよ
敵の接近速度と圧縮蒸気の吹き出す相対速度で威力を増やす狙い
白峰・慎矢
攻められてばっかりじゃ、面白くないからね。城を攻めることで事態が好転するなら、やってみようじゃないか。
そういえば、格闘が得意な敵と戦うことはあまりなかったな……。まずは刀で応戦しようか。鞘で「盾受け」しながら、「カウンター」を狙っていくよ。敵に同時攻撃されないよう、走り回って間合いを図りながらやらないといけないな。
敵がユーベルコードを使ってきたら、さっきの打ち合いでわかった「戦闘知識」で「見切り」しながら鞘の盾で防御だ。敵が少しでも隙を見せれば、こっちの番だね。【集霊斬】で斬り捨てよう。おっと、逃げられるのは良くないね。腕輪から霊力を放って動きを封じておこうかな。
霧島・絶奈
◆心情
成る程、判り易くて良いですね
互いの目的の為、死力を尽くして戦いましょう
最大限の敬意を以て正面から参ります
…と言っても、会戦に於いては数が圧倒的にものを言います
まあ、卑怯とは言わせませんが…
◆行動
『暗キ獣』を使用
小細工の有無に関わらず、物量もまた力です
私は【目立たない】事を活かし軍勢に紛れて侵攻
【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
敵のユーベルコードは軍勢を盾として活用し回避
関節技は脅威でしょう、但し一対一であれば…
我が軍勢を一人捕まえるのに無防備を晒すのですから、割に合わない贈り物を有難う御座います
15体の剛鬼武童衆たち――その眼前に立ちはだかるのは屍獣と屍人の群れであった。
「正面からの力押し――なるほど、分かりやすいものです」
屍の軍勢の中、異端なる神、霧島・絶奈は『【Innocence】』を振るった。その身に刻まれた『【Atonement】』がほの明るく輝き、屍の軍勢は、突撃の時は今かと、ごうごうと唸りをあげる。
「ならば私も、最大限の経緯を以って。圧倒たる物量、捌ききってごらんなさい」
その言葉を合図に、屍の群れは一斉に、剛鬼武童衆たちへと襲い掛かる!
「怯むな! 絶対死守!」
叫び、駆けだす剛鬼武童衆たち――ぶつかり合う、肉体と屍。周囲は瞬く間に戦場と化し、血臭と死臭が椿の花のごとく散り落ちる。
屍の軍勢を武器とし、盾とし、異端の神は狩場を踊る。神は静かに笑んだ。
「さあ、ここは戦場。死力を尽くしてきなさい」
ごうごうと唸る屍たちの影を縫って、黒鵺・瑞樹は空を跳ぶ。限界まで己を陰とし、一気に敵に接触するや、振るわれる『胡』と『黒鵺』、二振りの刃が、一人の武童を切り裂いた。
「くぅ! 闇討ちか!?」
決して傷は浅くないが、命をとるまでの深さではない。だが、瑞樹は二撃目を狙わず、一気に距離をとる。
「卑怯とは言ってくれるなよ。こう見えても、そっちの実力は評価しているんだ。だから――こちらも得意とするところ」
瑞樹が蔭へと消え、跳躍する。目標を見失った武童は、悔しげにうめきながらも、瑞樹を捉えることはかなわぬ。慌てふためく武童が、ふと、強く息を吐いた。激痛走る胸元に視線を移せば、先ほどの傷口より、黒鵺が、内より生えていた。
「ヒットアンドアウェイでやらせてもらう」
その傷口を抉る様に刃をひねる、瑞樹。その傷が致命傷となり、武童は骸の海へと消えた。
敵の消滅を確認したのち、瑞樹は再び、その身を陰と変えて、戦場を跳躍する。近づけば死をもたらす陰は、戦場を舞い、確実に武童たちを始末していくのだ。
「正面からぶつかりたいというのなら――」
一方、屍の軍勢よりさらに前に立ち、堂々たるいで立ちで胸を張るのは、デュナ・ヴァーシャである。
「この我が、鍛え抜いた肉体の極限と言う物を教えてやろう!」
「その意気、敵ながらあっぱれ! ……いざ!」
武童は雄たけびを上げながら突撃する。振りぬかれる、強烈なる張り手! デュナの頬を叩いたまま、勢いを殺さずさばおりに入る!
万力の如き腕が、デュナの身体を締め付ける! 常人ならば背骨を砕かれてもおかしくはない一撃は、しかしデュナのユーベルコード『権能:神の肉体(ザ・ボディ)』により強化された肉体を、砕くことはできない!
「鎧を砕く一撃とて、神の肉体を砕くことはできぬと知れ!」
繰り出されるデュナの張り手が、武童の肉体を強かに打ち付ける! 衝撃に、たまらず両手を放した武童を、今度は逆に両腕で搾り上げる!
ギリギリと身体を締め付けられ、武童の骨が悲鳴を上げ始めた。呻く武童。デュナは凄絶にして美しい笑みを浮かべ、言った。
「貴様らが非力なのではない。だが我は女神デュナ、この肉体は人の身では届かぬ究極」
ごき、と武童の骨が砕ける音と同時に、その身体は光に包まれ、骸の海へと消えてゆく。
「神に挑んだ栄誉を噛み締めながら骸の海に還るが良い」
武の女神は、美しく笑うのであった。
戦闘は続く。
「ふははははー! 空き巣じゃ空き巣じゃあー!」
ぴょんぴょんと戦場を跳びまわり、どこか楽し気に声をあげるのは、赤星・緋色だ。その行動から、敵の目に留まりやすく。今まさに、武童の一人に標的として視線を向けられたのだ。
「戦場で踊るとは……隙あり!」
武童は、己が武技を解き放った。視線を向けし相手に、高速で接敵、拳を叩き込む奥義である。
その視線にとらわれしものは、もはや逃げることはかなわない。弾雨の如き打撃に、その肉体をずたずたに引き裂かれるのみ。
――だが。
「悪いね、予測通り! ガジェット、ショータイムゥ!」
緋色はくすりと笑い、まるでラッパとアコーディオンが合体したみたいな、奇妙なガジェットを取り出す。強く蛇腹を押し込むと、圧縮された魔導蒸気が吐き出され、武童を強かに打ち付け、吹き飛ばす!
「移動も込みの技……なら、先読みできれば潰すのは簡単ってね! ガジェットブロアでまとめてぶっ飛ばさせてもらうよ!」
荒れ狂う魔導蒸気の前に、武童たちはなすすべなく吹き飛ばされていった。
「格闘が得意な相手、か……いい経験になりそうだね」
白峰・慎矢はゆっくりと、『霊刀・空狐』の刃、そして鞘を構える。そのまま、武童たちとの距離を測った。その間も、戦局は動いているので、決して足を止めない。
一人の武童が、慎矢を睨みつけた。来る! 直感的にそう悟った慎矢は、腰を落とし、攻撃に備える。
刹那、武童の姿が掻き消えた。次の瞬間には、慎矢の眼前に、武童が迫りくる!
移動も兼ね備えた武技――続いて繰り出される拳の乱打は、しかしさく裂することは無かった。一発目の拳が慎矢に迫った瞬間、慎矢は空狐の鞘を用いてそれをガード、そのまま弾き、相手のバランスを崩したのである。
「――ふっ」
勢いよく吐かれた呼吸と共に、カウンターの刃が武童を切り裂く。それは、先ほどの武童の移動速度、それよりもはるかに素早い、一閃の斬撃だ。
切り裂かれた武童、その身は骸の海へと還っていく。
「よし、この調子だね」
確かな手ごたえに笑みを浮かべつつ、慎矢は再び、空狐を構えた。
成功
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雷陣・通
【HJC】のみんなで参加
まずは囮とばかりに、相手をおびき寄せ
そして『稲妻舞空術』発動
タイミングを合わせて相手を迷宮に閉じ込める
戦闘知識を活かして上方より俯瞰した状態で視力を用いて敵の動きを察知
スマートフォンや声掛けでロランに迷宮の微調整と皆に場所の通知
攻撃が始まったら迷宮の出口や上方を周回、逃げようとするやつに先制攻撃で飛び蹴りを叩き込んでからの二回攻撃の投げ技で迷宮に叩きつける
「お前達の土俵で戦いたいところだが、今回は戦争だ、悪く思うなよ!」
ロラン・ヒュッテンブレナー
【HJC】のみんなで参加なの
お城、がんばって、取っちゃおうね
ミニョンちゃんから春日山城の情報(【世界知識】)、たくさん聞いて、有効な範囲とか決めるね
ぼくも、電脳空間や、空の通くんから【情報収集】して、攻めるのにちょうどいい迷路、作るね
【地形の利用】もしながら、出口がボクたちの正面に、真っ直ぐな通路になる様に、天井の無い春日山城に合わせた迷路を作るね
【高速詠唱】で広い【範囲攻撃】にするよ
ミニョンちゃんのUCと組み合わせてみるね
迷路を作ったら、剛鬼武童衆の15人からだけ、ドレインするの 相手の位置とか、迷路に【ハッキング】して掴んで、 みんなと連携するよ
楜沢・玉藻
【HJC】
エンパイア人として
この戦は他人事にはしておけないものね
越後の人達のためにも頑張るわ
ロランが迷路を作る時に壁の上に乗るわ
そしてミニョンが銃眼を作っている場所の近くの壁の上に伏せて気配を殺して待つわ
見付かって待ち伏せがバレたら台無しだものね
フォンの合図でミニョンが銃撃を始めたら
フォックスファイアで狐火を展開
敵味方を識別しながら敵を追撃して火攻めにするわ
拳法家としては手合わせしたいところだけど
戦だから仕方ないわね
そして迷路を逃げる敵を狐火で追い立てるわ
上から見て敵が出口近くまで行ったら
みんなに声を掛けて報せるわ
狐火の数に余裕があったら出口に待機させて出て来る敵にぶつけるわ
ミニョン・エルシェ
【HJC】城郭を学ぶ者としては見逃せない戦いですね。//
【世界知識】と、【戦闘知識】を用いてこの時代の春日山城の特性を共有しておきます。//
【地形の利用】でロランさんの迷宮を【我城普請・相横矢】で射撃陣地化。
壁に隠し狭間(銃眼)を設けて亡霊足軽隊を伏せておきます。フォンミィさんの合図があり次第、隠し狭間を突き破り、鉄砲隊で不意打ちの挟み撃ちの鶴瓶撃ち!
『春日山城にも無数にある横矢掛。…こう使うのですよ。擊ち掛かれ!』
相手が混乱したところで、鉄砲隊に【援護射撃】をさせて通さんたちと斬り込み。孤立しないよう立ち回ります。
構成要素を正しく使ってこそ、城の機能美は輝くもの。…天下の名城が泣いています。
フォンミィ・ナカムラ
【HJC】のみんなで参加
強い陣地を作るのなら、あたしたちの作戦だって負けてないもんね!
敵の一人に向けて【影の追跡者の召喚】使用
【世界知識】でこの世界の戦によくある陣形を把握して、リーダーっぽい動きをしてる人を追跡するよ
ロランくんが迷路を作ってくれたら、敵がどこを歩いてるか把握するように追跡者で監視
敵が隠し狭間の近くに来たところで、ミニョンちゃんに合図して鉄砲隊で奇襲をかけてもらうよ
「きたよ! 3・2・1・……」
通くんにも状況は伝えてるから、逃げたって無駄だもんね!
出口まで辿り着いた敵には、近付かれる前に【全力魔法】の火【属性攻撃】をお見舞いするよ
「みーんなまとめて、骸の海に帰っちゃえ!」
「くっ……! 何をやっている! 抑えられないのか……!」
武童の一人が仲間たちに檄を飛ばす。猟兵たちの猛攻により、武童たちは一人、また一人と倒れていった。この武童はリーダー格なのだろうか。その仕草から、そのように感じられた。
――その足元に。
一つの影が、うごめいている。その影は、追跡者。その眼は、耳は、主に――フォンミィ・ナカムラに、続いている。
「見つけた……おっけーだよ!」
フォンミィが、声をあげる。その瞬間、武童たちに迫る、迸る雷電! いや、それは雷を纏った人である。雷、雷陣・通はその身を纏う雷のごとく素早く跳躍、武童たちを攻撃!
「おら、こっちだ! 捕まえられるもんなら捕まえてみやがれ!」
挑発の言葉をかけつつ、再びの飛翔。その動きに視線を奪われた武童たちは、足元への注意がおろそかになっていた。
「いまだ! やれ!」
通が叫んだ。途端、武童たちの足元より、突如巨大なる迷宮が姿を現し、武童たちを包囲したのである!
「な……これは一体!?」
「敵の罠では……!?」
慌てふためく武童たち。その様子を、追跡者を通して、フォンミィは見ていた。
「全員、捕まえられたみたい!」
フォンミィが、傍にいる仲間――この迷宮を生み出した主、ロラン・ヒュッテンブレナーへと告げるのへ、ロランはこくこくと頷いた。
「わかった。迷路は、春日山城みたいに作ったよ。ミニョンちゃんにも手伝ってもらって」
ロランたちが潜むのは、迷宮の出口だ。作り上げられた迷宮は、さながら天井のない春日山城と言った所だろうか。外壁や床は、城のそれを模して造られている。
ロランたちは、自身のユーベルコードを用いて、武童たちを迷宮へと閉じ込める作戦をとった。そして作戦は、それだけではない。
「動き出したら、教えてね。ミニョンちゃんと一緒に、やっつけよう」
「うん……あ、通くんの方に、敵が動き出したよ!」
フォンミィが声をあげる。そのとおりに、武童たちは出口を求めて、一斉に動き始めた。もちろん、バラバラに動き始めたわけではない。
「おら、こっちだ! 来れるもんなら来て見な!」
挑発する通が、迷路の壁の上を走る。
「おのれ、追え! 逃がすな!」
武童たちは、通を追って、走り出した。
やがて武童たちは、大きな部屋へとたどり着く。その部屋に、武童たちが入り込んだ瞬間!
「今だよ!」
フォンミィの声を合図に、四方の壁を突き破り、無数の銃口が現れ、こちらを覗いたのである!
「これは隠し狭間……銃や矢を構えるための、銃眼と呼ばれる設備です」
銃を構えるのは、無数の死霊兵士たちだ。その死霊たちを召喚した主、ミニョン・エルシェが、様子をうかがう仲間たちへと、告げた。
「春日山城にも無数にある横矢掛です。構成要素をしっかりと使ってこそ、城とは輝くもの。オブリビオンたちの戦い方では、天下の名城、春日山城の名が泣きます」
くい、と眼鏡を直しつつ、ミニョンが言う。一方、迷路の外壁には、通、そして楜沢・玉藻が姿を現していた。
「おのれ……!」
悔し気にうめく武童たち。通はにっ、と笑うと、
「お前達の土俵で戦いたいところだが、今回は戦争だ、悪く思うなよ!」
「拳法家としては手合わせしたいところだけど、ね。残念だけど」
玉藻が『葛之葉の霊符』を構えると、無数の鬼火がその周囲に浮かび上がる。
「いくよ、皆!」
ロランが声をあげるのへ、仲間達は頷いた! 友と協力して作り上げた、難攻不落の迷宮。そしてその牙が、捉えた獲物を食らうべく、今その威力を発揮しようとしていた!
「擊ち掛かれ!」
ミニョンの掛け声とともに、死霊兵士たちの持つ種子島が一斉に火を噴いた! 雨あられのごとく降り注ぐ銃弾が、武童たちの身体を貫いた。
ただでさえ武童たちは、迷路を移動する過程でダメージを負っている。こうなってはひとたまりもあるまい。
「オーバーキルかもだけど、ダメ押しって奴よ!」
玉藻が霊符を掲げると、浮遊する無数の鬼火たちが、一斉に武童たちへと襲い掛かった! 飛び交う銃弾、そして煌々と燃ゆる鬼火たち。その激しい攻撃にさらされて、武童たちが次々と、その身を骸の海へと還してゆく。
「……無念……っ!」
最後の一人が、砲火と、そして鬼火に包まれ、消滅していく。
ほどなくして、迷宮は姿を消した。その時には、武童たちはすべて、骸の海へと放逐されていたのであった。
「やった! 大成功ね!」
玉藻がうれしげな声をあげる。
「無事、成功……良かったよ」
自身の作り上げた迷宮が生み出した戦果に満足するように、ロランが頷く。
「春日山城の機能、それを使いこなせていたのは私たちの方です。当然の結果ですね」
そうは言いつつ、言葉に嬉しさがにじんでいるのは、ミニョンである。
「放課後猟兵クラブの勝利! だね!」
フォンミィが笑うのへ、通もまた、笑った。
「だな。ほかの奴らも上手い事やってると良いけど……」
春日山城の制圧は、多くの攻撃が成功しなければなし得ないことだ。
だが、少なくとも今は、猟兵たちの活躍により、そのための勝利の一歩を勝ち取ることができた。
完全なる勝利を想いつつ――。
今はひとまずの帰路に着く、猟兵たちであった。
大成功
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