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エンパイアウォー⑱~両断、上杉謙信

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #上杉謙信

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●グリモアベース
「貴方達の活躍により新たな魔軍将、上杉謙信の居場所が判明しました!」
 グリモアを掲げながら、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)は猟兵達を見る。
 今回の敵、上杉謙信は特別な拠点を構えているわけではない、それどころか猟兵達に対して先制攻撃を仕掛けて来ることもない。
 ただ単純に、彼は強い。事前の準備を整え、先制を奪い、戦術が完璧にはまったとしても、それを正面から叩き潰してくる圧倒的な強さが上杉謙信の恐ろしさだ。
「ゆえに、今回は多くを語ることができません。敵の情報を利用して、上手く立ち回って」
 上杉謙信は平原に組まれた車懸かりの陣の中央、つまりは無数の配下オブリビオンによる円陣の中央に立っている。陣そのものは他の猟兵達の尽力によって突破口が作られているため気にする必要はない。
 しかし陣の外から謙信を狙う場合は配下の隙間を縫って攻撃を当てる必要がある、また遮蔽物がないため身を隠すこともできない点にも注意が必要だ。
「水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇、それとアンヘルブラックにディアブロホワイト。上杉謙信の振るう刀にはこの十二属性がそれぞれ宿っていて、それを的確に使い分けてくる……最後の二つはよくわからないけど、とにかく多彩な技を使ってくると思った方がいいわね」
 謙信の使用するユーベルコードもこの十二の刀、毘沙門刀を媒介に使用してくる。
 毘沙門刀連斬、十二の刀による連続攻撃。各属性を見極め、避ける刀受ける刀を選ばなければ防ぎきることはできないだろう。
 毘沙門刀車懸かり、回転する刀を纏った高速移動と連続攻撃。必ず猟兵にとって不利となる刀による崩しが厄介だ、防御ではなくいかに体勢を立て直すかを考えた方がいいかもしれない。
 毘沙門刀天変地異、名前の通り災害を起こすユーベルコード。飛ぶものには竜巻、地を駆けるものには地震と猟兵の強みを潰すように使用してくる、攻撃範囲の広さにも注意が必要だ。
「単純な実力で言えば風魔小太郎以上、先に攻撃を仕掛けてこないからと言って油断しないでね」
 説明を終えたアンノットは軽く息を吐くと、真剣な表情で猟兵達を見る。
「敵は軍神と呼ばれた人物です、出し惜しみをせず全力でぶつかりましょう!」


マウス富士山
●軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
 つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。

●このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
 続いての敵は上杉謙信、今回は先制攻撃を含めて特殊なギミックなしのガチンコ勝負となります。ただし強敵ゆえ複数のユーベルコードを使えばそれだけ反撃してくるのでご注意を。
 それでは、皆様のプレイングを心からお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『軍神『上杉謙信』』

POW   :    毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。

イラスト:色

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月夜・玲
●戦闘
《RE》IncarnationとKey of Chaosを抜剣
足を止める事無く戦場を駆けながら【高速演算】を使用、謙信に対して遠距離斬撃を仕掛けていこう
まずは突破口を駆け抜けながらの可能な限りの最大射程からの一閃で攻撃
口上は言わせないよ、射程距離だけは長いんだからさ

最初の一撃を放ったら接近しながら『2回攻撃』で連撃、衝撃波で追撃を仕掛けていこう

謙信の攻撃には『武器受け』と『オーラ防御』で対処
放射された毘沙門刀の軌道を見て、直撃しない攻撃は『オーラ防御』で弾いて回避
避けられない攻撃は手持ちの剣で『武器受け』してガード
敵に近付き過ぎない事で、剣の軌道を見る時間を稼ごうかな

●アドリブ等歓迎



●再誕を戻す天使、混沌を正す悪魔
「射程距離はこっちが長いんだからさ、わざわざ相手の距離に追記会う必要もないよね」
 オブリビオンの間を駆け抜けながら、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は腰の四つのウェポンハンガーから二本の剣を引き抜く。《RE》IncarnationとKey of Chaos、それぞれ再誕と混沌を司る兵器を構え玲は彼方にいる謙信に狙いを定めた。
『I.S.T、サポートモードで起動。敵行動を予測開始』
 その言葉と共に玲の視界に無数の情報が重なる。配下の動きと周囲の環境を計算、これまで戦った幹部との戦闘データから謙信の能力を予測、数値を平均化した後、最適な射線を出力。
「まずは、一発!」
 振り下ろした《RE》Incarnationから直線の軌跡を残す衝撃波が放たれる。再誕はその過程において死を発生させる、そのプロセスを模造した一撃は直撃すれば致命傷は免れない。
「アンヘル」
 死を前にして、謙信は異国の言葉を紡ぐ。同時に放たれた黒い毘沙門刀は真正面から衝撃波に触れると、障子紙でも破くようにその一撃をかき消した。
「とっ!?」
 咄嗟に剣を横に構え、毘沙門刀の刃を受け止める。その衝撃は軽く、弾かれた毘沙門刀は空中を回転ながら消滅。起こった事はただそれだけにも関わらず、刃を受けた《RE》Incarnationの刀身に亀裂が走った。
 単純な威力ではない、刀を通して剣に概念的な干渉が入ったのだ。その正体を理解する前に、謙信が白い毘沙門刀を構えるのが見える。
 よくわからないが、あのままにさせるのは不味い。もう一つの剣であるKey of Chaosを構えた玲は謙信が攻撃を起こす前に、二つ目の衝撃波を放つ。世界の原初である混沌を模造した一撃は逆説的に謙信の弱点となる概念も内包しているはずだが……
「ディアブロ」
 言葉と共に放たれた白い毘沙門刀に触れた瞬間、それはただの衝撃波に成り下がる。そのまま毘沙門刀は衝撃波と衝突し、周囲に突風をまき散らしながら相殺する。
 長距離からの攻撃と言うのもあるが、単純な威力では互角。しかし相殺の仕組みを解き明かすには時間が足りない。
 悔しい気持ちと新たな未知への興味に後ろ髪を引かれつつも、玲は戦場から撤退する。今のまま接近戦に挑んでも、一方的に蹂躙されるだけだろう。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ガイ・レックウ
【SPD】で判定
ユーベルコード【竜闘技奥義『竜王無尽』】を発動。相手の攻撃を【見切り】と【戦闘知識】による観察眼で避けて、【オーラ防御】で防御を固めて距離を詰めるぜ!!
【怪力】による【なぎ払い】と【串刺し】、【鎧砕き】の【2回攻撃】で果敢に攻めて防御をこじ開けるぜ!!。
『隙がなくともこじ開けて見せる!!」



●裂空の一撃
 軍神、甲斐の虎、敵は様々な異名で呼ばれる実力者。だとしてもガイ・レックウ(相克の戦士・f01997)がやることは至って単純、避けて近づいてただ斬るのみ。
 二本の刀を引き抜き、呼吸を止めて敵へ走る。小細工は無し、正面切っての真剣勝負。
「いい剣士だ」
 そんなつぶやきと共に、謙信が毘沙門刀を展開する。十二の属性を持つ神の刀は下手に受ければ防御の上からでも潰される危険がある、それ故にガイは謙信の一挙一動を観察し、その軌道を予想するが……。
(どういう事だ……!?)
 ガイの観察力でも……いや、ガイほどの眼を持つ者だからこそわかる。これから自らに放たれる毘沙門刀、その軌道を予想することができない。自らが避けようとすればそれに合わせてピッタリと攻撃を合わせてくるこの感覚、近いものはかつて自分が戦った銀河帝国の幹部。
「ディアブロ」
 射出された白い毘沙門刀がガイの肩に突き刺さる。関節の内側からブツリと何かが斬れた音が響き、力の入らなくなった手から刀が滑り落ちる。的確に腕を一つ潰された、だが倒れる程の傷ではない。
 呼吸は止めたまま、ガイの腕から渾身の突きが放たれる。攻防の両立した謙信の回転刃は生半可な攻撃では弾かれてしまう、最速の技である突きであれば回転の力を受けても謙信の身体に届く可能性がある。
「氷刀」
 水晶のような刀身に触れたガイの刀が、彼の腕ごと凍り付く。
「毒刀」
 紫色の刀身から放たれる瘴気を吸ったガイの身体が、途端に痺れだす。
「風刀」
 揺らめく刀身から放たれる突風に押され、ガイの身体が後ろに下がろうとする。
 自らの弱点となる攻撃だけではない、謙信の持つ毘沙門刀は一本一本がユーベルコードに引けを取らない強力な効果を持つ。言ってしまえば、強力な技をその身に纏い何時でも使えるように控えさせている状態だ。
 毒で自由を奪われた身体を突風が軋ませる、風に抗い力を入れればその分毒の巡りが早くなり限界が近づく……しかし、これはガイには予測できていた攻撃だ。
「……ぉぉおおおお!!!」
 刀は凍り付いたが、弾かれたわけではない。雄叫びと共に突き出された刀は回転する刃を打ち崩し、腕に突き刺さる。
 胸を狙ったつもりだったが、外された。その結果に小さく舌打ちをすると、ガイはそのまま地面に倒れた。
「……この腕前の剣士がまだ居るのならば、やはり時間稼ぎが精々か」
 そして自らの腕から流れる血を見ながら、軍神と呼ばれた男は小さく溜め息を吐くのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

龍泉寺・雷華
此度は神の名を冠する者が相手の様ですね
我も究極を称する魔術師なれば、正面から戦う他ないでしょう!

陣中央へと参上すると同時に三天魔を詠唱、決戦開始です!
ですが、この力は諸刃の刃
長期戦であれば地に伏すのは我の方……故に、最初から全開です!
原初の炎と破滅の雷を同時に操り、高速移動を以てしても回避の余地無き広範囲攻撃で破壊してあげましょう!

敵は弱点属性を狙う様ですが
究極魔術師たる我は自身の操る属性の対策は熟知しています
であれば、警戒すべきは我が智の及ばぬブラック、ホワイト、薬の三属性!
かの属性を司る刀に注視し、仕掛けられると同時に魔術障壁を展開!
受けた傷は生命の水で覆い癒す事で体勢を整え戦闘続行です!



●究極対軍神
「あなたが軍神の名を持つ武将ですね!」
 片手で目を隠し、妙に腰を捻ったポーズを取りながら、龍泉寺・雷華(覇天超級の究極魔術師・f21050)は上杉謙信の前に出る。
「我こそは究極の魔術師龍泉寺・雷華!どちらが上か……勝負です!」
 宣言と共に雷華の身体が膨大な力が噴出する。燃え猛る原初の炎、清く流れる生命の水、穿ち滅ぼす破滅の雷、三つの力が雷華の周囲に固定されると彼女はその両手を謙信へ向ける。
「解放!」
 右手からは紅蓮の炎、左手からは黄金の雷。炎を消そうと水や氷を出せば雷が通り、雷を遮ろうと土を出せば炎がその壁を融解させる、二つの属性による同時攻撃であれば不利な属性を出されても攻撃を通すことができる。
 また今回放ったのは陣の中央を覆いつくす広範囲攻撃、敵が高速で移動しようと避けきることはできない。
「……薬刀」
 十二本の一振り、刃から柄まで柔らかな白でできた毘沙門刀が動く。詳細不明の薬属性の刀の使用を見て咄嗟に雷華は障壁を展開するが、放射された毘沙門刀は空中で弧を描き謙信自身の身体に突き刺さる。
「な!?」
 雷華が驚愕の声を上げると同時に、謙信は雷を避け炎の中に飛び込む。感電と火傷では後者の方が戦闘に支障がないのは確かだが、それにしても謙信の動きに迷いはない。炎の中から敵の姿を見つけようと雷華が目を凝らした瞬間、紅蓮の壁を斬り裂いた謙信が一直線に彼女へ向かって突撃する。
「樹刀」
「生命の水!」
 回転する毘沙門刀の刃が障壁ごと雷華の身体を斬り裂き、その傷口から植物が根を張ろうとする。しかし直後に水で覆われた植物は水分の過剰な吸収で枯れ落ち、傷口も塞がれる。
 傷が浅い、そう感じたのは互いに同じだった。原初の炎に飛び込んだ謙信は全身に火傷が見えるが、その傷は既に塞がっており痕を残すのみとなっている。一方の雷華も書壁で胴を斬り裂こうとした刀を反らし、追撃の属性攻撃も事前に防いだ。
 結果として見れば痛み分け。だが謙信は薬と言っていた。傷を塞いだのがその刀の効果であるのならば、何らかの反動や副作用があるはず。リスクなく傷を癒せるならば、常に自分に刺していればいいのだから。
 ユーベルコードの反動か、雷華の目から血の涙が流れる。残された時間が少ないのならば自分が倒れるまで相手を削り続ける、それだけだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

越後の龍、お相手願おうか。
とはいえ、あの12本の刀全てを受けりゃあさしもの俺も耐えきれねぇか。

まずは黒鉄一本で、敵の刀の属性を●見切りつつ、受けても問題なさそうな刀だけを●武器受けしていく。
下手に受けたらヤバそうな気配がする刀もあるしな。そういう刀は回避に専念。
攻勢が増したら●早業で俺自身を抜き、二刀流による●2回攻撃の応用で敵の攻勢を凌ぎ斬る。

敵だって機械じゃねぇしどこかで必ず隙ができる。
その隙はぜってぇに逃しはしねぇ。
敵の甘い一撃に合わせて●カウンター気味に風林火陰山雷番外 風・林!
多少の傷は●激痛耐性で耐えきるさ。

神速かつ不可視の一撃、届けぇ!



●妖刀対峙
「おうおう、派手なもんだ」
 口にしたおはぎを呑み込み、遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は相棒である黒鉄を抜く。属性攻撃の応酬により地面は硝子化し、歩を進めるたびにじゃりじゃりと音が鳴る。
 そんなこの世の地獄のような光景の中でも、謙信は毅然と立っていた。
「立て続けで悪いが、お相手願おうか越後の龍」
 返事はなく、代わりに謙信の持つ毘沙門刀が彼の周囲で回転を始める。互いにその刀身を見極めながら、謙信と景明は同時に動き出した。
「闇刀」
 回転する一刀、空間に空いた穴のように黒い毘沙門刀を景明が受け止める。その刀身から這い上がってくるように黒い靄が湧き出てくるが、景明は即座に刀身を弾くように振り上げると腕に纏わりついた靄を薙ぎ払う。
「土刀」
 続いて向かってくるのは砂を落とす茶色の刀身の毘沙門刀、風を斬るその刃を見た景明は刃を振り下ろし、相手の刀身には当てないように地面に突き刺すと低く身を屈めた。直後、毘沙門刀から溢れだした大量の土砂が景明の頭上を掠める。まともに受け止めていれば質量で押し流されいただろう。
 単純な属性攻撃であれば、受けるか見切るかすればどうにかなる。問題は正体不明の黒と白の二振り。
「ディアブロ」
 悪魔の名を冠した白い刀が動く、射出された刀身は一見すると不可解な部分はない。しかしその軌道は迎撃のために振り抜かれた黒鉄の刀身を潜り抜け、真っ直ぐ景明の下へと向かう。その軌道であれば確実に命中すると予測していたように。
「……!」
 直撃する。そう直感した景明は二本目の刀、自分自身でもある大蛇切 景明を引き抜く。それを使ってディアブロを弾こうというのか、謙信がそう考えた瞬間景明の身体が一歩踏み込まれた。
 ディアブロが身体に突き刺さるのを無視し、射出したことで生まれた円陣の隙間に身体を滑り込ませる。回転する刀を黒鉄で受け止めた景明は眼前に迫る謙信に向けて決起の視線を向ける。
「受けるんなら、やっぱこの一刀が正解か」
 攻防一体と言えば聞こえはいいが、裏を返せばどちらかに専念すればもう片方は崩れるということ。謙信が攻撃に転じ防御に隙ができる瞬間を、景明は常に探っていた。距離を取ろうと謙信に対し、景明は目にも止まらぬ速さで自身を振り下ろす。後退した謙信の道筋に、血の軌跡が残される。
 軍神と呼ばれた越後の龍に、蛇斬の妖刀が傷を付けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白澪・彩葉
越後の龍。毘沙門天の化身。そして軍神。
様々な異名・逸話を持つ貴方はとても強いのでしょうね。
ですがそれも過去のモノ。私たちは未来に生きる彼らを守らなければなりません。
その道に立ち塞がるのであれば、例え龍や神でも討ち倒してみせましょう。

【SPD】
私は生身の人間。どの属性も弱点になり得るでしょうね。
勝機はUCによる不意打ちですが、高速移動の中では近づくのも難しい。

なら私を倒したと思い、動きを止めた瞬間を付く他ないかしら。
敵の攻撃を受けた瞬間、懐に忍ばせた『結界符』を身代わりとしながらUCを発動。
傷つき倒れた私がまだ何とか起き上がる幻を見せ、
それが撃ち取られたところに呪詛を乗せた一撃を放ちます。


月宮・ユイ
アドリブ◎
*身に<誘惑の呪詛>宿し呪詛/呪操る

『人軍一体』将に刃届こうと陣乱れず
将としてだけでなく、個としてもまた強大な存在ですね
ここで臆するわけにはいきません
その首頂戴致します

[コメット]バイク:踏破能力強化
<第六感>併用全知覚強化<情報収集・学習・見切り>
<念動:オーラ>纏い行動補助と耐性強化

周りには軍…距離をおくのは難しいですね
コメットに乗り天変地異突破し渾身の一撃を狙う
《捕食兵装》武装圧縮成形
<破魔の呪>込め力散らす事で天変地異に対抗・沈静化
剣槍:主。伸縮自在、変則二刀流、投擲。<呪詛>込め続け力溜め
杭:<早業>多数成形。<誘導・呪殺弾>射撃や一斉発射で面制圧
盾:コメットごと包む様展開


メイスン・ドットハック
【WIZ】
属性を操るのと軍勢と一体とはのー
軍神というのは伊達ではないということじゃろーが、やらなきゃならんのー

上杉謙信の間合いに入る前にUC「隠れ家への小道」の電脳窓の出口を作っておく
そして上杉謙信の天変地異に対応する為に、電脳魔術で作りだした飛行型スライダーで対応
空を半自動で飛びながら回避しながら、電脳魔術を濃縮して最大火力の爆弾を作りだす
そしていざ限界となったら、爆弾を【誘導弾】に変えて広範囲爆裂を狙う
その際、「隠れ家への小道」の電脳窓を出現させて、電脳空間へ退避
自身は範囲外へと離脱して爆裂から逃れる
倒せるとは思わないが、これで打撃を与えられれば儲け物、無理をせずに戦う

アドリブ絡みOK



●不意をつく一閃
軍神が崩れた。
 胸の刀傷から血を流す謙信は薬刀を引き抜こうとするが、そのタイミングを潰すように彼の目の前に一台のバイクが突撃する。
「失礼ながら、その首頂戴致します」
「未来への道に立ち塞がる以上、私たちは貴方を打ち倒します」
 扉を破るようにして、戦闘バイクに乗った月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)と白澪・彩葉(夢の終わり・f19166)が飛び出す。ユイの片手には剣、もう片手には槍、変則的な二刀流はバイクの機動力をそのまま攻撃力に転用するための装備と思われるが、速度はそのまま動きの単純さに繋がる。
「……光刀!」
 謙信の言葉には、これまでにない力が籠っていた。反射的にユイがハンドルを切って謙信の正面から避けようとした瞬間、閃光が彩葉の胸を貫いた。
「え?」
 呆然とした声を残して彩葉の身体がコメットから転がり落ち、ピクリとも動かなくなる。咄嗟にユイが彩葉に向かって何か投げ付けた瞬間、謙信が一振りの刀を地面に突き立てる。
「毒刀解放、毘沙門刀天変地異!!」
 大地に亀裂が走り、謙信の前方から不気味な紫色の大津波が発生する。それは常人であれば触れただけで死に至る猛毒によってできた災害。地面に倒れた彩葉が球状の盾に覆われるが、ユイはコメットごと波に呑み込まれる。
 流れ落ちる毒の音と謙信の配下の悲鳴、それらが収まり周囲が静寂に包まれた時、戦場に残ったのは彩葉のみとなっていた。巻き込まれた配下やユイの姿は影も形もない。
「……っ、ぐ」
 うめき声を上げ、彩葉が立ち上がる。胸を抑えている指の隙間からは止め処なく血が流れ、文字通り血の気が抜けたように彼女の肌が青白くなっていく。
「抵抗するな、見ているこっちが苦しくなる」
 炎を噴き上げる刀を構え、謙信が彩葉に近づく。土に埋めて蘇ってこられても面倒と思っているのか、彩葉の身体を燃やし尽くすつもりらしい。高々と構えた刀を振り下ろそうとした瞬間、謙信の足元に扉が出現する。

「角度よし、軌道よし……ほら出番じゃ」
 扉の向こう側、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は空中に投影されたキーボードを操作すると同時に、ユイが走り出す。
 コメットに乗って電脳魔術で作られたスライダーを滑り降り、十分な加速を付けた状態で槍を構えたユイは、勢いよく謙信の足元から飛び出した。
 突然の奇襲にさすがの謙信も対応できずユイの槍は心臓に突き刺さり、彼の身体がそのまま宙に浮く。
 津波の発生直後に扉を作って仲間を回収、そのまま謙信が通りそうなルートに偽装した扉を複数配置して、タイミングを見てユイを飛ばす。大変な上に地味な作業だが、相手の攻撃が派手だった分潜むこと自体は簡単にできた。
「そして隠れてるのは二人だけじゃないけ」
 再びメイスンがキーボードに指を走らせると今度は謙信の頭上に扉が出現し、そこから彩葉が舞い降りる。
「なに…っ!」
 謙信が驚愕の声を上げ、地上にあった彩葉の身体が掻き消える。いつから幻覚を受けていたのか、謙信がそれを考える前にその身体に短刀が突き立てられた。
「やることはやった、撤収じゃ」
 再度扉を潜り、ユイと彩葉が戦場から消える。その行動から咄嗟に謙信が突き立てられた短刀――メイスンの作った爆弾――に触れた瞬間、炸裂した刀身が巨大な火柱を上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アイン・セラフィナイト
多属性を使いこなす軍略の天才か……確かに厳しそうだね。

先制攻撃をしてこないなら……【塵の嵐】で周囲の無機物を砂で出来たドームに変質させるよ(オーラ防御)。

風で突破する?無駄だよ、この砂は超重量、炎の熱は遮断するし、水の津波でさえも突破は不可能だ。

わざと大気中に目に見えない砂を飛散させておく。刃に纏わりついた砂は超重量かつ超高密度。動くことも持ち上げることも不可能……なら!!

布石はもう一つ、【双翼の聲】の不可視の鴉はすでに360度取り囲んでる!!ボクの精霊たちの数多の属性を込めた魔弾を無尽の如く撃ち落とせ!!!(属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・動物使い)


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
【連携希望】

高速戦闘を是とするなら、
アタシも相棒と挑まなきゃならないだろうね。
カブに『騎乗』し、器用に両手を放して『操縦』しながら
最高速で走り回る!
それでアタシを脅威と見るならよし、
他の猟兵を見るならそっちへ対処。
放たれた毘沙門刀を対象に、【縁手繰る掌】を発動させる!
アンカーとする味方はアタシのカブ。
一緒に転移した刀には手を触れず、『念動力』で
そうそう抜けないように地面へ深々と突き刺す。
そうして無力化している間に刀をどうにかしてくれる人が居ると心強いね!

もちろん全部の刀を対象にする『覚悟』はできてるよ。
そこまでやって初めて、『踏みつけ』るようなぶちかましができるからね!



●龍を落とすは車輪と翼
 元より、敵を全滅させるつもりなどない。
 自分が駒を引き付けていればそれだけで他の戦場は有利になる、十分だ。じかし、それもあまり長くは出来そうにない。流れる血を止めようともせず戦場に立つ謙信の頭上に、突如として影が差した。
「悪いけど、ちょいと邪魔するよー!!」
 相棒の宇宙カブに乗り謙信を飛び越えた数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はそのまま地面に着地すると、エンジンを全開にして戦場を走り回る。一瞬にして戦場は土煙に覆われ、誰もが敵の姿を視認できなくなる。
 視界を潰し、こちらの攻撃を当てさせないつもりか。しかし謙信にとってそのような戦法は過去に何度も受けてきた小細工の一つでしかない。
「土刀!」
 謙信の言葉と共に、周囲の土煙が茶色い毘沙門刀に吸い込まれる。属性を司る刀であれば、同属性の物質を操ることは容易。一瞬にして視界を晴らした謙信は爆走する多喜の姿を見つけると、即座に土の毘沙門刀を射出する。
 周囲の土を取り込んだ大質量かつ高速の一撃。カブの速度を上回り、一直線に飛んでくる刃を見た多喜は一瞬目を見開くと、口の端を不敵に吊り上げた。
「悪いけど、ソイツがあたしらの狙いなのさ!」
 その言葉と共に、多喜は土刀だけでなく全ての毘沙門刀を自らのユーベルコードで引き付ける。回転する刃は触れればそれだけで大きなダメージとなる、一瞬勝負を投げたかと思った謙信だったが、全ての刀に付着する土埃を見てハッと猟兵の作戦に築く。
「もらった!」
 派手に動く多喜を囮に、姿を隠していたアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が杖を振るうと、それだけで全ての毘沙門刀は見えない何かに押しつぶされるように地面に落下する。土煙に紛れてアインが撒いていた超重量の砂、それが大量に付着した毘沙門刀はもはや動かすことも叶わず、カタカタと地上で震えるのみ。
 刀を封じたこと確信した多喜はカブから跳び上がり、強烈な蹴り繰り出した瞬間だった。
「光刀解放、毘沙門刀天変地異!!」
 戦場が白く染まる。発生したのは超強力な光属性の嵐……つまりは光速で動き、戦場を覆いつくす熱線の群れ。渦を巻きながら発生したそれは謙信自身を巻き込みながら周囲を融解させる。
 自身が傷つくことすらいとわない自爆技。しかしその乾坤一擲の攻撃は、アインの展開した砂のドームに防がれた。
 表面は徐々に融解し形は崩れつつあるが、中に居る猟兵は傷一つ付いていない。蹴りの勢いに砂の質量を合わせた多喜の攻撃は謙信を押しつぶし、地面に固定する。
 地面の振動か多喜が謙信を抑えたことを感じ取ったアインはドームの中で再び杖を振るう、命令するは戦場を取り囲む99の鴉。彼らに精霊達の力を送り、光の嵐でも迎撃されない同属性の魔弾を形成、彼らの視界を借りて謙信に狙いを定め、一斉に射出する。
「精霊の力を込めた無尽の魔弾、受け切れるなら受けてみろ!」
 大地に捕らえられた謙信にもはや避ける術はなし。光の嵐を突き抜け、無数の青い魔弾が彼の身体に突き刺さった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神酒坂・恭二郎
「神酒坂風桜子一刀流・神酒坂恭二郎。参る」
堂々と名乗るのが【礼儀作法】だ。
小細工は通じぬ相手なのでただ挑もう。

浮遊する十の刃はスペース手拭いを万化させ、【おびき寄せ、残像、フェイント、敵を盾にする】で位置取りを用い、攻撃をずらして連携を乱すことで【見切り、クイックドロウ、ロープワーク、オーラ防御】を駆使してとにかく凌ぎつつ【力を溜める】。全回避は無理だが、毒と薬だけは避けたい。

黒と白の騎士を思わせる二刀は防げない。
故に挑む。
ここで溜めた風桜子の【封印を解く】で【捨て身の一撃、早業、カウンター】で刃を合わせる。
振るうは銀河剣聖の一刀。
それが真に至るか否かは己の【覚悟】次第だ。

「挑むぜ、軍神」


シン・コーエン
上杉謙信と戦えるとは戦人の誉れだ。己が全力で挑ませてもらう(謙信に一礼)。

十二刀の最後の二属性は「過去」と「未来」だろう。
時間を掛ければ手の内を読まれ、他の属性と併せて対処され、確実に不利になる。

最初から全力全開。初撃に全てを掛ける。

足の裏から地面に【衝撃波】を放ちつつ【ダッシュ】、その初速を利用して【ジャンプ・空中戦・空中浮遊・残像】による、翼もUCも無しに3次元的な軌道を行い、更に分身を生み出して幻惑つつ謙信に迫る。

敵の攻撃は【第六感・見切り・オーラ防御・武器受け】を組み合わせて避けるか受ける。

攻撃時には【自身への念動力】で更なる加速し、【2回攻撃、光の属性攻撃】にUC発動して斬り伏せる!



●交差する剣閃
「傷は深いが、立ち姿に乱れ無し……挑むませてもらうぜ、軍神」
「彼の武人と戦えるとは戦人の誉れ、己が全力で挑ませてもらう」
 神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)とシン・コーエン(灼閃の・f13886)、伝説の武人との戦いにどこか心を躍らせながらやってきた二人のフォースナイトは、軍神に刃を向ける。
 一人に対し二人で挑むなど武人としてどうかと思うかもしれない。しかし自らの死期を悟り、この一戦に全てを賭けた上杉謙信の放つ圧は一人ずつ挑むことが逆に不作法だと二人に語り掛けていた。
「神酒坂風桜子一刀流・神酒坂恭二郎」
「刀八毘沙門天が化身、上杉謙信」
「灼星剣担い手、シン・コーエン」
 互いに名乗り、武器を構える。すぅっと、誰かが息を吸った音を皮切りに、三人は一斉に動き出した。
 最速はシン。足の裏から衝撃波を放った彼は圧倒的な初速で空中に跳び上がると、残像の軌跡を残しながら見えない壁を蹴るようにして三次元的に飛び回る。彼を迎撃しようと謙信が十の毘沙門刀を同時に動かした瞬間、恭二郎の手拭いが伸びた。
 火と氷、風と土、光と闇。相反する属性同士の毘沙門刀を衝突させ動きに差を付けると、シンは身を捻りながら毘沙門刀の間をすり抜ける。
 恭二郎自身も毒と薬の刀を手拭いで絡めとり無力化すると、水と樹の毘沙門刀を弾いて謙信の懐に潜り込む。相手を挟み込むように相手を陣取った二人の猟兵はタイミングを合わせ、同時に剣を振るう。
「ディアブロ」
 白い剣閃が走る。後から放ったはずの剣はシンが攻撃を行う前に彼の身体を袈裟斬りにし、背後から来た斬撃を見ずに躱した謙信はもう一振りの名を告げる。
「アンヘル」
 黒い剣閃が走り、恭二郎の身体に付いたこれまでの傷が一斉に開く。
 かつてその名を冠していた騎士達と同じく、最後の二本に宿る属性は未来と過去。確定した未来を引き寄せる力と過ぎ去った過去を表出させる力。その直撃を受けた二人の剣士は倒れ込むようにぐらりと身体を揺らすと、咄嗟に前に出した足でその身体を支えた。

 過去を開く一撃を受けたせいか、かつての師の姿がハッキリと思い出せる。今ならば、さっきよりもいい一振りが出来そうだ。
 必中する軍神の一振りは強烈だが、まだ身体は動く。念動力で強引に身体を動かし、たとえ斬られようとも前へ。

 二人の剣士がまだ倒れていないことに気づいた謙信は再び刃を振るう。
 過去を開く黒の刃に対抗するは、剣聖が用いた始まりの一太刀。
 未来を定める白の刃に対抗するは、万物を両断する真紅の一刀。
 四つの剣閃が交差し、金属の砕ける耳障りな音が響く。一瞬の静寂の後、謙信が薄く笑みを浮かべた。
「やはり、戦場で死ぬ方が気持ちがいい」
 折れた刀を握り締めたまま、謙信の身体が灰のように崩れ落ちる。唯一残った毘沙門刀の鍔が、太陽の光を受けて鈍く輝いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月11日


挿絵イラスト