エンパイアウォー㉓~水晶散らし
●奥羽の武士達の奮闘
ゆら、ゆら、と、体を左右に揺らしながら、無数の人影がゆっくりと歩み寄ってくる。
それは、統制を失った水晶屍人達であった。
猟兵が、指揮官のオブリビオンを討ち取ったため、水晶屍人はもはや烏合の衆と言ってよい状態にあった。
――キリキリ、と音を立てて、弓が引かれる。それを持つのは、この地……すなわち奥羽の、武士達である。
「放て!」
号令と共に、一斉に、矢が水晶屍人達目がけて射られた。
頭や胸を射抜かれ、ぱたりぱたりと水晶屍人は倒れてゆく。
だが、それは、わずかに数を減らしたに過ぎない。
けれど、それでも。このように、遠くから攻撃を続けて駆除していく他、彼ら奥羽の武士達にできることはないのだ。
下手に接近し、噛まれてしまったなら、水晶屍人の仲間入りをすることになってしまうのだから。
●彼は語る
「短期間に、指揮官のオブリビオンを撃破することができたな!」
宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は親指を立て、にっと笑顔を浮かべる。
「そこで、だ。水晶屍人の掃討作戦を手伝ってあげて欲しいんだ。遠距離攻撃でちまちま撃ち続けるしかなくて、大変みたいだからな。猟兵なら、仮に噛まれても水晶屍人になっちまう心配はないし、素早く効率的にガーッとイケるだろ?」
それに、と拓未は付け加える。
「猟兵が水晶屍人を多く掃討できりゃ、奥羽の武士達が、幕府軍に援軍として加わることもできるはずだぜ」
つまり、より効率良く水晶屍人を片付けられる猟兵が奥羽の武士達の仕事を減らし、余裕を作ることで、幕府軍に合流してもらうというわけである。
「心強い味方が増えるってわけだ。この作戦、一丁よろしく頼むぜ」
拓未はそう締めくくり、サムライエンパイアへ猟兵を転送する準備に入った。
地斬理々亜
地斬です。
今回もよろしくお願いします。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
シナリオの目標は、数百体いる水晶屍人の全滅です。
冒険フラグメントです。ガンガン、カッコ良く無双してください。
このシナリオに成功する事で、1000名の奥羽武士が幕府軍に合流して戦力が増加します。
それでは、良き戦いを。
第1章 冒険
『水晶屍人掃討戦』
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POW : 多数の水晶屍人の群れに飛び込み、体力の続く限り暴れまくる
SPD : 群れから逃げ出そうとする水晶屍人を発見し、逃がさないように掃討する
WIZ : 策略を駆使して、多くの水晶屍人を逃がさずに殲滅できる状況を作り出す
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二天堂・たま
やれやれ…どんどん感染して数を増やす敵と言うのは厄介だな。
まぁ生命体の埒外にある猟兵なら大概の事態には対応できる。
とりあえず広範囲に攻撃できるUCで、出来るだけ多くの水晶屍人を倒さなくてはな。
UC:ピヨの波動でどんどん倒していこう。
ド派手なビームや嵐を呼べるわけではないが、山林を荒らさない分後始末はラクかな?
どうせなら別のUC:タイラント召喚の相棒に騎乗して威力を上げておくか。
互いの戦闘力を強化するし。
槙島・未幽
絡みOK
目的
水晶屍人を蹴散らし再起不能にする
来る前に、兵士達から『巨大な物』がないか聞いておくか
屍人掃討に使いたいからね
さて、まずは奥羽の兵側からこの光景を見よう
「わー水晶屍人が、こうも大群を成すと壮観圧巻。やー怖い」
『見えない射手』で運んできた巨大な物に乗って、水晶屍人の群れに突入だ
「通ります!通ります!通りますよ~」
「何だか孫悟空みたい」
「本当は、隕石でも降らしたかったんだけど、うっかり小惑星を落として辺りを焼け野原にしたくないんでね。・・・・・牽き倒すなんて方法しか思い付かなくて、ごめん」
●掃討開始
「わー水晶屍人が、こうも大群を成すと壮観圧巻。やー怖い」
戦場の、奥羽の武士達が控えている側から、敵の群れを眺めて言うのは、槙島・未幽(流星召喚(スターコール)・f20363)だ。彼女の表情は、言葉の内容とは裏腹、さほど恐怖を感じているようには見えない。
「やれやれ……どんどん感染して数を増やす敵と言うのは厄介だな」
未幽の隣の足元には、青みがかった灰色の毛のケットシーが一人。二天堂・たま(神速の料理人・f14723)である。
「だが、まぁ、生命体の埒外にある猟兵なら大概の事態には対応できる。行こう」
未幽へ言葉をかけたたまは、もふもふしたひよこの群れ――タイラントを召喚し、騎乗。相棒と自分自身、互いの戦闘力を強化した。
「そうだね。頑張ろうか」
たまへと応じた未幽は、近くの大岩に上る。掃討に使う物として、彼女がユーベルコードで運んできた大岩だ。
「ワタシが先に行こう」
たまは未幽の傍から離れ、できる限り多くの水晶屍人が攻撃の射程内に入るように、大きなひよこの上に乗って移動すると、大きく息を吸い込んだ。
「ぴよーっ!」
たまは叫ぶ――気合を放つ。すると。
「ぴよーっ」
水晶屍人達が叫び返した。
そんな叫びを水晶屍人が上げるはずがない? 否。これは、『常識を塗りつぶすピヨの波動』なのだ。水晶屍人は『ぴよーっ』などと叫ばない、という常識さえも塗りつぶす波動。そんな、たまのユーベルコードなのである。
叫び返した水晶屍人達はたちまち、疲労したかのように、ぐったりと、その場に崩れ落ちてゆく。
「通ります! 通ります! 通りますよ~」
さらに、未幽が上に乗った大岩が水晶屍人の群れに突入してきた。まだ立っている水晶屍人ははね飛ばされ、倒れた水晶屍人は地面との間ですり潰されていった。
「なんだか孫悟空みたい」
ユーベルコード『見えない射手』によって、大岩をサイキックエナジーで操作しながら、未幽は呟く。今の自分の姿は、さながら、筋斗雲に乗った、かの英雄に見えるだろうかと、そんな風に思いながら。
「本当は、隕石でも降らしたかったんだけど」
あらかた周辺の水晶屍人を片付けた未幽は、たまの近くに大岩を寄せる。
「うっかり小惑星を落として、辺りを焼け野原にしたくないんでね」
「同感だ。ワタシも山林をあまり荒らしたくないとは思っていたんだ」
たまは未幽へと言葉を返す。それから未幽は、水晶屍人の残骸に、視線を向けた。
「……轢き倒すなんて方法しか思いつかなくて、ごめん」
未幽の金色の瞳が、わずかな間、伏せられる。
「謝る必要はない」
たまははっきりと言うと、水晶屍人の掃討を続けるため、ひよこに乗って移動を開始する。大岩に乗った未幽もそれに続いた。
大成功
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トルメンタ・アンゲルス
◎
※『』はベルトの音声
頭は落ちたのに、わらわらと湧いてますねぇ。
さぁ、武士の方々のために、露払いと行きますか!
行くぞ相棒!
変身、アクセルユニゾン!
『MaximumEngine――Mode:Formula』
相棒の宇宙バイクを攻撃力重視の装甲として変身合体!
超スピードのダッシュで敵陣に飛び込み、更に加速!
追撃のブリッツランツェで先制攻撃し、敵陣を突っ切ります!
物理法則を無視した軌道と、速さからくる衝撃波で一気に粉砕します!
突っ切ったらブレーキをかけて即座に反転し、残っている敵の方へジャンプ。
体を回転させながら地上へグリッタービームを放ちながら突き進み、更に殲滅しましょう!
萬場・了
お、今の攻撃スゲー派手でよかったな…
いけねえ、今は目の前だ
攻撃は【見切り】と【カウンター】で受け流すぜ
カメラで撮影しながら周囲の状況を【情報収集】&敵を【挑発】【追跡】
最期まで付き合ってやろうぜ【愉快な仲間達】!
出来るだけ相手にできる数を増やし、水晶屍人に勝てる強さでゾンビを配分
ああ……効率よく、やろうじゃん
さあ、てめえらの敵はここだ!!
お前らはなんだ、なんのためにこの戦場に立った!
敵にケツ見せてんじゃねえぞ!
逃げ出す足と恐怖心があるってんなら
俺のカメラで【恐怖を与える】ことで誘導していけるよな?
ふひひ、最期まで力の限りぶつかり合おうぜ!
俺がサイコーに熱く撮ってやるからよ!
●流星の輝き
「頭は落ちたのに、わらわらと湧いてますねぇ」
濃いスポーツサングラス越しに、トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)は水晶屍人の群れを見据えた。
「さぁ、武士の方々のために、露払いと行きますか! 行くぞ相棒!」
トルメンタは、相棒たる青い宇宙バイク、『NoChaser』へと呼びかける。応じるように、エンジン音が返った。
「変身、アクセルユニゾン!」
ポーズを決めて、彼女はユーベルコードを発動する。
『MaximumEngine――Mode:Formula』
変身用ベルトから機械音声が流れる。それと共にバイクが変形して、トルメンタと合体してゆく。それが終われば、青の装甲を全身に纏った猟兵がそこに立っていた。
トルメンタは、超加速しながら敵陣に飛び込んでゆく。彼女はユーベルコード、『追撃のブリッツランツェ』で先制攻撃を行う――亜光速のダッシュから放たれたのは、物理法則を無視した軌道の飛び蹴り。それが、水晶屍人を文字通り蹴散らしてゆく。
敵陣を突っ切るトルメンタの、凄まじい速さに伴う衝撃波は、周囲の水晶屍人を粉々に吹き飛ばした。
突っ切った後、ブレーキをかけ反転したトルメンタは、残った敵の方へ跳躍する。彼女の胸部に、力が集まってゆく。トルメンタは体を回転させながら、地上へ向けて、それを撃ち放った。
「グリッタァァァ、ビィィィィム!!!」
純粋な破壊の力として放たれた、輝くビームに薙ぎ払われ、水晶屍人達が塵に返ってゆく――。
●水晶屍人VSゾンビ兵
「お、今の攻撃スゲー派手でよかったな……」
萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)は、遠目にトルメンタのビーム攻撃を眺めながら呟いた。
「ガアアァ!」
水晶屍人が、了に食らいつかんと迫る。
「いけねえ」
目の前に集中せねばと思い直し、攻撃を見切って回避した了は、カウンターとして、愛用ビデオカメラを水晶屍人に向ける。仮初めの命さえも力として奪う、呪いのカメラに撮影された水晶屍人が、倒れ伏した。
「最期まで付き合ってやろうぜ、『愉快な仲間達(ナイス・オブ・ザ・デッド)』!」
了が、キャストを紹介するかのように、手のひらを上に向けた腕を横に差し出せば、44体の戦闘用ゾンビ兵が現れた。
「ああ……効率よく、やろうじゃん」
了は、水晶屍人に勝てる強さを推測して、ゾンビ兵を合体させてゆく。額の数字が合計され、強くなったゾンビ兵達が、水晶屍人へと襲いかかっていった。
「さあ、てめえらの敵はここだ!! お前らはなんだ、なんのためにこの戦場に立った!」
了は水晶屍人に向けて、挑発の叫びを上げる。
恐怖を刻む呪いのカメラを向けられた水晶屍人は、のろのろと了に背を向けようとした。
「敵にケツ見せてんじゃねえぞ!」
了は叫ぶ。背を向けたその水晶屍人へ、ゾンビ兵が食らいついた。
「ふひひ、最期まで力の限りぶつかり合おうぜ! 俺がサイコーに熱く撮ってやるからよ!」
了はカメラを回し続ける。消えた兄がしていたことを、なぞるかのように。
大成功
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フロッシュ・フェローチェス
さて、後始末と行こうか……。銃を広範囲モード【殲銃形態】に移行。
先制攻撃はこれによる、散弾の弾幕だ。広域にばら撒こう。
亀裂を作ったらそこへ突撃。銃は通常モードに戻し、速射二回攻撃を基本に牽制して、蹴りの打撃で叩き潰して行こう。
ある程度内まで突っ込んだら次はダッシュでの攻撃に切り替える。短刀・碧穿炉を用いて切り裂いていこう。
敵の数が数だ……残像すらブレるほどの早業で、次々倒していかないとな。
体力的に不安が出てきたら、敵を盾にして隙を作り、一度ジャンプ。そのまま空中でUCを発動だ。
着地時にメカブーツからの衝撃波で吹き飛ばす――力業も割と嫌いじゃなくてさ……さあ、最後の大暴れといこう。
※アドリブOK
●神速殲滅
「さて、後始末と行こうか……」
フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は、三連散弾銃型ガジェットの補助術式を起動した。銃は即座に変形し、広範囲モードである『殲銃』の形態となる。
フロッシュは銃口を敵の群れに向けると、散弾で弾幕を張った。多くの水晶屍人達が弾丸に体を砕かれ、吹き飛び動かなくなる。
敵の数が減った箇所へ、彼女は、銃の形態を戻しながら突撃した。速射・連射の射撃は、牽制。本命は、蹴りである。水晶屍人が、頭を叩き潰されてゆく。
さらに、フロッシュは、武器を『短刀・碧穿炉』に持ち替えた。駆け抜け、残像さえもブレるほどの早業で、一体、また一体と、敵の首を深く切り裂き、仮初めの命を終わらせていく。
「……ハァッ」
呼吸を整える。敵の数が多いため、体力が保つかどうか、胸に不安がよぎった。
水晶屍人達は、すかさず彼女へ群がろうとする。フロッシュは、敵の一体を引っつかむと、盾にした。
その隙に跳躍。そのまま彼女は、空中でユーベルコードを発動する。
翠碧烈爪『ザ・レグルス』――彼女の手元に生み出されるのは、あまりにも巨大な、熱爪刃だ。
轟音を伴い着地。メカブーツからは衝撃波が発生し、敵を吹き飛ばした。
「力業も割と嫌いじゃなくてさ……」
彼女は熱爪刃を構えた。
「さあ、最後の大暴れといこう」
その刃を、水平に振り回す。面白いように、水晶屍人の体が上下に分割されていった。
「――終わった、か」
フロッシュは呟く。水晶屍人はもう、一体たりとも残っていなかった。
猟兵達は、水晶屍人の殲滅に成功したのである。余裕ができた奥羽の武士は、力になってくれることだろう。
大成功
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