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マハロ・ヌイの夜宴

#アックス&ウィザーズ #挿絵 #ヒューレイオン #宵闇の騎士団

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#宵闇の騎士団


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●青光香る夜
 アックス&ウィザーズ。セントベリオ地方。
 草原が広がり、恵みの森の近くでは様々な人種が住まう集落があった。
 この辺りには年に一夜だけ、咲く花がある。
 白、蒼、紫、花の色はそれぞれだが、花たちは空中に青の燐光を飛ばす。
 昼に芽吹き、夜に咲き、朝には枯れるその花は、その地に暮らす人々にとって節目の花でもあった。
 今までありがとう。
 これからもよろしく。
 とある世界の人が見れば、それは一年の節目だと気付く。
 一夜の花を観賞し、夜市が開かれ、宴もまたあちこちで開かれるこの祭りに参加するために、遠くからやってくる者もいる。
 マハロ・ヌイを合言葉に。
 自然の恩恵に感謝し、営みに感謝し、たくさんのありがとうを込めた夜。
 その日を迎えるために、十全に備える人々――しかし、それを脅かすモノが、訪れようとしていた。


 グリモアベースに入った猟兵たちを迎えたのはポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)だった。
 挨拶もそこそこに、本題へと入るポノ。
「早速だけど、皆さんにはアックス&ウィザーズ世界へ向かってほしいの」
 セントベリオ地方の集落で、一夜の宴の準備が進められているのだが、そこへ宵闇の騎士団が襲撃にやってくるという。
「でも宵闇の騎士団の狙いは、集落を越えた先にある森なの。恵み豊かな森でね、恐らくは資源を奪いに来たのだと思うわ。
 集落が通り道にある以上、蹂躙されるのは必然」
「ひとまずは、集落の外で宵闇の騎士を迎え撃ち倒していけばいいんだね?」
 猟兵の声にポノは頷く。
「そこで終わりお疲れ様! って言いたいところなのだけど、現在、森の方にも異常があるのよ」
 幻獣ヒューレイオンが棲息していることが分かったのだ、とポノは言う。
 森の奥深くから、幻獣ヒューレイオンが発生させた樹海が混ざり合うように侵食しているとのこと。
 幻獣ヒューレイオンは木々を芽吹かせる能力を持っており、樹海の守護者とも言われているが、一方で、小枝一本を折っただけの者でも執拗に追跡して凄惨な復讐をするという苛烈な面も持っている。
「幸い、集落で定めた採取場までは侵食していないのだけど、まあ、宵闇の騎士団が森を蹂躙しにくる以上、争いは必然的に起こってしまうのよね」
 その結末は容易に想像できるだろう。
 幻獣は怒り、騎士団は迎え撃ち、森は壊滅――周囲には甚大な被害が起こる。
「幻獣狩りは凄腕の冒険者向けに、酒場の依頼として出ることもあるけれど、今回は宵闇の騎士団との争いの勃発と――猟兵の皆さん向けの依頼よね。
 慌ただしくなりそうだけど、どうか、よろしくお願いしたいの。
 住民が楽しみにしている、お祭りのためにもね」
 そう言ってポノはグリモアを煌かせた。
 猟兵たちは、アックス&ウィザーズの世界へと目を向ける。
「到着は集落外。数分後に宵闇の騎士団が現われるわ。
 その後は、幻獣の討伐。
 戦いが無事に終わったら、皆さんも一緒に一夜の宴に参加しましょう」
 ――ご武運を、とポノは猟兵たちを送り出すのだった。


ねこあじ
 こんにちは、ねこあじです。
 今回はよろしくお願いします。

『集落の外で宵闇の騎士団を迎え撃つ』
『森の奥深くで幻獣の討伐』
『お祭り』

 の、三章です。
 時間帯は第一章は夜。
 第二章は恐らく日中。
 第三章は夕方辺り~夜かなぁと。

 三章部分はお祭りの準備を手伝ったり、お店を出したり、参加して楽しんだりとしてください。
 お祭りは、不思議な花の鑑賞(集落の一画あちこちと、集落外に花畑もあります)、露店では伝統工芸や鉱石を加工したお守り、焼きたてのお肉や集落で作るドレッシングを使った野菜盛り、ベリーを使ったプティングやその他スイーツ系などがあるでしょう。
 各地方から屋台を出しにきた商人さんもいるので、結構様々です。
 誰かと一緒にお祭り参加する方は、お相手のお名前と(出来ればIDも)、または【団体名】があると迷子の可能性もなくなります。
 ちなみにポノは波長の合う鉱石探しをしています。

 第一、第二の戦いは、書けたら早めに書いていきます。
 第三は、ゆっくり書いていく感じです。
 それではプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『宵闇の騎士団』

POW   :    闇討ち
【自身以外に意識】を向けた対象に、【死角からの不意打ち】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    追討ち
【周囲に潜ませていた多数の伏兵】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    返討ち
いま戦っている対象に有効な【武器を持った多数の援軍】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 冷え冷えとした夜の空気が、猟兵たちを包みこむ。
 夜深く、星々は空に煌き、集落の方向にはぽつりぽつりとした灯。
 刹那、空が鳴いた――否、怨嗟のような声が響き渡ったのだ。
 地が鳴り、宵闇の騎士団が迫ってきていることに猟兵たちは気付き、武器へと手を掛けた。
箒星・仄々
心情
青光香る夜とは素敵ですね~
とっても浪漫チックです♪
夜に輝く青の燐光を早く見てみたいです!

その為にも集落の人々を森を
お守りしましょう

手段
Kリートを奏で歌い仲間を鼓舞します
皆さんを
未来をお救いしましょう!
:歌唱&破魔&楽器演奏&祈り&優しさ&勇気&手をつなぐ

魔法を使い闇に溶けるように姿を隠した後
一気に残像分身して騎士団へ一斉攻撃!
小柄な体を活かして得物をかいくぐり懐に飛び込み
トリニティで攻撃力を高めたKナーゲルで
炎のレーザーの如く鎧を貫きます
(迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し)

敵攻撃は迷彩&残像&早業&見切りで回避

ここは絶対に通しません!


黒崎・颯也
何処の世界でもお祭りというのは良いものですねえ。
うきうきします。
……僅かながらでもご相伴に預かれるよう、しっかり討伐していきますか。

「黥利目」を発動させて「暗視」可能な状態で宵闇の騎士団を待ち受けます。
さらに「視力」+「先制攻撃」で、敵の接近にいち早く対応できるよう
注意を払って周囲を警戒します。

最初は多数の敵が相手の戦闘となるようなので
戦闘開始時はまず
「怪力」+「なぎはらい」+「鎧無視攻撃」+「破魔」+『剣舞』で。
数を減らしていく方針でいきましょう。
他の猟兵には鎌鼬は当たらず、すり抜けます。

防御に関しては
「見切り」+「カウンター」+『剣舞』で。
所謂「後の先」です。
動きに合わせて斬り返します。


フィリオ・グラースラム
にゃんと…
騎士団を名乗りながら、人々の助けになるどころか
虐げるなど…酷すぎますの
騎士とは、人を守るもの!
それ無くして騎士を名乗るなど、許しませんにょ!…許しません、の!

闇討ちとはどこまでも卑怯な…
皆さんが不意討ちされないよう
戦場を見渡し、
闇討ちされそうな人や、援軍に囲まれそうな人を守りに動きますの

離れた場所でもトリニティエンハンスで
素早く駆け付けてみせますの

雪ちゃん(ドラコンランス)は、今回はドラコンの姿のまま
フィオの背中を警戒してもらいますのよ
敵が近付いてきたら、威嚇して教えてくれますの

正しき騎士に、卑怯な手にゃど通用しないと
教えてあげますにょ!



宵闇の騎士団。
 その出自は、様々な噂が飛び交うものの依然として知れない。
 だが明らかなのは殆どが闇纏う時間に動くというもの。
(「騎士団を名乗りながら、人々の助けになるどころか、虐げるなど……酷すぎますの」)
 フィリオ・グラースラム(煌氷の刃・f10324)の目指す気高き騎士。それに悉くとして反する宵闇の騎士は、フィリオにとって、到底許せるものではなかった。
『オオオオォォォォ――』
 びりびりと空を伝わる声、響く地の鳴りは熟練の猟兵ならば彼我の距離を知ることもできるであろう。
 黒崎・颯也(酔生夢死・f04766)が黥利目を発動すれば薄らと赤の紋様が浮かぶ。
 果てなく広がる闇の世界も、颯也の暗視に意味をなさなくなった。
 視力は遠く敵の一団を捉え、颯也は周囲の猟兵へと警戒を促す。
「皆さんを、未来をお救いしましょう!」
 蒸気機関式竪琴・カッツェンリートを奏で、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が猟兵たちを鼓舞する。
 護るという志、敵へと立ち向かう心、猟兵たちの気迫は破魔の如く。
 颯也は微笑む。
「ええ、しっかりと討伐していきましょう。まずは騎士団を止めねばなりません」
 敵方が駆ける速度はそれほどでもないが、勢いがあり、すり抜けられる可能性は十分にあった。
 位置取り、タイミングなど、先手は既に取っている。
 初手、仕掛けるのは颯也だ。
 黒の拵え、無銘刀を抜いた彼は風纏うような軽やかな一振りに力をのせる。
 軽重を主に計算された斬線は、薙ぎ払うものであった。鎌鼬が放たれ、十六メートル半径内を斬り裂く。
 まともに喰らった数体がその衝撃に飛び、間を置いて砕けた鎧が降れば、後ろに続く宵闇の騎士を巻き込む。
 土埃と共に彼らの脚は止まった。
「敵襲ゥゥッ!!」
「「「迎え撃てェェッ!!」」」
 敵の『声』がハウリングし、一斉に鎧音が立つ。
 そこへ、魔法を使って闇に溶けるように身を隠した仄々が――早駆ける残像。
 それはまさに一斉攻撃の光景。
 小柄な体を活かし、敵陣へと飛びこんだ仄々は、騎士たちの一振りを掻い潜り、カッツェンナーゲルで敵胴を貫いた。
 懐に入った仄々の刺突は、炎のレーザーで撃ち抜くが如くの速度。その余勢をかって更なる敵へ返す剣は、見事に四肢を繰る仄々の技故のもの。
 然しながら意識が他へ向いた仄々の死角を取る騎士。重量級の武器を軽々と振りかざすのを封じにかかるのはフィリオだ。
 トリニティ・エンハンスで強化跳躍し、敵の武器を魔法剣で叩き弾く。
「闇討ちとはどこまでも卑怯な……」
 それでも敵騎士の闇討ちからの一撃は命中力も、そして垂直に振り下ろされる衝撃も大きい。
 ケットシーたちが戦場を飛び交うように動く。
「騎士とは、人を守るもの!
 それ無くして騎士を名乗るなど、許しませんにょ! ……許しません、の!」
 小型ドラゴンの雪ちゃんが威嚇の声をあげ、危機をフィリオと仄々へと教えてくれる。
 止まらぬ仄々は残像を場に、体格を活かし降ってくる攻撃を避けていく。
 多勢のなか遠心に身を任せ続けるという、立ち回りを行う颯也が返し刃で剣舞を放った。
 鎌鼬は猟兵をすり抜け、騎士を穿つ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アルバ・アルフライラ
ジジ(f00995)と
マハロ・ヌイ――なるほど、感謝の詞か
祭は良い、渇いた心を癒す尊い物だ
それを理解出来ぬとは無粋よな

無事、使命を果した暁には鱈腹食わせてやる
故に良きに計らえ、我が従者

後方にて描いた魔方陣より【死霊騎士】を召喚
不意を狙われては厄介故、ジジの死角や隙を補うよう命じる
極力敵の攻撃は見切りにて回避させ防御の場合もカウンターで一矢報いよう
伏兵は叶うならば誘導弾でジジ付近へ誘導
範囲攻撃で一網打尽にしてくれる
然し…援軍とは騎士共め、要らぬ知恵を付けおって
使い方を理解される前に片付けるか…又はジジと弱点を補わせ合うか
彼奴は力は随一だが繊細な戦いを苦手をするからな
其処を補うのも主の責務だろうよ


ジャハル・アルムリフ
師父アルバ(f00123)と組み

…此の手合い相手ではな。師父は後衛を頼む
さぞや美しい祭だろう、途絶えさせてはなるまいよ

それに、祭の飯は美味い

しばし遊ぶか、虚ろの兵
斃すまでは一瞬たりと貴様から目を離すまい

防御力を活かし、前で十分引き付ける
基本【竜墜】で攻め込み、伏兵もろとも足元の破壊で体勢を崩しながら応戦
怪力も最大限活用して鎧ごと砕き潰さんと

討ち漏らした伏兵の気配には【まつろわぬ黒】で撃墜、または位置を把握後
師父の誘導弾、範囲攻撃に重ねることで確実に

援軍には師父死霊と補い合えば多少はマシであろう
不利となったならば耐え、カウンターで返し
ついでに生命力も喰らってやりながら永えればいい


城島・冬青
【ラグランジェさん(f00432)と一緒】

今度は騎士退治ですね、よろしくお願いします

闇討ち狙いで行動

敵がラグランジェさんへ意識を向けている時を狙って死角から死神の矢で攻撃していきます
ほらほらよそ見注意ですよ!

暗闇で相手を視認出来ない場合は持参していた光源(ハンドライト)を使用し
敵の位置を確認します

光源に気付かれ接近されたら
一定の距離まであえて近寄らせ
ライトを投げつけ怯むませる、もしくは
相手が投げたライトに意識を向けた一瞬を狙い攻撃します!

不意打ちには聞き耳を使い
死角から攻撃されないよう努めますよ
死角から攻撃する作戦なのにやり返されたら恥ずかしいですもんね…

油断せず倒していきましょう!


アヤネ・ラグランジェ
【冬青f00669と一緒】僕は囮役かな?おっけーUDCの力、見せつけてあげるよ!夜間戦闘用にヘッドライトを装備。マッチも用意していこう。戦闘開始と同時に電脳ゴーグル展開。武器は記憶消去銃。記憶消す必要ないから火力が最大でいいね。敵が目の前に来たらマッチを一本火をつけて相手の目の前にポトリと落とすよ。「僕の魔法がわかるかい?」同時にユーベルコード発動「謎でも喰らえ!」魔法でもなんでもないけど、この世界には似合ってるでしょう?敵が多数現れたとしてもやる事は一緒だネ。
戦闘が終わったらソヨゴの姿を探すよ。無事を確認できたら「無事でよかった」と微笑みかけるネ


ビスマス・テルマール
お祭りを荒らして
火事場泥棒とは

祭りと言う文化の破壊行為
を含め捨て置ける案件では
ないですよね

●POW
トリニティ・チルドナメロウで
攻撃力を重視で発動

それによる
冷やし孫茶バリア展開で
『盾受け』で闇討ちに備え

仕掛けてきたら
ユーベルコードの効果で
追加された
冷凍クロマグロソードで
『2回攻撃』で返り討ち

追い討ちには
冷やし孫茶バリアで
『盾受け』の後に
アームドフォートの
『誘導弾』と『一斉発射』の併用で一掃

仲間と連携と声かけ
を常に心掛け

此方から仕掛ける場合
仲間を支援する形で
すぐ攻撃が届く距離なら
冷凍クロマグロソードの『2回攻撃』でなければ
アームドフォートの『誘導弾』と『一斉発射』の併用


●アドリブ掛け合い絡み大歓迎


河原崎・修羅雪姫
「お花か……やっぱり綺麗なお花は良いわねぇ」
先日某所で見た、風にそよぐ花畑を思い出し、
漆黒の髪をなびかせ、一人微笑む少女(修羅雪姫)

「まずは宵闇の騎士団を何とかしなくちゃねぇ」
POWで闇討ちに参加。
愛用の銃【20mm口径リボルバー・フリークスハンター】に、
【特殊弾】を装填。

「悪いけどぉ。そんな鎧なんて紙切れ同然よぉ」
【2回攻撃】【鎧砕き】【吹き飛ばし】で、
騎士団を文字通り吹き飛ばして回る。

相手が闇雲に突撃してくる前に、
【内蔵ロケットワイヤーアンカー】【罠使い】で、
即席の足止め罠を作り、騎士がそこに突入してきたら、
転ぶように仕掛け、待ち伏せ。

上手く転べばヴァリアブル・ウェポンで追撃する。



「マハロ・ヌイ――なるほど、感謝の詞か。
 祭は良い、渇いた心を癒す尊い物だ。それを理解出来ぬとは無粋よな」
「さぞや美しい祭だろう、途絶えさせてはなるまいよ」
 アルバ・アルフライラ(双星の魔術師・f00123)を背に、ジャハル・アルムリフ(凶星・f00995)が応じた。
 それに、と呟く。
「祭の飯は美味い」
 従者の言葉に、く、とアルバは笑んだ。
「無事、使命を果した暁には鱈腹食わせてやる。故に良きに計らえ、我が従者」
 まずまずの初手となった戦場後方、アルバは魔方陣を発動させた。
 下馬状の騎士は鎧をぶつけ合い戦うもの。
 肉弾戦に持ち込まれれば、いくら猟兵とてひとたまりもない。
 盾ともなり死角を補う死霊騎士をアルバは召喚し、向かわせた。
 彼の技を写す死霊騎士が、敵騎士の攻撃を見切り、その身を返し刀に斬り込んでいく。
 頭脳や絡め手で、どこまで敵騎士を落としていけるか――。
「UDCの力、見せつけてあげるよ!」
 囮役をかって出たアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)はヘッドライトを装着し、煌々とした明かりを放つ。
 彼女の視界は超高度コンピューター内臓のゴーグルを介す、電脳世界。数値化もされる視界では、鎧音を立て明かりへと意識を向ける宵闇の騎士たち。
 にこりとアヤネの口元は弧を描く。
 次いでシュボッとマッチの炎。摘んでいたそれを、アヤネはポトリと落とした。
「僕の魔法がわかるかい?」
 その行動、言葉の意が宵闇の騎士には掴めない――故に、生じた疑問へ応じる力が蠢き始めた。
「謎でも喰らえ!」
 アヤネが疑問を糧に召喚するは、紫のかたまり。ひゅ、と空を切りかたまりが触手を放つ。
 同時に動いたのは城島・冬青(朝星の唄・f00669)。
「切り裂け、疾風!」
 冬青が武器を振るい切っ先を一団へと向ければ、放たれるカマイタチ。
 位置は死角、命中力を補った形の死神の矢が騎士の鎧を貫いたのち、紫の触手が絡みつき、敵胴を縛り上げた。
 とはいえ敵もやられてばかりではない。
 数体がアヤネへと向かい、攻撃を繰りだそうとするなか、重低音ある角笛の音が鳴り響き、多数の援軍が出現する。
 出現した身の丈ほどの盾を持つ騎士は、宵闇の騎士団とは違う存在なのが目に見えて分かった。夜の世界に慣れた猟兵の目に映るのは、闇深く、のぼりたつ霧状の残滓。
 死神の矢を弾き、触手を防ぎ、盾で猟兵を直に打ってくる肉弾戦。
「冷製なめろう武装転送っ!」
 カードを挿入したビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)が 『Namerou Hearts Chilled!』の機械音とともに冷やし孫茶のバリアを展開させた。
「ここは、お任せをっ!」
 渾身の一撃となる盾を受け、弾いたビスマスは全身鎧装ディメイション・なめろうブレイカーの砲口を敵陣へと向けた。
 誘導弾数発を一斉に発射し撃ち抜けば、盾を持つ騎士は瞬時に掻き消える。
 そして新たな死角からの攻撃を、冷やし孫茶のバリアが受けた。振り向き様にビスマスが繰り出すは冷凍クロマグロソード。斬り上げた姿勢から、一気に垂直に振り下ろす。
「さあ、今だっ」
「ほらほら、よそ見注意ですよ!」
 アヤネの紫の触手が敵を締め上げ、へこみ弱体化する板金へ冬青が死神の矢を放てば敵鎧が一気に砕け散った。
 盾を受け流し、組み付き敵騎士を投げる死霊騎士。
「然し……援軍とは騎士共め、要らぬ知恵を付けおって」
 アルバが呟いたその時、戦場に鎧音よりも重い音――重火器装填音が立つ。
 駆けつけた猟兵の一人、20mm口径リボルバー・フリークスハンターに特殊弾を装填した河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)は、妖艶でありながらどこかあどけない笑みを浮かべた。
「悪いけどぉ。そんな鎧なんて紙切れ同然よぉ」
 間断なく撃ち放つそれは最早砲弾であり、それを受けた騎士鎧はひとたまりもなく砕かれ、板金甲冑が吹き飛んだ。
 修羅雪姫は一体一体を吹き飛ばして回る。
 その煽りは、宵闇の騎士団にしてみれば、いわば大きな鉄くずが自陣に飛んでくるようなもの。
 そこへ更に突っこんでいくのはジャハルだ。
 竜化し呪詛を纏った拳を叩きつければ、共に一気に放たれる圧が周囲の地形を変化させていく。
 鎧を無視する一撃は板金を潰し、闇なる魂を砕いた。
 クレーターと化す攻撃に、瞬時に飛び退いたケットシーたちが降下の勢いと共に騎士たちへ攻撃を仕掛けた。
 勝機は一気に猟兵たちの方へと傾き、宵闇の騎士団がみるみると減っていく。
 重量級の物体を上回る、重量級の攻撃が重なった結果だった。
 その時、ヒヤリとした感覚が猟兵たちを貫いた。
 死角、ジャハルを狙う下段からの斬線を、死霊騎士がその身で受ける。何とも言えない消失の感覚に、アルバが新たな魔方陣を起こした。
 弧を描くように新たな死霊騎士が駆ければ、通り過ぎ様に宵闇の騎士が反応する。次いで追い誘導される揺らぎたつ気配――伏兵である。
 当てれば一撃で消失しうる存在ではあるが、数としては厄介であった。
「油断せず倒していきましょう!」
 そう声を上げた冬青が点灯した光源を――上空へと投げた。
 アックス&ウィザーズの世では眩しすぎる光。くるりと回るそれは空に高らかな筋を描き、宵闇の騎士の注意が逸れる。
「今です!」
 ビスマスが誘導弾を一斉発射し、死霊騎士が大きく振るった剣軌道から逃れた敵をジャハルが討つ。
 敵が作った隙は大きい。
 多方から瓦解する板金音。
 一気に畳みかける猟兵たちの攻撃に、宵闇の騎士は為すすべもないと判断したのか、
「つ、突っ切れェェェッ!」
「応!」
 それはどうにか元々の役目をこなさんと軍庭を突き抜けようとする騎士の声であった。その数、二つ。
 ザシリッ、ザシザシザシッと土を深く穿つ音がした。重戦車、否、小さな城塞二つが駆ける。
 ……駆け抜けようとした。
 叶わぬ瞬間は直ぐ。
 つんのめった騎士二体はズシャアアアッと土埃をたて派手にスライディングした――のを冬青がライトで照らし出してあげていた。
「あは、引っ掛かったわぁ」
 内蔵ロケットワイヤーアンカーで即席の罠を作っていた修羅雪姫の嬉しそうな声。
 結果、彼女の内蔵兵器とビスマスの冷凍クロマグロソードで二体は討たれたのであった。

 仄かに空が明るくなっていく。
「ソヨゴ!」
 呼ばれ、光源を消しながら冬青が振り向くと、手を挙げたアヤネが駆け寄ってきた。
 お互いに見合って、にこりと笑う。
「無事でよかった」
「ラグランジェさんも」
 暗いうちは気付かなかったけれど、二人ともあちこちに怪我がある。でも無事だ。
 見回せば他の猟兵たちも似たり寄ったりであった。
 戦いの気配が、完全に退いたことを察したのか、集落の自警がやってくる。
 この手の話に適切なのはアルバだろう。赴く彼に付き従うジャハル。

 夜戦は認識され、集落は猟兵たちを手厚く歓迎してくれる。
 水場を借り、休憩処を提供され、ひと時の安らぎを得た猟兵たちであった。
「火事場泥棒に荒らされずにすんで、良かったです」
 と、ビスマス。
 祭りと言う文化の破壊行為を含め捨て置けないと判断し、赴いたという彼女は、祭事準備の光景を見て言う。
 既に件の植物は芽吹き始めているようで、修羅雪姫は鉢に植えられた緑の苗を見せてもらう。
 どんな花が咲くのだろうか。
 先日某所で見た、風にそよぐ花畑を思い出して。
「お花か……やっぱり綺麗なお花は良いわねぇ」
 漆黒の髪をなびかせ、少女――修羅雪姫は微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「青光香る夜とは素敵ですね~。とっても浪漫チックです♪
 夜に輝く青の燐光を早く見てみたいです!」
 その為にも集落の人々を、森を、お守りしましょうと仄々が言えば、猟兵たちが頷いた。
 祭りを楽しむために。

「幻獣、ですか――退治していただけるとは、とてもありがたい」
 事情を聞いた長が、頷き言う。
「報酬は、そうですな。
 祭りを楽しむため来訪された方々に戦働きをさせてしまったお詫びを込めて、通常の報酬と加えて心置きなく祭りを楽しんで頂きたく存じたいと思うのですが……」
 つまり、祭りにおける支払いは不要、とのことであった。
 いや普通に払うから、と断る者はそれはそれで勿論歓迎である。
「どうぞ、幻獣の討伐をお願いいたします。
 ご武運を」
 そんなやり取りののち、猟兵たちは森の奥深くを目指す。

 入り口付近は朗らかともいえた森の光景は、進むほどに鬱蒼としていく。
 恵みの森といわれる場から、樹海と評される場へ。
 進めば、植物はその足取りに折れた。それは自然なことである。
 しかし、それを許さぬ存在がいた。
 歩めば発生する自然物。
 碧の煌かせ、凪ぎの色でもある瞳は怒りに染まり、苛烈であった。
「グ、グ、グ……」
 怒りゆえに咆哮がつかえたのか、低い唸り声が不気味でもある。
 幻獣・ヒューレイオンが猟兵たちへと襲いかかる――。
フィリオ・グラースラム
樹海を守るのは良い事ですけれど
樹海ではない所にも沢山の生き物がいるんですにょ
むやみに広げないで欲しいんですのよ
…言葉が伝わらないのは、寂しいんですにょ

攻撃は、蹄の一撃を警戒して
横に回り込むようにして行いますの

逆に敵に注目されてしまっているなら
正面から立ち向かいますにょ

正面の相手を蹄で攻撃しようとしたら、きっと足を振り下ろしてきますの
トリニティエンハンスで防御強化をして
地面に突き立てた雪ちゃん(ドラゴンランス)で受け止めて見せますにょ
皆様の攻撃のチャンスをきっと作ってみせるんですのよ

葉っぱの人間さんは
数字が1のうちに倒してしまいますの
氷の【属性攻撃】で凍らせれば、合体しにくくなると思いますにょ


黒崎・颯也
こちらの方がなわばりを荒らしているようで
若干気が進みませんが…
まあ里に下りてくる鹿や猪を狩るのとそう変わらないかな。

(あ、なんか突撃してきそう…角と蹄のある生き物だし
鹿を相手にするのと同じ感じでいけるかな。)

『ディープフォレスト・アベンジャー』を用いてくるならば
「視力」+「見切り」+「カウンター」+「怪力」+『鋼断ち』で迎撃。
刃を寝かせて蹄の一撃を受け止め、返す刀で角を叩き斬ろうと試みます。

……相当力というか気合い入れて受け止めないとこちらが吹き飛ばされそうですね…。


ビスマス・テルマール
今の不届き者の襲撃で
話に聞く森の守護者が怒りだした……と言う訳ですか

此れでは守護者たる幻獣を
止めないと意味が無いじゃないですかっ!

●POW
ビルド・なめろうビームウェポンを今回の幻獣に向いてる形態にして生成

今回の場合は
海亀のなめろうビームディフェンダー(ビーム盾剣)

動き回りつつ
アームドフォードで
誘導弾で牽制

ディープフォレスト・アベンジャーに対し、ディフェンダーのビームシールド部品で滑らせる様いなしながら回避を心掛け

回避ざまにビームソード部分で
『2回攻撃』し離脱

その際アームドフォードの
『誘導弾』と『一斉発射』の同時併用をお見舞い

仲間と連携や声かけも
心掛け敵の動きに注意を

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


河原崎・修羅雪姫
「うーん……幻獣ヒューレイオンは、樹海の守護者なんでしょぉ?」
「オブビリオンなら仕方ないけれど。
もし『特殊能力を持つ動物』ってだけなら、
森の奥に追い返すだけじゃだめなのかしらぁ?」

他の猟兵に説明して、キャッチ&リリースを試みてみる。

戦闘中に、【内蔵ロケットワイヤーアンカー】を射出。
【罠使い】で絡めて足止めし、
【ジャンプ】で背面に飛び乗り。
サイボーグの【怪力】で、幻獣ヒューレイオンの首を締めあげ気絶させる。

上手くいけば、樹海の奥に幻獣を返し、
「もう人里へ近づいちゃ駄目よぉ」と噛んで含める。

なお、討伐が避けられない場合は、
修羅雪姫は悲し気な顔をして【20mm口径リボルバー】を構える。
死闘開始。



――時間は少し遡る。
「うーん……幻獣ヒューレイオンは、樹海の守護者なんでしょぉ?」
 眉を顰めて、少し唇をとがらせて修羅雪姫が言う。
「オブリビオンなら仕方ないけれど。
 もし『特殊能力を持つ動物』ってだけなら、森の奥に追い返すだけじゃだめなのかしらぁ?」
 そうですね、と、のんびり思考し頷くは颯也だ。
「同じく。この場合、こちらの方がなわばりを荒らしているようで、若干気が進みませんが……」
 そこまで言って、うん、と一度頷いた。
「まあ里に下りてくる鹿や猪を狩るのとそう変わらないかな」
「そ、そういうものですか」
 と、ビスマス。宵闇の騎士団のせいでヒューレイオンが怒っているのかと思っていたのだが、現状は、騎士団の蹂躙は無事に阻止できたので、猟兵の方から退治に赴くというもの。
「うーん、守護者たる幻獣を討伐するのは気が引けますね」
 ビスマスが言った。心優しき少女たちは、森の守護者の討伐をせねばならないことに、悲し気な表情を見せている。
 考えたのち、颯也が柔らかく告げる。
「俺たち猟兵が対峙してみれば、オブリビオンであるか否かは分かるでしょうし。
 もし『特殊能力を持つ動物』であるだけならば、その時は考えましょう」
 伝えられている幻獣の猛追撃を逃れられれば、の話だが。
 その時、石にカツリと蹄を打ち、猟兵たちの前に幻獣が現われる。
 ――凪いだ瞳が、苛烈なものへと切り替わる。
 見た瞬間に猟兵を敵と認識する本能。骸の海から生まれ出た、オブリビオン。
 フィリオが話しかける。
「樹海を守るのは良い事ですけれど、樹海ではない所にも沢山の生き物がいるんですにょ。
 むやみに広げないで欲しいんですのよ」
 何も知らず踏み入れれば、その者に訪れるのは死。共存が出来そうで出来ない幻獣がヒューレイオンである。
『グオオオオォォォッッ』
 咆哮。
「……言葉が伝わらないのは、寂しいんですにょ」
 しょんぼりへにょんとするフィリオの猫ヒゲ。
(「あ、なんか突撃してきそう……角と蹄のある生き物だし。鹿を相手にするのと同じ感じでいけるかな」)
 慣れた様子で袖を捌く颯也。相手は巨躯ではあるが、突撃の仕種は同じはずだと判断した。
 ガカッ、と地を強く打ち、ヒューレイオンが突撃する。
 初撃が当たれば次も当たる。警戒する猟兵たちが散開するなか、颯也は真っ向勝負とばかりにやや腰を落とした。
(「……相当力というか気合い入れて受け止めないとこちらが吹き飛ばされそうですね……」)
 高らかに身を掲げた幻獣が猛威たる勢いで蹄を落としてくるのと、抜刀した颯也が刃を寝かせるのは同時であった。
 響き合うは鋼同士がぶつかる音。
 蹄はまともに喰らえば体を潰すものだ。
 しかし刀はひしゃげることもなく、すらりと芯ある姿――攻撃の受けを支え守り抜いたのは、フィリオと地面に突き立てられたユーキオーングランオルム。
「っ」
「!」
 呼吸を合わせ、徐に力を抜いた颯也が体勢を崩すヒューレイオンを身かわしに動くと同時に、腕に力を込め伝う刀で蹄を押し退けた。摺り足による適切な間合いが確保されるなか刃が立つ。
 フィリオもまたユーキオーングランオルムを手に、飛び退く。
 返す刀で角を叩き斬ろうとする颯也であるが、伸びた角が最適な斬線を封じた。
 耳を劈く音が響き、びりりと振動が刀を通し腕に伝わってくる。
 突撃を受けここまでたったの四拍。
 今だヒューレイオンの前脚は空にあり、ビスマスが間合いへ。
「生成開始っ! なめろうビームウェポンっ!」
 ビスマスが幻獣向きの形態を生成する。海亀のなめろうビームディフェンダーだ。
 降る蹄をビームシールドでいなし、くるりとその場で一回転。遠心に任せた振りをビームソードに乗せ、二度の攻撃を行ったのち、間合いから駆け抜けた。
 その際、誘導弾の一斉発射も忘れない。
 一連の動きを確りとサイバーアイで捉えていた修羅雪姫も20mm口径リボルバーを構える。
 その表情は悲し気であった。
 猟兵たちが戦闘を開始し、仕掛けるなか、ヒューレイオンは高らかに鳴いた。
 どこからともなく風の旋風――巻き上がる葉がヒトガタをとっていく。
 葉に刻印されるは若き数字。
 直ぐに対応したのはフィリオだ。
「凍らせれば、合体しにくくなると思いますにょ」
 氷の属性を纏う攻撃を繰りだした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジャハル・アルムリフ
師父アルバ(f00123)と組み
森を生む獣か
人里離れた森へ去ればよいものを

<地形を利用>し、しなる幹を蹴り跳んで蹄を躱す様
あるいは接近された瞬間<先制攻撃>を叩き込み直撃を避ける

…森を害するわけにはゆかぬ故、な

攻撃は広範囲に及ぶものを避け
【ドラゴニアン・チェイン】で行い鎖を繋ぐ
植物人間が合体しそうになればそいつの
またはヒューレイオンの鎖を怪力で引いて倒し激突させる等を狙う
距離が開いたところを師父に狙って貰うとしよう

斃しきれぬ妖精は野生の勘を利用し気配で祓う
足りぬなら【竜血咒】で自己強化を図る
――ひとりで良い格好をするな、我が師よ


アルバ・アルフライラ
ジジ(f00995)と
樹海の守護者か如何か分からんが
…此処は貴様の居るべき場所ではない、早々に立ち去るが良い
蹄による攻撃の予兆を見逃さず、繰り出さんとするタイミングで魔法を放ち注意を逸らす
仕込み杖で魔方陣を展開、【女王の臣僕】たる霊蝶を召喚
従者の攻撃は如何せん隙が多い
隙が多い分、その隙を埋める様に支援を行う
間違えても従者を凍らせぬよう気を付けなければな
極力自然を侵さぬよう範囲を狭め、その分<高速詠唱>で手数を増やす
我が魔術で妖精、植物人間諸共凍りつかせてくれる
屠る為ならば<全力魔法>を惜しまず使用
この身に罅が入ろうが、幾らでも行使しよう

――それが従者の負担を減らす事になるのであれば、安いことだ



『フ、フ、フ、フ』
 植物人間・グリーントループたちが風吹くように鳴く。
 巻き起こる風は止まず、葉は次々と人を象っていった。
『『フ、フ、フ、フ』』
 猟兵たちを囲う風鳴。
「樹海の守護者か如何か分からんが……此処は貴様の居るべき場所ではない」
 アルバの仕込み杖から魔方陣が展開した刹那、氷る空気が発せられていく。
「控えよ、女王の御前であるぞ」
 威厳ある声は、従なる導き。
 無数に舞う青き蝶が召喚され、羽ばたきに舞う鱗粉は冱てるもの、先の氷属性で攻撃されたグリーントループたちを更に複数凍てつかせる。
 相乗に起こる真冬の空気に、ヒューレイオンは瞠目した。
 かき混ぜるはオーラ。張られていく鎖気は誰かが周回しているのを知らせてくれた。
 最中、呟く当の人物、
「森を生む獣か。人里離れた森へ去ればよいものを」
 ジャハルであった。
 ドラゴンオーラが捉えオーラの鎖で繋ぐのは、凍え上手く合体できないグリーントループたち。
 地形を利用し、しなる幹を蹴り跳躍するという軽技を見せるジャハル。眼下のヒューレイオンの首へと鎖気を回した。
 着地と共にその怪力を以て引くジャハル。
 刹那、まさに凍った葉が砕ける小さな音が次々と連鎖していった。
 踏んだ枯葉よりも粉々となる、緑の残骸。
 その木霊がどこからともなく返ってきて、猟兵たちの耳を疼かせた。
 残響はワンワンと猟兵たちの耳を灼くほどに強烈なものへと変化する。
 蝶たちがひらひらと舞い上がって行く――アルバはそんな蝶たちを操り、自然を害さぬよう集めていった。
「我が魔術で凍りつかせてくれる」
 トン、と仕込み杖で魔方陣のある場所を突くアルバ。一気に散開した青き蝶たちは、不思議と狙いを定めて舞い降りていく。
 アルバの屠る為の全力魔法が、木霊を返す半透明の妖精を捉え、猟兵たちへと教えていった。
 身に罅が入ろうが、幾らでも行使できる――それが、従者の負担を減らす事になるのであれば安いことだ、とアルバは術を使い続ける。
 ジャハルもまた、野生の勘を使い妖精を祓った。だが師父のように多くを対処できない。
 覚醒させた竜血咒を纏い、オーラの鎖を飛ばした。
「――ひとりで良い格好をするな、我が師よ」
 さんざめく木霊ひとつ逃がさぬと、彼らは妖精を祓っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城島・冬青
引き続き【ラグランジェさん(f00432)と行動】
ここのボスを倒せば待ちに待った宴です
みんなとも協力して倒しちゃいましょう!

高命中の追撃攻撃が来る【蹄の一撃】にはかなり注意したいですね
初撃に当たらないように一箇所には留まらず
木や茂みの陰に身を隠しつつサモニング・ガイストでヒットアンドアウェイしつつ戦っていきます

敵からの追跡には聞き耳で背後や周辺の音を探ることで、気が付いたら死角から…なんてことがないよう注意しておきます

無事に戦いが終わったらラグランジェさんとハイタッチ!
えへへ、後はお楽しみのお祭りですね
ラグランジェさんは何か見たいものとか欲しいもの、ありますか?


アヤネ・ラグランジェ
【冬青(f00669)と一緒】「これは綺麗な相手だネ。捕獲してUDC研究に…だめ?」軽口を言い過ぎるとソヨゴに怒られそうネ。僕は半分本気だけど。世界が違う相手を他所持ち込むのは無理だと理解はしているとも。でもせめて追い払って森の奥にお帰り願うというのは難しいだろうか?敵からの蹄の一撃には注意を払うネ。武器は銃を使用し、敵から距離をとって戦うよ。エレクトロレギオンを展開。戦闘用機械兵器を囮にしよう。数はたくさんあるからネ。もしこちらの攻撃で相手を押し切れそうなら、周りのメンバーにも呼び掛けて森の奥に送り返す。余裕がなければ倒すよ。
勝てたらソヨゴにやったネ!とハイタッチ。一緒に祭りを楽しみたいネ


ビスマス・テルマール
本当に只の幻獣なら
……何れだけ
良いかと思いましたが

幻獣型のオブリビオンが
領土を理不尽に広げてると
言うのなら……やむ得ませんね

●WlZ
初手にディメイションサモン・ローカルモンスターで

島唐辛子餃子怪人トークンを
召喚、熱々な辛い攻撃で
ヒトガタ達を一掃

その後合体させ『武器受け』を
意識させつつ幻獣に攻撃を

●POW
わたしはアームドフォートで
『誘導弾』と『一斉発射』の併用で味方とトークンの援護をしつつ

隙を見て
なめろうフォースセイバーを
ディメイション・チョップスティック(パイルバンカーモード)に添えて

一撃目の着弾の瞬間に
もう一撃加える感じで
『2回攻撃』を穿ち

離脱し援護を繰り返す

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎



(「本当に只の幻獣なら……何れだけ……良いかと思いましたが」)
 少女――ビスマスは痛めた心を持ち直す。
「幻獣型のオブリビオンが、領土を理不尽に広げてると言うのなら……やむ得ませんね」
 Dimension summon Local monster――音を発せば、ディメイションサモン・ローカルモンスターが召喚されゆく。
「ヒトガタの相手はお任せを。――共に戦うはご当地のご護人達」
 1の刻印が入った島唐辛子餃子怪人トークンが、同数と思われるグリーントループを熱々な辛い攻撃で撃破していく。
 同じて一斉発射された誘導弾に惑うグリーントループとヒューレイオン。

「綺麗だネ。捕獲してUDC研究に……だめ?」
「ちゃんと倒しましょう」
 応じた冬青に、そっか、と頷いたアヤネは敵の蹄に注意し、やや後方に位置取る。
「数はたくさんあるからネ。僕もおしていこう」
 そう言ったアヤネは、小型の戦闘用機械兵器エレクトロレギオンを放ち、トークンと共に戦線を張っていく。
「ググググ……」
 ヒューレイオンが唸るのを聞き、アヤネは頷いた。
(「世界が違う相手を他所持ち込むのは無理だと理解はしているとも。でもせめて追い払って森の奥にお帰り願いたいところだったけど」)
 彼女もまた心優しき少女なのだろう――いや、捕獲したい気持ちも正直、本気は半分もあったようだが。
「ごめんネ」
 光線銃の威力は最大出力。
 猟兵の続く攻撃に出来る隙、それを取り持つように撃ち放っていく。
 駆け回る冬青の姿が、高い草木から見え隠れしていた。共に駆る古代戦士の霊を繰り、槍を突き出す。
 木霊を駆逐する猟兵の攻撃を跳躍し、避け、槍の一撃。死角に注意するも、やはりヒューレイオンの蹄を注視する。
 同じく隙を見て攻撃を仕掛けるのはビスマス。
 なめろうフォースセイバーを、パイルバンカーモードとなったディメイション・チョップスティックに添える。
 視界には合体させた島唐辛子餃子怪人トークンが、ヒューレイオンの攻撃で掻き消えるところであった。
 攻撃の終わった瞬間――その隙へ、ビスマスは踏みこむ。
 繰り出す攻撃はほぼ同時。一撃目の着弾から同じ軌道で叩きこむ二撃目。
 間断なく穿つ攻撃にヒューレイオンが巨躯が吹き飛んだ。
『グ……ググ……』
 起き上がろうとするヒューレイオン。
 しかし、その体は突然として力を失った。消滅しゆくオブリビオンの体――。
 幻獣の跡、倒れ伏していた面にはやや明るい碧の草が生えていた。

 アヤネと冬青は互いに駆け寄ってハイタッチ。
「やったネ!」
 祭りの準備は進んでいることだろう。
 猟兵たちは一度樹海となりかけている森内を見回し、戻る道を辿る。
 森の出口付近にさしかかれば。
 日が暮れるにはまだ早い時間であったが、音楽が猟兵たちの耳に届いた。
「ラグランジェさんは何か見たいものとか欲しいもの、ありますか?」
 軽快な足取りで向かいながら、冬青が問う。
 アヤネは微笑んだ。
 彼らの歩む道の外れには、どんどんと蕾をつけ、早いものは花弁を開かせていく花たちがあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『勝者たちの宴』

POW   :    資材の運搬などの力仕事やとにかく目立つパフォーマンスで祭りを盛り上げます

SPD   :    祭りについて周辺の町に宣伝を行ったり、珍しい物品やサービスを提供します

WIZ   :    人手がいる仕事の助力や地域の名産などを押し出した企画を出展します

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「討伐していただき、まことにありがとうございました。
 後日、森奥へは、皆と協力し、木々を間引いていこうと思っております」
 樹海が深いと、森の恵みが滞ってしまうようだ。
 暗く、陽が入らず、日光を求めて木々は歪な高さで成長する。
 適宜、整えるのは集落の民の仕事でもあった。
 森を健康に、豊かに、そして日々を共に営む。

「どうぞ、皆様、ごゆるりと限りある一夜を楽しんでくださいませ」

 長は言った。
 猟兵たちの視界には、暗くなってきた空の下、奏でられる音楽、じゅわりとした肉焼く音、仕事の終わりの一杯と元気よく地酒を頼む声、景気ある光景。
 少し歩けば、『蛍』の舞うような光景。
 花々が飛ばす燐光が青光香る夜を魅せてくれる。
 年に一度だけの一夜。
 心ゆくままに楽しんでみよう。
フィリオ・グラースラム
騎士として当然の事をしただけで
特別な報酬をいただくわけにはまいりませんのよ
だからフィオもお手伝いいたしますにょ!

簡単な看板は準備できそうですし
フィオはこれでもドラゴンナイト(汝が牙は我が剣、我が剣は汝が盾)
雪ちゃん(ドラゴンランス)に【騎乗】する事だって出来ますの!
さぁ、他の町に宣伝に参りますわよ!

町に付いたら、お店がいっぱいある
人の多い場所を探して宣伝ですの
雪ちゃんと一緒なら、きっと宣伝効果もばっちりですの!
…大丈夫と思いますけれど
怖がられた時は槍の姿になってもらいますの

夜には一杯走ってくれた雪ちゃんと一緒にお花を眺めますにょ
はにゃにゃ…綺麗ですにょ
お空に星が昇っていくみたいですにょ



「騎士として当然の事をしただけで、特別な報酬をいただくわけにはまいりませんのよ」
 ケットシ―の愛らしい手を振り、フィリオが言う。
「だからフィオもお手伝いいたしますにょ!」
「あら、まあ、いいの? じゃあお願いしようかな」
 フィリオの申し出に、目をぱちぱちとさせたあと、微笑む村娘・ルア。
 近くの町へ行商を兼ねて宣伝に赴く一行のお手伝いを、フィリオはすることになった。
 彼女たちの荷馬車には沢山の鉢に植わった苗とお菓子。
 段取りを練っていくうちに、鉢の一つを預かることとなり、寄せ植え鉢を選んだフィリオ。
 とは言っても一抱えではすみそうになく、ルアは寄せ植え鉢を地面に置いた。
「でも本当に大丈夫? 結構重いし……フィオちゃん、持てそう?」
「お任せを! フィオはこれでもドラゴンナイト」
 フィリオは紡ぐ。
 我らの女王の願いのために!
 ――汝が牙は我が剣、我が剣は汝が盾――ユーキオーングランオルム。
 竜槍はフィリオの二倍ほどある白ドラゴンとなる。
「雪ちゃんに騎乗する事だって出来ますの!」
「フィオちゃん、すごーい!」
 寄せ植えを乗せ、ユーキオーングランオルムに騎乗するフィリオにルアは笑顔。
「さぁ、他の町に宣伝に参りますわよ!」
 フィリオたちにかかれば、近くの町へはあっという間だ。
 駆けた時の風の冷たさに反応したのか、フィリオの持つ苗らは蕾をつけ、町に辿り着く頃には開花していた。
 準備した看板と、ユーキオーングランオルム――雪ちゃんと一緒に今宵開かれる祭りのことを宣伝するフィリオ。
 雪ちゃんの前に鉢を置き、その白を背景に。
 花からふわふわと舞い上がる燐光は微かに明滅していて、ひと目を惹く。
「あら、その花、マハロじゃない?」
 花のことを知る人は「久し振りに行ってみようかしら」と言う。
 花のことを知らない人は「見てみたいなぁ」と言う。
「このへんとか、おすすめですにょ!」
 フィリオが看板を示せば、模様と思われた部分は簡単な地図になっていて、村へ続く道途中の群生地を教えてくれる。
「あと、村には、お休み処がたくさん用意されていますの」
 鑑賞して、ご飯をたべて、ちょっと休んでから町に戻る、ちょっとした日帰りならぬ夜帰り旅が若者にはオススメだ。
 店の並ぶ人通りの多い小さな広場には、噂の花を見ようと人がやってくるようになった。
 にこにこと、老婆が語る。
「日が暮れる辺りに、一夜限りの花を売りに来る子たちがいるのだけどね、齢重ねて遠出できない身にはありがたいよ」
 毎年、夫と共に一夜限りの花鉢を買い、部屋での鑑賞を楽しみにしているそうだ。
 花の青光を見る瞳はキラキラとしていて、嬉しそう。
「もう少ししたら、ルア様たちも到着しますの」
 どこか可愛い老婆の笑顔に、フィリオも心が温かくなってにっこりと。

 夜は更け、お手伝いを終えたフィリオは群生地に降り立った。
「雪ちゃん、お疲れさまですにょ」
 ありがとう、と撫でて。
 いっぱい走ったユーキオーングランオルムと一緒に座ったフィリオは、背を預けて力を抜いた。
 大地いっぱいに咲く花から青の燐光が、ふわふわと舞い上がっていく。
 追うように、ゆっくりと視線を上げていくフィリオとユーキオーングランオルムはゆっくりとその目を瞬かせた。
「はにゃにゃ……綺麗ですにょ」
 徐々に寛ぐ姿勢をとって空を仰ぐユーキオーングランオルムに、頭も預けて魅入るフィリオ。
 ふわふわ、ふわふわ。
「お空に星が昇っていくみたいですにょ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【冬青(f00669)と一緒】「気になってたんだけど、僕のことはアヤネ、と気軽に呼んで
くれていいからネ?」
ソヨゴと一緒に手伝いをしつつ、見る物何もかも興味深くて。よそ見をしては手が止まりがち
終わったら早速見物に行こう
色々な物が売っているよ。鉱物のお守り?これは綺麗だネ!
夜になったら例の花を見に行くよ
「うわあ、まるで銀河のようだね!」
この世界でしか見られないものを見られて素直に感動する
ふわり輝く地上の星々の間を散歩しよう
質問に答え
ソヨゴをまっすぐ見て
「僕は未知なるものが好きだ。ソヨゴも好きだネ」
手を繋いでこのまま先まで歩いて行こうか


城島・冬青
【アヤネ(f00432)と一緒】
宴では人手の足りない出店のお手伝いに入ります
手伝いが一区切りしたらラグラン…いえ
アヤネさんと出店を見て回ります
武器や可愛い雑貨とか色々あって
目移りしますね
わ、本当だ!綺麗な石だなぁ
この世界での冒険は初めてなのもあって色々新鮮ですね


出店を一通り見たら花を一緒に見る
一夜だけの花
幻想的で綺麗ですね
私こういうの初めて見るかも!
アヤネさんは花が好きなんですか?
…ん?私が好き??そ・それはどうもありがとうございます…?
アヤネさんの言う「好き」に何となく只の好意とは違う何かを感じるような気がしなくも…?
そのまま彼女に手を繋がれ花の銀河を歩いていきます
綺麗だからまぁいいか…



「わ。ラグランジェさん、この髪飾り凄く細やかですよ」
「ほんとだネ。ドワーフが作ったものかな?」
 精緻な意匠に目を奪われる冬青とアヤネ。
 一緒に露店の準備を手伝う冬青へ、そういえば、とアヤネは声を掛ける。
「気になってたんだけど、僕のことはアヤネ、と気軽に呼んでくれていいからネ?」
 ぱちぱちと目を瞬かせる冬青は、ちょっと目を泳がせたのち、アヤネの瞳を真っ直ぐに見て、
「アヤネ、さん」
「うん」
 笑むアヤネ。お互いに微笑み合って、お手伝い。
「これは、お皿かな?」
「……にしては、ゴツゴツしてますね」
 二人で推測しあっていると、くすくすと笑いながら店主が銅鑼だよと教えてくれた。
 見る物何もかもが興味深くて、好奇心やまぬ二人は手伝いが終わると、あちこちの店を見て回ることに。
「武器や可愛い雑貨とか、色々あって目移りしますね」
「あ、ソヨゴ。あそこは何だろう?」
「いってみましょう、ラグ――……アヤネさん」
 ラグランジェさんと呼びそうになった冬青が言い直す。ぱちりと目が合い、二人で笑い合いながら、一緒に歩いた。
 アヤネが気になったものは、鉱石屋。
「鉱物のお守り? これは綺麗だネ!」
「わ、本当だ!綺麗な石だなぁ」
 原石のもの、加工されたもの。
 陽光の恩恵を受けるよう、計算されてカッティングされた石のお守りもあって、アヤネたちの目を惹く。
 アックス&ウィザーズでの旅は初めてで、色々なものが新鮮で、様々なものを見て回っているとあっという間に夜が来る。

 昨夜は深かった闇だったけれど――今は。

「うわあ、まるで銀河のようだね!」
 青の燐光のなか、アヤネが感嘆の声をあげた。
 その星に手を伸ばせば、指先には細やかな光。
 この世界でしか見られない光景に感動するアヤネ。
 そのまま指先を辿らせれば立体的な星図が描けそうだ。一瞬として、同じ時はないけれど。
「一夜だけの花、幻想的で綺麗ですね……私こういうの初めて見るかも!」
 そう言った冬青は、ふと何かに気付き、こてりと首を傾けた。アヤネは殊更楽しげな表情だ。
「アヤネさんは花が好きなんですか?」
 その問いかけに、アヤネは冬青を真っ直ぐ見て、
「僕は未知なるものが好きだ。ソヨゴも好きだネ」
「……?」
 ちょっと首を戻す冬青。
「……ん? 私が好き?? ……そ……、それは、どうもありがとうございます……?」
 微笑むアヤネに「?」を浮かべつつ、とりあえず微笑み返す冬青。
 ちょっと、今の「好き」には、何となく、ただの好意とは違う――何かを感じるような気がしなく、も……? ――冬青のなかは今、ぐるぐるだ。
 そんな彼女の手をとり、繋いだアヤネは、ゆっくりと歩き出す。
 ふわり輝く地上の星々の間を散歩しよう、と。
 ふわふわと、舞う青の燐光のなか。
「手を繋いでこのまま先まで歩いて行こうか」
 アヤネは軽く指先を空に、光にあて、振り返り言う。
 花の銀河を歩んでいると、冬青の目は再びその光景に奪われていった。
(「綺麗だからまぁいいか……」)
 きゅっと、少しだけアヤネの手を握り返して。
 今はこの時を、大切に歩もう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
●POW
大きいクーラーBoxに入れた
クロマグロを持ち込んで
クロマグロの解体ショーに
よるパフォーマンスで盛り上げ

集まった人達に
解体したクロマグロを使い
作った『なめろう』を配り
食べて貰いますね

生魚を食べる習慣が無いかも
知れませんが、新鮮なのを
持って来てるので大丈夫と

わたしも食べて見せて
安心させ、無理なら
さんが焼きにして配りましょうか。

味は『白味噌』『トマト味噌』『醤油』『バナナ+醤油』『塩レモン』等を用意

バナナが入ってるのは
バナナのネットリとした
甘さがマグロの旨味と相性が
良いんですよ

それを醤油で
更に引き出した物で
これも中々美味しいですよ

騙されたと思って一口どうぞ。

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎



「場所はここでいいかな? ビスマスさんや」
「ありがとうございます、村長さん」
「いえ、ちょうど出店の場所に空きがありましたからね」
 ところで、と村長はビスマスを改めて見た。
「とても大きな荷物ですが、何のお店を出すのでしょうか?」
 村長の問いに、にっこり笑顔でビスマスは応じる。

「クロマグロの解体ショーです」
 解説とともに、鮪包丁で解体していくパフォーマンスは大盛り上がりだ。
 料理が好きで得意としていることもあり、手慣れた手捌き。
「わあ、凄く大きな魚ね」
「川魚じゃないんだ~」
「海辺じゃないとみられないヤツだろうなぁ」
 内陸で食べられる魚といえば、川魚であったり、凍らせ運ばれた魚であったりで、クロマグロのような大きな魚――しかも、捌く所を見るのは皆が初めてだ。
「新鮮な身を調味料と叩き合わせたこちらが、なめろうです」
 小皿に盛ってどうぞ、とすすめるビスマス。
「生魚を食べる習慣が無いかも知れませんが、新鮮なのを持って来てるので大丈夫です」
 流れに乗せられました的に受け取る村人であったが、戸惑っていた。
 食欲をそそる白味噌の香り。
「ん、おいしいです」
 まずは、とビスマスが食べて見せれば、村人たちも食べ始めた。
「……あっ、なめらか」
「美味しい」
「お酒に合いそうねぇ」
 村人の反応に、ビスマスは笑顔でどんどんすすめていく。
 トマト味噌、醤油、塩レモンと色々作って。
「ほわあ、これ、おいしいねぇ」
 十歳くらいだろうか。子供がにっこりと呟く。
 お目が高い。
 と、ビスマスは、おいしい正体をスライスして、子供の前へ。
 それは、甘い香りのバナナだった。
「バナナのネットリとした甘さは、マグロの旨味と相性が良いんですよ。
 それを醤油で更に引き出した物で、中々美味しいですよ」
 アボガドもオススメですね、とビスマス。
 ビスマスのお店はラインナップ豊かで、持ち込みも歓迎している。
「この香味野菜とも合いそうだけど、頼んでも良いかしら?」
「あっ、大丈夫ですよ。
 わたしも、どんな風味になるのか、ちょっと気になります」
「ビスマスさん、ちょっと休憩したら? ほら。うちの新鮮ジュースをどうぞ!
 ごちそうになってばかりじゃ、悪いからねぇ」
 隣の屋台のおばさんに、果物を絞ったばかりのジュースを「わあ」と嬉しそうな表情でビスマスは受け取った。
「ありがとうございます」
「こういうお祭りでないと、珍しいものってなかなか食べられないからねぇ。
 あ、ウチのも一夜限りの希少な飲み物だよ!」
 おばさんは、ばちんとウインク。
 軽快な音楽、人々の楽しげな声、それらを見たビスマスはふと微笑んで喉を潤した。
 祭りの夜は更けていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒崎・颯也
お代は気にせずに…とのことでしたが全く何もしないのも気が咎めます。

なので、酒を出す屋台を巡って一杯づつお酒を頂いて、その代わり酒樽を運んだり給仕をしたりとお手伝いしますかね。
(「早着替え」でこの世界での給仕服に着物を変化させ、接客時は「礼儀作法」を使用。)

「怪力」が有りますので何でも運びますよー。

この世界のお酒は葡萄が主原料なんですかね
甘いおやつのようでもあり
シュワシュワパチパチ、不思議な口当たりのものもあり。

ちょっと米の酒が恋しくもありますが
これはこれで美味しいです。
(星空と舞う燐光を見上げつつ杯を重ねる)



「何処の世界でもお祭りというのは良いものですねえ。うきうきします」
「祭りだからこそゆるされる酒、ってのもありましてねぇ――とと。いけねぇ。
 ありがとうございます、助かりました」
 酒を出す屋台を巡りながら、酒樽を運ぶ手伝いをする颯也の呟きに、その店の主が応じた。
「力はあるので、何でも運びますよー」
「うちで雇いたいくらいですね、ソーヤさん」
 颯也の言葉に、店主は真顔で頷く。
 いつの間に着替えたのか、お仕着せであちこちの飲み屋の給仕――接客の対応が丁寧で、おばちゃんたちにキャッキャッと囲まれていた――をしたり、このように酒樽を運んだりと、働き者の颯也に感心しきりの顔となっている店主。
 傍には一夜限りの花が置かれていて、夜を燐光が照らし出している。
 広場を囲うように飲食屋台。すすめられて、ある一店の椅子に座る颯也。
「まあ、まずはお疲れさんの一杯をどうぞ」
 コンと机を打つゴブレット。
 おや、と目を瞬かせる颯也の前に、とくとくと、紅紫色の酒が注がれる。
 飲むことに特化したと思わせるシンプルなゴブレットに揺蕩う紅紫。
「この世界のお酒は葡萄が主原料なんですかね」
 芳しい香りは飲み手を満たすもの。
 ゆっくりと味わう颯也を店主が笑顔で見ている。
「あと、純粋に楽しむっていうなら、こっちだな。
 この酒も、祭り限定なやつだ。飲めば楽しいこと間違いなし!」
「おや、香りからして、もう既に弾けていますね」
 珍しく思った颯也が口に含んで味わえば、シュワシュワパチパチ、不思議な口当たり。
 成程、確かに祭りのような酒だ。
「……陽気な空気を飲んでいるような気分です」
「そうでしょう。
 果実を使って発泡したやつが、若者には人気でしてねぇ。甘い酒ってのは、どうもジュースを飲んでいる気分になるんですけどね」
 うんうん、と会話しながら頷き合う店主と颯也。
「あ、そうだ。これ、ジュース屋やってるカミさんが持ってきたものですが、おひとつどうぞ」
 と、出されたのはなめろうであった。
 一瞬、目を瞬かせた颯也であったが、そういえば、クロマグロの解体ショーをしていた猟兵を見たな、と思いだす。
 見事な包丁捌きであった。
 塩レモンで味付けされたそれを、味わう。
 さっぱりとした爽快な味は、程よく口の中をリセットし、再び酒を新鮮な気分で飲めた。
 葡萄酒であったけれども――、
「ちょっと米の酒が恋しくもありますが、これはこれで美味しいです」
 星空と、舞う光を見上げながら、杯を重ねる颯也であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
心情
幻獣さんとの戦いにはすっかり出遅れてしまいましたけれども
まだ間に合うなら折角の風景を楽しみたいです

手段
宴に参加
マハロヌイ!

Kリートを奏で
今回の戦いをモチーフとした歌を披露しましょう
吟遊詩人ですよ♪
;歌唱&楽器演奏&恩返し&優しさ&勇気&手をつなぐ&祈り

私たち猟兵の活躍を知って
皆さんに未来への希望をより持っていただけたら

そして森への感謝の心と手入れの手間を惜しまない集落の方々を称え
この先も森の恵みに祝福されることを願い歌いますよ

その後は夜に輝く青の燐光を眺めながら
静かにKリートを爪弾きます
素敵な夜をありがとうございます!



「♪ 青光香る一夜~♪ それを護らんと我等猟兵、宵闇の騎士団を迎え撃つ~♪」
 そう歌う仄々は絶えず竪琴も爪弾いて。
 ゆったりとした音は、詩とともに軽快なものから、緊迫感あるものへと変化していく。
 まず最初に披露した歌は、なんと、昨夜の戦いのことである。
 気付いた別の詩人が木板へと慌てて書き込んでいく様が見えた。
 戦いの跡を実際に見たものはその臨場感に打ち震え、話を聞いただけのものも、間近で行われた戦いだけに、わくわくと聴き入っている。
 勇気ある猟兵たちの戦いの歌は、子供たちの瞳をキラキラとさせていた。
(「私たち猟兵の活躍を知って、皆さんに未来への希望をより持っていただけたら」)
 仄々の歌う声と、奏でる音、まなざしは優しいもの。
 戦いから束の間の休息、そしてまた猟兵は森へと戦いに赴く。
 奏でる音楽は、少し哀しく、郷愁を抱くもの。
 大地に根付き森と生きる者――解釈は、幻獣、住まう人間、動物と様々にとれ、先の戦いを考えさせるものとする詩。
「♪ ~世界の欠片として生きる者と同じく、樹海の苛烈な守護者もまた、かつては世界の欠片として生きたものなのです」
 仄々は願い歌う。
 森への感謝の心と、手入れの手間を惜しまない心を称え、この先も、森の恵みに祝福されることを――。
 竪琴が、一音一音、ゆったりとした音となる。
 弾いた最後の弦は、長く長く余韻を響かせた。
「ご清聴、ありがとうございました」
 仄々の声に、現実へと戻り、ハッとした皆が拍手をする。

 どこからか、音が聴こえてくる。
 ただ一音、違う一音とゆっくり爪弾かれる、音。符にすればそれは音楽だろう。
 それは奏者が無意識に、赴くままに流す音で、心だ。
 不思議と、音の出所を探そうとする者はいない。

 夜に輝く青の燐光を眺めながら、仄々は静かにカッツェンリートを爪弾く。
 ざぁ、と吹いた風が青の光と音を夜空へと流していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

河原崎・修羅雪姫
POW
資材の運搬などの力仕事を行い、人々の手助けをした後、お花の光を満喫する。

白、蒼、紫。花の色はそれぞれなのに。
花たちは揃って青の燐光を飛ばす。不思議。

お花が燐光を放つその時まで、両膝を抱えてじっと座って待つ。

光り始めたら、
お花を踏みつけないように注意しつつ、群生地に歩み込み。

両手を広げてぐるぐる回る。ぐるぐる。ぐるぐる。
「あは、光のシャワーが足元から上がってくるみたい♪」

機械化されたサイボーグの私にも、生命の息吹が伝わってくるよう。

ふと思う。
この青い燐光は、あのオブリビオンの過去の記憶なのではないかと。

「ご機嫌よぉ。さようならぁ」
今夜は眠らないことにした。



店のための資材を運び、村人の手伝いを終えた修羅雪姫は、心赴くままに歩いた。
 咲こうとしている花に導かれるように。
「白、蒼、紫――桃色……不思議ねぇ」
 花の色はそれぞれなのに、揃って青の燐光を飛ばすのだと、村人から聞いた。

 分析すれば、季節と月齢によってサイクルするのだとか、燐光の色が同じである理由とか、分かるのかもしれない。
 ――それでも、猟兵たちはありのままを見て、楽しむ。

 修羅雪姫は、花が燐光を放つその時まで、両膝を抱えてじっと座って待った。
 その姿は、ただただひたむきで。
 幼い少女を思わせるような姿でもあった。
 目前の花色は、常人の視界だと、夜に合わせていくものである――けれど、修羅雪姫の目は、色をきちんと捉えることもできた。
 それをしたのは、最初だけ。
 ただ、待った。

 ふわ、と一つの青光。
 瞬き一つ。
 修羅雪姫が、目前の花から向こうへと目をやれば、ふわふわと空に浮上していく青。
 誘われるように、ゆっくりと立ち上がった彼女は、花を踏みつけないように注意しながら、群生地へと踏みこむ。
 青の燐光は、夜空の星よりも多く、煌々としていた。
 両手を広げて、修羅雪姫はぐるぐる回った。
 ぐるぐる。ぐるぐる。
「あは、光のシャワーが足元から上がってくるみたい♪」
 弧を描く黒髪に、青の光が散らばっている。
 仄かな光を纏って――機械化されたサイボーグの私にも、生命の息吹が伝わってくるよう――。
 長い髪を一房つまんでみるも、修羅雪姫は青の燐光をそのままにしておく。
 そして、ふと、思う。
 この青い燐光は、あのオブリビオンの過去の記憶なのではないか、と。
 空へのぼっていく光を見て、息を吐く修羅雪姫。
 つまんだ髪を軽く払って、いつもの笑みを浮かべて。
「ご機嫌よぉ。さようならぁ」
 夜は長い。
 今夜は眠らないことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・アルフライラ
ジジ(f00995)と
力仕事は苦手故な
従者の肩上にて準備の助言位は出来よう…ん?
ジジ、何か思いつきでもしたか?
手の中の木の実に自ずと察しがつく
なるほど…では私も、僅かばかりその余興に花を添えよう
投げ上げられた実、従者の業に合わせ色とりどりの【ウィザード・ミサイル】を放つ
そぅら、美しく爆発しろ!

弾が尽きたら一夜限りの花咲く場所へ
見たか、皆が夢中になっていたぞ?
随分と派手な事をしたな、お前
串焼きを頬張る従者に戯け笑いつつ視線は燐光揺蕩う景色に向かう
儚げな彩に見蕩れていると――不意に、愛弟子から紡がれた合言葉に柔く目を細めて

ああ…私とした事が忘れる所であった
では、一本頂くとしよう

――『マハロ・ヌイ』


ジャハル・アルムリフ
師父(f00123)に同行

荷物運びついでに、大した余興では無いが
屋台などからは少し外れ、師の火矢と合わせ
木の実を高く投げ上げて【ドラゴニアン・チェイン】で爆破

弾切れだ、と手を振って
持てるだけの串焼き片手に花咲く方へ
笑う師に憮然としながら

どうも似合わん事をしたが
光が、炎が咲けば、人は自ずと惹かれた方へ向くだろうよ
ひとたびは怯えた子等も、誰しも

不可思議に揺れる花あかりは宝石じみて
ひとつ、またひとつと飛び立つ青い光を見送れば
さなかに立つ師の、その内から出でたよう

……『マハロ・ヌイ』

何でもない、合言葉と聞いたのでな
それより、この肉は実に美味いぞ



力仕事を苦手とするアルバは、ジャハルの肩上で準備を手伝っていった。もっとも、口で、だが。
 それでも紡がれる助言は、受ければ「確かに」と納得するものばかり。
「――で、あるから、そのてこの原理を使っていけば……ん? ジジ、何か思いつきでもでしたか?」
 伝わってきた肩の動きに、ジャハルがややそわそわしたことに、アルバは気付いた。
 普段無愛想な従者ではあるが、何かに興味を示すと、こうなるようだ。
 どう説明するかと考えるジャハルの手には、木の実。アルバには自ずと察しがついた。
「なるほど……では私も、僅かばかりその余興に花を添えよう――そこな者、案内を頼みたいのだが」
 村人に声掛けるアルバ。
「大した余興では無いが」
 とジャハルは手の内の木の実を擦り、手遊ぶ。独特の香りが立ち、子が喜ぶような音がした。
 殻は着火剤として使われているそうだ。
「ほお、余興ですか。それはいい。
 是非にひとつ、よろしくお願いします」
 村長の言葉ですべてが決まった。
 屋台から外れた場所――主に大きな楽団や、演劇が行われる広場。
「まずは一つ、やってみよう」
 そう言ったジャハルが木の実を高く投げ上げるのに合わせて、白、赤、緑、青と色とりどりのウィザード・ミサイルを放つアルバ。
「そぅら、美しく爆発しろ!」
 そしてジャハルがドラゴンオーラを放てば、木の実は、とても木の実とは思えない音を立てて爆発した。
 されど虚空には彩り豊かな炎が広がった。
 そう、これは花火なのだ。
 爆破音に驚いた人々だったが、空には炎が咲いている。
 見つめていれば残滓は消え、当初の驚きは、違う驚きに塗り替えられた。
「今のなに!?」
「あのおじ……おにいさんが、何かしてたみたい」
 寄ってくる子供の言動に、ぐ、とちょっと斜めになりかけたジャハル。慣性の法則で、アルバは割と斜めになった。
「ジジ、もう一度だ」
「無論だ。木の実はまだあるからな」
 そして二人は弾尽きるまで、空に花を咲かせていく。

「見たか、皆が夢中になっていたぞ? 随分と派手な事をしたな、お前」
 片手に持てるだけの串焼き。
 それを一本、頬張るジャハルへアルバは戯け笑いつつ言う。視線は燐光揺蕩う景色へ。
 人のいない群生地を訪れた二人は、しばしその光景を眺めた。
 ジャハルがよく観察してみると、青の光の縁取りは朧で月のよう。
 ――不可思議に揺れる花あかりは宝石じみていて、ひとつ、またひとつと飛び立つ青い光を見送れば、さなかに立つ師の、その内から出でたよう――ジャハルは、ふと呟く。
「……マハロ・ヌイ」
 紡いだそれに、一拍ほどの間を置いてジャハルが続ける。
「何でもない、合言葉と聞いたのでな」
 ジャハルは串焼きを一本、師へと差し出した。
「それより、この肉は実に美味いぞ」
 ――アルバは、愛弟子から紡がれた合言葉に柔く目を細める。
「では、一本頂くとしよう」
 そう言って、アルバは受け取った。

 ――『マハロ・ヌイ』の言葉とともに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月05日


挿絵イラスト