エンパイアウォー㉓~猟兵無双・水晶屍人を薙ぎ払え!
●退き撃ちは基本だが時間がかかる
「詰められてきたぞ、退け、退けぇ!!」
「ウ゛ァァァ……」
指揮官を失った『水晶屍人』を対処する奥羽の武士達、その対処方法は騎馬の機動力を活かして距離をとり、弓で攻撃……距離を詰められたら、また離れてと、所謂『退き撃ち』によってこちらから一方的に攻撃する事であった。
この方法ならば、安全に『水晶屍人』を処理できるのであるが、ただ一つ問題がある……それは退きながら攻撃している為、どうしても時間が掛かってしまうという事だ。
「ぬぅぅ、一気に攻め込んで斬って捨てたい所ではあるのだが……」
「迂闊に近寄ればこちらも『水晶屍人』にされてしまう、距離をとり地道に倒していくしかあるまい」
奥羽の武士達も出来る事ならば幕府軍に助太刀をしたい、だが、どうしても処理に時間がかかってしまうし、噛み付かれれば『水晶屍人』となってしまう性質上、捨てておくことも出来ない。
一匹でも生き残れば、民が襲われまた増えてしまう恐れがある、それだけは避けなければならないのだ。
●猟兵無双
「皆の活躍により、『水晶屍人』を指揮するオブリビオンは居なくなり、奥羽は救われた……先ずは、その功績を称え、感謝するのじゃ」
花子は、幕府軍に襲いかかる苦難の一つ『水晶屍人』が無事阻止されたことを猟兵達に伝え、感謝と共にその功績を称えた。
「しかしながら、その事後処理は少々手古摺っておる……『水晶屍人』は常に距離をとり遠方から攻撃すれば安全に倒せるのじゃが、この方法だとどうしても時間がかかってしまうのじゃ」
とは言え、安全性を無視した突撃など行えば、正にミイラ取りがミイラに……味方が『水晶屍人』になってしまうのだから、一般人である奥羽の武士達にはこの方法しかないのが実情だ。
「そこでじゃ、お主たちが出向いて『水晶屍人』達をガンガン蹴散らしていってもらいたいのじゃ」
猟兵ならば噛まれても『水晶屍人』となる心配はなく、奥羽の武士よりも素早く効率的に殲滅する事が出来るであろう。
「『水晶屍人』を早く処理できれば、奥羽の武士たちは幕府軍に加わり、その助けとなるじゃろう……此度の戦は、島原の『魔空安土城』にて首塚の呪詛を発動させる為に何人の護衛を送れるかが重要じゃ、ここで援軍を得られれば、戦況は優位になるじゃろう」
護衛の数が多ければ多いほど、安全に儀式を行える……となれば、ここで獲れる援軍の価値は非常に高い物になるだろう。
「お主達ならば『水晶屍人』に負ける事は先ずないじゃろう、重要なのは効率よく倒すこと、そして生き残りを出さぬ事じゃ」
『水晶屍人』に逃げられるとどこかで民を襲いまた増えてしまう可能性がある……こうなってしまうと必要以上に犠牲が出るし、時間もかかってしまう。
「敵は指揮官もおらず知能も低い、生者を見れば本能のままに襲ってくる性質を持っておる……戦場は奥羽の山地、人里からは離れておるので、多少派手な真似をしても問題ないじゃろう」
策を弄して火攻め水責めをしたところで、咎められる事はないだろうとの事……被害はあまり気にせず、思いっきり暴れるなり、逃がさないように工夫するなり、色々なやり方があるだろう。
「では行ってまいれ、猟兵無双の大立ち回りを期待しておるぞ」
マカロニ男爵
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
という訳で掃討戦です、山地での戦闘で『水晶屍人』を殲滅しましょう……多少の被害はコラテラルダメージです、奥羽の武士たちも笑って許してくれます、多分。
第1章 冒険
『水晶屍人掃討戦』
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POW : 多数の水晶屍人の群れに飛び込み、体力の続く限り暴れまくる
SPD : 群れから逃げ出そうとする水晶屍人を発見し、逃がさないように掃討する
WIZ : 策略を駆使して、多くの水晶屍人を逃がさずに殲滅できる状況を作り出す
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
真白・白夜
敵の殲滅…もう一人の人格が喜びそうな戦いですね
…僕は、違いますが
オルタナティブ・ダブルを使用し、残忍なもう一人の人格と共に敵を挟み撃ちにします
「行くよ!」
『全部ぶっ殺していいんだよな?皆殺しパーティだぜ!』
僕は、サイコキャノンからの【衝撃波 範囲攻撃】で攻撃
俺は、【ダッシュ】で近付き、コンバットナイフで敵を攻撃だ!【毒使い】でジワジワと苦しんで死んでいけ!…ああ、もう死んでるか
逃げる敵には、僕は銃を使い、【誘導弾 スナイパー】で仕留めます
逃すものか!
俺も、拷問具で拘束して【串刺し】にし、【傷口をえぐる】でダメージを与えてやる!
しかも、【毒使い】の毒付きのな!
逃げんじゃねぇよ!
アドリブ&協力OK
パリジャード・シャチー
●心情
・さて、あのうちをギャグキャラ扱いした失礼なハリセンの残した厄介な遺産を片付けないとね。
・ガッチガチの戦闘系じゃないうちだと広範囲殲滅とかは中々苦手なんだよね。軍師系でもないしねぇ。まあでもやれることはやらないとね。
●戦闘
・激辛エキスを風に乗せて飛ばすのはなぁ…万が一誤爆った時の猟兵へのダメージがデカそうだよねぇ…。痛みはあっても致死には遠いしなぁこれ。
・とりあえず象の愛羅(アイラーヴァタ)に乗って空から敵を範囲攻撃UCでバスンバスンと斬っていこうかな
・空からなら敵の攻撃は届かないし、脱走しそうな敵は見つけやすいんじゃないかな。こういう敵がワラワラしている時ほど俯瞰視点は強いと思うんだ
「敵の殲滅…もう一人の人格が喜びそうな戦いですね…僕は、違いますが」
雲海のごとく群がる『水晶屍人』を前にそう呟くのは真白・白夜。
多重人格者のである彼にはもう一人の人格がいる、それはとても好戦的で温厚な彼とは真逆の性格……しかし、こういった状況下では頼りになる存在でもある。
「行くよ!」
『全部ぶっ殺していいんだよな?皆殺しパーティだぜ!』
そして、真白はそんなもう一人の自分を【オルタナティブ・ダブル】によって呼び出し、共に『水晶屍人』へと立ち向かう、真白の想像通り、もう一人の自分は大量の獲物を前に喜々として走り出すのであった。
「先ずは僕が…行きます!」
真白が先ずはサイコキャノンを放ち、『水晶屍人』達を粉砕する、広範囲をその爆発の衝撃波で吹き飛ばし、『水晶屍人』たちの郡列に大きなかざ穴が開いた。
『ヒャーハッハッハ、死ねぇ!』
其処にもう一人の真白は物凄い速度で駆け込み、喜々としてコンバットナイフを振るい、毒を撒き、『水晶屍人』達を屠っていくが……その表情は段々と曇っていくのだ。
『ジワジワと苦しんで死んでいけ!…ちっ、もう死んでるか』
「?、どうしたの?」
『言葉通りの意味だ』
「…!、ああ、そうだね……」
ある程度予想できた事だが、毒は余り効果がない……身体を破壊する程の毒ならば意味を成すが、神経毒などは神経が元々通っていないのか意味をなさない。
だが、それ以上にもう一人の真白をイラつかせたのは文字通り『死んでいる』からだ、先程みたいに広範囲でぶっ飛ばされようが、コンバットナイフで切り刻まれても、毒を与えても、屍人は屍人、特にリアクションも示さない。
見た目こそ人間の形をしているが、その反応は機械的であり、苦痛など意に介さない……嗜虐嗜好を持つもう一人の真白にとって、これは面白みがない事であろう。
『ムカ付くんだよ、クソたれな真似しやがってぇ!!』
「……確かに酷い」
「許せない」『許せねぇっ!!』
真白はこのような術を施した安倍晴明の非道さに、もう一人の真白は『つまらない敵』を生み出した安倍晴明の行為に対して怒りを覚える……真逆とも言える性格であり、理由もまるで違うが、二人の意見は一致する。
「破壊を優先しよう、この償いは後で……」
『ああ、ムカつくからぶっ壊してやるぜぇ!!』
毒でジワジワ……などと言う真似ができないイラつきを破壊衝動に変えて、もう一人の真白はコンバットナイフを片手に暴れまわる、真白本人もそれをサイコキャノンで援護する、甚振るという趣味を捨て破壊に専念した結果、より効率的に『水晶屍人』を動かぬ肉塊に変えることに成功したのだが、そんな最中……
『……っ!!?』
「え?」
奮闘する二人の真白、その眼前で『水晶屍人』達の身体が突如切り落とされる、それは斬撃と呼ぶよりも、トラップ……その地点に歩んできた『水晶屍人』の肉体が見えない何かによって切り落とされているのだ。
「ああ、やっぱり毒はダメかぁ、となると激辛エキスを風に乗せて飛ばすのもダメだねぇ……痛みはあっても致死には遠いしなぁこれ」
『……おい、何かギャグっぽい奴が来たぞ』
「し、失礼だよ、折角援護に来てくれたみたいなんだから」
現れたのはパリジャード・シャチー、空飛ぶ象『愛羅(アイラーヴァタ)』に乗ってるまでは良い……だが、あいも変わらずシャチのきぐるみを着ているのだから、もう一人の真白にそう言われても仕方はない。
「うちをギャグキャラ扱いとか、あのハリセンみたいに失礼な事を言うのは辞めてよ」
「ご、ごめんなさい、もう一人の僕が……え?、ハリセン?」
真白は知らないが、『水晶屍人』を率いたオブリビオンにハリセンが居たのだが……改めて言葉で話してもちょっと良くわからない状況であり、やっぱギャグにしか思えない。
「そんな事より、空から俯瞰したら『水晶屍人』達は結構ばらけちゃってるんだよ、本体は派手好きな猟兵達が殲滅する予定だから、君達は分隊の殲滅と逃げた奴の処理をしてもらいたいんだ」
「という事は、僕達が相手していたのは分隊なのですね……分かりました」
『ちっ、殲滅の補助かよ……もっと大量にぶっ壊してぇのによぉ』
状況を理解し、快く応じた真白に対して、不平を言うもう一人の真白であったが……。
「それはやめた方がいいと思うよ……ちょっと山の地形が変わりそうなぐらいの火力が用意されてるから、近接スタイルで飛び込むのは危険だよ」
『地形がって…マジかよ、いやマジなんだな……』
もう一人の真白もパリジャードがマジな真顔でそう言うのだから、信じるしかなかった……『派手好き』な猟兵が集まるとそういう事も起こり得るから恐ろしい。
「さて、そんな訳でこいつらはちゃっちゃと殲滅して次に行くよ~……水風神たるうち、パリジャード・シャチーの名の下に。風よ、姿なき暗殺者となれ」
『さっきの『罠』の種はソレか』
パリジャードのユーベルコード【無双風刃(ムソウフウジン)】が放たれ、『水晶屍人』達の身体がスパスパと切り裂かれていく、不可視なる風の刃……先程の斬撃のトラップはこれを設置したものだったのだろう。
「いや~、想像以上に知能がなかったからねぇ、あんな罠にどんどん引っかかってくれるとは思わなかったよ」
「意思がないと、そう言った状況に対して応用が利かなくなるのですかね?」
『けっ、まぁこんなつまらねぇ奴ら、とっとと殲滅しちまおうぜ!』
パリジャードを加え、三人になった彼等は難なく分隊を下していく、逃げるものは空からのパリジャードの視点で発見され、真白のスナイパーライフルで撃たれる。、
もう一人の真白も逃げるものを拷問器具で拘束し、その肉体をコンバットナイフで抉り破壊する……その際にも恐怖も苦痛も発しない『屍人』にイラつきを覚えるも、分隊は一人残らず倒されていくのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シエル・マリアージュ
「助太刀致します」
凛とした雰囲気で武士達に声をかけ、戦場に参戦します。
「シエル・マリアージュ、参る」
敵の群れに突撃、一見無謀なようで戦闘知識で敵を動きを見切りながら完全に囲まれないように立ち回り、左手に構えた【聖銃剣ガーランド】から一発で敵を【串刺し】にする誘導弾を放ち、右手に構えた白花雪の刃から放つ【衝撃波】で敵を【なぎ払い】、極めつけは【蒼焔の殲剣】を【2回攻撃】で発動して群がる敵に300を超える霊剣を見舞う。
もし敵が武士達に向かったら蒼焔の殲剣で追撃、蒼焔の殲剣なら武士達を傷つけることはないので安心です。
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「ようし、一匹たりとも逃がさないぞー!」
背中の翅で「空中浮遊」して上空から逃げ出す水晶屍人を監視しているよ!
逃げ出す水晶屍人を見つけたら地上にいる猟兵の仲間にも連絡してから急いで急行するよ!
急行したら水晶屍人の群れに飛び込んで「敵を盾にする」ように動き回るね♪
みんなが追いつけるまで足止めするように足を中心に攻撃するよ!
【妖精の一刺し】でとりゃーっと突進して複数まとめて足を吹き飛ばしちゃうぞ☆
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「これで終わりです!」
右手に構えた『白花雪』と呼ばれるサムライソードで『水晶屍人』を切り伏せたのは、猟兵のシエル・マリアージュ、10体近くの『水晶屍人』を殲滅し終えた所である。
「ごめん、終わってすぐのところ悪いんだけど、ちょっと大変なの!」
「どうかしたの?」
そんなシエルに上空から降りてきたフェアリーのティエル・ティエリエルは、慌てた様子で駆け寄ってくる……なんでも、はぐれた分隊がたまたま武士達の死角に紛れ込み、接近を許してしまいそうとの事だった。
「それはいけませんね、直ぐに助太刀を致しましょう」
戦闘を終え、ふわふわな雰囲気になっていたシエルも、その報せを聞くやいなや戦闘時の凛とした表情に切り替わる。
一般人である奥羽の武士達が『水晶屍人』に奇襲を受け接近をされてしまうのは非常に危険な事態……いち早く駆けつけて、犠牲を出さぬようにしなければならない
。
「ボクが先行するから、付いて来て!」
その危険性はティエルも重々に承知、奥羽の武士が『水晶屍人』になってしまうという事態は援軍の宛がなくなるどころの話ではない、奥羽の民を守る彼らが『水晶屍人』に成り果ててしまうと言う事は、そのまま奥羽の民に危険が及ぶという事……ノブレス・オブリージュの精神を宗とするティエルには絶対に看過できない自体なのだ。
「若様、右の林より『水晶屍人』がっ!!」
「何ぃ!?、くっ、林の影で見えておらなかったか……」
山中での戦場という事もあり、木々や地形の起伏で死角が多い、この地帯の奥羽の武士達の若き大将も注意を怠って居た訳ではないが、この環境下で無軌道に動く『水晶屍人』の動きをすべて把握するなど一般人には不可能に近いだろう。
「ええい、退け、退けぇ!!」
「若様、殿は某達が!!」
「くぅ…」
奥羽の武士達もこの状況下を想定してなかった訳ではない、しかし『水晶屍人』に接近を許した時の対策は、殿を務める老兵達が身体に火薬を括りつけ特攻すると言う、『水晶屍人』をならぬ為の苦肉の策……その状況に陥ってしまった若大将の顔も苦悶に歪む、長年仕えた大切な部下を切り捨てねばならぬのだから。
「済まぬ…仇は必ず……」
「では、参りま……むむっ!!?」
「そんな事しちゃダメェーーーーーーーーーー!!!」
特攻を決意し、老兵達が突撃をしようとすると否や、少女の静止の叫びと共に、『水晶屍人』足が切り落とされて崩れ落ちた。
「身を捨ててまで祖国を守る覚悟は立派だけど、ここはボク達に任せて!!」
奥羽の武士達の危機と特攻戦術を目の当たりにしたティエルは最高速で駆けつけ、『天下自在符』を掲げて老兵達の特攻を止める。
「そ、それは天下自在符!、は、ははーーーっ!!」
「いやいや、平伏してる場合じゃないよ、今囲まれてるからね!?」
「な、なんと!?」
ティエルの言葉通り右側からだけではなく周囲の木々から続々と『水晶屍人』が這い出てくる、無軌道に動いている彼だだが、この辺りの地形の複雑さが不運な方向に働き、偶然にも包囲体制を作ってしまったのだろう。
「こっちだよ、敵の数が少ないし仲間も駆けつけてきてくれてるから、こっちに行くのが一番安全だよ!」
「心得た、皆の者、猟兵殿に続けぇ!!」
空を飛ぶティエルは『水晶屍人』の大体の配置を把握している、とは言え一般人を率いての包囲突破は容易ではない、先ずは突破口を作るべくティエルはユーベルコード【妖精の一刺し(フェアリー・ストライク)】の構えを取る。
「いっくぞーーー!! これがボクの全力全開だよ☆」
防御を顧みない、渾身最速の突撃により『水晶屍人』達は纏めて弾け飛び、包囲網を貫く一本の道を作り出したのだ。
「す、すごい…あの様な小さき幼子でもこれ程の力を持つのか猟兵は……」
「こら!、猟兵殿が折角道を拓いてくれたのだぞ、急いで抜けぬか!!」
猟兵の能力で、フェアリーであっても普通に見えるとは言ってもティエルはまだ8歳の少女、にも関わらず圧倒的な力を見せつけられた武士達は驚嘆するが、それを若大将は嗜める。
確かに道は拓いたが、『水晶屍人』は生者を見つければこちらに向かってくるのだから、道は直ぐに塞がってしまうであろう……若大将の号令により奥羽の武士達は全速力でか細い道を駆け抜ける。
「クソ、このままでは追いつかれるぞ」
「大丈夫!、もう少しで……」
ティエルは『水晶屍人』の足を切り裂き足止めしながら、敵の間を同士討ちする様に飛び回る……初撃のユーベルコード以外は徹底した足止め策で時間を稼ぐ事を優先していた……そろそろ仲間が追いつく頃合だから。
「聖櫃より来たれ蒼焔の剣、煉獄の焔で悪しきものを滅せよ!」
「ぬおおっ!?、な、なんじゃぁ!?」
遂に追いついたシエルは状況を見て即座にユーベルコード【蒼焔の殲剣(セイクリッド・フレア)】を発動させた、165本もの蒼焔の剣が奥羽の武士達ごと襲いかかるが、不思議なことに蒼焔の剣が切り裂くのは『水晶屍人』のみ、奥羽の武士達の体はすり抜けるばかりで、傷一つつかないのだ。
「蒼焔の剣は滅するは邪悪のみ、今一度行きますっ!!」
シエルのユーベルコードはオブリビオンのみを討つ神聖属性の剣、一般人である奥羽の武士を傷つける事はけしてない……故に容赦なく連射が出来る、再度放たれた【蒼焔の殲剣】により、300を超える蒼焔の剣が『水晶屍人』を滅し、奥羽の武士達を守るのだ。
「助かりました、ご助力を感謝します!」
「うん、後はボク達に任せて!」
「皆様はここを離れて……ああ、でも西の窪地には行かないほうがいいと思います、あそこは敵本隊が居ますし危険です」
「本隊が?、ならば微力ながらも助太刀した方が」
「巻き添えを食らうかも知れないから、危険だよ?」
「え?」
「多分ですけど、弓が届く距離まで接近するのも危険です……」
「ええっ!?、わ、分かりました……では、遠巻きに状況を確認し、殲滅を確認できたら上様への援軍へと参ります」
救出され、猟兵達の力を目の当たりにした若大将は、怪訝しながらも『猟兵ならば或いは……』と思い、その助言に従い撤退をする。
「よし、じゃあ後は殲滅するだけだね☆」
「シエル・マリアージュ、参る」
奥羽の武士達を無事に逃がした二人は『水晶屍人』の殲滅に入る、シエルは一直線に『水晶屍人』の群れに飛び込む……一見無謀にも見える突撃だが、戦闘知識を活かした動きで敵を誘導し、『聖銃剣ガーランド』から放たれる特殊弾頭で串刺しにし『水晶屍人』を縫い付け、一箇所に敵を集めたら『白花雪』のなぎ払いと衝撃波でそれを一掃する。
先程の小集団もこの戦術で仕留めていたのだ。
「ようし、一匹たりとも逃がさないぞー!」
ティエルもまた空を飛び、変な方向へ逃げ出す奴が居ないかを確認し、見つけ次第それを討つ……二人の活躍により、奥羽の武士を襲った分隊もまた一匹残らず殲滅されたのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
榎・うさみっち
ゲームみたいにさー、親分を倒せば全部消滅!ゲームクリア!
ってなればラクなのに世の中そうはいかねーよなー
このうさみっち様が来たからには全部骸の海に放り込んでやるぜ!
向こうが多勢ならこっちも多勢で行くぜ!
いでよ【きょうふときょうきのせみっちファイナル】!
200匹を超えるせみっち達が相手だ!
山中をこれ見よがしにブンブン飛んで
けたたましい羽音&鳴き声のコンボで【存在感】を超アピール
屍人達はのこのこと釣られてこっちに向かってくるだろう!
そこを叩くべしだ!
俺は上空から様子を伺いながらせみっち達に指示
死角から攻撃しようとしている奴や
逃げようとしている奴を発見したら教える
又は俺自らうさみっちばずーかで攻撃
アララギ・イチイ
暴れてもいいのぉ?
よーし、被害を気にしないで思いっきり暴れましょうかぁ♪(危険
【選択UC】使用よぉ
護衛の戦車師団を活用、山を包囲する場所に移動させて、敵が逃げない様に対策させるわぁ
包囲が完了したら、要塞の隕石迎撃用の100㎝電磁投射砲を対地攻撃モードで切り替え、砲弾は焼夷榴弾(爆風による【範囲攻撃・吹き飛ばし】、同時に火災を発生させる砲弾)で山の外周部を目標に戦車師団も含めて【一斉射撃】よぉ
山の外周部が炎上し始めたら(火災による敵の逃走経路妨害)、山中に砲撃地点を変更、徹底的に火災と爆風で敵を攻撃よぉ(火災は火災旋風の誘発も狙い
一応、消火剤を込めた砲弾も延焼防止用に用意しておきましょうかぁ
エメラ・アーヴェスピア
あら、水晶屍人掃討?
効率良く残さず撃滅しろとの依頼ね
ええ、受けましょう
こういう物は手早く遂行するべきだわ
武士さん達の為に足止めをする必要はないのよね?
なら、まずは逃がさない様に見張りを建てましょうか
私は戦況を見渡せるところで待機
ドローンを打ち上げるけど…範囲が足りないなら『ここに始まるは我が戦場』も起動するわ
その上で敵の位置や地形を【情報収集】、把握するわね
得た情報を元に『この場は既に我が陣地』
幾多の砲台にて撃滅しましょう
大軍を撃滅するのは私の得意とする所よ、派手に行きましょう
もし残った敵が居るのなら、私も狙いつつその敵の近くにいるこの作戦に参加している同僚さんに連絡するわ
※アドリブ・絡み歓迎
カタラ・プレケス
アドリブ歓迎
残党狩りが面倒なのはどの世界も変わらないね~
まあ、援軍が多いに越したことはないし
頑張って滅ぼそうか~
被害を気にしないでいいんだよね~
それならこれが一番手っ取り早いかな?
【開花・木花咲耶姫】発動
周辺の草木を急成長させて敵を拘束あわよくば串刺し
幾つかの集団を捕えたらその草木をつなぎ合わせてから
高温の火柱や火球を大量に咲かせて焼却
あとはこれを繰り返して殲滅するよ~
え、山が更地になる?
……殲滅が終わったら権能使ってある程度は調えるから安心していいよ~
「死んだと思ったかばかめ!夏のふーぶつし、せみっちファイナル喰らえー!!」
ジジジジ!とと突然起き上がり空を飛ぶセミの如くユーベルコード【きょうふときょうきのせみっちファイナル(シンダ・フリナラ・マカセトケ)】を発動させるのは湯たんぽに命が宿った存在だと自称する謎のフェアリー榎・うさみっちである。
このユーベルコードに呼び出されるのは、妙にリアルなセミ形態のうさみっち集団、総勢230匹、人でも体でもなく匹と数えたくなる程のセミっぷりである。
「ジジジジジジ!」
「みーんみーんみーん!!」
「つくつくほーしつくつくほーし!」
「クラムボンはカプカプ笑ったよ!」
そこそこな戦闘力を持つせみっち達であるが、彼らがやっている行動は誘導……そのけたたましい鳴き声と羽音で『水晶屍人』を呼び寄せ、本隊をおびき寄せているのだ。
「あ、そこの奴逃げるな、くらえー!!」
それでもはぐれる『水晶屍人』には、上空からのうさみっちによる、『うさみっちばずーかー』の攻撃が待っている、射出されるうさみっちはせみっちであり、直撃後地面に倒れて死んだかに見せかけて、急にジジジジ!と羽ばたき動き出すのはまさにセミ、夏の風物詩であった。
「誘導ご苦労様、分隊の方も方がついたみたいよ」
「ゲームみたいにさー、親分を倒せば全部消滅!ゲームクリア!ってなればラクなのに世の中そうはいかねーよなー」
『水晶屍人』誘導が完了した所でエメラ・アーヴェスピアがうさみっちに話しかける、彼女はユーベルコード【ここに始まるは我が戦場】にて大量のドローンを飛ばし、戦場全体の情報収集を行っていた。
別働隊として動く『真白・パリジャード組』『シエラ・ティエル組』にその情報を渡し、はぐれてバラバラ動く分隊及び小集団達が残さず殲滅する事に成功する。
「よし、めんどくさいの終わったのぇ、じゃあ被害を気にしないで思いっきり暴れましょうかぁ♪」
「……殲滅が終わったら権能使ってある程度は調えるから安心していいよ~」
その報せを聞き、嬉しそうに物騒な事を言いだしたのはアララギ・イチイとカタラ・プレケス……だが、そんな危険な言動を止める者はここにはいない。
エメラも『歩く魔導蒸気兵器庫』を持つほどに大火力による大群の殲滅を得意とする猟兵であるし、うさみっちはまぁ、こう言う時はとことん調子に乗るタイプであろう……他の猟兵が迂闊に近寄るなと言うだけはあるメンツなのである。
「さあ、頑張って滅ぼそうか~これが、一番手っ取り早いかな?」
物騒な気合を入れつつカタラはユーベルコードを発動させる為の集中に入る。
「私は桜、儚い桜。栄華を謳う短き桜。しかしこの身は咲かすもの。火に飲まれてなお生み出すもの。全てを咲かし春告鳥を招きましょう」
ユーベルコード【開花・木花咲耶姫(ケンザイ・コノハナサクヤヒメ)】により、美しき桜花の衣をまといし姫君に変身したカタラは草木や枝を急成長させ『水晶屍人』達を次々と絡め取っていく。
「紅き花、咲き誇れ」
その呟きと共に草木や枝から紅い花が咲く、しかしそれは普通の花などではない……恐るべき高温で燃え盛る火柱や火球の花なのだ。
その紅蓮の花は『水晶屍人』達を次々と焼き殺していくが、このユーベルコードの目的はそれだけではない。
「ナイスバリケード♪、それじゃ私も封じ込めを開始しますかぁ!」
そう、アララギの言う通り、集めた本隊を外へ逃がさないバリケードの役割も兼ねているのだ……燃え盛る炎の壁に加え、燃え盛りながらもなおも絡みつく草木、そして黒焦げの仲間の死体……屍人の死体って言うのもおかしな話だが、それら全てが『水晶屍人』達を囲むように展開されているのだ。
「ふふふ、この施設を起動する時が来たわねぇ。さぁ、この星を守るわよぉ♪」
アララギがユーベルコード【召喚・ニューグレンジ(ショウカン・ニューグレンジ)】を発動させると、隕石迎撃用要塞とその要塞人員の霊が召喚される……こう言う『軍』とも呼べる戦力をポンポン召喚できるが猟兵の恐ろしいところである。
「先ずは封じ込め、一人も逃さないわよぉ~」
要塞の隕石迎撃用の100㎝電磁投射砲を対地攻撃モードで切り替え、特大の焼夷弾をぶっぱなし、窪地の外周部をガンガンと燃やして行くアララギ……そこはもう地獄、窪地は炎の壁に囲まれた死地と化したのだ。
「よし、これで逃げられないわねぇ~、じゃあ、敵本体に向けて一斉掃射よぉ♪」
「草木たちもガンガン燃え盛ろう、後で治してあげるから~」
包囲を終えたら、いよいよ窪地の中……『水晶屍人』本体の殲滅へと移行する……窪地の中の草木全てが『水晶屍人』に襲いかかり、まるで自爆でもするかの様に紅蓮の花を咲かせていく、更に其処に隕石迎撃用要塞とその護衛の戦車団達全てが、窪地の中へ容赦なく焼夷弾を打ち込むのだ……しかし、地獄の釜はまだ開いたばかり。
「ふふふ、やるわね……でも、火力に関しては私も自信がある……ここは既に、私の砲撃陣地よ!」
そう、まだ『歩く魔導蒸気兵器庫』が残っている、満を辞して発動するのはユーベルコード【この場は既に我が陣地(シェリングテリトリー)】、250門もの魔導蒸気砲台が展開されそれらが一斉に燃え盛る盆地に更なる砲撃を加えるのだ。
「まだよ!」
このユーベルコードばかりが『歩く魔導蒸気兵器庫』を意味するのではない、エメラが持つ装備……『浮遊型魔導蒸気ガトリングガン』、『浮遊型魔導蒸気複合兵装』なども同時に展開される、砲撃に加えてガトリングガンの掃射、更にはミサイルなどまで飛び出すのだ。
「これ、『水晶屍人』欠片も残ってねぇんじゃねぇの?」
思わずうさみっちもツッコミを入れる大惨事、窪地が完全に火に包まれて全く見えない上に砲撃が、爆撃が止まない……『あれ?、あの窪地ってあんなに深かったっけ?』と思ってしまうのも無理がない惨状だ……そして……。
「「「あっ!」」」
3人が同時に思わず引き下がった、窪地の炎が急に膨らんだかと思うと、まるで竜巻の如く天へと登り始めたからだ……そんな中、アララギだけは嬉しそうにポンと手を叩いて。
「やったわぁ、狙ってたとは言えちゃんと『火災旋風』を起こせたわぁ」
『火災旋風』とは空襲や震災など、或いは広大な山地で起きた大火災などで時折発生する恐るべき災害。
大規模な火災が、外部から空気を取り込むことで局地的な上昇気流を発生させ、1000°に及ぶ高温の炎の旋風が秒速100m以上に達する風速で吹き荒れると言う、炎の竜巻とも言える恐るべき現象である。
「風が強いから行けるかもって思ったけど、やっぱりいけたわねぇ♪」
「いや、それを狙ってたら教えて欲しかったわ……」
「ちょっと、ビックリしたよ~、凄かったね~」
「でもまぁ、これで『水晶屍人』も100パー死んだろぉ、むしろこれで生きてたらビックリするぜぇ」
うさみっちの言うとおり、これで確実に窪地にいた『水晶屍人』は全滅しただろう、と言うかエメラの攻撃の時点で、下手すればその前に全滅していた壊滅してた可能性もあるが、ゾンビはしぶといから念入りに潰すのは間違っていないだろう。
「じゃあ、草木は戻しちゃおうね~」
「終わったから、火も消さないとねぇ♪」
アララギは準備していた消火剤を込めた砲弾で鎮火活動を行う、余りにも過激にファイアーしてしまった為、延焼するものすら吹っ飛んでいるので消化は楽に終えることができた。
カタラもまた、宣言通り権能を使ってある程度は草木を元に戻す事に成功した……更に深い窪みへと変化してしまった地形までは戻す事は出来なかったが……。
「ちょっとやりすぎたけど、効率よく殲滅できたわね」
「なぁに、ゾンビは派手すぎるぐらい吹っ飛ばすのが華って奴だぜぇ~」
エメラとうさみっちも微笑みながら、二人の作業を手伝った……そんな4人の、そして他の猟兵達の活躍を、巻き込まれない程度に遠方から見届けた、奥羽の武士達は幕府軍の援軍へと駆けてゆく……その心中は……
(え?、ワシ等、こんな事が起きちゃう戦に参加するの?、大丈夫!?)
想定以上の大災害を目の当たりにして、ちょっとビビっていたが大丈夫、こう言う事が起きるような戦場は猟兵達が担当するのだから……多分。
大成功
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