エンパイアウォー㉒~超神・レベルゼロ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●触らぬ神になんとやら
「超・貧乏神が」
忍といえど、必ずしも頭巾を被って黒装束というわけではない。素性を隠すだけで良い場合もある。とはいえ、そこはすでに戦場。気配を少しでも小さくする装備がその業を活かすのは言うまでもない。
「「勝負を」」
同じ姿をしたものがもうひとり現れた。しかし、その姿は忍者たちが刃を交える戦場においてはあまりに異常であった。
「「「案内しよう」」」
さらに増えた。つぎはぎの着流しは流石に忍び装束ほどは動きやすくはないだろう。帯にさしたウチワは、普通に考えると明らかに邪魔でしかない。クネクネと歪に曲がった杖は、仕込み刀の可能性も否定はできないが、この戦場においてその細工は不利でしかない。
「「「「「ドゥェッヘッヘ! 神のゥ私たちに挑戦するものはいないのかあぁ
!」」」」」
何よりも土気色の肌をした貧相な体躯に、ご丁寧に「貧」と書かれた天冠。これは、関わってはいけないヤツだ。服部はもとより、味方であるはずの風魔忍軍も彼らを避けて戦い始めた。
「「「「「「「「いないのかあぁ
!」」」」」」」」」
●出陣
「とはいえ、このまま放置してええもんか……」
作業机の漫画原稿用紙いっぱいに『超・貧乏神』をサラサラと描いて見せた絵井実が問いかける。目を合わせないようにし、距離を取り始める猟兵たち。
「これって戦争やねんな。今の所は一応戦闘要員とはいえ、一般人の命がかかっとんねんな……」
猟兵たちの動きが止まる。
「対抗できるんはうちら猟兵しかおらんねん。予知してしもたうちの代わりに、ぶっ潰して来たってくれ……余裕があったら、服部忍軍も助けたって欲しいけど……とりあえず神からの被害がなかったらええわ」
しぶしぶ、テレポートの準備を始める猟兵たち。
「……まぁ、大概なんはうちらにもおるしな」
「な……」
絵井実の唐突すぎる呟きに驚いて、作業机に伏せる顔を見つめながらテレポートされていく猟兵たちであった。
相良☆無意味
レベルを0にする神といったらこれしかありませんよね。ですよね?
集団といったらVシネですよね?
取り乱しました。相良です。上の2行は無視してください。例によって、知らなくても乗っかっても全然問題ありません。
出遅れてしまいましたが、戦争シナリオです。厄介な能力をもつ神ですが、集団戦。とにかく潰しきれば勝ちです。
期間は短いですが、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『超・貧乏神』
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POW : ドゥェッヘッヘ! お前達の身体を貧相にしてやろう
【指定した肉体の部位を貧相にする光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : どんな技術も、私の前では素人以下になるのだぁ!
自身に【金属を高速で腐食させるオーラ】をまとい、高速移動と【指定した技能のレベルを0にする光線】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 貧すれば鈍する! 頭も心も貧しくなるがいい!
【知識を奪う光線】【記憶を奪う光線】【性格を下劣にする光線】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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ルルティア・サーゲイト
「なんと恐ろしい事を! 妾の豊満が平坦になるとな!?」
ここで妾は元々平坦とか口を滑らせた奴は敵味方関係なく処刑じゃ。
「残念じゃったな。妾は異世界転生を繰り返す身……レベル0スタートとかいつもの事である!」
基本、別世界に能力持ち込めんからのう。知識と経験は持ち込めることが多いが、たまにそれすらない時もある。その時はどうするか。
「いつからレベル0が弱いと勘違いしておったのか」
近づいて殴る、ただそれだけである。手足の獣化による単純な身体機能の強化はレベル依存ではない。転生を繰り返す妾は産まれた時からパラメーターが高いのじゃ!
「さらに戦闘中の経験でレベルアップ! レベルは低い程上がりやすい!」
花盛・乙女
お前のような貧乏神がいるかッ!
…いや、いるのだから認めざるを得まい。
斬ってやるから首を差し出すがいい。
とはいえ…腐っても、いや、貧しくてもオブリビオン。
あの怪しげな光線は厄介だ。
仮に手足を縮められれば戦いは不利になる。
さて、どこを狙うかで敵の力量は測れよう。
…なッ!?
む、むむ、胸を!あいつら胸を狙ってないか!?
この戦場で!戦をする場で!?
こ、こんな場においても下心を持つというのか男というのは!?
いやさ、オブリビオンではあるのだが!!
…くっ!やはり貧乏神なぞに…男なぞに近付くべきではなかったー!!
怒りと屈辱で私の怒りが有頂天だ!!
強化された膂力でバラバラにしてやるからそこに直れーッ!!
イザベル・デュノアイエ
「神が相手か…上位の者ではなさそうだ。であれば私の新作の試しには丁度いい」
まずは全ての精霊石を使って戦うとしよう。【属性攻撃】火と風は攻撃に水は防御に使ってやろう。
敵の足元から火柱を出しその周りに鎌鼬を飛ばす。これで回避は困難なはずだ。
光線は氷の三角柱をだして屈折させれば避けるまでもない。危なそうな味方もフォローしてやろう。
ある程度戦ったら火と風の精霊石を災禍の大杖に嵌め込み掲げる。
UC【異常天災】発動
「私の新作の本領はここからだ!災いの神が私の天災をどう対処するか見ものだな。」
大規模な竜巻を発生させるがただの竜巻じゃない炎の竜巻だ。それを操り敵を巻き上げ燃やし尽くす。
●戦場の乙女達
「お前のような貧乏神がいるかッ! ……いや、いるのだから認めざるを得まい」
斬ってやるから首を差し出すがいい。花盛・乙女(羅刹女・f00399)は異様な光景に自己完結し、得物を構え直す。とはいえ……あの怪しげな光線は厄介だ。どこを狙うかで敵の力量は測れよう。
「神が相手か…上位の者ではなさそうだ。であれば私の新作の試しには丁度いい」
イザベル・デュノアイエ(災いの先導者・f21261)は冷静に相手を見定める。
「なんと恐ろしい事を! 妾の豊満が平坦になるとな!?」
ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)は感嘆の声をあげる。
「ほ……豊満?」
斬り結ぶ刃を止めて双方とも首をこちらに向け、どちらともなく呟く。あるいはその後ろの神か。
「…なッ!? む、むむ、胸を!あいつら胸を狙っておるのか!? この戦場で!戦をする場で!?」
乙女は困惑する。こ、こんな場においても下心を持つというのか男というのは!? いやさ、オブリビオンではあるのだが!!
●乙女の怒り・理不尽
「そんなこと言う奴は処刑じゃ。敵も味方もない」
敏捷力に一定の自負をを持つ忍者達が動く間も与えず吹き飛ばしながら、奥の神に肉薄する。服部忍軍は隙を見て被害者を回収したが、風魔忍軍のものはそのまま動かない。
肉体的な損傷すら戦術に組み入れるのが忍の真髄である。とはいえ、服部忍軍側だけがこの戦場で回収したのは、徳川が猟兵を受け入れた事により比較的人道的に実践する技術を手に入れたからである。現在の風魔忍軍は、頭目の小太郎次第となる。
閑話休題。
「ドゥェッヘッヘ! 誰が脂肪を貧相にすると言った! どんな技術も、私の前では素人以下になるのだぁ!」
貧乏神を禍々しいオーラが包み、ルルティアへも伸びる。
「残念じゃったな。妾は異世界転生を繰り返す身……レベル0スタートとかいつもの事である!」
「何?」
そのセリフにも神の余裕は崩れない。むしろ興味が優っているような声をあげる。その視界を、異形の拳が覆い……闇と激痛が訪れる。
「いつからレベル0が弱いと勘違いしておったのか」
猟兵達も見たことのない形に変形していたルルティアの腕が、貧乏神の顔面を見事に捉えていた。近づいて殴る、ただそれだけを繰り返す。手足の獣化による単純な身体機能の強化はレベル依存ではない。それが彼女の対策である。
「転生を繰り返す妾は産まれた時からパラメーターが高いのじゃ!」
●冷静
何があろうと、相手はオブリビオン。倒せば全ては終わる。仮に胸が落ちても元に戻るはず。
まずは全ての精霊石を使って戦うとしよう。イザベルは敵の足元から火柱を立て、その周りに鎌鼬を発生させる。これで回避は困難なはずだ。
光線は氷の三角柱をだして屈折させる。特に屈折させた光線は回避しにくくなる。他の猟兵や服部忍軍にも当たらないよう、減衰するまで屈折され続ける。
●乙女の怒り・理不尽2
「……くっ!やはり貧乏神なぞに……男なぞに近付くべきではなかったー!!」
怒りと屈辱で乙女の怒りが有頂天に達する!!
だがそれはルルティアの妄想だ!!
「強化された膂力でバラバラにしてやるからそこに直れーッ!!
「ドゥェッヘッヘ! 戦場で名乗るものはいても直る奴はいない!!」
「うるさい!」
光線をまともに食らいながら、躱そうととする貧乏神に斬りかかる。本来の鍛えられあげた筋肉が落ちる。しかし、それはUCで再び強化されて肉をえぐり、骨を断つ。
●異常天災
「さらに戦闘中の経験でレベルアップ! レベルは低い程上がりやすい!」
拳を下ろし続けながら叫ぶルルティアに目も向けず、イザベルは2つの精霊石を自らの得物〜〜災禍の大杖に嵌め込み掲げる。
「そんなシステムだったかな。いずれにせよその度に下げられると言ったところだろう」
嵌められた精霊石は火と風。起こるは大規模な炎の竜巻。それを操り敵を巻き上げ燃やし尽くす。
「私の新作の本領はここからだ! 災いの神が私の天災をどう対処するか見ものだな」
「魔法への対処は1つしかない!」
「「貧すれば鈍する!」」
「「「頭も心も貧しくなるがいい!」」」
3人の貧乏神から3色の光線が走る。氷の柱で異なる屈折率で曲がる中、その1つがイザベルを掠める。
「……ははは。燃えろ燃えろ! みんな燃えろぉ!」
「あ……」
全ての猟兵、相手のいない貧乏神、そして先ほど倒された風魔を除く全ての忍者達がその場から離れる。ルルティアに殴られ続けて全身の骨が砕けたもの、乙女の得物で皮一枚残して切り刻まれたもの、そしてイザベルの鎌鼬を全身に受けたもの。それこそ腐ってもオブリビオン、それでも意識を保つ中で間に合わず爆炎に巻かれ灰と化していく。
「はははははは……ん? おや、この焼け跡は……」
どうやら掠めた光線を発した貧乏神は灰になったようだ。
「「あのような失態を犯すとは私とあろうものが……いや、所詮はコピーだったということか」」
6割近い数を削ったが、やや多勢に無勢か。最後のひと押しが足りない。
大成功
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胡堂・充
……なんだろう、この貧乏神から強烈な既視感を感じる。
何処かで会ったような、はたまた気のせいか……いや、気にしたら負けだな。
戦闘となれば、僕の主力は格闘戦……だとしたら身体能力の低下は致命傷だ。
しかし、それを補う手段がこちらにはある!
来い、マックス! 【大型身体強化鎧】だ!
例え力が衰えても、機械仕掛けの鎧までその効果は表れないはず!
攻撃は【グラップル】による格闘、防御は鎧の腕のバックラーによる【盾受け】で対応だ!
とどめは【ジャンプ】からの急降下キック。質量を生かした【範囲攻撃】による会心の一発を叩き込む!
「デジタル的な存在だったのなら、リプログラミングして良い神にしてあげたいんですがね……」
●増長
殴られ、斬られ、鎌鼬に晒されながらも、そのダメージは次第に抑えられてきた。
「「どうした! もう終わりかぁ!」」
貧乏神たちが調子に乗って叫ぶ姿を……呆然と眺める白衣の青年がいた。
「いるじゃないか! 医師がぁ!」
●電脳ドクター
「……なんだろう」
この貧乏神から強烈な既視感を感じる。胡堂・充(電脳ドクター・f10681)は困惑していた。何処かで会ったような、はたまた気のせいか……いや、気にしたら負けだな。いつものように格闘戦を仕掛ける。
「ドゥェッヘッヘ! 医者が無計画にもほどがある! お前達の身体を貧相にしてやろう〜! ヒャッハッハッハ!」
「それを補う手段がこちらにはある! 来い、マックス! 【大型身体強化鎧】だ!」
オフロードバイク『マックス』が音声認識とAI制御で忍軍達の戦闘の隙間を駆け抜け、充の頭上へ跳び上がるとそこで変形した。器のような形状か。
「トウッ!」
跳び上がると、その器から首だけ出してすっぽり入り込む。その器から手足がビヨ〜んと伸びてきた。
「ダリ◯ガーン」
「「ダゴズ◯ーン」」
多分意味ないけどダメだから。しかもそっちが歌うんかい!
●機械の鎧
「き、金属であればオーラで……」
「遅い!」
残された貧乏神達を伸びた腕が掴んで投げ飛ばしていく。一か所にまとめると、驚異的な機械的脚力で跳び上がり、物理法則を無視して急降下。
『マックスキーック』
逃げ始めていた貧乏神をも巻き込み、ちょっとしたクレーターを作る。
「マックスにこんな音声入ってたかな。まぁ……デジタル的な存在だったのなら、リプログラミングして良い神にしてあげたいんですがね……」
「ふっ……勝利者特典として、ぅ私ぃ達の司るものが貧乏を超えていた証明を君に残そう」
かろうじて残っていた貧乏神の頭ががそう言うと、砂のように風に流されていき、その中に金色の箱状のものが残された。
「これは……欲しくないなぁ」
●Just the beginning
神の勝負は……終わらない。
「えっ?」
振り向く充。
「ん? 何か聞こえたか?」
「妾は何も聞いていないぞ」
この戦場からオブリビオンの驚異……いや脅威は去った。猟兵の仕事は終わりである。
大成功
🔵🔵🔵