エンパイアウォー㉒~黄泉より顕れ出でる者
●拠点発見
「ふむ、やはり此処か」
そう言ったのは、徳川幕府お抱えの忍達、服部忍軍に属する一人の忍びだ。
猟兵達の働きもあり、『風魔忍法隕石落とし』が阻止された。この危機に於いて重要な要素である風魔だが、大規模な作戦が看破され、阻止されたともあればその姿に焦りが見える。そして、それは服部忍軍の捜索の事もあり、こうして忍びは風魔の拠点を確保するに至ったのだった。
「さて、お前たち、行くぞ――!?」
だが、そんな忍びの声に答えられる忍びは自身の周囲にて倒れている。どうしう事だろうか、と考えるよりも前にチリン……と鈴の音が忍びの耳にも届いてくる。警戒心をもって振り返っても、それらしき影は見当たらない。
そして――唐突に、幕府お抱えの忍びは燃やされてしまったのだった――。
「よし、ここから押し返せる……好機だ――!」
●ブリーフィング
「さて、サムライエンパイアでの戦争、その次なる予知が見えたでありますよ」
某所にて紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)が集まった猟兵達に向けてそう口を開いた。現在、サムライエンパイアでは徳川幕府と織田信長の軍勢との大規模な戦いが始まっていた。
国難に立ち向かうため、幕府軍が進軍を開始。その道中にある危機、『風魔忍法隕石落とし』を阻止した事により、幕府お抱えの服部忍軍が風魔忍軍の拠点を割り出す事に成功。敵の情報収集や共有に影響するこの拠点を叩くべく、服部忍軍が風魔の拠点を攻める事になったのだが――。
「今回はその服部忍軍の援護こそが目標であります」
そう言って、更なる情報を背後のホワイトボードに投影する。そこに映るのは、不気味な鈴。猟兵達のデータベースに登録されている名称『黄泉の本坪鈴』だ。
「服部忍軍は幕府軍の中でも凄腕が集まっているとは聞くでありますが、だとしてもオブリビオンや協力な魑魅魍魎については門外漢と言った所。つまり――」
――この魑魅魍魎の相手は猟兵が務めるべきである、という事だ。
「さて。此方も大物を倒すものではなく、大規模な作戦ではないでありますが、取りこぼしは許されないであります。確りと敵拠点を攻略し、次の戦いに繋げて欲しいであります」
そう言って、智華は転移の術式を展開させるのであった――。
暁文空
どうも、21作目のシナリオとなります。初めましての方は初めまして。そうでない方は今度も宜しくお願い致します。暁 文空(アカツキ フミアキ)です。
18作目とは同時進行ですが、まあ、どうにかな(以下略)。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回は純戦闘シナリオとなりますので、そのつもりで参加して頂ければと思います。
執筆状況等については、詳しくはMSページやTwitter等の確認を宜しくお願い致します。
特定の他者との連携の場合は、その方のキャラ名とID、旅団単位であれば旅団名(と参加最大人数)を最初に明記して頂きますようお願い致します。
逆に連携NGの場合も冒頭に記載して頂けますよう、お願い致します。
また、明確に技能を使用する場合は、本文中に【】等で囲って明記して頂けると、助かります。
それでは、今回もどうか、お付き合いの程、宜しくお願い致します。
第1章 集団戦
『黄泉の本坪鈴』
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POW : 黄泉の門
【黄泉の門が開き飛び出してくる炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【地獄の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 人魂の炎
レベル×1個の【人魂 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ : 後悔の念
【本坪鈴本体 】から【後悔の念を強制的に呼び起こす念】を放ち、【自身が一番後悔している過去の幻を見せる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:marou
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
デナイル・ヒステリカル
蛇の道は蛇。
徳川の忍には徳川の忍の、そして猟兵には猟兵にのみ割り振られるべき仕事というものがあります。
つまり───オブリビオンの排除。
あなた方オブリビオンに徳川軍の人員を傷つけさせる訳にはいきません。
ここで打倒させていただきますよ。
UC:オーバークロックを実行
全ての炎を個別に操作・統合を同時に処理するとして、それはかなりの集中力を要するものであると判断します。
その集中力を乱す戦術として、僕の取る手段は速力を活かしたヒット&アウェイ。
高速移動能力を十全に発揮し、移動跡の地面に稲妻を残しながら超スピードでの接近と徒手格闘。
炎に追い付かれる前に戦域を離脱し、遠距離からの雷撃で攻勢を仕掛けます。
草野・千秋
隕石落としの次はまた敵さんですか
まったくもって退屈出来なさそうですね
戦争ですもんね
魑魅魍魎の相手は僕達猟兵が承りました
この断罪戦士ダムナーティオー、いきますよ!
変身!
前もって情報収集で黄泉の本坪鈴の情報を入手、索敵
勇気をもってしてこの戦いに挑む
戦闘序盤は2回攻撃とスナイパーをメインに当てていく
戦闘開始時と同時にUC発動、防御力アップさせる
僕は信じた戦友(とも)の為に!
敵体力がある程度削れたら全線に出て接近戦に挑む
怪力パンチキックをお見舞いしてやるぞ
敵の攻撃は第六感でかわして
避けられない場合武器受け、盾受けで耐える
仲間の皆さんが攻撃されそうならかばう
●稲妻と英雄と
風魔忍軍の拠点。そこに顕れ出でるは本坪鈴。人魂やら炎やら――兎に角、通常の戦力では太刀打ちできないのは明白。故に、そこに猟兵が出張るのは当然というもの。
「蛇の道は蛇。徳川の忍には徳川の忍の、そして猟兵には猟兵にのみ割り振られるべき仕事というものがあります」
――つまり、オブリビオンの排除。それこそが仕事であるとデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は口にしながら、自身のユーベルコード――『雷霆万鈞システム(セルフ・オーバークロック)』により、全身に青白い稲妻を纏い、接敵してゆく。
「ここで打倒させていただきますよ」
本坪鈴は人魂を放ち、それを操作してデナイルを狙うが人魂が動く速度を上回る彼を捉えるのは至難の業。速度で振り切り、一撃離脱。少しずつだが着実に数を減らしてゆく。だが、敵とて単純ではない。多くの人魂を同時に動かすのではなく、数を減らして集合させ、一つの速度と精度を上げてゆく。
これにはデナイルも「む」と多少の驚きを示すが――その攻撃はデナイルには届かない。
「隕石落としの次はまた敵さんですか。まったくもって退屈出来なさそうですね、戦争ですもんね」
人魂をガードし、近くにいた本坪鈴を「むんっ!」と力強い一撃を見舞って沈黙させたのは草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)。猟兵とはオブリビオンに抵抗する現地の人々にとってはある種のヒーロー。その点に於いて、猟兵らしい猟兵の一人とも言える。
「この断罪戦士ダムナーティオー、いきますよ!」
そして、事前に情報を確認しておく事も怠らない。無論、予知等による事前情報も当然あるが、飛び込む前にその姿を確認し、動きをある程度見た所でのエントリー、という訳だ。故に、彼はこうして敵陣のド真ん中に現れても尚、致命傷を受ける事なく、敵を叩く事に成功しているのだ。
近くの敵は直接叩き、遠くには対UDC用の銃火器を素早く放つ千秋。対UDC用とはあるが、本坪鈴も似たようなもの。しっかりと通用し、千秋の手によっても本坪鈴はその数を減らしてゆく。
そして、デナイルもまた、千秋の登場でそのまま本坪鈴を振り切って敵陣から離れると、「優先順位変更。ぶっ飛べ……!」と口にして、千秋のいる周辺は避けた上で雷撃を敵陣全体に向けた。
稲妻が戦場を走り、炸裂する。その閃光が晴れた頃には本坪鈴の数はその多くを無くしていたのだった――。
大成功
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鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で参戦
ほんつぼすず……
なるほど、神社で賽銭箱の前にぶら下がってるアレですか
本来鈴の音には魔除けの力があるというのに
役目を見失ったか、呪われたのか
志乃、少し力を貸してね
本来これは彼女の得意な手合い……
見える幻は随分と昔のこと
私が志乃を庇って死んだ日
私が彼女を置いていった日
本当に必要なのは共に生きることだった
ずっと隣にいることだった
たとえ霊となり傍にいたとしても
もう本当の意味で共に在ることはできない
それでも決めたの
彼女が幸せになるその日まで
ずっと守り続けると
さあ、昔語りはここまでね
私の想いごと持って行きなさい
UC発動
破魔、祈りも籠めた衝撃波で全てをなぎ払います
オーラ防御常時発動
アルミィ・キングフィッシャー
これはまた色々いるねえ
まだやることはいくらでもあるからさっさと片付けてしまおう
相手のメイン攻撃が炎なら『灯らずのランタン』を七つ道具から出そう
こいつは自分に火を灯せない代わりに、別の炎を食おうとするランタンでな
ブレスとかそういうのを盗むときに使うんだが、こいつらみたいな手合にもよく効く
炎を使う亡霊も多いからな
戦場にこれを置いといて後は肉体のある背中からざっくりと狙わせてもらうよ
攻撃さえ封じてしまえばただのマスコットさ
ともあれ後悔の念を呼び覚まされるのは、ちょいと無粋だね
鳴らす前の予備動作は揺らすかなんかだろう、ならその兆候が見えたら優先的にやるとしよう
この程度の小物ならアタシでもなんとかなるさ
●鈴の音はもう聞こえない
「なるほど、神社で賽銭箱の前にぶら下がってるアレですか。本来鈴の音には魔除けの力があるというのに、役目を見失ったか、呪われたのか」
敵の姿を見た鈴木・志乃(オレンジ・f12101)はそうポツリと呟くと、眼を瞑り、集中する。現在、表層に出てきているのは『昨夜』と呼ばれる人格だが、この手合いを得意とするのは『志乃』の方である。
――そして、本坪鈴が彼女に見せてくるは、過去の記憶。昨夜が志乃と別れた日。その出来事。その後悔。――だが、その後悔には必ず決意も含まれる。
「それでも決めたの。彼女が幸せになるその日まで、ずっと守り続けると」
決意の固い昨夜に、精神攻撃によって揺らぐような事はない。それを本坪鈴も感じ取ったのか、あるいは最初から決まった動きだったのか。人魂を放ち動きを妨害しようとするが――。
「攻撃さえ封じてしまえばただのマスコットさ」
だが、その炎を吸収してしまうものを取り出した猟兵が此処に一人。アルミィ・キングフィッシャー(「ネフライト」・f02059)は『灯らずのランタン』と呼ばれるマジックアイテムを自身のユーベルコードで取り出す。
その名の通り、灯らないランタンだが――周囲の炎を奪うという性質により、本坪鈴の炎をも吸収し、無力化する事に成功したのだった。無論、そのアイテムから遠くにある炎や、本坪鈴は今まで通りの動きではあるのだが、状況は明らかに、猟兵達にとって優位に動いていた。
「最後の想いを遂げて、おかえり?」
ランタンの遠くにいる本坪鈴に対して、昨夜は周囲の残留思念を炸裂させる光の大花火を放ち、自身の周囲には花火が幾つも咲き始める。一つ、また一つ花火が輝く度に、本坪鈴も消えてゆく。
「この程度の小物ならアタシでもなんとかなるさ」
それを視界の隅に入れながら、ランタンの影響を受けている本坪鈴については、アルミィが自身の得物でざっくりとトドメをさしてゆく。
――そうして、猟兵達が暫し戦い、本坪鈴はその姿を消した。
猟兵達がオブリビオンをあっという間に片づけている最中に、服部忍軍は風魔の拠点の最奥に到達。この拠点内の忍について仕留める事に成功。つまり、織田軍の情報戦の戦力を僅かではあるが、削ぐ事に成功したのだった――。
大成功
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