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ライツ・カメラ・アクション・イェーガー!!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●どこかの街角
「ここであったが百年目……今までの因縁、つけさせてもらうぞ」
 男はまるで平坦な声でそう言うと、腰の獲物に手をかける。
 すらり、と音もなく引き抜くと具合を確かめるように一振り、二振り。そのまま流れるような動作で霞に構えると、憎き敵をじろりと睨めつける。
 ──否。その顔からは表情は伺えなかった。なぜならばその頭に、瞳はなく、鼻も、口も、耳もない。その表面は出汁をたっぷりと吸ってテラテラと光る油揚げ、何かが包まれたその口はかんぴょうで結ばれていた。
 その男の頭は、餅巾着であった。

 風が吹き、男の足元の草を揺らした。

「はいカーット!いいねぇ、なんていうの?モチ巾からにじみ出る色気っていうか?」
 にじみ出てるのは出汁だけだと思うが。兎角。折りたたみ椅子に腰掛けた一人の男がそう声を上げた途端、餅巾着男は構えを解き、ありがとうございまーすなどと言って頭を外した。というか餅巾着を模した被り物を脱いだのだ。下から出てきた顔はそのへんに一山いくらでいそうな一般キマイラ。
 他にもカメラを担いだものやら照明を調整するものやら手帳に何やら書き込むものやら。

「じゃ、ちょっと休憩したら次のシーン行くぞ!」

●グリモアベース
「へいろー、皆さん。映画ってお好きですか?」
 グリモア猟兵、ジャック・ロープが出し抜けにそんなことを言い出した。
 まぁ、それなりに。と答える猟兵達を見て頷くとジャックは、

「それなら話は早いですね。皆さん、映画の主役になってきてください」
 突然何を言い出すんだこいつは。
 そんな視線をどこ吹く風と、ジャックは説明を続ける。

「キマイラフューチャーでは今自主制作映画がブームになってるんですね。はい、嫌な予感がするなって顔したそこの貴方。はなまるを上げましょう。そうです、怪人がやっていることです」
 またかーって顔の猟兵たち。やはり気にせず続けるジャック。

「怪人を主役にした映画を流行らせて、怪人人気をアップさせる狙いのようですね」
「放っておいたら碌なことにはならないので皆さん思いっきり邪魔してきてあげてください」
「ただ、単に撮影の妨害をするだけだとキマイラたちも反発してまた別の映画を撮り始めるでしょう」
「なので、邪魔をするのではなく、撮影に介入して怪人を持ち上げる内容でなくしてしまってください」

 それは良いのか?って顔をする猟兵たち。
「ええ、キマイラたちの目的は映画をとることですから。邪魔されると嫌がりますが、撮影に参加して映画の脚本を変えてしまっても、最終的に映画が撮れれば気にしないでしょう」
「現在の脚本は怪人がかっこよく活躍する内容なので、怪人をかっこよく活躍させないでください」
「具体的な方法はおまかせしますが、例えば怪人よりもかっこよく活躍してみたり、怪人をこてんぱんに負かしてしまったりですかね。演技が苦手なら脚本自体に口を出してみるのも良いかも知れません」
「脚本を変えてしまえば、怒った怪人が出てくると思われますので、そしたら倒してしまってください」

「最終的にどのような筋書きの映画になるかはあなた方次第です。私も映画は好きなんで楽しみにしていますね」


夢ハルカ
 どうも、夢ハルカです。
 皆さん、映画はお好きでしょうか。私は好きです。

 そんなわけで映画ネタです。現在のストーリーは時代劇風でしょうか。ここからプレイングでガンガン変更されていきます。大作風だったりB級だったりハリウッドなアクションだったりしっとりとしたヒューマンドラマ、華やかなラブロマンスかも知れません。

 すべて皆様の筆先次第です。頑張ってまとめるようにはしますが恋愛アクションミステリーSF西部時代劇みたいなものになるかも知れません。手の震えが止まりません。

 それでは皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 冒険 『映画は現場で作られる』

POW   :    かっこよく怪人役を倒したり派手なアクションを決める

SPD   :    華麗な演技やスタントを行う

WIZ   :    脚本に口出したり特殊効果などの演出を行う

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルティ・アルディリア
映画の主役を怪人じゃなくするか、怪人の評判を落としちゃえばいいんだね!それなら……あ、いいこと思いついたっ♪あたしなりにがんばってみるねっ!

●属性って多すぎたらうざいよね?
「うわー♪映画の撮影だー♪」ってはしゃいで見に来た人を装って、映画をちょこっと見てから監督さんに
「主役の人、ちょっと存在感薄く見えるんですけど」
「カッコよく懐から風車を出したりとか、あ、ちょっとお茶目な部分を出すために刀の柄にミニ巾着侍ぶら下げてみるとか、決め台詞ではあとのポーズして可愛らしさもアピールしちゃうとか」
って口出しして巾着怪人を何者?って感じに仕立て上げちゃうよ♪
「今の世の中、属性多くないと目立たないよっ!」


一郷・亞衿
映画と聞いて我慢できずに駆けつけました!

「監督ぅー。お客さんはさー、映画に何求めてるか、って言ったら“意外性”な訳だよ。お分かり?」
業界人風にカーディガンを羽織りながら脚本に口出し。
時代劇も良いけど、ここはモンスター映画でしょう!地中から襲い掛かる巨大ミミズを召喚!

……こいつの制御は正直上手く出来ないので、嗾ける所までは頑張るから後は適宜努力して欲しい。最初は強く当たって後は流れでお願いします。
「本物のドラマ!本物のアクション!!本物の血しぶき!!!……あ、でもアレ、本物の怪人じゃなくてスタントさんなんだっけ……?」

SF感が必要なら知り合いのUFO呼びますよ監督。出演料は牛一匹でいかがですか。



●脚本破壊は突然に
「はいカーット!!」
 折りたたみの、映画監督が座ってそうな椅子に腰掛けた、実際映画監督な男が声を張り上げた。映画監督とは言ってもあくまで自主制作映画の自称監督であるが。
 その声で現場には緩んだ空気が流れる。役者は休憩スペースに向かいお互いに談笑などして。撮影スタッフは機材の確認。そして監督は今しがた撮ったフィルムの確認を始める。
 一見平和な映画製作だが、その実この場は怪人が仕組んだ、怪人が大活躍の映画を撮らせてイメージアップだぜ☆という深遠な、深遠、な……えと、まぁなんかそういう計画の現場である。

「うーん、いい感じではあるんだけどもっとこう、なんか欲しいな。具体的な案は思いつかないけど」
 どうやら納得がいっていない様子でうんうん唸っている。ちなみに周りは気にもとめていない。コダワリのある映画監督を演出するために適当なことを言っているってみんな知ってるから。

 しかし今日はそんな悩める監督の側に歩み寄る者ありけり。怪人の計画を阻止せしめんとする猟兵、フォルティ・アルディリアである。どうやって侵入してきたかと言えば別に誰にも咎められなかったので普通に徒歩で来た。

「うわー♪映画の撮影だー♪」
「うん?なんだね君は」
「あ、えーっと、あなたの映画のファンです☆」
「なんだって?今撮ってる映画がはじめての作品で、それもまだ公開してないんだぞ……?」
 
 やばい、ちょっと適当言い過ぎたかな……?内心焦るフォルティ。

「んー、そっかー。公開してないのにファンになっちゃったかー!カーッ!怖いわー!溢れすぎて隠せない自分の才能が怖いわー!」
 しかし、キマイラフューチャーの今を生きる監督。かなりのバカ、もとい、スカポンタンであった。

「えっ。あ、うん!そうなの!」
 ちょっとびっくりするフォルティ。だが気を取り直して言葉を続ける。

「それでね、よかったら撮ったやつ見せて欲しいなーって。駄目?」
「んっんー。本来なら部外秘なんだけどねぇ。まぁファンにサーヴィスするのも?良い監督の条件ですし?」
 ウゼェ。などとフォルティが思ったかどうかは神のみぞ知る処であるが、とにかく見せてくれるらしい。
 わー、すごーい。などと適当になりすぎないよう程度の歓声を上げながら映像を見る。

「むっふふふ。どうだ?どうだ?俺の作品ゴイスーだろ?だろ?」
「うん、すごかったよ!んー、でも……」
「でも、なんだ?」
「主役の人、ちょっと存在感薄く見えるんですけど!」

 ぶっちゃけ餅巾着頭のサムライってだけでだいぶお腹いっぱいである。もたれる。だがこれこそがフォルティの作戦。すなわち主役の怪人にごてごて余計な設定を盛り付けて胃もたれさせてやろうというのである。
「なん……だと……?!」
 ショックを受ける監督。畳み掛けるフォルティ。
「カッコよく懐から風車を出したりとか、あ、ちょっとお茶目な部分を出すために刀の柄にミニ巾着侍ぶら下げてみるとか、決め台詞では・あ・と♥のポーズして可愛らしさもアピールしちゃうとか♪」
「今の世の中、属性多くないと目立たないよっ!」
 一息でいろいろ言って、フォルティは最後にそう締めた。
 監督は呆然と目を丸くしている。かと思いきや急に小刻みに震えだし、口を開く。

「き、君は……」
 あ、これは失敗したかな?フォルティはその様子を見で思う。

「君は天才か!?!!?」
 監督はスカポンタンだった。

「そっかー、やっぱモチ巾だけじゃ薄味過ぎたーかー!よっしゃ脚本を呼べぇい!大幅改稿じゃい!!!」
「イェス、ボス!」
「えっ、誰君」
「あ、どうも。通りすがりの脚本家です」
「なんだ、通りすがりの脚本家か」
「納得するんだ」
 監督はスカポンタンだった。
 フォルティは呆れた。

 この通りがかりの脚本家、いかにも業界人といった感じのカーディガンを羽織り、あんまり業界人って感じはしないマスクを付けた彼女は一郷・亞衿。映画と聞いて我慢できずに駆けつけてきた猟兵である。ちなみにもとの脚本家はこの場にはっていうかもともと存在すらしない。なぜなら脚本を書いたのは怪人だから。
 監督は映画をとるぞー!って宣言したらいつの間にか脚本が用意されてたからどっかに脚本家は居ると思ってる。自宅にいつの間にかぽんと置かれていたことになんの疑問も抱かなかったあたりにこの監督の趣を感じていただきたい。

「でさー、監督ぅー。邂逅っていうけどさー、お客さんはさー、映画に何求めてるかわかる?」
「あん?そりゃアレだよ。アレ、ほらなんて言うかさ?こう、わかるだろ?!」
「いやわかんないよ」
 両手をわちゃわちゃさせながらなんぞのたまう監督。呆れるフォルティ。駄目なんじゃなかろうかこの人。

 その様子にしたり顔でちっちっち、と指をふる亞衿。ランダムで技が発動したりはしない。
「観客が求めてるものって言ったら“意外性”な訳だよ。お分かり?」
「一理ある」
 頷く監督。
「だが、昨今の消費者は目が肥えている。意外性と一口に言ってもなかなか……」
 ノンノン。と首を振る亞衿。この娘もだいぶ役に入りきっている。
「難しく考えるからいけない。物事はシンプルに、されど大胆に。そう……」
 亞衿は一度言葉を切る。間というものを大事にしたいのだ。

「例えば!時代劇にモンスターが出現したらとても意外ではないだろうか!!!」
 急に叫ぶ亞衿。同時に片手を持ち上げるとパッチィーン!と高らかに指を鳴らす。ぽかんとする監督。ついでにフォルティ。
 と、不意に地響きのような音が耳に届く。ような、というかまんま地響きだったようで、地面も一緒になって揺れだす。

「む、地震か?みんな、避難を……」
 という監督な常識的な言葉は最後まで発せられることはなかった。非常識がめの前に現れたから。具体的に言えば。ひときわ大きくなった地響きとともに、地面を砕き、その割れ目の間から巨大な、なんというかミミズみたいなモンスターが出現した。

「見てください監督ぅー!本物のモンスター!本物のドラマ!本物のアクション!!本物の血しぶき!!!……あ、でもアレ、本物の怪人じゃなくてスタントさんなんだっけ……?」

「な、なん……」
 信じられない、といった表情で目の前の惨劇(きしゃーとか言ってる巨大ミミズ、うわーって逃げ惑う撮影スタッフ)を見つめる監督。流石にやばいんじゃないのって顔のフォルティ。

「なんというシャッターチャンス!!?いや、動画だとシャッターチャンスって言わないんだっけ!?どうでもいいや!カメラ回せ!!この画を逃がすなァ!!!」
「SF感が必要なら知り合いのUFO呼びますよ監督。出演料は牛一匹でいかがですか。」
「よっしゃ、なんかいいタイミングで呼んでくれ!!!」

 なんかすごく盛り上がっていた。
 作戦はうまく行っているのだけれど。
「これ、大丈夫なの?」

 フォルティの目の前で巨大ミミズが撮影セットを叩き潰していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

寝子・ねこ
「ねこは……うらかた……。みなさんのきたいにこたえます。」
「まかせて。」
『レプリカクラフト』を使用し周囲に合わせてセットの建造をします。そう、個人個人の世界観に合わせて。結果的にSFラブコメホラーミステリ群像劇みたいになったとしてもそれに合わせてロケットの中に教卓とか建造していきます。その結果どんなクソ映画インシデントが起きたとしても本人はとても満足げです。


日和見・カナタ
何処かで私を呼ぶ声がする!
ガジェットライダー日和見カナタ、ただいま参上!

といった具合に、電柱の上から登場して撮影現場に割り込みます!
ただ降りるだけだと味気ないので、【ガジェットショータイム】で作った演出支援ガジェットによる爆発とともに三点着地しましょうか!
着地後は【属性攻撃】による派手な電撃エフェクトを入れつつ怪人役相手に立ち回っていきます!
相手は一般人ですし、【ガジェットドローン】にわざとこっちを攻撃させてピンチを演出してもいいかもしれませんねー。

傷つけないよう注意して怪人役を倒したあとは、爆発演出とともにカメラに背を向けて立ち去りましょう!
……一応、後で怪人役の方に差し入れに行きますね。


ウル・ヘーニル
f09894と共同プレイング

壁コンで衣装を取り出し、ウルはにんまりする。
自分用に悪役風黒服に付け髭、相方にはピンクの魔法少女衣装。

シーン・森の中 魔法少女vs 悪の幹部との決戦 殺陣

怪人一番の見せ場中、悲劇的なオペラBGMと共に頭上から静々と下りてくるガジェット製『ハリボテの木』。
怪人の上にすっぽり被さり拘束し、背景へ追いやる。顔のみ露出し口には×マーク。

「ふははは、よくぞ我が前に辿り着いたな魔法少…女? ヴァシ…ぶははは! ぱんつ! 見えとるぞ! って痛っやめんか!」

殺陣に失敗し、尻尾をライオン化・ガチキマイラで反撃したらヴァシリッサが爆発した。
ウルは這う這うの体で逃げた。
あくはほろびた。


ヴァシリッサ・フロレスク
「美超女戦士 ヴァシ☆りっさThe Movie」

何か知らないけどウルちゃん(f09937)に頼まれたら断れないね!……何々、これを着ろって?ピンクのフリフリ……ミニスカ?え?これ着てわしと殺陣しろ?自分で言うのもアレだけど、あたしの一撃、結構痛いよ?あ?ホントに当てるんじゃないって?ゴメンごめん、この格好動きにくくて……あぁ、パンチラ気になるわあ……あ、ごめ、見てなかった、めっちゃ直撃しt……あ!怒った!ぃ痛い!やめ!ガチキマで噛まないで!めっちゃ血ぃ出てる!ごめ!あひ!痛い!
ぁあ!ミラ☆くる・本気(マジ)★かる【ブレイズ♡フレイム】でちゃううう!

⇒背景(の木役)全焼

―終 劇―


ルエルエ・ルエラ
ん。映画は色々と見させられたので知ってるのです。
最初にイチャつくカップルは死ぬし結婚しようとしても死ぬのです。
とりあえず今の脚本では薄いと思うので私が整えてあげるのです。
まずサメを出すのです。
海がない?問題ないのです。飛ぶのですから。
なんでサメが飛ぶか?それは些細な問題なのです。サメが飛ぶのは常識ですしゾンビになったり巨大化するのも当然なのです。
なので序盤は空飛ぶサメをメインとし、後半はメカ化した巨大サメをこの世界に投げ込むと最高の映画ができるのです。私は詳しいのです。


ターニャ・ロクロリア
ルエルエ・ルエラ、一郷・亞衿と一緒に。

打ち合わせなし台本なしのぶっつけ本番だが大丈夫か?
いいや、天才の私ならアドリブでも完璧にこなしてみせるとも!

B級映画お約束の大胆な水着姿で登場。
エキストラが足りなければ【リザレクト・オブリビオン】でちょっとセクシーな死霊を補充。
バカンスを楽しんでいた私は、突如現れた巨大生物に悲鳴をあげて逃げ惑う……
だが!そんな私の正体は、何を隠そう魔法少女だったのだ。
いつもの大魔導師スタイルに早着替えして、華麗に巨大ミミズやサメと戦うぞ!

オチは流れに任せよう。サメに喰われるかもしれないし、全部まとめて爆発するかもしれない。


佐田・忌猿
・POW指定
映画なら良く知ってるべ!
まずゾンビが一杯出てきてサメが空から降ってくるべ
それをトァー!とかヘァー!とか気合入れてやっつけながら
クルクル回転して突っ込んでまとめて吹っ飛ばすんだべ
我はシティボーイになったから詳しいんだべ
団員に見せてもらった映画がみんなそうだから間違いないべ
ただチェーンソーは我用意できなかったから
良いタイミングでなんかこう高い所からニードロップして派手に地形変えて代用するべ
これで映画さ売れたら大陸デビューだべかなぁ…
我も使命があるからちょっと困ってしまうべなぁ


明石・真多子
時代設定?サメにはそんなもの関係ないよ!
サメはいつだって主役!いいね?

【鮫蛸変化の術】で頭を巨大なサメにして、手足も保護色能力の応用でタコ触手に変化、【伸縮自在の術】で手足と触手を伸ばせば…主役モンスターのシャークオクトパスの完成!がおー!

怪人が格好つけようとしても、こんな大きなモンスターが暴れてれば全然目立たないモブも同然!
陸上だろうと触手持ちのシャークオクトパスに死角はないのだぁ!

あとはなんかその場のノリで暴れたりエキストラ食べるふりしたりして無理やりモンスター映画してようかな。

他の人とも歓迎!改変も好きにしちゃっていいよ!



●撮影は続くよどこまでも。そう、たとえ地獄の果てだとしても

 突然現れた巨大ミミズにビーチは騒然となった。
 なぜならついさっきまで町中で撮影していたはずなのに急にビーチの真っ只中になっていたからだ。人も撮影スタッフくらいしか居なかったはずなのに、ビーチで騒ぐパリピで溢れていた。水着で金髪のネーちゃんが気持ちたくさんいた。あからさまに餌枠だった。モンスター映画に出てくる金髪美女は食われる(物理的に)。古事記にもそう書いてある。

 もちろん、この場が突然B級映画時空間に呑まれてビーチと金髪美女が出現したというわけではない。ビーチは裏でスタンバってた寝子・ねこがレプリカクラフトによって作り出したセットだ。ビーチ作れるってすげぇなレプリカクラフト。ねこもやってみたらなんかできた。って顔をしている。すげぇぜレプリカクラフト。

 しかし金髪美女は流石に作れなかった。だがねこは一人ではない。金髪美女含めたビーチで騒ぐパリピたちは、控えていたもうひとりの徴兵、ターニャ・ロクロリアがリザレクト・オブリビオンによって呼び出した死霊兵たちだ。パリピだけど死霊兵。この戦いにふさわしい兵士を呼び出したんだからきっとこれであってる。死霊兵は懐が深い。
 ちなみにターニャ自身も大胆な水着に身を包み、死霊兵たちと一緒にうぇーいしてた。うぇーい!

 そんなこんなで突如撮影現場に現れたパリピonビーチに戸惑うスタッフたち。
 え?なにこれ?
 こんなシーンあったっけ?
 いや、時代劇にパリピは居ねーよ。ビーチも
 みんな、大変だ!
 どうした
 スイカあったよ!!
 よっしゃスイカ割りだァ!
 うぇーい!!!

 スタッフたちもスカポンタン。

 だが平穏はすぐに破られる。そもそも平穏じゃねーよ。巨大ミミズとかいたよ。なにスイカ割りしようとしてるんだ君ら。
 びたーん!びたーん!と巨大ミミズがおおあばれ。宙を舞うパリピ。頭から美味しくいただかれる金髪美女。空飛ぶサメ。
 空飛ぶサメ?

 ビーチと言ったらサメだよね!と誰かが言ったのかは知らないけれど、とにかくサメが現れた。空を飛んで。本来つながることは少ないはずの名詞と動詞だが実際そのようにして現れたのだから仕方ない。サメは飛ぶ。ロゼッタストーンにもそう書かれているのだ。この世界では。いいね?

 もちろんそんな訳はねぇ。サメを投入したのはルエルエ・ルエラ。本来炎属性の魔法の矢を放つウィザードミサイルをなんかとんでもねぇ使い方をしやがりまして、B級映画属性のサメを放ったのだ。
 放ったのだじゃねえよ、放つなそんなもん。ほら見ろ大惨事だ。巨大ミミズだけでお腹いっぱいなのに追加メニューがこってり味すぎる。
 だがルエルエは当然のことといった顔をして、どんどんがんがんサメを放っている。今手を取り合って逃げるパリピカッポゥが一口で両方食われた。これで永遠に一緒だね。サメの胃袋の中で。パリピはもれなくすべてが死霊兵なので食われても問題ありません。ないのだ。
 
 その惨状に、パリピにまぎれて逃げ惑っていたターニャはそっとほくそ笑んだ。
 今の彼女は日々の仕事の疲れを癒やすため、つかの間の休息として訪れたビーチでモンスターに襲われる薄幸の美女……
 だが隠されたその正体は魔法少女だったのだ!!!

 少女?と首を傾げたパリピがサメにイートイン。触れてはいけない禁忌に人は何故こうもたやすく触れてしまうのだろうか。ターニャの哲学的な問は波の間に消える前に巨大ミミズにびたーんされた。

 それはともかくキラキラ光るエフェクトとか思春期の少年になにか影響しそうなカットを経たのかは知らないけれど、ターニャは魔法少女にメイクアップ。デザイン性を感じさせるも個性というものを極力排したかのような地味な印象のオフィスファッション上下に、ミスティックさは抜群ではあるがそれだけに華やかさは今ひとつといった感じの魔導ローブ。

 まぁぶっちゃけあんまり魔法少女って感じではなかった。懸命なパリピはそれを口にしなかったがそれはそれとして巨大ミミズにびたーんされた。餌枠の悲哀。パリピにも人権を。でもこれモンスター映画だからそんなものはなかった。そもそも彼らは死霊兵なのでモンスター映画でなくても人権は怪しい。

「魔法少女ターニャ・ロクロリア惨状!違う参上!」
「!!!みんな、アレを見ろ!」
「あ、アレは……!」

 ふふふ、天才の私を見て驚いているようだな。ターニャは密かに鼻をふくらませた。

「ば、化物だァ!!!!」

 おい待てコラ人を捕まえて化物とはずいぶんご挨拶だな。ターニャ切れる。ルエルエに合図送ってパリピの如くにしてやろうかと思ったがスタッフたちは生身なので我慢の子。
 と、化物と叫んだスタッフが指さしているのが自分とは違う方向だと気が付き、そちらを見てみる。

 タコ足の生えたサメが居た。

 ルエルエをみる。ふるふると首を振るルエルエ。もう一度振り向く。

 タコ足の生えたサメが巨大ミミズとびたーんしていた。

「嘘でしょ……」
 現実なんだよなぁ。
 彼のタコサメはもちろん自然発生したものではない。してたまるかあんなもん。でもしそうなんだよな、オブリビオンってやつぁ。だがしかしこの場においては自然発生したものではない。ないって。
 では何かと言うとタコベースのキマイラである猟兵、明石・真多子が、え、なに?頭をサメに変身させるユーベルコード?マジで言ってる?……マジかよ。タコの手足は自前ってあたりが最高にマジかよ。
 失礼。つまりそういうもので変身した真多子が暴れているのである。
 現状ビーチに居るのは巨大ミミズ、空飛ぶサメ、タコ足の生えたサメ。それと魔法少女。
 消化不良にも程がある。頼むからこれ以上増えないで欲しい。

「何処かで私を呼ぶ声がする!ガジェットライダー日和見カナタ、ただいま参上!」

 嘘でしょ。
 電柱の上でポーズを決めて叫んだのはガジェットライダー日和見カナタ。電柱はねこが急いで立てた。いい仕事をした顔をしていた。

「平和なビーチにこんな大混乱を巻き起こすなんて……許さないよ!!」
「……えっ、俺!?」
 カナタがびしりと指を指したのは呆然と怪獣大パニックを眺めていた撮影スタッフ、の中のひとり。餅巾着の被り物をしたサムライ衣装のキマイラ。怪人役の彼であった。

「他に誰が居るっていうんですか!」
 電柱から飛び降りながら言うカナタ。飛ぶときに空中で回転を入れたりガジェットを利用して派手な爆発を伴わせながらの三点着地。俗に言うスーパーヒーロー着地。

「いや、知らないって!訳わかんねぇんだけど!?」
「罪を認めないつもりですか……問答無用!!」
「やべぇ、なぜかこっちを狙ってはこないモンスター共よりも明確な脅威が今目の前に!?」

 ビリビリ電撃エフェクトパンチ。なんだかんだで怪我をさせるのは本意ではないので、見た目が派手なだけの魅せ技だ。そうだよね?
 まぁとにかく、カナタが本気を出しては居ないからか、それとも怪人役のキマイラの必死が為せる技か。攻撃を喰らわず粘る、粘る。必死過ぎてあまりスタイリッシュさとかかっこよさとかそういうものは認められなかったが、まぁ怪人をかっこよく見せたら作戦失敗なのでこれで良いのだ。

 そしてそんな様子を影から見てる魔法少女が一人。まぁターニャである。
「むむむ、あっちの怪獣大決戦に行くにも出鼻くじかれたしな……あっちに加勢した方が良いか」

 というわけでカナタに合流しに向かう。ヒーロー同士が手を組む熱い展開。これはウケるに違いない。リンチとかいう言葉は聞こえない。

「さぁ、観念するんだ怪人よ!天才の私n」
「ふははは、よくぞ我が前に辿り着いたな!!!」
「なんなんだよもぉおおおおおお!!!」

 ターニャは嘆いた。急に黒服を纏った下半身がヤギのなんか悪役っぽいやつが現れたのだ。彼はウル・ヘーニル。どうやら怪人から悪役という立場さえ奪ってしまうつもりらしい。
 ウルが登場すると同時にガジェット『ハリボテの木』で怪人役の彼を拘束、ただの背景の一つとしてしまった。他の背景としては巨大ミミズと空飛ぶサメとタコ足の生えたサメの三つ巴の戦いがある。正気の沙汰ではない。
 木が一つだけだと寂しいのでねこが頑張っていっぱい木のハリボテと作って並べた。森っぽくなった。いい仕事をした顔をしていた。

「現れたね、ウルちゃん!じゃなくって、悪の魔道士ウル!この美超女戦士 ヴァシ☆りっさが懲らしめてあげるよ!」
「被った……ッ!?」
「私も魔法少女にしたほうが良かったですかね……?」

 そしてもうひとりの魔法少女が降臨。おののくターニャ。気を使うカナタ。実際少女と言えるのはカナタくらい……なんでもないです。だからそのサメをこっちに向けるのやめて。

「くくく、3人がかりとはのう。わしも大きく見られたもんじゃわい……ん?ぶははははは!ヴァシ、ぱんつ見えとるぞ!」
「な、ちょっとどこ見てるの!!」
 唐突なサービスシーン。映画ではよくあること。特に予算の限られた映画では。背景でもタコ足に絡め取られた金髪美女のサービスシーン。ちょっと画面がうるさくなってきた。

「ちょっとー、セクハラですよ!」
「いやじゃって。あんなふりっふりの衣装で跳ね回るのがいかんじゃろ」
「ちょ、この衣装はウルちゃんが着ろって!」
「ほう、聞き捨てならないな。自分でやらせておいて人のせいにするなど……」

 ぎゃーすか。

 カメラが回ってることを忘れたようなガチ目の口論モードに移行。木のハリボテに囚われている怪人役の彼が困ったような顔になる。いや、餅巾着の被り物のせいで表情はわからないのだが、なんかそういう雰囲気を出していた。
 ふと冷静になってそんな自分の様子を顧みて何故こうなったのかと自問する。友達が映画撮りたいって言うから乗っただけなのに……。人生の、否、キマイラ生の悲哀を感じて空を見上げる。

「あ」

「うん?」
「どうした?」
「なに?」
「なんじゃ?」

「うぉおおおおおお!!!お前が諸悪の根源かぁ!!!!」

「「「「うわぁああああああああ?!」」」」

 空から忍者が降ってきた。よく見たら森の側にいつの間にか高い足場が組まれていた。その上で満足げな顔をしているねこ。
 そして迫る忍者。
 その両手を翼のごとく広げ、人体で最も硬い部位の一つである膝を突き出し、叩きつける姿勢。
 あたかもそれは獲物を定め飛びかかる猛禽のような。
 目を奪われるような美しいニードロップだった。

 目標はウルだった。

「わしかぁああああ!?」
「覚悟しろぉおお!」

 激突。ウルを捉えるにとどまらず、地面まで突き抜けた衝撃は大地をめくりあげ、さながら隕石の衝突のように、その場にクレーターを刻む。

「「「きゃぁああああ?!」」」
 吹き飛ぶターニャ、カナタ、ヴァシリッサ。まぁ巻き込まれるよね。直ぐ側に居たからね。

「ぎゃあああああ?!」
 吹き飛ぶ怪人役の彼。仕方ないね。拘束されてて逃げようがなかったものね。

「ふっふっふ、とどめを刺しちまったべ。いやー、これで我がこの映画のだべか?この映画売れたら我も大陸デビューってことだべ?我も使命があるからちょっと困ってしまうべなぁ」
 困ったと言う割に楽しそうにクレーターの中心でそんなことを言う忍者、佐田・忌猿。田舎暮らしで根が純朴な彼は、案外ミーハーだった。

「……たのしそうですね?」
「お?」
「……いきなり飛び込んでくるなんて、マナーがなってないな?」
「おお?」
「……ちょっとお話しようか?」
「おおお?!」

 いつの間にか幽鬼のような3つの影に囲まれている忌猿。幽鬼というかターニャ、カナタ、ヴァシリッサの3人だ。一応、映画の撮影なので忌猿も手加減していたため、ダメージはすぐに立ち上がれる程度に抑えられていた。クレーター作っておいて手加減もない気もするが。直撃もらったウルはまだ転がっていた。怪人役の彼はまだ拘束されたままだった。ねこはクレーターのクオリティをアップさせていた。ねこはいます。

「い、いやでもこれは映画の撮影で……」
「そもそも女の子蹴るってどうかと思います」
「その、蹴ったのはあのウルってやつで」
「巻き込んだのだから大差はないでしょう!」
「い、いや。でも」
「いやもでももないよ!!」

 ぎゃーすか。人のこころとは斯くも醜いものなのか……などと思うものはこの場には居なかった。
 しかし言い合ってるだけじゃ画的につまらないなって思ってるやつは居た。
 画面外で、ずーっとカメラ回してた監督とか。サメを放ってるやつとか。タコサメとか。

「がおー!たべちゃうぞー!!」
「そろそろ機械式のサメを投入する頃合い」
「いいね!そろそろUFOとかもいいんじゃないか!?」
「やめろ、こっちに来るな!」
「うわぁああああああああ?!音響係が食われたぁ!?」
「あ。やべこれ生身のキマイラだった」
「吐き出せェ?!」

 そんなこんな。右往左往の上を下。脚本なんか関係なしに誰も彼もが大暴れ。これを止めるべき監督は楽しそうにカメラを回すだけ。もはや収集などつかず。ただただ乱痴気騒ぎのトンチキだけがそこにあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

レトロ・ブラウン
シッチャカメッチャカになってそうなので機械仕掛けの神置いときますね

むム!映画撮影といウコとデ面白ソウなノで来てみマしタが、何やラ酷いコとニナってそウな感じでス!
B級ナんだカS級なンだかZ級なんダカわカラない始末!古いモノを愛スる者とシて許スマじ!
あナた達!(16mのロボになる)
いイ加減ニ!(背部・肩部砲門開放・ロックオン)
しナサーい!(256発のミサイル発射)

まぁ締めと言ったらデウス・エクス・マキナと爆発オチですよね。



●そして、オチ
 ぎゃーぎゃー、わーわー
 うわーぱぱーどどん

 パリピが飛び、巨大ミミズがびたーんし、サメとかタコとか絢爛舞踏。
 人はゴミのように。倫理観は紙切れのように。
 道徳はあらず。監督はスカポンタン。

 いったい誰に祈れば良いのか。
 あぁ。映画撮影の現場に神は居ないというのだろうか。

「むム!映画撮影といウコとデ面白ソウなノで来てみマしタが、何やラ酷いコとニナってそウな感じでス!」

 否。

「B級ナんだカS級なンだかZ級なんダカわカラない始末!古いモノを愛スる者とシて許スマじ!」

────ここに居る。

「あナた達!」
 その威容はまさしく神のごとく。絶えず微笑みを称える箱を包み込むように。歯車と電線で構成された鋼の鎧が立ち上がる。

「いイ加減ニ!」
 立ち上がりし鎧はその装甲を展開する。それは弱点をさらけ出すのではなく、神の鉄槌を下すための前準備。開かれた装甲から冷たく、しかし神の怒りの如き熱量を秘めた弾頭が顔を覗かせる。

「しナサーい!」
 そして放たれる。その総数256発のマイクロ・ミサイル。一発ですら鋼を砕き、鉄を溶かす炎の子ら。それが、サメに、タコに、ミミズに、パリピに。あと逃げ遅れた監督とか撮影スタッフとか猟兵たちに。別け隔てなく、それこそ神の慈愛のように降り注ぐ。

 そして、(動くものは)誰も居なくなった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●撮影終わりてされどマグロ
「いやー、いい画が撮れた!こりゃもうアカデミー賞も確実!しなきゃなー!!サインの練習!!」

 監督斯くのたまえり。文句なしの大惨事だったが、ちゃっかり神の慈悲を逃れながらカメラを回し続けていた監督。あまりにもダイナミックでエネルギッシュでパンキッシュな映像をカメラに収めることができてご満悦。

 だがしかし、いろいろありすぎてちょっと忘れかけていたけどそもそもこの映画撮影というのは怪人の企みの一端だったのだ。つまり、猟兵たちの活躍……まぁ活躍でその企みがちょっとひどいことになった今、怪人たちが報復に現れることになんの疑問もない。

 おぉ、見よ。現に更地になった撮影現場の地平線から怒りの形相で駆けてくる異形のものどもの姿が

「「「助けてェええええええええええええええ!!!!」」」

 なんです?
 えー、人間のシルエットに異形の頭。オーケー、とりあえずこの時点で怪人であることは間違いない。首から下は筋骨隆々、屈強な男のカタチをしており、その一挙手一投足のうちに躍動する筋肉が美しくも暑苦しい。なんで筋肉の動きがわかるかと言えば身にまとってるものが赤褌一丁だからだ。もうちょっと公序良俗に即した格好をして欲しい。

 で、肝心の頭部。つるりとした表皮に流線型を描く造形は、水中において最高効率の機動性を得るためだろう。まぶたのない瞳はどこを見ているのか得体の知れない恐怖を思い起こさせ、首のほど近くにはぱくぱくと開閉を繰り返す部位がっていうかエラですね。
 まぁマグロだった。マッチョボディの上にマグロヘッドが乗った変態。もとい怪人。それが十数人、必死の形相でこっちにめっちゃ走ってきてた。悪い夢だった。

 そしてマグロ怪人の後ろには数十匹のにゃんこが猛烈ダッシュしていた。獲物を狩る目だった。標的はどう見てもマグロだった。
 どうやらマグロ怪人たち、殴り込みをかける直前でにゃんこたちに発見されてあわや捕食の危機らしい。怒りの形相じゃなくて命の危機を感じた必死の表情だったようだ。

 走る怪人、追うにゃんこ、機器としてカメラを回す監督。まだ居たのかお前。
 先程オチがついて落ち着いたかと思われたがまだまだ騒乱混沌は続くようで、えー何だ。

 出番だ、猟兵(イェーガー)!!!
フォルティ・アルディリア
もう何が何だか分からないくらいとてつもなく酷い映画になったね……コメディとしてなら成功なのかな?どっちにしても、最初のキャストさん達は全員退場してもらって、この映画は新しく撮りなおそう♪

あたしは距離を保ちつつ、遠方から相手集団をかき乱そうとするねっ!
【エレクトロレギオン】を発動、少し離して3つに分断して展開、あたしが付かず離れずで注意を引きつつ攻撃を引き寄せるようにして、エレクトロレギオンを地上、空中2方向と攻撃を分けてマグロ達を攻撃だよっ
「いけっ、ウサちゃん達!マグロを開きにしちゃえー♪」
「うわわっ、あぶないなー、もう♪」

アドリブ・共闘OKです


寝子・ねこ
まぐろです!!!! やりました、ねこです。バーチャルキャットなねこはまぐろがだいすきです。ねこなので。

ねこは友達にも戦果を分け与えたいのでマグロ怪人を仕留めに襲いかかりつつ
『ねこより』でお友達(真っ白な猫っぽい化物)を召喚します。
多分元々恐怖から逃げてるっぽいので大丈夫だと思うので。
ともだちとねことで皆で一斉にぎんっ、とにらみつけてがんばって仕留めます。
倒れたならわらわらとにゃんこと一緒に囲みこんでマグロを食べます。まぐろうまい……。
肉体の方はぺっと吐き出したりするかもしれません。


一郷・亞衿
「し、死ぬかと……生きててよかった! ……あれ、まだカメラ回してる?」
クライマックスシーンの撮影した後に合間のシーン撮ったりすることもままあるよね!BDのおまけ映像とかで見たことあるから知ってる!カメラを止めるな!

という訳で瓦礫の下から這い出つつ、本物の怪人の本物のリアクションを貰うべく『戦慄の血飛沫』を使用。
灰色の狐の尻尾が括りつけられた金属バット([ウィザードロッド]相当品)を掲げて【竜巻】を放ち、海から【サメ】と【タコ】を巻き上げてマグロ頭の集団にぶつけようと思います。

「ね、猫ーっ!逃げてーっ!動物死ぬシーンがあると客足遠のいたりすることもあるから逃げてーっ!!」


ルエルエ・ルエラ
逃げ纏う怪人。追うキャット。これはいい画なのです。
ここでカメラを回す監督は流石といったところなのです。
私も猟兵として攻撃しようと思ったのですが、ウィザードミサイルやジャッジメントクルセイドでの直接攻撃は、猫さんも巻き込んでしまいそうで怖いのです。
とりあえずジャッジメントクルセイドを怪人前方に放って動きを止めようと思うのです。
成功したらきっと足が止まって、後ろの猫さん達が捕食してくれて解決なのです。
止まらなかったら、もう仕方ないのでカメラを借りてシャドウピクチャーを使って猫の影にカメラを持たせて追跡させるのです。
迫力ある画が撮れる事間違いないのです。
あとは仲間がなんとかしてくれるのです。



「まぐろです!!!!!」
 ねこです。いやねこだけどマグロを追いし猛き猫たちではなくでもこっちも明らかにマグロ狙ってるしとにかく猟兵の寝子・ねこが駆けてきたマグロ怪人たちを見て目を光らせた。
 バーチャルキャットのねこはまぐろがだいすき。当然の帰結だった。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!(重低音)そこのあんた助けtいやぁあああ!こっちにも猫ォ!?(汚い低音)」
「ねこです」
 にゃんこから、逃げて走れば、そこにもにゃんこ。マグロ怪人辞世の句。いやまだ死んでないけど。

 恐怖の感情を与えられたっていうか最初から恐怖たっぷりだったマグロ怪人たちをトリガーに、ねこはユーベルコード【ねこより】にてしろい、猫のような、でもけして猫ではない化物を召喚した。
 猫っぽいものは、召喚されてしかし牙剥き爪を振るうわけではなく、どこかとらえどころのない造形においてなぜかやたらと印象に残る瞳でギンと怪人たちを睨みつける。ぶっちゃけすごく怖い。夢に出そうだしうなされそうな光景だった。猫に逆らってはいけない。猫と和解せよ。ねこ猫言いすぎてちょっと猫がわからなくなってきた。ねこですか?ねこです。よろしくおねがいします。

 失礼。兎も角ヘビに睨まれ得たカエルならぬ猫に睨まれたマグロの怪人たちは硬直する。そしてにゃんこ&ねこにかじられる。

「いやぁあああああああ!?(テノール)」

 かじられて一転恐慌状態に。まぁ当たり前っちゃ当たり前。泡を食った怪人たちは三々五々に逃げ惑う。

「へへ、サイコホラー系か。こういう画も良いな」
 監督は平常運転。一応怪人と猟兵の戦場なんだけど。

「し、死ぬかと……生きててよかった! ……あれ、まだカメラ回してる?」
 瓦礫の下から這い出てきた一郷・亞衿。先程は煽るだけ煽っていたが、流石に爆発オチに巻き込まれ瓦礫の下敷きになっては懲りる他なく、喜々としてカメラを回す監督には呆れた様子。

「クライマックスシーンの撮影した後に合間のシーン撮ったりすることもままあるよね!BDのおまけ映像とかで見たことあるから知ってる!カメラを止めるな!」
 全身ホコリまみれになりながらもイキイキとしだす亞衿。訂正。この娘も一向に懲りちゃいなかった。

「逃げ纏う怪人。追うキャット。これはいい画なのです」
 うんうん、と頷いて亞衿に同意を見せるのはルエルエ・ルエラ。彼女もホコリまみれになっているが、気にした様子はない。つまり彼女も少しも懲りていない。

「よーし、本物の怪人の本物のリアクションを貰うべく!!【戦慄の血飛沫(シャークトパスネード)】!!」
「怪人相手なら手加減いらずでいい画が取れそうです。【ジャッジメントレイ】」
 ルエルエは怪人に指を向け、亞衿は灰色の狐の尻尾が括りつけられた金属バットを掲げなにその呪いのアイテム怖ッ。なんか竜巻起こってるし。残骸からサメとタコが巻き上げられ恐怖のサメタコ竜巻がマグロ怪人に躍りかかる。その様はつい先程の惨劇(映画撮影)を思い起こさせる者だった。しかもふたりとも怪人相手と手加減無用の情け無用。

 猟兵は人の心がわからない。か、どうかはともかく。
「あ、このまま撃つと猫さんも巻き込んでしまいそうで怖いのです」
「ね、猫ーっ!逃げてーっ!動物死ぬシーンがあると客足遠のいたりすることもあるから逃げてーっ!!」
 罪のないにゃんこに配慮する程度の心は持ち合わせていたようだ。亞衿のはなんか違う気がしたが。

 そんな様子を、フォルティ・アルディリアは眺めていた。
「もう何が何だか分からないくらいとてつもなく酷い映画になったね……」
 なにかを達観したような表情だったという。最初、彼女は穏便に事を運ぼうとしていたのだ。彼女は脚本をいじる程度の作戦を考えていた。それが通りすがりの脚本家の介入に始まり気がついたら撮影現場が更地になっていた。何があったらこうなるんだ。フォルティの背中は煤けていた。いや、比喩的な意味で。実際埃っぽくはあるけど。

 しかしフォルティはへこたれない。映画は控えめに言ってひでぇ事になったが、むしろ作戦的には成功なのだ。怪人をおびき出せたし。なんかにゃんこがついてきてるけど。仲間の攻撃で足を止めた端からにゃんこにかじられて断末魔を上げているけど。アレもう放ってても良いんじゃないかな?
 一瞬頭に浮かんだ言葉を振り払い、フォルティは【エレクトロレギオン】を発動。小さなウサギのような形状の戦闘機械を召喚する。

「いけっ、ウサちゃん達!マグロを開きにしちゃえー♪」
 やると決めれば楽しんで。気持ちを切り替え戦闘機械に指示を出す。逃げ惑う怪人たちを囲むように三方向から群がる戦闘機械たち。開きにしちゃえ♪の指示通り、それらに装備されているのは鋭いブレード。怪人たちの死角をくぐり、的確なクリティカルヒットでマグロを捌いていくさまは正にヴォーパル。おぉ聖なる手榴弾は何処なりや。

 そんなこんな。

 なんというかもう最初から壊滅状態だった気がするが、兎にも角にも猟兵たちの活躍によってマグロ怪人たちは一網打尽にされたのであった。

「ねこです」
 ねこはマグロ食ってた。体はポイしてた。残された怪人の残骸がすっごくホラーだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『餅巾着侍』

POW   :    御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハヤト・ヘミングです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルティ・アルディリア
野望を崩すためだったんだけど。こっちのもくろみ成功したっぽいんだけど。うん、この大惨事は泣いてもいいと思うんだ餅巾着侍くん。あたしが同情してもあんまり慰めにならないとは思うんだけどね。

後方でみんなの傷を【シンフォニック・キュア】で癒す構えで待機。それと、回復は絶対してあげないけど、その勇姿だけは見届けてあげよう餅巾着侍くん。
あ、攻撃こっちに来て当たったら容赦なく【属性攻撃】の水流で撃ち返しちゃうからね。

アドリブ・共闘OKです



「これは……いかんとしたことか」
 ここで主役の登場。主役というか敵役なんだけどまぁもともとの脚本では主役だったから。まぁ現在の原型とどめていない筋書きでもある意味主役だし。みなさんに盛大に殴られる役です。
 では拍手でお迎えください、餅巾着怪人さんオンステージ。自分が主役の映画の脚本をこれでもかとしっちゃかめっちゃかにされた上、満を持して出てきて最初に目に入るのがにゃんこに食い散らかされた自分の仲間という。言葉を失うのも仕方ないよね。ていうかあんなマグロの変態もとい変質者を仲間にするのってどうなんだろう。お友達は選んだほうが良いよ。

「と、思う私なのであった。うん、改めて状況俯瞰してみたけどこれは酷い。餅巾着侍くんに同情するレベル。私にされても嬉しかないだろうけど」

 などと言っているフォルティ・アルディリア。まぁ君もマグロ怪人ぶった切ってたしね。絵面は比較的穏当だったけど。サメとかタコとか竜巻とかに比べたら。

 兎も角同情したくなるような登場だったとは言えこの騒動の黒幕の怪人、流石に油断はできないと一旦距離を取り、仲間たちのサポートの構えに入るフォルティ。

「えぇい、こうなれば貴様らを血祭りにあげてくれようぞ!!」
 だがここで餅巾着侍がキレる。まぁキレると思う。目についたフォルティを攻撃するべく伝説のニンジャマスターの霊を召喚して大量のちくわの中に鉄アレイを混ぜて投擲することで攻撃をこれ若い子わかるの?

「うわぁ!?食べ物を粗末にするの禁止ー!?」
 フォルティにはわからなかったようだ。このちくわを食べると体力が回復したりするが流石に見知らぬニンジャマスターが投げてきたちくわを食べるとか言う発想に至るはずもなく、鉄アレイにぶつかって涙目になるフォルティであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

一郷・亞衿
(UDCアース出身だしチートバグ動画とかで見たことあるから何となく存在は知ってるけど)……当たって死ぬくらいなら最初から取りに行かない方が良いよね、アレ。
とは言え既に食らっちゃってる仲間がいるし、当たり判定大きそうな鉄アレイの弾幕をちくわもろとも消し去っていく方向で行こうかな。

古びたフィルムカメラを構えつつ、敵のUCにより物理法則を無視して作り出されたであろう大量の鉄アレイを<見切り>、『ナイトクローラー』を使用!異常存在たるちくわと鉄アレイを消し去ろうとします。霊も消せそうなら霊ごと消しちゃおう。
もし消すのに失敗したら、カメラだけは死守する方向で。これ古すぎて直すの大変なんだよね……。



「なんとなく存在は知ってるけど……実際見るとシュールだなぁ」
 ひとりごちるは一郷・亞衿。目の前で繰り広げられるちくわアンド鉄アレイの舞。傍から見る分にはなんとも気の抜ける光景ではあった。鉄アレイにぶつかれば痛いのはもちろん、ちくわにぶつかっても精神的にダメージを受けかねない。ぺちんっ!ってぶつかるのが割と気持ち悪い。遊んではいけません。
 どっちにしろ当たると死なら最初から範囲外にいればいいよねとか思うが残念ながらこれはゲームではなく映画。映画にしてもどうかと思うけど。

 まぁとにかく既に仲間が被害を被っている以上、対策を取らねばならぬ。そこで取り出したるは古ぼけたフィルムカメラ。ただのカメラと侮るなかれ、これは物事の本来あるべき姿を写すカメラ。このカメラのフラッシュを浴びたこの世ならざるものはたちどころにその存在を掻き消されてしまうという一品だ。
 どこかで聞いたことある?そう、つまりはそういう伝説なのだ。オマージュとかインスパイアとかそういう耳障りのいい言葉を使っていこう。

 とにかくだ。この状況においてはこのカメラは正にうってつけ。だって居るはずないもの。ちくわと鉄アレイ投げつけてくるニンジャマスターとか。

「む、殺気!!」

 だが存在を否定したいとは言ってもそこはニンジャマスター。攻撃の姿勢に入った亞衿を目ざとく見咎めて鉄アレイを放り投げる。手裏剣とか投げろよニンジャならさぁ。
 だがしかし。

「それは。もう見切った」
 猟兵に同じ技は二度通用しない。か、どうかはともかく。一度見た鉄アレイの軌跡を読むことくらいは可能だった。的確に鉄アレイを躱し、というか普通に鉄アレイのの射程から外れる。重いうえにまとめていくとも投げるから対して飛ばないのだ。それで良いのかニンジャマスター。

「む、無念ナリー!」
「それちょっと違うくない?」

 カメラのフラッシュにさらされ鉄アレイごと消滅するニンジャマスター。断末魔はあまり深く考えないほうが良いのだろう。

「あー、うまく行ってよかったぁ。カメラに鉄アレイぶつけたら泣くに泣けない……」
 アンティークなカメラってお高いですからね。ともあれ地味に厄介だったニンジャマスターを撃退できたのは戦況にプラスとなるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルエルエ・ルエラ
かたじけのうござる。なのです。
ニンジャがいなくなったちくわ等恐れるに足らず、なのです。
…あれ?違うのです?
ニンジャのいなくなった餅巾着侍恐れるに足らず、なのです。
ここは私の【芋煮ミサイル】で一気に畳みかけるとするのです。
餅巾着なんて美味しく芋煮で調理してやるのです。
熱々の芋煮を食らいやがるのです。
魔法少女は無敵なのです。



「かたじけのうござる。なのです」
 深くは考えていけない断末魔を残し消滅したニンジャマスターの余韻も消えやらぬなか、この隙を逃さずいられまいと動く少女が一人。
 ルエルエ・ルエラ。愛と正義と芋煮の魔法少女だ。芋煮。ご当地ヒロインか何かかな。でもこの子UDCアースの出身なのだろうか。きっと彼女も深く考えてはいけない業を背負っているのだろう。

「……童か。退け。我が愛刀、幼子を斬るに能わず」
 そんなルエルエを見て、撤退を促す餅巾着侍。侍としての挟持が、子供に剣を振るうのを良しとしないのか。あるいは子供を殴ってる絵面は外聞が悪いからか。
 いまだにカメラは回っている。根性あるな監督及びカメラマン。
 しかしハチャメチャにしっちゃかめっちゃかなストーリー展開を見せているこの映画で今更外聞を気にしても溺れてから浮き輪をふくらませるくらいには手遅れだろう。

 そして、ルエルエとしても怪人相手に退けと言われてはいそうですかと退く訳にはいかない。なぜなら彼女も猟兵だから。愛と正義と芋煮の魔法少女だから。怪人をボコるときは容赦なくて加減なく慈悲もなく。キマイラフューチャー鉄の掟である。

「ニンジャがいなくなったちくわ等恐れるに足らず、なのです。……あれ?違うのです?ニンジャのいなくなった餅巾着侍恐れるに足らず、なのです。そちらこそ怖気づいたのなら、かんぴょう巻いてにげるといい、なのです」

「……童と思い、慈悲をくれてやったというのに。良かろう、貴様も刀の錆にしてくれる」

 餅巾着侍、キレる。いや煽り耐性低いなお前。格好つけてはいるが彼もまた怪人。どこか抜けているというかスカポンタンの呪縛からは逃れ得ぬのか。

 それはともかく宣言どおり刀を構える餅巾着侍。しかし。

「恐れるに足らず。といったのです」
 ルエルエのほうが、早い。
 舌戦の最中に既に攻撃態勢を整えていたルエルエは餅巾着侍の動作とともにそれを開放。手作りの芋煮が確かな力となって宙を舞い、アッツアツの軌跡を描き餅巾着侍に打撃を与え誰かこの絵面を詳しく説明してください。

「餅巾着なんて美味しく芋煮で調理してやるのです」
 そうだね、調理だね。芋煮に餅巾着を入れる地域があるのかどうかは知らないが、彼女はその地域を守る魔法少女なのかも知れない。もうそういうことでいいんじゃないかな。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミクリリ・マクルル
わーいおもちだー。ちくわもあるー。
ちょっと味見してみるのー。

【内緒の遊び】で姿を消してこっそりこっそり……。
隙を見て飛びかかって絡みついてがぶり!
お味はどうかなー?

絡みついているあいだは相手も攻撃しにくいんじゃないかなー。
倒れさせられると一番良いけど、無理そうだったら諦めー。

そして【なめらかな愛撫】でマッサージー。
お肌すべすべつるつるになってもらいます。
特に足とかすべすべになると、踏ん張りが効かなくなるのよー。
あとは手もすべすべにできると武器がしっかり握れなくなるのよね。

タイミングを見てまた姿を消して退散退散。
ごちそうさまでしたー。


寝子・ねこ
……んぐ、むぐ……。ん! めいんでぃっしゅというものですね! ねこはしっています!
最後のマグロの体をポイしてから動き出します。すべての食材に感謝を込めて。
どうしようかな、と悩みつつレプリカクラフトで熱湯風呂を作成。仕掛け罠判定に期待しつつ煽り耐性の低そうな餅を煽っておびき寄せおでんにします。芋煮かもしれない。
「おろか、おろかです。ほらーにすらならないその見た目、ねこは心底落胆しました」
「きこうのくびは柱に吊るされるのがお似合いだ! です」



「ぐぐぐ、おのれ、おのれぇ……!」
 餅巾着侍は憤っていた。芋煮で強打されるというあまりにも希少な経験をさせられたのでさもありなん。だって、思わないもの、この世に芋煮で強打されるって事が起きるなんて。

 そんな感じで地団駄踏む餅巾着侍を眺める影が一つ。戦闘が始まっても気にせずそこらに転がっていたマグロをもぐもぐしていたその影はねこです。なんというかねこです。今しがた最後のマグロを完食し、残った体をポイしたところだ。この部分は後で編集をお願いします。

 さておき腹ごしらえをすませたねこは餅巾着侍に視線を向けた。ここからは真剣勝負の世界。ねこの視線も自然と闘争の色に染まり、

「めいんでぃっしゅというものですね!ねこはしっています!」

 染まってないね。まだ食欲一色だね。なに?この子、食事しにここまで来たの?確かに食べ物な怪人だから食すことが攻撃にはなるだろうが、そもそも動いて喋ってるものを口に入れるんじゃありません。

「餅巾着ならやはりおでんですね、芋煮かもしれません」
 食欲に支配されたねこはそんなことを言いながら、レプリカクラフトで大鍋を作る。うん、煮込む気だね。加熱装置とセットにして地面に半ば埋めるように設置することで仕掛け罠判定に持ち込み完成度も抜群。後は適当にカモフラージュを被せれば完成だ。

 さて、おでん鍋もとい罠が完成したので後はおびき寄せるだけだ。やおら立ち上がったねこは餅巾着侍にむかって声を張り上げる。

「そこの、餅巾着!」
「む?何奴!」
「ねこです。ねこは失望しました」
「何を……?」
「おろか、おろかです。ほらーにすらならないその見た目、ねこは心底落胆しました」
「……言ってくれるではないか」

 餅巾着侍さん、努めて冷静になろうとするが怒りで小刻みに震えている。ぷるっぷるに。ぷるっぷる。

「そのような体たらくで、映画の主役などおこがましい、きこうのくびは柱に吊るされるのがお似合いだ!です」
「言わせておけば、この小童がァ!」

 餅巾着、キレる。やっぱ煽り耐性低すぎるよ君。刀を抜いてねこのもとまで猪突猛進。内心ほくそ笑むねこ。このままなら確実に鍋にダイブするだろう。しかし……。

「!……なるほど、小賢しいことを考えるものだ」
「む……!」

 鍋まで後一歩、というところで餅巾着侍は急制動。刀でカモフラージュを叩き割り、罠を白日のもとに晒す。カモフラージュが仕掛け罠の範囲外判定で作りが荒くあんってしまったのが敗因か。

 先程までの怒り狂った様子から一転、罠を見抜いた事で余裕を取り戻した餅巾着侍はその位置から刀を振りかぶる。大鍋とは言っても人一人が入れる程度のサイズ。あの刀の長さでは、鍋を挟んだ攻撃でも余裕でこちらに届くだろう。これはまずいとねこは一瞬身がすくみ、その隙を見逃さず刀が振られ。

「お痛しちゃだめよー、そんな悪い子は、お肌すべすべつるつるになってもらいます」

 不意に間延びした声が発せられた。

「む……?!どこに居る!姿を見せい!」
 刀を振る手を止め、周囲を見回す餅巾着侍。その答えは、足元から。

「うふふー、ここよー」
「ん、なッ……!?」

 いつの間にか、餅巾着侍の両足を包み込むように、流動する黒い物体が現れていた。身悶えするように一度震えると水が流れるようにずるりと移動し、少し離れた場所で今度は半ば溶けくずれたような人形へと姿を変える。彼女はブラックタールの猟兵、ミクリリ・マクルルである。

「面妖な……退治してくるわ!」
「あらー、できるかしらねー?」
「……!?」

 標的を変え、ミクリリに向けて刀を振るわんと一歩を踏み出し、そこで思い切りバランスを崩し転倒する。まるで、足が石鹸になったかのように踏ん張りが効かないのな。

「これは、まさか先程まとわりついていたときに……?」
「うふふー、お肌すべすべマッサージ、気に入ってもらえたかしらー」
 【なめらかな愛撫(シルキーカレス)】その名前の印象とは裏腹に、なでたものの摩擦係数を著しく低減させる恐ろしい技である。

「お手手もー、すべすべにしちゃいましょうねー」
「くっ、やめろォ!」

 倒れ伏し、もがいている隙を付いて餅巾着侍の両手もすべすべマッサージ。武器を取ることも、手をついて立ち上がることも困難となる。なお絵面はガタイのいい男の体にスライムがまとわりついているものだ。せめてこの餅巾着侍、女性体型だったらなぁ。でも顔が餅巾着だしなぁ。

 さておき。

「ふふー、それじゃー」
「お料理の時間です」
「なにを……ま、まさか!?」
「「はい、どーん」」
「ぬぅううううう!?」

 もがくばかりの餅巾着侍は、哀れ大鍋の中に真っ逆さまに突き落とされた。すかさず加熱装置をON。ぐっつぐつに煮込む。無駄に性能の良いそれはすぐさま鍋全体を温め、煮汁の香りを当たりに漂わせ始める。出汁は昆布だ。

「ふぅ、どうなることかと思いましたが、無事くっきんぐなのです」
「よく煮込んで美味しくいただきましょうねー」
「なんかちくわもあるし、これも入れるのです」

 和気藹々。すっかりおでんを食す雰囲気である。しかしその油断が命取り。

「調子に、乗るなァ!!!」
「きゃぁ!?」

 御澱流・チカラモチ。程よく煮込まれ柔らかくなった体を餅状に変化させると這うように鍋を脱出、そのまままるで触手のように伸ばした餅で二人を薙いだ。お前そんな体しといてよくミクリリのこと面妖とか言えたね。

「むむむ、食べ残ったのです」
「うーん、残念。撤退てったーい」

 割と余裕がありそうだが、流石に鍋を脱出されて呑気にまだ食べようというつもりもなく、二人は一旦この場から引くのであった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

メガ・ホーン
・イィヤッホー!!! これまた俺好みのお祭り騒ぎだな! え、なになに? つまりは主役の座を怪人から俺らが奪っちゃえばいいんだな? いいねぇ、主役の座を争うガチバトル! 魂がビートするぜ!

・とはいっても、俺はこれが初陣だからなー。主役の座は他の奴に譲るとして……俺はそいつらの応援をしまくるぜ。愛用ギターのソニックライデンかき鳴らし、【サウンド・オブ・パワー】で味方を鼓舞すると同時にアクションシーンを盛り上げよう。「パフォーマンス」「楽器演奏」フル稼働だ。

・あ、こっちに怪人の攻撃が来たら「衝撃波」で「吹き飛ばし」てやるからあしからず。

※どこぞのス〇カセキ〇グっぽい見た目。共闘・アドリブ歓迎です。



「イィヤッホー!!! これまた俺好みのお祭り騒ぎだな!」

 魂揺さぶるギターのビート。けたたましいサウンドを両方のスピーカーから放射しながらそれは戦場(撮影現場)に現れた。
 箱を、否。ボックススピーカーを組み合わせたような直線だらけのボディ。ランプをそのまま取り付けたような両目をビカビカと光らせ、手にしたギターのケーブルはボディに直接繋がれている。

「主役の座を怪人から俺らが奪っちゃえばいいんだな?いいねぇ、主役の座を争うガチバトル!魂がビートするぜ!」

 言葉を紡ぐたびにギターの音色を響かせる。まるでそれが欠かせない機能であるかのように。彼のモノは怪人、同じ怪人の活動であろうが己のステージに変えてしまおうというロックンロールでクレイジーなスピーカー怪人じゃねぇな。猟兵だわこの人。キマイラフューチャーにそういう系の姿で来られると怪人かと思っちゃうわ。あ、でも野良キマイラたちはちゃんと見分けがつくらしい。スピーカー怪人もといスピーカー猟兵のメガ・ホーンに手を振っている。猟兵は人気者。キマイラフューチャーの不文律である。

「とはいっても、俺はこれが初陣だからなー。しかも途中参戦だ。今回の主役は別のやつに譲ってやるぜ!だがなぁ、映画には欠かせないものがあるだろ?そう、NO MUSIC, NO LIFE!!」

 演奏会が始まった。音楽の力を侮るなかれ。古来より軍隊には楽器の演奏を専門とした部隊が不可欠である。それは勇壮な音楽は士気を高めるのにこの上なく優れているからだ。音楽は心を高揚させる。歌は団結を強くする。

 メガ・ホーンの演奏は撮影原画獣に鳴り響き、この場の猟兵の士気は否応なく高まっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルエリラ・ルエラ
映画撮ってたんだ。
今はクライマックスシーンって感じかな?
あの餅巾着を食べ…倒せばいいんだよね。
せっかくなので私も参戦させてもらおう。

この映画に必要なのはド派手なラストシーンだと思う。
ドカーンと一発やってめでたしめでたし。映画の定番だね。
なので私はここで【芋煮ィッシュ作戦】を発動しようと思う。
私のイモニーオトシから逃れられる敵はいないよ。
超必殺芋煮で敵を倒して、最後は皆が笑顔で芋煮を食べてハッピーエンド。
うん、完璧な映画。ベタだけどハッピーエンドが一番だよね。


ドゥイット・ナウ
【SPD】
何十分もの出演時間
主役にはなれず
何も得ず
終いにゃ終いにゃやられ役
映画の中のやられ役
それらを演じるために死ぬ
実に空虚じゃありゃせんか?
人生空虚じゃありゃせんか?

映画は楽しくなきゃ価値なし
お前ら怪人生きる価値なし
巾着巾着敗北者!
柔らか侍敗北者!


…と、ラップ調で煽って敵の心の【傷口をえぐる】
冷静さを失った所を
咎力封じで攻撃し
敵のユーベルコードを封じてみようか
…ガタイのいい男の体が拘束される様子は
映画ではキツイかもしれないがR指定とかにしておいてくれ

後は武器の拷速球で攻撃し
餅を抉っておこう

敵の攻撃に関しては
マインゴーシュで【武器受け】し
攻撃を受け流し
致命傷を避けよう

・共闘、行動アレンジ可能


萬場・了
おいおいおい!クライマックスが近いってのに、まだ演出がぬるいじゃねえか!このままだと餅の弾力も半減しちまうぜ!?
さっきのサメとかタコとか竜巻はどうしたんだよ!マグロや猫よりもインパクト弱えんじゃねえか?
せっかくこっちは高みの見物決めて、初キマフュ観光しようと思ってたのによ、口出さずにはいらんねえじゃねえかよ!!

よし、ここで監督交代のお知らせだ!
そして、団体様ご案内~!【愉快な仲間達】撮影のお手伝いと行こうぜえ!
…は?もう死霊兵が出た?うっせえ!…あ?食事時?うっせえ!こっちがお食事時だ!おでんでも生命力でも食い尽してやろうぜ!
いいか、〈特撮用起爆装置〉もオマケで付けといたからよ。ド派手にな!?


一郷・亞衿
ノリのいい音楽も聞こえて来たことだし、そろそろエンドロールの時間だね!

監督は元気そうだけど他のみんなは割と死屍累々ってる感じするし、エンドロールに華を添えるのも兼ねて『サタデー・ナイト・フィーバー』を使用!
これは“回復効果を持つレーザー光線を放つミラーボールを空中に出現させる”という技なんですが、ミラーボールの出現を維持するためにはあたしが踊り続けなければならないという制約があります(なので、あたし自身はめっちゃ疲れる)。まあでもご機嫌な映画にはダンスがつきものですからね!大団円目指して頑張ろう!
あ、餅巾着侍の対処は他の人に任せます。



「何だこの音楽は……!我の映画にはふさわしくない、こんな、騒々しい音色は……!」

 餅巾着侍は憤慨していた。いやまぁこの人。人?怪人だから人でいいか。この人最初から憤慨しっぱなしではあるがまぁそれは置いておいて。
 あわや鍋で煮られる寸前で脱出し、なんとか体勢を立て直そうとしていたところに鳴り響いたロックンロールな大音量。餅巾着侍は映画音楽にこだわるタイプだった。何なら無音が最高のBGMとか考えるタイプの餅巾着だった。
 なのでもちろんこのロックンロールは許容できるものではなかったのだ。音源を叩いてやらねばならぬと立ち上がり。

「何十分もの出演時間
 主役にはなれず
 何も得ず
 終いにゃ終いにゃやられ役
 映画の中のやられ役
 それらを演じるために死ぬ
 実に空虚じゃありゃせんか?
 人生空虚じゃありゃせんか?」

「あぁ?」
 音楽に乗せて不意に刻まれたリリックがその耳に届き動きを止める。なんだこれは。どういうことだ。いや、どう見ても餅巾着に耳はねぇとかそういうんじゃなくて。
 前述したが餅巾着侍はMUSICには並々ならぬコダワリがあった。時代劇撮ろうと思ってたところにロックンロールってだけでも憤懣やるかたなしなのにその上にラップだと?しかも明らかに自分をdisっている。まさかこの自分にラップバトルを仕掛けている?

「映画は楽しくなきゃ価値なし
 お前ら怪人生きる価値なし
 巾着巾着敗北者!
 柔らか侍敗北者!」

「上等だこのひよこ饅頭の出来損ないがァ!!」
「誰がひよこ饅頭の出来損だ馬鹿野郎!?」

 餅巾着侍は煽り耐性が低い。disり合いのラップバトルなど始めれば秒で敗北するのは本人が一番良くわかっていた。だから彼は暴力に訴える。マインゴーシュをマイクに見立て、歌っていたシャーマンズゴースト、ドゥイット・ナウの姿を認めるとよくわからない罵倒とともに切り込んだ。

 身体能力に優れた怪人の一撃。まともに受ければ重症は免れないが、来るとわかっていれば対処は容易い。危なげなくマインゴーシュで受け流す。

「えぇい、猪口才な!」
「へっ、頭に血が上るのは良くないぜぇ?」

 それだけでは終わらない。表情の読めないシャーマンズゴーストではあるが、確かに嗤ったのだとわかる声で告げるドゥイット。それに危機感を覚える餅巾着侍であったが一手、遅い。避ける間もなく餅巾着侍に絡みつく拘束具。ユーベルコード封じのユーベルコード、咎力封じである。

 拘束具により動きを封じられる餅巾着侍。しかし、その拘束も万全というわけではない。ユーベルコードこそ封じられてはいるが刀を振るうだけならばいまだ可能。総判断し、ドゥイット目掛け刀を振り下ろす。ドゥイットはもう一度受け流そうとするが、失敗。力を流しきれず、鍔競り合いの形になる。

 互いの動きが膠着し、だから、気が付いた。いつの間にか日も暮れて、薄暗くなっていた撮影現場。接近を悟れなかったのはそのせいか。たくさんの人影。囲まれている。それも、5人6人といった数ではない。10人は超えている。あるいは、数十人、まさか百人には届かないだろう。こちらの様子をうかがうように、のろのろとした動きで、しかし確実に包囲を狭めていく。

 不意に、月を覆い隠していた分厚い雲が風に流れるように剥がされ、月の光が包囲者たちの姿を浮かび上がらせる。

「……ッ、化物……!」

 ものを喋る餅巾着が言うな。もとい。包囲者は人間ではなかった。それどころか生者ですらない。物言わぬ屍体が立ち上がり、歩いている。腐り、落ちかけた虚ろな眼球がこちらを恨めしげに見据えている。それが、どうしても怖気を走らせる。

「へっ、どうした、お侍様。まさか、怖気づいたかい?」
「減らず口を……!」

 言い返しはしたが、餅巾着侍からは余裕は失われていた。この屍者どもは確実に猟兵の策だろう。しかも自分はそれに嵌ってしまっている。

 ぎり、と歯があるかもわからないのに歯ぎしりをしたのと。

 突然の爆発が、屍者の何割かを吹き飛ばしたのと、空中に現れたミラーボールがギラギラと光線を放ったのはほぼ同時であった。

「……は?」

 ここで餅巾着侍侍思考がフリーズ。しかたないよ。だって何が起こったのかわからないもの。かろうじて爆発まではいいけどミラーボール。出てこないものミラーボールが空中に。

 ではここで状況を整理するために少し時間を巻き戻そう。

「いやー、いいねぇ、いいねぇ。いい画が撮れたねぇ」
 カメラ片手に満足気にうなずいているのはご存知監督だ。怪人と猟兵が絵面はともかくガチバトルしてる現場なのにニッコニッコしてる胆力は褒めていいのかも知れない。
 しかしそんな監督に声を掛ける者が居た。

「おいおいおい!クライマックスが近いってのに、まだ演出がぬるいじゃねえか!このままだと餅の弾力も半減しちまうぜ!?」

  B級映画には一家言ある猟兵、萬場・了だ。映画撮影と聞いて観光気分でやってきたのだが、映画の内容に一言言いたくなっての参戦であるらしい。

「む、急に来て何を言うんだ。ド派手なモンスター!ド派手なバトル!ド派手な爆発!言うことなしじゃないか!」
「そこだよ!さっきのサメとかタコとか竜巻はどうしたんだよ!マグロや猫よりもインパクト弱えんじゃねえか?」

 どうやら、途中までは良かったのだが、怪人相手のバトルになってから、イマイチ迫力不足になってしまったと感じているようだ。
 たしかに怪獣大決戦や大量のマグロなどに比べると怪人1体だけでは地味であることは否めないかも知れない。ねこはねこです。

「む、しかしそう言ってもな。あれもこっちが用意したものじゃないし」
「はぁ~そんなんだからダメなんだよ。よし、ここで監督交代のお知らせだ!」

 そう言って監督からカメラをもぎ取るとユーベルコード【愉快な仲間達(ナイス・オブ・ザ・デッド)】を発動。たちまちにゾンビ兵が視界を埋め尽くす、ほどではないが。かなりの量が召喚される。餅巾着侍を包囲していた屍者たちはここで現れた。

「うーん、ゾンビはナイスだけど、まだ派手さは足りなくないかな」
「あん?」

 ゾンビたちがぞろぞろと餅巾着侍の方に向かう中、逆に監督と了のところに向かってくるものが居た。芋煮ハンター、ルエリラ・ルエラである。芋煮ハンターに疑問を持ってはいけない。芋煮についてはもう細かいことは考えないことで対処するのだ。

「つってもなぁ、俺もゾンビくらいしか出せねぇぜぇ?いいだろ、ゾンビ」
「うん。ゾンビはとてもいいと思う。ナイスゾンビ。でもやっぱりさぁ」
「やっぱり、なんだよ」
「映画って言ったら爆発でしょ。クライマックスシーンなら特に」
「爆発か」
「うん、爆発」
「いいな、それで行こう」
「いこういこう」

 そういう事になった。
 ルエリラが発動したユーベルコードは【芋煮ィッシュ作戦(イモニーオトシ)】。宇宙から芋煮を召喚し、その大質量によって一定範囲内に甚大な被害を齎す大技であってだれか助けてくれ。
 宇宙から芋煮を放つって何、何なの?宇宙は芋煮でできているの?しかも大質量なの?宇宙には無限の芋煮が眠っているとでも言うの?

 失礼。考えないようにすると言ったけど流石にスルーできなかった。宇宙は芋煮でできている。今日はこれだけ覚えて帰ればいいだろう。

 というわけでなんか爆発していたのは宇宙からの芋煮による無差別爆撃ということだった。

 え?ミラーボール?ミラーボールは、なんかほら、瓦礫とかが重なってちょっとした高台みたいになっているところ。そこで踊ってる少女、一郷・亞衿が打ち上げてました。
 特に打ち合わせとかしてなかったけど、うろつく大量のゾンビを見たらなんか踊らないといけないような気がしたのかも知れない。ノリノリのミュージックにギラつくミラーボール、大量のゾンビ。ゾンビたちには意思や理性といったものは存在していないはずだったが、亞衿はそこに確かな一体感を覚えていた。

 事実、爆発で吹き飛ばされながらも、ゾンビたちは複数列で並び始め、亞衿と合わせるように踊り始めたのだ。怪物じみた動きながらも一糸乱れぬ切れのあるダンシング。それはさながらマイケル某が如く。
 この踊りに意味など無い。踊りでは敵を打ち倒すことはできない。少なくとも、そういう意図を込められた踊りではない。しかし、この一体感の前にはそんなことは些末な問題だと、亞衿は感じていた。このダンスの先にきっと真の平和がある。爽やかな風が吹いていた。

「……なにこれ」

 そんな餅巾着侍のつぶやきは、呆然とした隙にドゥイットに蹴り倒され、そこにゾンビたちに群がられ、そこに直撃した芋煮の爆発の中に消えていった。

 蛇足。

 元のストーリーなどあってなきが如くとなったこの映画。この後監督が編集するも結局ほぼ全部の映像をそのまま使用し、結果自主制作映画のくせして180分超の上映時間となったそれの評判は。

 まぁ、お察しください。

 完。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日


挿絵イラスト