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みんなでいっしょにあそぼうね

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●なんだか最近つまんない
 最近は全然誰も遊びに来ないのだ。大きな剣を持った男の子も、可愛い杖を持った女の子も、かくれんぼやかけっこが得意なおじさんも、面白いお話をいっぱいしてくれたお姉さんも。誰も。
 地の奴は男の子との力くらべ、水は女の子の『おうた』とかいうのを喜んで体を震わせて、風はおじさんと追いかけっこやかくれんぼに夢中になったり、かくいう私もお姉さんのお話で胸の奥がいつものメラメラとは違う熱いのでいっぱいになったりして楽しかったのに。

 あーあ、誰かこないかなぁ……。

●精霊のお茶会
「お手すきの猟兵の皆さん。どうか力を貸してください」
 グリモアベースの一角で一人の少年が声を上げた。真月・真白(真っ白な頁・f10636)である。グリモア猟兵が猟兵を呼び集めるとなれば理由は一つ、察しの良い猟兵達は早速彼の傍へやってくる。
 ありがとうございます。一言礼を言うと真白は古めかしい本を開き語り始める。
「僕が予知をしたのは、アルダワ魔法学園の地下迷宮に封印されたオブリビオンです、あちらの世界では災魔等と呼ばれているようですね。オブリビオンは迷宮のとあるフロアを支配しフロアボスとなったことで己に都合のよいように迷宮内部を変化させています。放置すれば大きな災厄となるでしょう」
 だが場所が場所だけに簡単に手が指せない状況なのだという。
「フロアボスがいる区域へ行くための道中に封印がなされているのです。テレポートでもその先へ行くことが出来なくて……」
 そこは特に罠や危険の類の無いフロアなのだ。迷宮の他の場所と違う所と言えば、先へ続く通路に巨大な閉じた扉が設置されている事と、精霊達の存在である。
「オブリビオンが潜む先へ向かうには扉の封印を解かねばなりません。その封印は精霊達が施した物であり、彼らでしか解除はできないようです。彼らはオブリビオンではありませんし、友好的なので機嫌さえよければ封印を解いてくれるのでしょうが……今はなにやら退屈しているようなのです」
 精霊達の退屈を慰める事が出来れば徐々に機嫌がよくなり、封印解除のお願いも快く引き受けてくれることだろう。
「歌やパフォーマンスを披露したり、外の世界の世界の事を話してあげたり、人と同じものを食べる事も出来るので料理を振る舞ってもいいかもしれません。力や技に自身のある人は腕試しなども喜ぶ精霊がいるでしょう……ただ、命を奪うような真似は避けてくださいね?」
 傷つける力を振るうべき対象は扉の向こうに控えているのだから。
「楽しむことが無い退屈な日々は白紙の頁のようなもの……どうか彼らの『頁』に貴方達の手で素敵な『物語』を書き加えてあげてください。それがオブリビオンへと続く路を生み出すでしょう」
 本を閉じた真白はもう一度、猟兵達に深々と頭を下げるとテレポートの準備にとりかかるのだった。


えむむーん
 みなさま初めまして、えむむーんと申します。

●シナリオの概要
 学園迷宮で新たにフロアボスとなったオブリビオンと戦っていただきます……が、その前に退屈をしている精霊達を楽しませてあげてください。
 精霊達は以前このフロアに探索にきた生徒達と交流した時期があり、その時に色々な事を見せてもらったり、教えてもらったり、食べさせてもらったり、あるいは力くらべ等をして大いに楽しんでいたようです。
 精霊達全員を満足させる必要はないので、自分の得意な事やってみたい事をどんどんやっていただければと思います。腕試しや力くらべとして精霊と戦うのもOKですが、殺してしまっては封印を解くことが出来ないのでご注意を(※明確な殺意を感じるプレイングでなければ大丈夫です)
 精霊達は以下の四名がおります。特に好きな物以外でも楽しそうであれば十分喜ぶでしょう。
『火の精霊』
 物理的にも精神的にも明るかったり熱いものが特に好き。辛党。

『水の精霊』
 水でできた体を震わせる音『おうた』や『えんそう』が特に好き。甘党。

『風の精霊』
 速く動くものが特に好き。刺激のある味が好み。

『地の精霊』
 硬いものや力強いものが特に好き。食べ物は質より量。

●合わせ描写に関して
 示し合わせてプレイングを書かれる場合は、それぞれ【お相手のお名前とID】を明記し、なるべく近いタイミングで送って頂けると助かります。
 それ以外の場合でも私の独断でシーン内で絡ませるかもしれません。お嫌な方はお手数ですがプレイングの中に【絡みNG】と明記していただけるとありがたいです。

 それでは皆さまのプレイングをおまちしております、よろしくお願いします!
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第1章 冒険 『暇を持て余す精霊達と遊ぼう』

POW   :    身体を使って挑戦。<楽器演奏>や<歌唱>など、場を和ませて楽しんでもらおうか。

SPD   :    技術を使って挑戦。<料理>や<パフォーマンス>など、技術を使ってご機嫌を取ってみようか。

WIZ   :    知恵を使って挑戦。<世界知識>や<優しさ>など、感性や知恵で満足させてみようか。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

村井・樹
精霊さん達にこちらから話しかけて、アプローチをかけてみましょう
勿論、私の相棒のUDCのメメ君も一緒にです
「こんにちは、ご機嫌はいかがでしょうか。あっ、こっちの肩に乗ってる子はメメ君、です。よろしくお願いしますね」

といった風に、穏やかに、話しかけましょう
また、一芸も兼ねて、私のユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】で、もう1人の私、『不良』も召喚しましょう
「……俺が人付き合い苦手なの、知ってるだろ」なんて彼はムスッとするかもしれませんが、これもまた仕事ですので。

はてさて、私共は彼らにとっては見慣れぬ客人ではありますが、歓迎してくださるでしょうか?

※アドリブ、他猟兵との絡み等大歓迎



●第一の頁 『紳士』と『不良』
 代わり映えのしない彼らの日々に遂に変化が訪れる。その先ぶれとなったのは一人の『紳士』であった。
「こんにちは、ご機嫌はいかがでしょうか。あっ、こっちの肩に乗ってる子はメメ君、です。よろしくお願いしますね」
 赤い瞳を細め柔和な笑みを浮かべそう挨拶したのは、立派なスーツに身を包んだ一人の男、井・樹(微笑む紳士と笑わぬ不良・f07125)である。
 精霊達は唐突に現れた訪問者に驚きの表情を浮かべるが、すぐにその視線は樹の肩に釘付けになる。そこには彼が『メメ』と紹介した存在が居た。こことは異なる世界に属するUDCと呼ばれる異形……しかし同じく人ではない精霊達に怯える様子は無い。むしろ好奇に満ちた顔で樹とメメを取り囲む。樹が穏やかな態度を心がけたこともあり友好的な空気が生まれていた。
 掴みはまずまずの様だ、と樹は一つ芸を披露しようと考える。その意志をトリガーに彼の超常の力が発動し。
「……俺が人付き合い苦手なの、知ってるだろ」
 いつの間にか樹の隣にもう一人立っていた。。
「まぁまぁ、これも仕事ですので、協力してください『不良』」
 かけられた樹の言葉に、舌打ちと共にシャツのボタンを外して襟ぐいを開きモノクルも外す『不良』なる男。赤い瞳は鋭く、同じ容姿でありながら全く違う印象を与える。彼こそは樹の第二の人格。交流・情報伝達担当の『紳士』と肉体及び精神ダメージ担当の『不良』、一つの肉体に二つの人格を宿しUDCのメメと共に戦う猟兵、それが村井・樹の正体だったのだ。
「わー! 増えた!」「え、なになに? 『てじな』ってやつ?」「ふふふ、不思議なおにいさん達ね」「その子、メメちゃんも、かわいい、の」
精霊達は二人に増えた樹の周りで思い思いに声を上げる。楽し気な雰囲気の彼らはさらなる来訪者達に気付き、期待と喜ぶに輝く顔を向ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

深護・刹那
ではでは。不肖、深護・刹那、参ります♪

ふふふふ。
あそぼう、と言われると
妙に嬉しくなるのは、きっと、
わたくしの元が人形だからなのでしょうね。

ですから、返事はもちろん。
あーそびーましょー、ですわ♪

お相手は主に水の精霊さんと風の精霊さん。

まずは『おうた』から。
歌唱の技能もフル活用で。
ふるふる、ふるふる、一緒におうたを楽しみましょう。

お次はダンス。
わたくしは那由多と踊りながら
錬成カミヤドリで本体である人形を作り出し、精霊さんのお相手にしますわね。

さあ精霊さんもご一緒に♪
くるくる回って、ステップにターン。
素早く無くとも風を感じることはできるはず。

お気に召していただけました?


リヴィア・ハルフェニア
初めまして。よろしくお願いします。

それなら私は一番最初にシンフォニアとして歌い、水の精霊のお相手をするね。(技能:歌唱)曲調は楽し気で明るい方がお茶会には合うと思うの。
演出の手伝いにルト(相棒の精霊)には歌に合わせて姿を変えながら飛んでもらったらいいかもしれないわね。
あの子とはずっと一緒でとても息が合うもの。
せっかくなら他の歌い手や演奏者の方と出来たらいいけど、探してお願いしてみよう。

もしまだ時間があったなら、誰かの手伝いをするわ。私に出来る事があればいいけれど…。

≪アドリブ、絡み歓迎。何か可笑しな所があれば好きに直していだたいてかまいません。≫



●第二の頁『踊る少女人形と歌う人形少女』
 あそぼう
 その言葉は深護・刹那(花誘う蝶・f03199)の心に嬉しさの花を咲かせる。何故なら、彼女は誰かと遊ぶために作られた人形、それが縁に恵まれ、多くの子供達と共に長い時を過ごしたことで命を得たヤドリガミだからだ。故に返事はもちろん。
「あーそびーましょー、ですわ♪」
 彼女の返事にワッと盛り上がる精霊達。その歓声に笑顔で応じた刹那は、己のシンフォニックデバイスを準備するとスカートの裾を摘まみ優雅に一礼。
「ではでは。不肖、深護・刹那、参ります♪」
 彼女が最も長い時を共に過ごしたある貴族の子との、大切な思い出である『おうた』を披露するのだった。
 己も歌を披露しよう、折角なら他の歌い手と共にと考えていたリヴィア・ハルフェニア(歌を紡ぎ、精霊と心通わす人形姫・f09686)は、仲間の可愛らしい少女の歌声に、その美しく整った顔をほころばせる。刹那の歌はリヴィアの知らないものだったが、そこは彼女も魔法の根源を制御出来るほどの歌い手、少しメロディを聴けば歌声を合わせる事など造作も無かった。
「~~♪」
 初めまして。よろしくお願いします。誰かが歌っている最中に言葉を挟むのは無粋、故にリヴィアのその挨拶はその歌の中に想いとして籠められて放たれる。
 生まれた時代も場所も、そしておそらくは世界すら違う二人の少女。しかし奇しくもそのどちらも、人の形を成した物として作られ人によって命を宿した者達。だからだろうか、それとも奇跡の歌い手としての研さんを積んだ者同士のシンパシーか……青と金の瞳がお互いを捉えた次の瞬間、刹那の曲調がリヴィアをリードするように変化しリヴィアもまたそれに合わせる。
 少女人形と人形少女から紡がれる二種の旋律。、それは時に競い時に支え時に高め合い美しい合唱となって響き渡る。
 精霊達は美しい歌に息を飲んで聞きほれる……そんな彼らの中で最も大きく反応したのは水の精霊だった。歌という音の波が水でできた己の体を震わせる。その振動は確かに心地よいものだが、それだけではない、ただ音の波が良いというだけなら風の精霊に頼めばよいだけなのだ。『おうた』には心が込められている、楽しい気持ちや悲しい気持ちや、『おうた』をするその人のその時の気持ちが、それが水の体の奥底の、魂そのものを震わせる。それが水の精霊にとって、他で得る事の出来ない経験であり楽しさとなるのだ。
 一曲が終わりお辞儀をする二人。一呼吸を置いて割れんばかりの拍手が、精霊達と仲間達双方から上がる。そんな様子ににっこりと笑みを浮かべながら刹那はからくり人形の那由他を取り出す。
「お次はダンスよ、さぁさぁ精霊さんもご一緒に♪」
 那由他と共にくるくると踊りはじめる刹那はステップを踏みながら己の力を開放する。周囲に彼女の本体と同じ姿の人形達が現れ精霊の周りをくるくると回り始める。
「私に出来る事、あったわ」
 時間があれば誰かのお手伝いをしたいと思っていたリヴィアは踊り始めた刹那を見て優しい笑みを浮かべる。踊りながら歌うのは流石に彼女にも大変だろう、なら次は『私の舞台』だ。
リヴィアの口から紡がれるのは楽し気で明るい曲調の歌。ついつい体を動かしたくなるその歌と刹那のダンスにつられ、精霊達もめいめいに刹那の人形たちと踊りはじめる。一定のリズムを踏むステップ、静と動を繰り替えすターンなどは、ただたた速く飛ぶばかりだった風の精霊にとってはとても楽しい新鮮な体験となったようで、一番楽しそうに踊っていた。
 また、一番動きがゆっくりして上手くダンスを踊れないでいた地の精霊の傍らには五つ目の精霊が現れる。それは、故郷からずっと旅を共にしていたリディアの相棒ルトだった。様々な形に姿を変えながら地の精霊のリズムに合わせてくれるルトに、地の精霊は嬉しそうにほほ笑む。
 人形と精霊達の舞踊、それは、簡素な学園迷宮の一フロアがまるで舞踏会の会場なのではないかと思ってしまうような、幻想的で美しい光景だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

百鬼・葛葉
精霊さんたちのお世話ならまかせてくださいっ!
まずは普段から鉄板替わりにも使っている盾を焚火で炙りつつその上でご飯をつくります
ピリ辛ダレに漬けておいたお肉を焼いたりしつつ、待っている時間にクッキーとかを出して
その間にも歌唱を使いつつ優しくシンフォニック・キュアで鼻歌を口ずさみつつ…ふふ、もうちょっと待ってくださいねー
すぐにママがおいしいご飯を作ってあげますからねっ!
こういう時こそ、ママ力(コミュ力)の使いどころ、と張り切って腕を見せますっ!
でも…ただ甘やかすだけがママじゃないですからね、待っている間にやんちゃしていたりしたらめっ!としっかりと注意してあげます
さ、それじゃあ頂きますをしましょうっ!



●第三の頁 ママ無双
 ここに一人のママがいる。名を百鬼・葛葉(百鬼野狐・f00152)……『ひゃっき』ではない、それは意外(?)と可愛くない。
 齢僅か6歳(たぶん)にして葛葉はママだった、いやママであろうとした。この場においてもそれは変わらない。
「精霊さんたちのお世話ならまかせてくださいっ!」
 今精霊達はダンスと歌に夢中、その間にまずは普段から(鉄板として)愛用している盾を(鉄板として)焚火で炙りつつ(鉄板として)その上でご飯を作ろう。ママなのだから。
 鉄板……もとい盾は狐火にかけられると抜群の熱伝導ですぐにアッチッチ、十分な熱量を得た所でピリ辛ダレに漬けておいたお肉を乗せる。肉が焼け油がはじける音と共に、得も言われぬ香りが広がり始める。しかしママに抜かりはない。出来上がるまでに我慢できない子の為に事前にクッキーも用意されているのだ。
「……ふふ、もうちょっと待ってくださいねー。すぐにママがおいしいご飯を作ってあげますからねっ!」
 口ずさむ鼻歌すらママ味に溢れ聴く者の心を癒す……まさに『こういう時こそママ力(コミュ力)の使いどころ』と張り切り腕を見せる葛葉であった。ママすごい。
 精霊達も香りに釣られ集まる。そこでクッキーを差し出す葛葉。大喜びで手を伸ばす精霊達だったが、ここで一つ事件が起きた。地の精霊が大きく腕を伸ばしてクッキーの大半を独り占めしてしまったのだ。
「あー、何やってんだよー!」「ずるいずるいー!」「地さんはいつもいっぱい食べるのは知っていますがこれは流石に無いですよ……」
 次々と非難の声があがるも地の精霊は。
「だって、おなか、いっぱい、に、ならない、ん、だもん」
 と手を離さない。気づいた葛葉は地の精霊の手に触れると、めっ! としっかりと注意をする。甘やかすだけがママではないのだ。
 怒られた地の精霊が皆を振り返る。そこにはさっきまでの楽しそうな顔は一つも無い。そんな皆を見ていると何故かどれだけ食べても満たされないような気がしてくる。
「ごめん、ね」
 謝りクッキーを手放した地の精霊に葛葉は一枚手渡す。普段ならとても満たされない量なのに、みんなと一緒に食べたそれは不思議とお腹いっぱいにさせるのだった。
「いえいえ、まだお腹いっぱいになっちゃダメですよ、丁度美味しく焼けた所なんですから♪ さ、それじゃあ頂きますをしましょうっ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

オズ・ケストナー
いっしょにあそんでいいのっ?
ふふ、たのしみ

なにか特技があるわけじゃないけど
この間ともだちに喜んでもらった影絵あそびならできるよ

壁をライトで照らして
つたない口笛でぴい、ぴいと鳴き声
壁にはばたく鳥が現れる
おやゆびをうごかして頭とくちばしを表現
ぴよ、ぴい
鳴き声に合わせて頭を振って
精霊の影にとまってみたり精霊の影をつついてみたり

これはなーんだ、ってあてっこクイズしたり
ねえ、どんなどうぶつがすき?
あひる、うさぎ
リクエストに応えていろいろ作るね
できそうな影絵があったら教えるよ
みんなのおかげでひとりじゃなくなったね

おやつを食べてる子がいたらいっしょしたいな
おいしいねってにこにこ
みんなであそぶのってたのしいね



●第四の頁 影の動物達
 賑やかな食事の時間が過ぎ、精霊達と猟兵達は調理に使った焚火を囲んで食休みをしていた。不思議な『てしな』や楽しい『おうた』に『ダンス』、そして美味しい『ごはん』を満喫した精霊達だったがまだもう少しだけ遊んでほしそうに猟兵達を見ていた。
「いっしょにあそんでいいの? ふふ、たのしみ」
 そんな精霊達の視線に嬉しそうに身を乗り出したのはオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)だった。美しき青年は、キトンブルーの瞳を細めまるで子供の様な無邪気な笑顔を浮かべる。
 彼は焚火を背にすると精霊達においでおいでと手招きし隣に座らせる。炎に照らされた五名の影が迷宮の壁に映し出された。
 一体次は何をしてくれるのか、ワクワクを隠せない精霊達にオズは、何か特技があるわけじゃないけれど……と前置きをして。
「この間ともだちに喜んでもらった影絵あそびならできるよ」
 ―――ぴいぴい、どこかで鳥が鳴いている……いやあそこだ、壁という空を黒い影の鳥が飛んでいる。影の鳥はそのまま精霊の影の肩へ止まる。ぴよ、ぴい。まるで何かをねだるかのように鳴き声とともに首を動かし、嘴で精霊に触れる。精霊の影はおそるおそる鳥の影に触れ撫でる。
 オズの創りだす影絵の世界に夢中になる精霊達。彼がこれはなーんだ、と作り出す動物達に、うーん、うーん、と唸りながら。
「えっと、にゃーっていうから猫だよ! おねえちゃんが教えてくれた動物だ!」
 精霊達は外の世界を見たことが無い。ずっと迷宮の中に居て、以前やってきた学生から外の世界の話を聞いたのみだった。
「ねえ、どんなどうぶつがすき?」
 だからオズのこの質問にも、彼らは教えられた動物達の名前を次々にあげるだけだった。それが彼らが知る動物の全てであり、だからこそその全部が好きだったからだ。
 あひる、うさぎ……オズはリクエストに応えどんどん影の動物を作っていく。自分が作るだけではなく精霊達にも作り方を教えて試させる。影という形ではあるが、話の中でしか知らない動物達の姿を精霊達が知る事ができたのだ。
「みんなのおかげでひとりじゃなくなったね」
 残っていたクッキーを一緒に食べるオズ。彼のお蔭で精霊達はまた自分達だけになっても、今度は影絵で遊ぶことが出来るだろう。オズの言葉に精霊達は影の動物達を作る事で応えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘルガ・リープフラウ
【WIZ】
※アドリブ・絡み歓迎

なんて可愛らしい精霊さん……
昔話はどうかしら?
せっかくだから歌劇のように、物語を歌詞にして歌いましょう
おうたの好きな水の子も、冒険好きな子たちも、喜んでくれるかしら?

昔々ある森に、黒く大きな狼がいました
皆から恐れられる狼でしたが、お姫様だけは知っていました
狼がとても優しい瞳をしていることを

ある日、悪い魔王が現れ、お姫様をさらってゆきました
人々はただ魔王を恐れるばかり
狼だけが、命をかけて魔王と戦い、お姫様を助けたのです

傷だらけの狼を見て、お姫様が涙を一粒こぼした時……
狼にかけられた呪いが解け、凛々しい王子様になりました
二人は晴れて結ばれ、いつまでも幸せに暮らしました


エグゼ・シナバーローズ
精霊が退屈してるなんて聞いてほっとけねーよ
欲張りだが全員に構ってやりたい

俺も数年間だが世界を渡り歩いてる
見てきたいろんな世界の話をするぜ
キマイラフューチャーのノックしたら物質が出てくることや怪人の妙な造形
スペースシップワールドの船の中で生きていることや星の海
アックス&ウィザーズの広大な空や大地
サムライエンパイアの独特の文化
UDCアースの文明や味方するUDCのこと
出身地のダークセイヴァーはやめておくか…
俺は世界独自のものに触れるたび知る喜びで震えたから
その感動を少しでも伝えられたら満足だ

けど、こいつらが楽しそうに聞いてくれていたら今はそれが何より嬉しい
ずっとこいつらと話してたいなぁ
ちぇっ、ダメか



●第五の頁 『物語(かこ)』と『物語(いま)』
 なんて可愛らしい精霊さん……影絵を教わり遊ぶ精霊達を見てヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は笑みを浮かべる。あの子達を楽しませるのに何が出来るのか、考えを巡らせた彼女はやがて唇を開く。
「昔話はどうかしら?」
 この世界において『過去』とは捨て去るべきものである。それを抱えたままでは世界は沈み停滞する……しかしだからと言ってそのの全てをそうして生きているわけではない、過去の想いは『物語』として『現在』に受け継がれている。
 ヘルガは己の知るとある昔話を歌劇の形で歌い始める。
(おうたの好きな水の子も、冒険好きな子たちも、喜んでくれるかしら?)
 ―――昔々ある森に、黒く大きな狼がいました。
 それは、獣であるが故に恐れられた一頭の狼と、その狼が本当は優しい事を知っていた一人のお姫様の物語だった。ヘルガの天使の様な歌声が物語を紡いでゆく。
 ―――ある日、悪い魔王が現れ、お姫様をさらってゆきました。
 物語のお姫様に危機が迫れば精霊達は我が事の様に悲鳴をあげたり。
 ―――狼だけが、命をかけて魔王と戦い、お姫様を助けたのです。
 お姫様を助けるべく死闘を繰り広げる狼のシーンでは拳に力を込めて声援を送り。物語の世界に没頭していく。
 ―――二人は晴れて結ばれ、いつまでも幸せに暮らしました。
 やがてハッピーエンドで歌が終われば、割れんばかりの拍手と歓声があがる。
「狼すごい! かっこいい!」「おひめさまたすかったぞー!」
 火の精霊が狼の活躍に胸の炎を輝かせれば、風の精霊もわが事の様に喜んで飛び回る。
「たのし、おはなし、だった」
 地の精霊も満足げにうなずき、そして水の精霊はヘルガに。
「お姉さん……二人は今も幸せなのね? お姫様はもう泣かないですんでいるのね?」
 その言葉にヘルガは虚を突かれる。一度瞳を閉じ思いを馳せる……そして再び瞳を開き、透き通った水で出来た青い水の精霊を見つめながら答えた。

 ―――えぇ、お姫様の隣には、狼だった王子様がいますから

 エグゼ・シナバーローズ(4色使いの「転校生」・f10628)は彼女と水の精霊とのやり取りを黙ってみていた。
(精霊が退屈してるなんて聞いてほっとけねーよ)
 それは精霊と契約し心通わせた彼にとって最も重要な事だった。欲張りだが全員に構ってやりたいと考える彼は歌姫に次の『昔話』を催促する精霊達の輪に入る。
「よーお前ら、昔話もいいが、今の話だって捨てたもんじゃねーぜ?」
 そういって語りだしたのは、数年に渡って彼が旅をした様々な世界の『現在(いま)』の話だった。
 ―――それは人のいなくなった世界。
「あっちこっちをノックしたらいろんなものが出てくるなんて不思議ー」「カイジンってそんなヘンなのばっかりなのー? おもしろーい!」
 ―――それは人が大地で住めなくなった世界。星の海を行く巨大な鉄の船。
「じめん、が、ない、なんて、そうぞうも、できない、なぁ」「お星さまキラキラ光っているのよね? それが沢山あるなんてきっと綺麗なんでしょうね……」
 ―――それはどこまでも続く広大な大地と空の世界。
「そんなにひろいのー!? うわー、それならどこまでもとんでいけそう!」
 ―――それは列島だけが存在する独特の文化を持つ世界。
「木のおうちに粘度の屋根をのっけるの? ふしぎなおうちだねー」「キモノってそんなにきれいなふくなんだー、きになるー!」
 ―――それは神秘が秘匿された世界。
「へ-! じゃあ僕たちもそこへいったら『ゆーでぃーしー』って呼ばれるのかな?」「ふふふ、そうかも」
 出身地の事は、語らなかった。エグゼはそれぞれの世界で、その世界独自のものに触れるたび知る喜びで震えた……その感動を少しでも伝えたかったのだ。
 精霊達はエグゼが語るたびに、まるでその世界でそれを知った時のエグゼのように、大いに喜び、驚き、感動し、思いをはせ、そして続きをせがんだ。
(ずっとこいつらと話してたいなぁ)
 そう心から願うエグザの視界に扉が映る。
(ちぇっ、ダメか)
 そう、あの飛び去の先にはフロアボスとなったオブリビオンがいる。フロアボスは支配した迷宮を変化させられる。力を増しその範囲が広がれば、真っ先に被害に遭うのはこの精霊達なのだ。
 それにこの辺りはあらかた探索も終わりオブリビオンも駆逐された故に学生達の足が遠のいたのだ。そういう場所だからエグザならばまたいつでも精霊達に会いに来られるだろう。
 後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、彼は立ち上がった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最後の頁 もはや白紙ではない彼らの『物語』
『てじな』はすっごくびっくりした。
『おうた』と『ダンス』はとっても楽しかった。
『ごはん』みんなで食べるの凄く美味しいの。
『かげえ』おもしろかったなー
『むかしばなし』とっても素敵なお話だったの
『いろんなセカイのおはなし』もワクワクしたよ!
 いっぱい遊んでくれてありがとう! すごくすごーく楽しかった!
 ……この先に行きたいの? うん、いいよ、扉開けてあげる!
●そして新たな『物語(たたかい)』が始まる
 精霊達の封印が説かれた扉を開けた猟兵達は永く広い通路へ足を踏み入れる。
 永く閉ざされていたせいなのか、それともこの先に待ち受けるフロアボスの影響か、それまでの迷宮よりも湿度が高くジメジメとした場所だ。
 気を付けながら進む猟兵は、やがて多数の気配を感じ取る。十分に警戒した彼らの前に現れたのは。
「イソゲイソゲー」「モウコンナブラックナショクバハイヤダー」「ラクエンニムケテヒタハシレー」
 思い思いに好き勝手な事を口走りながら床をはいずるカラフルなスライムの大群であった。
 猟兵の中には既知の者もいるだろう、蜜ぷにと呼ばれるポピュラーな魔物だ。弱いが数が多く、そして体そのものである花の蜜は非常卯に美味であるという。
 気の抜ける外見だがれっきとしたオブリビオンである。ならば猟兵として取るべき手段は一つだけだろう。精霊達の前で控えていたその力を見せる時だ。
●戦いの始まり
 「ムム、マエニナニカイルゾー」「ヨクワカラナイケレド、アレハキット『リョーヘー』ダ!」「ボクタチヲタオスキナンダ」「マケテタマルカ、セッカクニゲテキタンダ」「コノサキガラクエンダゾ、トッパシロー!」「オー!!」
 オブリビオンは、猟兵をその目にした瞬間、それが猟兵と呼ばれる敵対者であることを理解するという。果たして蜜ぷに達も前方を塞ぐ猟兵達を『そういうもの』と認識した。彼らは猟兵の撃破よりも、迷宮外への脱出を優先したのか広い廊下の左右に分かれて猟兵達の横をすり抜けようとする……無論、それを黙って見逃す猟兵達ではない、
 猟兵達は特に打ち合わせもなく、各々の判断で左右に別れた蜜ぷにの集団へと向かっていく。どうあっても自分達を逃すつもりが無いと理解したのか、蜜ぷに達も逃亡を諦め猟兵へ襲い掛かるのであった。
村井・樹
『紳士』のやつ、「後は任せましたよ」とか抜かしてさっさと後ろに下がりやがった
……まあ、元より戦闘は『不良』の役目だ
『村井・樹』として、任務は忠実に行おう
「蜜を集めて、持って帰りたいですね」「それでお茶にしましょう」とかいうリクエストについては……まあ、考えてはおいてやる

WIZの共存共栄を使用
召喚されたぷにを倒して回ろう
数は多いが、その分動きがいもある筈だ
……少々癪に障るが、今度は俺が『紳士』の力も借りる番だ

基本的には、相方のメメと『フェイント』『騙し討ち』で波状攻撃を仕掛ける
敵の攻撃に対しては、咄嗟にぷにを使って『敵を盾にする』『盾受け』で凌いだりしよう


※プレ外の言動、他猟兵との連携等大歓迎


オズ・ケストナー
精霊にばいばいまたねと手を振って

これが蜜ぷにっ
しってる、おいしいんだよね
え、なに? ブラックナショクバ……?
なんだか楽しそうなところごめんね
ちょっと通してもらうね

ガジェットショータイムで目の前の子からポコポコ攻撃
この蜜、おみやげにできるかなあ

召喚されたぷにを見て目を輝かせ
勇者ご一行ってやつだよね
絵本で見たことある、勇者と戦士がいるなら武闘家もいる?
え、いないの?
そっかあ…

数字が上がってく
友情パワーっていくつまで貯められるんだろう
あっ、でも貯まったらつよくなっちゃうんだよね
だめだめ

ぷにぷにぱにっくみたいにポコポコ
【武器受け】で攻撃を防ぎながら倒していくね

ラクエンはしらないけど、せめていい夢を見て


リヴィア・ハルフェニア
ブラックな職場とか楽園になんて魔物の世界も大変なんだと思い、複雑な顔で思わずため息を一つ。
『残念だけど、お前達はここで退場だ。』

弱くても数が多いと大変だから油断せずに後方辺りから基本はサポート&魔法攻撃。
連携を取る為に最初直ぐに敵の攻撃は避けながら周りの状況と敵の攻撃を学習し、その後は蜜も取る為にも燃やさずに増える前、特に合体される前に属性:氷【2回攻撃】で凍らせたり、散らばり過ぎや仲間の攻撃範囲外になった場合は歌で魅了【誘惑,歌唱,範囲攻撃】して引き寄せる。
でも最優先は味方の回復よ。皆さんの怪我は私が治すわ。

…ねえ、やっぱり可愛いから凍らせたのを持って帰るのはダメ?


≪アドリブ、絡み大歓迎≫



●右翼側の戦い
「これが蜜ぷにっ、しってる、おいしんだよね」
 精霊にばいばいまたね、と手を振り別れを済ませたオズが現れた蜜ぷにに対して最初に抱いた感想はそれだった。
「ヒー、アイツモオイシイトカイッタゾ」「ココモヤハリブラックナショクバナノカ……」
 オズのコメントに怯えた様子で騒ぎだす蜜ぷにの一団。
「え、なに? ブラックナショクバ……? なんだか楽しそうなところごめんね。ちょっと通してもらうね」
 だがオズにはいまいちピンとこなかったようだ。己の『Hermes』と銘打たれた、身の丈ほどもある斧を基にしたガジェットを構える。そしてガジェッティアとしての力を解放すると、先端が三つに分割されたアタッチメントパーツが召喚されHermesの先端にドッキングする。
「んーと? ……あ、そうかこれって」
 何かに気付いたオズは、Hermesを普段とは異なり槍の様に構え突き出す。蒸気噴出孔の向きも変化していたHermesはその突きの動きを蒸気の噴出で加速させる。そして。

 ―――ぷすっ。

「うん、これ、フォークだね」
 ガジェッティアとして、召喚された新たなガジェットの使い方をを完全に理解したオズに敵はいない。槍の様になったHermesで突進してくる蜜ぷよを受け流し、蒸気による加速を利用した鋭い突きを何度も繰り出して、目の前のを手当たり次第に破裂させていく。周囲に溜まる蜜ぷにだったもの、すなわち花の蜜の塊に目をやると、おみやげにできるかなぁと呟くのだった。

「あぁ、オズさんそれはいいですねぇ。私も蜜を集めて持って帰りたいですねぇ……それでお茶にしましょうか」
 オズの呟きに反応したのは、背後に控えた樹だった。
「それでは、荒事はあちらに任せるとしましょう……後は任せましたよ、『不良』」
 そういって一度目を閉じる。再び開いた時には樹の雰囲気は一変していた。
「『紳士』の奴……まあ、元より戦闘は『不良』の役目だ。リクエストについては……まぁ、考えておいてやる」
 ただし、それならお前も少し手伝え。己の中の力ともう一人の自分へと手を伸ばす樹。
「まったく仕方ないですねぇ……」
 樹の背後にもう一人の樹が現れる。否、同じ姿だが明らかに違う雰囲気を纏っている。もう一つの人格である『紳士』だ。
「大丈夫、『紳士(私)が見ています。『不良(私)』と『紳士(私)』、そしてメメ君が揃えば敵はありませんよ」
 『紳士』の激励に鋼の糸を持つ手に力が籠る。メメもまた大きく吠えると蜜ぷにの群れへと飛び出した。別人格の叱咤激励がもう一人へ力を与える。これぞ猟兵村井・樹の持ち得る超常の力、共存共栄(アルターエゴ)である。
「紳士(おれ)が見てるんだ、不良(おれ)の無様なんか晒せるか!」
 樹が鋼の糸を振るって蜜ぷにを切り刻めば、メメが飛びかかり噛みつく。糸の不規則な動きをフェイントにして追い詰め、メメが襲い掛かる。一人と一体による波状攻撃で次々と蜜ぷにがはじけ飛んでいく。
 反撃を許さぬ猛攻蜜ぷには押され、隙を突いて飛びかかろうにも、背後から見ている『紳士』の指摘によって直ぐに看過され、逆に樹に掴まれて盾代わりにされる始末。

 すると悲惨な仲間の状況を見てか、蜜ぷにの周囲に新たな蜜ぷにが出現しはじめる。それらの額には『1』の刻印。仲間のピンチにより召喚された『友情パワーぷに』達である。
「トモノピンチニサンジョウシタプニヨー!」「ヤッタゾー! ユウジョウパワーデガッタイダー!」」
 友情パワーぷには互いにくっつき合体。すると額の数字が「2」へと変わり、身のこなしが明らかに速くなる。
「数字が上がってく。友情パワーっていくつまで貯められるんだろう……あっ、でも貯まったらつよくなっちゃうんだよね、だめだめ」
 友情パワーぷにの様子を興味深そうに見ていたオズだったが、パワーアップしているのに気づいて慌てて「2」の個体をHermesで穿つ。幸いにもまだ一撃で倒せたが、明らかに耐久力も上がっている様子だ。

「……ブラックな職場とか楽園とか、魔物の世界も大変なのね……でも」
 複雑な顔でため息をつくリヴィアだったが。
「残念だけど、お前たちはここで退場だ」
 普段の穏やかな口調から一遍、凛とした言葉遣いで蜜ぷにの嘆きを切って捨てる。
 リヴィアはここまで、後方で待機しながら周りの状況と敵の攻撃を学習していた。一体一体は弱くても数が多ければ大変だと、油断をしていなかったのである。そうして観察し導き出した結論、それは。
「蜜をとるために燃やすのは駄目ね。氷の魔法だわ。」
「なるほど、それは一理ありますね」「一理ねぇよ! 観察してたのはそこかよ!?」
 隣の『紳士』からは賛同の声があがり、前方の『不良』からは突っ込みが入る。リヴィアは慌てて顔の前で手を振り言葉を続ける。
「も、もちろんそれだけじゃないわ。合体されるのは危険……特に狙うべきは合体する前の蜜ぷによ」
 そう言うやいなやリヴィアは矢継ぎ早に呪文を唱え、杖となった相棒のルトを掲げる。すると氷の魔法によって、今まさに合体しようとしていた蜜ぷにが氷漬けにされる、それも二体同時にだ。そして。
「カタマッタラキケンダー、チラバレチラバレー!」
 猟兵達によって数が減らされたことが逆に幸いしたというべきか、蜜ぷに達は三々五々に散って逃げようとする。
「そうくると思ったわ」
 リヴィアの口から紡がれるのは、魔力の籠められた歌。それは逃げ出そうとしした周囲の蜜ぷにの動きを鈍らせる。
「アァー、ナンテウツクシイ……ココガラクエンナノカー」
「ラクエンはしらないけど、せめていい夢を見て」
 無防備になった蜜ぷにを、すかさずオズが攻撃し破壊する。
 こうして右翼側は、猟兵達によって多数の蜜の塊と氷漬けの蜜ぷよという形で壊滅するのであった。
「……ねえ、やっぱり可愛いから凍らせたのを持って帰るのはダメ?」
「オマエそれ最初の台詞台無しだぞ……」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

深護・刹那
ではでは。不肖、深護・刹那、参ります。

蜜ぷに…ぷにぷに。
くっ、なんて愛らしさですの!
猟兵として見逃がすわけには行かないのですけど、
つつきたい、とてもつつきたいですわ!
だめ?だめですの?

はふ、仕方ありませんわ。
心を鬼にして倒します。
あ、出来たら蜜は確保したいなー、ですわ!

からくり仕掛けのセツナで仕掛けますわ。
「セツナ、参りますわよ!」
セツナにわたくしを操らせて肉弾戦、いきますわよー!
はっ、てやっ、たーっ!

蜜ぷにが反撃に賢者ぷにを呼び出したら
「あら?あらあら?」
お互いに操られという展開に思わず笑いがこぼれ
「ではどちらの繰り手が上か、決めるとしましょう!」
負けませんわよ!

☆他の方との絡みOKです


ヘルガ・リープフラウ
※アドリブ、他PCとの絡み歓迎

まあ、なんて可愛らしい……といっても、これも災魔なのですよね。
後に災厄の種となるならば放置してはおけませんし、何よりわたくしたちは、この先に待ち受ける強敵を倒さねばなりません。
ここは心を鬼にして……参ります!

単体では弱い魔物とはいえ、召喚能力と合体能力は侮れません。
無限に能力を使われないよう、まずは動きを封じなくては。
【主よ、哀れみ給え】……災魔として生まれ、災い成す蜜ぷにたちに祈りと哀れみを。せめて「ブラックナショクバ」から解放され、天に召されますように。
仲間が傷ついたら【生まれながらの光】で癒しましょう。

……もし可能なら、蜜は回収しておみやげにしますね。


瑞花・霙
わぁ、可愛いの!
すごくぷにぷにしてて、突きたくなっちゃうの
だめなのっ、倒さなくちゃいけないの!
……倒したら突いてもいいかな?

ブラックな職場……?
なんだか、ぷにさん達も大変なのね

メイン攻撃は【Comet of light】で【気絶攻撃】を
織り交ぜつつ攻撃するの
避ける時は出来るだけ【見切り】を、
反撃できそうなら【カウンター】を使うの

『ミンナキテクレタプニ』対策は
合体したらメイスでだるま落としみたいに飛ばしちゃうの!
合体されたら大変なの!

倒したらぷにぷにを堪能するため、ツンツン
ふふふ、

一人称:みぞれ



●左翼側の戦い
「蜜ぷに……ぷにぷに。くっ、なんて愛らしさですの! つつきたい、とてもつつきたいですわ! だめ? だめですの?」
「わぁ、可愛いの! すごくぷにぷにしてて、突きたくなっちゃうの。だめなのっ、倒さなくちゃいけないの!」
 刹那と瑞花・霙(雪のつぼみ・f00115)は大いなる誘惑と戦っていた。すなわち、可愛すぎる、めっちゃ突きたい、である。
「まぁ、刹那様と霙様の仰る通り、なんて可愛らしい……といっても、これも災魔なのですよね。」
 ヘルガもまた、予想外の可愛らしい存在の出現に心躍らせていた。
 だがいかに愛らしかろうと、目の前のそれはオブリビオン、後の災厄の種となるのならば放置はできない。何より自分達はこの先に待ち受ける強敵を倒さねばならないのだ、と……それは彼女達もわかっていた。故に仕方ないので心を鬼にして倒そうと……ただ、出来たら蜜は確保したいとも思っていた。
「……倒したら突いてもいいかな?」
 霙の呟きを聞いた刹那に電流が走る。倒したら突いてもいい、そういうのもあるのかと。
 ならばと刹那は全身の力を抜く、そうしていると本当にただの人形の様だ。
「夢はうつつ。うつつの私はヒトガタ。ヒトガタは繰られ夢を見る。これが、人形の、刹那の、夢。」
 彼女の背後に、どこか彼女に似たからくり人形が現れる。からくり人形は、両手の指に人形を繰る為の糸があり、それが刹那の全身に繋がる。
「仕掛けます。セツナ、参りますわよ!」
 セツナと呼ばれたからくり人形が糸を繰れば、それに操られた刹那が徒手空拳で構える。その構えは堂に入ったもので隙を見せない。
「はっ、てやっ、たーっ!」
 掛け声こそ可愛らしいが、その突きは鋭く一撃で蜜ぷにを爆散させる。手刀のキレもまた鋭く一刀両断。一斉に飛びかかってくる者達には回し蹴りで文字通り一蹴し、その隙に背後から襲ってきた蜜ぷにもポニーテールだけで弾き飛ばす。
 いかなる絶技か、激しい動きにあってそのスカートは最小限のはためきのみではしたなく足を露出させることも無い。また周囲でいくつもの爆散が起きても、その純白の洋服にはいささかの蜜の染みもないのだ。故に、激しい戦闘にもかかわらず、それはまるで操り人形による華麗な舞踏であるかのような錯覚すら覚える。
 これが刹那の持つ力、即ち『からくり仕掛けのセツナ(デア・エクス・マーキナー)』である。
「アヤツラレタアノオンナノコメッチャツヨイプニ!」「アキラメチャダメダプニ! ボクダッテヤレルプニ!」「ソウ、ワタシニマカセルデプニ」「ア、アナタハプニ!」
 蜜ぷに達が叫ぶと、新たな一体の蜜ぷにが召喚される。それは形は全く同じぷにぷにしているが、どこか賢そうな瞳をしていた。
「ワタシハ『ケンジャプニ』プニ。サァドウホウヨ、ワタシニシタガッテアノテキヲヤッツケルノダプニ!」「オー!!」
 賢者ぷにと名乗る、ちょっと賢そうな蜜ぷには他の蜜ぷにに号令をかけるとその体を融合させて刹那に立ち向かう。
「あら?あらあら?」
 お互いに操られるという展開に、思わず笑いがこぼれてしまう刹那。
「ではどちらの繰り手が上か、決めるとしましょう!」
 そして両者は激突する。

 賢者ぷに(と操られた蜜ぷに)と刹那の戦いが始まる中で、ヘルガは残されたそれ以外の左翼側の蜜ぷにの群れを見てある結論に達した。それは奇しくも右翼側と同じ物であった。
 単体では弱い魔物とはいえ、召喚能力と合体能力は侮れない。無限に使われないようにまずは動きを封じなくては。
「天にまします我らが神よ。その御心の許、我らに加護を。かの者に懺悔の時を……!」
 ヘルガは両手を組み祈り始める。すると背中の天使の翼から、神聖なオーラを宿す光が放たれる。
「ウワー、イタ……クナイ?」
 それを浴びた蜜ぷに達はダメージを覚悟する……が、それは自らを傷つけるようなものではなかった。
「……災魔として生まれ、災い成す蜜ぷにたちに祈りと哀れみを。せめて『ブラックナショクバ』から解放され、天に召されますように」
 それは皮肉でもなんでもなかった。ヘルガは敵対し倒す敵である蜜ぷににでも哀れみの心をもって祈った。彼女の憐みの心と祈りがもたらす奇跡、それこそが『主よ、哀れみ給え(キリエ・エレイソン)』である。
 蜜ぷに達の心は今満たされていた。思えばずっと彼らは『闇(ブラック)』の中に在った。光の差し込まない迷宮の一角すなわちブラックな環境。無茶な命令と共に自分達を捕食するフロアボス、すなわちブラックな上司。『闇(ブラック)』に塗れた彼らは『光』を求めた。それは迷宮の外にあるはずだ、そう信じての大脱走だった。その逃避行は道半ばでこうして頓挫したが……それでも、ここで『光』を得る事ができたのだ。

「アタタカイ、ヒカリ、ニゲダシテヨカッタナァ……アタタカイ、アタタ……? アレ、ナンカベツノヒカリガ…… アイター!?」
 ヘルガの放つ光に呆けていた蜜ぷにの一団が別の光に吹き飛ばされる。床に叩きつけられた彼らは目を回して気絶していた。
「ブラックな職場……? なんだか、ぷにさん達も大変なのね」
 霙は大いに同情した。だが、だからといって猟兵の役割に手を抜くことはない。
「光よ、悪しき力を消し去ってほしいの!いっけぇ!」
 彼女の可愛らしい詠唱と共に、80本を超える光の矢が生まれ蜜ぷにの群れを容赦なく射抜いていく。これが彼女だけの力『Comet of light(コメット・オブ・ライト)』である。
「ナ、ナニ、ソンナバカナ」
 焦ったのは賢者ぷにである。強敵である刹那との戦いで多少操っている蜜ぷにが損耗しても、周囲にはまだ多くの同胞が残っているので、それと合体したり召喚させたりすれば、いずれ競り勝つのはこちらだと、その(自称)明晰な頭脳は導き出していたのだ。
 しかし現実はそうはならなかった。他の猟兵の動きまで計算に入れていなかったのだ。賢者と名乗っていても所詮は蜜ぷに、その(自称)明晰な頭脳もまた、ただの花の蜜でしかないのであった。さらには。
「合体されてたら大変なの! えーい!」
 耳と尻尾をピンと立てた霙が体全体を使ったスイングでメイスを降りぬくと、賢者ぷにと合体して操られていた蜜ぷに達がダルマ落としの要領で飛ばされて飛んでいく。
「シ、シマッタ、モウイチドツナガッテ……」
「これで終わりですわ、たーっ!」
「ギャー!」
 焦りから大きな隙を見せたところで刹那の突きをモロに受け、賢者ぷにははじけ飛んだのであった。

 こうして左翼側の蜜ぷにも全滅した。その後にはぷにぷにを堪能するためツンツンする者達の姿があったとかなかったとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『迷宮温室の女王』

POW   :    百裂蔓撃
【髪のように見える無数の蔓】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    捕縛液噴射
【腹部の食人植物】から【刺激臭のする液体】を放ち、【空気に触れると凝固する性質】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    女王の花蜜
レベル×5体の、小型の戦闘用【昆虫型モンスター】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お土産は花の蜜
 通路は死屍累々……いや蜜累々のあり様であった。集団戦による大立ち回りのため、どうしてもその多くは踏み荒らされざるを得なかった。しかし汚れの全くない塊も多数残っていて、各々手持ちの容器に欲しいだけの蜜を確保することが出来ていた。これだけ無事な蜜が残っていたのは、恐らくは参加した猟兵達の多くがお土産に持ち帰ろうと内心思っていた故であろう。
 お土産も無事に確保した猟兵達は、いよいよ本命のフロアボスがいるであろう領域へと足を進めるのだった。
●密林に女王の怒りが蔓延す
 進む度に湿気は強まり、濃厚な植物の匂いにあふれてくる。やがて遂に床が湿地となり、熱帯植物が姿を現す。迷宮に詳しい猟兵の中には、温室と呼ばれる特殊なフロアが存在する事を知る者もいるが、それにしてもここは異常な繁殖具合に見えた。
「ええい、腹立たしい! 全くもってイライラする!!」
 周囲を警戒し、慎重に歩を進める猟兵達は猛り狂う女らしき声を耳に捉える。その発生源へと向かってみれば、そこにいたのはまさしく異形の存在であった。
 それは、一部だけならば美しい女性と間違えたかもしれない、だがその体は植物で出来ており、鋭い牙の生えた食人植物が、胴体に毒々しい花を咲かせている。細い腕は異常な長さを見せ、その先端には人ではありえないような鋭い爪が並ぶ。下半身は根により形成されているようだが、もはや、まともな人の形などとってもいない。
 そしてかろうじて人にみえなくもないその顔も、今は憤怒に染まりきっている。
 「蜜ぷに共め! いったいどこへ消えたのだ! 今日の日課もまだ終わっていないというに! わらわの領域の土壌改善、拡大、わらわの手入れと蜜の提供……何一つ終わっておらん!」
 ……なるほど、と猟兵達は腑に落ちる。どうやら先ほどの蜜ぷに達はこのオブリビオンに支配され、コイツの為に馬車馬のように働かされた挙句に餌として捕食までされていたようだ。これは確かに紛うことなき『ブラック』である。
 今はまだフロアボスはこちらに気付いていないようだ。このまま奇襲をかけるもよし、姿を現して正々堂々戦いを挑むもよいだろう。どちらにせよ最終的にやることは変わらない。『物語(過去)」を終わらせ『物語(現在)』を守り『物語(未来)』を紡ぐ、それが猟兵たる者達の使命なのだから。
村井・樹
あっちはまだこっちに気づいてない、だったら好機だな
気づかれるよりも先に、一髪お見舞いしてやろう

『盾受け』で被害軽減を図りつつ接近し、オルタナティブ・ダブルを発動
背後から『目立たない』『だまし討ち』、正面から『フェイント』も活用し、挟み撃ちを仕掛ける
俺の間合いに入ったら、『ロープワーク』で敵を逆に封じてしまおう

最悪、敵の技を食らって一方の動きが封じられても、もう一人が攻撃できりゃあ良い
『紳士』か『不良』にでも一瞬目を奪われてくれりゃあ、他の猟兵が入り込む隙だって生まれるだろう
「残念だったな、美人さん?」
「もう一方がお留守、ですよ?」

※プレ外の言動の他猟兵との絡み等大歓迎


瑞花・霙
いっぱいつんつん出来て楽しかったの!
すっごくぷるぷるぷにぷにで気持ちよかったの~
お土産の蜜もいっぱい手に入ったから、お菓子を焼くの♪

はっ、このお花のお姉さんがブラック職場のおえらいさんの?
部下さんに優しくしないと、皆はなれていっちゃうのよ!
自分のことは自分でするの!
ぷにさん達に代わって、みぞれがおしおきするの!

メイン攻撃は【Comet of light】で【気絶攻撃】を
織り交ぜつつ攻撃するの
避ける時は出来るだけ【見切り】を、
反撃できそうなら【カウンター】を使うの

わわっ、虫さんがいっぱい出てきたの
【Comet of light】で撃ち落とせそうなら撃ち落とすの!
数には数で対抗なの!

一人称:みぞれ


オズ・ケストナー
わ、すごく怒ってる
蜜ぷにも毎日怒られてたのかな
それがブラックナショクバ?
蜜ぷにのかわいい姿を思い出してしょんぼり

奇襲する人の邪魔にならないようにひとまず遠くからしかけるね
シュネー、お願い
怒ってる相手ならフェイントもかけやすいかも
怒ってばっかりの女王は全然きれいじゃないよ

挑発になってるかな?

一緒に働いてる相手が怒ってばっかりだったら
蜜ぷにだっていやになっちゃうよ

シュネーに攻撃して貰っている間に接近
ガジェットショータイム
【属性攻撃】で冷気付与
いつもあったかいところにいるんだし冷たいのは嫌いだよね

シュネー
呼べば応えて力を貸してくれる

一緒にいる相手と力を合わせれば、きっと笑い合うことだってできるのにね


ヘルガ・リープフラウ
※他PCとの絡み、アドリブ歓迎

あれがこのフロアのボス……なんておぞましい。
蜜ぷにたちへの仕打ちを見ても、あれの心根が醜く歪んでいることは明らか。
これ以上の支配と狼藉は許しません。皆さん、力を合わせて必ず女王を倒しましょう!

突入のタイミングは皆さんに合わせます。
後衛から見つからないようにそっと機を伺い、戦闘が始まったら【鈴蘭の嵐】で敵の攻撃を叩き落し援護します。
仲間が傷ついたら【生まれながらの光】で癒し、敵の猛攻に押されそうになったら、【主よ、哀れみ給え】と祈りをささげ、敵の動きを少しでも止められるよう隙を作ります。

神よ、どうかわたくしたちの大切な仲間に加護を……!


深護・刹那
ではでは。不肖、深護・刹那、参ります!

蜜ぷには決して相容れぬ存在ですし、
その蜜が美味しいのは同意しますが、
いじめるのはいけないと思いますの!
性悪女王は仕返しされるのが宿命ですわよ!

最初から全開ですわ!
『からくり仕掛けのセツナ』参りますわよ!
女王の攻撃をかいくぐりつつ、接近して肉弾戦!
「ぶっとべー!ですわ!」
腹部のお花部分を思いっきり殴りましょう。

派手に動けば囮にもなるはず。
大技で狙われたらオペラツィオン・マカブルでいなしてみせますわ!
そして隙が出来たなら。
「皆様、今ですわ!」

☆アドリブ、連携、絡みお任せです


リヴィア・ハルフェニア
さっきツッコミされてしまったけど、戦闘後だからきっと大丈夫。
蜜も沢山確保できたし、あの色々と面倒そうなボスを倒して早くお茶でもしたい。にしても―――
あんな上司は私も嫌だわ・・。(小声)

さて、奇襲をしましょうか。
属性:氷を【全力魔法】で相手を凍らせ相手の動きを止めるわよ。
たとえ一瞬でも動きを封じる事ができれば、そこに完全な隙ができる。
そうすれば仲間の先制攻撃も当たりやすくなるはず。

次に【歌唱、鼓舞】でみんなを応援。少し格好いい歌がいいかな。

後は【学習】し攻撃を避けるか属性:炎で相殺。
暴走しない様に気を付けながら、相手が植物なのでエレメンタル・ファンタジアの炎の鎌風で攻撃ね。

≪アドリブ、絡み歓迎≫



●奇襲への道程
「わ、すごく怒ってる。蜜ぷにも毎日怒られててたのかな、それがブラックナショクバ?」
 生い茂る植物の物陰に隠れた猟兵達。最初に口開いたのはオズだった。彼は蜜ぷにのかわいい姿を思い出し、このフロアでの、彼らの受けていた仕打ちに想像を巡らせるとしょんぼりと肩を落とす。
「はっ、このお花のお姉さんがブラック職場のおえらいさんの? 部下さんに優しくしないと、皆はなれていっちゃうのよ! 自分のことは自分でするの!」
 酒場兼宿屋に身を置く霙は9歳という幼さでありながらも、雇う者と雇われる者の関係を身近にみているのであろう、彼女が信頼しているであろう身近な人々とは全く異なる態度を見せる女王へ、怒りが湧き上がっている様子だ。あまり大きな声をあげれば存在が露見してしまうと、隣のリヴィアが宥めるが、そんな彼女の口からも女王に対しては。
「あんな上司は私も嫌だわ……」
 という最低評価が下されるのだった。
(さっきツッコミされてしまったけど、戦闘後だからきっと大丈夫。)
 蜜を沢山確保できたので早くお茶を楽しみたい。そのためにもあの色々と面倒そうなフロアボスを早く倒したい。そんなリディアに同意したのは刹那であった。
「蜜ぷには決して相容れぬ存在ですし、その蜜が美味しいのは同意しますが、いじめるのはいけないと思いますの! 性悪女王は仕返しされるのが宿命ですわよ!」
 ぐっと拳を握り気合を込めて頷けば、金色のポニーテールが揺れた。
 ―――性悪。その言葉に反応したのはヘルガだった。
 フロアボスである女王を一瞥した彼女の感想は「なんておぞましい」だった。それは見た目のそれだけを意味するものではない。
「蜜ぷにたちへの仕打ちを見ても、あれの心根が醜く歪んでいることは明らか」
 彼女の色白だった頬にはかすかな赤みがあり、その青い瞳は鋭く細められている。普段柔和な表情をしている彼女には珍しい、静かな怒りがそこには在った。
「これ以上の支配と狼藉は許しません。皆さん、力を合わせて必ず女王を倒しましょう!」
 彼女の言葉に皆賛同の意を示す。
 樹はそんな猟兵達を見回す。猟兵とオブリビオンという当たり前の敵対関係であるという事以上に、皆、あの暴虐な女王へ許せない気持ちを抱いているようだ。ならば。
「あっちはまだこっちに気づいてない、だったら好機だな。気づかれるよりも先に、一髪お見舞いしてやろう」
 彼の言葉に他の猟兵達も同意を示す。
「それなら私が合わせるわ。私の全力の氷魔法で相手の動きを止めるわよ。その隙に樹さんが……」
 たとえ一瞬でも動きを封じる事が出来れば、そこに隙ができる。そうすれば先制攻撃も当たりやすくなるだろう、と。
「わかった、よろしく頼むぜお嬢さん」
「任されました。それじゃあルト、いくわよ!」
 相棒の精霊が変じた杖を構えるリヴィア。その先端に魔力の輝きが集中する。

●奇襲
「ええいまったく腹立たしい……む、なんじゃ?」
 いまだに怒りが収まる気配を見せない女王だったが、ふときらきら光るものが目の端にとまり興味を覚える。顔をそちらへ向けてじっくりと見てみるとそれは。
「……氷、じゃと?」
 この温暖なフロアでそんなもの見たことが無い。怪訝な顔で女王は氷を解かそうと手で触れた、その瞬間、体全体が瞬く間に凍り付く。
「ぐおおぉ!? こ、これは!?」
 苦悶の声をあげながら身をよじる女王。その動きは緩慢で、接近する樹に気付くことも不可能だった。
「いくぜ『紳士』!」「了解ですよ、『不良』」
 女王が気づいた時にはもう遅い。彼女を挟み撃ちにするように散開した二名。銃声が響き同時に銀糸が煌めき舞う。
「ぬあああ!!」
『不良』の指から伸びた運命の糸は、女王の蛇のごとき不気味な触手を斬り飛ばし、『紳士』の懐より取り出された、『Z・A・P』と刻印されたハンドガンから放たれた銃弾は女王の背中を打ち抜く。傷つけられた部位からは粘性の高い、濁った緑色をした液体があふれ出し、周囲の植物独特の濃密な匂いがさらに濃さを増す。
「貴様らは……そうか、猟兵とやらか! さては貴様らが我が下僕共を……許せぬ!!」
 確かに、結果的に蜜ぷには猟兵達によって討たれた、が、この場から逃走した件に関しては完全な誤解である。とはいえそんな事を一々訂正する意味も時間もない。
 女王は力を籠めるとリヴィアの生み出した魔法の氷を砕き体の自由をどり戻す。リヴィアの全力を籠めた魔法の威力はすさまじい物であったが、それでも尚力を付けた女王がそれを上回っている。
 リヴィアも己の魔法で永遠に動きを封じ込められない事はわかっていた。故に次なる手を打つための準備をしている。その間彼女は歌と踊りで仲間を鼓舞する。巨大な魔物へ敢然と立ち向かう勇士達の活躍を歌ったそれを、周囲に魔力のきらめきを纏わせながら高らかに歌い上げる。

●猛攻
「ええい、耳障りな音だ!」
 腕を振り回して『不良』と『紳士』を牽制しながら女王は己の体から蜜を溢れさせる。するとどこからともなく不快な羽音を響かせて、昆虫型のモンスターの群れが現れた。そしてそれを歌と踊りと共に魔力を練り上げ続けているリヴィアへけしかけたのだ。
 多種多様な形状をしながらも、そのどれもが生理的嫌悪感を引き起こすような、悍ましい姿をした昆虫型モンスターの大集団が、不気味に蠢きながらリヴィアへ殺到しその体を包み込まんとする。一度暴虐の波に呑まれてしまえば回避や防御は困難であろう。
「わわっ、虫さんがいっぱい出てきたの。数には数で対抗なの!」
「その通りですわ、霙様。リヴィア様に近づかれる前に叩き落してしまいましょう……神よ、どうかわたくしたちの大切な仲間に加護を……!」
 霙が飛び出し、『Comet of light』の光の矢で迎撃し気絶させれば、後衛で機を伺っていたヘルガが援護する。その身に刻まれる聖なる傷跡から、無数の鈴蘭の花びらを周囲に舞い散らせ花の嵐を起こし、昆虫型モンスターを地へと叩き落していく。
「おのれ小癪なぁ!!」
「怒ってばっかりの女王は全然きれいじゃないよ。シュネー、お願い」
 オズは女王に挑発を仕掛けながら、友人であるからくり人形のシュネーを繰り出す。
「貴様ぁ! わらわを愚弄したか!」
 シュネーの攻撃をさばきながらも怒りを増す女王。
「残念だったな、美人さん?」「もう一方がお留守、ですよ?」
 その隙を突いて二人の樹が鋼の糸で女王を縛り付ける。
「一緒に働いてる相手が怒ってばっかりだったら、蜜ぷにだっていやになっちゃうよ」
 動きを束縛された女王に接近したオズは、『Hermes』の新たな追加ガジェットを召喚した。斧のごとき刃に取り付けられた装置は刃に冷気を纏わせる。降りぬいたその一撃は、傷口から女王を凍りつかせていく。 
「いつもあったかいところにいるんだし冷たいのは嫌いだよね」
 オズはこのフロアの様子からそう予測していたのだ。そして、リヴィアの攻撃の様子を見て確信を得ていた。
 女王の動きを封じつつ近接で戦う樹とオズの元にさらなる人影が加わる。刹那である。
「最初から全開ですわ!」
 『からくり仕掛けのセツナ』にその身を預けた刹那は、ダンスを舞うように軽やかに飛び跳ねながら肉弾戦を仕掛ける。
 跳び膝蹴りで懐に潜り込んでからのアッパー、すかさずの後ろ回し蹴り。
 激しい猛攻に苦しめられる女王。刹那へ反撃しようとしても、その度にオズの冷気纏う斧で切り裂かれ凍らされる。そして。
「ぶっとべー!ですわ!」
「ぐああああっ!!」
 樹に目配せをした後、思いきり腹部の花を殴りつける刹那。アイコンタクトを受けた樹が鋼の糸による束縛を解けば、激しい勢いで女王が吹き飛ばされる。
 殴った時に付いたのか、刺激臭のする液体が拳を汚していて、嫌そうな顔をしながら手を振る刹那、ふと何かに気付いた顔をする。
「貴様らよくもやってくれたな……ここから地獄をみせてや……な、なに!?」
 一方的な猛攻を受けたものの束縛から解放された女王。ここで一気に形成を逆転しようとするが、そんな女王の視界を光が埋め尽くす。
「ぷにさん達に代わって、みぞれがおしおきするの!」
 霙が『Comet of light』によって生み出した光の矢を雨あられと飛ばしていたのだ。
 圧倒的な物量を回避しきるのは困難で、しかも一本一本が意識を刈り取る魔力を秘めている。結果、女王は物理的な拘束から逃れられた後も、断続的に意識を奪われる形で拘束されてしまっていた。
「植物なんだから炎も苦手よね、きっと」
 リヴィアが踊りと歌と同時に行っていた、次の攻撃の準備。属性と自然現象を合わせる魔法。それは制御がとても難しいものだった、だが、気絶させられた女王はいい的でしかなかった。
 何本もの炎の鎌風が、光の矢の間を縫って飛翔し女王を切り裂き燃やす。
「ぎゃあああああ!?」
 女王の絶叫が木霊する。

●仲間
 女王は強大だった。フロアマスターとなり一体のフロアを支配し、己の力を高める為に利用し、配下の蜜ぷに達を利用し、喰らい力を高めていた。その強さは猟兵であっても決して油断できないレベルに達していた。
 だが、女王が決して持っていないものを猟兵達は持っていた。信頼を置き背中を預け合える『仲間』である。
 女王には無数の配下がいた、有利な陣地もあった……しかし、『仲間』はいなかった。
 猟兵達には『仲間』がいた。誰かが女王の動きを阻害すれば誰かがその隙をついて攻撃し、誰かが危険に陥れば誰かが身を挺して囮となり、誰かが傷つけば誰かが癒しの術を用いて助ける。そこに決まった役割分担はない、だが、常に全員が他の仲間の事を考えアシストし、そして自分がアシストされた時には一撃を叩き籠めるよう心づもりがあった。それが完璧な形で結果を成した。たとえ一人一人が女王に敵わなかったとしても、お互いが支え合うことで匹敵するほどの力となるのだ。故にこの結末は必然であった。
「おのれ……おのれ、猟兵共がぁ!!」
 苦し紛れに腹部の花から吹きかけた捕縛液も、殴りつけた時にその性質を見抜いた刹那が、完全に脱力した状態から掌で受け止め、その勢いをそのまま乗せて相手に返す技で防ぎ、女王は自らの捕縛液で固められてしまう。
「皆様、今ですわ!」
全力の正拳突きが、鋼の糸と銃弾が、光の矢の群れが、氷を纏った斧が、鈴蘭の花びらが、女王に殺到する。そしてついに女王は斃れ伏したのだった。

●帰還
 女王の命が尽き果てると同時に、フロア内の樹木が枯れていく。湿気とと熱気も退き地面の土も乾いた砂へと変化していく。フロアマスターを失ったことで、一般的なただのフロアへと戻って逝っているのだろう。
「一緒にいる相手と力を合わせれば、きっと笑い合うことだってできるのにね」
 他の樹木と同様に急速に枯れて、かつての面影を失っていく女王だったモノを見つめながら、オズが呟く。
 やがて猟兵達は来た道を戻り始める。
「いっぱいつんつん出来て楽しかったの! すっごくぷるぷるぷにぷにで気持ちよかったの~。お土産の蜜もいっぱい手に入ったから、お菓子を焼くの♪」
 尻尾を揺らしながら霙が楽しそうに言う。その言葉に笑顔で応える猟兵達。
「それなら紅茶も必要ですね」
「わぁ、お茶会ですか? いいですね!」
「それなら精霊達の所にいって、一緒にお茶会しない?」
「あ、それ素敵ね」
「ふふふ、精霊様達もきっと喜んでくださいますね」
 『物語(過去)』にエンドマークを付け、『物語(現在)』を守り抜いた猟兵達は、『物語(未来)』に想いを馳せながら歩き続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト