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エンパイアウォー⑳~世界ヲ焼ク憤怒

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #日野富子

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●怒リノ矛先
 イライラする。釜が煮えたぎるような怒りが出てくる。何もかもが許せない。視界が真っ赤に染まっている。この怒りはどうすれば収まるのか。そもそも収まることなどあるのだろうか。
 気に入らない。アタシの富を奪った徳川も、それに従う猟兵も、織田信長でさえも。目の前に映る何もかもが気に入らない。燃やしてやる。焼き尽くしてやる。この憤怒を取り除く為ならなんだって殺してやる。
「どいつもコイツも、アタシが殺してやる!」

●世界ヲ焼ク憤怒
「強欲というべきか、憤怒というべきか……なんにしても、ものすごい人が来ちゃったね」
 背景に映る、京都に再建され、おそらく以前よりも豪華絢爛となった花の御所を見ながらクトゥルティア・ドラグノフが話す。
 今回相手になるのは、第六天魔軍将が一人【大悪災・日野富子】。将軍の跡継ぎ争いから【応仁の乱】を引き起こし、室町幕府を事実上支配した女性。莫大な資産を背景に権力を拡大した彼女は欲望のままに人々を苦しめ、サムライエンパイアを壊滅寸前まで追い込んだといわれている。その遺産はUDCアースの貨幣価値にすると約70億とも言われている。
「お金や権力はあったら便利だけど、執着し過ぎてああなるのは嫌だなぁ……」
 苦笑いしながらそう零すドラグノフ。それはある意味仕方がないのではないだろうか。なんにしても生前から相当の悪女だったようだ。それがオブリビオン化によってさらに捻じ曲がったのかもしれない。
「と、話がずれちゃったね。なんにしても目的自体は単純明快、彼女を撃破することだよ」
 そういってテレポートを開く。戦場は先ほどから映っている京都の花の御所。本来既に無いはずの花の御所は、日野の有り余る私財を投入して再建されていた。どこもかしこも金で彩られ、非常に目に悪い。だがここが戦場になるのだから、そこは我慢するしかないだろう。
「言葉だけ聞くとそこまで強そうじゃないけど、間違いなく強敵だよ! みんな、気を付けていってきて!!」
 そういって、ドラグノフは猟兵たちを見送った。


しじる
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 またボスぼ大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 初めましての方は初めまして。そうでない方はお世話になっております。しじるでございます。
 今回のボス、初めて見たとき「やべぇやつだこれ」と連呼してました。そんなやべぇやつと戦ってもらいます。上記の通り先制攻撃を行ってきますので、対策が不十分の場合、失敗か苦戦になってしまいます。ご了承ください。また今回は当者比で難易度が高めです。ご注意ください。
 それでは皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『大悪災『日野富子』』

POW   :    アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:みそじ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロバート・ブレイズ
「貴様が如何に憤怒・強欲でも俺の否定には到達しない。到達しても『此れ』は貴様への嘲笑だ。魂に染み込む冒涜を咀嚼せよ」
対象は『怒り狂っている』故に【正気固定機】で狂っている部分を正す。苛立ちの度を削げば威力は減少するだろうか
その後【Tru'nembra】を起動し、対象の精神を不安定にさせる。賭けに成るだろうが最悪の場合は仕方がない
対象が『ブレて』攻撃の命中率が下がれば此方のものだ。鉄塊剣で塞ぎ、躱し、隙を見せるまで防御する
UC発動
精神世界。普遍的無意識の領域を解放し、暴走した魂の群れを放つ。対象の魂に纏わり憑いて、痺れるような捕縛を為そう
拳を握りしめ。最大限の侮辱と冒涜を叩き込む
何度も何度も



「貴様が如何に憤怒・強欲でも俺の否定には到達しない。到達しても『此れ』は貴様への嘲笑だ。魂に染み込む冒涜を咀嚼せよ」
 怒り狂う紫炎の暴風域に足を最初に踏み入れたのは【ロバート・ブレイズ】。その余裕のある足取りに、既に日野は【苛立ち】を覚えている。なんだあの余裕の表情は、その言葉は、立ち振る舞いは。馬鹿にされてるのだと曲解し、怒りに吠える。
「うるさい! 死にぞこないが、誰かアイツをぶっ殺せよ!」
 その言葉に反応するように、無数の火矢の怨霊が現れブレイズへと飛んでいく。それは正しく荒れ狂う炎の弾丸。しかしそれが自身に到達する前にブレイズは小型の機械【正気固定機】を起動させる。怒り【狂って】いるのだから正気に戻せば威力が減ると考えたのだ。しかし残念ながら狂うは狂うでも狂気ではなく激怒によるもの。それも桁違いのだ。第六天魔軍将になるほどのその怒りは、道具一つでは抑えられない。
 威力が変わることはない。いい意味でも悪い意味でも。ならば精神を不安定にするのはどうだ。異形機械の【Tru'nembra】をすかさず起動する。賭けではあるが上手くいけば無力化もできるかもしれない。だが賭けは早々上手くいかないから賭けになるのだ。それも最悪の方を引いたようだ。
 精神がただでさえ不安定な日野をさらに不安定化させた結果、もはや生命の出せる量ではない憤怒が爆発した。普通なら自身の身を破壊するほどの憤怒。オブリビオンだからこそできる異常な事態だ。言葉すらまともにしゃべれず、暴走した日野のユーベルコードも強化され、矢の本数も異常な数になってしまった。
「くっ、失敗したか……だが」
 ただではやられない。鉄塊剣を盾替わりにして防ぎ、時には回避を繰り返す。しかし怒涛の矢の嵐を防ぎきることは不可能に近い。いくらか被弾し、紫の炎がその身を焼く。その痛みに発狂しそうになるが、狂気への耐性が強いブレイズは耐えれる。そして嵐はいずれ晴れるものだ。
「ゥゥク……ア、アタシは何してたんだ?」
 正気? に戻り、その一瞬に隙が生まれる日野。それをブレイズは逃がさない。ユーベルコード【魂の改竄(サイキック・オペレーション)】を発動させる。暴走した魂の群れが日野を改竄していき、その動きを一時的に封じた。
 拳を握りしめる。屈辱と冒涜を込めて、その顔面を打ち抜く。何度も、何度も。それは暴風。炎の暴風に対するは拳の暴風。ボロボロでも繰り出すそれは重く、意志があった。最後の一振りが打たれれば、日野の体は吹き飛び、何枚かの障子をぶち抜いていく。
「っお、テメェ!!」
 しっかりと入った、与えたダメージはそこそこのはず。しかし自身のダメージも大きい、経線は不可能だろう。ブレイズはそう判断し、他の猟兵に任せ前線から退くことにした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャルロット・クリスティア
やれやれ……権力と実力を併せ持つ者と言うのは、これだから……!
とはいえ、呆れている余裕はなさそうですが!

視線がトリガーとなる技……となれば、視界を切るのが一番手っ取り早い。
突入早々、手持ちのポイズンボールを日野富子目掛けて投げ割ります。
封入した麻痺【毒】の煙……毒そのものは別に効かなくとも構いませんが、煙で視界を一瞬でも邪魔しつつ、【早業】で手近な【地形を利用】して、物陰に飛び込む。

当然、こちらからの射線も切れますが……問題は無い。
災厄の檻……跳弾を駆使すれば、物陰から弾丸を撃ち込むことも不可能ではありません!
幸い敷地内ですから、遮蔽や跳ねさせるポイントには事欠かない。やれます!



 【シャルロット・クリスティア】は呆れていた。権力と実力を持ったものはどうしこうなるのだろうかと。だがだからと言って呆れて続けてられない。日野の実力そのものは本物なのだから。
「うざったい猟兵がまた! イラつくんだよ!!」
 その憎悪の籠った視線がクリスティアを貫こうとした。しかしその前に、彼女のある道具がかろうじて間に合った。ガラスの小玉、それも毒ガス入りだ。それが日野の視線を遮り紫に燃える。瞬間溶解するガラスに合わせて毒ガスが噴き出る。有色のそれはあたりを一瞬で覆い尽くす。
「ガホッ!? テメェ舐めた真似を!!」
 クリスティアを見失い、見えない周囲を探す日野。その間にクリスティアは距離を取って、日野の視界が切れる障害物の後ろに回り込んでいた。もちろんそうすれば自分も視界が切れるが、日野の代替の位置は把握している。ユーベルコード【災厄の檻(パンドラ・ジェイル)】の範囲内であることも。
「正面から飛んでいくばかりが、弾ではありませんよ」
 毒ガスが晴れるのに合わせて発砲。エンハンスドライフルが火を噴いた。ルーンの刻み込まれた弾丸は、壁や梁に当たりその軌道を細かに変更しながら、日野の額目がけて飛んでいく。
「うぉ!?」
 しかし日野もまた第六天魔軍将の一人。額にクリーンヒットとはいかなかった。だがいくつかの弾丸は躱しきれずに腕や腹を撃ち抜く。自分が猟兵ごときに有効打を貰った。そのことが日野の苛立ちを増価させていく。
「何処にいやがる、出てこいガキ!!」
 自分で再建した花の御所を破壊し燃やしながら障害物を取り除く。クリスティアを探し出す。しかし彼女は既に戦線を離脱済み。いくら探しても見つかるわけがない。
 こうしてクリスティアは被弾することなく日野に有効打を与え、そのバトンを次の猟兵に託した。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です

お金や権力に執着し過ぎて
しまっては…
周りの方だけでなく
結局ご自分まで
不幸にしてしまうばかりです…

【WIZ】
富子さんの
先制攻撃及び攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【オーラ防御】等をフルに
使い回避・防御を試みます

何とか先制攻撃を
回避できたら
【早業】で攻撃に転じ
自身の剣
『ヴォーパルソード』に
【破魔】を込め
【属性攻撃】【なぎ払い】
【鎧無視攻撃】
等の剣戟や
剣からの【衝撃波】・【誘導弾】等の
遠距離攻撃を
【2回攻撃】での時間差攻撃とも組み合わせて攻撃
敵のUCには
こちらもUCで対処・攻撃
(味方を巻き込まない様に)

『これ以上この世界の方々を苦しめるのなら…私達が、貴女を…倒します…!』



 【アリス・フェアリィハート】は悲しみを覚えずにはいられなかった。金や権力に執着し過ぎてしまっては、周りの方だけでなく結局自分まで不幸にしてしまうばかりだと。事実日野富子は権力や金に固執し過ぎたばかりに、民や公家、あげく夫にまで嫌われ不幸になった。息子まで利用したその強欲は、国を不幸にして滅ぼす寸前まで追い込んだほどだ。しかしそんな正しいことを言うフェアリィハートが、日野には腹立たしくてしょうがなかった。
「たかが温室暮らしの娘程度がアタシに説教垂れるな!誰かアイツをぶっ殺せよ!」
 その言葉に反応して、無数の火矢の怨念が飛びかう。フェアリィハートはそれを自身の持てる技量を使い回避しようとするが、技量だけで回避しきれるほど第六天魔軍将は甘くない。いくつかは回避できずに、その綺麗な肌に火傷を作っていく。しかし耐えきることはできた。
 すぐさま素早い動きで受けから攻めの体勢になる。空色の光焔を纏い輝く嘗ての姫英雄の剣、ヴォーパルソードが輝く。破魔の祈りを込めた薙ぎ払いが日野に迫る。
「これ以上この世界の方々を苦しめるのなら…私達が、貴女を…倒します…!」
「10にも満たないガキが、調子に乗るんじゃない!!」
 それを鋭い爪で受け止めはじく日野。剣と爪の激しい斬り合いが起こる。火花が散って、甲高い金属が衝突する音が響き渡る。だが先にそれから引いたのは日野。
 埒が明かないと判断したか、もう一度火矢を放とうとする。そうはさせないとフェアリィハートが剣を振るう。すると生まれた衝撃波が日野を迎撃しようと迫る。
「小賢しいんだよ!!」
 それを一足先にユーベルコードを発動して迎撃する日野、だがフェアリィハートもユーベルコード【フラワリーズ・フェイトストーム】を発動させて反撃する。だが憎悪の炎はユーベルコードで作られた花びらでさえも燃やし尽くすほど凶悪だ。第六天魔軍将としての地力の差が出てしまった。
「くぅ……すみません、退きます」
 花びらと共に出された衝嵐は通ったようだが、負傷は明らかにこちらのほうが上。フェアリィハートは悔しくも退かざるをえなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

レナ・ヴァレンタイン
事前に用意するのは油のような粘性の高い液体に、黒い塗料
それをアームドフォートの弾丸代わりにみっちり詰めておく
単純に「輝き」を失われれば連撃が止まるのかどうかは知らんが、どんな刃も油がまとわり付けば威力は落ちる
そして攻撃回数が増えようが腕の可動域が広がってるわけでも姿勢を無視しておかしな方向から攻撃が来ることもない、先読みは可能だ
故に動作に合わせて【スナイパー】【クイックドロウ】【第六感】技能を用い敵の得物にカウンターを撃ち、あとは両腕を犠牲にしてでも耐える

反撃のユーベルコードは、私自身の意識さえあればいい
お前は9倍、だが私は45倍の手数
弾丸の推進力は金や札束の燃焼エネルギーの塊だ
余さず受け取れ



 猟兵が全体的に押されている。その戦況に姿を現したのは【レナ・ヴァレンタイン】。あらかじめアームドフォートの弾丸代わりに油のような粘性の高い液体に、黒い塗料を詰める。単純に輝きがおさまれば、その連撃が下がるのではないかと考えたからだ。まあ下がらなくとも粘性の高い滑りのある液体に触れれば、どんな刃物でも切れ味が落ちるのだが。
「また猟兵か! うざってぇ、アタシのジャマをするな!」
 怒りに任せ、爪を長く伸ばして襲い掛かる。それに合わせて用意した粘性弾を発射する。それを切り裂き、結果として黒を浴びる日野。連撃は止まりそうにないが、日野の怒りを誘うことはできたようだ。
「テメェ!! この服高いんだぞ、それを!!」
 怒りは人の限界を超える力を与える。だが飲まれれば冷静な判断をできなくなる。ゆえに、いくら早かろうがその攻撃事態は単調。カウンターは容易。抜き撃ち特化の短銃身リボルバー、【解放者メイヴ】がガンマンのような早撃ちで日野の爪を撃つ。だが想像以上に日野の爪は頑丈だ、破壊することは残念ながらできなかった。しかしその軌道は大きく逸れた。ヴァレンタインの急所を狙ったそれは見当違いの場所を切り続け、さらに苛立ちが増していく日野。なぜ当たらない、なぜ読まれる、ナゼナゼナゼ。
「攻撃回数が増えようが腕の可動域が広がってるわけでも姿勢を無視しておかしな方向から攻撃が来ることもない、先読みは可能だ」
 さらりと対処できている理由をこたえるヴァレンタイン。事実日野は化身忍者のような優れた体術や人体の構造を無視したような攻撃はできなかった。さらに怒りで単調化していた見切りなどしなくても十分なほど。
「さあ、戦争をしよう」
 これ以上この女に付き合っている必要はない。ヴァレンタインはユーベルコード【軍隊個人(ジャック・レギオン)】を発動させる。現れるは自身の持つ火器。それぞれ45個づつ。
「お前は9倍、だが私は45倍の手数。弾丸の推進力は金や札束の燃焼エネルギーの塊だ。余さず受け取れ」
 発砲、生み出される弾丸の嵐。それは日野だけでなく花の御所そのものを破壊せんと吹き荒れる。金と赤の瞳は、ただ冷徹に打ち抜かれていく日野を見つめる。悲鳴すら上げれず日野がボロボロになっていく。
「なんでだよ、なんでアタシが……アタシのほうが金も権力もあるのに、くそ、くそ!!」
 今まで猟兵を追い返してきた、だが今度は自分が逃げることになってる。そのことに気づき怒りが沸くが、傷を負い冷静になった日野は経戦するという愚行はせず、屋敷の奥へと逃げていった。
「金と権力でも、買えないものはあるのだよ」
 記憶や人格とか……な。逃げ行く日野の背を見つつ、ヴァレンタインはそう呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
そこまで強そうじゃないって…
いやいや、こえぇっすよ! 富子!

キャンセル!この仕事キャンセル!
下手な風魔小太郎より絶対ヤバいって!
え、キャンセル不可? …鬼! 悪魔! グリモア猟兵!


え~気を取り直して
先制攻撃対策に戦闘力増強型UCの
フルコースゴールデンを転送前にに飯を特盛食って発動

更に発現した黄金のオーラを
オーラ防御の要領で身に纏い防御力と耐性を
極限まで上げておく(火炎耐性+激痛耐性+破魔+気合い)

転送前に可能な準備が全て終わったら覚悟を決めて戦場へ

音速で敵の姿を確認次第、先制攻撃を
極限まで上げた防御力と耐性で耐えつつ超音速で弾丸の如く
突っ込み体当たり(捨て身の一撃+空中戦+スナイパー+気合い)



 そこまで強そうじゃない。ドラグノフの言葉に反論するように、【秋山・軍犬】は叫ぶ。
「いやいや、こえぇっすよ!  富子!」
 キャンセルしてほしい、下手な風魔小太郎より絶対ヤバいと頼むが、いまさらそんなことはできないと言われてしまう。
「 …鬼!  悪魔!  グリモア猟兵!」
 しかしそんなことを言ってもどうにもならないので、覚悟を決める秋山。気を取り直して、テレポートへ飛び込む前にユーベルコード【フードスペシャリテ・フルコースゴールデン】を発動させておく。なお今日のメニューはサムライエンパイアらしく和風の船盛だったとか。
 さあ準備は万全、あとは戦場に飛び込むだけ。テレポートから戦場に直接転移。既に目の前にはボロボロの日野がいる。
「いくっすよ!!」
「あぁ!? なんだテメェいきなり現れやがって、アタシの前に立つんじゃねぇ!」
 時速4100キロで突っ込む秋山。咄嗟に気づいた日野が怨嗟の籠った視線を彼に向ける。瞬間燃え上がる秋山。爆発炎上、紫の炎が秋山を飲み込む。にやりと嗤う日野。確かな手ごたえがあった。しかしその思惑に反して、爆炎の中から秋山が飛び出す。捨て身の体当たりならぬ頭突きは、日野の腹部を抉る様にダメージを与える。
「なぁ!? がっ、なんだとぉ!!」
 驚愕するのも無理はない。確かに仕留めた感覚があったのだから。日野の想像通り、秋山の意識は実はダメージによって既になかった。だがこの弾丸のような速度になった秋山の体が止まるわけではない。車は急に止まれないの法則である。
 秋山が日野にダメージを与えた次の瞬間に、秋山がグリモア猟兵によって回収される。残るのは腹部を抑えて蹲った日野のみ。してやられた、そのことに怒りを覚え、日野はあたりに八つ当たりするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メンカル・プルモーサ
…いらいらしすぎると体に悪いよ…?ちゃんと寝てる…?
箒に乗って待ち構えておくよ…さて、軽口は置いといて爪による高速連撃か…
日野富子のやや高めの位置で周囲を回るような空中戦で回避を試みるよ……天井や壁に爪が当たれば多少は威力が削げるだろうし…
…手は二本、目は正面だしね…全周囲を攻撃しようとすれば無理が出る…
回避しきれない分は全力魔法でのオーラ防御による障壁を張って「逸らす」よ……
富子を振り回して…疲労や息切れを狙って…拘束術式で足止め
…【愚者の黄金】を発動。ボロボロになった天井から10*10*0.5mの金塊を落下させて押しつぶす…
…総資産が70億だっけ…?その500倍超の金塊を味わうと良い…



 ちゃんと日野は寝ているのだろうか。いらいらしすぎると体に悪い。それは医学的にも証明されたこと。【メンカル・プルモーサ】が眠たげな表情でそう思う。待ち構えること数分、日野はまだ来ない。他の猟兵と交戦中なのだろう。爆音が響いていた。その爆音が鳴り止み、さらに数分経てばボロボロの日野が姿を現す。
「遅い……待ちくたびれた……」
「猟兵……クソガァ!!」
 今、日野の心の中でどんな感情が爆発しているだろうか。屈辱、怒り、それとも恐怖? だがわかっているのは、日野がプルモーサを殺すべくユーベルコードを発動させたことだ。
「アタシのジャマをするな!」
 その怒涛の猛攻、輝く爪が振るわれるがそれをプルモーサは飛行で、回避を試みる。日野自身は空を飛べない。だから爪を伸ばすことでしか上空にいる敵は攻撃できない。室内とはいえ、豪華絢爛にしたためか天井は普通の家よりはるかに高い。プルモーサが飛行できるだけの高さがあった。それが日野の敗因だろうか。
 もちろん回避できずにあたるものもある。それは流石第六天魔軍将といったところか、プルモーサの目論見とは違いそらすことができずに受けてしまう。しかしそれに負けることなくプルモーサは飛び続け、やがて日野ユーベルコードの効果時間が切れた。
「ここ……っ!」
 念じ、拘束術式が発動する。今までの戦いで疲弊し消耗した日野に、それを回避するすべはなかった。拘束が確認できると同時に、プルモーサは詠唱を始める。
「世に漂う魔素よ、変われ、転じよ。汝は財貨、汝は宝物、魔女が望むは王が呪いし愚かなる黄金」
 10*10*0.5mの金塊が、日野の頭上に作られていく。何をする気なのかは明白だった。今まで憤怒一色だった日野の表情が初めて変わる。それは明確な焦り。必死にもがいて拘束を抜けようとするがもう遅い。
「ふ、ふざけるな! アタシは、まだ!!」
「いいえ、終わり。お金がそんなに好きなら、お金に潰されて……」
 構築、完成する金の塊。それは神々しく、まさに日野が求め続けたもの。それを日野は拒絶し逃げようとしたが。運命は決まっていた。
「死ね」
 断頭斧のように金塊が降る。それはまさに一瞬。日野は悲鳴を上げることもできないまま、ゴシャリという音と共に潰れた。金を求め、金のために生きた女は、最後は金によって殺されるのであった。

 こうして日野の討伐に成功した猟兵たち。しかし日野はまたこの花の御所の別区画で復活し、その憎悪の炎をたぎらせ続けるだろう。戦争も、日野との戦いも終わっていない。走れ猟兵、サムライエンパイアの平和を守るために。
【END】

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月09日


挿絵イラスト