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エンパイアウォー⑳~六文銭を投げつけろ!

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #日野富子

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 グリモアベースに猟兵達が集まると、八咫はいつものように笑顔で迎え入れた。
「皆さん、お疲れ様です。
 皆さんのおかげで、日野富子さんの居場所を突き止めることができました。」
 そう言いながら日本地図を広げると、京都の辺りを指さし、
「場所はここ、花の御所と呼ばれる場所です。
 昔の足利将軍家の建屋があった所でして、当然今はないものなのですが……彼女は莫大な財を使って、当時の屋敷である『花の御所』を新たに建造したそうです。
 まさに豪華絢爛、という言葉が合うお屋敷でしたよ。
 どこを見ても目に悪いと思うくらいに、ピカピカと光り輝いていて……。
 私は住みたいとは思いませんが、いやはや……彼女の持つ財力って、本当にすごいですね。」
 困ったもので……と笑顔で語る八咫。
 グリモアが輝くと、周囲の光景がその屋敷の庭に変わった。
「さて、皆さんにはそこで戦ってもらいます。
 ゲートを開くと、もうそこは花の御所になります……当然のように、日野富子さんがいるので退治してください。
 広いお屋敷なのですが、彼女は今、1人でいるようです。
 部下がいないのは、それだけの力があるからです……十分に注意してくださいね。」

 と、ゲートを開こうとした八咫だったが、ふと思い出したように猟兵達を見渡して、地図の上に6枚の粗悪な貨幣を置いた。
「彼女がお金に執着のある方なのは、皆さん知っての通り……ですから、これを渡しておきます。
 いわゆるビタ銭ですが、6枚あるということは三途の川の渡し賃であると、彼女にはすぐわかるでしょう。
 よりによって粗悪なビタ銭で……ともなれば、相当彼女の怒りに触れることになるでしょう。
 怒りを武器にするような方ですが、余計に怒らせることで隙を作ることもできるかもしれません。
 もしくはその逆に、怒りを逸らすことができれば……少し戦いが楽になる、かもしれませんね?」
 そういたずらっぽく笑うと、花の御所へのゲートが開かれた。


ヨグ
 ヨグです、戦争シナリオ第3弾、日野富子との決戦をお届けします。
 以下の注意をよく読み、怒り狂う姫君を打ち破ってください。

====================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
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第1章 ボス戦 『大悪災『日野富子』』

POW   :    アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:みそじ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

隣・人
「やーいやーい!!! てめぇの脳味噌お金だけですね!!! あ。どうも隣人ちゃんです最近如何ですか。折角なのでお金を『施し』ますね!!!」
六文投擲して脳味噌沸騰するほど怒らせます
その際、可能ならば催眠術で『攻撃が絶対に逸れる』と無意識に思わせます。あと目潰し
それでも攻撃は命中するでしょうから踊るように『咄嗟の一撃』で物理的にも逸らせましょう。念を押して目隠しを解いて(封印を解く)視野も良好に。目を逸らさず、その殺意を肌で感じるように
回避出来たらUC発動
対象の手足を捕縛して回転椅子に座らせます
そして高速回転(部位破壊・三半規管)
対象がけろけろするまで待つ必要は在りません
回しながら急所を撲る抉る潰す


霧島・絶奈
◆心情
怒りは人を強くする…のは、感情を飼い馴らせる者の特権です
普通は視野狭窄と判断力低下を招くだけです

◆行動
六文銭を地面に落とし「金銭に目が無いのでしょう? ほら、拾って下さい?」と挑発
…さて、此処まで莫迦にされて「苛立ち」程度で収まりはしないでしょう?
苛立ちでなければ、ユーベルコードの精度も其れなりに留まるのではないでしょうか

攻撃そのものは【オーラ防御】によって軽減を図ります

『暗キ獣』を使用
軍勢の展開に成功したら、二度目以降は軍勢に六文銭を撒かせて矛先を逸らします

【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】と【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



 煌びやかな装飾が施され、時期の花が生けられた壺を前に、日野富子はいた。
 苛立ち紛れに活ける花をハサミで切っていると、襖が開かれるとともに声が響く。
「やーいやーい!!! てめぇの脳味噌お金だけですね!!!」
 バチン……手の中の菊が切断される。
「なんだとテメエ!?」
「あ。どうも隣人ちゃんです最近如何ですか。折角なのでお金を『施し』ますね!!!」
 隣・人(六六六番外・f13161)の自己紹介と共に、ビタ銭が投げ込まれる。
 ちょうど六枚……三途の川の渡し賃だ。
「……いい度胸だ、そこで待ってろ!」
 瞬時に理解し、開かれた襖から飛び出すと、メイド服の隣人ともう一人……。
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は蒼白の外套から手を差し出すと、その手にはやはり6枚の銭。
「金銭に目が無いのでしょう?」
 チャリン……手から零れ落ちる、六文銭。
「ほら、拾って下さい?」
「いいだろう……。」
 二人の目に怒りのオーラが見えるほど、この館の姫は怒りに震えている。
「てめえらを切り刻んだらなぁ!!」
 そのオーラは紫炎の矢と化し、自身の爪を伸ばして襲い掛かってきた。

「怒りは人を強くする……のは、感情を飼い馴らせる者の特権です。」
 飛んでくる紫炎の矢の狙いは逸れ、霧島は軽く避ける程度で済んでいた。
「普通は視野狭窄と判断力低下を招くだけです。」
「でもそれは目の前の相手を引き裂きたい人にはデメリットではないみたいですね!!」
 伸ばされた爪を目の前で振り回され、必死で避ける隣人。
 気配を頼りに踊るように避けるが、
「あ……。」
「とった!」
 爪が隣人の目隠しを引き裂く。
「いやん!隣人ちゃんの恥ずかしい部分が丸見えになっちゃいましたね!」
「……恥ずかしい場所ではないでしょう。」
 そんなことをしている間に蒼白き燐光の霧を纏った霧島は、姫の周囲へ屍獣を生み出す。
「邪魔するんじゃねえよ犬が!」
「ワンちゃん可愛いじゃないですか。おいたする手は縛っちゃいましょうね!」
 屍獣を切り裂く姫の手に拘束具を取り付ける隣人。
 いつの間にか姫は、その場にあった回転椅子に座らされていた。
「というわけで回っちゃってくださいね!」
「ぐああああ!」
 隣人が蹴飛ばすと、回る姫に霧島の屍獣が群がり……さらに槍が貫いた。
「ふふ、拘束されて貫かれて……多少は恐怖を覚えるでしょうか?」
「ええそうですね! でもまだまだ元気そうなので隣人ちゃんたちは帰りますね!」

 二人が離れた後……拘束具を引きちぎって姫が吼える。
「ぜってえ許さねえからなぁ、猟兵どもおおおお!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイ・アイオライト
悪趣味な新築ね……全く。金があればなんでもできるって言葉は確かにそうだけど、心自体が腐っちゃどうしようもないわよ。

転移前に、背中の傷跡から漏れ出す影を濃密な影のオーラとして自身に纏わせる。(目立たない・オーラ防御)
オーラ防御しながら、ダメージを少し受けるのは仕方ないと割り切るわ。あたしを攻撃した瞬間、爪にあたしのオーラが移行する。爪の輝きが鈍るぐらいの影がね。

反撃は【暗黒領域】のUCで日野富子を法則の独立した暗黒の結界に閉じ込める。『光、輝きが存在しない領域』として法則を設定してね。
後は闇の中で『目立たない・だまし討ち・暗殺』で急所を抉る。その妄執、断ち切ってやるわ。

(アドリブ、共闘歓迎です)


伊美砂・アクアノート
【SPD 羅漢銭・須臾打】
―――ったく、金の遣い方がなってねーです。
金は天下の巡りモノ、所有権が移動するコトに意味があるんですぜ
誰のモノ…なんて詮無き話よ。『どう使うか?』が重要である故に。

先手を取られるのを前提に、【罠使い11、毒使い10、毒耐性5】で自分の全身に毒香水を身に纏っていく。…割と自傷めいた戦法だけれど…。爪による斬撃に対して、【早業18、第六感8、見切り5】で至近距離で焼夷手榴弾を起爆させて一端後退。
・・・仏道で云う三毒に惑うならば、此処で果ててしまうが良えよ? ちょうど、冥途の渡し賃はあるからな…!【投擲10、2回攻撃10】で、貰ってきた六文銭をユーベルコードで射出し攻撃。



「悪趣味な新築ね……。」
「その通りね……ったく、金の遣い方がなってねーです。」
 そう話す声に日野富子が振り返ると、周囲の壁を見ながら話す二人の姿が見えた。
「金は天下の巡りモノ、所有権が移動するコトに意味があるんですぜ? 誰のモノ……なんて詮無き話よ。『どう使うか?』が重要である故に。」
 話すごとに口調が変わる、多重人格者の伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)。
 金ピカの壁を撫でながら、やれやれ……という調子で、目の前の姫へ語り掛けていた。
「全く、金があればなんでもできるって言葉は確かにそうだけど。」
 同じく、壁の調度品を手に取るレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)の言葉が、部屋に響く。
「……心自体が腐っちゃ、どうしようもないわよ。」
「言わせておけば……てめえらに金の何がわかる!?」
 怒りに震える姫が吼えた……その時には、二人の目の前で爪を振り上げていた。

「って早……!?」
 背中の傷から出る影に潜り込み、その爪を避けようとしたレイ。
 しかし、姫の爪はそれを許さぬほどの速度で振るわれていた。
「だろうなぁ……こうなると解っていました。」
 伊美砂も成す術もなく、爪に肩を切り裂かれてしまう。
 満足そうに二人の血が滴る爪を眺めた姫……。
「なん、だ!?」
 その爪は影に覆われ、その輝きを失っていた。
「割と、自傷めいた戦法だけれどね。」
 レイの身体からまとわりつく影に目を奪われた瞬間を見逃さず、伊美砂は焼夷手榴弾を即座に起動。
 炸裂した勢いで飛び退り、姫の様子を見ると……すっかり、影の結界に取り込まれていた。

「ちっ! なんなんだこれは!」
 すっかり視界が覆われ、何も見えない闇の中に一人取り込まれた姫。
 怒りが紫炎の矢として浮かび上がり、周囲を少し照らした瞬間、
「その金に対する妄執、断ち切ってやるわ。」
「ぐあ!」
 輝きが見えたと思えば、それはレイの刀が闇ごと姫の腕を切り裂いた瞬間だった。
 そして、闇の切れた隙間から覗く伊美砂の手。
「……仏道で云う三毒に惑うならば、此処で果ててしまうが良えよ? ちょうど、冥途の渡し賃はあるからな……!」
「があああ!」
 その手から指弾の要領で放たれる、6枚のビタ銭。
 光へ目を向けた姫の目へ、吸い込まれるように飛び込んでいった。

「これで少しは懲りたかしら?」
「まともに戦うにはきつい相手だ、後はほかの人にまかせるっす。」
 影の結界の中から苦悶の声が響く中、二人はその場を後にする。
 そして闇がはれた時……姫は手に持った六文銭を床に叩きつけて叫んだ。
「どいつもこいつもなめ腐って!!」

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

紬雁・紅葉
地獄に
銭は無い

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制でUC発動
敵の先制を見切り咄嗟のカウンターで雷属性を付与した六文銭を軽く敵の目にぶつける(目潰し…&恫喝?)

すかさず忍び足+UCで詰め寄り十握刃を抜き打ち
するする位置を変えつつ
破魔雷属性衝撃波を以て回数に任せ範囲ごと薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波を以て薙ぎ払い打ち返す

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

黄泉の八雷神と我が神「布都主」の御名に於いて
汝の醜い執着斬り祓って進ぜよう!

去り罷りませい醜女!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
「金、金、金ねえ。
こんなもんが、今あたしをどうにかする役に立つのかい?」
と、言いながら六文銭を相手に向かって放り投げて挑発するよ。

相手が怒りでこっちに目を向けたら、発電器官を使って放電して、雷光で目潰しをするよ。
これだけあちこちピカピカと光を反射するものがあるんだから、ただあたしが光るだけよりずっと強烈な光になるはず。
こっちが見えない状態で放たれた視線にそうそう当たりはしないし、近くで爆発した程度でどうにかなるほど軟弱な体はしてないしね。

あたしは目が見えなくても反響定位をして音で周囲の状況は分かるから、
一気に近付いて、【崩天地顎】で自慢の屋敷の飾りに叩き込んでやろうかな。


竹城・落葉
 【WIZで判定】
 日野富子の居場所が判明したようだな。この戦争に終止符を打つためにも、彼女を打ち取る必要があるだろう。金は必ずしも汚いわけではないが、彼女は金の亡者と化しているようだ。目に余る悪質さ、成敗してくれよう。
 我は『森が生える』を発動。ドラミングをしながら詠唱し、大量のゴリラを召喚する。そして、ゴリラ達にビタ銭を持たせ、それを粗末に扱わせよう。あと、屋敷をメチャクチャにさせよう。こうすれば、召喚された怨霊はヘイトを行うゴリラに苛立ちを覚えるから、我に攻撃は向かぬだろう。あとは、名物竹城で日野富子をボコボコにするだけだ。
*アドリブ&共闘、歓迎です



 手の中の6枚の貨幣を投げ上げては掴む音が響き、日野富子はそちらへ視線を向ける。
 花の御所の外へ続く廊下の先に、3人の猟兵達の姿があった。
「金、金、金ねえ。」
 手の中の6枚の貨幣を弄びつつ、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)
「こんなもんが、今あたしをどうにかする役に立つのかい?」
 本当によくわからない、と生来の呑気さが呟きにも出ていた。
「まぁそうだな……まず、金は必ずしも汚いわけではない。」
 隣から言い含めるように言葉を紡ぐ、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)。
「しかし彼女は金に目が眩んで命を捧げ、金の亡者と化しているようだ。」
「てめえら……好き勝手言いやがって!」
 そんな猟兵達に怒りの視線を向けた姫。
 視線に紫炎が混ざる……その瞬間、視線の先のペトが電気を発し、稲光をあげる。
「く、てめ……ぐああ!」
 稲光に目がくらんだ一瞬の隙をつき、その目に叩きつけられる六文銭。
「……地獄に銭はない。」
 紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は、自身の投げつけた雷を込めたビタ銭に悶絶する姫へ、冷たい視線を向けて呟いた。

 姫が痛む目を開けた時、ペトの放つ稲光が周囲を満たしていた。
 煌びやかに金箔などで飾り付けられた壁に反射され、その光は目を開くには厳しいほどになっている。
 そんな中、気配を頼りにするすると近づき、雷を纏う十握刃を振るう紬雁。
「く、くっそ!」
「黄泉の八雷神と我が神『布都主』の御名に於いて、汝の醜い執着斬り祓って進ぜよう!」
 位置を変えながら薙ぎ払う紬雁の刃を、姫は何とか避けるので手いっぱいになっていた。

「よっし、じゃああたしは……」
 目くらましの稲光を放ちながら、ペトは音の反響で壁の位置を把握していた。
 おもむろにその手を壁に叩きつけると、その壁をひっつかむ。
「思いっきり、叩きつける!」
 片手で柱ごと引っぺがし、床に叩きつけた。
「よし、破壊なら我も手伝おう。」
 そう竹城が言ったかと思うと、
「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」
 ……唐突に、自身の胸をたたきながら叫び始めた。
「……え?」
「そこかぁ!!」
 と、唐突に姫が紫炎を纏う矢を放ってきた。
 屋敷を破壊する音、そしてゴリラの真似事の声を頼りに放たれていた。
「よそ見とは余裕よな!」
 一部を紬雁の刀が斬り払うが、
「ぐ、は……。」
 ドラミングをする竹城の腕を、矢が貫いた。
 その勢いに倒されるが、そんな竹城の周りに大量のゴリラが召喚されていた。
「森の賢者たちよ……この館を壊せ……!」
 ウホ!ウホホホ!
 その言葉に呼応するように、ゴリラたちは壁を殴りつけ、柱を引き倒そうとしていく。
「……おー、なんかすごい。あたしもまけてらんないね!」
 ペトも手近な柱を掴んで引っ張った……その瞬間、御所全体が揺れるのを感じた。
「んー、これ倒したら崩れるかな。」
「き、貴様ぁ! それ以上ぐあ!」
「……よそ見をするなと、言いませんでしたか?」
 姫の肩を切り裂き、ペトに目くばせをする紬雁。
 やれ、と。
「せーの!」
 そのままペトが柱を引き倒すと、天井が崩れ始めた。
「さーて逃げろー!」
「ま、まて!」
 竹城を拾い上げて逃げるペトを、姫が追いかけようとするが、
「去り罷りませい醜女!」
「ぐああああ!」
 紬雁の刀が足を切り裂き、倒れる。
「そのまま潰されるがいい。」
 そう言葉を残し、紬雁も後を追って御所を出ると……背後で御所の屋根が完全に崩れたのだった。

「くそがあああ!」
 叫び声と共に屋根が吹き飛ぶ。
「ぜってぇぶっ殺してやるからなぁああああ!」
 相当な傷を受けている姫は、すでに怒りだけで無理やり体を動かしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ジノーヴィー・マルス
リヴェンティア(f00299)と
【SPD】
アドリブ歓迎

こりゃやべえやつだ。だから最初っから「ちょっと張り切ってみる」しかねぇ。
それで、奴の攻撃を【第六感】【見切り】をフル活用して避ける。上手くいくかはお慰みよ。

ねえお姉さん。世の中に恐い女は数いるけど、中でも「ヒス起こしてる女」と「金さえありゃどうにでもなるってマジに思ってる女」ってタチ悪いと俺は思うんすよ。
…お姉さんどっちもぴったりスね。恐い女ショーとか出たら優勝狙えますよマジで。

…冗談は置いといて、なるべく「張り切ってみる」状態を維持しつつ掌の刻印で攻め立てる。
【早業】【2回攻撃】でガンガン攻めて、反撃には【カウンター】を狙おう。


リヴェンティア・モーヴェマーレ
ジノーヴィーさん(f17484)と一緒
※ジノさん呼び
▼アドリブ大歓迎
▼wiz
むむっ…先制攻撃を仕掛けてくる気ですネ?
ならば私はオーラ防御をドーム状に展開し受け身を取ります
これなら死角からの攻撃もソコソコ防げるのではないでしょうカ!
次に繋がるために相手の攻撃はしっかり見ておくデス

ジノさんが敵にかける言葉にオロオロしながら聴きつつも、作戦の内だと思い止めはしない(オロオロはする
「あ、えと…富子さん、ビタミンCいりますカ…?」
バカにしてるとかそう言うのではないですからネ?!
絡まれならヘタレ顔でジノさんに助けを求めます

相手の攻撃を受けきった後はUCで同じ攻撃でお返しなのデス
「目には目を!な、気持ち!」



 花の御所……だった場所に立つ日野富子に、ちょっと気だるげに語り掛ける声があった。
「ねえお姉さん。世の中に恐い女は数いるけど、中でも『ヒス起こしてる女』と『金さえありゃどうにでもなるってマジに思ってる女』ってタチ悪いと俺は思うんすよ。」
「じ、ジノさん……?」
 姫がくるりと振り返ると、男女の二人組が立っている。
 リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)がおろおろと見守る中、前に立つジノーヴィー・マルス(ポケットの中は空虚と紙切れ・f17484)が畳みかけるように口を開く。
「……お姉さんどっちもぴったりスね。恐い女ショーとか出たら優勝狙えますよ、マジで。」
「てめえに何がわかる!!」
 怒りに任せ、怒りだけで無理やり体を動かし、姫は伸ばした爪でジノーヴィーへ斬りかかっていく。

「ちっ、やってやろうじゃねぇか……!」
 舌打ちとともに呟いたジノーヴィー。
 両手の爪で薙ぎ払う姫の動きを読み、命を削るほどに集中しながらのステップと身のこなしでぎりぎり避ける。
 そして、9回目の爪を避けた時……掌底の要領で、掌の刻印を姫の腹へ押し付ける。
「ふっ飛べ!」
「が!ぐふ……。」
 体を押しつつ、刻印から伸ばされた刃に腹を抉られて吹き飛ぶ姫。
「く、くそが……!」
「あ、えト……富子さん?」
 リヴェンティアからかけられた声に、姫は敵意むき出しの目を向けてきた。
 ひっ! という声を押しつぶし、言葉を続ける。
「ビタミンC、いりますカ……?」
「いらねえよ!!」
 怒りの矛先を向けられ、紫炎の矢がリヴェンティアへ降り注ぐ。
「や、やっぱりですカ!」
 半泣きになりながら手を前に出してバリアを張り、さらに体の防衛機構により瞬時に炎の矢が生み出され、飛び交う矢同士がぶつかり合う。
 一部の紫炎の矢はバリアに弾かれるが、
「ぐああああああ!」
 リヴェンティアの放った炎の矢は、姫の胸を貫いていく。
「次会ったら、覚えておけよてめえらああああ!」
 そして、全身が燃え上がり……日野富子の体は、黒い灰となって崩れていった。

「め、目には目を!な、気持ち!」
「いいね、よくやった。」
 ヘタレ顔でも決めポーズでピースしてくるリヴェンティアに、気だるげな笑みを浮かべて返すジノーヴィー。
 その緩い雰囲気に、リヴェンティアもつられて笑顔に戻るのだった。

 こうして猟兵達は、日野富子を討ち取ることに成功した。
 花の御所ごと潰した猟兵達は、意気揚々とグリモアベースへ帰っていく。
 だが、戦いはまだ終わっていない……猟兵達は次の戦場へ向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月10日


挿絵イラスト