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エンパイアウォー㉒~忍術狸合戦どんどこ

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●しかし奴は風魔忍軍の中でも
 暗い部屋の中で、ほくそ笑むモフモフがいた。
「ふふふ、熊がやられたか」
「頭領の力を借りた上で、あの程度の敵にやられるとは」
「猟兵ってマジヤバいよね」
「うん、まじパナイ」
 いや、笑うどころか本気で焦っていた。
「くまの奴、割と俺たちの中でも強かったもんな……」
「だ、大丈夫だよ、ここまでしっかりした隠れ家が見つかるわけないじゃないか!」
「そ、そうだよな! 出ていく方が馬鹿なんだよな。やはり奴は俺たちの中でも最弱だよ」
 何とか精神的安定を取り戻しつつ、彼らの話し合い……というか雑談は続く。
 その平和な日常の崩壊がもうすぐそこまで来ていることを、彼ら、愉快な狸たちが知ることは、まだ先の話であった。

●狸じゃ、狸の仕業じゃ!
「皆、流星落としはお疲れ様じゃったな!」
 ウルフシャ・オーゲツ(f00046)は今日も今日とて忍装束でグリモアベースに立っていた。
「皆の活躍のおかげで敵の拠点が、しかも重要となる情報拠点がいくつか判明したのじゃ!」
 風魔の頭領の所在地も判明したのだが、今回の向かう先はまた別だった。
 信長軍が情報を集める際に利用している拠点の一つ、ここを抑えることにより、敵軍の情報網を乱し、作戦行動に影響を与えることが出来るらしい。
「本来は仲間である服部忍軍だけでなんとかなる予定じゃったのじゃがな、敵の中には厄介な狸が混ざっておるようでのう……」
 狸、そう、腹黒いとか、ただならぬ相手とかそういう意味ではなく、文字通りの狸である。
「忍者の相手は忍者が担当してくれる。その忍術合戦に狸がどんどこしてこないように襲撃をかけてほしいのじゃ」
 モニターには、妙に愛らしい狸たちの姿が映し出されていた。
「別に特別な事をしてくるわけでもないからの、蹴散らした上で余裕があれば、忍術合戦にお手伝いするのも一つかもしれんな」
 決戦の部隊は忍術合戦の行われている地点のすぐそばにある狸の里、特に特別な地形もなく、戦いやすい平野での合戦となる。
 気を付けるとすれば相手の数のみだろう。
「……ああ、たまにパンダがおって応援しておると妙に相手が強くなったりするかもしれんから、それだけ気を付けるのじゃぞ」
 なぜパンダ、という疑問を挟む間もなく、猟兵たちは転送されていくのだった。


しべりあ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ぺたん、と。

 熊の次は狸です。
 風魔動物園、ありだとおもいます。

 どうも、しょしんしゃのしべりあです。
 今回はただただ純粋な狸との戦いです。
 別にパンダは気にしなくてもいいですし、忍者さんは忍者さんで勝手に戦ってくれていますので手伝わなくても勝てます。

 だけど手伝うというのならばきっとありがたがってくれると思います。

 というわけで戦争の合間にゆるりと狸と戦争してみてください。
 とても勢いよく蹴散らされるのが得意の連中です。
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第1章 集団戦 『狸兵団』

POW   :    狂乱野鉄砲
【仲間がやられた恐怖心】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【弓矢や火縄銃の集中砲火】で攻撃する。
SPD   :    狸兵団突撃
予め【突撃陣形を組む】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    パンダ混じりの狸囃子
戦闘力のない【子狸応援団(何故かパンダがいる…)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【戦場に響く賑やかな太鼓の音】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:綾智

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ
あら、可愛いのだわ。
……でも、まぁ。敵で、戦わなくちゃいけないのなら。
蹴散らすのだわ?

タチャンカ隊、どこか適当な丘の上へ!小さいのでいいのだわ!
……ばくまつ、だったかしら?
おさむらいさんがこんな感じで大勢死んでしまったとか聞いたのだわ。
ごめんなさいね、イェノティ(アライグマ)さん?
撃てー!



●狸合戦開幕
 平野に点在する自然の木に隠れるように作られた物見櫓の上で、今日も狸はのんびりと辺りを見回す。
 誰か来ることはないと思いながらも、こればっかりはお仕事、今日もゆっくりとおにぎりをはむはむしながらのんびりとした空気だった。
「北ー」
「いじょうなーし」
「南ー」
「いじょうなーし」
「東―」
「ばしゃたくさーん」
 ……?
「馬車……?」
「こんなところに……?」
 遠目に見えるのは見るからに物騒な代物を満載して疾走する恐ろしい数の馬車である。
 その銃口はこちらの方をしっかりと捉えている。
 ――というかさっき何か掠ったような……?
 ぱたん、と目を白くして倒れ伏す隣の同僚。
「し、しんでる……?」
「て、ててて、敵襲~!?」
「「「てきしゅうううううう!?」」」
 瞬く間蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。
 その様子を馬車と共に少し離れたところから眺めていたのは高貴な雰囲気を漂わせた少女、フェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ(f19067)。
「あら、可愛いのだわ」
 予想していたよりもこもこふわふわとしながら、パタパタしている狸たち。
 どうやら威嚇射撃のつもりが、悲しい犠牲が出てしまったようである。
「……でも、まぁ。敵で戦わなくちゃいけないのなら……」
 かわいいからといって手心を加えることもない。
「タチャンカ隊、このままどこか適当な丘の上へ! 小さいのでいいのだわ!」
 率いる部隊へを指示を飛ばし、自らも移動する。
 戦場は平地と言えど、どこまでも平野が広がるような地形がこの国の、しかも目立ちにくいところにあるわけもない。
 やってきたのは狸たちの地点をほどよく見下ろせるような小高い丘の上、展開されるのは小型ながらに凶悪な威力を秘めた機関銃の群れ。
「さぁ……蹴散らすのだわ?」
 馬車にこそ積んでいるが、明らかに時代がいくつか異なる気がする狸たちが構えているのは火縄銃。
 これは、届かない。
 なぜか混ざっているパンダが、タヌキ負けるなと激励し、タヌキもえいえいおーと声を上げる。
 明らかな武装の差、それどころか数も相手は揃えてきている。
 それでも、大声を上げて押し寄せようとする狸たち。
 フェドーシヤは彼らを見下ろしながら呟く。
「……ばくまつ、だったかしら?」
 タチャンカ隊の銃口は沈黙、放つはまだ、もっと引きつけて。
「おさむらいさんがこんな感じで大勢死んでしまったとか聞いたのだわ」
 相手を蹴散らすのに最も適した必殺の間合い待つ。
「……ごめんなさいね、イェノティさん?」
 それはある北方の国の言葉でアライグマという意味である。
「あんな外来種といっしょにするなああああ、おいらたちは立派なホンドタヌキ……」
 妙に博識な一匹の狸が大声を上げて抗議したその時が、彼らの最後となった。
「撃てー!」
 静かだがよく通る声が戦場に響き、それを合図に200の砲塔が火を噴き始める。
「「「ぬわああああああああ!?」」」
 タヌキたちの第一陣が薙ぎ払われたのは、まさに一瞬の出来事であった。
 タダでやられてたまるかと、苦し紛れに放たれた狸の火縄銃は、馬車にあたってこつんと弾かれる。一撃で消滅してしまうはずの馬車に、である。
 ……色々と狸に敗因はあるのだろうが、何よりも、射程距離が足りていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これまた、可愛らしい方々ですねぇ。
『そういう部隊』でもあるのでしょうかぁ。

数が多い様ですし、『FRS』『FSS』による『射撃』と『盾』で牽制と防御を行いつつ、【指定UC】で強化した『身体能力』を生かして、集団の懐に飛び込みますねぇ。
誤射の可能性が高くなれば『飛び道具』は使い辛いですし、使える様動けば読み易くなりますぅ。
後は[範囲攻撃][2回攻撃]を重ねつつ『刀』も用いて、纏めてお相手させていただきますねぇ。

ところで、狸鍋は美味しいと聞きますねぇ。
『くまさん』を食べているのを見て、少々気になりましたので、[料理]してお土産に持ち帰りましょうかぁ。
グリモア猟兵様も如何です?



●実はおいしい希少食材
「これまた、可愛らしい方々ですねぇ」
 『そういう部隊』なのだろうかと、夢ヶ枝・るこる(f10980)は首をかしげる。
 それは、戦争にありがちな癒し系アイドル部隊という意味か、それとも……。
「……狸鍋は美味しいと聞きますねぇ」
 非常食と、言う意味なのか。
 どちらにせよ、前回の熊といいこの狸といい、どう考えても戦闘向きとは思えない相手である。
 だからと言って一般忍者にとってはオブリビオンである以上強敵であることは間違いない。
 空に浮かぶ砲台と盾を操り、砲弾の雨を降らせながらるこるは敵集団へと駆け抜ける。
 少数対多数での戦いの場合、基本的に数が多い方が有利なのだが、乱戦となった場合はそうとも言えないところもある。
 遠距離攻撃による同士討ちの可能性が発生してしまうのだ。
「は、はやくうてーい!」
 ドーン……どさっ。
「お、俺じゃないイイイイ……ぐふっ」
 そうこのように。
 しかし少数側のるこるは気にする必要はなく、まさに一騎当千の大暴れというのが現状であった。
「だ、だれか、あの暴れ巫女を止められるものはおらんのかー!」
「「「ぬおおおお、こうなれば体当たりだあああ」」」
 集中砲火が危険とわかり大挙して押し寄せてくる狸たち。
 押し寄せる彼らに対しチャキリと刀を構え、るこるはにっこりと微笑む。
「料理してお土産に持って帰りましょうかぁ……」
「「「ひぇえええええええええええええ!?」」」
 先ほどの勢いは何だったのか、身の危険を感じ取った狸たちは反転して逃げ出し始める。
 崩れ始めた軍は脆いもの。
 狸たちは一匹、また一匹と撃ち抜かれ、斬り倒され、捉えられていく。
 その末路を鍋の具材として定められたその部隊の狸兵は、最後の一匹まで余すことなくストックされていくのであった。
 なお、お土産として、あるぴんくい猟兵からは最近食べてなかったとしてとても喜ばれたらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルノ・ネッケル
アンタら個人個人にゃ恨みはないが、狐と狸は相容れへんもんやろ?
しかも鉄砲隊もおって、得物も同じと来とる。
お膳立ては十分や……さぁて、狐と狸の"果し合い"!どっちが上か、白黒付けようや!
……白黒と言えば、そこの白黒熊猫は特別ゲストか何か?
……まあええか……ええんかな?

ええい気にしとっても始まらん、行くで!
先に仕掛ける、【先制攻撃】やっ!

仲間の被害で恐怖を抱かん限り、ユーベルコード並の射撃は出来んはず。ならば暴れられる前に数を減らす!
距離を詰めながら跳躍、そのまま地上へ二丁を向ける!
『狐の嫁入り』、存分に味わうとええで!

その後は流石に反撃が来るやろうけど、左右に駆けて避けながら銃撃を続ける!



●狐恐怖症部隊
「ぜ、ぜんたいとまれええええ!」
 狸たちは戦慄した。
 彼らの部隊の前に立っていたもの、それは、狐の気配を色濃く備えたメルノ・ネッケル(f09332)。
「アンタら個人個人にゃ恨みはないが、狐と狸は相容れへんもんやろ?」
「「き……狐だあああああああ!?」」
 狐を見ただけで混乱し始めている狸たちは手にした弓、鉄砲を慌てて用意しようとする。
 しかし、慌てているあまりその速度は遅々としたもので、メルノが攻撃を叩き込む方が何倍も速かった。
「獲物は同じときとるのに、遅い、遅すぎるで!」
 戦の舞台としてのお膳立ては十分すぎていた。
 背後で忍者が化かし合いをする中、狸と狐は果たし合い。
 思わず熱くなるパンダのビートも激しく刻まれていくが、肝心の狸たちがこれでは歯ごたえがない。
「……そこの白黒熊猫は……特別ゲストか何かか?」
 仲間だと思われる狸たちが瞬く間に壊滅していく中、激しく楽器を打ち鳴らしながらも、器用に隙を見てサムズアップする熊猫。
「……まあええか……ええんかな……?」
 気にするな、考えるんじゃない、魂で感じるんだ。
 そう語りかけるような鼓動は止まらない。
「ええい、気にしとっても始まらん、次行くで!」
 メルノの攻撃は、狸たちが仲間がやられたことを認識するよりも早く、狸たちが銃を構える前に撃ち抜いていく。
「狐じゃ、狐の仕業じゃアアアア!」
 軍団の真ん中へと突っ込んだと思えば、大きく跳躍するメルノ。狸が驚き見上げた眼前には数多の弾丸の雨を見た。
「『狐の嫁入り』、存分に味わうとええで!」
 空中から放たれた銃弾で次々を撃ち抜かれていく狸兵。
 生き残った者たちは半狂乱となりながらも、ようやく手にした銃に火を灯す。
 だが冷静さを欠いた彼らが右へ左へと縦横無尽に駆け巡るメルノを捉えることは叶わない。
 激しい銃声こそ飛び交っていたが、狸は一方的に狐に殲滅させられていくのであった。
 なお、パンダは最後までそのリズムを絶やさなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペンテシレイア・メガエラー
オォ、タヌキかーウマそうなダナーー(じゅるり
やっぱり、今夜はタヌキ鍋でキマリダナ!
ヨシ! 一狩り行くゾ!!

ペンテシレイアは、狸兵団たちを最早、群れた食料と思い狩りに勤しみます。【ライドオンディオメーデース】にて馬を召喚騎乗し、狸兵団の陣形に突撃します。突撃の際は、蹴散らしやすい様に竜骨弓で陣形を纏めているような役割をもっていそうな狸を狙撃(スナイパー)して、狩っておきます。
陣形に割って入ったら、野生の勘等で、反撃に注意しつつ、槍で串刺したりして仕留めておきます。

森ノ狸より弱かったカナ?
あっ、ディオもタヌキ食ってイイゾ!!



●高級狸肉部隊
 ところで、あなたが突然、お前美味そうだな、と言われただどう思うだろうか。
「オォ、タヌキかーウマそうなダナーー」
 今狸たちは、その状況に直面していた。
 じゅるりとよだれを隠そうともせず、完全な食料を見る目でペンテシレイア・メガエラー(f06903)は狸たちを見据えていたのである。
「お、おれたちを食っても……多分美味しくない……よ?」
 ものすごい震え声だった。
 実際のところ、それほど運動せずにのびのびと過ごしていたため、ものすごく食べやすい肉質なのでは、と若干心当たりがあってしまうのが強くいい出せない。
 それに、先ほど別の戦場から逃げてきた仲間がうわごとのように呟いていたのだ。
「猟兵は……狸をたべます」
 恐怖に震える声で、しかし確かにはっきりと。
「やっぱり、今夜はタヌキ鍋でキマリダナ!」
「「ぴいいいいいいい!?」」
「ヨシ! 一狩り行くゾ!!」
「か、かたまれえええええ奴を近づけるなああああアフン!?」
 全体へ音頭を取っていた狸が吹き飛び、沈黙する。
 それを見た他の狸たちも沈黙する。
 何が起こったかわからなかった。
 弓を構え、敵将を狙おうとしていたペンテシレイアに気が付かないほど、彼らは混乱していたのである。
 そんな、騒がしく混乱していたはずの戦場が静まり返っていた。
 だがその静寂も一瞬の事だ。
 恐怖に負けた狸たちは、一匹、また一匹と武器を放り出して逃げ出したのだ。
「「「に、逃げるんだよおおおお!?」」」
 それは、もはや軍の体裁を保てていなかった。
 巨大な馬を駆るペンテシレイアは敗残狸たちを薙ぎ払い、殲滅戦を始めていく。
「森ノ狸の方がまだ手応えがあったゾ?」
 撃ち抜かれ、串刺しにされ、その行く末は、食材。
 これが給料をもらって平和を謳歌していた狸たちの末路。
「あっ、ディオもタヌキ食ってイイゾ!!」
 自らの駆る馬へと楽し気に声をかける。
 ディオと呼ばれたその馬も、嬉しそうに嘶きながら狸へとその口を開くのであった。
 余談ではあるが、まるで食べてもらうために育て上げられていたかのような、上等な肉質であったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【POWで判定】
 状況は変わりつつあるようだな敵が情報を集める際に利用している拠点が見つかったようだな。いいだろう、敵の情報網を乱すべく、そこに在住している敵を打ち取ってくれよう。
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で戦うぞ。【残像】を伴うほどに素早く動き、【早業】で次々に敵を切り伏せてやろう。無表情のまま冷酷に戦っていくぞ。
 この戦いには、味方である服部忍軍が参戦するようだな。心強い味方がいるが、我も負けてはおれん。忍者に遅れを取らぬよう、全力で戦闘にあたるぞ。……しかし、何故、狸の中にパンダが紛れているのだ?……いかん、重要な戦争なのに気が散ってしまう。
*アドリブ&共闘、歓迎です



●戦場を駆ける熊猫
「ええい、ここを抜かれてしまっては我々は壊滅……!?」
 また一匹、狸指令が倒れる。
「そ、そんな、止められ!?」
「速す……ぎぃ!?」
「たぬうううう!?」
 狸軍の中に点在している部隊長を的確に倒していく竹城・落葉(f00809)の顔には、情けも容赦も浮かばない。
 今もまた、目を白くしてぽてんと倒れた狸たちを一瞥することもなく走り去る。
 此度の戦は猟兵だけで行うものではない。
 味方である服部忍軍もまた、風魔忍軍と戦っているのである。
 だからこそ後れを取るわけにはいかないと、落葉はいつにもまして全力であった。
 だからこそ表情を変えることなく冷静で、冷酷であろうとしていたのだ。
 ……だが、どうしても気になってしまうものがあった。
 狸の中を駆け巡る一陣の風。
 茶色の毛並みの中に輝く白黒のもふもふ。
 手にした楽器で戦場に激しい鼓動(ビート)を届ける異質の存在が。
 ――何故、何故狸の中にパンダが……。
 無表情の筈の落葉だが、わずかに、ほんのわずかにその顔が動く。
 無駄に円らな瞳と目があう。
 かわいい顔してるじゃねぇか、もっと笑えよ、お嬢さん。
 そんな瞳を向けてサムズアップしてくるパンダ。
 目は口程に物を言うとは言うが、雄弁に語り過ぎである。
 だが、若干心が乱されつつも、その刃がぶれることはない。
「……いかん、重要な戦争なのに気が散ってしまう」
 薙ぎ払われ、物言わぬ狸となった彼らは、落葉が動揺している隙を狙うどころか、その事に気が付くことのないままに骸の海への片道切符を手渡されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

あー……うん。
熊もいるんだもんな、狸もいてもおかしくないよな。
……でもなんで武装してるのさ?妙にかわいいし。
あ、陣形組み始めた。とてとて走ってら。
こけた?かわいいなチクショウ。

……テレパスで聞いてる心の声とかもホンワカしすぎなのはどうかと思うけど。
忍者軍団との連携を分断するために
まずは『衝撃波』で土煙を起こして『目潰し』し、
偽の突撃ラッパとボイスチェンジャーを【弱点特攻作成】で作って、
でたらめな号令で突撃のタイミングを崩させてやろうかね。
陣形がしっかりしてればしてるほど、
足並みが崩れた時に大変だろうからなー。

……にしても、なんでパンダ……?



●それも一つのハーメルン
「あー……うん。……熊もいるんだもんな、狸もいてもおかしくないよな」
 ――……でもなんで武装してるのさ?
 別にそのままでも実害のなさそうな妙にかわいい狸の軍勢に、数宮・多喜(f03004)はどうしたものかと頭を悩ませる。
「て、敵だー、我々も準備するぞー」
 ――ううー、こわいよー、それよりおなかがすたよう……熊がやられてから鮭食べてないなあ、食べたいなぁ。
「ふふふ、ボコボコにしてやるぞ!」
 ――戦いとかやだなー、お家でお昼寝していたなぁ……
「うぉおおおお……あいたっ!?」
「だ、大丈夫か!?」
「しっかりしろー、傷は浅いぞ!?」
「く、みんなすまない、だが、俺はだいじょうぶだー!」
「「「やったあああああ」」」
 陣を組みながらコントでもしているのだろうか、と思っていたが、その心の内はもっと緩い。
 調べれば調べるほど本当に倒す必要が有るのかどうか疑問だったが、一応予知では放置しているとこちらの障害になるらしいのでそっとしておくわけにもいかなかった。
 ならばと多喜は大地が揺らし、土煙で辺りを包み込む。
「な、なんだこれはー目をが痛いー」
「む、みんな、目をつむれー痛くないぞー!」
「「「本当だー!?」」」
「敵はあっちだー」
「こっちかー」
 緩すぎて伝わっていることが不思議な号令。多喜がするのは、ボイスチェンジャーを調整し、それに一言混ぜるだけ。
「いやそっちだー」
「「「なのかー!!」」」
 指示を出していた狸まで納得して明後日の方向へと進み始める軍勢。
「「「う、うわあああああああああ!?」」」
 しかし、目をつむったまま突き進んだ彼らは突如現れた急流に流されてどこか遠くへと旅立ち、そのまま故郷の方の骸の海へと帰ることとなる。
 もはや陣形がしっかりしているとか足並みが崩れるとかそういうレベルではなく、たった一言で軍団が総崩れとなっている。
 なんでこんなことになってしまったのだろうと呆然としている多喜。
 唯一その場に残っていたパンダは、涙を湛えて彼らが流れていくのを眺めていた。
「……指揮系統が違ったのかね……にしても、なんでパンダ……?」
 悲しいリズムを奏でるパンダは、何も語らなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・零児
熊の次は狸(と熊猫(パンダ))か…おい、ジャイアントな模様の笹食い野郎が狸サイズだぞおい

…あぁ、そういえば狼なら狸を食ってたっておかしくねぇよな?
UDCアースのネット動画にイヌ科野生動物を狼が捕食するシーンがあってな
お、魂喰(妖刀)もか?気が合うな
てか、刀本体が話しかけてくるなんて久しぶりだな
お前(妖刀)を手にして以来か
まぁ、そーゆーわけで

喰 っ て い い よ な ?(恐怖を与えるついでにUC全開)

戦闘知識・世界知識から狸達の動きを予測しつつ誘発UC「無双の意識」による相手の意識への接触と第六感・野生の勘によりタイミングを見切り、早業・咄嗟の一撃・範囲攻撃・衝撃波・追跡・生命力吸収で頂きます



●食通をも唸らせる極上の肉質
「熊の次は狸……と熊猫か……」
 狸に混ざる白黒の小型熊猫に首をかしげてはいたものの、大神・零児(f01283)は油断なく刀を構えていた。
 先ほどまで狸が食事準備をしていたのか、妙においしそうな匂いが周囲に残っている。
「ふふふ、いかに猟兵と言えど多勢に無勢……このまま大人しく帰るというならば見逃してやっても……」
「……あぁ、そういえば、狼なら狸を食ったっておかしくねぇよな」
「「「ひいいいいいいいいい!?」」」
 そもそも狼であるとか関係なく、数多の狸が今にも猟兵たちの胃袋へ入ろうとしていたのである。
 彼らとしてもすでに『だれにもいわないからおうちにかえしてという』心境であった。
「まぁそう怖がるなよ……この間、イヌ科の野生動物を狼が捕食するシーンを見たばかりでな」
 それはUDCアースでの動画の話だったが、狸たちの耳には違って聞こえていた。
 すなわち、この間仲間の狼が狸を食べていたから、ちょうど狸を食べたかったんだ……と。
 手にしている刀が訴えてきているのを感じる。俺も狸を食べたいと語り掛けてくる。
 好物なのだろうか、今まで話しかけてきたことがなかった気がするが、食に関することには妖刀と言えど黙っては居られなかったのだろう。
 食は万物共通の文化であのだから。
 無論食われる側からすればたまったものではない。
「くるなぁ……こないでぇ……!?」
 震えながらゆっくりゆっくりと後ずさりする狸たち。
「……まぁそーゆーわけで」
 しかしわずかに稼いだその距離も、零児の一歩ですぐ詰まる。
「喰 っ て い い よ な ?」
「「「「い、いやだあああああああ!?」」」」
 全力で散り散りになり逃げだす狸たち。
 食われるとなると恐怖で結局逃げるらしい狸を、狼は余すことなく狩り尽くす。
 心なしか手にした刀も御満悦。いつもに増して切れ味がいい気がした。
「こ、この……!!」
 生き延びるためにと必死の抵抗を見せ、銃を向ける狸、しかし次の瞬間には手にした銃は輪切りにされ……。
「へっ……?」
「頂きます」
 そうして狼は、狸を喰った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
忍者同士の戦いに横槍を入れるなんて、許せないね。
キミたちはぼくたちが相手するよ。

エレクトロレギオンで狸型の戦闘兵器を呼んで、対決だよ。
こっちもかわいさでは負けないよ。

風魔忍軍の狸ってことは、やっぱり化かしてきたりするのかな。
そういうのは大好き。どんとこいだよ。

よし、充分堪能したら、おかえしだよ。
『全力魔法』、『恐怖を与える』で戦闘兵器がおばけになる幻覚を見せて、驚かせるよ。
そして、その隙に一斉攻撃だ。

狸をやっつけたら、忍者対決を見学しよっと。



●化かすことはあっても化かされることには慣れてない
 最早残った部隊は我々のみ、せめて最後にと忍者の戦場へと向かう部隊があった。
「どれだけ猟兵の血肉にされようとも、あの忍者決戦で勝利すれば!」
「しょうりー!」
「「「いっくぞおおおおお!」」」
 だがしかし、それを見逃すような猟兵ではなかった。
 突如彼らの前に現れたのは、一人の少女と、数多の狸の姿。
「忍者同士の戦いに横槍を入れるなんて、許せないね」
「な、なぜだ、なぜ狸がそちら側に……はっ!?」
 戸惑う狸たちは目を凝らし、気がつく。奴らは真の狸ではない。
 少女、アリス・フォーサイス(f01022)の率いる狸、それは、エレクトロレギオン狸バージョンであったのだ。
「キミたちはぼくたちが相手するよ」
「我々に狸型ロボットだと……ならばっ!」
 唐突に、かつ一斉に頭に葉っぱを乗せ始める狸。
「忍び狸に伝わる奥義、とぅ!」
 どろん、と煙のようなものが狸を包み込む、そこから出てきたのは、どこか猫を思わせるロボット的な何か。
 なんとなくすごく見覚えはあるのだが、非常に危険な香りのするデザインである。
「狸ロボットには猫ロボットがいいと、魂が叫んでいる!」
「……想像とは違う化かし方だけど、そう言うのもできるんだね」
 狸の変化となると、巨大な怪物などに変身して驚かせるだとかをそういうものが一般的だろう。
 これは……いや、確かに驚きはするが何か違う気がした。
「ふふふ、驚いて声も出ないか……じゃあちょっとそこを通して……」
「よし、じゃあ、いいものを見せてくれたから、こっちもおかえししないとね」
「えっ……?」
 だったら、こっちが代わりに見せつけるのも一興。
 アリスは忍術ならぬ魔法の力を科学の兵器へと広げていく。
 不思議な力の高まりを感じ、ゴクリと固唾を呑んで見守る狸たち。
 その時、突如太陽が翳り、あたりに霧がたちこめる。
「な。なんだ!?」
「ひぃ、お、おまえ、うしろー!?」
「なにっ!?」
 慌てて振り返る狸、しかしそこには霧が広がるばかりで何も見当たらない。
「なんだよ、脅かしやがっ……」
 前へと向き直った狸は言葉を失った。
 そこには、巨大な狐の幽霊がさっきまで元気に話していた狸をあたまからまるかじりしている姿。
 次はお前だと言わんばかりに、ギロリ光る眼光を垣間見た時、狸は意識をも失った。
 やがて霧が晴れたその場には、白目をむいて折り重なる狸たちの群れの姿。
「……脅かしすぎちゃったかな?」
 驚かせた隙を狙うどころか、驚きのあまり全滅してしまった狸たちを眺めながら、アリスはコテンと首をかしげるのであった。

●そして終わる忍者大戦
 爆風が巻き起こり、あちこちから火柱が立ち上る。
 あるところでは突如激流が現れ、かと思えば巨石が雨霰のように降り注ぐ。
 そう、それは忍者と忍者による忍術合戦。
 まるで天変地異をまとめちゃいましたと言わんばかりの恐ろしい戦いが、その場で繰り広げられていた。
 しかし、その戦いも巨大な蛙の群れが背面から強襲してくるという事態に見舞われて風魔忍軍が壊滅することにより終結を迎えようとしていた。
 その様子をアリスは楽しそうに眺めていたのだが、ふとした疑問が脳裏によぎる。
 狸たちは本当にこの激しすぎる戦いが起こっている戦場に参戦する事が出来たのだろうかと。
 近づいただけで目を回しそう、そう思っていたがふと、来る前にパンダがどうとか言っていたことを思い出す。
 戦ったあの部隊には狸のみでパンダが不在だったのだ。
 すでに別の戦場に出払っていてパンダ切れだったのである。
 おそらくあのパンダという存在がこの敵部隊の重要な要素だった、そう結論づけながらアリスは勝敗が喫した戦場を後にする。
 何しろ、まだまだ戦争は続いているのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月10日


挿絵イラスト