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エンパイアウォー⑯~連鎖式絡繰の波を超えて

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #風魔小太郎

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●風魔棟梁、居城に座す
「さてと。隕石忍術の術者――風魔小太郎の居場所が予知できたぞ」
 アベル・ドゥンケルハイト(もうひとりのおうじさま・f20013)は集まった猟兵達に眼差しを向け、説明に入る。
「どうやら『風魔忍軍の忍者屋敷』に座しているみたいでな。俺の予知した場所もその中の1つだった。……通りで直ぐに情報が掴めない訳だ」
 相手の息のかかった場所である以上、そう易易と居所は掴めなかった、という訳だが――奮戦により、予知を得ることが出来るようになったらしい。
「だが、漸く『尻尾を掴んだ』程度だ。風魔小太郎は指折りの実力者――それに加えて今は『オブリビオン』と来た。生半可な対策では先に討ち取られるだろうよ」
 彼の忍術の力量は猟兵達に先を与えたりなどはしない、というのだ。十分な対策が必要だろう。

「……で。俺も参考文献程度にはUDCアースの文献を読んだ訳なんだが、相手の根城が『忍者屋敷』である以上は、『罠』と遭遇することは避けられない」
 アベルは予知で見た範囲の罠を書き出していく。

 階段が急に全て斜面になったと思ったらその下が竹槍の山になっていた、とか。
 部屋に入った瞬間、畳が全部ひっくり返って転倒させられた、とか。
 壁がひっくり返ったと思ったら、突然大量の手裏剣が飛んできた、とか。

 全般的に「条件を満たすと発動する連鎖式の罠」が多い、という印象を受けたらしい。
「――と言っても猟兵じゃ死ぬことも無いぐらいなんだがな。ハッキリ言って『戦う』のには邪魔な筈だ。注意は怠るなよ」

 転送準備を整えたアベルだが、その目は真っ直ぐ猟兵達を見据えている。
「漸く1人目と言った所だが……まだ、向こうの目論見は全部暴けたとは言い難い。気を抜くなよ?」


逢坂灰斗
 これ書く前にフレポガチャを回したのですがメカクレ好き海賊が8人位来ました。
 逢坂灰斗です。
 今回は風魔小太郎の居城の1つである『忍者屋敷』に突入して頂きます。

【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
・百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
・このシナリオの忍者屋敷の『罠』は『連鎖式』の罠です。(OP内容は一例)
 深く考えずに突破しようとすると酷い目に合うかもしれません。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。

 では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……御武運を。
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第1章 ボス戦 『百面鬼『風魔小太郎』』

POW   :    風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD   :    風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヘンリエッタ・モリアーティ
忍者ね、忍んでないけれど
忍ばなくてもなお忍びであれたのでしょう
徹底的に叩き潰すことにするわ
放たれてくるUCには【黄昏】で対抗します
怒る理由?いいこと教えてあげましょうか
――いつも怒ってる

死樹の篭手をつけた腕で挑むわ
忍者の軍勢を掴んで、トラップの盾に使っていきましょう
落とし穴の足場に、長物の盾に、降ってくるのなら傘に
悪いわね。雑魚に興味ないの
怪力なのでね。忍者刀と手裏剣には白刃取りでも手刀なども使って叩き割る

傷には激痛耐性――というか怒り所で気にもならないわ
最初からお前しか狙っていない


この程度でひとごろしき竜を止められると思って?
笑わせないで、皆殺しじゃあ足りないわ三文役者
――絶えて死ね。



●憤怒色の黄昏
「忍者ね、忍んでないけれど……忍ばなくてもなお忍びであれたのでしょう」
 屋敷の中、毅然とした態度――いや、その表情の下を煮えたぎらせて、ヘンリエッタ・モリアーティ(犯罪王・f07026)は畳の敷かれた広間にて、件の百面鬼と相対する。
「ふむ、我が力に正当なる評価を頂ける事は光栄だが――此処は『我らが領地』」
 風魔小太郎が言うように、此処は敵地の真っ只中。むしろ、掌の上とすら言っても良い。
「けれど、それがどうしたというの? ……徹底的に叩き潰すことにするわ」
 ゆらりと、憤怒を纏ったままの女はそれが何だとばかりに応える。それが、始まりの合図だった。

「――応えよ、我が輩(ともがら)よ。……饗してやると良い」
 言葉と同時、何処より現れたというのか。風魔忍軍が真っ直ぐに教授へ向け殺到する。
 彼らが走ると同時に満たされる『条件』は。理不尽にも客人に全て向けられていて。
 迫る手裏剣、罠の苦無、数々の雨霰が牙を剥く――
 ……だが、教授は立っていた。 むしろ、盾(にんぐん)を掴み、その身を流血させようとも、冷徹な怒りを注ぎ。
 ――その盾を、憤怒のままに百面鬼に叩きつけた。

「……この程度でひとごろしき竜を止められると思って?」
 ――叩きつけた壁の向こう。それに秘された手裏剣の波。それはここの主に無情にも突き刺さりながらその役目を喪う。
 頭領に折り重なるようにして絶滅した盾だったものを風魔は払い除け、それでも立たんとする、が。
「が、は 貴様、何奴――」
 驚愕の表情を面の下より漂わせる忍は、明確な恐怖を滲ませていた。
(――最強の忍たる己が、たった一人の女の暴力に支配される、だと?)
 その感情を読み取ったかは知らないが――ヘンリエッタは前へ進む。
「笑わせないで、皆殺しじゃあ足りないわ三文役者」
 その女の背負う憤怒という黄昏が、仕掛けをも、忍軍をも踏み潰す勢いで――迫る。
「――絶えて死ね」

 ……轟音が、響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鎧坂・灯理
【戦塵】
錚々たる面子じゃあないか
気合いを入れなくては置いていかれてしまいそうだ
這いずってでも追いついてみせるが

転送されてすぐにUCを「屋敷に」発動
小太郎に使っていなければ先制はされないか……?
まあされたらされたでミスタ・鳴宮と義兄殿がなんとかするはず
私は私の役割をこなそう
全てを見通すこのUCで、あらゆる罠を透視・解析し
その情報をテレパシーでArsene殿へと送信
連鎖を起こさない順番を添えて

罠破壊後は総攻撃に参加
UCで相手の攻撃を見切る
全力の念動力で忍具を破壊し、動きに逆方向の力をかける
面を『朱雀』で狙撃し割ってやりたい
的が大きいのは助かるな

おや義兄様、庇って頂き助かりました
ありがとうございます


ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
【戦塵】
ふはは、こいつは良い
一人で戦うよりかはずっと良い戦果になりそうだ

罠への対処はアカリ女史とヴィクティムに一任し
私と匡は攻勢に出る
先制には『見切り』と『第六感』を用いて対応する
躱し切れなくても構わん、致命傷を避けられれば良い
耐性も何もないが、『覚悟』で痛みに勝とうじゃないか

次はこちらの手番だ
蛇竜を槍に変え
【呪纏】による高速移動と、槍に乗せる黒炎で『串刺し』にしてやろう
攻撃が味方に飛びそうならばなるべく『かばう』
匡は庇わなくて良いと言ったが、そこは状況次第だ
対応出来なさそうなら有無は言わせんぞ

ふは、万事任せろ
誰一人、死んでも死なせやしないからな!


ヴィクティム・ウィンターミュート
【戦塵】

さぁて──ランだ

こっちは手を揃えたことで、向こうの使うUCを一つに絞れてる
ニルズと匡が小太郎の対処、俺と鎧坂は罠の対処をメインとする
前線とは少し離れながら、鎧坂から送られてくる罠のデータを参照、UCで召喚した──一定範囲速度鈍化プログラム『スロウ』を罠に打ち込んで、重要な個所を破壊して処理

前を張ってくれるとはいえ、念には念を
【ハッキング】で全サイバネを極限強化、【ドーピング】でドラッグ摂取して知覚向上
時折飛んでくるかもしれねえ小太郎の攻撃は【見切り】、鎧坂に脳波ハックで共有して万全に、適宜スロウをかけてもいい

先制攻撃を凌いだら、スロウをかけて小太郎を弱体化させる
──ここで還りな、三流


鳴宮・匡
【戦塵】


罠への対処は任せて
兄さん(ニルズヘッグ)と攻勢に出るよ

向けられた攻撃は【見切り】可能な限り回避
無理でも射撃で逸らして直撃を避ける
庇われるなんて柄じゃない、自分のことは自分でするさ
培ってきた【戦闘知識】もある、凌いでみせるよ

自分以外へ攻撃が向きそうなら【援護射撃】
飛び道具ならその軌道を逸らすように
近接しようとするなら動きの先を阻害するように牽制

初手を凌ぎきったら反攻だな
兄さんの攻撃を通すように
動きを阻害する形の【援護射撃】を主に
逆に兄さんの攻撃を受ける/避けるなどで隙を見せた場合は
こちらの攻撃を確実に通すつもりで急所を狙撃

灰は灰に、って言うだろ
骸の海から這い出たなら、骸の海に正しく還りな



●動かぬ地と雲無き雨の中で
 ――小気味良い轟音がした。

 それだけで、屋敷の外に居た鎧坂・灯理(不退転・f14037)は機嫌が良さそうに笑う。
 だって、今男装の麗人の見遣る屋敷で、こんなにも『良く』物事が運んでいるのだから。
「――錚々たる面子じゃあないか。気合いを入れなくては置いていかれてしまいそうだ」
 後ろを見れば歴戦と言っても過言ではない猟兵達の姿。だが、それでも『這いずってでも追いついてみせる』と言ってみせるのが彼女が彼女たる所以か。
「ふはは、こいつは良い……一人で戦うよりかはずっと良い戦果になりそうだ」
 ニルズヘッグ・ニヴルヘイム(世界竜・f01811)にも、灯理を含め、彼らの強さは頼もしく映る。4人ならば、この屋敷も、風魔も敵ではない――と。
 刻一刻と、実行の時間はやってくる。ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)はその時でも、いつも通りに、不敵に笑って、彼らと共に屋敷に足を踏み入れる。
「さぁて──ランだ」

「――さて、さっき聞いた轟音の位置からして、この辺りだったかな」
 鳴宮・匡(凪の海・f01612)はニルズと共に先を行くように歩を進めていく。というのも、一部が壊れたとしても、屋敷の仕掛けは全てではないからだ。
 歩を進める範囲では罠を避けながらさくさくと進めてはいるが、戦闘中に罠に嵌まれば、それこそ術中に嵌るような物だ。
 だが、それは単独で事を進める場合の懸念だ。今は――4人だ。
「ミスタ・鳴宮。その為の『私達』でしょう? 義兄様と貴方に矢面はお任せしますよ」
「それに――ほら、お出ましだ。さっき派手に楽器になってた奴がな」
 4人が歩を進めた先は長い廊下。見てくれだけは変哲もないそれの先に――百面鬼は立っていた。
「……まだ客人が来るか。ならば我が技量で以て滅するまで」

 集団であることからか、牽制とばかりに飛び交うのは忍具の雨霰。雨と言えば聞こえは良いが、その速度と物量はおおよそ9倍。もはや廊下一面を手裏剣や苦無、棒手裏剣などが所狭しと埋め尽くす勢いだ。
「初動とはいえ暴力的な雨だ。……弾き落とすにも限度があるな」
 鳴宮の言葉も最もで、相手はいくら代償を払っているとはいえ、所狭しと飛び道具を投げつけられては、見切るのも、射線を『ずらす』のも、綱渡りのような所業だ。
 実際、前衛は嵐のように対応に追われていて、躱しきれず後ろに飛ぼうとした一撃を、ニルズはその身を張って庇い切っているのだ。
「……おや義兄様、庇って頂き助かりました。ありがとうございます」
「ふは、万事任せろ。誰一人、死んでも死なせやしないからな!」
 ニルズに庇われながらも灯理は自らの役割に徹する。今はまだ遠距離攻撃が主体だが、向こうとの乱戦になる前に、全て『抜いて』おかねばならない。
(――相手が接近する最中、不自然に『狙う』箇所も当然ある。なら、私の勝負は)
 後方にも猛攻迫る最中、その数瞬の看破の後、彼女から告げられるのは一言だけ。
「……Arsene殿」
「――オーケー。下らねぇ小細工は全部俺の掌の上だ」
 量子キーボード上を軽やかに指先が舞う。此処からが彼の――仕事の時間だ。

 ――雨が止んだ。
 同時に、風魔とニルズ。両者は前へ踏み出す。
 表面上では見えないが、百面鬼の焦りは確かに其処に存在していた。
(――おかしい。仕込みの動きの『全て』が鈍い)
「おっと、俺達の相手をすることに何か問題でも?」
 鳴宮の軽妙な言葉と共に鉛玉の援護が飛び交う中、最奥の二人は共に笑う。
「当たり前だ、三流。ここの仕掛けは全部『潰した』」
「ああ、今そこで踏んだ床は義兄様を後ろから『刺す』為のものでしょう? ――全て私の『視覚』からは逃れられはしませんから」
(あの、あの数瞬で!? 我らが屋敷の仕掛けが無力化されるだと!?)
 面の下の驚愕は、直ぐ近くで交戦しているニルズが一番強く感じ取っていた。
「驚いている場合か? ――次はこちらの手番だ」

 手元の蛇竜が素早く形を黒き長槍へと姿を変じさせる。
「――そちらが手数を増やすなら、私は速度を上げるまでだ」
 長廊下の上を黒炎が煌々と燃え盛りながら百面鬼を圧倒せんとする。
「我が術を一度振り切っただけで良い気になるなよ――!!」
 焔槍の連撃を振り切ろうと、そう叫んだ瞬間、面が、1つ。割れた。
 いや、面だけではない。脚をもう一つの弾丸が『貫いて』いたのだ。
「――的が大きいのは助かるな。これで大きな隙が生まれたというものです」
 灯理も、鳴宮も、その時を待っていた。
 面を用意しなおせば即座に反撃には移れるだろう。だが、その隙を見繕うには、余りにも。余りにも――!!
 後ろに座すヴィクティムの口角が釣り上がっているのを見て、風魔は悟る。
 自分自身の動きも、既に『掌握』されたと言うのだから。
「灰は灰に、って言うだろ。骸の海から這い出たなら、骸の海に正しく還りな」
「──そう、ここで還りな、三流」

 ――屋敷の一角が、爆ぜて、燃えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

罠か…そんなもの解除できるわけ無いだろう?
だから…破壊する…崩壊の「呪詛」を籠めた闇の杭(属性攻撃・全力魔法)を乱射し、手当たり次第に破壊する…

・WIZ
それにしても、歴代風魔か…まぁ所詮人間の域を出ん…百面鬼よりは遥かに弱いだろう?油断する気は毛頭ないが…
「見切り」で致命傷だけ避けて周りの連中から
「怪力」で大槍を「なぎ払い」、闇の弓矢を撃ち出し削っていく…
まぁ狭苦しい屋内など相手のフィールド…何時迄も避け続けることなど出来んが…構わん…
「全力魔法」による感知と追尾の「呪詛」により常に百面鬼に意識を幾分裂き…
致命の一撃を回避しそこなった瞬間に【因果応報】を発動…追撃も加え仕留める



●嵐過ぎた後の静寂
「……大分派手に暴れているようだな。この調子では罠も大分機能停止しているか?」
 一角からもくもくと黒炎を吐き出している屋敷を見遣り、死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)は一人呟く。
 ……まぁ、そんな事もお構いなしに彼女の場合は、『踏み潰す』。
 現に、彼女自身も『出来る訳がない』と断言している。故にその道行きは――

 ――砕け放題、荒れ放題だった。
 仕掛けの誤作動? 知らないな、とばかりに道行き全てを粉砕していく。これじゃあまるで屋敷の解体に来たようでは無いか。
 当然こんな風にド派手に進めば直ぐに居場所が割れてしまうわけで――
「――貴様を客人に含めるには少々……度が過ぎるな?」
 その瞬間に、謡に差し向けられるのは歴代風魔の刃。

(……流石に戦いやすく『広げた』とはいえ、限度があるな)
 謡も懸念していた通り、ここは室内である。既に罠は全て粉砕してしまったが、それでも室内という軛から完全に逃れることは出来ず。
 若干防戦一方となりながらも、大槍より闇の矢を打ち出しながら削る事に徹していた。見てくれは派手ではあるが、若干物量に抑え込まれかかった形だ。
 致命を避け、鎖鎌での拘束を受けるのは徹底して拒否し、それでも尚、彼女の身に負傷は積み上がる――その時。
 ……当代の凶手が、彼女を襲った。

 取ったと。風魔は確信していた。だが、それこそ――
 血塗れになりながらも、酷薄に笑う、狂戦士の狙いだった。
「……強者気取りの慢心か? それだからお前は――」
 致命を躱される程の愚かなのだと。
 その言葉の瞬間、風魔の身に激痛が走る。
 今迄与えた筈の物が、全て、『自身』に帰ってくる。しかも、一度に。
「わ、私が……こんな、呪詛で、殺され――」
 想像を絶するだろう瞬時の苦痛の果て、この場に座していた風魔は事切れた。
 それを見遣ること無く、謡は踵を返す。

「……自業自得だ、愚か者め」
 ――屋敷から轟音は絶え、静寂のみが、舞い戻った。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月09日


挿絵イラスト