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走れ、走れ、走れ!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「年明けは走るものらしいな?」
 唐突に、微妙に間違ってる気がする知識を話す妖精、ナイツ・ディン。いつもどおり机の上に座り、傍らにドラゴンランスの『ディロ』を顕現させつつ、予知で見たことを話し出す。

「キマイラフューチャーのマラソン大会で事件が発生することが予知された。足の早い魚や列車の怪人が走って……走って?いるようでな。乱入して参加者を蹴散らしつつ一番を目指しているらしい。で、当然住民のキマイラたちは逃げるようにゴールを目指すんだが、あえなく全滅、そのまま連行されていくみたいなんだ。」
 その姿は滑稽極まりないが、事態は思ったより深刻のようで。連れさらわれたキマイラがどうなるかは予知の範囲外だが、ろくでもないことになるのは想像に難くない。
「それでだ。猟兵の皆にはこのマラソン大会に出場するヒーローとして参加してもらいたい。先頭を走ってもいいが、怪人が乱入するのは集団のど真ん中を横っ腹からだ。人が一番多い場所だな。その辺りでキマイラたちを守ってくれ。」
 戦闘が始まればキマイラたちは勝手に逃げ出す。今回の襲撃は一方向から魚群が突っ込んでくることがわかっている。タイミングも広い公園を横断するタイミングで、戦闘するには十分な広さがある。ちゃんとその現場付近まで来て警戒していれば奇襲を受けることもないだろう。公園が多少生臭くなるだろうが、そこは必要経費だ。あとで猫でも放っておけばどうにかなる。

「それと、討伐が終わったらマラソン大会は再開されると思う。楽しいことが大好きだからな、あそこの住民は。何かパフォーマンスを期待されると思うが、ヒーローとして何かしてやってくれると嬉しい。なに、難しいことじゃないさ。得意なジャンルを披露しつつ走ればいい。俺だったらコイツに乗って槍をぶん回したりな。」
 そう言って傍らの『ディロ』をポフポフ叩く。嫌そうな顔をする竜を無視して纏めに入る。
「そういうわけで、ヒーロー出撃、よろしくな。」
 ナイツはそう言ってグリモアをくるくると回し、キマイラフューチャーの世界の扉を開く。


竜夢
 竜夢です。どうぞよしなに。
 今回はキマイラフューチャーのマラソン大会です。走りましょう。リゾート地だから寒くないはず。タブンネ。

●補足
 初戦の魚は所詮雑魚です。名前通り魚。薙ぎ払ったり焼いたり捌いたりしてくださいまし。
 避難誘導はそういうプレイングがしたければお書きください。しかしメインは戦闘であることを忘れないようお願いします。(避難誘導しなくてもキマイラは勝手に逃げます)
 3章の日常パートはマラソンしながらでも良いですし、マラソンゴール後のインタビューで披露するのも良いでしょう。
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第1章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロッシュ・フェローチェス
【行動】
曲がりなりにも「速さ」を謳うなら、見過ごせなくはあるかな。
……まあやる事は1つ。
死ねよ、お前らの居場所はとうに消えた。

選択UCの使用は後だ。
アタシも最初は……嫌だけど、手を抜いて走る。

現れたなら全力で疾走。
【スカイステッパー】も利用しつつ、飛び込んで来るあの魚頭に
蹴りでも衝撃波でも叩き込んでやる。
後はショットガン型ガジェットで牽制を。
……住人が邪魔?なら『スライディング』と『早業』を活かして
潜り抜けて対処する。
―――願わくば、アタシの『野生の勘』が戦闘中に働くよう。

まあ高望みはせず――確実に選択UC【角砲・ナーガヴァイパー】で
潰してやるよ、なりそこないの生臭。
無様につぶれろ不快な害魔。



●マグロ vs スピード狂
 スタートは平穏だった。わー、と走り出すキマイラ達。そんな中、手を抜きつつ黙々と走るフロッシュ・フェローチェス。本気を出せばこの大会、ぶっちぎりで優勝出来るのだが仕事のためだ、とぶっきらぼうに走る。そして問題の公園付近。右方向から足音がする。
 ――ドッドッドッドッドドドドド!!!
 それはまさに狂気。無駄にフォームよく全力疾走してくるマグロの群れが現れた。気づいたキマイラ達が悲鳴を上げるその前にフロッシュはマグロに向けて全力で駆け出した!今までの速度と段違い、風を切るように走る他走者をすりぬけ一直線!
「死ねよ、お前らの居場所はとうに消えた。潰してやるよ、なりそこないの生臭。」
 履いていたブーツがガション、と音を立ててギアを回す。魔改造された彼女のメカブーツ。スピードを追い求めた彼女特製の至高の逸品。
「[衝角]可変完了……無様に潰れて散れ、不快な害魔!」
 ギロリ、と睨む青と翠の瞳が走り、魚の一匹を問答無用で蹴り倒す。集中的に頭を蹴り潰す。
 それでもマグロは止まらない。彼らにも譲れないものがあるのだ。主に自分の命が!猫が来ているのだ!にゃーにゃー鳴いてくっついているのだ!かじられているのだ!彼らは走り続ける、ドドドドドド!!!!!
「あ?おせぇよ。」
 単調故に野生の勘で読み切れる。すっと避けてそのままカウンター気味に足払いをし、そのまま踏み潰し、さらに潰す。すり身に駆け寄る猫たちが居る。食べるのかそれ。
 そのまま好調にすり身を公園にばらまくフロッシュであったが、まだまだ満足しきれていないようだ。次の獲物へと駆け出していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニレッド・アロウン
「ところでマグロって、お刺身で食べるのも良いのですが、あぶったりするのも、また美味しいらしいですね」

・【トリニティ・エンハンス】で炎の魔力を纏い攻撃力を上げます。そして、熱した水晶鋏で属性攻撃による突貫を仕掛けます。
・相手はマグロ。スタミナはとてもある方なのでしょう。なので、逃げる方向や攻撃する方向を定めておいて、片刃ずつでチクチクと攻撃していきます。威力が低い?炎の魔力で火力……威力を高めたのなら、僅かずつでも削っていけるでしょう。

「……はよ、はよ……!鉄火丼、あぶり寿司、刺身、どれだって構いません。食わせろ」キャラ崩壊してますが、気にせず食欲全開で襲い掛かります。



●炙りツナ vs 捕食系天使
 その天使はお腹を空かせていた。なんたって走るのだ、食べ過ぎたら動けないではないか。その判断は正しかった。ただし、相手がマグロでなければ。
「お刺身、炙り……マグロって美味ですよね。」
 怪人に取り付いている猫たちと同様の危険度を感じたマグロ一行。寄るな、来るなと言わんばかりに水鉄砲を発射、その隙きに横を通り抜けようとする。
「あら、逃げないでください。この熱々の水晶鋏で捌いてあげますからぁぁぁ!」
 じゅう、といい音を立てて真っ赤に燃える水晶。赤水晶と見間違えるほど美しいが、陽炎が見えるほど熱さられている水晶のハサミである。調理器具なのそれ?
 妨害する水鉄砲はハサミで蒸発させ、少しでも冷えたら即座に加熱する。攻撃力のバフがとんでもないことになってそうだが彼女は気にしない。気にする必要はない。的確に進行方向に前に立ち、ハサミで切り刻んでいく。怪人に傷がついても血は流れない。熱されて止血されているのだ。とんでもなく熱く結局悶えて止まってしまうのだが。
「……はよ、はよ……!鉄火丼、あぶり寿司、刺身、どれだって構いません。食わせろ、喰わせろぉ!」
 ちゃきちゃきとハサミで切り刻みながら彼女は調理を開始する。美味しそうな魚の焼けた匂いがした。彼女が食に狂ったのはきっとそのせいである。多分。

成功 🔵​🔵​🔴​

西川・宮美
マラソンで走る魚はん…元気やなあ、お疲れさんやでえ〜

とりあえずうちは同じ旅団のユトはんとペアで行動するわ
走るんとか苦手やけど、まあ、のんびり付いて行かせてもらおかなあ
疲れたらユトはんにおぶってもらうわ

戦闘が始まったら
【錬成カミヤドリ】の力を使って、本体のお布団を大量召喚や!
ほんで敵さんに被せちゃって、撹乱攻撃するわあ

その間にユトはんとか他の人らに、攻撃は任せて、【生まれながらの光】で、回復治療する感じやな。
後方支援に徹するけど、どうしてもって時は【フードファイト・ワイルドモード】で、前衛に立つで!
皆が倒した魚が食べれるなら、ユトはんが旨く調理してパワーアップ出来るはずや! …食えたらやけど


ユト・リーィング
マラソンの魚がマグロか・・・泳ぎ続けないと死ぬんだったか?
同じ旅団の宮美と一緒に行動するぜ。体力はあるが、スピードはあまりねぇんだよなぁ俺。
おんぶだァ?まぁいいけどよ。
ねだられたらおんぶして走る。
戦闘になると宮美を下ろして、休んだ分だけフォロー頼んだぜ?と笑い、剣を構える。
【力溜め】して【串刺し、気絶攻撃】をするぜ。気絶したらボッコボコにするぜ。
【女神の祝福】で先を見たら攻撃に生かす攻撃をするぜ!
魚捌いたら食えそうか?なら【怪力】でぶつ切りマグロにしてやっか!
俺は・・・まぁ気が向いたら食うか。まずはぶつ切りにして捌きまくってやるぜ!



●まぐろたたき vs 酒場の男女
 マラソン大会なのに女をおんぶして走る男の姿があった。ユト・リーィングだ。
「宮美、そろそろ現場に着くぞ。よっこらしょっと。」
「んぅー、もうちょっと休みたかったけど……しょうがないわねぇ。」
 そう言いつつもユトに笑いかける西川・宮美。特段早くない2人な上におんぶしながら走ったのだが遅れること無く。スタミナには自信があった。一緒に走りながらヒーローってすごいね!とはしゃぐ子供も居た。その子も既に逃げ出し、魚の群れが駆け寄ってきている。
「ったく、休んだ分だけフォロー頼んだぜ?」
 と笑いかけてウインク一つ。そして怪人に向かって剣を構える。無駄にフォームの良い走りをする怪人が、またしても無駄にフォーム良く猫を投げつける。にゃーんにゃーんと鳴きながら飛んでくるその猫、実に20匹。しかも無駄に剛速球。
「猫はん、そんな暴れないでおやすみなさいまし?」
 ふわりと手を広げ舞うように動く宮美。猫を生み出した布団でキャッチアンドスリープ。ごろにゃーんと気持ちよさそうに寝始める。ついでに怪人にも布団が飛ぶ。意外と重い。止まれば取り付かれている猫どもに噛まれて殺されてしまうのだが布団は頑丈で簡単には破れない。ぎゃーぎゃー喚く魚共。
 その隙を付いて、というより予知に近いだろうか。的確に潜り込んだユト。それは女神の祝福。少し先の未来を見る力。宮美が猫を捕えるとこまで織り込んだ上で接近していた。
「わが女神に感謝を。さ、泳ぎ、じゃねーな、走りを止めて砕けな!」
 力をためて魚の頭を串刺しにする。あまりにショッキングな映像と衝撃に気を失う怪人たち。にゃーにゃーと猫がガブガブ噛み付いているがビクンビクンと跳ねるだけ。その間にボッコボコだぜと言わんばかり叩き、怪力で引き裂く。にゃーと駆け寄る猫たち。ぶつ切りマグロと叩きが出来上がっていた。
「……ユトはん、調理できるん?流石に生で食べるなら味付けがほしいんやけど。」
「ネギ、ショウガをふりかけて叩き込む、醤油もバッチリ用意してあるぜ!バンバン作るから楽しみに待ってな!」
 猫たちと共にマグロパーティが広がっていた、と後のキマイラたちは語る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイリ・ガングール
・・・魚?あいや魚の怪人か。和を乱し害をなすのなら討たねばなるまいのぅ。
 マラソン大会中、襲撃があるまでは妖狐の能力として狐になって集団に混ざろう。そっちの方が楽じゃし。何も戦闘前に消耗する必要もあるまい。
 そのうえで戦闘開始したら【誘惑】で敵の目を引きつけつつ攻撃じゃ。フォックスファイアを【戦闘知識】を生かして逃げ行く群衆の間を縫って放つぞ。足止め兼削りじゃ。
 群衆が逃げ切ったら新谷守・宗光で【剣刃一閃】。魚は魚らしく捌かれるがよいわ。とずんばらりじゃ。とはいえこいつら怪人じゃしの・・・普通に魚なら酒の肴として刺身に出来たものがじゃが・・・



●刺し身 vs 狐子
 アイリ・ガングールは妖狐だ。故に狐姿でのんびりお散歩していた。時々一般キマイラにじゃれついて肩に載せてもらったり、ご飯をもらっていたり。曰く、楽だから、とのこと。楽すべきところは楽すべきなのだ。あくまで今回は討伐がメイン、ヒーローとはピンチに現れるべきなのだ。そこまで考えていたかは女狐のみが知るところだが。
 わっと騒ぎが起こる。ふと見れば公園ではないか。ということは。狐火をまといながら正体を現すアイリ。
「みどもが来たからにもう大丈夫、さあ、行くのじゃ!」
 逃げゆく群衆の間をするりするりと抜ける狐火。正確無比なその狐火捌きはまさに熟練の妖狐。色香もまといながら抜けられないよう誘惑し、狐火で足止めをする。
「さ、ぞろぞろやってきた雑魚めが、魚は魚らしく捌かれると良いわ。」
 愛刀の新谷守・宗光を抜き、近づく魚をずんばらりん。水鉄砲の反撃を受け、多少は衣が濡れてしまったがそれが余計に色香を増す結果に。魚たちがどんどんやってくる。
「刺し身としては低級じゃのぉ、所詮は怪人、酒の肴にはちと不満足じゃの。」
 ぺろりと舐めたものの、彼女のグルメな舌には届かなかったようで。淡々と捌いて刺し身の盛り合わせを作り上げ、猫たちに振る舞っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蒸気機関参加型マラソン #とは
 ――プォォォォォォ!
 汽笛が鳴る。蒸気が上がる。奴が来る!
「ここがマラソン大会!!吾輩も参加するぞ!疾く走る素晴らしさを広め、この体がサイコーであることを皆に知らしめるだ!そして、我らと同じ機関車型を増やすのだ!この素晴らしさをわからぬものは、こうだ!」
 プォォォォォ!と鳴る。煩いやつだ。無理矢理にでも同型を増やすつもりなのだろう。その野望を、素早く止めるのだ!
サイラス・レドモンド
【POW】
機関車怪人なんつーふざけた敵もいんのか…ここは。
まぁ走る事は嫌いじゃねぇぜ?
だが誰かを傷つけてまで1位を取りたがる根性は気に入らねぇなァ?

とりあえず『野生の勘』も駆使して周囲に警戒しつつ
『ダッシュ』を駆使して走ろうぜ
前にいるのか後ろから来んのかは知らねぇが
見つけ次第『槍投げ』で敵の動きを止めてぇところだ。
まずはそこからってな!

戦闘に移った際はいつも通り
『串刺し』『なぎ払い』『槍投げ』『吹き飛ばし』等で槍使いらしい戦い方を!



●疾走する槍使い
 ――プォォォォン!!
「なんつーふざけた敵だ……走ることは嫌いじゃねぇが、誰かを傷つけてまで1位を取りたがる根性は気に入らねぇなァ?」
 ダッシュで走るケットシーのサイラス・レドモンド。機関車怪人も速いが、猟兵だって負けてはいない。
「この体がサイコーなんだ!ただの猫ごときに負けていられるカ!」
 槍を投げつつ牽制するが、ドンッ!と現れた大きな蒸気機関車がそれを妨げる。怪人の召喚したものだろう。
「出発、シンコオォォォォォォ!」
 ――ププオオォォォォォォ!!!!蒸気二倍、音量四倍。重量一六倍!自慢の槍を刺そうにも疾く、硬く、急所を狙う隙が無い。
「てめぇ、舐め腐りやがって!ぶち抜いてやらァ!」
 レールのない機関車はコースを快速で走っていく。サイラスは地形を使って先回りし、真正面から槍を構え、
「デリャァァァァアアア!」
 刺し違える覚悟でぶち抜いた。激痛が走る。多少の耐性があるものの機関車を真正面から受け止めたのだ。汽車は止まるがサイラスは吹っ飛ばされた。
「まだまだ走れますよぉ!」
 シュポーッっと汽笛を鳴らし、怪人は元気よく走り出す。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ユト・リーィング
同じ旅団の宮美と行動。
周りの仲間とも協力する。
時刻表が少なくなると弱体化するのか??
ならば・・・
時刻表をもってジッと睨んで「本数が少なすぎて待てねぇ!!」と眉間にシワを寄せながら時刻表を破る。
戦闘になると眉間を寄せたまま戦う。
【怪力】で機関車を停めれたら止めるぜ!ふぬぅ!!
少しでも足止めして周りの皆が攻撃しやすくするが、自分自身も【力溜め】し【串刺し】【カウンター】【鎧砕き】【気絶攻撃】を駆使して戦うぜ!【野生の勘】【第六感】で攻撃をできる限り避ける。攻撃が当たっても【激痛体制】で乗り切る。攻撃しながら【生命力吸収】も試みてみるぜ!
攻撃こそ正義!そして攻めこそ防御の精神で前衛で戦う!


西川・宮美
さっきの戦闘で、お肉が残っとるはずやな! うちはそれをモグモグして、【フードファイト・ワイルドモード】でパワーアップや!

ユトはんが「待てなーい!」って某眼鏡のCMみたく言うて、時刻表を破いとる間にこっちは本体と対峙して戦うで!
パワーアップしとるけえ、まあまあ耐えれるはずや。
【錬成カミヤドリ】で、撹乱しつつ、接近戦で戦うで〜

うちの武器はフォークとかナイフなんかの食器やけん、隙があればぶっ刺してやるわ!
女子供っても甘く見たらあかんでー?

ほんで、ユトはんと合流したら、共闘するで!
ユトはんとのコンビネーションで一気に決めたるわー!



●Power is Justice、Food is God
 走る機関車怪人は求めていた。もっと速さを、もっと速さを!ダイヤを増やさねば、本数を増やさねば!――次のコースへの到着予定時間は。大事な時刻表を取り出し調べようとする怪人。しかし無い。落としてしまったか?
「……本数が少なすぎて待てねぇーっ!」
 眉間にシワを寄せ、某ルーペのコマーシャル並みに大声で怒鳴り、分厚い時刻表をベリィ、と縦に裂くユト・リーィング。
「エ、君どうしたいきなり……って、何してるんだ貴様ァ!ていうか、どっから我輩の大事な大事な、大事な!時刻表を!盗みやがっタ!」
「あらぁ、機関車掃除してまんたら出てきやしたよ?」
 のほほん、と宮川・宮美がいう。片手にはフォーク。そして刺し身が4段重ねで刺さっている。怒りで蒸気が3割増しぐらいに増える怪人。その体で突進を試みる。
「ぬふぅ!!だが俺のパゥワァ、舐めんじゃねーよ!」
 眉間にシワを寄せたまま受け止めるユト。フンヌッ!とそのまま押し倒す。時刻表が無いのだ、パワー負けである。その隙に手持ちの刺し身をパクパクと食べる宮美。雑魚故に味も質もいまいちだが、パワー充填、眼にやる気が満ちる。
「さあ、パワーアップしたうちの力を見なさいな!」
 自身の分身とも言える布団が宙を舞い、簀巻きにし始める。ユトが布団ごと槍で貫いて動きを固定する。まるでハムきゅうり巻を爪楊枝で刺したようだ。でかいけど。
「ぐぬ、この程度……ぐ、我輩の力が抜けるぅ!」
 槍から生命力が抜ける。ユトの技能、生命力吸収だ。激痛耐性で堪えていた痛みが徐々に引いていく。眉間にシワを寄せたままだが激痛のせいではなかったようだ。その後ろで宮美がフォークとナイフを手に、にこやかな笑顔で飛びかかっていた。
「では、いただきまーす!」
 鉄くずは喰うにはちと苦しいものがあるがそこはフードファイター。新たな境地を目指すため、彼女は食の追求をやめないのだ!なんかひどい音がするがきっと気のせいだろう。猟兵のチカラなら、世界は変る。あんなのでも食い物になるとは。すごいぜぇ、イェーガー!
「……微妙ね、お布団は私のだからいいとして。肉が硬いん。」
 至極まっとうな食レポをする宮美。布団から開放された怪人はガションガション、と変形してポッポー、と逃げ出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニレッド・アロウン
「おのれ、食べそびれました……!この八つ当たり……じゃなくて、怪人め、許しませんよ!」

【POW】希望

・纏っていた魔力を【風の魔力】に変更し、状態異常力を強化します。
・相手が全速力でダッシュ攻撃してくるなら、こちらは空を飛びましょう!翼を大きく羽ばたかせ、【風の魔力】で自身の素早さを増加させて高速移動しようと試みます。
・相手が【トレイン・フリーク】を使用するのなら、【風の魔力】によって物を大きく吹き飛ばそうとします。道具が吹き飛ばされて注意が逸れた隙に、【2回攻撃】を仕掛けていきます。
「こういうのは強化アイテムを先にロストさせると楽ですからね!」

※アドリブ・他者との協力歓迎です。


アイリ・ガングール
 とりあえず止めればええじゃろうて。赤狼衆を呼び出して正面から怪人を止めさせるぞ。言葉を発せずともそこは以心伝心。伝えればしっかり伝わるからのう。
 そのうえで、みどもは赤狼衆共の上によじ登って怪人に水ぶっかけてやろうて。石炭燃やしてるんだかなんだか知らぬが、それっぽいならキクじゃろう。
 それでも止まらぬなら刀で脚を切り裂くぞ。四足ならともかく所詮は二足で走る人型じゃ。止まらずとも他の者が止めるのにも有用であろうて。



●風に遊ばれて
 ニレッド・アウロンは激怒した。必ず、かの傍若無人の怪人を除かなければならぬと決意した。
「おのれ、食べそびれました……!この八つ当たり……じゃなくて、怪人め、許しませんよ!」
 傍若無人はこちら側もそうであるような気がしない。しかし怒りは烈風となって彼女の水晶鋏を包み込む。それを、えぇ……って顔で見ているアイリ・ガングール。まあ、足止め役としては役立ってくれそうじゃな、と口には出さすに準備を始める。
「ヌォオオオ、我輩の行く手を阻むつもりか小娘共!時刻表がなくとも吾輩、これがあるのだ!」
 と鉄道写真を取り出す怪人。キラッキラと光に反射する、黒光りの見事なSLが映し出されている。うっとりする怪人のボディが黒く光る。どうやら自身の防御を強化する働きがあの写真にあるようだ。
「ほう、あれがキーとなるようじゃの。」
「ならば断つのみです!」
 ニレッドが駆け、写真を斬りにかかる。しかし鋏はそうそう当たらない。だが本当の目的は斬ることではない。
「吹き飛びなさい!」
 鋏から巻き起こる風の魔術が本命。空振った鋏から突風が走り、写真を吹き飛ばしていく。
「おわっと!ま、まって我輩愛しのプレミア十五○形蒸気機関車!」
 宙を舞うSL写真。取りに行こうと背中を見せる怪人。そんな大きな隙、猟兵が見逃すはずもなく。
「返しの刃、断ち切れ!」

●遊郭の冷水は如何かな
 その裏でアイリは着々と儀式を進めていた。
「嘗て汝らは勇猛であった。敵を食い破るその牙は我が誇り。例え冥府魔道に浸されようと、穢れぬ誇りを此処に顕せ。生者の道を死者が拓く。」
 言葉を紡ぐたびに一体、また一体と地から現われる『赤狼衆』、そして巨体な『赤狼衆筆頭』
「さ、征こうかの。」
 その内の一匹によじ登り、水瓶を抱えて全軍突撃させる。言葉なくしても意思が伝わる、それは死してなお繋がる信頼。数の暴力で怪人を抑え込む。そして抱えた水瓶で。
「そーれっと!コココココ、これで蒸気とやらも落ち着くじゃろて。」
 シュポーッっと大きな汽笛を鳴らす怪人。白煙がブワッと出てくるも出力は下がっているようだ。
「だがなんのこれしき、我輩には自慢の」
「足がある、じゃろ?ならばこうじゃ!」
 怪人のセリフに被せるように刀を閃かす。足を的確に狙った一撃。硬く、完全に切断はできなかったもののスネの部分にあたったようで、悶絶する怪人。
「コココココ、みどもの友軍はこの程度じゃ終わらんぞ!」
 再度呼ばれる赤狼衆。その鉄くずに、数多の牙をむく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サイラス・レドモンド
【POW】
チィッ!こんな傷ァ大した事ねぇ!『激痛耐性』もあるし多少はな!
おら、どんどん…行くぜぇ!!

他のやつのおかげで今は逃げ腰か…だがオレァ逃がされねぇぜ?
『野生の勘』『第六感』を駆使し敵の動きに警戒。
向かってこようが逃げようが今度こそ打ちやってやるぜ!
オレァ真正面からヤるしか能がねぇだ!

戦闘は『ダッシュ』駆使しながら
『串刺し』『なぎ払い』『槍投げ』『吹き飛ばし』
そして『誠の一突き』を駆使し、槍使いらしい戦い方を貫く!
まぁまずは『槍投げ』でてめぇの動きを止めてぇところだ。

仲間達に攻撃がいった時は『かばう』!
『激痛耐性』で多少でも耐える。…まぁ怪我もあっから可能な範囲だがな
回復は他に頼むぜ!



●貫き通す意思
 猟兵たちの奮闘のおかげで機関車怪人の足も止まり、顔のライトを明滅させて怒りを顕にしている。
「貴様ら、我輩の走りを尽く、尽くッ!邪魔しおって!」
 傷つきながらも戦意を滾らせるサイラス・レドモンドはその槍で怪人に突撃する。ひたすらに攻撃を繰り返す。攻撃は最大の防御と言わんばかりに。
「オレァ逃さねぇぜ?真正面からぶつかってやらァ!」
 突撃する怪人。持っているのは最後の宝、鉄道模型。戦闘によってボロボロになっているそれは今の怪人のよう。怒りに任せ攻撃力を上げ突進をする怪人。それを正面から槍を投げぶち当てる。ランプのガラスが割れる。
「ギニャアァ!眼が、眼がアァァァ!!」
 ダッシュで接近したサイラスは突き刺さった槍を引き抜き、もう一度その眼に向かい槍を振りかざして一撃をかます。
「オレァ突く事しか脳がねぇからなァ!、おかわりでもくらいなァ!!」
 勢いをつけ槍をぶっ刺し、力の限り吹っ飛ばす。体躯の差を物ともしないその力強い攻撃は怪人をズタズタにしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コンラッド・アレグリアス
はーい怪人さーん、ここで残念なお知らせです。
ここから先は通行止め、お帰りはこちら(骸の海)ですよ♪

(ケットシーの幻影をまず足元に放ち、この一帯をアレグリアスの庭園に変えた後で攻勢に出る。)
さて、復讐を始めましょうか……って、なんかこれで終わっちゃいそうですね?
それはそれで、楽が出来ていいのですが、どうせ最後になるならどーんと、わーっと派手に吹っ飛んでもらいましょう。
アレグリアスの幻影よ、標的はあちらになります。
丁寧にもてなして差し上げて下さい……ついでに骸の海へご招待するのも忘れずに。
『其は我が過去、我が礎……我等が墓標。 その威光を示せ、ロード・アレグリアス!』



●廃線機関車
 力なく白煙を上げる怪人。線路(コース)から外れてしまった今、直ぐに戻らねばならぬ、という精神の下、猟兵たちを振り切って逃げようとする。しかし線路上に猫一匹、二匹、三匹。
「はーい怪人さーん、ここで残念なお知らせです。ここから先は通行止め、お帰りはこちら(骸の海)ですよ♪」
 メガネをかけた猫ことコンラッド・アレグリアスが両手を広げて塞いでいた。幻影のケットシーがわらわらと集まっている。一部は公園の魚が気になるようだが。
「我輩の線路に集まるな猫ども!轢かれたいか!?」
「何を言っているんです?私の復讐の為、派手にどーんと吹っ飛んでもらいますよ。」
 ニコリと微笑むコンラッド。爪を、刃を研ぐケットシーの幻影たちがじっと怪人を見ている。獲物を見る眼。狩人の眼。
「其は我が過去、我が礎……我等が墓標。その威光を示せ、ロード・アレグリアス!……丁重に、躯の海へとご案内、お願いしますよ!」
 幻影のケットシーの狩りだ。サーベルを振って怪人の足を折り、体勢を崩した所を一突き。ボロボロのライトを貫く白刃。幻影の庭に鉄の体が崩れて。
「アァ、まだ、走り足りないィィィィ!モットォォォォ!」
 心からの悲鳴を上げて怪人はガラクタに成り下がった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『ヒーローショー開幕!』

POW   :    大きい武器で大技を繰り出し、豪快な見栄で派手に決める。

SPD   :    バク転三角跳び何でもござれ、素早いアクションで派手に決める。

WIZ   :    大きい魔法陣や使い魔を召喚、ステージを彩り派手に決める。

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アクロバット・マラソン!

 ――ワーッ!歓声が上がる。ヒーローが怪人をやっつけた!キマイラフューチャーの日常的イベント、ヒーローを取り囲んでわいのわいのする光景。
「ヒーローの皆さん、ありがとうございます!……さて皆さん、マラソン大会を続行します!スタート地点はこの公園から!最後まで走りきってくださいね!」
 と拡声器でアナウンス。そしてこほん、と猟兵の皆を呼び止めて言う。
「せっかくですし、そのまま武器とか戦闘の格好で走ってくれませんか?ほら、かっこいいですし、見栄えいいですし!全力とか見たいなー、なんて。色んなヒーローの姿を見てみたいじゃないですか!」
 その眼は子供のような、キラキラしたものが写っていた。
アイリ・ガングール
あー。そうじゃな。狐火でも出して、お手玉じみた事でもしてみようかの。火の玉をポンポンポンポン、お手玉じゃ。まぁ本当に触ると火傷するので、あくまで「それっぽく」じゃがの?


ニレッド・アロウン
「あー……結局マグロも食いそびれたし、さっさと帰ろ……うん?どういうことです?」

・マグロを食べれなかったせいでローテンションのまま帰ろうとしましたが、放送を聞いて嫌な予感を第六感が感じ取ります。その予感に従い、全力で空へと飛び立ちます。
・元いた場所には殺到する人々、それを新手の奇襲かと(ポンコツじみた発想で)感じ取ったためか、逃げ出そうとします。とはいえ、相手は敵ではなく市民、【彩翼矢砲】で様々な色の羽根を漂わせ傷つけないようにしつつ市民たちを羽根に夢中にさせ、それを目隠し代わりに逃げます。様々な色(属性)を持つ羽根は、空中に漂ったまま、市民たちに触れられることなく消え去れるようにします。


西川・宮美
同じ旅団のユトはんと参加やね。

ヒーローなあ…あんまり馴染みがないけど、うちなりにやってみるわ。
とりあえずお布団の大量召喚すれば、おもろいもん来た思うて、坊やらは喜んでくれるんちゃうかな。
お布団はええもんや! 興味持ってくれるはずやわ! と、これは個人的な意見やけど。

走るんはしんどいけど、まあ普通に走る分には特に問題ないやろね。
けど、ユトはんが男気を見えてくれるって言うなら、それに乗っかってもええかなあと思うねん。
男子に守られるのは乙女の憧れて言いますやろ?

あと、ユトはんは年齢を気にしとるみたいやけど…慰めるのもええかもね。
「大人のお兄さんは頼り甲斐があるわあ」みたいな?
実際頼れるお兄さんやしな


ユト・リーィング
同じ旅団の宮美と参加だぜ。 終わりよければすべてよし!!さぁ、走るぜー!! 宮美疲れてねぇか? 気にしながら走って「疲れた」と言われたら肩に乗せて走る。
どこからともなく小さい子が【おじさん】と言ったら「おじさんじゃねぇ!俺はお兄さんだ!」とガションガションと鎧を鳴らしながら追いかける。
この時、宮美は一旦下に下ろして。
そんなに早くないので足の早い子なら逃げ切れるだろう。 捕まえた(20キロ前後の)子供なら3人ぐらいまで軽々抱えて走る。(ランニングぐらいのスピードで)
楽しんでいる姿を見たら怒っていたのを忘れる。
ありがと、お兄さんって言われたら尻尾を振る。
さぁ、最後まで走りきるぜ!


コンラッド・アレグリアス
むむむ、走るのはどっちかと言えば兄のほうが得意そうなやつなんですけども。
……まぁ、たまにはそういう行事的なものに参加するのも悪くはないですか、そうですか。
かといって、特別速く走れるわけでもないので、ケットシーの幻影と一緒にわたわた走るとしましょうか。
倒すべきオブリビオンもいなければ、この幻影達も敵意は引っ込めますし、万一の時にはレスキューにまわれますからねー。
……と、まぁ、とりあえず僕もゴールに向かって走るので、幻影達には僕の護衛でもしてもらいましょう。
倒しそびれてたオブリビオンがもしいたなら、そいつは轢き倒してしまえば問題ないのですよ、ふふん。



●柄でもないとわかっていても。
 オブリビオンを殲滅した猟兵たち。ニレッド・アロウンがぽつりと呟いた一言。
「あー……結局マグロも食いそびれたし、さっさと帰ろ……」
 眼帯で隠された両目を見なくてもわかる、疲労感とけだるさ。そこに先程のアナウンスが流れる。ワー、という歓声。伝う冷や汗。これは、面倒な事になりそうだ。
 同じく面倒な、と思ったのはアイリ・ガングール。衆目に晒されることには慣れている。が、しかしそれはそれ、これはこれ。話は好きだが戯れに過ぎぬ。
「ほれ、ガキンチョ共。お手玉でも見せてやろうぞ。ほれ、ひとーつ、ふたーつ。」
 狐火をぽんぽんと出してお手玉を始める。一つ舞う毎に、わーっと歓声が上がる。足を止めるものまで。おいマラソン大会何処へ行った。実際触ろうとするキマイラたちに阿呆が、と言って狐火を撫でるようにキマイラに飛ばす。熱を持ったそれはキマイラの頬を照らし、そしてアイリの下へと戻っていく。それだけで歓声が上がる。調子に乗って狐火を増やして更に注目を集めることに。
 その隙に逃げ出そうとするニレッド。全力で羽ばたき空を飛ぶ。好奇心に満ちた視線が刺さる。
「まさか、敵襲……!?」
 ポンコツ天使が何を思ったのか威嚇射撃を放つ。威嚇なので当たらない。しかも相手は一応市民なのだ。洗脳だったら、などと意味不明な思考を巡らせ殺傷能力のない技を使う。歓声が上がる。色とりどりの羽根が舞う。手に触れると雪のように消えゆくそれは、新手のパフォーマンスにしか視えない。
 色彩豊かな羽根と暖かな狐火は公園を優しく華やかに照らすのであった。

●猫まっしぐらの誘惑
 なんとも言えない顔でアナウンスを聞いていたコンラッド。魔術師であり、肉体労働は専門外なのだ。それこそこの手のことはちょこまかと動き回る兄に任せたい、と思うもののその兄は別件で出ている。使えない奴め。
「……まあ偶にはそういう行事的なものに参加するのも悪くはない、ですか。そうですか。」
 自分を納得させ、とりあえず警戒も兼ねて護衛のケットシーを呼ぶ。護衛はキリッとした顔で一緒にマラソンすることに。まるでSP。守られるヒーローといえば聞こえが悪いが、兵を率いて戦うと言えば貴族っぽく。それだけで凄そうなのだ!ただし漂うマグロ(怪人)の匂いにやや動揺しているとはキマイラたちの知る由もなく。それこそキリッとした表情で。隣で猫型キマイラがにゃーにゃー言いながら走り回っていた。
 その後、キマイラたちに、もみくちゃにされつつもゴールへ向けてわたわた走り抜けていたケットシー。それはもうやりきった、という顔でメガネを曇らせて伸びていた。

●アラサーと呼ばないで
 西川・宮美は同じ旅団のユト・リーィングと走っていた。……いや厳密には走っているユトにおんぶにだっこされている状態だが。
「疲れたん、ユトはん。」
 実際、普通に走っている分には余裕である。仮にも猟兵、体力は見た目以上のものがある。しかし彼女は乙女なのだ。隣に逞しい男子が居たら頼りたくもなってしまうものである。ユトもその事は重々承知しており、笑いながら彼女を乗せる。肩に。
「わーすごいね、狐の『おじさん』って!」
 犬顔の子キマイラがそう笑いかける。実際担ぎながら走っているのだ。凄いことである。しかしユトは笑いながら額に青筋を立てていた。
「だーれーがー、おじさん、だってー?」
 ガションガションと鎧の音を立てて子供のキマイラに迫る。きゃーっと笑いながら逃げるキマイラを追いかける。鬼ごっこ状態である。
「ユトはん凄いんやねえ。うちを担ぎながらここまで走れるなんて、頼りがいがあるわあ。」
 のほほんと担がれながら宮美が言う。ガションガション。子供の足では逃げ切れず、あえなくお縄。宮美が自前の布団(ヤドリガミ)で子供を包み、それをユトが担ぐ。両肩にのしかかるも涼しい顔でゴールへ向かう。
「なあ坊や、お布団の心地はどうや?」
 と宮美が担がれた子キマイラに聞く。既にウトウトしているのは疲れからか、はたまたその布団の心地よさか。やっぱお布団はええもんや!この世界でも興味持ってもらえるはずやわ!と嬉しそうな宮美。
 ゴールした後、目を覚ました子キマイラをゆっくりおろして別れを告げる。
「ありがとー!布団のねーちゃん、それと狐のおじ……じゃなかった。おにーちゃん!」
 手を降って走り去る子供キマイラ。その姿は微笑ましく、自然と笑みが溢れていた。
(ユトはん、尻尾がぶんぶんしてはんなぁ。)
 宮美はユトの姿を見て、静かに笑っていた。

 そしてマラソン大会は閉幕を迎える。ヒーローの登場によって、記録としてより記憶に残る。そんな大会になったであろうことは想像に難くない。
「来年も、また来てくださいね!」
 大会主催者はヒーローたちに言う。心から、ありがとうの気持ちを込めて。楽しかった大会を、また開きたいという気持ちを載せて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月08日


挿絵イラスト