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エンパイアウォー⑯~一人にして一人に非ず、百面の忍なり

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #風魔小太郎

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「諸君らの活躍のお蔭で戦争に進展があった。六魔将の一人『風魔小太郎』の居場所を見つける事に成功したのだ」
 グリモアベースに集まった猟兵に、バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)朗報を告げる。
「そこで諸君には敵の居場所に乗り込み、その首を討ってもらいたい」
 敵軍の将を討つチャンスだ。この機を逃す手はない。

「風魔小太郎が居るのは風魔忍軍の忍者屋敷だ。屋敷には侵入者を撃退する為のさまざまな仕掛けが施されているらしい。落とし穴、壁から突き出る槍、畳が裏返り足を掬うというものまである。その中でも厭らしいのが、煙幕だ」
 猟兵が煙幕と返すと、その通りだとバルモアが深く頷く。
「掌サイズの火薬玉が天井から落ちて衝撃で爆発する。ダメージは無く無害な白い煙を撒き散らすもののようだが、一瞬視界が遮られる。戦闘中ならば致命的な隙になりかねない。何かしらの対処法を考えておけば、戦いへの影響を防げるだろう」
 罠は普通の方法で仕掛けられたもので、それ単体なら猟兵の脅威とはなりえない。だがそれが邪魔をして風魔小太郎との戦いに悪影響が出ては堪らない。

「それと風魔小太郎はこちらのユーベルコードに対して必ず先手を打ってくる。ユーベルコードを用いないで、敵のユーベルコードに対処する方法も考えておかねばならないだろう。上手く凌げれば反撃ができる」
 敵の方が格上だ。その一撃をまともに食らえば一瞬で戦闘不能になる可能性も高い。そうなれば一度も攻撃できないまま倒れてしまう。

「この戦場は相手の庭のようなものだ。不利は否めない。だがそれでもこの場で討たねばならん敵だ。最強の化身忍者、風魔小太郎を諸君等の全力で以って打ち倒せ」
 バルモアの激励を受け、猟兵達はカラクリだらけの忍者屋敷へと跳んだ。


天木一
 こんにちは天木一です。六魔将の一人、風魔小太郎との決戦となります。忍者ですよ忍者!
 高難易度シナリオです。判定は普段より厳しいです。


 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●先制攻撃
 百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。


 舞台は忍者屋敷ですので罠があります。戦闘中に屋敷の仕掛けに引っ掛からないように気をつけてください。対処法が上手いと有利になる可能性もあります。
 それでは、皆様の全力勝負をお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『百面鬼『風魔小太郎』』

POW   :    風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD   :    風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルトリウス・セレスタイト
さて、毎度面倒な連中だ

破天で対処
先んじて向こうが霊を呼んでくるが、それと同時に此方へ攻撃が届くでもない
その僅かな時間差で此方が攻撃に移る

とはいえ気を抜けば持っていかれる
纏った原理――顕理輝光に魔力を注ぎ備える
『超克』で外から魔力を汲み上げ、『絶理』で己を切り離し、『無現』と『虚影』で阻む

そのまま魔力を溜めた体内に魔弾を生成・装填
高速詠唱と2回攻撃で限りなく間隔を無にし、溢れる分はオーラで押し留め自身と周囲の球形空間を死の魔弾に

そのまま全方向へ爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃
『再帰』によって無限に装填を循環し絶え間なく攻撃

回避も反撃も攻撃の密度速度で圧殺する



●忍者屋敷の主
「信長様に盾突く愚か者がきたか」
 罠を警戒しながら忍者屋敷を進むと、広い部屋で一人の人物が猟兵を待っていた。
 畳の上で鎮座する仮面を幾つも貼り付けた異形の姿。彼の者こそこの屋敷の主、百面鬼『風魔小太郎』の姿だった。
「ならばここで返り討ちにするまでのこと、我が風魔忍法の恐ろしさを存分に味わって死ぬがよい」
 音も無く風魔小太郎が立ち上がると、その仮面の奥の眼が赤く輝き、放つ殺意が猟兵達を包み込んだ。

「さて、毎度面倒な連中だ」
 呆れたようにアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は深い息を吐く。そして面倒事をいつものように処理してやろうと、アルトリウスは淡い青色の光を纏う。

 そのアルトリウスへと、風魔小太郎の視線が向けられた。
「風魔忍法――死鬼封神面」
 印を結ぶとカタカタと面が幾つも揺れ、歴代風魔小太郎たちの霊が召喚される。細身で俊敏そうな者から、大柄で力自慢の者まで、さまざまな特徴を持った姿をした忍びの霊が現れた。

「霊の攻撃がこちらに届く前に仕掛ける」
 対するアルトリウスは手を敵に向かって伸ばし、青く輝かせて魔弾を放とうとする。

 ――その距離なら安全だとでも思ったか。ここは我が庭だというのに。

「何?」
 足元に感じる違和感にアルトリウスが反射的に飛び退く。すると畳が裏返りそこからまるで子供のような姿をした忍の霊が現れ、卍型手裏剣が投げつけられる。
「何処にでも呼べるということかっ」
 不意打ちを受けても冷静さを失わず、躱せぬと判断したアルトリウスは纏った原理――顕理輝光に魔力を注ぎ込む。『超克』で外から魔力を汲み上げ、『絶理』で己を切り離し、『無現』と『虚影』で手裏剣を阻もうとする。だが手裏剣は勢いを弱めながらもそれを切り裂き、アルトリウスの左脇腹を深く抉って飛んで行き、壁をも貫いていった。

「たかが手裏剣でこの威力か……だが次はこちらの番だ」 
 血を流しながらもアルトリウスは戦意を失わず、体内で溜めた魔力で魔弾を生成し装填する。それに対して今度は霊たちが反応して、風魔小太郎の前に展開し迎撃しようとする。
「何体いようと無駄だ、俺の魔弾は全てを撃ち抜く」
 アルトリウスが200を超える青き魔弾を全方向へと放つ。部屋を光が埋めつくすような逃げ場のない面制圧飽和攻撃に、身を挺して霊たちが壁となって風魔小太郎を守る。霊たちは撃ち抜かれ、身体を穴だらけにして消滅していく。だが後ろには通さぬと、執念のようなものを感じさせる意思で魔弾の嵐に耐え凌いだ。

「耐えたか、だがもう一度耐えられるかな?」
 アルトリウスは続けてもう一度魔弾の飽和攻撃を行う。放たれる魔弾の爆撃に霊は吹き飛び、風魔小太郎にまで光が届いた。青き爆発が起こり、天井の仕掛けが誘爆して白い煙幕が辺りを包み込んだ。その煙が晴れると風魔小太郎の姿が消えている。

「見事な花火だ。だが下への攻撃は甘かったようだな」
 先ほど裏返った畳の下の道を通り、風魔小太郎がアルトリウスの目の前に姿を現した。その背中から生える巨大な右腕が穴だらけになって流血し、焼け焦げたように酷く傷ついている。
「右腕を盾にしたのか」
 この至近距離は拙いと、すぐさまアルトリウスは魔力を溜めながら距離を取ろうとする。だがその傷ついた巨大な右腕でがっしりと体を握られ、持ち上げられた。

「これぞ風魔の手裏剣術、身を以って味わってみよ」
 アルトリウスの身体を手裏剣に見立てて投げ飛ばし、襖を吹き飛ばし幾つも先の部屋の壁に叩きつけた。
「せめてその右腕を貰っていく」
 だが飛ばされながらもアルトリウスは叩きつけられる前に魔弾を放ち、右腕の傷に直撃させて、骨を剥き出しにさせた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

才堂・紅葉
「伝説の忍者マスターね。そりゃ厄介に決まってるわ」
割に合わないなぁと言う溜息は押し殺して参戦。

【情報収集、戦闘知識、罠使い】で屋敷を観察し、仕掛けを一通り見極めた後は【メカニック】で【ガジェットブーツ】の効果を使用、壁や天井に接地して足場にして【忍び足】で移動する。特に天井を足場にすれば、火薬玉の影響は落下の時間分小さくなる筈だ。

風魔忍群の奇襲は【野生の勘、見切り】ですかさず後方に跳びつつ【紋章板】を盾に【気合】で凌ぐ。
狙いは屋敷の座敷を支える骨組みを掴む事。【地形の利用、怪力】でUCを発動し、引っ繰り返した座敷の床で風魔忍群ごと小太郎を攻撃したい。

「才堂式忍術・座敷返しってなものかしら!」


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

煙幕、か。
確かに効果的ではあるねぇ。
視界を遮られたら当たるものも当たらねぇ。
……なら、面で防御するしかないよなぁ?
周囲へ『範囲攻撃』の様に『衝撃波』を飛ばし、
煙幕を吹き散らす。
館の壁や天井に穴を開けられれば尚良いね。
そのまま間断なく『マヒ攻撃』を込めた『衝撃波』を放ち続けて、
『グラップル』の間合いに入られるまでに
少しでも動きを鈍らせる。
『コミュ力』での口三味線も欠かさない。
「ほらほら、動きが鈍ってきたね?
もしかしてばて始めたのかい?
大の大人が情けないねぇ!」
そうして軽口の合間に、隙を見て【時縛る糸】を放つ。

動きが止まったその時に、その足一本、折らせてもらうよ!



●忍者の頭領
「伝説の忍者マスターね。そりゃ厄介に決まってるわ」
 割に合わないなぁと、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は思わず口から漏れそうになる溜息を押し殺して戦いに挑まんとあちこちに穴の開く部屋に足を踏み入れる。

「新たな侵入者か、蹴散らしてやろう」
 風魔小太郎が紅葉の方へと、壊れた畳も気にせず自然体で歩いて近づいてくる。
 その間に紅葉はチラリと視線を室内に向け、観察して仕掛けの場所を探す。先の攻撃でかなり部屋は破壊されているが、まだあちこちに動きそうな仕掛けも残っているようだった。
「罠に足を引っ張られるのは遠慮しておきたいですね」
 ならばとガジェットの組み込まれたブーツの機能を使い、粘着性の靴底に形状が変わり、壁を音も立てずに駆け上がって高い天井を逆さになって歩く。
「これで煙幕を張る火薬玉が出ても、時間的余裕が生まれるはずです」
 一先ずの対策は打ったと、紅葉は敵へと自らも歩を進める。

「ほう、罠を警戒するだけの知恵はあるか」
 風魔小太郎が手を振ると、火薬玉が天井から落下し床から白い煙幕が上がる。
 それに巻き込まれぬように紅葉は余裕を持って天井を横へと移動した。

「風魔忍法――風魔頭領面」
 印を結ぶ風魔小太郎の面の一つが割れる。すると風魔忍者の軍勢が現れ、奇襲せんと手裏剣を投げつけた。
「現れましたね。しかし来ると分かっていれば対処もできます」
 すぐに紅葉は天井を蹴って後方へと跳び下り、極薄の特殊鋼製を重ねた強固な紋章板を盾にして手裏剣を防ぐ。さらに周りから忍者刀を手に襲い来る忍者達の斬撃を躱し、防ぎ、気合で凌ぎ続ける。だが無傷という訳にはいかない。背中を斬られ、手足も傷を負っていく。
「そろそろですね」
 敵が攻撃に集中してこちらを囲んだところで、屈んだ紅葉は手の甲に紋章を浮ばせて床に触れる。そして手が畳を貫いて底の骨組みを掴むと、メキメキと音を立てて持ち上げた。座敷の床全てが傾き始めた。

「才堂式忍術・座敷返しってなものかしら!」
 力任せに引っ張り上げると、座敷の床が全て引っ繰り返る。畳が舞い飛び、忍者たちは纏めて薙ぎ倒された。
「むぅ!?」
 巻き込まれた風魔小太郎も宙へと投げ出され、木材に押し潰されるように、床下に覗いた土の上に叩きつけられた。その上から畳が落下してくる。
「ええい!」
 鬱陶しそうに風魔小太郎が畳を払って起き上がる。その眼前に跳躍した紅葉が接近していた。

「どうでした? 私の忍術もなかなかのものでしょう」
 紅葉は飛び蹴りを叩き込み、面の一つを打ち砕く。
「なかなか見所がある。我が忍軍の末席に加えてやってもいい」
「遠慮しておきます。どうせここで滅びる軍団に入っても仕方がないですしね」
 風魔小太郎の誘いを一蹴してもう一度蹴りを叩き込み、その反動で距離を取る。だがその足に鎖分銅が巻き付いていた。
「ならばここで死ぬしかないな」
 ブゥンッと唸りを上げて鎖を振り回し、紅葉の身体を軽々と旋回させて壁に叩きつけた。


「さて、一人ずつ確実に仕留めておくか」
 止めといこうと足を踏み出したところで、気配に気づいて飛び退く。振り向けば、そこには闘志を燃やす数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の姿があった。

「見えぬ恐怖の中、怖れて死ぬがいい」
 すかさず風魔小太郎がすっと指を天井に向けると、壊れた天井から火薬玉が転がり落ち、爆発して白い煙幕で辺りを覆った。煙の中に風魔小太郎の姿が消える。

「煙幕、か。確かに効果的ではあるねぇ。視界を遮られたら当たるものも当たらねぇ」
 視界が通らなくなり、敵の姿を見失った多喜は単純だが効果的なトラップを前に不敵な笑みを浮かべた。
「……なら、面で防御するしかないよなぁ?」
 敵の見えぬまま構えた多喜は拳や蹴りを連続で放ち、その度に衝撃波を飛ばし、煙幕を吹き飛ばしていく。

「むぅ、残念だな、このまま近づければ、気付かぬ間に楽に死ねたものを」
 すると煙幕が晴れて、先ほどよりも接近していた風魔小太郎が姿を現した。その髑髏の面の瞳が輝き、今にも攻撃せんと痛めた一本の腕以外、5本の腕が忍具を構えている。

「死ぬつもりはないんでねぇ、このまま衝撃波でぶちのめさせてもらうよ!」
 軽い口三味線で相手にこちらの攻撃は衝撃波のみだと思わせようと、拳と蹴りの速度を上げ、多喜は衝撃波を次々と敵にぶち込んで足を止めさせる。
「ほらほら、動きが鈍ってきたね? もしかしてばて始めたのかい? 大の大人が情けないねぇ!」
 軽口を叩きながらも、手は休めずに攻撃を続ける。

「この程度か、ならばもう死ぬがいい。風魔忍法――六道阿修羅面」
 風魔小太郎は刀で衝撃波を裂き、鎖分銅を振り回して衝撃波を放ち中和する。そして一気に間合いを詰めてきた。鎌で斬り裂き、刀を突き入れ、手裏剣を投げる。それを多喜は拳で受け止め、蹴りで弾き、衝撃波で軌道を逸らすが、拳が切り裂かれ、足には刀傷が走り、手裏剣は左肩に突き刺さる。風魔小太郎の猛攻に致命傷を避けるのが精一杯だった。

「やるねぇ、だけど凌いだよ」
 多喜は口元に笑みを浮かべて敵を見上げる。
「ほう、だがそれだけ傷を受けてまだ強がるのか?」
 ならばもう一度食らうかと風魔小太郎が忍具を構える。

「いいや、次はそっちが食らう番さ」
 その前に多喜が思念派を放つ。攻撃しようと前に踏み出していた風魔小太郎は衝撃波とは違う、見えぬ波に当たり主観時間が停止し、時間が止まったように動きを止める。
「止められる間は僅かな間だけどねぇ、この隙にその足一本、折らせてもらうよ!」
 傷だらけの身体を動かした多喜は、敵の右膝に突き入れるように蹴りを打ち込み、さらに続けてローキックを膝の側面に叩き込んで、足先を膝から普通ならば曲がらぬ方向へと捻じ曲げた。

「な、に?」
 止められていた時間が動き出し、突然右膝が折れた風魔小太郎は崩れ落ち、手をついて身体を支える。
「精神操作系の術か? だがそう長い間は使えぬようだな!」
 己の状況からすぐに効果を予測した風魔小太郎は、多喜がもう一度能力を使う前に倒すと、片足で起き上がり4本の腕で手裏剣を投げつける。
「足が折れてもまだまだ元気みたいだねぇ」
 それを拳で防ごうとするが、その右腕に鎖分銅が絡まる。左腕だけでは防ぎ切れずに身体に手裏剣が突き刺さっていく。
「こりゃまずいねぇ」
 止めと振り下ろされる鎌を多喜は鎖の巻き付いた右腕で受け止め、鎖を切らせて深く肉を抉られながらも、大きく飛び退いて態勢を立て直そうと部屋を出る。

「逃がさん……むぅ、まだ他にも侵入者が居るのか、一体どれだけの戦力を投入したのか」
 追おうとしたところで風魔小太郎は違う敵の気配が近づいているのに気付き、方向を変えて違う部屋へと姿を消すように移動した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セゲル・スヴェアボルグ
天井はさほど高くはないだろうが、床のトラップは軽く飛行をすれば何とかなるだろう。
他のトラップも物理的な接触により起動するのであれば、
先に潰しておくのも一つの手だな。槍でも盾でも、投げるものはいくらでもある。
それに、屋敷ごとふっ飛ばしても構わんのだろう?
煙の中でも暗視があれば問題あるまい。
赤外線であれば相手の動きを把握することは難しくはないからな。
さて、手裏剣は盾ではじいてしまえば問題はないが、
背後に回られて斬りつけられると厄介だな……
背中にも盾を背負っておくか。自身を盾で囲んで鎧と二重で構えておけば、
致命傷は避けられるだろう。
諸劇さえ凌げば屋敷ごと小太郎を叩くのみよ。


陰白・幽
ここってすごいカラクリ屋敷ですごいよね〜流石忍者だよー……はっ!
感心してばかりじゃダメだよね〜……風魔小太郎、いざ正々堂々と勝負だよー。

足元なんて罠一杯ありそうだし空中戦技能を生かして翼で浮くように行動しようかな〜。
他の罠は発動時に音はすると思うから音に気を付けて動くよー。
あとは鎖と鋼線を使って敵を牽制をしたり、拘束して一発蹴りをねらうよー。
UCは敵も確実に当てたいはずだからボクの隙を狙ってくるよね……だからわざと煙玉の罠にかかって、大技を誘うよ。攻撃を受けてから永眠龍の刻を使って時間を巻き戻すよ。
2回目なら見えなくても攻撃を躱せるから、カウンターで全力のかかと落としを決めてやるぞー。



●カラクリ屋敷
「ここってすごいカラクリ屋敷ですごいよね〜流石忍者だよー……はっ!」
 ふわふわと罠を避ける為に翼を動かして宙に浮いた陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)は、すごいすごいと繰り返し、興味津々に屋敷を見てあちこちに仕掛けられたカラクリに目を輝かせていた。
「感心してばかりじゃダメだよね〜……風魔小太郎、いざ正々堂々と勝負だよー」
 やがて我に返り、今は屋敷のカラクリに夢中になっている場合ではなかったと気を取り直して、何処かに居るだろう敵に向かって勝負を挑む。

「勝負か、よかろう。その勝負受けよう!」
 するとボンッと小さな爆発と共に風魔小太郎が姿を現し、蟻でも踏み潰す調子で片足しか動かぬとは思えぬ動作で正面から幽へと向かって来る。
「いっくよー」
 幽は先端が龍爪のようになった鎖を投げつける。それを風魔小太郎は刀で弾き、逆に鎖分銅を投げようとすると、幽は敢えて先ほど見ていた天井の罠らしき場所の下に足を踏み入れ、頭上から火薬玉が落下させて、爆発と共に煙幕を張った。
「それで隠れたつもりか? この屋敷の主が誰か忘れたか」
 風魔小太郎は幽の姿が見えているように踏み込み、刀を振り下ろす。
「これでやられないよう、がんばって防がないとね」
 それを幽はガントレットで受け止めるが、押し込まれて刃が顔を割ろうと迫る。顔を振って肩で受け、さらに鎌で胴を薙がれる。よろめいたところに投げられた手裏剣はガントレットで弾いた。だがぐるっと弧を描くもう一投の手裏剣も同時に放たれ、幽の背中に突き刺さった。

 ――我が運命……今、ここに――

 血塗れだった幽が僅かな時間を巻き戻す。すると傷が癒え敵の攻撃も無かったことになり、煙幕を張ったところまで場面が戻った。

「それで隠れたつもりか? この屋敷の主が誰か忘れたか」
 風魔小太郎は同じように刀の振り下しから始める。幽はそれをガントレットで受け流し、横薙ぎの鎌を跳躍して避けた。
「カウンターを決めてやるぞー」
 そして幽は鋼線を絡ませて動きを封じ、カウンターでかかと落としを面に叩き込む。すると面が砕け散り床に散らばった。そして敵を蹴って離れると、手裏剣が投げつけられる。それを鉄球で弾き落とした。
「まるでどう攻撃されるか知っているような避け方だ……予測か予知かは知らんが、避けられぬように攻撃すればよいだけのこと」
 風魔小太郎は鎖分銅を頭上で回転させ、勢いをつけて横に薙ぎ払う。
「ここからはどんな攻撃がくるかわからないよー」
 飛び上がって避けようとしたが、足に鎖が絡まる。すぐに風魔小太郎に振り回された幽が壁に向かって放り投げられる。すると壁がくるっと回転してそのまま遠くへ飛んで行った。
「わぁーーーー……」
 反響を残し幽の声が遠くに消えた。


「天井はさほど高くはないだろうが、床のトラップは軽く飛行をすれば何とかなるだろう」
 裏返る畳に気をつけるようにセゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は低空飛行で室内を進む。向かうのは先ほどから派手な戦闘音がしている方だった。
「可能なら他のトラップも潰していきたいところだが……」
 取り合えずとばかりに進行方向の天井に槍を投げつけると、爆発が起こり白い煙が充満した。そして壁に盾を投げつけると、薄い壁が剥がれ投槍機が壊れ槍が転がり落ちた。
「それに、屋敷ごとふっ飛ばしても構わんのだろう?」
 悪戯っぽくセゲルは笑い、次々と槍を投げ飛ばし、盾を叩きつけていく。爆撃を受けたように屋敷が内部から破壊されていくと、床から声が響いた。

「人の屋敷を荒らして回るとは、賊にしてもやって良い事と悪い事があろう。急ぎ働きの賊は三流だぞ」
 畳がくるっと変えるとそこに風魔小太郎が姿を現す。
「少々騒がしかったか? まあこれからもっと騒がしくなるんだがな」
 セゲルは敵を見下ろし大盾を構える。

「ならば派手な術を見せてやろう。風魔忍法――風魔頭領面」
 風魔小太郎が術を完成させると、部屋の中に風魔忍者の軍勢がずらりと現れる。逆さ吊りになった忍者達が天井を蹴って忍者刀で斬り掛かる。その刃をセゲルは背負っておいた別の盾で防いだ。
「盾はいくらでもある。好きなだけ攻撃してくるといい、全て防いでやろう」
 左右の手に盾を構え、次々と襲い掛かる攻撃を受け止める。盾がぼこぼこにへこむと、襲って来る忍者に投げつけ、新しい盾を取り出して構える。だが四方八方からの攻撃を全て防げるものではなく、鎧に傷を作り、やがて肉にまで刃が達する。そこで忍者達の攻撃が一息ついた。

「確かに派手な見世物だが、俺を仕留めるには少しばかり豪華さが足りんな」
 血を流しながらも軽口を叩き、突っ込んだセゲルは盾を叩き込んで忍者を吹き飛ばし、右手の盾を投げつけ、槍を持って横薙ぎに忍者を薙ぎ払った。
「それじゃあ見物料を払うとしよう、受け取ってくれ!」
 そして今度は槍を風魔小太郎の胸へと投げつけた。防ごうと割り込む忍者を貫き、軌道がそれて左肩に深く突き刺さる。
「これは貰い過ぎだな、釣りをやろう」
 風魔小太郎はその槍を引き抜いてセゲルへと投げ返す。それを盾で弾くと、それを追いかけるように弧を描く手裏剣も飛んでいた。盾をすり抜け胸甲に当たり刃が肉に達する。
「ご丁寧なことだ!」
 その程度の傷では止まらずにセゲルはどんどん槍を投げる。
「そろそろ見世物も仕舞いだ、お引き取り願おう」
 風魔小太郎は刀や鎌で槍を弾きながら接近し、一太刀浴びせる。それを盾で防ぐが、押し負けて吹き飛ばされ、さらに忍者達が追い打ちを仕掛け、セゲルは防戦に追い込まれ、引いて追いかけてくる忍者集団を相手取る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グァンデ・アォ
仮面のオブリビオン!?
まさかコイツも暗こ……いやいや、今はそれよりもこの状況を何とかしないと!
サポートAIに変化して対策を……って、敵の攻撃が!

体が小さいことや空を飛べることを活かして、落とし穴や天井の仕掛けの中に潜り込んで退避! そしてそこでUCを使用!

《口調変更》

とりあえず、火を放ちましょう。
からくり仕掛けの罠なら、器機の潤滑に使ってある油が、その周囲に染みているはず。煙玉まで類焼して使えなくなれば良し、そうでなくても油に火が着いて、仕掛けの位置が判明するはずです!

必要であれば誰か私を装着してください。そうすれば、装着者の潜在サイキックエナジーを、炎の【属性攻撃】として放つことができます。


霧島・絶奈
◆心情
個にして群
その在り方には共感すら覚えます
ですが、現実に於いて一騎当千など夢物語
戦いは数です
数に勝る猟兵の攻撃、凌げますか?

◆行動
『暗キ獣』を使用
【罠使い】の私に罠を仕掛けますか…逆に敵を罠に掛けるのも面白そうです

捌き切れない罠は展開した軍勢で圧し潰しつつ侵攻
軍勢が減ればその度に補充

先制攻撃は軍勢を盾にしつつ【オーラ防御】を用いて軽減
先制の一撃で軍勢が全滅しない限り、私の勝ち…
とは言い過ぎですが、膠着状態に持ち込めば他の猟兵への支援となります

返す刀で【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】

先制攻撃以外の負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


フェルト・フィルファーデン
ふふっ、凄いのね忍者って!……でも、世界を壊すのなら許さないわ。

まずは敵の先制攻撃に備えるわ。
騎士(絡繰人形)の盾で【盾受け】しつつ注意深く辺りを見回し【第六感、野生の勘】も使い身を守る。
攻撃が当たった瞬間【早業、シールドバッシュ】で敵を弾き飛ばし距離を取るわ。

距離を取ったら即UCを使用し反撃よ。
周囲の状況、敵の位置、行動範囲から罠の位置を予測。最小のリスクで最大の一撃を与える方法を紡ぎましょう。
ワザとリスクの少ない罠を起動する事で、隙が出来たフリをして攻撃を誘うの。
攻撃が来ると解っていれば躱すのも容易いわ。攻撃の隙間を網目を縫うように避けて【2回攻撃、力溜め、カウンター】を喰らわせてあげる!



●一人に非ず
「仮面のオブリビオン!? まさかコイツも暗こ……いやいや、今はそれよりもこの状況を何とかしないと!」
 グァンデ・アォ(敖 広徳・f10200)は面だらけの敵を見て思わずツッコミそうになるのを耐える。
「面妖な……妖の類か? だが侵入者には違いあるまい、滅びてもらうぞ」
 グァンデのドローンの形を見た風魔小太郎が仮面の奥の眼を細める。
「妖怪じゃないよ! 謎テクノロジーの申し子、謎のドローンだよ!」
 失礼なとグァンデが言い返し、戦闘態勢に移行する。

「サポートAIに変化して対策を……って、敵の攻撃が!」
 グァンデがユーベルコードを発動しようとすると、その前に風魔小太郎の面が光り、歴代風魔小太郎たちの霊が呼び出される。
「風魔忍法――死鬼封神面。歴代の風魔小太郎が忍法、その身で確かめるがいい」
 素早く跳び上がった霊が手裏剣を投げおろす。それをグァンデが躱すと、天井に穴が開き霊が鎌で斬り掛かり、さらに下の畳が裏返って霊が鎖分銅を投げつけてくる。グァンデは攻撃を受けて装甲を抉られながらも、直撃だけは避けた。
「こういう時は小さい方が有利!」
 そしてグァンデは穴の開いた場所から天井裏へと逃げ込む。そこへも攻撃が仕掛けられ、天井に穴が空いていくが、グァンデは移動して的を絞らせない。
「ここから反撃だよ!」
 グァンデはユーベルコードを発動し、支援用AIとなって知性的な方向へ機能を変更する。

「とりあえず、火を放ちましょう。からくり仕掛けの罠なら、器機の潤滑に使ってある油が、その周囲に染みているはず。煙玉まで類焼して使えなくなれば良し、そうでなくても油に火が着いて、仕掛けの位置が判明するはずです!」
 口調と性格が変わり、まずはカラクリ仕掛けを壊そうと、グァンデはサイキックエナジーを炎に変換して辺りに撒き散らす。天井が燃え始め、こっそり仕掛けられていた火薬玉が誘爆して天井裏で爆発した。すると天井裏が煙で満たされ、穴から部屋にも白い煙が漏れ出る。
「上手く行ったようです!」
 真っ白な煙の中グァンデは周辺の天井の罠は潰せたと判断し、次の罠へと向かう。だが天井に空いた穴から鎖分銅が飛び込み、グァンデの身体に巻き付いた。
「火の化生であったか、よくもやってくれたものだ。だがこれ以上は燃やさせぬ」
 風魔小太郎が手にした鎖を引くと、グァンデの身体が無理矢理引きずり出される。そこへ霊たちが一斉に攻撃を仕掛け、グァンデは吹き飛ばされ天井を突き破った。


「風魔小太郎は一人に非ず。何人来ようとも歴代の風魔小太郎の力を以って信長様に歯向かうものは排除する」
 傷つきながらも風魔小太郎は大見得を切って面を輝かせ、部屋中に風魔小太郎の霊たちを召喚した。

「個にして群。その在り方には共感すら覚えます」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は相手に共感しながらも反論する。
「ですが、現実に於いて一騎当千など夢物語。戦いは数です。数に勝る猟兵の攻撃、凌げますか?」
 対して絶奈はその霊よりも多い屍の軍勢を呼び出した。だが軍勢が動き出す前に霊が俊敏に仕掛け、幾つもの手裏剣が軍勢の間を縫うように飛んで絶奈を襲う。オーラを纏い剣で弾き身を捻って躱すが、黒塗りの手裏剣が影のように低く飛来し、足に突き刺さった。バランスを崩したところに胸に向かってくる影。それをオーラを込めた左腕で受け止めた。オーラの護りを貫き刃が食い込む。

「先の先、攻め始めの虚を突かれましたか、ですがまだ終わってはいません。行きなさい」
 一斉に屍獣が駆け出し、畳を傷つけながら駆ける。すると畳が裏返り獣が落ちる。だが後続は気にもせずに飛び越えて霊に飛び掛かる。それを霊が刀で斬りつけ両断する。他にも手裏剣を投げて近づく前に倒し、振り回す鎖分銅で頭をかち割る。続く屍兵にも霊たちは容赦なく攻撃を加える。倒されても倒されても軍勢は進行を止めず、無数の屍を山積みしていく。

 霊は一気に仕留めようと逆さになって天井を駆け、屍兵を乗り越え絶奈へと直接仕掛ける。
「流石は忍者といったところですか、私の軍勢ではできない動きです」
 投げられる手裏剣を剣で弾き、絶奈は剣を突き上げる。霊は胸に一撃を受けて四散するが、既に絶奈の周囲には同じように軍勢を突破した霊が天井に張り付いていた。
「これは凌ぐのが楽ではありませんね」
 絶奈が飛び退くと畳に手裏剣が刺さる。足を軽く引き摺りながら近くの屍兵の後ろに隠れると、屍兵が両断される。絶奈は次々と屍の軍勢が絶奈を守る為に身を挺する。だが畳が裏返り下から霊が現れ絶奈の足を深く斬り裂いた。

「どうだ、我が忍軍の技、味わってもらえたかな」
 腕を組む風魔小太郎が余裕を持って傷ついた絶奈を見やる。
「私に罠を仕掛けますか……逆に敵を罠に掛けるのも面白そうです」
 機動力を失いながらも、絶奈は剣で反撃し軍勢を使って防戦を続ける。だが絶奈の手足に傷が増え動きも鈍くなっていく。
「このままでは押し負けますね、ですが少しでも時間を稼いで他の猟兵への支援としましょう」
 絶奈は霊を剣で斬りつけ、一歩も引かぬと己が軍勢をぶつけた。


「ふふっ、凄いのね忍者って! ……でも、世界を壊すのなら許さないわ」
 アトラクションのような派手な動きや、ビックリ箱のような仕掛けだらけの屋敷に、フェルト・フィルファーデン(糸遣いの妖精姫・f01031)は楽し気な気分になってフェアリーの羽をパタパタと動かして飛び回る。だがこの世界を害する者なら許しはしないと気を引き締め、周囲の罠のありそうな場所を確認する。

「まずは敵の先制攻撃に備えないと」
 フェルトは左中指で絡繰人形の騎士を操り、自分の前で盾を構えさせて屍の軍勢と戦う敵に近づいた。
「傀儡使いか、だがその程度のものでこの風魔の術を防げると思っているのなら片腹痛い。風魔忍法――六道阿修羅面』」
 フェルトの姿を目にした風魔小太郎は床を蹴って一足で間合いを詰めると、刀を振り下ろし、鎌を薙ぐ。それを騎士が盾で防ぎ押し戻そうとするが、重い一撃に力負けして体勢が崩れる。そこへ鎖分銅を投げつけて盾に巻き付けた。そして盾を奪おうと引っ張り、さらに手裏剣を投げつける。5本の腕が連携して巧みに動き、騎士の身体を傷つける。

「忍者って凄く強いのね、このままじゃ危ないわ」
 フェルトは押し戻すのを諦めて自ら後ろに飛び下がる。だが騎士が防ぎ切れなかった手裏剣がフェルトに迫る。それを新たな絡繰人形が大剣を盾にして防いだ。
「まだ傀儡を持っていたか。だが!」
 風魔小太郎は鎖分銅を回転させて薙ぎ払うように叩きつける。騎士が吹き飛び、回転は止まらずフェルトまで狙う。慌ててフェルトが絡繰人形を使って防ぎ、その間に距離を開ける。すると天井から火薬玉が転がり落ち、爆発して周囲を白い煙で覆った。
「けほっごほっ」
 白い煙を吸ってフェルトが咳込む。そこへ風魔小太郎が近づき、刀を振り上げた。
「罠に掛かったな、そのまま斬り殺してくれる」
 風魔小太郎が刀を振り下ろす。だがフェルトはその一撃を素早く避けて煙から飛び出た。その頭には深く赤頭巾が被られ、煙を出来るだけ吸わないようにしていた。

「引っ掛かったのはアナタの方よ!」
 迎撃に放たれる連続手裏剣の隙間を網目を縫うように避け、フェルトは懐に入った。
「蝶のように舞い蜂のように刺すカウンターを喰らわせてあげる!」
 フェルトの絡繰人形が大剣を振り抜く。その一撃は胴を薙いで鎧を裂き中の肉に達した。

「小さな体でやるではないか、だがここまでよ」
 風魔小太郎が大きな手裏剣を投げつける。それを絡繰人形で防ごうとするが、押し飛ばされその後ろのフェルトも巻き込み壁を破って吹き飛ばされた。
「これで止めとしよう」
 踏み込まんと風魔小太郎が片足に力を入れた畳が裏返り、屍兵が槍を突き出した。
「畳返しの仕掛けを利用させてもらいました」
 絶奈は他にも屍獣も畳の下に潜ませ、飛び出して襲い掛からせる。

「こちらの仕掛けを使ったか、少しは機転が利くようだな」
 風魔小太郎は屍獣を斬り殺し、いつの間にか天井に張り付いていた霊たちが一斉に襲い掛かった。
「ここは一旦引きましょう」
 天井から現れたグァンデが見つけて持ってきた火薬玉をばら撒いて火を点け、煙幕を張ってその間に猟兵達は部屋から飛び出た。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

バスティオン・ヴェクターライン
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ歓迎「ニンジャ?カッコイイねぇ」 【WIZ】煙幕は【破壊工作】で壁や天井に穴を開けて煙を逃がす、罠は【激痛耐性】と【破壊工作】でごり押しさ。 先制攻撃は真っ向から防御。「防ぐ」っていう行動さえすればUCで封印出来るからね。 味方の大技準備の為に至近距離から威圧感で【恐怖を与える】ことで注意を惹いて【武器受け】(剣)と【盾受け】(盾群付右義腕)で攻撃を抑え込む。隙なんて見せてみろ、【怪力】【ドーピング】【グラップル】で腕数本は右義腕でへし折っちゃうよ? 最後は敵の腕を右義腕で抑えて【時間稼ぎ】、味方が大技を撃ち込む隙を作るよ。 「今だ皆!撃ち込めぇっ!!」


リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎だよ!

【SPD】

近づく気はないよ、最初さえ耐えきれれば!

光学【迷彩】をかけ、【地形を利用】して距離をとって【敵UC】の攻撃を耐えるよ!面を狙って【先制攻撃】で疑似刻印による光【属性攻撃】をすることで、少しでも【時間稼ぎ】をするつもり

忍具の1つや2つなら、なんとかかな

ワイヤーを後方に射出し【ロープワーク】で巻き取る勢いのまま、【重力制御装置】と【空中戦】で無理矢理、忍具の射線から体をずらすよ

皆、回復だよ!反撃の時間だね

敵の攻撃の合間に【リジェネレイト】で皆の回復だね。余裕があれば、【援護射撃】で敵の攻撃を牽制するよ!


アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、【全世界サイボーグ連盟】で参加
【POW】で

煙幕で目晦ましか…有効だが、時代遅れだ。俺達サイボーグなめんなよ?
トリガースキャンを【暗視】モードに変更、忍び寄る風魔忍者軍団の奇襲に対抗だ。飛び出た畳は【怪力】で引きはがして手裏剣用の【盾受け】に使ったり、壁から飛び出る槍を【怪力】で抜き取って【槍投げ】で攻撃したり【武器受け】に使ったり、罠を逆に利用して忍者を処理するぜ。

風魔小太郎には【エクスプローシブ・ドラゴンライド】をぶちあてるぜ。ついでに槍が命中して爆発すると光の鎖で拘束できるんで、バスティオンの旦那と一緒に【怪力】で抑え込んで【時間稼ぎ】さ!

皆、トドメはカッコよく決めろよな!


ウィンディ・アストレイ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
ボクが、皆さんの目になります…!

総合外部センサ・システムの電磁レーダーやソナー
空間受動レーダーのフル作動で
室内の構成物や密度、敵位置を『ハッキング&情報収集』で常時計測
罠は『罠使い』見地での『世界&戦闘知識』から位置や種類を判別し
『メカニック&罠使い&ハッキング』で無力化
敵位置などの最新情報は仲間全員と情報連結(ハッキング)して
リアルタイム提供します

位置情報収集と情報共有は敵UCに対しても実行
攻撃を戦闘勘や見切りで回避或いは楯やバリアで防御して
(盾受け&オーラ防御&戦闘知識&第六感&見切り)
『カウンター』【Akashic Shaker】で、敵全ての動きを封じます!


クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
「データリンク完了、戦闘開始」

【POW】

●煙幕対策
ウィンディ(f09020)とデータリンク(【ハッキング】)し、提供された敵の位置を『電脳ゴーグル』に投影し乗り切ります。

●先制攻撃対策
リズ(f11009)の回復&パイルバンカーの【武器受け】&【激痛耐性】で致命傷は避け耐えます。
「ここが正念場ですか……」

●攻撃
敵の先制攻撃を受け、『戦場の亡霊』ベースUCで反撃。
バスティオン(f06298)が作った隙を活用します。

「GEAR:PHANTOM PAIN。マルチロック完了、バースト!」
レベル×1個の武器と予備腕を召喚し【一斉発射】で敵が召喚した風魔忍者ごとなぎ払います。


リーデ・クインタール
【全世界サイボーグ連盟】の皆様と参加
アドリブ歓迎

SPD
(屋敷の外に出現)
何時も通り援護に徹しましょう…【空域戦線】
屋敷には入りません…上空から屋敷に向けて榴弾を撃ち、気を引きます
皆様が本格的な戦闘を開始した後はウィンディから観測情報を戴いて「属性攻撃:雷」で帯電させた銃弾を「スナイパー」として狙撃致します。

後はそうですね…「念動力」で相手の動きを邪魔するような力場を加えてみたり、瓦礫を動かしたりもしましょうか…

最後は「捨て身の一撃」で上空から体当たりを仕掛けましょう…
飛行機の自爆テロの様なものです…大丈夫、脳さえ無事ならば幾らでも修復できます…これを機に兵装を追加しても良いですかね?


河原崎・修羅雪姫
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎

「ドーモ、小太郎サン。修羅雪姫デス」
 挨拶は大事、古事記にも書いてある。


 戦闘の最初は、味方をかばう盾役に徹します。
「おいで、私の子供たち。殺戮の宴の始まりよぉ!」
 百面鬼『風魔小太郎』の「風魔忍法『六道阿修羅面』(SPD)」に対し、ユーベルコード「無線誘導攻撃型浮遊ドローン・修羅雪姫カスタム(ジゴクマンダラ)」を使うことで、46基のドローンを浮かべ、防御します。

『六道阿修羅面』は6腕×9回=54回の攻撃!
其の内46基はドローンで防ぎ、足らない分は味方に守ってもらう。
「これが全サ連忍法、『困ったときの助け合い』!」

適当言うなコノヤロー!


サブナ・ダディ
仮プレです// 【全世界サイボーグ連盟】で参加【POW】判定アドリブ歓迎//
相手の先制に対して右儀腕を盾代わりに攻撃を受ける、【風魔忍法『風魔頭領面』】に対し、【ヴァリアブル・ウェポン】【サイバーアイ】を使うことで、軍勢の数を確認攻撃回数を増やし、軍勢と戦闘する。最後はバスディオン、アーサーと共に【グラップル】【捨て身の一撃】で一瞬でも相手を自分に意識を向ける「一瞬でも俺に意識を逸らしたな」



●サイボーグ対忍者
 全世界サイボーグ連盟の面々が8人集まり、風魔小太郎を仕留めようと作戦を開始する。

「ボクが、皆さんの目になります……!」
 ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は総合外部センサ・システムの電磁レーダーやソナー、それに空間受動レーダーを全てフル稼働して室内の構造や、敵の位置を探し出す。
「……敵の位置を発見しました! こちらの北側の部屋を進んだ場所です」
 ウィンディが指さす方向へと仲間達が進もうとすると、ウィンディがそれを制止した。
「罠が仕掛けられています。データをリンクするので、各自気をつけてください」
 そこへ続く通路の罠も、この世界の情報と罠の情報を併用して察知する。仲間全員と情報連結して、ウィンディは得た情報をリアルタイムで仲間達に教える。
「このデータを元にすれば、罠には掛かる確率は低いはずです。安全に進みましょう」
 ウィンディのお蔭で殆どのトラップに掛かることなく屋敷の中を進んでいく。
「この奥の部屋です。そこに風魔小太郎が居るはずです」
 大きな部屋の前でウィンディが足を止め、この先だと仲間の準備を確認して襖を開けた。


「来たか、これほどの団体でやってくるとはな。この身体では全員を相手取るのは厳しいか……だが何人かは道連れになってもらうぞ」
 連戦で巨大な右腕と右足が使い物にならなくなり、全身もあちこちが傷を負っている。常人ならば既に戦闘不能になっているような圧倒的不利な状況。それでも風魔小太郎はまだ闘志を弱めず、必ずこの場の敵を倒してみせると殺気を研ぎ澄ました。

「ドーモ、小太郎サン。修羅雪姫デス」
 その正面に河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)が姿を見せて堂々と挨拶する。挨拶は大事な人の基本であると、そう、確か古事記にも書いてあったと修羅雪姫は思いながら敵を見据えた。

「私を風魔忍軍の頭領、風魔小太郎と知ってきたのであろうな。この首が欲しくば奪ってみせよ。だがただではやらん」
 風魔小太郎も堂々と名乗り返し、己が首を手刀でぽんぽんと叩いてみせた。
「忍びの術の数々、その目に焼き付けて死ねい」
 風魔小太郎が足で軽く床を踏むと、天井から幾つも火薬玉を落とさせ、爆発させて煙幕を張り巡らせた。


「ニンジャ? カッコイイねぇ。ならその姿をよく見えるようにしておかないとねぇ」
 軽い口調でバスティオン・ヴェクターライン(戦場の錆色城塞・f06298)は忍者屋敷を見渡しながら、四連装重迫撃砲を天井に向けてぶち込み、大穴を空けて煙を外へと逃がす。少しすれば見える程度に濃度が薄まるだろう。だがその前に煙に隠れて風魔小太郎が動く。


「データリンク完了、戦闘開始」
 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)はウィンディから提供されるデータを電脳ゴーグルに投影してライオットシールドを構える。風魔小太郎が居る方向へ意識を集中させていると、ゴーグルに複数の敵データが一気にポップした。
『気をつけてください。敵が配下を呼び出しました』
 ウィンディからのメッセージが流れ、クネウスは飛び退きながら盾を上に向ける。すると盾が手裏剣を弾いた。白い煙の先に、天井に蝙蝠のように張り付く忍者の姿が映る。

「ここが正念場ですか……」
 この攻撃に耐えきれなければこちらが攻撃に移るのは難しい。何としても凌いでみせると、クネウスは盾を構えガトリング銃で弾幕を張って、少しでも敵の攻撃を防ごうとする。次々飛んでくる手裏剣が盾に刺さり、銃を持つ腕にも被弾する。それでも致命傷は避け続け、痺れを切らしたように忍者が刀を手に襲い掛かってくる。
「データ提供がなければもっとダメージを受けていた可能性が高いですね」
 第三者視点から送られてくる敵の動きが投影され、それを元にクネウスは盾を動かし斬撃も手裏剣もダメージが最小になるように防ぎ続け、猛攻が止んだところで銃弾をばら撒き、忍者達を退かせた。
「手足にダメージ……戦闘継続は可能のようです」
 クネウスはゴーグルに流れるダメージ情報を目の端で確認し、手も足も背中も、傷だらけではあったが戦闘に支障はないと判断し、戦闘を続行する。


「おいで、私の子供たち。殺戮の宴の始まりよぉ!」
 忍者集団に対抗しようと、修羅雪姫が召喚した46基のドローンを周囲に浮かべ、防御態勢を構築する。忍者達はそのドローンを落とそうとするが、攻撃してる間に猟兵からの反撃を喰らい、攻撃の手が緩まる。
「いいや、この屋敷はお前達の墓場となる」 
 声がしたかと思うと突然、修羅雪姫の足元の畳が引っ繰り返り、姿を消していた風魔小太郎が姿を見せた。そして鎖分銅を修羅雪姫に巻きつけ、手裏剣を連続で投げつける。
「そんなところから会いに来てくれるなんて、情熱的ねぇ」
 拘束された修羅雪姫は身を捻り、腕で身体を狙う手裏剣を受け、顔に飛んで来たものは長い舌で弾いた。

「ほぅ、お前も忍術を使うか、だが無駄なことよ、まずは一人、ここで死ねぃ!」
 近くのドローンが攻撃に割り込むが、すぐさま手裏剣で撃墜され、風魔小太郎が刀と鎌で斬り掛かる。

「これはピンチねぇ」
 どんな窮地であっても余裕を失わず、修羅雪姫はアンカーフックを射出して、自分の体を引っ張るように壁に移動させて攻撃を避ける。だがそのワイヤーを手裏剣で切断され、転がった体にも手裏剣が太腿や背中に突き刺さる。
「嬲るのは好みではない、一思いに殺してやろう」
 風魔小太郎が跳躍し、刀を振り下ろす。
「私としてはもっと長く相手をしてくれても文句はないわよぉ」
 それを転がって修羅雪姫が躱し、少しでもドローンが間に入る時間を稼ぐ。
「時間稼ぎか、生憎だが次の相手が待っているのでな、これでお別れだ」
 容赦なく風魔小太郎が鎖を引いて修羅雪姫を引き寄せ、刀を突き入れる。その刃が甲高い音を立てて弾かれた。


「この身は守る為に存在する」
 見ればそこにはサブナ・ダディ(サイボーグの破戒僧・f21228)が右義腕で刀を殴り弾いた姿があった。
「無慈悲に人を殺める影の者はここで果てろ」
 そして修羅雪姫を守るようにサブナは敵の前に立ち塞がった。
「生臭坊主か、説教は金払いのいい信者にしてやるのだな」
 鼻で笑った風魔小太郎が攻撃しようと見せかける。すると周囲の忍者達が一斉に襲い掛かった。

「その人を欺くやり口、陰湿な日陰者の行いだな」
 サブナは襲撃を右義腕で受け止める。だが次々と放たれる忍者の手裏剣と斬撃に腕が削られていく。
「どうした? やはり坊主は口だけが達者なのか?」
 挑発するように風魔小太郎が声をかけ、心乱そうとする。
「そんな忍術に引っ掛かると思ったのか? 口なら忍者より僧の方が上だ」
 その言葉に惑わされず、サブナはただ防戦に徹して攻撃を受ける。全身に裂傷を負いながら、それでも猛攻に耐えきった。
「その達者な口で自分の為に念仏を唱えろ」
 いつの間にか背後に回った風魔小太郎が刀を振り下ろす。それを右義腕で受け止めるが、切断され肩まで深く刃が入った。


「このまま両断してやろう――?!」
 刀に力を込めようとした風魔小太郎が天井を見上げる。すると屋根に外から榴弾が撃ち込まれ、爆発し木片と火薬玉が誘爆して白い煙が落ちて来た。それに巻き込まれまいと風魔小太郎が大きく跳び退いて間を空けた。
 屋根に空いた穴から空を見上げると、リーデ・クインタール(戦闘狂+改造狂・f14086)が機械兵装を纏い飛翔していた。
「引き離せたようですね……」
 上手くいったとリーデは、ウィンディから送られてくるデータから屋敷内の状況を把握していた。
「何時も通り援護に徹しましょう……」
 このまま外からの攻撃を続けようと位置を変え、次は敵を直接狙撃しようと構えると、屋根の穴を通って鎖分銅が飛んで来た。それが足に絡まり、引き寄せられる。
「この距離と速度を捉えるなんて……想定以上の戦闘力です……」
 リーデは足に絡まった鎖を切ろうと、弾丸を叩き込む。鎖が切れて体が自由になる。だが既に幾つもの手裏剣が穴を通ってこちらに向かって迫っていた。
「まだ相手のターンのようですね……」
 真っ直ぐ飛んできた手裏剣を榴弾で撃ち落とす、そして弧を描いて飛んでくる手裏剣を左右のウェポンアームで迎撃するが、それをすり抜けて手裏剣が脇腹に食い込んだ。
「思わぬ傷を負いましたが……こちらにばかり気を使うこともできないようです……」
 屋敷内には多くの仲間が居る。そちらの相手が忙しく、こちらへの攻撃は一先ず止まっただろうと、次は空から狙撃を試みる。


「仕留め損ねたか」
 空に視線をちらりと向けた風魔小太郎がつぶやく。
「これが全サ連忍法、『困ったときの助け合い』!」
 敵が上空への攻撃をしている間に、鎖を解いて自由の身となって起き上がった修羅雪姫は、調子のいい事を言って長い舌を出して笑みを浮かべた。

「先にこちらを仕留めねばな」
 風魔小太郎は猟兵達を見渡し、掛かって来いと忍具を構える。

「近づく気はないよ、それに最初の攻撃さえ耐えきれれば!」
 初撃を耐えれば勝機があると、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は光学迷彩で身を隠し、距離を取って攻撃準備を行う。疑似刻印を浮かび上がらせ、レーザーを放つ。
「ほう、種子島で遠くから隠れて一方的に攻撃するつもりか、だがそう上手くいくかな?」
 風魔小太郎は片足で跳躍してレーザーを躱し、さらに天井を蹴り間合いを詰めてくる。そしてレーザーの出元を見てリズの居場所を把握した。
「忍者だけあって身軽だね」
 リズは次々とレーザーを撃ち込み、敵を足止めしようとするが、光の弾幕の中、着実に風魔小太郎は近づいてきた。
「ここならば、その種子島より手裏剣の方が速い」
 風魔小太郎が複数の腕で手裏剣を一斉に投げ、リズが回避できぬように狙いを散らす。

「近づく気はないって言ったよ! つまり近づかせるつもりもないってこと!」
 リズは後方へワイヤーを射出し、それを高速で巻き取って己が身体を飛ばすように移動させる。そして重力制御装置で動きを変え、手裏剣の軌道から身体の位置を調整してずらし、当たりそうなのはレーザーで撃ち落とした。空を切った手裏剣は壁や床を貫く。
「大道芸の使い手か、面白い手だが、次はない」
 手口が分かれば容易く対処できると、風魔小太郎は新たな手裏剣を手にして天井から火薬玉を落とさせ、煙幕を張った。

「気をつけてください。奇襲を仕掛けるつもりです」
 敵の動きを察知したウィンディが、仲間達に煙幕の中から攻めてくると告げる。

「煙幕で目晦ましか……有効だが、時代遅れだ。俺達サイボーグなめんなよ?」
 その程度科学技術の力で容易く無効か出来ると、光の戦士・ドーンブレイカーへ変身したアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は、右目のトリガースキャンを暗視モードに変更して警戒する。すると煙幕の中に複数の熱反応が見つかった。それらは天井や畳の下へと忍び込み、奇襲を仕掛けようとする。
「風魔忍者軍団を呼んだか、だがその動き、手に取るようにわかるぞ!」
 煙幕の中を動き、床下を動くそして足元の畳を裏返そうとした。

「よう、かくれんぼか?」
 その畳にを強引に引き剥がし、アーサーは畳で放たれる手裏剣を防ぎながら大きな槍で胸を貫いた。すると近くの忍者達も畳から飛び出そうとする。それをアーサーは畳ごと敵を貫いていく。
「これじゃかくれんぼというよりモグラ叩きだな」
 アーサーの頭上の天井から忍者が飛び出し、手裏剣を投げつけ、斬り掛かる。
「上からも来たか、だが見えていればどうってことないぜ」
 畳に槍を突き刺して持ち上げ、上に向けて盾のようにする。その畳に手裏剣が刺さり、畳ごと両断してやろうと忍者の刀が振り下ろされた。だがそこには誰も居ない。
「罠を使うのは得意でも、罠に掛けられるのは苦手みたいだな」
 回り込んだアーサーがその背中に槍を突き刺した。


「くっ、目が良いのか、我等忍びの動きについてくるとは」
 風魔小太郎はまた煙を漂わせながら飛び退く。そして先ほどからこちらの意図を呼んでいるように仲間に声をかけるウィンディへと視線を向けた。
「……こちらにも敵が仕掛けてくるようです、皆さん気をつけて!」
 目が合った事に気付き、近くに居る仲間にも注意喚起しながら、ウィンディはオーラを纏い、可変式巨大楯を構える。
「成程、まずは眼を潰すべきであったか」
 そこへ突然現れた風魔小太郎の霊たちが一斉に手裏剣を投げる。ウィンディは防御に専念して巨大楯で凌ぐ。
「霊は室内程度の距離ならどこにでも現れるようです」
 ウィンディは敵の事を観察し、情報を集めながらも、バリアを張って楯で防ぎ切れぬ攻撃を受け止める。だが楯が押し退けられて、隙が作られる。そこへ刀を薙ごうとしたところへ、天井を貫き銃弾が風魔小太郎の肩に当たった。

「ぬぅっ!?」
 攻撃を止めて風魔小太郎が離れると、次弾が先ほどまで立っていた畳に穴を開行けた。
「命中……攻撃の阻止に成功したようです……」
 その上空で狙撃したリーデは、すぐに移動を開始し、先ほどのように敵に捕捉されないように、ランダムに動き回った。


「纏めて始末してくれる。風魔忍法――死鬼封神面」
 風魔小太郎は歴代風魔小太郎の霊を大量に召喚し、一斉に攻撃を仕掛ける。
「おじさん、護りに自信があるんでねぇ」
 霊たちの手裏剣をバスティオンは正面から受け止める。大型右義腕に取り付けた大量の盾に次々と突き刺さるが、その何枚も重ねた装甲は抜けない。だが左右からも弧を描く手裏剣が飛び、動力甲冑を抉り火花が散る。
「これで終わりかね? それならその術を封じさせて貰おうかねぇ」
 この程度の傷などいつもの事だと気にせず、バスティオンはユーベルコードを発動する。すると霊たちが消え去った。
「何!?」
 風魔小太郎が驚きの声を上げて、面に手を触れた。
「これで使えなくなったねぇ。なら次はこっちの番といこうかね」
 バスティオンが大型長剣を構え、敵の注意を己に引きつけようと威圧する。
「我は百面鬼。一つ術が使えぬ程度で臆すると思ったか!」
 すぐさま切り替えた風魔小太郎は、2本の腕で手裏剣を投げながら近づき、もう2本の腕で刀と鎌を振り抜く。その連続攻撃をバスティオンは剣と盾でじっと耐える。
「それだけ腕があったら、一本や二本へし折っても構わんよね?」
 バスティオンが右義腕で鎖鎌を持つ左腕を掴む。骨が軋むような音を立て握りつぶすつもりで力を込めた。
「離せ!」
 風魔小太郎が刀で斬りつけるが、バスティオンは剣で受け、押し込む刃が肩に当たったところで止まった。


●総攻撃
「今だ皆! 撃ち込めぇっ!!」
 隙を作り出したバスティオンが仲間に向かって叫ぶ。

「では反撃開始といきましょう」
 それを待っていたクネウスがまずは先手を取る。
「GEAR:PHANTOM PAIN。マルチロック完了、バースト!」
 クネウスの身体に50を超える武器を持つ腕が接続され、一斉掃射を行い無数の弾丸が嵐のように襲い掛かる。
「守れ!」
 風魔小太郎の指示に従い、忍者達が肉の壁となる。だがその体を穴だらけにして次々と倒れ、風魔小太郎にまで弾丸が届き、仮面を砕き、身体を穿っていく。
「ぬぅんっ」
 反撃に風魔小太郎が手裏剣を投げるが、届く前に弾幕に阻まれ弾け飛んだ。
「このまま蜂の巣にします」
 クネウスの放つ逃げ場のない弾丸の雨に、風魔小太郎は地面を叩く。
「畳返し!」
 跳ね上がった畳を盾にすると、この銃弾の雨の中、まだ手を離さずにいるバスティオンを見下ろす。

「どうあっても手を離さんつもりのようだな」
 己が左腕を握り潰すように圧力を強めるバスティオンの右義腕を見て、風魔小太郎は刀を振り下ろす。その刃は掴まれていた左腕を斬り落とした。
「その腕一本くれてやろう。だから貴様の命を寄越せ!」
 風魔小太郎は刀を薙いでバスティオンの胴を斬りつける。それを咄嗟に右義腕で防ぐが、大きく傷が入った。そして間合いを開けると忍者達が間に入って妨害する。

「皆、回復だよ! 反撃の時間のためにも元気にならないとね」
 その間にリズが仲間にナノマシンを放ち、仲間達の負傷した箇所を再生してあっという間に癒していく。これで全力に近い状態で戦えるはずだと、リズもまた攻撃に加わろうと続いた。

「複合センサ展開。システム完動確認。Akashic Shaker……敵全ての動きを封じます!」
 ウィンディは両耳複合センサをアクティブモードに変形させ、周囲に振鳴波を放ち、存在因果率を揺らして意識が混濁させた。
「なんだ? 地面が揺れている……?」
 ふらりと眠気が襲ってきたように、風魔小太郎が膝をつき、配下は倒れ伏し暫くの間動けなくなる。
「一時的に敵を無力化しました。今なら邪魔は入りません」
 攻撃によって無力化が成功したと確認し、ウィンディが仲間たちに好機を告げる。

「バスティオンの旦那だけに任せるのも悪いからな。俺も手伝うとするか!」
 アーサーは槍を大型バイクへと変形させて飛び乗る。そしてアクセルを吹かし、タイヤが畳に焦げを残して急発進する。
「行くぜ、ライドラン!」
 返事をするようにバイクのエンジンが唸る。そして風魔小太郎に向けて突っ込むと、敵が横に飛んで避けた。

「俺も手伝おう。右手は無くなったが、まだ体は動くからな」
 そこへサブナが突進し、肩から体当たりを浴びせた。片足で力の入らぬ敵をよろめかせ、そのまま押し倒してしまおうとする。
「男に押し倒される趣味はない。衆道は坊主だけでやるのだな」
 風魔小太郎はサブナの腹を鎌で斬りつけ、力の緩んだところで押し退ける。
「一瞬でも俺に意識を逸らしたな」
 離れながらサブナの視線が風魔小太郎の背後に向いた。そこにはUターンして戻ってくるバイクの姿があった。

「そのような直線的な攻撃、見ずとも躱せる!」
 風魔小太郎がまた横に避けようとすると、アーサーはわざとバイクを横滑りさせ、後輪を敵にぶつけた。その瞬間、バイクの持つエネルギーが爆発を起こし、勢いよく風魔小太郎が吹き飛び床を転がる。そしてその体を光の鎖で拘束した。
「皆、トドメはカッコよく決めろよな!」
 一気に仕留めてしまえと、アーサーが仲間に振り向く。

「全サ連忍法『みんなでボコッちゃおう』よぉ!」
 イイ笑顔で修羅雪姫が巨大なリボルバー拳銃を構え、ありったけの弾を撃ち尽くす。

「今度は当ててみせるよ!」
 リズが狙い定めてレーザーを放つ。すると敵は倒れ込むようにして避けた。だが大きな動きに隙が生じる。
「外れても援護にはなるからね!」
 さらに続けて撃つと、今度は敵の左手を撃ち抜いた。手首から先が消し飛び、血が飛び散る。

「油断せずに攻撃を続けましょう」
 クネウスもとんでもない数の弾を叩き込み、敵の身体を穴だらけにしていった。

「捨て身の一撃です……」
 ここが決着の時だと、空から高速空戦形態に変身したリーデが爆発的加速を行って急降下してくる。
「体当たりだと……風魔の頭領がこの程度で倒れる訳にはいかん!」
 じっと守りを固めて耐えていた風魔小太郎はそれに気付き屋根を見上げ、光の鎖を引き千切りその場を離れんと跳躍しようとした。だがその左足をバスティオンが右義腕で掴んでいた。
「なに?」
「いいぜ! やっちまえ!」
 流星のように堕ちたリーデが敵の身体にぶち当たり、そのまま押し飛ばして地面に穴を穿つ。隕石でも落ちたようにクレーターが生まれ、風魔小太郎の身体が潰れていた。
「無念……だがまだ終わりではない、我は一人に非ず……」
 風魔小太郎の姿が幻のように薄れ消え去り、骸の海へと帰った。


●凱旋
「また蘇るのなら念仏はいらんな。それに悪党に供養など不要だ」
 サブナは消えた敵を見下ろし言い捨てる。

「おい、大丈夫か?」
 土塗れになりながらバスティオンがクレーターの中心を覗くと、そこには手足がもげたリーデの姿があった。
「大丈夫です……脳さえ無事ならば幾らでも修復できます……これを機に兵装を追加しても良いですかね?」
 自由に動けぬ体でリーデが軽口を返し、場の空気が弛緩して勝利した実感が湧く。
「でも応急処置はしておかないとね」
 リズがナノマシンを使い、倒れたままのリーデを治療する。

「しかし忍者か、アナログだが強い奴だったな」
 アーサーがこれだけの人数でもなかなか倒せなかった戦いを思い返し、これよりも強い敵がまだいるのかと想像して心を熱く燃やす。
「今回は作戦が上手くいきました。予想よりもこちらの被害は少ないです」
 敵の強さから考えれば誰か倒れてもおかしくはない戦いだったと、クネウスは勝っても冷静に状況を判断する。

「他の場所で新しい戦いが始まったようです」
 油断せずにずっと情報収集をしていたウィンディが離れた場所で猟兵達が動き出したのを確認して、そちらへ顔を向けた。
「でも私たちの戦いはここで終わりよぉ。さあ、みんなで戻りましょ」
 パンッと手を叩いて修羅雪姫が皆の注目を集め、後は他で戦っている猟兵に任せて、自分達は勝利したのだから胸を張って帰ろうと歩き出す。

 まだどこかで風魔小太郎の姿が現れているだろう。だがそれも猟兵の力によって全て倒される。
 一人だろうと百人だろうと倒してみせると、猟兵達は自信に溢れる顔で帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月10日


挿絵イラスト