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エンパイアウォー②~水晶葬列

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「こ~んなおっきい悪戯ができちゃうなんてー、な~んて楽しいんだろうね~」
 一人の少女が目の前を行き交う人達の姿を眺めながら、誰に聞かせるわけでもなしに楽しそうに語らう。
 少女の周囲に居る人達は少女が例え物騒な事を言っても生気を感じさせない、虚ろの目のままに、何も語らずいる様は、得体の知れない何かを感じさせるもであった。
「じゃあ、休憩も済んだことだし、あっちの方へ行こっか!」
 そう言って立ち上がった少女に付き従うように周りの人々、既にその生を止められた屍人を引き連れて、さらなる仲間を増やそうとするように、歩きだした。

「これって、まぁ、放っておけないってやつだよねぇ…」
 ユキメ・サリディア(バーチャルキャラクターの戦巫女・f15392)が、手にした銅鏡を眺めながら唸っていた。
「エンパイアで死者の集団、ってやつかー、これは」
 銅鏡から顔を逸らすと、人が居ることにようやく気づくユキメ。
「あ、ごめんごめん、エンパイアで戦騒ぎの一つに信長軍の策みたいのがあってね」
 どうやら、信長が召喚した魔将軍の一人が、水晶が生えた屍人を作りだしたらしいのだが、水晶を生やした屍人に噛まれると、もれなく屍人の仲間入りをしてしてしまう、というものらしい。
 、幸い、猟兵は噛まれても無事に済むらしい(噛まれたら普通に痛いけど)が、猟兵以外の人にとっては十分過ぎるほどに脅威であることに変わらず、放っておけば生物災害のごとくに襲われる人々が屍の仲間入りをしてしまう故に、放っておける類のものではないとユキメは言う。
 ただ、死者だからか、知性は無いに等しいらしく、その列を率いてる指揮官の大将さえ討ち取れれば、後はどうにでもなるそうだ。

 今回、ユキメが見た屍人の群を率いてるのは妖狐の少女であったが、この少女、すぐに隠れてしまうようで、見つけてもすぐには隠れられないようにするなどの工夫が必要かもしれないと言う。
「とはいっても、隠れられそうな場所って数だけはやたら多い屍人の中だろうけれどね」
 隠れてもすぐに見つけられるようにマーキングするなり、そもそも隠れる場所を無くすなりするのがいいかもしれない。
「それじゃあ、皆!お願いね!」


にゃんさん。
 エンパイアウォーより、奥羽での屍人戦線です。

 屍人そのものはそこまで強くないですが、噛まれたら普通にダメージを受けるぐらいには痛いですので、そこ辺は気を付けてくださいね。
 十羽一絡げに纏めて吹き飛ばせることも可能ですが、数も結構なほどに居ますので、無策での強行突破はあまりおススメしませんよ?

 ネズミ算式に増えていくゾンビの群を統率してる部大将を見つけて、その企みを阻止してくださいね。
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第1章 ボス戦 『妖狐・クズノハ』

POW   :    あなたへの嫌がらせはとっても楽しい
【殺傷力のない嫌がらせを行いながら】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    へぇ、あなたはこういうのが苦手なんだ
自身からレベルm半径内の無機物を【相手の苦手なもの、もしくは苦手な生き物】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    猟兵をやっているといつかは本当に起きるかもね
対象のユーベルコードに対し【相手にとって最愛の人物の幻影】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:亜鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は葛乃葉・やすなです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

剣堂・家留魔
私は策敵しようではないか。
敵の集まるポイントも大将が隠れるポイントも高いところから探せば容易だと考える。
「馬鹿となんとかは高いところが好きであろう??」私は馬鹿ではなく猫だがね。
使用するUC、ビッグマン・ヒップドロップは小さな私を補佐する魔法だ。私の背を代償に、二メートル程の大男を呼び出す。彼は梯子を用いた高所を取る戦法が得意だ。これにより奴らの苦手な高所(建物の二階や屋根上など)を取る。私ならこの大男に乗れるだろうから被弾の心配はないだろう。大男は猟兵ではないのでな。相手の傀儡にされる危機は避けなければいけない。
高所からの策敵に成功したら他の猟兵へ報告する。倒すのは他者に託すとしよう。



 水晶を生やす屍人の列が移動を始めた頃に、剣堂・家留魔(魔道の追求者・f04254)はその列にほど近い場所へと現れた。
「私は索敵しようではないか」
 動きだした屍人の列を止めるためにも、まずは列を統率してる者を見つけることが先だと、家留魔は索敵を優先することにしたのだった。
「敵の集まるポイントも大将が隠れるポイントも高いところから探せば容易であろう?」
 そう考えた家留魔は、まずは高いところに陣取るためにも、高所を取れる手を打ちだす。
『私にはないものは、呼び出せばいい!』
 家留魔が叫べば、その背がゆうに2メートルほどの大男が現れて、家留魔は呼び出した大男を駆け登っていく。
「馬鹿となんとかは高いところが好きであろう??…私はバカではなく猫だがね」
 大男を登っていきながら、そんなことを呟く家留魔の姿は確かに猫のようなしなやかさを魅せていた。
 そうして、家留魔が上に登りきったことを確認するように、大男が動きだすと、何処からか梯子を取りだして、近くにあった人気が失われた民家に立て掛けてその屋根へと大男が上がっていく。

 高所に陣取った家留魔と大男はそこから周囲を見回し、屍人の群と、それを統率する大将を探しはじめて…。
 数えても最低数百はいる屍人の群は特に苦労することなく見つけられ、ややあって、それを統率する者の姿も見つけだせていた。 
 今は特に隠れるようなこともすることなく、元気に歩く妖狐の少女である、クズノハの姿があったのである。
「見つけたであるよ、それじゃあ、後は頼んだのである」
 目的の人物を見つけたことを知らせた家留魔は、後は他の人達に託すような事を言うのであった。

 だがしかし、高所から見渡せば確かに見つけることが出来るものの、そのような場所に陣取るということは、相手側からも認識されやすくなる危険もあるのである。
「ん~?なぁにぃ?あれ~?」
 家留魔が辺りを見えやすい位置にいることで、相手からも見つかったらしく、家留魔が居る所を見て訝しむクズノハ。
 ややあって、楽しいこと思い付いた!と思わせる笑顔をクズノハは見せた。
「じゃあ、あの人で遊んじゃお~っと!」
 そう言い放つと、水晶屍人の数十体を家留魔の方へとけしかけたのだった。
 嫌がらせのごとくにけしかけられ水晶屍人達であるが、猟兵の家留魔にはその存在は脅威足りえず、家留魔に呼びだされた大男も高所に陣取っていたことで屍人の牙も届かずじまいのままで、上から一方的に捻られたのであった。

 そんなことになってることにも知ってか知らずか、クズノハは楽しそうな声を上げながら、まるで全てが遊びだというのように。
「えへへ~、おにさん、こちらだよっとぉ」
 かくれんぼだよー、と言わんばかりにクズノハは、水晶屍人の列の中に紛れこもうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​


 索敵したことで、この水晶屍人達を統率する大将である妖狐の少女・クズノハを見つけることが出来た。
 しかしながら、見つかったからなのか、その身を人込みに隠すように、屍人の群へと隠れようとするクズノハ。
 すぐに向かえば、屍人の多少の妨害はあれど、クズノハが隠れきってしまう前に辿り着けることだろう。
 クズノハの元に辿り着けたとしても、いまだクズノハの周囲には水晶屍人が残っている故、屍人への対処も必要かもしれないが…。
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「あれが家留魔さんが見つけた妖狐の女の子だね」
Flying Broom GTSに(騎乗)して急行するよ
【行動】()内は技能
「かくれんぼするなら逃がさないよ」
クズノハに接近しつつ(先制攻撃)でラビリント・ネプトゥノを唱えるよ
氷壁の迷宮に閉じ込めるね。出口からフィオ姉ちゃんと二手に分かれて、
屍人の群はウィザード・ミサイルで蹴散らながら進むよ。
姉弟でインカム通信しながら確実にクズノハを追い詰めていく作戦だね
「見ーつけた」
クズノハを見つけたら(高速詠唱)でイスベル・ウラーノロを叩きつけるよ
攻撃は回避されても構わないよ。足元を崩すのが狙いだからね!


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
■作戦
フォルセティと連携してUCの迷宮にクズノハ捉えて追い込んでいく
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]してクズノハに接近
弟のUCで出現した迷宮に閉じ込める。出口から二手に分かれて
迷路内を移動しクズノハの逃げ隠れする領域を狭めていく
屍人の群はウィザード・ミサイルで撃退し、インカムで連携をとりながら
位置関係を把握し確実に追い込む(地形の利用&追跡)
クズノハを発見したら弟との連携攻撃開始
「遊びここまで。もう逃がさないわよ」
弟の一撃を回避してバランスを崩したクズノハを狙い[高速詠唱]で
【フィンブルの冬】を唱え氷雪の竜巻でダメージを与える



 家留魔の索敵によって、統率してる者、クズノハの位置を特定したことで、それぞれがFlying Broom GTSとFlying Broom GTR ―『空飛ぶ箒』と名付けられたバイクに跨って駆けていくフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)の姉弟の2人。
「あれが家留魔さんが見つけた妖狐の女の子だね」
「そうね、それじゃあ、作戦通りによ」
 バイクを疾駆させて急行すれば、ちょうど、屍人の群の中に隠れようとしてるクズノハの元へと辿り着いた。
 そんなことをさせないと言わんばかりに、クズノハの周囲の屍人を2人示し合わせたように、ウィザード・ミサイルで吹き飛ばす。
「ちょっと、何するのー!!って…、えー!?ち、ちょっと、速くないー!?」
 隠れ蓑に使えそうな物がクズノハの周囲から一時無くされたことと、思っていた以上に自分の側に近寄られてしまったことが誤算だったのか、クズノハは2人の前で慌ててしまい、フォルセティの行動に気づけなくなっていた。
「かくれんぼするなら逃がさないよ」
 フォルセティはそう宣言し、クズノハを閉じ込める術をその口より紡ぐ。
『凍結を抱きし冷雪の英霊よ。彼の者に封縛の柩を捧げよ』
 フォルセティの詠唱が終わると同時に、視界を遮るほどの濃い霧が辺りに充満して、次いで、寒々しい氷壁が辺りにそびえ立って、その氷壁によって迷路を作りだした。
 ここに来て、クズノハは自分の置かれた状況にようやく気づくも、既に手遅れの状態であったのだ。
「何これー…、なんだかすっごく寒い…」
 絶対零度の氷壁の肌寒さと、濃い霧の中で、ある意味隠れるということには成功しているクズノハだが、それは自分の手の内のことではなく、相手の術中によるものであることに、クズノハは不安を覚えていた。

 そんなクズノハの胸中を構うことなく、フィオリナは出口から、フォルセティは入口より、迷路へと入っていき、クズノハの元へとその歩を進めていく。
「お姉ちゃん、そっちはどうなの?」
「こっちも今入ったわ…、あっと、屍人も幾らか巻き込んだのね」
「数は多かったし、巻き込まない方が難しいでしょ」
 インカムでやり取りをしながら、迷路を進んでいくと、迷路を作りだした時に巻きこんだ水晶屍人もそれ何の数を見つけたが、視界の効かない霧の中では、ただ佇んで居るだけのようなので、姉弟は容赦なく蹴散らしていく。

「確か…、クズノハはどの辺りにいたでしょう…?」
 クズノハがどの辺りに居たのかを思い出しながら、クズノハが居そうな位置を割りだしながらも、視界の効かない霧と氷の迷路をしっかりと進んでいくフィオリナ。
「えっと…、こっちの方だねー」
 迷路の製作者だからか、迷いなく進んでいくフォルセティ。 
 2人は確かに、クズノハも元へと向かっているのであった。

 2人が迷路を進みながら、時に通路上にいる屍人を蹴散らしていたころ。
「うひゃっふ!?」
 迷路の何処からか聞こえる何かが爆ぜるような音にビクリと身を掬わせるクズノハ、ただ歩を進めるのに邪魔な屍人を蹴散らしていただけであるが、それが意外にも、クズノハへの精神的な攻めになっていたようである。
「なんなのぉ…、もうやだぁ…」
 濃い霧で五感の内の視覚がまともに使えない、聴覚からは何処からか不規則に聞こえる音、さらには氷の迷路ゆえに肌寒さを感じるで、クズノハは恐怖感が増やされて、目元に涙が浮かび始めていた。

「そろそろクズノハが居る場所よね?」
「ちょっと待って…、うん、見つけたから先に行くよ」
 姉弟がクズノハのすぐの場所まで近づいたことを互いに確認すると、先にフォルセティがクズノハの元へと向かう。

 クズノハが不安と恐怖感を覚えてる中で、カツリ、と聞こえて音のした方へクズノハが顔を向けると、霧の中に人影が蠢いてるのを見つけて…。
「見ーつけた」
 霧の中から姿を現したフォルセティがクズノハへと声をかける。
「ふぎゃああああああっ!!」
 恐怖感を煽られていた時にかけられた言葉に、クズノハは恐怖の堰が切れたように叫ぶのであった。
 偶然にも恐怖演出のようになったことは、フォルセティが意図したわけでもないだろうが、結果として、クズノハに何かを仕掛ける余裕を無くさせていたのだが。
(えっと…?なんで叫んだのでしょう…?)
 そんなことになっていることも知らずに、近くで身を隠したままのフィオリナは、なぜクズノハが叫んだのか分らず、そしてフォルセティも、クズノハが叫んだ理由も分らないままに、隙をさらしているからと、強大な魔力を秘めた箒を掲げた。
『星霜纏いし冷厳の天王。黄天より招くは無窮の霊氷』
 フォルセティが高速で詠唱をして召喚した氷塊を、いまだにパニックの収まらないクズノハの上から落としたのだった。
「ふえ…」
 色々な疲労からか、よろけるクズノハの目の前に氷塊が落ちて氷塊の直撃は避けたようであったのだが、それでもその余波は容赦なくクズノハの体勢を崩させた。
『氷の檻に閉じ込めてあげる。氷結へ導け、黄昏の吹雪よ!』
 しかし、避けられるのも織り込み済みと証明するように、フォルセティとは別の方向から唱えられた詠唱によって発生した竜巻に体勢の崩れたクズノハは為す術もなく飲みこまれた。
 竜巻を発生された方のそこには、光り輝く白銀のドレス姿をしたフィオリナの姿があった。

 クズノハを飲みこんだ竜巻が晴れると同時に氷の迷路も消えて行くと、そこにはボロボロなクズノハの姿があった。
「あぁあんなことしてぇ…怒ったんんだからねぇぇ…!」
 フィオリナが放った竜巻の中が凍てつく氷雪でかじかんだからなのか、それとも、フォルセティの迷路での出来事が原因かはわからないが、クズノハの呂律が回らなくなったようだ。
 呂律が回らなくなったとはいえ、言っている内容は勇ましい物であったが、涙目に女の子座りをしたままでの発言だったので、それが虚勢を張るようなものであったとしか思えないものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 散々な目に遭いました思わせる恰好をした、クズノハの周りでは、水晶屍人のかなりの数が巻き込まれ、蹴散らされたことで、ぽっかりと空いたような空間が出きている。
 クズノハは隠れようとしても、周りには誰も、そして、何もなくなっているために、ここからならば純粋な実力勝負ということになるかもしれない。
ドゥルール・ブラッドティアーズ
【グロ描写NG・POW】
涙目に女の子座り……可愛い❤
怖い目に遭ったのね。私が慰めてアゲル♪

屍人が居ないのは幸いね。
たっぷり愛撫して……ひゃんっ❤
避けられて、逆に変なとこ触られたわ!?

やっ❤ あんっ❤
私からも愛してあげたいのに
焦らしプレイだなんて!!

『欲望開放』で一糸纏わぬ女神の姿に。
愛欲に比例した戦闘力増強と
最大4700km/hの速度で【空中戦】が可能!

動きを読もうが
音速を超えた私からは逃げられない。
抱きしめて上空に連れ去るわ

赦して下さい?
いいや、限界よ。襲うねッ!!

上空で【吸血】しつつ【呪詛】を注いで弱らせ
耳や尻尾を愛撫しながら
猫のように全身を擦りつけ【生命力吸収】
私の愛と快楽に溺れなさい❤



「怖い目に遭ったのね。私が慰めてアゲル♪」
 目に涙を浮かべて女の子座りしているクズノハへ、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が優しく語りかけながら近寄っていった。
「ひぅっ!」
 ただ、クズノハは本能が警鐘を鳴らしたのか、優しくしてくれそうなドゥルールに対して思わず悲鳴を上げた。
 実際、ドゥルールは、涙目で女の子座りをしてるクズノハに可愛いと思いつつも、邪な想いを抱いていたようだけど。

 ドゥルールに警戒するクズノハをまずは置いておいて、周囲を見回すドゥルール。
「邪魔してきそうな屍人が居なくなってるのは幸いね…たっぷりと可愛がってあげますわ♥」
 そうやって周囲を見渡すと、すぐには邪魔されるようなことはないだろうと、視線をクズノハに戻して、ドゥルールはクズノハへと近寄っていく。
「やだぁ!来ないでぇ!」
「ひゃんっ♥」
 近づいてくるドゥルールを突き飛ばすように両腕を前に伸ばすと、ふにゅん、となにか柔らかい所に当たり、その感触に腕が何に当たったのかと、クズノハが恐る恐るとしながら見てみると、伸ばした腕の先はドゥルールの豊かで大きい胸をまるで鷲掴みする様に伸びていた。
(あれなんでわたしむねつかんで、てかこれすごくやわらかー)
 この状況には、クズノハも思考が飛んで行ってしまったらしく、柔らかいと感じたままに手を動かすと、その手で包んだ所がふにょんふにょんと、形を変える様をほけっとした顔で見ていた。
「やっ♥あんっ♥私からも愛してあげたいのに、焦らしプレイだなんて!!」
 ドゥルールから叫ぶような台詞に、ようやく、自分が何をしていたのかを覚えたクズノハは、思わず腕を引っ込めた。
 だがしかし、手を放すには既に遅かったらしく、ドゥルールを燃え上がらせるのに十分であったようである。
『ありのままの私を見せてあげる!』
「ふぇええええーー!?」
 欲望を燃え上がらせた解放するために叫ぶと、ドゥルールが身に纏っていた衣服が消え去り、そこには舞い散る月下香の花弁を纏うドゥルールの姿(アウト部分はかろうじて花弁で隠されていた)があり、その姿を間近…、目の前で見せられたクズノハは驚く声しか上げられなかった。
 そんなクズノハの驚く声を無視するようにドゥルールがクズノハに抱き着くと、浚うように空へと飛び立っていく。
「ふぇええええーー!?」
 先程から、ドゥルールの行動を予想しようにも、そのあまりにも自由過ぎる境地から起こる行動が予想外過ぎて同じような叫びを上げるだけになってしまい、クズノハは為す術もなく、お空へと連れていかれたのであった。

 遥か上空に辿り着くと、早速とばかりにドゥルールはクズノハの衣服に手をかけて、一枚一枚と、無防備な姿へと変えていく。
「こんなとこにぃ!?何する気なのー!やめてー!?」
 空中で戦える術を知る者とそれを知らぬ者の攻防は一方的で、はらりはらりと、空から布が舞落ちていき、早々にクズノハは最後の一枚だけの姿にされていた。
「お願い!これだけは赦して!!」
 最後の一枚は死守しなきゃ!と、がっしりと抑えて泣きながら懇願するクズノハに、その最後の一枚からドゥルールの手が引かれると、クズノハは助かったと安心したのだが…。

 懇願したクズノハにドゥルールは優しい笑みを浮かべて。
「赦して下さい?」
 ただ、浮かべた笑みには不穏さしかなかったのだ。
「いいや、限界よ。襲うねッ!!」
 ドゥルールの手が音速で動き、クズノハの最後の一枚に手をかけると、ビリィッと音を立てて崩れていった。
「あぁーーーっ!!?」
 これによって、クズノハはドゥルールと同じ何も纏わぬ姿となり、恥ずかしさを感じる間もなくドゥルールに抱き寄せられたかと思うと、ピリッと身体に何がが突き破って侵入されて、そこから、赤の色を吸われて、そして身体を蝕む何かが与えられているような気がしたのだった。
「ふぇあぁぁ…?なにこれぇ♥私、変になっちゃ…」
 密着するほどに抱き寄せられたことで、お互いの身体の一部と一部が擦れあって、クズノハは自分の身体からむず痒いような感覚を感じ始めて、いつしか艶のある声を上げていたことに気づく。
「やぁ♥あぁん♥耳触っちゃ…あ♥尻尾はもっとダメなのにぃ♥」
 クズノハを可愛がりながらも、その耳と尻尾にも手の伸ばすドゥルール、それに対して、クズノハは拒絶の声を出すが、その意志は薄いものでしかなかった。

 辺りに遮るような物もない空の上で、痴態を晒していることにクズノハは羞恥を感じていたが、ドゥルールはクズノハの羞恥心を煽る様に全身を擦りつけてクズノハの身体を堪能しながらも、自身を感じさせていた。
「私の愛と快楽に溺れなさい❤」
「あっ♥もう…、ダメ…、ふあぁあああ♥」
 ドゥルールの責めに限界を超えたのか、クズノハは一際大きな声を上げてぐったりとして身体をドゥルールに預けたのであったが、ドゥルールは今だ満足してなかったらしい。
「あら、もう終わっちゃうの?まだまだ、これからなのよ?」
「あぁ…、あ…、やめ、て…」
 息も絶え絶えになって、そのドゥルールの言葉にピクッと震えて弱弱しい声で返すが、抵抗はそれまでであった。

 空の上で行われる愛欲の宴は、ドゥルールが満足するまで続き、終わった頃には責められ続けていたクズノハの瞳からは光が失われていた。
「ごめんなさいごめんなさい、赦し…、赦してください、もう、もう、やだぁ…」
 色々な意味で吸い尽くされたクズノハは、瞳から光が消えた、虚ろな目でぶつぶつと呟き続けており、その様は誰がどう見ても正気を完全に失っているようで、倒されたオブリビオンの常として、その姿が消えていくのも時間の問題だと思える姿でしかなかった。

 ややあって、クズノハの姿が消え去り、残った水晶屍人達も、統率する者が居なくなれば、もはや烏合とも言えない集団でしかなく、猟兵でもないものでも対処できるであろうから、後始末はこの世界の武士に任せればいいだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月08日


挿絵イラスト