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初詣の願い事

#UDCアース

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#UDCアース


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『サクらん、初詣行った?』
『行ってない。初商手当が大きいからずっとバイトしてた。あおちゃんはどっか行ったの?』
『まだ。そしたらさ、一緒にここ着いてきてくれない? すごい御利益あるんだって』
 メッセージアプリを通して友人の葵から桜に送られてきたURLには、辺鄙な田舎にある小さな神社の地図と画像、口コミによる絶賛がまとめられた記事が掲載されていた。
 曰く、交通安全と縁結びのお守りを買った帰りに車に轢かれそうになったけどイケメンが助けてくれてそのまま付き合う事になったとか。
 曰く、ここで初詣をした翌日に商店街の福引で特賞ヨーロッパ周遊ツアーを当ててさらに旅行先のカジノで超勝ちしたとか。
 日ごろから信心深くはない桜は、怪しすぎて神社の自演かもしれないけど、そこまでヤバイなら一度実物を見てみたいと興味が湧いた。
 騙されやすい性格の葵だって、たぶん半信半疑で、桜と遊びに行く口実が欲しかっただけなのだ。
『じゃあ、次の金曜はバイト入れてないから、その日でどう?』
『OK! いつもの駅前で待ち合わせしよ』

 彼女たちは知らない。
 その神社は実は神社ではなく、祀られているのは紛れもない邪神で、信仰を集めてこの世界に降臨しようとしているのだ。


「初詣を知っているか」
 グリモア猟兵のミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)が、集まった猟兵たちに質問を投げかける。
「UDCアース世界の日本における普遍的な行事のひとつで、年が明けてから初めて神社に参拝することを初詣と言って特別なものとしているようだ。別に翌月だろうといつ行っても良いのだが、他の習慣と混じったり業界の思惑やマナー講師の下らん忠告で七日以内に行けともいわれているらしいな」
 この辺はどうでもいいが、と前置きしつつ、ミロは説明を続ける。
「その機会に便乗して、信仰を集めようとする邪神がいる。お前達に向かってもらうのはその一派の討伐だ」
 ミロの予知情報によると、対象の神社は片田舎の一般的な龍神社に偽装しているが、一部のご近所さんも含めてUDCに関係しているらしい。
「まずは正当な神社でないことを示し、噂に釣られてやってきた一般人を退避させる。そうすれば妨害を受けるだろうが、そこは何とか片付けろ。最後に降臨する邪神だが、信仰を集められなかった状態でなら十分に勝ち目はある」
 吊り篭を揺らしながら、ミロは続ける。
「希望を絶望に変えてはならない。邪神は殺せ」


みづかぜ
 みなさんこんにちは、みづかぜです。初めましての方は初めまして。オープニングをご覧いただき、ありがとうございます。
 微力ではありますが全力で猟兵の皆様の冒険をお手伝いする所存でございますので、宜しくお願い致します。

●第一章について
 何がおかしいのか具体的にOPでは触れていませんが、実はほとんど何も決まっていません。
「これが証拠だ!」みたいな根拠は皆様のプレイング内で提示されたものを使うなど、プレイングを頂いてから考えようと思っていますので、ギャグ寄りになるかシリアス寄りになるかも定かではありません。
 闇鍋状態ですがこれが第六猟兵の美味しいところと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。
 二章、三章は戦闘になりますので、それなりにいつも通りです。
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第1章 冒険 『新年の初詣は邪神神社へ』

POW   :    強引に祀られている邪神の本尊へ押し入り、本尊を暴く。初詣客を強引に追い払う、退去させる等

SPD   :    境内や本殿の奧に忍び込み、この神社が邪神信仰の神社である証拠、証言を得る

WIZ   :    噂の真偽を暴いたり、外観の違いや通常の神社との差異からこの神社が普通の神社では無いという指摘をする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

浜栗・あさみ
【POW:強引に祀られている邪神の本尊へ押し入り、本尊を暴く。】

ふ~ん?恋愛にもご利益あんだ?
イケメンが?助けて?付きあった??
ふ~~~ん???

……まじすごいんですけど!!(大声絶叫)
ここはあたしもS先輩と恋愛成就お願いしなくちゃ!

なむなむなむっと。

(ぷるるる~)
あ、早速、先輩からLINEだ!
なになに?え、彼女ができた………?

うおおおおおおおおい!このインチキ神様がぁあああああ!!!!!(強引に本尊へ押し入っていく)


※アドリブ歓迎・NGありません


シラ・クロア
初詣は知っているけど……ふふ、なかなか世を知ったる辛辣な紹介ね、グリモア猟兵さん。
いいわ、まずは参拝客を退避させればいいのね。
過ぎたるは猶及ばざるが如し――幸運に思えてもそれが身に余り過ぎているのなら、実のところ害だったりするものよ。

普通の神社と違っても、だからこそ御利益が!っていう思考になりそうだから……明らかに不吉な場所アピールでもしましょうか。フルートを奏でて鴉を大量に集め、神社内外で不吉に鳴かせるわ。思わぬ幸運は餌、対価はあなたの命。そんな印象付け。黒猫に威嚇もお願いしようかしら。動物の反応って本能的な危機感に訴えるでしょう。
他の猟兵さん達の手立てと相俟って、上手く人払いできますよう。


神計・紅牙
やれやれ、この世界の日の本にも平穏を乱す輩がおるようだな。
しかも神社を隠れ蓑など信心もなにもあったものではないな
ここは我自ら暴き立てしてやろうぞ。

と、いうわけで【WIZ】で調査だ。
観光客を装い神社の者に話を聞いていこうかの
「このような田舎にあれどご利益も確かと聞く、さぞ歴史のある神社であろう?」とな
まさか由来も何もないどころか新築同然という事はなかろう? なあ?

狛犬もさぞ逸話がありそうな風貌ではないか。
もっとも、まっとうな形をしておれば、であるが。

指摘は周りにも聞こえるように大きな声で言ってやろう。
元より嫌がらせだしな。いやー心苦しいのう(棒読み




 首都圏からのびる電車の駅から神社参拝のためにわざわざ直行バスが運行しているということもあり、境内へと続く参道は人にあふれていた。
「らっしゃいらっしゃい、お兄さん、焼きそば美味いよ、フランクフルトもあるよ」
 焼きそばのテキ屋が声をかけたのは、神計・紅牙(ヤドリガミの陰陽師・f01140)だ。神社を隠れ蓑にするという不届きに、自ら暴き立てしてやろうと名乗り出たヤドリガミ――紛うことなき日ノ本の神である。
「このような田舎にあれどご利益も確かと聞く、さぞ歴史のある神社であろう?」
 早速とばかりに、紅牙は関係者の話を聞こうとネタを振る。
「さあねぇ、俺ん所はたまたま同業から出店の話を持ちかけられただけで、あまりそういう話は聞いてないな」
「なるほど。お隣の御主人も同様であるか?」
「うちもここは初めてだ。ネットで人気が出たけど飲食店が近所に無いからって依頼を見つけてさ」
 和牛串焼きのテキ屋の主人が、紅牙に更なるヒントを与えてゆく。
「まさか由来も何もないどころか新築同然という事はなかろう? なあ?」
 周りに聞こえるように、紅牙はわざと大声を上げて質問する。
「由来は分からんけど、案外新しいかもしれないね。小さな神社っていうから最悪自前のタンク給水のつもりで下見に来たら真新しい水道が通っていて、こりゃあ頼もしいと思ったもんだ」
 衛生管理はとてもしっかりしてるよ、という串焼き屋の善意による情報は、紅牙の推測を確信へと変えていった。
 飯は帰り道に買っていくから、と約束をして紅牙は境内へと向かう。
 恐らくこの約束は果たせないのだが、一般人への損失はUDC組織が補うことになっている。いわゆる、『このあとスタッフが美味しく頂きました』の状況が予測された。

 境内では、浜栗・あさみ(最強女子高生(自称)・f01376)が手水舎で手と口のお清めをしていた。そしてわざと大袈裟に独り言を漏らす。
「ふ~ん?恋愛にもご利益あんだ? イケメンが?助けて?付きあった?? ふ~~~ん???」
 あさみと同じぐらいの歳と思われる女子もいて、柄杓で水を流しながら期待に胸を寄せているのか、恋愛話に余念がない。
「いま三股かけてるんだけど、ここでお願いしたらバレないで済むかなー?」
「ヤバいでしょ、せめて二股にしなよ」
 穢れが移る、とふざけ半分に柄杓で水をかけあう女子達を横目に、あさみは手水の出処の龍神像が全く古くないことに着目していた。人感センサーで水勢が制御され、手を乾かすための温風まで出ている。手に持つ玉からは感染症予防にアルコール噴霧の機能まである。やだこれ最新式。
 謎のおもてなし力の高さに、思わず大声が出る。
「……まじすごいんですけど!!」

「過ぎたるは猶及ばざるが如し――幸運に思えてもそれが身に余り過ぎているのなら、実のところ害だったりするものよ」
 愛読書で世界をよく知るシラ・クロア(夜を纏う黒羽のフェアリー・f05958)は、拝殿近くの茂みで参拝客を退避させる機会を伺っていた。
 浮かれた参拝客たちの身を案じながら、警告の準備を行うためにビーストマスターの能力で動物たちに協力を呼びかける。
 もとより田舎。鴉たちはそれなりの数がいて、猫は黒猫だけでなく三毛や斑も集まってきた。

「しかしこの狛犬、さぞ逸話がありそうな風貌ではないか。そちらの奥様は何かご存じか?」
「そういえば……変わってますわね。地元の人は何か知ってるのかしら?」
 紅牙から気さくに話しかけられた中年の婦人は目先の願い事に夢中で気がついていなかったが、彼女の隣にある狛犬は何だか不思議な形をしている。クルクルしたたてがみの部分以外も無数の触手で形作られたような、彫りの多い構造だった。心なしか、目つきも獲物を探す猟犬のように鋭い。
「よく見ると気味が悪いですね……」
「一体いかなる狛犬なのか、知る人はおらぬかのう?」
 大きな声で呼びかけるように世間話をすると、野次馬も集まってきた。
 社務所の巫女は、虚ろな目でその様子を見てざわついている。

「S先輩と恋愛成就出来ますように!」
 なむなむなむ、とお寺さんに参るように手を合わせて、あさみがお願いごとをする。ここは一応神社ではあるが、そもそも神仏を分離したのが明治維新からの政府都合なのでセーフだ。マナーなど信心の前には無用、神仏習合こそ歴史ある伝統の形、いいぞもっとやれ。
――ファソドファソシソラレファソド♪
 特定アプリのユーザーにはおなじみの着信音がすると、拝殿前に居た何人かが自分のものかとスマホを取り出す。
 当たりスマホの持ち主はあさみであった。
「あっ先輩! 今ちょうど先輩の事を考えてたんですけど……なになに? え、彼女が、でき、た…………?」
 オーバーアクション気味に、唖然とするあさみ。
 丁度折よく、シラが呼び寄せた鴉たちが音を立て勢いよく羽ばたいて、めいめいにカァカァと不吉な鳴き声を上げる。
 思わぬ幸運は餌、対価はあなたの命。そう言わんばかりに拝殿の屋根へとまると、堂々と咥えた生肉を啄んでみせた。ちなみに、たまたまテキ屋の和牛串が焼く前に落としたか何かで捨てられていたのを上手い事くすねてきたのが一羽居ただけで、人肉ではない。
 黒猫も負けじと参拝客の前を横切りまくり、フシャーと威嚇をする。シラのお願いした通りにやっているだけのはずだが、ガチでお肉を抜け駆けしてゲットしたことに嫉妬しているようにも見える。真実は猫のみぞ知る。黒くない猫たちも、物陰から不気味な声でにゃああああんと鳴いてみせるのであった。
「おお、くわばら、くわばら」
 紅牙が大袈裟に驚いてみせると、参拝客もあまりにホラーな場面に引き始めた。
「この神社、大丈夫かな……」
「うおおおおおおおおい! このインチキ神様がぁあああああ!!!!!」
 最大の被害者であるあさみが殴り込みをかけようと、隙だらけの前動作で拳を振り回しながら本殿へ向かう。
 そんなあさみを虚ろな目の巫女たちが数人がかりで取り押さえ、何とかその場を取り繕うのであった。

 尚、駅へ向かう帰りのバスはUDC組織によって増発されていて、屋台を撤収させるための大型トラックも集結している。
 参拝を終えたか、あるいは断念した客を迅速に退避させる準備や情報操作といったサポートも整いつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エリク・セブンスヒル
【SPD】
本殿の前が騒がしくて、注目を集めている隙に人目につかないようにひっそりと本殿にお邪魔します。
名状し難い……というか、只の邪神像に見えるものを発見できれば幸いですが。
もっとアブナイものを見つけてしますかもしれませんね。
あまり深入りしないで、【逃げ足】でサクッと逃げましょう。




 猟兵たちが注目を集めてざわつく拝殿前の様子をよそに、大胆にも本殿へ忍び込む影が一つ。探索者でもあり、シーフでもあるエリク・セブンスヒル(人間の探索者・f03837)が自前の技能を存分に活かしてひっそりと内部へ入り込む。
(名状し難い……というか、只の邪神像に見えるものを発見できれば幸いですが)
 新築の、良い檜と新しい畳のイグサの香りがする秘された本殿。
 この時期なら普通の神社は酒や米、乾物などを供えていて然るべきだが、そういった品は見当たらない。
 代わりに、半透明のどろどろとした、液体が凝固する途中のような物体が盃のような容器に満たされている。
 近づいて覗き込めばそれはまるで水揚げされた蛸のように蠢いていて、表面は赤や黒へと呼吸をするように色を変える。
 御神体を祀る祭壇の御扉は閉じられたままだが、その禍々しさたるや、ろくなものではない事が感じられた。
 深入りは危険だ。
 そう判断したエリクが証拠として供物を撮影して本殿を出ると、虚ろな目をした巫女たちが猟兵を確保している場面に出くわす。
「その手は……人間ではありませんね?」
 社務所で縁起物を取り扱う際は鬘と手袋も活用して誤魔化していたが、力仕事をする際に注意が散漫になったのだろう。
 今はブラックタールのように、精密さが不十分な造形をしている。
「お前は……『あの子』を見てしまった?」
「捕えろ、逃がすな」
 溶けかかったような体の巫女たちが本性を現し、続々と集まってきた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『泥人』

POW   :    痛いのはやめてくださいぃ…………
見えない【透明な体組織 】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    悪いことはダメです!!
【空回る正義感 】【空回る責任感】【悪人の嘘を真に受けた純粋さ】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    誰か助けて!!
戦闘用の、自身と同じ強さの【お友達 】と【ご近所さん】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「警察です! 通報がありましたので念の為避難をお願いします。ただちに危険はありません、落ち着いてお戻りください」
 UDC組織の協力でパトカーに偽装した車がサイレンを鳴らして神社に乗り付け、不吉な証拠を見てもまだ残っていた一般人の避難誘導を始めた。
 表向きは不発弾の処理、ということで業務を進めているが、これは戦場の整地だ。

「私たちの神様を、呼ぶんです。止めないでください」
「今は叶わない願い事でも、神様さえ来れば、叶うんです」
 通報などなかった、いたずらだと、言い訳を重ねる巫女たち。
 しかし最後まで野次馬根性で残っていた一般人も、猟兵が画像で見せた本殿の異様な光景を見て一目散に逃げ出す。
 残るは一般人を装って訪れていた猟兵のみ。

「私たちの願い事を邪魔する者は……」
「殺して供物にしてやる!」
シラ・クロア
半透明でどろどろしているそれが本体のようだけど……一応巫女を装っていたわけだし、新年だし、それらしく、こう……こちらとしては世の中を分かりやすく清浄にするような戦い方をしたいわ。
さっき鴉を集めて不吉さを演出した私の言うセリフではない気もするけれど気にしないで。
舞いながら【天上の鎮魂歌】で幾つもの浄化の炎を周囲に生み出し、泥人の集まり具合に合わせて炎を合体させながら攻撃を。
ほら、左義長とか、どんど焼きとか、あるんでしょう? この世界には。だからそういう火祭りよ、これは。きっと。
反撃は第六感や見切りによる回避か、炎で相殺。場合によってオーラ防御。
残念ながら、あなた達の願い事は叶えてあげられないわ。


エリク・セブンスヒル
【SPD】
「なんかわちゃわちゃしてきましたね」
攻撃に当たらないように回避を重視しつつ、愛用の短剣でダメージを与えていく。
【盗み攻撃】で危険な武器は奪ってしまいましょう。
「その神様は来ても願い事は叶わないと思いますけどねぇ」



「なんかわちゃわちゃしてきましたね」
 集まってきた巫女、いや、泥人たちを前に、エリクが淡々と所感を述べる。
 これらが本物の巫女ならば正月から縁起が良いところだが、人間の信仰を得るべくファッションとして千早に袖を通しているに過ぎない泥人たちは、ただずらりとそこに並ぶだけの魔物だ。
「悪いことはダメです!」
 正しき信仰は我等ににあり、と言わんばかりに泥人たちが己の正義感と責任感、純真さでもって身体能力を強化する。
「罰当たりはそちらだと思いますけどね」
 エリクは降りかかる泥の手を短剣で払いながら、凶器となり得る採り物を器用に奪ってみせた。
「そんな事ない、そんな訳ない! ――うああっ」
 強化の反動で流動性のある身体を激しく蕩けさ、呪縛に悶えながらも、泥人たちは猟兵たちへの攻撃を止めない。
「新年だし、それらしく、こう……世の中を分かりやすく清浄にしましょう」
 さっき鴉を集めて不吉さを演出した私の言うセリフではない気もするけれど――と心中で軽く自嘲して、シラがフルートをひと吹きすると忽ち周囲に澄んだ空気が冴えわたる。
「浄き焔に包まれ、自ずから魂安らぐ時は今――」
 響いた調律の音を追うように、天上の鎮魂歌を謡う。
 神楽のようにしゃなりしゃなり。シラが舞うと、鎮魂の炎が周囲に伝い咲く。
「あれ、痛く、なくなった……?」
 浄化の炎は、泥人の呪縛をも解いてゆく。
「騙されたらダメ、私達の神様以外は全部外法なの!」
「誰か、助けて!」
 泥人は近隣に棲みついた仲間を呼び、数を増やす。
 普通の人間と変わらない冬物の衣類を着ていて、それはこの場所を長い時間をかけて信仰の地として祀り上げようとしていた仲間であることが察せられた。
「人間たちだって、龍神様なら、と有り難がっていたわ」
「私達は良いことをしているの!」
 良いこと、と言いながらも体組織を触手のように伸ばしながらの攻撃を止めない。
「一応巫女さんの格好をしていると、少し気が引けるのだけど」
 シラは器用に泥を躱しながら、浄化の炎で泥人を巻く。
「ほら、左義長とか、どんど焼きとか、あるんでしょう? この世界には。だからそういう火祭りよ、これは。きっと」
 穢れを濯ぐように、湿り気を飛ばして泥を焼き固める。
 エリクが短剣で固まった個所を斬りつけると、泥人の体はそこから割れるように砕けて壊れてゆく。
「神様、私達は何でも――」
 悲痛な叫びは、最後まで紡がれなかった。
「その神様は来ても願い事は叶わないと思いますけどねぇ」
 グリモアの導きで、誰が騙されているのかを知っている猟兵たちの信念は揺るがない。
 短剣で切られた腕を無理やり接着して振り回す泥人もまた、自分達を導く神への信仰を諦めない。
「皆で幸せになる、それは誰もが願う事ではありませんか!?」
「残念ながら、あなた達の願い事は叶えてあげられないわ」
 オブリビオンと成ったモノとそうでない者は相容れない。それは世界の必定。
 炎に焼かれた泥人は、一体、また一体と、その体を砕かれて土に還っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

井艸・与
あんたらの言うところの神様は、俺にとっては見過ごせない存在なんでね
そう易々と呼び出させるわけにはいかねえな

相手の人数が増えるのは厄介だが、本体が傷を受けると解除されるんなら本体を狙っていきたいとこだな
【マヒ攻撃】でお友達とご近所さんをけん制して動きを阻害しつつ、相手の隙をうかがうぜ
相手の動きをよく見つつ、回避できる攻撃は【見切り】で回避に努めて立ち回る
俺の銃は近距離から遠距離まで対応できるから、相手の様子を見つつ距離を取って動こうか
相手の本体を狙う隙ができたら、影の追跡者の召喚を本体に叩き込んで【傷口をえぐる】ぜ
相手が逃げようとも必ず追跡して一撃を食らわせる



 現代地球の落ち着いたイメージの流行服に身を包み、手袋をしっかりはめた青年が境内を横切る。
 一般人が避難してしまった今、彼――井艸・与(人間のUDCエージェント・f03832)は参拝客ではなく、猟兵だ。
「あんたらの言うところの神様は、俺にとっては見過ごせない存在なんでね。そう易々と呼び出させるわけにはいかねえな」
 与の人生は、邪神に運命を狂わされた。報復にも似た感情が彼を動かす。
「誰か! 誰か!」
 更に仲間を呼ぼうとする泥人に対して、与はまず先に呼び出されていた泥人に光線銃を撃つ。
「この程度……あれ?」
 光線は泥人の表面を照らした程度で何の損傷もなかった。
 だが、照らされた部分の体組織から感覚が失われ、周囲がぼんやりとして思うように動かない。
「痛いだけじゃ攻撃じゃないぜ」
 与のマヒ攻撃によって泥人は痺れを受けていたのだ。
「私達は、動く部分だけでも生きられるの!」
 透明な体組織を放つが、麻痺によって身体の一部が動かない以上、その量は少ない。与に見切られて、あえなく玉砂利に塗れた。
「らしくもない装束で巫女気取り、か」
 与が距離を取って戦況を見遣ると、麻痺ではなく召喚によって戦えなくなっている泥人は祈りを捧げるように手を組んで戦場から離れようとしていた。
「やらせないんだから」
 祈る泥人へ攻撃させないよう、冬服の泥人が銃の射線を遮るように与の前に集まる。
 だが、幾人かはそのまま溶けるように消えた。巫女服の泥人は腹部に相当する部位を抑え、苦しそうにしている。
「どうして……」
 それは与の影の追跡者(シャドウチェイサー)が巫女服の泥人を追い、僅かな傷を与えたからだった。
「卑怯です、悪いことはダメです!」
 残っている泥人達は怒りで己を強化するが、再び代償の苦しみを受けている。
 引導を渡してやるのが、せめてもの救いだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

星蝕・焉夜
【POW】
「UDCは神などではない……
お前達がやろうとしているのは縋る為の紛い物の呼び出しにすぎん……
UDCの印象が悪くなる前に潰させてもらうぞ……」

左腕に鮮血を纏わせ武器の形状へと変化させていく
今回は棒術も可能な十字架の杖へと

『我(わたし)が出よう。
我(わたし)を置いて神を騙るその愚行を正そう』
「分かった、無理はするなよ…『黎明』」
『言われるまでもない。
我、終焉よりランタンを燃やし救済する者也』

動きを見切り、死角から薙ぎ払い、ギリギリまで引きつけた捨て身の一撃を与えていく
(ブラッド・ガイスト)


アドリブ歓迎



「UDCは神などではない……。お前達がやろうとしているのは縋る為の紛い物の呼び出しに過ぎん……」
 闇色の翼を持つ星蝕・焉夜(終焉よりランタンを燃やす者・f00030)が参道より出でて猟兵たちに加勢する。
「UDCの印象が悪くなる前に潰させてもらうぞ……」
 まるで己がUDCであるかのような言い回しをする『彼』が本当に『焉夜』なのかは定かではないが、今は心強い味方であることには間違いない。
 自身の鮮血で染めた左腕を差し出すと掌のうちに集まった血液が十字架を形作り、杖程の長さへと変化する。
「痛いのはやめてください……」
 自傷行為への戸惑いか、これから為される事を直感しての恐怖心か。
 泥人は明らかな拒絶を顔に表し透明な体組織を放つ。

『我(わたし)が出よう。我(わたし)を置いて神を騙るその愚行を正そう』
「分かった、無理はするなよ……『黎明』」
『言われるまでもない。我は、終焉よりランタンを燃やし救済する者也』

 焉夜というひとりの肉体のうちで速やかな会話が交わされ、表層へと現れた人格が振るった鮮血の杖が虚空を切る。
 否、切ったのは空ではなく透明な泥人の体組織であった。
「ひッ……」
 遠隔操作のために神経が通ったままの体組織を不意に振り払われ、泥人は痛みに怯む。
「やらぬのか。ならば我が裁きを下そう」
 天罰を象徴するかのような真紅の十字架は、泥人の身を裂いてゆく。
「神様を勝手に否定しないで!」
 破れかぶれに殴りつける泥人に好きなだけそうさせて最接近し、至近距離からの一撃で泥人を中心から穿ち、刻印に捕食させた。
 さりとてこの景色。信仰は、咎は、どちらにやあらん。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥珀川・れに
僕も痛いのは嫌だな。誰だって嫌だ。
皆が痛い思いをしないように、猟兵達はいる。

そんな気持ちで静かに登場
ゆっくりとした動作でUC【贄の天涙】味方を回復し援護。

視界が遮られた血の雨の中を【目立たない】で駆け寄り
お友達を避け、ご近所さんを馬飛びにし、
【串刺し】の剣でひと思いに殺してやろう。

女の子なら一度は口説かなければ気が済まないタチなんだ。
「溶けるなら僕の腕の中で安心しておいきよ」

とどめだったら慈しむように頬を寄せて消えていく光に口づけの動作をするよ。
とどめじゃなかった場合は「照れ屋さんだ」とつぶやいて距離をとる。

※何が起こるか分からないからアドリブ大好き。
省略・追加アレンジご自由に。



――僕も痛いのは嫌だな。誰だって嫌だ。
 けれど、皆が痛い思いをしないように、僕たち猟兵がいる。
 琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)の秘めたる想いを乗せ、贄の天涙(サクリファイス・ブラッドレイン)がさあさあと、偽物の神の社に優しく降り注ぐ。一度は与えられ、そして還された贄の血は戦い続けていた猟兵たちの傷を癒した。
「だ、誰か助けて!」
 再び血を見た泥人がパニックを起こし、仲間を呼ぶ。自分達に害をなす雨ではなかったようだが、血の匂いは不吉を想起させる。
「やらせはしないわ」
 立ちはだかる泥人のお友達とご近所さん。しかし、視界を遮る血の雨に目を凝らしている間に、救援を呼んだ泥人の元へとれには音もなく駆け寄っていた。
「溶けるなら僕の腕の中で安心しておいきよ」
 いつの間にか泥人の喉元に、僅かな痛みとともに深く刺されていた細身の魔法剣。
 更なる悲鳴を上げる事すら許されず、恐怖に涙ぐむ泥人の世界に在ったのは、れにの慈しむような穏やかな笑顔と、柔らかで温かな抱擁。そして、頬にかすかに触れるような、切ない口付けの感触だった。
「君たちの神は、贄を大事にするだろうか」
「そんなの、当たり前……じゃないの……!」
 優しく抱かれて、訳の分からぬまま息絶えた仲間を前に、もう当初のような戦意は泥人に残ってはいない。
 自決して、少しでも神の復活に貢献する覚悟を決めつつある泥人。
 いのちを捧げる相手が、万能かつ正当なものだと、彼女たちは全く疑っていない。
 贄の重みを知るれには、その事実に真っすぐ目を向けると、何が最も泥人たちの為なのか思案するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウトティア・ナトゥア
琥珀川・れに殿(男装の麗少女 レニー・f00693)に呼ばれてやってきたのじゃ!

レニー殿ー!助太刀するのじゃー!
と空気を読まずに狼に乗って颯爽と登場。
何も説明を聞かずに勢いだけで突入してきた模様。

何か今までの流れとか泥人の覚悟とか関係無しに雰囲気を壊し、数の暴力で前進・突撃・蹂躙。
こやつ等を倒したらいいのじゃな?
うむうむ、わしに任せるのじゃ!(ふんすふんす)

召喚された【お友達 】と【ご近所さん】の10倍くらいの数の狼を呼び出して蹂躙するのじゃ。
マニトゥ駆けよ!狼の狩りというものを見せてやるのじゃ!(ドヤァ)



「レニー殿ー! 助太刀するのじゃー!」
 しめやかな空気を爆発四散させるかのように、狼に乗って神社に突入しつつ颯爽と登場したのはエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)。
「何そのえっと……何」
 UDCアースの日本では絶滅しているはずの狼。しかも伝説級の巨体に、思わず泥人はたじろぐ。
「こやつ等を倒したらいいのじゃな? うむうむ、わしに任せるのじゃ!」
 やる気たっぷり、自信満々にエウトティアがそう告げると、巫女姫の威光(ミコヒメノイコウ)によって狼の群れを呼び出す。
「誰か! 誰か助けて!」
 泥人も負けじと仲間を呼びにかかる。だが既に猟兵の手によって倒されていたり、無力化されていたりで実際に戦える数は少ない。
「マニトゥ駆けよ! 狼の狩りというものを見せてやるのじゃ!」
 エウトティアの号令によって、パニック映画の一幕のように次から次へと襲い来る狼に対してご近所さんも友達もあったものではない。
 単純な数による蹂躙が巫女服の泥人たちへと届くと、呼ばれた援軍もたちどころに消え去った。
「本殿に、少しでも……!」
 狼に噛みつかれながらも泥人達は最期の力を振り絞って体組織を飛ばす。
 怪しげな捧げものをしていた祭壇に至ったそれらは自らを贄として、無理やりに扉を開き降臨の儀を執り行うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


――我に願いを託せし者共在り。
――我は応える者。我は叶える者。

 立ちこめた暗雲とともに雷鳴が轟く。
 稲光の明滅に照らされたそれは『龍神』と称されるに相応しい姿をしていた。

――弱き者よ、其方等の願いを叶えよう。
――我の血肉となりて、幸福の中で生き続けよ――
箒星・仄々
【掲示板前広場】
心情
神々しい姿ですが
喰い意地が張っていてセコイです

今を生きる者が世界を未来へ進めます
命を蔑ろにする輩にはお帰り頂きます

手段
未来へ向かってまっしぐらな者たちを称える歌で鼓舞・癒しつつ
Kリートを奏で聖なる調べで敵を弱体化
:歌唱&演奏&鼓舞&祈り&優しさ&勇気&手をつなぐ&破魔&UC

他者と手を取り合うことをしない
その傲慢さ故に貴方は私達に敗れる
直ぐに身をもって知るでしょう

魔法で溶け込むように姿を隠した後
一気に残像分身し怒涛の連続攻撃!
旋風纏うKナーゲルで貫きます
:迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し

迷彩&残像&早業&見切り&忍び足で回避
火炎&電撃耐性で切払いも


琥珀川・れに
【依頼掲示板前広場】チーム
仄々
リミティア(リム呼び)
エウトティア…未定
今の所4名の予定

「邪神にしてはえらくかっこいいのが来たな、一時人を呼んだのもうなづける」
「かっこよさなら僕も負けないよ。僕も宗教を開こうか…なんてね」

僕は空が飛べないが
ブレス時は顔をこっちに向けるよね?
その時【おびき寄せ】で突進してきた所を
【見切り】でブレスを避け飛び乗って、
(出来れば誰かに手を伸ばして一緒に来てもらいたい)
振り回されながらも剣で【串刺し】を試みる。

落とされた場合ダメージはUC【贄の天涙】で回復

いつでも隙あらば
「君が僕の地肉になりなよ」
【吸血】を試してみるよ。

※アドリブ大好き。省略・追加アレンジご自由に。


リミティア・スカイクラッド
願いを叶えるなど余計なお世話です。リムの幸福はリムが決めることです
荒ぶる龍神に"死"という供物を捧げましょう。リムは目標を討伐します

相手が雷の力を奮うなら、こちらは大地の「属性攻撃」で対抗しましょう
【エレメンタル・ファンタジア】を発動
現出するは「地」属性の「吹雪」
キラキラと煌く金剛石の粒を吹き付ける、文字通りのダイヤモンドダストを、龍のブレスに真っ向からぶつけます

負傷した仲間がいれば【魔女の秘薬】で回復を
これ以上、あなたに捧げる命は何一つとしてありません



「神々しい姿ですが……喰い意地が張っていてセコイです」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が率直な感想を口にする。
 雷穹龍にしてみれば、『各々がか弱い生命など持たずとも、自らが絶対的存在としてあらゆる生命を包括することで永遠の幸福を齎す』という強者の価値観ではあったが、仄々の意見は雷穹龍の身勝手な核心をついていた。
「邪神にしてはえらくかっこいいのが来たな、一時人を呼んだのも頷ける」
 れには素直に、龍の容姿に感心していた。
 外見だけなら日本に伝承の伝わる龍と近い造形をしている。正邪はともかく、神秘を操る有様がかつての信仰の対象となり、伝わったのかもしれない。
 だが、今在るこの龍はその残滓に過ぎないオブリビオンだ。
「かっこよさなら僕も負けないよ。僕も宗教を開こうか……なんてね」
 そう言っておどけてみせると、剣を抜き外套を翻して構えを取る。
「願いを叶えるなど余計なお世話です。リムの幸福はリムが決めることです」
 ミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)はこの龍神に奉げるべき供物を"死"と判断した。与えられる幸福ではなく、神をも打倒し掴み取る希望を選ぶ。
「今を生きる者が世界を未来へ進めます。命を蔑ろにする輩にはお帰り頂きます―ー」
 カッツェンリートを爪弾き、仄々は未来へ向かってまっしぐらな者たちを称える歌をうたう。
 奏でるエールに優しさを乗せて、手を取り合う仲間の力となる。
『愚かなり。矮小なる生命よ、滅びるがいい』
 電撃を吐き出し、雷穹龍は猟兵達を一息で薙ぎ払おうとする。
「させない」
 ブレスが来るのを読んでいたれにが、仄々を抱えるようにして吹きすさぶ電撃を避ける。龍の吐息は、己を祀る社のひとつを見るも無残な瓦礫へと変えた。
「リムは大地の加護を」
 リミティアはエレメンタル・ファンタジアで電撃に対抗する。
 結晶の一つ一つを金剛石へと変じた吹雪が、文字通りのダイヤモンドダストとなって絶縁体の壁を創り出した。吹きすさぶ限り、電撃を通すことはない。
『只の人間ではなかったか。何故弱き者に味方する』
「強いとか弱いじゃなくて、皆で生きる為にだ」
 ブレスを避けて龍の背を駆けあがって、れには鱗の隙間にルーンの魔法剣を通す。
「他者と手を取り合うことをしない、その傲慢さ故に貴方は私達に敗れる」
 れにとともに龍の背に上がっていた仄々は、一時的に魔法で姿を隠していた。
 他に意識を取られていた雷穹龍の首元へ向けて、旋風を纏い残像の分身とともに箒星を煌めかせて両刃細身の魔法剣を振るい、連続突きを繰り出す。
『世に我のみ在れば、弱き者の悲しみは生まれぬ』
 雷穹龍は傷口から鮮血を吹き出しながら、れにと仄々を振り落としにかかる。
「それが余計なお世話だと言っているのです」
 リミティアの金剛石の吹雪が下から吹き上げ、落下の衝撃を和らげた。
「君が僕の地肉になりなよ」
 仄々が剣山を突き刺したように喰らわせた傷痕かられにが吸血を試みると、雨上がりのような泥臭い香りを帯びた龍の血は薄く水っぽい味がして、雨露を感じられた。雲の化身の力も、少しは得られただろうか。
「魔女の秘薬は……まだ、必要ありませんか」
「おかげさまで、へっちゃらです」
 剣を納め、再び竪琴を奏でる仄々。猟兵達の損害は最小限だったといえよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
れにさん(f00693)からこの依頼を紹介されて来たけど、確かにかっこいい竜だね。
けどオブリビオンとあれば、容赦はしないよ!

とは言え、恐らく相手の得意技は電撃系の範囲攻撃や遠距離攻撃。
回避を主とした接近戦がボクの得意分野だけど、今回はちょっと相性が悪いかな。
なので今回は後衛に回って、皆の援護を担当するね。
主に【歌唱】【パフォーマンス】技能をフルに使った【シンフォニック・キュア】で、傷付いた仲間を回復させるよ。
余裕があれば【鈴蘭の嵐】か【クイックドロウ】で攻撃してみてもいいけど、あんまり効きそうにないかな。



「確かにかっこいい竜だね。けどオブリビオンとあれば、容赦はしないよ!」
 金剛石の吹雪に乗るようにして、ひらひらしたお姫様ドレスをいっそう輝かせて煌めく風とともに現れたのはセリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)だ。
「ボクのスカイライブ、皆聞いていってね!」
 厚い回復の層をさらに強化して、電撃のブレスをステージの派手なレーザー照明のように巧く使ってシンフォニック・キュアの歌声を演出する。
「ばきゅーん」
 ライブでは良くあるファンサービスの光景。普通のライブと違うのは、手で作った銃ではなく本物のブラスターからお届けする一秒あたり二十連射のクイックドロウである点だ。
「花のメロディもお届けするよ!」
 くるっとターンして、手品のようにブラスターを無数の鈴蘭の花びらに変える。
 輝くダイヤモンドの吹雪に乗って、雷穹龍の身に紙吹雪ならぬ白い花の吹雪が降り注いだ。
『解せぬ。我を求めず、何故否定する』
 猟兵達の抵抗は電撃のブレスを片っ端から防ぎ、あるいはダメージから回復させてゆく。
 損壊していくのは、龍神を讃える像や、あるいは龍神を信じた泥人たちの遺した造形物ばかりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エウトティア・ナトゥア
WIZ適用

強い者が生きる。自然界の真理じゃのう。
その理屈、わしは分かりやすくて好きじゃよ。

さて、分かりやすくわし等とお主どちらが生き残るべきか試してみようかのう。

「騎乗」「野生の勘」「見切り」「全力魔法」「属性攻撃」使用
マニトゥ!回避は任せたのじゃ!
マニトゥに騎乗して回避は一任、わしは集束砲撃でグローレールを撃ちぬくのじゃ。

この世界の精霊達よ。赤き光条となりて彼の者を穿つのじゃ。
お主らの世界の敵を討ち滅ぼせ!


アレクシア・アークライト
「確かに貴方一人だけになれば、弱い人の悲しみは生まれないかもしれない」
「でも、それは圧倒的に孤独だわ」
「っていうか、悲しみや苦しみもあるから、人生楽しいんじゃない」
「そんなことも分からないから、邪神なんかやってるのね」

 あのでかい図体と雷はやっかいだけど、こっちには傷を癒してくれる仲間が4人もいる。
 防御無視で最初から全力で行くわよ。

・グローレールに一気に接近 [空中戦]{瞬間移動}
・拳にフォースフィールドを集中させて攻撃し、弱ったところを地面に叩きつける。 [念動力、グラップル、捨て身の一撃]{全力の一撃}

「貴方が取り込んだ人達、存在、みんな吐き出してもらうわ」



「確かに貴方一人だけになれば、弱い人の悲しみは生まれないかもしれない」
 念動力で己を強化したアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)もまた、独りで生きられる程に強く鍛え上げられた達人である。
「でも、それは圧倒的に孤独だわ」
 宙に形成した力場を蹴って、瞬間的に雷穹龍の横っ腹へと距離を詰める。
『群れより出づる不均衡こそ、不要なり』
 ブレスを防がれた雷穹龍は激しい雷の光輪を辺り一面へと広げる。超高熱のプラズマリングが、まがい物の神社とそこに居る猟兵達を無差別に、平等に飲み込んでゆく。
「っていうか、悲しみや苦しみもあるから、人生楽しいんじゃない」
 高熱に崩された力場から移動し、龍の鱗を足場として、その背びれを折らんと続けざまに殴りつけた。
『永遠なる幸福の心象を我が内で見せよう。弱き者の定命をも克服させよう』
「そういうのじゃないのよ! そんなことも分からないから、邪神なんかやってるのね」
 アレクシアは手を伸ばした先にあった、龍の鬚を引っ掴む。雷穹龍は赤い瞳を見開き驚愕の感情を露わにし、アレクシアを叩き落とした。
『不敬である』
「強い者が生きる。自然界の真理じゃのう。その理屈、わしは分かりやすくて好きじゃよ」
 エウトティアは雷穹龍の思想に一定の理解を示す。
「さて、分かりやすくわし等とお主どちらが生き残るべきか試してみようかのう」
 自然界の掟に従うのであれば、大敵とすることは概ね決まっている。縄張りの安定や血肉を求めて、どちらかが生きるための殺し合いだ。
「マニトゥ! 回避は任せたのじゃ!」
 巨狼に騎乗し、エウトティア自身は全力の魔法に意識を集中する。
 マニトゥは懸命に電撃のブレスと超高熱のプラズマリングを避け、雷穹龍の頭部へ迫る。
 さながら果敢に大物を狩りにかかる群れのボスのようであるが、今は後続を連れていない。無差別の攻撃に晒されぬ為の気遣いだろうか。
「この世界の精霊達よ。赤き光条となりて彼の者を穿つのじゃ。お主らの世界の敵を討ち滅ぼせ!」
 天穹貫く緋色の光条――百を超える精霊の光が一束となって雷穹龍の胸を貫くように焼き焦がす。
『我に去れと申すか』
「そうじゃ。そなたは在ってはならぬ者じゃ」
 気管を傷つけられた龍の電撃のブレスは、野生の勘に頼らずとも避けられる弱弱しいものとなっていた。
「後ろががら空きよ」
 数多の癒し手に恵まれ、即座に復帰したアレクシアが再び念動力の力場を作り、雷穹龍の背から頭へと迫る。
「貴方が取り込んだ人達、存在、みんな吐き出してもらうわ」
 力場を作る念動力を攻撃に回して防御すら捨てた全力の一撃が、衝撃を逃すしなりも許さず頸の骨を折った。

『我は、我は――』
 ついに地へ倒れ伏した雷穹龍は、蛇のように這って手水舎を目指す。
 戦闘の余波で破壊され、ただ噴水を上げるだけになっていたそこで流れる水を舐めとると、まるで水が合わなかったかのように身を震わせた。
『いずれまた、降臨せん』
 濃い霧と化して龍の体は蒸発してゆく。天に昇り、また雷雲に戻ろうとでもいうのか。

 謎めく龍神を討伐された神社は、表向きは危険物による事故が元ということで取り潰しとなった。
 しかし、UDC組織の情報統制を潜り抜け、直接この戦いを見てしまった一般人が漏らした感想には、こうあったともいう。
『あれは多分、天罰が下った。やっぱりうまい話には代償ってあるんだね』

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト