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宇宙【そら】に浮かぶもの

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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「ここにいる猟兵の中で、機械工作や機械修理が得意な方ってどれぐらいいるのかしら?もしくは機械の取り扱いが得意か知識があったり、手先が器用なら未経験者でもいいんだけど」
 そう切り出したのはグリモア猟兵のリンネ・ロート(多重人格者のサイキッカー・f00364)。正確には第二人格のニノだ。
「アタシ?アタシはダメね。UDCアースに電子レンジってあるじゃない?あれで卵を温めようとしたら爆発したわ。とんだ不良品を掴まされたようね、機械との相性って最悪みたい」
 話を聞いていた猟兵、特にUDCアース出身者は苦笑するやら呆れるやら。
「で、ここからが本題。スペースシップワールドで1隻スペースシップの装甲に不自然な損傷が見つかったらしいわ。これを修復、それから損傷具合をチェックして原因を探ってもらいたいの」
 そう言って、リンネ……いや、ニノはレジュメを配り始めた。

 レジュメには大まかな概要が書かれていた。
 艦名は「クレロデンドルム」主に鎧装騎兵を運用するための大型強襲揚陸艦である。今回は艦隊から離れて単艦で任務に就いていたとのこと。
 その任務は居住可能な惑星または、かつて人類が居住していたスペースコロニーの発見及び探査。
 惑星にしてもコロニーにしても、どれぐらいの手間と時間と費用を掛ければ人類の定住が可能か探査して報告をするというものであった。
 なぜ鎧装騎兵を運用するための大型強襲揚陸艦クレロデンドルムが選ばれたかについては、単純に銀河帝国に襲撃されても抵抗できるだけの戦力があったこと。大型であるため、探査に必要な人員と分析用の機械、採取物などを運びやすかったことが挙げられた。
 航行自体は銀河帝国から襲撃の様子もなく、至って順調なものであった。よって、艦内にも束の間だが平穏な空気が漂っていた。
 しかし、それも突然鳴り響く警報音によって消えてしまった。鎧装騎兵達は銀河帝国の襲撃かと出撃の準備を整えた。が、それは杞憂に終わった。改めて調査してみると艦の一部装甲に損傷があったという。装甲の損傷が見られる部分は採取物などを積載する区画だったため、人的被害はゼロ。一部の積み荷は流出したものの、これも予備であるため特に問題はないとのこと。航行にも特に不具合はない。
 しかし、もし調査できそうな惑星やコロニーを見つけた時に困るので修復をしたほうが良いということになった。

「って訳だから、早いとこ修復に向かって欲しいの。最初に聞いたのは単に技術者が欲しかったからね。でも技術者だけじゃ作業ははかどらないわよね?体力があるなら装甲の材料を運んで欲しいし、装甲の損傷理由を解析する必要もあるし。
 艦長をはじめ、クルーはみんな猟兵に好意的だからそこらへんは心配しなくていいわよ。工具や船外活動服は貸してもらえるから。ただ……」
 一瞬、言い淀む。
「メカニックチーフだけには気を付けてね、相当な変人らしいわ。下手に関わらないほうがいいかも。でも、馬鹿じゃないからちゃんと説明すれば色んなことに興味を持って融通してくれるって話」
 順調に修復が完了すれば、何かを発見する瞬間に立ち会うことができるかもしれない。やってみる価値は十分にある。


篁佐登花
 こんにちは、篁佐登花です。
 年末にして、ようやく2作目です。自分の筆の遅さが憎いです。

 さて、今回はスペースシップワールドでの依頼となります。大型強襲揚陸艦「クレロデンドルム」の装甲を修復していただきます。
 【POW】は装甲板などの材料を運んで下さい。
 【SPD】は艦内外からの修復作業です。
 【WIZ】は装甲損傷の原因を探ってください。
 話の最後に出てきたメカニックチーフと絡むときは気を付けてください。上手くいけばいいのですが、嫌われると面倒なことになります。無視するのも手です。愛用の工具やその他の機材の持ち込みは歓迎いたします。なるべく描写に反映させていただきたいと思います。

 装甲修復完了後の第二章は放棄されたコロニー内の探査です。色々探し回ってください。
 コロニー内の探査が終わると第三章です。なぜか帝国騎士が現れます。第二章の終わり方次第で状況が変わると思われます。

 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
 よろしくお願い致します。
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第1章 冒険 『スペースシップの装甲修復と原因究明』

POW   :    仲間の作業に必要な物資の運搬をする。

SPD   :    船外作業で装甲の修復をする。

WIZ   :    傷ついた装甲をチェックし原因を探る。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

沢木・助平
【SPD】

うっひょー!大型宇宙船の修理なんて浪漫じゃ~ん!
疼いちゃう!ガジェット魂が疼いちゃうっすよ~!
自分やるやる!やりまーっす!

道具だけは自分のツールBOXで対応できりゃ使うけど、足りないもんは借りる。そんで、後日同じもんをどっかで買お~っと。
壊れたところを直してりゃあ、外的要因かそもそもの機構の問題かくらいはわかるっしょ。
手がかりになりそうなもんは考える担当の猟兵さんやらメカニックさんやらに投げるっすよ。
自分で考えてもいいけど、今は一秒も長くこの船弄ってたいからさ~!ごめんね~!

それにしても変わりもんのチーフっすか。
機械バカとか職人さんなら話合うかな?
そうじゃなかったらノータッチじゃん?



「自分やるやる!やりまーっす!」
 元気よく修復現場に姿を現したのは沢木・助兵(ガジェットラヴァー・f07190)。
 彼女は若干、十七歳にしていい意味で正真正銘のガジェットバカである。
(うっひょー!大型スペースシップの修理なんて浪漫じゃ〜ん!疼いちゃう!ガジェット魂が疼いて仕方ないっすよ〜!)
 とかなり興奮気味だ。普段はのらりくらりと話すが、機械のこととなるとヤベー奴と化す。

 それはさて置き、作業に入る前に船外活動服に着替える彼女。初のこととあって、このこと一つとっても楽しげである。
 船外に出た彼女の働きぶりは大したものだ。自ら持ち込んだ「汎用ガジェットツールBOX おまかせくん」を駆使して修復を施していく。重さはかなりのもののはずだが、無重力の空間では何の問題はない。
 そして修復していくうちに彼女は(内部の構造よりは外的要因による損傷っすかね〜)とあたりをつけていた。また(でもまずは目の前の作業に集中して、手がかりになりそうなものは他の方に投げるっす。自分で考えてもいいけど、今は一秒でも長くこの船弄っていたいからさ〜、ごめんっす)と黙々と手を動かしていた。

 この手際をクレロデンドルムのメカニックチーフに目をつけられた。
「お嬢ちゃん、その技術どこで身につけたんだ?俺らの使う技術とは全く違うな。お嬢ちゃんさえよければ、俺達にちょいと手ほどきしちゃくれねえか?頼む!銀河帝国との戦いでその技術はすぐには無理でも、後々きっと役に立つはずだ!」
 事前に沢木はこの艦のメカニックチーフは変人と聞いていたので、関わるかどうか思案していた。が、やはりというべきか機械バカあるいは職人気質のメカニックチーフは沢木の技術に心惹かれたようだ。
 こう言われては沢木としても悪い気はしない。気軽にいいっすよと返答をし、クレロデンドルムのメカニック達と打ち解けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリン・フェアフィールド
【SPD】
宇宙船の修理ならまっかせて~!
宇宙服と宇宙バイク準備して、外壁の方から進めてくね!

装甲板は溶接が必要だね、バイクに備え付けの電子ビームガンを使って~…
他の工具が必要な所はスクラップハンドでとんてんかーん。
私のスクラップハンドはカユい所にも手が届くよ!
……細かい所は自分の手の方が早いけど!
ついでに流出した積み荷がまだ近くにありそうだったらひとっ走りして
回収しとこ!勿体無いもん!

メカニックチーフどんなヒトだろ?気になる!
お疲れ様でーすって挨拶して話聞いてみよ~
この船カッコイイね~私の乗ってた居住専用シップとはやっぱり違う!
メカニック的オススメ燃(萌)えスポットがあったら教えてほしいな~!


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
【POW】
ごにゃーぽ☆(挨拶)
物資の運搬はお任せあれ☆
ガジェットショータイムで召喚したどことなくアノマロカリスを思わせる変な形状のカーゴプレン型ガジェットに物資を載せて、連結した愛騎のハルキゲニアに騎乗して運搬するよ。
多少重くても、怪力を発揮する念動力で補助すれば無問題さ☆



「うーん、あっち側からも修復作業を進めたい。が、現状こっちへは手が回せん。どうすっかなー」
 クレロデンドルムのメカニックチーフは艦の図面を広げながら悩んでいた。そこへ二人の猟兵が送り込まれてきた。
 「ごにゃーぽ☆」
 モノクルを装着したハルキゲニア型のペットロボに乗ったフェアリーから、予期せぬ声を掛けられて一瞬頭がフリーズするチーフ。
「ご、ごにゃーぽ?」
 咄嗟にそう答えるのが精一杯だ。すぐに、もう片方の猟兵がフォローに入る。
「これはごにゃーぽさんなりの挨拶なんだよ。だよね?」
 そう聞かれた本人は小さい体を反らせて、なんだか自慢気。
「あ、わたしはアリン・フェアフィールド(スペースノイドのスクラップビルダー・f06291)。こっちはあじゅーるのひと・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)。本体はモノクルのほうなんだけど、本名は分かんないんだよね」
 そう説明したのは、フォローを入れたほうの猟兵。
 アリンはチーフの持つ図面をチラッと見ると
「こっちのほうは順調みたいだね。でもあっちのほうはまだ手付かずなのかな?」
 とチーフに尋ねた。この言葉に正気を取り戻したチーフはああ、と頷いた。じゃあ、とアリンが
「あっちの修理ならまっかせて~!」
 と言えば、ごにゃーぽさんが
「物資の運搬はボクにお任せあれ☆」
 と自信満々。
 早速アリンは自分の船外活動服と宇宙バイクを準備、ごにゃーぽさんはどことなくアノマロカリスを思わせる変な形状のカーゴプレン型ガジェットをガジェットショータイムで召喚した。
 (……なんというか、形状しがたい見た目のガジェットだ。アレにはかなわんなー。猟兵のお嬢ちゃんたちはあんなのばっかりか?)と変人で知られるチーフも呆れつつ、任せて大丈夫だったか不安に駆られていた。

 しかしチーフが思っていたよりも、彼女ら二人の働きは予想以上だった。
 アリンはといえば装甲板の溶接をバイク備え付けの電子ビームガンで手際よく行っていく。他の工具が必要な部分も、スクラップハンドの指先部分の工具で難なく修復していく。まるで痒い所にも手が届くといった様子だ。
 ごにゃーぽさんもアリンの作業工程のペースに合わせて、資材を過不足なく運んでいく。資材の積み込みを艦のクルーに手伝ってもらいながらも、怪力と念動力を上手く使い分けて行っている。順調そのものと言って差し支えない。

 そして運のいいことに資材運搬中のごにゃーぽさんが何かを感じて艦の後方を見た。その眼には何かが映っていた。それは艦の損傷時に流出した一部の予備物資だった。これを見たごにゃーぽさん
「ボクが取ってくるよ☆」
 とガジェットを飛ばそうとする。それを見たアリンは【ゴッドスピードライド】を発動し
「待って、わたしも行くよ!わたしが反対側から押して慣性働かせれば、ごにゃーぽさんの移動距離が減って運搬が楽になると思うんだよね。わたしはバイクで戻って来られるけど、ごにゃーぽさんが艦に置いてかれたら困るでしょ?」
 この言葉にごにゃーぽさんは同意し、予備物資の慣性が働くのを待った。アリンからOKの合図が出るとごにゃーぽさんはガジェットを飛ばして物資へ向かう。物資へたどり着くと、二人で協力して積めるだけ積んだ。全部は流石に無理だったが、結構な量を積めた。
 艦へは無事に戻れた。クルーも笑顔で出迎えてくれた。だがチーフはカンカンに怒っている。
「バッキャロー!なに余計なことしてやがんだ!艦の修復は頼んだが、物資拾って来いなんて一言も言ってねえぞ!」
 二人はチーフも喜んでくれると期待していたのだが、逆に叱られてシュンとしてしまった。
「……ったく、二人にもし何かがあったら家族や仲間が悲しむだろうが。こういう時はまず相談しろ。猟兵から見たら俺らは頼りないかもしれねえけど、これでも大人なんだからよ」
 その言葉で少し顔色が明るくなる二人。さらに
「……でもまあ、ありがとよ。お疲れさん、色々助かったぜ」
 チーフからの言葉で元気を取り戻した二人。特にアリンは
「それにしても、この船カッコイイね~。私の乗ってた居住専用シップとはやっぱり違う!メカニック的オススメ燃(萌)えスポットがあったら教えてほしいな~!」
 などと言い始める。しかし
「調子に乗るな、変わり身早いぞ!」
 と、たしなめられた。でも……
「作業が完了したらどこでも案内してやるよ。無骨な軍艦でよけりゃな」
 と気恥ずかしそうに男の背中を見せるメカニックチーフだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイチェル・ケイトリン
わたしが得意な念動力技能でサイコキネシスをつかって作業にひつようなものをはこんであげるね。
遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能だから、作業するひとがやりやすいようにがんばるよ。

でも、あぶなくないようにするのはいちばんだいじだよね。

もちろんわたしも気をつけるし、メカニックさんたちのいうこともしっかりきくけど、まわりのひとたちにも確認とか準備とかちゃんとしてくれるようにおねがいします。

だれもけがとかしないでほしいもの。


シャレム・アルカード
大型艦の装甲を堂々といじくれるチャンスと聞いて、我!降臨!フハハハ!

というわけで船外作業だ!あれこれと言う輩が居ないところで存分にいじくりまわし、その機構を詳らかにしてくれよう!

もちろん準備に抜かりはない!武装収容棺『ヘカトンケイル』の内蔵機構である反重力発生装置『ナグルファル』の能力をもってすれば、不安定な船外でも安定した足場(棺)を確保して作業に取り組めるのだ!
宇宙服や工具は持ち合わせていない故、我に貸与する栄誉をやろう!フハハハ!


……修復作業を忘れてはいないぞ!本当だぞ!


シェミア・アトック
これでも宇宙空間を自在に行動するための装備はある…
ここは損傷原因を探ってみようか…
外的要因なら、今度はどういった種類の傷かを見よう…
デブリのような重量物の衝突か、敵の砲撃痕、鋭利な斬撃痕か…
それによって原因が色々考えられるからね…
原因が見えたら、それに対処できる強化素材を追加したいところか…
とは言え、船体バランスが崩れては元も子もない…やはり技術者次第か…

…わたしは戦闘員で、技師ではない…
残念だけど、君とは話が合わないかも…
けれど、敵が出て来たのなら任せるといい…
この鎌に懸けて…必ず屠ると誓おう…


ロクガツ・クロッカス
【POW】

私もスペースシップワールド出身だからちょっとしたメンテナンスくらいはできるけど、ぶち抜かれた装甲の修復は無理かな!
ってことで、技術者の皆さんや修復を担当する猟兵の皆のところまで、必要な工具や物資を運搬するよ!
装甲版とかの大きなものも、【深宇宙航行駆動機・汎型】、もとい宇宙バイクに乗っけてけば平気だよね!

それにしても、こんなにしっかりした戦艦の装甲を傷つけるなんてそう簡単じゃないはず……。
アステロイドベルトの航行中に小惑星でもぶつかったのかな?
もし人為的なものならマズいよねえ。
クレロデンドルムに無事任務に戻ってもらうためにも、原因も調べられたらいいんだけど。



元々優秀なメカニック達と、それをまとめるチーフを擁するクレロデンドルム。そこへ数名の猟兵が加わったことで、装甲の修復は順調に進む。
 だが、そこは大型揚陸艦。大きく損傷した装甲は簡単には塞がらない。メカニックを中心にクルー達は忙しく動いてはいた。当然のごとく、先の見えない作業に徐々に疲労と焦りの色が見えてくる。

 しかし頼もしいことに、クレロデンドルムへさらに猟兵が数名送り込まれてきた。
「大型艦の装甲を堂々といじくれるチャンスと聞いて、我!降!臨!フハハハ!」
 そう大きな声で真っ先に棺とともに現れたのは、シャレム・アルカード(小さな暴君・f09897)。
「私もスペースシップワールド出身だからちょっとしたメンテナンスくらいはできるけど、ぶち抜かれた装甲の修復は無理かな!」
 とぶっちゃけたのは、ロクガツ・クロッカス(光線銃とクロッカス・f06933)。
「わたしが得意な念動力を使って作業に必要な物を運んであげるね」
 とはレイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)。
 一人、無口に思案していたのはシェミア・アトック(首刈り彗星・f00259)。
(これでも宇宙空間を自在に行動するための装備はある……。ここは損傷原因を探ってみようか………)
 ややクセのある面々ではあるが、四名を見たクルー達はにわかに活気を取り戻した。

 では早速ということで、シャレムは艦外での修復作業担当。ロクガツは艦外への資材運搬担当。レイチェルは艦内の修復作業箇所への資材運搬担当。レイチェルは損傷箇所の原因究明担当という割り当てに決まった。
 シェミアとレイチェルは自前の宇宙服を着こんでおり、活動に支障はない。だが、宇宙服を持ち合わせていないシャレムとロクガツはクレロデンドルムの宇宙服を借りることになった。そこでシャレムは
「宇宙服は持ち合わせていない故、我に貸与する栄誉をやろう!もちろん工具類もな!フハハハ!」
 と聖者とはとても思えない尊大な態度。しかしクレロデンドルムのクルーは嫌な顔一つするどころか、我先にと貸し出す者もいるほどであった。
 レイチェルはというと全く真逆の、とても誠実そうに礼を述べつつ借りていた。

 まずは艦外修復作業の様子から見ていく。
 修復作業担当のシャレムは(あれこれと言う輩が居ないところで存分にいじくりまわし、その機構を詳らかにしてくれよう!)と内心で思いつつ、自らの寝床でもある棺を手にしていた。そして、
「準備に抜かりはない!武装収容棺『ヘカトンケイル』の内蔵機構である反重力発生装置『ナグルファル』の能力をもってすれば、不安定な船外でも安定した足場を確保して作業に取り組めるのだ!」
 と自信満々に大声で独り言を話していた。その独り言を耳にしたロクガツとメカニック達はシャレムに対して、さすがに警戒をし始めた。が、これは杞憂に終わる。メカニックの目と、資材の運搬を頻繁にしていたロクガツの目をかいくぐるのは難しいようであった。ためにシャレムはおとなしく修復作業に集中していた。
 ロクガツはシャレムの動きを気にしつつも、イオンエンジン搭載の極小宇宙船『深宇宙航行駆動機・汎型』を用いて比較的大きな装甲板も悠々と現場へと運んでいた。
 資材を運びながらもロクガツは(それにしても、こんなにしっかりした揚陸艦の装甲を傷つけるなんてそう簡単じゃないはず……。もし人為的なものならマズいよねえ。クレロデンドルムに無事任務に戻ってもらうためにも、原因も調べられたらいいんだけど)と思っていた。しかし彼女は資材搬出に忙殺され、原因究明についてはシェミアに任せきりとなった。

 次に艦内からの様子はというと、レイチェルが勤勉に資材運搬に従事していた。自己紹介の時に話していた念動力は誰が見ても驚くものであった。サイコキネシスの見えない『サイキックエナジー』によって、大の大人でも苦労するほどの大きさと重さの資材を軽々とかつ精密操作によって作業員の手元まで運んでいた。
 また、彼女は事故や災害を未然に防ぐためKYを徹底。時には荷崩れを起こしかけている資材を離れた場所からでも直すなどの配慮を見せた。その様子を偶然、目にしていたチーフは感心しきりであったようだ。
 この行動は彼女の「誰にも怪我等をして欲しくない」という気持ちから出ていた。

 さて、問題の装甲損傷の原因である。
 損傷箇所の原因究明担当、シェミアは損傷箇所の観察から始めた。シェミアは外的要因を原因として考えていた。
(外的要因なら、今度はどういった種類の傷かを見よう……。デブリのような重量物の衝突か、敵の砲撃痕、鋭利な斬撃痕か……。それによって原因が色々考えられるからね……)
 そこで彼女は損傷箇所を内外から見て回った。すでに修理は完了した部分で、装甲板が溶接されていた。修理は応急とはいえ、見事なものだった。しかし彼女は見逃さなかった、溶接された装甲板の一方に溶融された部分があったことを。明らかに溶接のための溶融ではない、それ以上の熱源からのものである。
 あとは熱源がどこから来たものか、損傷当時の状況を慣れないながらもクレロデンドルムクルーから聞き取りをしていた。
 ブリッジクルー曰く、損傷当時は周囲に敵影は全く無かったという。レーダー類の記録と照らし合わせても、間違いはなかった。ただし、直前に高熱源反応の記録があった。おそらく、弩級戦艦による主砲以上の火力だ。では、どこから発射されたものか?
 シェミアによる調査はここで終わることとなる。どのようにして損傷したかは分かったものの、その先は分からないままであった。

 そうこうしているうちに装甲の修復は完了した。そこ、下らないダジャレとか言わないように。
 艦内には一様に安堵と疲労の色が出ていた。しかし、気の緩みを見せるわけにはいかない。いつ銀河帝国の襲撃を受けるかも分からないのだ。
 クレロデンドルムクルーの一同は猟兵達に感謝し、また任務を果たすまでは艦を沈めるわけにはいかないと心を一つにしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『スペースコロニーを探索しに行こう』

POW   :    体力勝負でコロニーを歩き回り、注目スポットを発見する。

SPD   :    コロニーの特色を調査し、これから何に活用できるか考える。

WIZ   :    コロニーのデータベースを閲覧し、当時の市民の生活を調査する。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


修復の完了したクレロデンドルムは初期の予定通り、任務に集中することができた。事前に設定された航路へと今まで通り進む。その先で艦隊と合流することとなっていた。
 任務の内容について艦長は大して期待をしておらず、無事に艦を合流させることに心を砕いていた。一隻とはいえ艦の長を務めるということは、クルーの命を預かるということだ。あるかどうか分からないもののために、クルーを危険にさらすわけにはいかない。

 しかし艦長の期待はいい意味で裏切られた。コロニーらしきものの反応がレーダーにある。ブリッジ内は沸き立ったが、次の瞬間には緊張が走る。警報音とともにコロニーの先から高熱源の発生が確認された。艦長は叫ぶ。
「回避運動急げ!総員、衝撃に備えろ!鎧装騎兵は出撃配置に着け!」
「やってますよ!各員、準備されたし!」
 オペレーターも必死だ。
 直後に高エネルギー体が艦を横切る。おそらく前の損傷はこれが艦をかすめたのだろう。艦長は続けて、
「第二射に警戒、監視怠るな!戦闘配備のまま待機、向こうの出方を見る」
 しばらく睨み合いだろうと思われたが、動きがない。艦長は決断した。
「回避運動を続けながら、艦を寄せろ。直接乗り込んで制圧する」
 これにブリッジでは反対意見が。
「危険です、単艦では撃ち落としてくれと言わんばかりですよ!本隊に報告するだけでよろしいのでは?」
「いや、向こうがその気なら一射目で沈められただろう。あれには何かある、早めに対処するべきだ」
 と艦長は譲らない。渋々、操舵士はコロニーへ艦を向ける。艦長の判断は正しかったかは分からないが、その後も反応はなくすんなりとドックへ侵入することができた。しかし、ドックにはクレロデンドルム以外の艦は存在しなかった。
 疑問は深まるばかり。やはりコロニー内を探索するべきということになった。
レイチェル・ケイトリン
わたしが得意な念動力技能でスカイステッパーをつかって
コロニーの特色をしらべるね。

たかくあがってぜんたいをみたりできるし。
もちろんわたしだけでしらべるんじゃなくてクレロデンドルムのひとと
ちゃんとおはなしして、その指示でうごくし、みかけたことは
すぐおしらせするよ。

活用だって、スペースシップワールドのひとたちがどんなことを
いま必要とおもってるのかがわかんないとできないから、
わたしだけでかんがえるのなんてむりだし。
それもクレロデンドルムのひとたちにおねがいしないとね。

わたしはスペースシップワールドのひとたちの目になって
かけまわるんだよ。



コロニーを探索すべきということで意見のまとまったクレロデンドルム。艦長の指示の元、コロニー内へ鎧装騎兵部隊の一部を派遣することとなった。
 猟兵も派遣部隊とともにコロニー内へ続くことにした。その中に姿を見せていたレイチェル。彼女はコロニーの特色を調べることにした。

 まず艦から出てレイチェルは一つずつ確認していった。
「空気はあるみたいだね、重力も。ドックエリアも散らかってる様子はないね。逆に空気と重力以外、何もないのが不自然だね」
 本当に驚くほど何もないのだ、コンテナ一つとして。

 警戒しつつ、派遣部隊とともにドックエリアから市街エリアへ進む。進んだはずだが……そこは何とも無機質な建物がひしめいているだけであった。明かりはほとんどなく、もちろん生活感も感じさせない。
 これには派遣部隊も動揺を隠せない。そこでレイチェルは
「わたしが高い場所に上がって、見渡してみるよ!」
 と提案した。部隊長は一つ頷き、レイチェルに行動を促す。彼女は手近なできるだけ高い建物へ向かって、スカイステッパーによってあっという間に屋上へ。
 そして、全体を見渡してみた。巨大なコロニー内は反対側が全く見えず、無機質な建物が続くばかり。それは果てしないもののように見えた。

 部隊の下へ戻ったレイチェルは部隊長に報告した。部隊長はうーむと唸り黙り込んでしまった。
 その間にレイチェルは(これじゃ活用を考えようにも難しいよね。それにスペースシップワールドの人達がどんなことを今、必要と思ってるのかが分かんないとできないから、わたしだけで考えるのなんて無理だし)と思っていた。
 「活用についてはクレロデンドルムの人達にお願いするよ!わたしはもっと調査をして報告するから!」
 言うなり彼女は(わたしがスペースシップワールドの人達の目になるんだ!)と考えながら、コロニー内を駆け回り始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
探検♪探検♪
ガジェットショータイムで第六感を強化するモノかもーん☆
……うん、ごにゃーぽ神ごずなり様が召喚されたね……ふぁ!?
え、どうやって使うんだコレ?とりあえず蒼汁をお供えして祈り捧げておこうか。

気を取り直して
探検♪探検♪
第六感の導くままに歩き回るよー☆
ボクのサイズだとちょっとしたモノでも障害物になるけど無問題♪
こんな時の為に修めた数々のエクストリームスポーツ(地形の利用、ジャンプ、クライミング、ダッシュ、水泳、念動力、空中戦、早業、見切り)の前ではあらゆるモノが道でアトラクションに早変わりさ☆
さぁて、何か面白いモノあるかなー?


沢木・助平
【SPD】
ほぉほぉ、次は謎のコロニーの探索っすか。
それにしても問答無用でビーム撃ってくるとことかマトモじゃねぇっしょ。
艦長さんもなかなか勇気ある人なんすねー。

ほんじゃま、自分は体力なし子ちゃんなんで調査に専念しますか。
ハッキングは得意じゃねぇけど、まぁ出来る範囲で調べとく。
あとは【ガジェットショータイム】を使って、なんかこう、このコロニーの特性?とかを調査してみようかな。何が出るのかよくわかんないのがこれの悪いトコっすけど。
とりま、人の有無とかっすかね。いれば敵対か否か。斥候向きのが出てくれりゃ御の字か。

やーそれにしてもいいなぁ宇宙コロニー。
作れないかなーこれ。バラしちゃだめかなー!?



(探検♪探検♪謎のコロニーの探検♪)とご機嫌な様子でコロニー調査に乗り出した、蒼汁之人・ごにゃーぽさん。
 同じく(ほぉほぉ、次は謎のコロニーの探索っすか。これは楽しみっすね~。でも問答無用で攻撃してくるコロニーとかマトモじゃねぇっしょ。そこに乗り込む艦長さんもなかなか勇気ある人なんすね~)とこちらもノリノリな様子の沢木・助平。

 偶然か、はたまた運命か?ごにゃーぽさんは
「第六感を強化するモノかもーん☆」
 と言いつつ、沢木は(なんかこう、このコロニーの特性?とかを調査できるもの出ないっすかね~)と期待を込めて、二人とも調査のために【ガジェットショータイム】を発動した。
 召喚されたものは果たして……。

 ごにゃーぽさんは『ごにゃーぽ神ごずなり様』を呼び出した。
「……ふぁ!?え、どうやって使うんだコレ?」
 と動揺を隠せない。とりあえず蒼汁をお供えして祈り捧げておこうか、と気が動転してしまった。無理もない、その見た目はやはり誰がどう見ても形容しがたいものであった。描写については勘弁願いたい。
 沢木が出したものは『露出搭乗型多脚走行車』。簡単に言うなら、車輪の代わりに八本脚の生えたバイクとでも思えばよい。何が出るのかよくわかんないのがこれの悪いトコっすね~、と言いながらも抵抗なく乗り込む沢木。レバー二本で動くことを確認はできたが、謎が多いガジェットである。

 さて、ハッと気を取り直したごにゃーぽさん。
「探検♪探検♪第六感の導くままに歩き回るよー☆」
 とマイペースさを取り戻した。
 沢木は
「とにかく、このコロニーの特性?とかを調査してみようかな」
 と言いながら移動しようとした。そこへごにゃーぽさんから一つの提案が出された。
「どっちが先に何か面白いものを見つけられるか競争しない?」
 と。沢木はこれに応え、
「いいっすよ~。でも、見つけたら派遣部隊かブリッジに連絡っすよ」
「もちろん分かってるさ☆じゃあ、よーいドン☆」
 と持ち前のスピードを活かして、先を行くごにゃーぽさん。
「あ!ズルいっす~!」
 慌てて多脚走行車を駆る沢木。

 コロニー内は暗い、ほとんど明かりがない。しかしそんな中でもごにゃーぽさんは『ごにゃーぽ☆ツール♪』によって、沢木は多脚走行車のヘッドライトで光源を確保しつつ調査していった。
 ごにゃーぽさんはその体格を活かして、狭い所へも入り込んだりした。逆にちょっとした大きさのモノでも障害物になると思われたが、特に苦もなくするすると通り抜けていく。まるでアトラクションを楽しんでいるかのようだ。
 沢木は多脚走行車の機動性によって時には通路を、時には建物屋上へ。またある時は建物壁面へ取り付くなどの立体的な動きで調査を進めていく。

 調査を進めていくうちに二人ともそれぞれコロニーの特色を掴んでいった。
 まずごにゃーぽさんはというと、300ミリ角程の点検口から配管内へ入ってみた。配管は意外と太く、その中には太さの違うケーブルが何本も走っていた。このことから普通の電源線や通信線以外の、何か別目的のケーブルが通してあると思った。これはどこの点検口も同じだった。ごにゃーぽさんはブリッジへと通信を送った。
 一方の沢木はというと、建物に注目していた。どれも同じように見える角型の建物だとは思っていたが、入り口が全く見当たらないのである。窓もない。ただのモニュメントとも思えるほどだ。内心(バラしちゃだめかなー!?)とか考えたが、一つの可能性を思いついた。沢木もまたブリッジへ通信を送った。

 ブリッジでは二人の通信をほぼ同時に受け取っていた。二人から聞いたコロニーの特性をもとに、このコロニーが何の目的で建造されたか推察した。
 結論から言おう、かつての大戦の最中に帝国によって建造された決戦用兵器『コロニー・キャノン』であるのではないか、と。
 沢木からは建造物は居住用ではなく、それぞれが巨大なエネルギー発生装置であると。ごにゃーぽさんからは、ケーブルは何かの制御用の通信線・大量のエネルギーを送るための電源線であると。そしてコロニーからの砲撃という情報を組み合わせると合点がいく。
 またクルーの大半も噂で聞いたことがあった。曰く、帝国の手に落ちたコロニーで大量虐殺が起きたということ。曰く、帝国は来るべき決戦に備えて艦隊丸ごと沈めるほどの兵器を開発していたということ。
 ごにゃーぽさんと沢木の二人は別々の場所で、その話を聞いた。そして、恐ろしい発見をしたことに震えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 クレロデンドルムでは急ぎ、士官クラスのクルーがブリッジに集められた。このコロニーの正体が『コロニー・キャノン』であることを前提に会議を行うためだ。まずは艦長が落ち着いてハッキリとした口調で口を開いた。
「我々は重大な局面に立ち向かうことになった。できる限り全員の意見を聞きたい。まずは副長、君から頼む」
 促された副長が口を開く。
「では、私の意見を述べさせて頂きます。本艦はここへ留まり、急ぎ本隊へ伝令を出してはいかがでしょうか?幸いにも派遣部隊と猟兵達からの情報では、現状帝国兵の姿は見えないとのことですので現状を維持するだけなら何とかなるでしょう」
 ふむ、と艦長は考え込んでから
「会計兼監査役殿はいかがですか?」
 指名された会計兼監査役士官は、手元の電子算盤をパチパチと弾いてから発言する。
「ふ~む、困りましたねえ。これだけのものを改修・維持するとなると莫大な資源と人手がかかりますなあ。かと言って、このまま放棄しておくのはあまりにも危険すぎますねえ。援軍を呼ぶのも結構ですが、呼んだ艦隊がいきなりズドン!ということになっては目も当てられませんし」
 次に指名されたのはメカニックチーフ。
「せめてコントロールだけでも奪えればいいんだが、もしくは動力源の『コアマシン』を見つけてそれだけでも回収ってとこかねえ。ただなあ、俺ら技術班と解析班でもコロニー丸ごとのコントロール奪うほどのハッキングは出来ねえなあ。コントロールルームに直接乗り込むにしても、コアマシンの回収にしても場所が分かんねえんじゃ、どうしようもねえわな」
 残りの士官についても意見を尋ねていったが、喧々囂々としてまとまりそうもない。最後に意見を聞いていない人物に艦長は尋ねた。
「参謀、あなたなら妙案が浮かぶのでは?」
 静かに様子を見ていた参謀。落ち着いた口調で
「そうですね、いっそのこと爆破・放棄いたしましょう」
 この意見に一同唖然としてしまった。続けて参謀は
「監査役殿の言う通り、改修・維持は困難を極めます。かといって、このままにしておくのも上策とは申せません。万が一、帝国が発見した場合の脅威は計り知れませんから。ですが、もう一つだけ。後々のことを考えた場合このコロニーの情報、惜しくはありませんか?コントロールルームへ乗り込んで情報を抜き取りましょう。設計図等の情報が集積されているとすれば、そこでしょう。コアマシンも貴重ですから回収したいところではありますが、これは二の次にいたしましょう。見つかったら幸運程度にお考え下さい」
 「参謀のお考えは結構だが、できるかね?この状況で」
 と艦長は半信半疑。参謀はフフッと笑うなり言う。
「艦長、そこですよ。おそらく我々だけでは難しいでしょう。しかし、心強いお味方がいらっしゃるではありませんか。お忘れですか?力・速さ・知力において我々以上の存在を。『猟兵』ですよ。彼らの力を借りましょう。伝説の『解放軍』の再来と呼ばれる彼らの力を信じてみようではありませんか」
 この言葉で艦長以下、一同は猟兵達の活躍に一縷の望みを託すことにした。
レイチェル・ケイトリン
このコロニーがぜんぶおっきな大砲だとしたら、コントロールルームやコアマシンのとこって内側からじゃなくて外から入る感じじゃないかな。
中は発射するとき、すごくおっきなエネルギーがおおあばれするとおもうし。

宇宙服着て、コロニーの外壁の外をまわってみるね。
警備装置とかありそうだし、念動力技能でサイコキネシスつかって盾になりそうな金属の板材もってくよ。

なにかあったらメカニックチーフさんすぐよんで
サイコキネシスで協力してなかにはいるね。

コントロールルームで設計図があればコアマシンも見つけられるよね。

ここのコアマシンをつかって「みんながしあわせに暮らせるコロニー」をつくってもらえたらうれしいな。

がんばるよ!


アリン・フェアフィールド
スズロク(f03285)と同行

チーフ、怒られちゃったけどめっちゃいい人だ~
頑固だけど優しい所、ちょっとお父さんに似てるなあ。

帝国に乗っ取られて、コロニー自体まるごと兵器にされちゃってたなんて…悲しい。
爆破しちゃうの勿体無いけど、危ないもんね。仕方ない。

わたしはハードウェア専門寄りなんだよねえ。
ということでハッキング系得意なヒトに応援要請しました!
よろしくスズロクくん。わたしは宇宙バイク飛ばして現地急行の足になる役!
コントロールルーム探して乗り込むよ。

物理解体作業とか、爆弾設置作業とかならまーかせて!
設計図が手に入ったらコアマシンも回収しに行きたいよね。
怖いとか言ってないで行くよースズロクくん!


三寸釘・スズロク
アリン(f06291)と同行

召喚されました。
アリンちゃんて結構無茶するよね。まあ俺よりはタフだと思うケド…
全然懲りてなさそうだな。

無人のコロニーってのは不気味だねぇ…人がいない東京みたいな。
まずは皆が見つけてくれたっつー通信ケーブルからアクセスして、コントロールルームの場所を割り出すか。
電脳展開『不可視の黒猫』起動、探索よっしくな、みーちゃん。
見つけたら直接乗り込んで物理ハッキングだ。
ちょちょスピード出し過ぎだってアリンちゃん!

設計図は抜き取れたらすぐ他の猟兵と本艦に送信共有しとくぜ。
操作権奪うのも一応試してみるが、時間かかりそうならやっぱ物理破壊がイイかも。
帝国軍と鉢合わせが怖いんで程々に。


シェミア・アトック
コロニーキャノン…まさか、あの船の損傷…ここから…?
だとすれば、あれは試射…?
もしそうなら、既に敵に入り込まれている可能性は高い…
大まかな構造から逆算して、銃座側を目指す…
鎌のブースターを全開にして、素早く行く…!
道中にもし敵が出たら、ブラスターで排除…
操作板のようなものを見つけたら直ぐ様確保…連絡を入れて共有する…
そうでなくともコアが見つかれば…エネルギーの集まる銃身にきっとあるはず…!



 クレロデンドルムとスペースシップワールドの命運を左右する立場として、一縷の望みを託された猟兵達。
 その中で装甲修復以外の貢献もしたアリンは(チーフに怒られちゃったけど、めっちゃいい人だ~。頑固だけど優しい所、ちょっとお父さんに似てるなあ。
 でも今はそんなこと考えてる場合じゃないよね。帝国に乗っ取られて、コロニー自体まるごと兵器にされちゃってたなんて…悲しい。
 爆破しちゃうの勿体無いけど、危ないもんね。仕方ない)
 と気を引き締め直した。
 そんな彼女はグリモア猟兵を通して応援要請をしていた。アリンはハードウェア専門寄りということで、ハッキング技術に長けた猟兵にお願いしていた。送られてきたのは三寸釘・スズロク(ギミック・f03285)。彼は開口一番に
「アリンちゃんて結構無茶するよね。まあ俺よりはタフだと思うケド……全然懲りてなさそうだな」
 などと話しかけていた。アリンはえへへ、と笑って
「よろしく、スズロクくん!」
 と親しげだ。スズロクも気軽に
「ああ、任されて!」
 などとこちらも気の置けないようだ。

 コロニー内でスカイステッパーを駆使して、探索を行っていたレイチェルは集まった情報を元に(このコロニーが全部おっきな大砲だとしたら、コントロールルームやコアマシンのとこって内側からじゃなくて外から入る感じじゃないかな。中は発射するとき、すごくおっきなエネルギーが大暴れすると思うし)
 と考え直した。
 同時にシェミアが
「コロニーキャノン……まさか、あの艦の損傷……ここから……?だとすれば、あれは試射……?もしそうなら、既に敵に入り込まれている可能性は高い……。大まかな構造から逆算して、銃座側を目指す……」
 と独り言を呟いた。これが通信ケーブルからアクセスして、コントロールルームの場所を割り出そうとしていたスズロクの耳へ同時にハッキングしていた通信機へ入った。
 スズロクは2人に向かって
「そう慌てなさんなって、ちょっと待ってな。コントロールルームの位置ぐらい、すぐに割り出すからさ。電脳展開『不可視の黒猫』起動、探索よっしくな、みーちゃん。速度は椀子の超級で!」
 呼び掛けて電脳ゴーグル内蔵ハックプログラムを展開していくスズロク。(にしても、無人のコロニーってのは不気味だねぇ……。本来なら人が住むはずの場所なのにさ)
「うっし、キタぜ!ここがコントロールルームだ。ガイドは俺が出すぜ、ヨッロシクう!」
 傍でこの作業を見ていたアリン、
「さっすがスズロクくん!ここからわたしは宇宙バイク飛ばして現地急行の足になる役!早く乗って!コントロールルーム目指して乗り込むよ!」
 スズロクは言われるまま、アリンの宇宙バイクに後ろへ乗り込む。軽くアイドリングをしたかと思うと、【ゴッドスピードライド】を発動するアリン。とんでもないスピードをいきなり出したアリンに、ちょちょスピード出し過ぎだってアリンちゃん!とスズロクは叫ぶがそんなものはアリンの耳に届いていなかった。

 レイチェルとシェミアはスズロクのルートガイドによって、コントロールルーム目指してコロニー内を進んでいく。
 レイチェルは修理作業でも見せたサイキックエナジーによるサイコキネシスを駆使して、遠距離の地面や建物を掴んで自らを運んでいく。凄まじい念動力によって一回のサイコキネシスでかなりの距離を稼いでいく。(コントロールルームで設計図があ手に入れば、きっとコアマシンも見つけられるよね。そしたら絶対にチーフに取り出してもらうんだ。それから、ここのコアマシンを使って『みんなが幸せに暮らせる素敵なコロニー』を造ってもらうんだ。それがわたしの考えるほんとのコロニー)
 シェミアは『Sky Meteor』に装着されたプラズマブースターを全開にして、コロニー内上空を飛行して素早く目指していた。彼女は道中にもし敵が出たら、ブラスターで排除……と思ってはいたが、幸いなことにやはり敵影は全く現れなかった。

 スズロクの的確なルートガイドによって猟兵達はコントロールルーム目前となった。が、スズロクが全員に叫ぶ!
「待て!コントロールルームに生体反応だ!」
 これは少なくとも味方じゃない!彼の第六感はそう言っていた。それを聞いてシェミアは背中に装着した六連装ビームカノン『Stampede Comet』を身構える。レイチェルもサイコキネシスで手近な鋼板を数枚引き剥がして盾のようにした。
 コントロールルームの入り口は大きく開いている。中にいるのは一体何者なのか?猟兵達は警戒しつつ、コロニードックの真反対側に位置するコントロールルームに迫った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「随分のんびりとしたご到着だったな、クレロデンドルムの諸君。いや、この場合は猟兵の諸君と言ったほうが正確かな?申し遅れたが、私は帝国騎士に列する者だ。技術者としての腕を買われ、陛下に召された故に名乗るほどの者ではない」
 コントロールルームから、大きく開け放たれた入り口に向かって声が掛けられる。ルーム手前の通路で身を隠していた猟兵達は警戒感を高める。
「それはそうと、私からのプレゼントは気に入って頂けたかな?ちょっとした手土産程度のものだがね」
 声の主の言う『プレゼント』とはおそらく、コロニー・キャノンの砲撃だろう。あれが手土産程度だと!?と猟兵達をはじめ、通信機を通してクレロデンドルムのクルーは戦慄する。
「諸君らの心は手に取るように分かるが、驚くのはまだ早い。説明しようか?これは『失敗作』なのだよ。制圧したコロニーを有効活用するという発想は実に良かったが、欠陥だらけでね。エネルギーの変換効率の悪さから来るものか、出力が思ったほど出ておらぬ。連続発射もできないときたものだ。決戦兵器として陛下に献上差し上げようと思っていたが、アテが外れたよ。データの解析はあらかた終わったので、私は陛下に復命するとしよう。道を空けて頂けるかな?」
 説明好きの帝国騎士にそう言われて道を空けるほど猟兵達は愚かではない。猟兵達は隙を伺うように通路で身構える。
「ふむ、道は空けて頂けないと。やれやれ、では力づくでも通して頂こうか。ついでだ、これにもう用は無い」
 言うなり帝国騎士は大きな赤いスイッチを、施された防護を壊して押してしまった。ルーム内にけたたましい警告音が響き渡るとともに、総員脱出セヨと合成音声が繰り返される。巨大な電子モニターにはカウントダウンが表示された。
「三十分か、自爆しようというのに悠長だな。まあいい、充分だろう。技術屋と侮るなよ、仮にも帝国騎士。諸君ら程度ならば軽く蹴散らしてくれる。と、そんなことを言っている間にも30秒が経過してしまった」
 なんと!どうやら赤いスイッチはコロニー・キャノンの自爆用スイッチだったらしい。表示されるカウントダウンは自爆までの残り時間だ。
 帝国騎士を前にして、さらに窮地に立たされる猟兵達とクレロデンドルム。果たして決着は如何に。
レイチェル・ケイトリン
ちょっ、ちょっと!?

この敵、おそろしすぎるんだけど!!

コントロールルームのシステムに念動力技能でサイコリンクデバイスをいそいで接続・操作してユーベルコードのサイコアクセスを発動し、ハッキングと情報収集の技能もつかって自爆進行プログラムを攻撃して機能停止させ、管理者権限のパスワードデータを奪って自爆命令を止めるよっ!

コロニーをまるごと失敗作にするまで好き勝手いじくっといて、期限も知らずに自爆機能をつかう?! そんなカウントダウンなんかしんじられないよっ!

技術屋と侮るなよ?

こんなのが技術者だからおっかないんだよっ!

銀河帝国皇帝、このコワさのうらみはわすれないからね。

ぜったいゆるさないんだからっ!!



「ちょっ、ちょっと!?この敵、恐ろしすぎるんだけど!!技術屋と侮るなよ?こんなのが技術者だからおっかないんだよっ!」
 そう帝国騎士に向かって言い捨てながら、猟兵達の先頭としてコントロールルームに乗り込むレイチェル。
 ーー自由が欲しいわたしの心、その力で未来も道も切り開くよ。せめてコアマシンを取り出して、いつか人々が幸せに暮らせるコロニーを造ってもらいたい。そう思っていたのに……。奪われて兵器にされちゃったコロニー、取り戻してみせるよーーそう胸に秘めたレイチェルは、凄まじい念動力で操る鋼板を帝国騎士へと時間差で放つ。苦も無く鋼板をかわしていく帝国騎士は、レイチェルによるもう一つの動きを見逃さない。鋼板を放つ一方で、サイコリングデバイスをシステムに接続させていた。
 接続完了させたレイチェルは【サイコアクセス】を発動。自爆進行プログラムを攻撃して機能停止させ、管理者権限のパスワードデータを奪って自爆命令を止めることに成功。警告音と合成音声は止み、モニターのカウントダウンも停止した。これを目にした帝国騎士は唸る。
「ふむ、なかなかやるではないか。相手が古いシステムとはいえ、これだけのことができる技術者はそうそう目にできん。陛下に奏上して取り立てて頂けるように取り計らいたいと思うが、どうかね?」
「そんなのお断りだよっ!コロニーを丸ごと失敗作になるまで好き勝手いじくっといて、時限も知らずに自爆機能を使う!? そんな相手の言うことなんて信じられないよっ!それに銀河帝国皇帝はコロニーのみんなをどうしちゃったか知ってるんでしょ?みんながコワくて恨んでるはずの皇帝なんて絶対に許さないんだから!!」
 乳白色の肌を上気させて帝国騎士に答えるレイチェル。
「致し方ない、ならばここで朽ち果てるがいいわ!」
 言うや、帝国騎士は念動力で形成した帝国旗をレイチェルに向かって放つ。かわせないこともないが、かわせば後ろにいる仲間に直撃してしまう。咄嗟にそう思ったレイチェルは仲間をかばうように念動力で帝国旗を受け止める。空中でピタリと静止する帝国旗。レイチェルのそれも凄まじいが、帝国騎士の念動力も伊達ではない。二人の力を受けた帝国旗は二つにへし折れて霧散してしまった。これに帝国騎士は憤懣やるかたない。
「おのれ、栄えある帝国旗になんとするか、不敬である!」
 レイチェルにとっては、帝国騎士の思想や主張なんかどうでもいいものとして聞き流していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリン・フェアフィールド
スズロク(f03285)と同行

ちょっ、自爆!?い、急がなきゃ…!
だけどこの帝国騎士は見逃すわけにはいかないよ。
大事なコロニーを奪っておいてムダ遣いして、ほかの船まで危険に晒すとか許さないんだから!

【スクラップ・ジャイアントの手】攻撃力一点集中で思いっきり殴る!!
スズロクくんが凍らせてくれたら、そこを狙って砕くよ!
敵の念動力攻撃に対しては、スクラップハンドを広げて盾に。
ついでに通路にスクラップの壁広げて、逃げられないように通せんぼしちゃうもん。
他の皆もかばえそうならかばうよ。
スズロクくん、リロードまだー!?(小声

貴方みたいな技術を持ってる人、惜しいって思う。
けど、こうしなきゃ未来は守れないから。


三寸釘・スズロク
アリン(f06291)と同行

へーへー、仕事熱心なことで。俺らで爆破する手間も省けて良かったじゃねーの。
おしゃべり好きなエンジニアってのは総じて優秀だぜ。
ケド、ワンオペでこなそうとするのは感心しないねぇ。
こーやって囲まれちゃうからな!

カンプピストルタイプのガジェット出して【氷海に棲む蛇の牙】で
凍らせて奴の動きを止める。
コレ一発ごとに弾込めしなきゃなんないのがな……ちょい待ってくれ。
隙ができたらあとはアリンちゃんと皆サン、宜しく頼んますよ。

合間見てコッソリ電脳展開、ハッキングでどーにか設計図取れねーかとか
自爆止められねーかとか、コアマシンの操作権奪えねーかなとかやってみる。



「ちょっ、自爆!?い、急がなきゃ……!だけどこの帝国騎士は見逃すわけにはいかないよ。大事なコロニーを奪っておきながらメチャクチャに改造して、ほかの船まで危険に晒すとか許さないんだから!」
「へーへー、アリンちゃんは仕事熱心なことで。俺らで爆破する手間も省けて良かったじゃねーの。なーんて思ってたら、自爆機能停止してんじゃん。後でゆっくり電脳展開、ハッキングでどーにか設計図やデータ取れねーかとかやってみようかねー」
 普段の元気な口調とは違い厳しい物言いのアリン、対照的に普段通り飄々とした口調で答えるスズロク。続けてスズロクは
「おしゃべり好きなエンジニアってのは総じて優秀だぜ。ケド、ワンオペでこなそうとするのは感心しないねぇ。こーやって囲まれちゃうから、な!」
 二人もまた帝国騎士と対峙する。

 真っ先に動いたのはスズロク。
「ちっとばかし、立ち往生しといて貰うぜ!」
【氷海に棲む蛇の牙(エケネイス・フロスト)】を発動させ、カンプピストル型ガジェットから着弾時に爆発拡散する冷凍弾を帝国騎士めがけて放つ。軽く飛び退り直撃こそ避けたものの、属性攻撃も相まって冷凍弾は着弾点を中心に帝国騎士の足元を凍結させる。
「隙ができたぜっと。あとはアリンちゃんと皆サン、宜しく頼んますよ」
「この程度で動きを止めたつもりか!」
 帝国騎士は足元を凍結されながらも帝国旗を念動力で形成し、スズロクへ向かって発射する。だがそれはアリンのスクラップハンドによって弾き飛ばされる。しかし帝国騎士もさるもの、冷静に次の攻撃へ移る。インペリアルブレイドをアリンへと向ける。目に入った、落ちていた鋼板で壁を形成するアリン。攻撃が命中し爆発四散したスクラップの中から、広げたスクラップハンドを盾に迫るアリン。そのままスクラップハンドを巨大な拳に変形させ
「わたしが皆を守るんだ! この手で!」
 叫んで攻撃力一点集中の【スクラップ・ジャイアントの手(スクラップ・ジャイアント・ハンド)】が帝国騎士に炸裂する。攻撃をまともに受けたほうは回避することもままならず、吹き飛ばされる。鋼板製の壁面にめり込み、何か呻いているようだ。
ーー平和のために技術を使ってくれるなら、貴方みたいな技術を持ってる人は惜しいって思うのに……--
 この間にアリンはダッシュでスズロクに駆け寄り小声で耳打ちする。
「スズロクくん、リロードまだー!?」
「ちょい待ってくれ、コレ一発ごとに弾込めしなきゃなんないのがな……」
 そんなやり取りをしているうちに帝国騎士は立ち直る。
「今のは痛かった、痛かったぞ!だが、貴様ら猟兵ども如きに帝国の栄光をやらせはせぬ!やらせはせぬぞ!」
 多少なりと傷を受けたことで、帝国騎士にも心境の変化があったのか口調が変わっていく。
 アリンとスズロクを始めとした猟兵達も一層気を引き締めなおしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイチェル・ケイトリン
いや、思想や主張なんて本気でどうでもいいんだけど。

メカニックチーフさんをおもうよ。
安全管理を必死にがんばってる……その姿を。

技術者は自分が扱うものを管理してみせて当たり前なんだよ。

「技術屋と侮るなよ」?
こいつの技術管理は電子レンジでタマゴ爆発させたニノさんと大差ないよね。

このまるごと失敗作コロニーが電子レンジでわたしたちみんなタマゴ、
ほんと、そんなかんじにされてたんだし。


念動力と吹き飛ばしの技能でサイコエッジをつかうよ。
敵も、敵の攻撃も、鎖も、バリアも、旗も、
ぜんぶぜんぶ斬り裂いてふっとばすの。

ほかの猟兵さんへの攻撃も切り裂いてふっとばすよ。
かばう技能もつかえるから。

さっさとやっつけないとね。



 帝国騎士の一言を聞いてレイチェルは
「あなたの思想や主張なんて本気でどうでもいいんだけど……」
 と素っ気無い。――メカニックチーフさんを思うよ。安全管理を必死に頑張ってる……その姿を――さらに続けて
「技術者は自分が扱うものを管理してみせて当たり前なんだよ。『技術屋と侮るなよ』?あなたの技術管理は電子レンジでタマゴ爆発させるような人と大差ないよね。このまるごと失敗作コロニーが電子レンジでわたしたちみんなタマゴ。ほんと、そんな感じにされてたんだし」
 と帝国騎士を罵る。これに答える帝国騎士。
「おのれ小娘、愚弄するか!他の猟兵ともども素っ首、叩き落としてくれるわ!」
 再び帝国騎士は念動力で帝国旗を形成する。今度は二本、三本と数を増やしていく。それを見たレイチェル。
「数を増やしたとこで同じよ、全部吹っ飛ばしてあげるんだから!」
 帝国騎士は押し殺すようにクククと笑い
「君はよくても、お仲間はどうかな?」
 旗竿の石突が他の猟兵に向いて放たれる。レイチェルはかばおうとそれぞれに向けて【サイコエッジ】を放つ。帝国旗は全て念動力を圧縮・形成され放たれた刃に切断・吹き飛ばされる。その一瞬に帝国騎士はレイチェルへ間合いを詰め、禍々しいオーラを纏ったフォースセイバーで切り裂かんものと迫る。慌てずに鮮やかなステップでかわすレイチェル。斬撃は銀色の髪を少しばかり掠めたのみ。お返しと渾身の念動力を込めた【サイコエッジ】が帝国騎士を直撃した。鎧は大きく切り裂かれ、吹き飛ばされる帝国騎士。
「帝国騎士らしく戦いなさい。あなたが自分を技術者だとすこしでも思うならわたしたちには勝てないよ」
――でも、さっさとやっつけないとね――

大成功 🔵​🔵​🔵​

富井・亮平
【心情】
おのれッ! オブリビオン星人ッ!
その悪辣な思惑、これ以上見過ごすことはできんッ!
一刻も早く成敗し尽くしてくれるッ!

【行動】
「ジャァァスッ! ティィィスッ! ペイィィィィィンッ!!!」
あふれ出る正義の心を抑えきれんッ!
暴走したハートの赴くままに行動せざるを得ないッ!
さあこいッ! 念動力の斬撃を受け止めて爆発するぞッ!

しかし問題ないッ!
ヒーローに爆発は付き物ッ! この程度の爆発には慣れているッ!
むしろ活躍を始めるための起爆剤のようなものだッ!

その後はこちらのターンッ!
生成された念動力の鎖を握り締め、敵を引き寄せてやるッ!
そのまま正義の鉄拳をお見舞いだッ!
ジャスティス・パンチをくらえッ!



「猟兵戦隊イェーガーレンジャーッ!イェーガーレッド!ただいま参上ッ!」
 外連味たっぷりの口上とともに現れた猟兵はイェーガーレッドを名乗る富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)。

「さあ来いッ、オブリビオン星人ッ!その悪辣な思惑、これ以上見過ごすことはできんッ!一刻も早く成敗し尽くしてくれるッ!」
 ビシッとポーズを決めつつ、挑発を帝国騎士へと放つイェーガーレッド。その挑発に乗ったのか帝国騎士は体勢を立て直しつつ
「ナントカ星人とやらではないが、気に食わん物言いだ。そんなに死にたければまずは貴様から屠ってくれる!」
 と念動力を集中させる。暴走した正義のハートが赴くままに行動せざるを得ないイェーガーレッドは怯まず
「ジャァァスッ! ティィィスッ! ペイィィィィィンッ!!!」
 一声叫んだところへ帝国騎士の放った念動力を宿した飛ぶ斬撃が命中し爆発する。さらには念動力の鎖が繋がれた。
 まともに攻撃を受け、無事ではないと思われた。爆発の煙が晴れると、そこに傷つきながらもイェーガーレッドの勇姿があった。この程度の爆発には慣れているようだ。それどころかヒーローに爆発は付き物、むしろ活躍を始めるための起爆剤のようなものだと言わんばかりの様子。
 そして逆につながれた鎖を握り締め、思いっきり帝国騎士を引き寄せる。
「正義の鉄拳を食らえッ!ジャァァスティス・パアァァァァァンチ!!!」
 至近距離からの、さらに引き寄せた反動の加わった強烈なパンチが帝国騎士へ炸裂する。またも吹っ飛ばされる帝国騎士。
「見たかオブリビオン星人め、正義の力をッ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

触叢・アン
仲間らが戦ってるのを確認し、忍び足6・暗殺2・騎乗7・操縦8を駆使し、敵の脇腹目がけ鎧無視攻撃9っ、で宇宙原付ど~~~ん!
「ほれ、ど~~~ん」
その弾みで…騎乗7、操縦8、逃げ足8、ジャンプ、地形の利用、等と機体に付いたワイヤーを活用しそのまま高い場所に移動

「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!(タンクトップ破り捨て)」
ミリオンライドアタック(+鎧無視攻撃9)、それは宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出…つまり露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ! ふぅらっしゅ!Ah~~~♪」
敵目がけ降り注ぐ無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャン、それが1点に集束し蹴り貫く!


ミーヤ・ロロルド
あ、亮平くんだ、すっごーいにゃっ!!
ミーヤもいっぱい頑張るにゃよ!

戦闘では【SPD】メインで行くにゃ!
野生の勘で敵の攻撃を避けながら、ガジェットやシンフォニックデバイスで、どんどん攻撃して行くにゃ!!
ガジェットを使って攻撃……すると見せかけて、人狼咆哮で、強烈な一撃を当てるにゃよ!
「ミーヤはガジェットだけじゃないのにゃ!!」
上手くUC当てれたら、えっへんってするにゃ♪

みんなと一緒に、敵をぶっ倒すにゃよーー!!



「すっごーいにゃっ!!ミーヤもいっぱい頑張るにゃよ!」と場違いなくらい元気な声で他の猟兵に声を掛けるのはミーヤ・ロロルド(人狼のガジェッティア・f13185)。――みんなと一緒に、敵をぶっ倒すにゃよーー!!と気合も十分。

 ミーアは帝国騎士が態勢を立て直す前にシンフォニックデバイスで歌声を響かせどんどんと攻撃して行く。帝国騎士は躱すこともままならず、歌声をまともに浴びる。
 その間に叢・アン(銀河疾風・f01011)は宇宙原付を駆り、持ち前の騎乗・操縦技術を以て帝国騎士へ迫っていく。かろうじて体勢を立て直した帝国騎士、だが遅い。そのままミーヤの攻撃に気を取られている帝国騎士の脇腹へ目掛けて宇宙原付で跳ね飛ばす。これには帝国騎士の鎧も意味はない。勢いあまって触叢はコントロールルーム内の壁や天井へ宇宙原付に乗り、所狭しと動き回る。
 跳ね飛ばさされた帝国騎士にガジェットでの攻撃も試みるミーア。ここでミーアは叫ぶ。
「みんな下がるにゃ!」
 ミーアの言われた通りに他の猟兵はミーアから出来る限り離れる。幸いコントロールルームはコロニーの制御を司っていただけに広さは十分ある。ガジェットでの攻撃をすると見せかけて、ミーアが激しく一声叫ぶと、帝国騎士へ何度も高威力の激しい攻撃がヒットする。
「ぬわああああ!」
 帝国騎士の悲鳴がコントロールルーム内に響き渡る。ここをチャンスと見た触叢
「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!」
 と自らのタンクトップを身軽になるため破り捨てる。元々肌色面積の多い彼女だが、さらに露出が増える。女性猟兵達は男性猟兵の視界を塞ぐように動いた。
「とぉ! ふぅらっしゅ!Ah~~~♪」
 帝国騎士の頭上から触叢による無数の影分身がダガーブーツを伴った蹴りを加えていく。加速した彼女の影分身は何度も帝国騎士へ痛打を与える。その間のミーアといえば、えっへん!と胸を反らし、誇らしげだ。
 しかし、なおもフォースセイバーを手に立ち上がる帝国騎士。だが、何を思ったかその刃を自らの首へと持っていく。
「貴様ら猟兵の手にかかるくらいならば、自ら死を選ぶわ!
皇帝陛下万歳!銀河帝国に栄光あれ!」
 一声叫ぶなり帝国騎士の首は床に転がり、身体は前のめりに倒れる。多くの猟兵が呆然とする中、触叢がつぶやく。
「やったんじゃろうか?」
 その声に反応してわあっと勝鬨が上がる。

 瞬間、収まったはずのけたたましい警報とカウントダウンが再開する。一人の猟兵が口を開く。
「しまった、プログラムの修復だ!さっきは簡単に機能が停止できたが、今度はそうもいかない。このテのやつは修復が完了すると同時にセキュリティ能力が向上するってのが相場だ。おそらくカウントダウンが終わるまでに停止させるってのは難しい。仮にできたとしてもイタチごっこだ、撤収したほうがいいぜ」
 ある猟兵は愕然とした。
「せっかくこのコロニーを作り直してもらって、みんなが住めるようになると思ったのに」
 その目は少し潤んでいるようだった。別の猟兵が慰めるように肩を抱く。
 同時に連絡器から艦長からの指示が飛ぶ。
「猟兵の諸君、撤退だ。こちらも部隊の収容に移る。コロニーは放棄する」
 諦めきれない猟兵もいたが、各々クレロデンドルムへと撤退を図る。ある者はガジェットによって、ある者は宇宙バイクに乗って。同乗させてもらった者もいるようだ。その間に艦内では指示が飛んでいる。エンジン起こせ!だの、どこそこの部隊はまだか!など。
 猟兵が全員、艦へ辿り着くころには残り時間もわずか。だが、艦のほうは準備が整っていた。猟兵を収容すると、ドックから出るために出入り口を砲撃する。この判断は正しかった。悠長に隔壁が開くのを待っていたら間に合わなかっただろう。
 全速で離脱したところでコロニーキャノンは爆発四散していった。
 脅威は去ったが、爆発の衝撃が伝わる艦内で猟兵達とクレロデンドルムの人々は何を思っただろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月03日


挿絵イラスト