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エンパイアウォー⑯~伏したる将を斬り伏せよ

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #風魔小太郎

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「来たぜ来たぜ来たぜェ、大物だァ!」
 ハイテンションにやかましく、グリモア猟兵の我妻・惇が声を上げる。

 百面鬼『風魔小太郎』の『風魔忍法隕石落とし』によって各所に落とされている多くのオブリビオン隕石群は、猟兵たちの尽力によって首尾よくその被害を防がれている。そしてついにその元凶である風魔小太郎の居場所も明らかになり、攻撃を行えるようになった。
 とはいえ元は戦国最強にして最凶を謳われた化身忍者であり、オブリビオンになってさらにその力を増している。生半可なやり方で勝てる相手でもないだろう。それでも倒さねばならぬ相手であるし、それでこそ。
「取り甲斐のある首ッてモンだろ?」
 鼓舞するつもりか個人的な高揚によるものか、惇はにやりと笑って呼びかけた。

「見つかったのは風魔忍軍の忍者屋敷。根城に篭ッて高みの見物たァ呑気なモンだよなァ」
 しかしその呼称、『忍者屋敷』の名は伊達ではない。至る所に罠があり、侵入者である猟兵を苦しめる。それは種類も設置場所も多岐にわたり、知らなければ簡単には回避することはできないだろう。
「ンでまァ、見えたンだけどな?アレだ、天井やら壁やら床やらから、槍みてェなのが次々出て来る、みてェなヤツ」
 グリモア猟兵の見た経路にあったのは、侵入者を感知すると自動的に動き出す絡繰りで、間隔や長短、塗布された毒の種類なんかも様々である。猟兵にとって大きな脅威ではないが、ものともせずに突破できるような易しいものでもない。対策していなければ戦闘においても足を引っ張ることになるだろう。

「で、抜けたらお楽しみの親分退治だよな。厄介な相手でな、必ず先にユーベルコードを撃って来るンだと」
 その攻撃はいずれも強力で、手放しで受けてやり返そうなどと考えていては容易に倒されてしまうだろう。必ずそれに対抗するための、『ユーベルコードを用いない』戦略が必要になってくる。説明しながら苦々しげな表情の惇、頭を使うのが苦手な男は、提案や助言も放棄して、やや投げやりな口調である。
「そォいうの得意なヤツら、頑張ッて来てくれや。小癪なやろォが悔しがる話、期待してるぜ?」
 意地悪そうに再びにやりと笑って見せて、猟兵たちを送り出しはじめた。


相良飛蔓
 お世話になっております。相良飛蔓と申します。お読みいただきありがとうございます。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●注意
 百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『百面鬼『風魔小太郎』』

POW   :    風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD   :    風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
罠の槍は絡繰りで動くなら、動く音がするはず。
あたしなら聞き耳を立てていれば気付けるかな。

先制攻撃は忍者の軍勢か。
素早く身軽な戦い方は確かに脅威だけど、だからこそ『軽い』。
思い切り斧でなぎ払い、衝撃波で手裏剣も忍者たちも纏めて吹き飛ばしてやれば、一瞬動きを止められるはず。
道が開けたら、百面鬼に向かって真っすぐに飛び掛かるよ。
宙に浮いていれば罠の槍は届く前に通り過ぎるだろうし。
相手があたしを迎撃しようと構えたら出糸突起から糸を出して、不意を突いてこっちに引き寄せる。
相手を引き寄せたら、【崩天地顎】で床に叩きつけるよ。

亡者の居場所は地の底と相場が決まってるんだ。
恨みは無いが、叩き潰させて貰うよ。



 屋敷に侵入してから、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は静かに聞き耳を立てていた。足音を殺しながら注意深く進めば、床板の軋む音に紛れるように、小さな摩擦音。さらに少し移動すれば、床から槍が飛び出して来た。穂先には返しが付き、侵入者をその場に繋ぎ留めるよう設計されている。確かに、まともに当たれば面倒なことになるだろう。
 しかしこの要領なら気を付けていれば大した難所でもないだろう。回避できたことにも凶悪な罠の形状にも特段の感動を示すことなく、ペトニアロトゥシカは奥へと進み、倒すべき標的と対峙する。

 百面鬼は声の方向へ面の一つを向けて、その二つの眼を赤く妖しく光らせる。
「猟兵か」
 低く押し殺したような声からは、感情は読み取りにくい。仮面のその表情も、勿論分からない。
「恨みは無いが、叩き潰させて貰うよ」
 そんなことには別に興味もない猟兵は、のんびりとした調子で布告した。
「叩き潰すか」
 喉の奥でくつくつと笑いながら、それは自らの面の一つを外し、手の中で割って見せる。するとそれは無数の人型となり、次々確固たる質量を得て。
「潰すとは、こういうことか……?」
 現れた忍者の群れは、その頭領の問う通り、ペトニアロトゥシカを押し潰さんと取り囲んでいた。彼らはそれぞれに、手裏剣や刀でもって襲い掛かる。統制なくとも連携の為された、遠近織り込み天地の別ない間断のないその身軽な攻撃は、瞬時に逃げ場を奪う恐ろしい物である。しかしだからこそ。
「軽い」
 猟兵は、その手に持った巨大な戦斧を力任せに横一閃に振り抜いた。ユーベルコードでもなんでもない、何の変哲もないただの怪力。その圧によって襲い来る刀を弾き飛ばし、伴う衝撃波にて無数の手裏剣も吹き散らす。そうして作った一瞬に、百面鬼・風魔小太郎に向けて、力強い踏み切りでもって床板を蹴って飛び出した。
「ふん、甘いな」
 単純な軌道に侮りを篭めて、持った得物を突き出す風魔。待ってましたと猟兵は、手首の出糸器官より強固な糸を吐き出して、構えた腕を絡め取り
「どっちが」
 そのまま敵の身体を吊り上げ、ぐるんと回して床へと叩きつけ――
「どちらだと思う」
 器用に宙で転身し、片手で地面に着地して、とんぼを切って退って着地、屈んで睨め上げ風魔は言った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ジョン・グッドマン
虎穴に入らずんば虎子を得ずか

屋敷対策
【地形利用】【見切り】【第六感】で罠の感知と対処
【衝撃波】で当たりそうな罠を吹き飛ば、【ダッシュ】で焦らず素早く行こう

小太郎戦

【POW】使用

対処法
敵が複数出て来るのか、あまり時間はかけられないな
【戦闘知識】で【グラップル】もしくは【ロープワーク】で敵を捕まえ、【敵を盾にする】【怪力】【ダッシュ】を使用しながら小太郎が確実に攻撃できる射程圏内に入ったらテュモスを発動する

敵が重かったり消滅したら解除し【衝撃波】【なぎ払い】で面攻撃を重視する

【見切り】【第六感】【武器受け】で回避
多少のダメージ受けるだろう【激痛耐性】と痛みを受ける【覚悟】をしよう

アドリブ、連携歓迎



「虎穴に入らずんば虎子を得ずか」
 言って駆けるはジョン・グッドマン(人間のグールドライバー・f00131)。屋敷の奥へとダッシュで向かう。勿論罠は了承済みで、反射神経と第六感で、素早く巧みに駆け抜ける。
「っと…!」
 不意に正面から飛び出して来た、避け得ぬ槍に対しては、衝撃波を放って叩き折る。そうして警戒しながらも、減速なく『虎子』の元へ。

 先の猟兵の戦いと同様に、すぐさまジョンは忍軍に囲まれることとなった。
(あまり時間はかけられないな)
 飛び掛かる敵の腕を取り、迫る手裏剣の盾として。それを投げつけ怯んだ敵へ、走り込んでは打ち倒し。右へ走って左へ跳んで、狙いを定めさせず、また同士討ちを誘うようにして。ユーベルコードを行使することなく、多勢に対し奮闘する相手に対し、風魔の長は小さな驚きを見せ。しかしそうして駆け回り戦う間にも、ジョンの体力は徐々に削られ、ジョンの負傷を徐々に増える。

 しかし、そして、その動く範囲の中心も、徐々に変わる。性急に過ぎぬよう、自らが倒れてしまわぬよう、虎視眈々とその時を、『歓喜の時』を見計らっていた。その標的を確実に捉えられるよう。
『歓喜セヨ! コノ時ヲ 喚起セヨ!! 羽搏キヲ! 還帰セヨ!!! コノ魂を!』
 ジョン・グッドマンの内に在りし『羽搏く者』。その力を一時的に開放することによって、周囲に衝撃波を放つユーベルコードである。強烈な衝撃によって、周囲で戦っていた忍たちも吹き飛ばされ、近くの者、手負いの者は見る間に消失してしまった。ひとまずの難を逃れ、肩で息をするジョンが、敵将の立っていた場所を見れば。
「盾にするには脆いものだな」
 変わらずそこに立つ風魔。猟兵の戦うを真似て、そのユーベルコードを防いだのである。とはいえ彼自身の言うように、完全に威力を殺しきるには些かその『盾』は脆かったようであり、いくらかの損害は見受けられる。睨む猟兵を見下しながら、幾つもの手で掴み上げた、ぼろぼろになった手下の躯を、ぼろ切れのように抛って捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィリヤ・カヤラ
とりあえずトラップを抜けなきゃだね。
忍者屋敷のトラップは周囲の『情報収集』と
『聞き耳』『第六感』で切り抜けられるかな。
気になる所があれば宵闇を蛇腹剣にして当ててみたり、
刻旋で投げられる物があれば投げて確かめて行くね。
あとは【瞬刻】でトラップの起動前に抜けられたらラッキーかな。

ボスまで辿り着けたら
敵の動きはよく見て動くようにして、
『見切り』と『第六感』で先制攻撃に対応してみるね。
避けられて相手に隙があれば『2回攻撃』を叩き込むよ。
隙が無ければ一旦後ろに退きつつ
『高速詠唱』で【氷晶】を使うね。

怪我も『激痛耐性』で耐えられるかな、
寿命も気にしてたら倒せない気がするから、
出し惜しみは無しで行くよ。



「とりあえずトラップを抜けなきゃだね」
 ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)もまた注意深く見聞きし、音や気配を拾い集める。怪しい場所にはその黒剣・宵闇を蛇腹剣へと変形させて遠くからぶつけてみたり、掴めそうな物があれば鋼糸・刻旋で絡めて投げ飛ばしてみたり。第六感に頼りつつも丁寧な探索を行い、危うげもなくその先へ。

「出し惜しみは無しで行くよ」
 隙なく身構え警戒する猟兵に、敵は構えるでもなくただ立って、言う。
「それが良かろう。そうでなくては」
 再三のことながら風魔小太郎が自身の手駒を召喚する。ただし先ほどまでと違うのは、その人数が少ないことと、それぞれの力が、圧が、明らかに大きいこと。それもそのはず、現れたのは歴代風魔小太郎たち。当のオブリビオン自身と同じ名を冠する、幾代かの頭領たちの霊である。それぞれ手に手に手裏剣や鎖鎌、種々の暗器を見本市のように構え持ち。
 消えるような速さで、身低く駆け出した一人が眼前に現れる。突き込む得物を半身に躱し、悪寒に従い退ってみれば、その横合いより手裏剣のかすめ。最初の一人が張り付くように肉薄し、大きく退けば大きく進み、小さく退けど小さく進み、なおも視界を潰しに掛かり、その陰に隠れ横から上からあるいは足元から、異なる風魔が次々と。痛みは無視し、彼女自身の言葉通りに出し惜しみもなく、寿命を削るユーベルコード・瞬刻も使って回避能力を向上させる。そうした上でなお、風魔の追撃は苛烈である。超人的な運動能力、鋭敏な知覚、そして幾らかの予見をもってしても、逃げ場と情報を限定してやることで、巧みに誘導し、追い詰めていく。忍の操る武器には情報も含まれるのだ。

 突然に、眼前の目障りな風魔がつと離れる。入れ替わるように、直刀を一直線に高速に突き込んでくる、今代の風魔。それはそのままヴィリヤの身体を突き徹し、押し込むように屋敷の壁へと縫い付けた。
「そうでなくては、これほどの時も持つまいよ」
 刀を抜けば崩れ落ちる猟兵に、とどめを刺そうと風魔が構えた所で、彼女の身体はふっと消え、撤退することとなった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

塩崎・曲人
マトモにやりあったら即死だなコレ
「だがまぁ、有り合わせの状況でどうにかするのが曲人君なんで」

突入したらまずは【情報収集】【鍵開け】で罠解除から始めよう
そして罠の中で、素人目に強力そうなのを残し
さらに目潰しに使えそうな別の仕掛けを【盗み】でくすねさせて貰う

んで、小太郎に遭遇したらまずは全力で逃げる
あんなん正面からやり会えるか

逃げて先の残した罠に誘導、奴を引っ掛けてやる…フリをする
敵の罠だ、当然場所は把握してるだろ
それに気づかない馬鹿を演じつつ、本命は目潰しを当てること
敵の目が輝く間強化されるならそれを潰してやるさ

強化解除出来たら喧嘩の時間だ
何も考えずぶん殴る!

【アドリブ歓迎】



 先の猟兵の撤退を受けて、塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)に緊張が走る。将を冠するだけあっての強敵であり、死の危険すら頭によぎる。
「だがまぁ、有り合わせの状況でどうにかするのが曲人君なんで」
 発奮したのかやけくそなのか、ふっと笑って歩き出す。

 その言葉の通り、彼は道すがらの罠すらも利用しようと試みた。仕掛けられた罠を解除しながら進み、見た目に強力そうなものは再設置し、そうでない物は解体し部品をくすねていく。

 そうして向かい合った大男。百面鬼の名に違わぬ無数の髑髏面は、強烈な迫力を醸している。それは音もなく歩を進め、その眼を怪しく光らせる。その圧は、さらに大きく重くなった。
「あんなん正面からやり合えるか!」
 威圧された曲人は、後退り、踵を返し、そして来た道を一目散に逃げだした。その背を追って手裏剣が飛んで来れば、大げさに驚きながらもなんとか躱す。追い縋るその攻撃は、早くて重い。捕まればそれこそ、危ういだろう。無理無理、どう考えても馬鹿強い、マトモにやったら即死だわ。

 ではどうするか。逃げた先には残しておいた強力な罠。足止めくらいにはなるかもしれない。その隙に強力な攻撃を――
「浅知恵を。見抜けぬとでも思ったか」
 残された罠のことごとくを避けながら、風魔小太郎は曲人を追い詰める。罠の一つで振り返り、猟兵は挑発して見せるが、その額には脂汗。
「おら来いよ、やってやろうじゃねぇか!」
 真直ぐに迫れば罠が起動する。そんな位置取りの苦肉の策。それも当然見破られ、容易に躱してその得物を閃かせ。

 という具合に、ミスリードは大成功。『正面から』やりたくなければ、どうするか。

 逃げ出すことも含めて、作戦であった。侮らせることで思考を簡素化させ、与しやすいよう動きを誘導し。そうして得た予測に合わせて。
「これでも喰らいやがれ!」
 絡繰りの仕掛けの小部品を拾い集め、光る眼へと投げつけて、少し怯んだその隙に、駄目押すようにその顔面に、ただの拳を叩き込んだ。
 尖鋭な部品を選ってきた。そこに打ち込んだ拳骨からは幾らかの血も飛び散るが、風魔の光る眼を潰し、強化を解いたことの方が重要である。その次に、無理やりに槍を引き出し折り取ると、素早く突き刺し、力の限りにねじ込んだ。
「ヒャッハー!ブッ込み行くぜオラァ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

高柳・源三郎
「罠が有るって分かっていれば、効果は半減。まずは戦場の安全確保じゃな」
【見切り】【第六感】【武器受け】でわざと罠を発動させては槍を切り落としていきます。
ボス戦では周りにある罠の残骸や相手の先制攻撃で飛んできた手裏剣等をUC源三郎の人形劇を使って自分そっくりの人形(たぬき人形も一緒に)を大量に作り的を増やして自分への攻撃を当たりにくくしながら攻撃をします。
どうせ現地調達した人形ちょっとぐらい無理させても大丈夫じゃろう(わしそっくりな人形が壊れていくのは気持ちいいもんじゃ無いが)



 高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は、その質量の割に身軽に罠を回避する。悪人退治の裏稼業を生業に持ち、潜入暗殺に長けている彼は、絡繰りの槍を器用に避けて往なして武器で受けては、それを切り落とし接収して無効化していく。
「罠が有るって分かっていれば、効果は半減。まずは戦場の安全確保じゃな」
 鼻歌でも歌い出しそうな軽妙さで、『悪人』の待つその奥へ。

 先の戦いでダメージを受けたオブリビオンは、その身体から血を滴らせながら、怒りの色に瞳を染める。復元したか面を変えたか、継続的に視力を奪うには至らなかったようだ。
 それはともかく、向かう相手をより確実に叩かんと、侮りは鳴りを潜めた様子で、言葉を弄する暇もなしに、面から風魔を喚び起こす。形を成した先代の霊は、間を置くことなく駆けてきて、無数の暗器が攻め寄せる。躱しながらも源三郎は、そのユーベルコードを行使する。切り落として来た槍を、小太郎たちが投げた武器を、残らず軒並み取り込んで、それらは次の瞬間、源三郎になっていた。
「人形劇の開演じゃ!!」
 そう言う通り、現れた彼らは人形である。人目では決して見分けはつかないし、ご丁寧にも連れのたぬき人形『たろう』と『はな』もそれぞれに再現され、そんな所にも全く隙がない。しかし――
「茶番よな」
 小太郎が、手近の源三郎を斬り捨てた。もちろん傀儡ではあり、倒されたところで手裏剣や槍に戻るばかりで術者自身は痛くも痒くもない。
(わしそっくりな人形が壊れていくのは気持ちいいもんじゃ無いが)
 少し苦い顔をしながらも、囮として非常に優秀な活躍を見せる彼らを尻目に、あらゆる暗器を仕込んだ『本物の』たろうから攻撃手段の供給を受けては多彩な手段で攻め立てる。

 しかし一つの誤算は、敵の攻撃の苛烈さであった。数えきれないほどに作り出された絡繰りは、恐るべき手数によって見る間にその数を減らし、気が付けば本物の源三郎を取り囲んでいる。終わりと見るや、言葉を掛ける百面鬼。
「人形劇は、終演か」
「なに、もう一幕じゃ」
 猟兵はすかさず手早くダガーを取り出し、目にも留まらず早業で、敵に向かって投げつけた。その腕に刃を受け止めた小太郎は、傷つきながらも忌々しげに斬り返し、深手を受けた源三郎は、引き戻されるように撤退した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

レイナ・オトゥール
【夜竜】
先制攻撃対策
私自身は初見の敵ですので片手に晶竜「クリスティア」で『盾受け』でを出来るように構えつつ
『情報収集』と『第六感』で敵の攻撃を出来るだけ察知しながら
『ダッシュ』で相手の攻撃を回避を頑張ってみようと思います!
可能ならその際接近をしたいですね

近づけたのなら
初撃は『ダッシュ』の勢いを乗せた『シールドバッシュ』
以降は『怪力』を以って水竜「ウィル」で『なぎ払い』

近づけなかったら
『衝撃波』を纏わせた風竜「ディーナ」の攻撃で遠距離から皆の援護を

敵に攻撃が当たった瞬間【竜息斉唱】でどっかーんと行けれたらなと思います!

敵の攻撃は先制攻撃と同様で防ぎ

仲間が危険なら盾でガードしながら時間を稼ぎます


ティノ・ミラーリア
僕の影はどこまで通じるかな…?

【夜竜】
UC発動のため仲間内でも先手で行動
屋敷に到着したら『鎖』で周囲の「世界知識」を収集しトラップ対応。
『眷属』を展開し「失せ物探し」「第六感」で一瞬でも早く察知。
『眷属』で風魔の視線から自身を「物を隠す」「迷彩」し、
「地形の利用」「第六感」で回避し廻らせた『鎖』で受ける「拠点防御」。
それでも避けきれない攻撃からは『眷属』で「かばう」。

先制攻撃を凌いだなら反撃に転じるため【復讐の影】で「串刺し」
近距離は『処刑人の剣』での「怪力」「力溜め」「鎧砕き」
遠距離は『猟銃』による「スナイパー」「援護射撃」
負傷箇所、防具の隙間など弱点を狙い「傷口をえぐる」「鎧無視攻撃」



 ティノ・ミラーリア(夜闇を伴い・f01828)は同行者を伴い、警戒しながら進んで行く。先行する幾人かがトラップを解除したり破壊したりしたお陰で、だいぶ危険は減ってはいるが、その分油断を誘いやすいとも言えるだろう。続く少女も見習うように気を張って、いざとなれば庇うつもりで構えている。
 幸か不幸か、その準備が功を奏するような失敗をティノとその眷属たちがするようなことはなく、優秀な哨戒は順調に彼らを任地へと送り届けたのであった。

「僕の影はどこまで通じるかな…?」
 風魔小太郎が六本の腕を掲げ、その威容の影がティノを覆う。対峙する影のその間に、怪しく輝く二つの光。次の瞬間には、それぞれの腕がそれぞれの凶器を振るい、圧し潰さんと驟雨のように襲ってきた。
「クリスティア、力を貸してください!」
 すかさず間に入ったレイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)は、晶竜「クリスティア」を水晶の盾に変身させて、その攻撃を防いで見せた。あまりの重さに膝から崩れそうになるが、堪えてなんとか踏みとどまる。その衝撃だけでも、骨が軋む。
「貴様にはこちらだ」
 攻撃の手は止めぬままに、一本の腕で仮面を砕き、三たび軍勢を召喚し、レイナに向けて差し向けんとす。頭領を押さえながらこの集団の相手をすることはどう考えても不可能である。
「いや、そちらの相手は僕だよ」
 想定と違った方向より聞こえた声に、風魔はちらと視線をやった。眷属の力で自身に迷彩を施したティノが、不意の場所から現れたのだ。しかし寡兵に多勢は変わらない。圧し潰してやれば変わるまい。
 そうして予定を変えずに襲い掛かった忍軍であったが、じゃらりと硬い感触を伴い中空にて進撃を阻まれる。隠れたティノが隠した鎖を周囲に幾重も張り巡らせて、侵入を禁じたものである。隠蔽を解いてみせれば突然現れる鎖の塞に、ひと呼吸気を取られたその隙に。
「皆! 今だよ!」
 ほんの少し力が緩んだ瞬間に、レイナが敵の拳を盾にて勝ちあげ、水竜「ウィル」の変化した斧槍で薙ぎ払い。その瞬間に七頭の小竜が顕現し、息を合わせてそれぞれの属性のブレスを吐きかけた。逃げ場もないうち繰り出されたその攻撃に、重ねるユーベルコードが、もう一つ。
「今までの分…返すよ」
 傷つけられた仲間たちの分。眼前で必死に庇ってくれたレイナの分。オブリビオン・風魔小太郎に苦しめられた多くの民草の分。どれ程の怨嗟がそれに向くのか、どれだけの影がそれに付いて回るのか。それを証するかのように、屋敷の中から黒い影が集まってきた。壁際の血飛沫から、砕けた絡繰りの残骸から、斬り飛ばされた白糸から。大小の影がずるりと這って、百面の鬼を飲み込んでいく。

「…影の者が影に喰われては、笑い話にもなるまい」
 その中から声が聞こえたかと思えば、気を吐く声と共に覆った影が飛散した。そこに立つ風魔の得た傷は、もはや一目瞭然であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色
あ、なんかボスっぽいのだ
忍んでる感じしないけど、忍者なのかな

んーセンサーとかないし、この時代のトラップって感圧式だよね
踏んだり触ったりすると発動したりとか
なら技能のダッシュやジャンプ、スカイステッパーを組み合わせて空中突破すれば罠はほとんど気にしなくてよさそう
毒なら一応毒耐性も持ってるしね

敵の攻撃の合図は面の瞳が輝く間だね
なら目が光ったらダッシュで離れて障害物を利用しながら回避に専念
飛んでくる忍具は見切りと第六感で回避、格闘は全力で離れよう
忍者屋敷なら障害物はたくさんあるし、相手の大柄な体躯じゃ小回りは利かなそう

目の輝きが消えたらすかさず反撃でガトリングの弾を叩き込んでいくよ



「んーセンサーとかないし、この時代のトラップって感圧式だよね」
 一通り見回すと、赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は少し下がり、助走をつけて駆け出した。踏んだり触ったりすると発動するのであれば、踏まず触らず、空中を行けば気にする必要もないのではないか。そうして一つ跳び、宙を踏み切りもう一度。二度、三度と勢いをつけ、ついには一度の着地もなく、トラップエリアを踏破――という言葉は適切ではない。『突破』してしまったのだった。

「あ、なんかボスっぽいのだ」
「まったく、次から次へと沸いて出おる」
「忍んでる感じしないけど、忍者なのかな」
 苦々しげに放った言葉は、あっけらかんと見上げた少年に完全にスルーされるも、さすがの忍は怒りもしない。輝いた眼も、それに即して強く早くなった攻撃の手も、元々使用を予定したものであり、その精彩を欠くことはない。
 話は聞かず返事はせずとも、その兆候は見逃さない。目が光ったら攻撃の合図と確認済みの緋色は、それと見るなりダッシュで離れ、壁の裏へと回り込む。追って来たらば次なる角へ、追い詰められれば股下を抜け。投げた忍具は見切って躱し、振るった腕よりは遠ざかり。自身の小柄な体躯や素早さを最大限に活用し、大きな強敵を翻弄する。 そうこうする間に追跡者より、迫る攻撃が明らかに減り。振り向いてみればその目には、禍つ光はすでになく。少年は、にんまりと笑う。

 もう一度、ひとっとびに大きく距離を取ると、着地と同時に振り返り、その手に構えるガトリング。
「ひっさーつ!」
 邪気ない声でクランク回され属性弾を吐き出すは、さも凶悪な連射砲。礫によって巨人を倒すは少年ダビデの業なれど、伝説だってこれほど弾をぶつけることはするまいに。全身くまなく満遍なく、弾雨を喰らったオブリビオンの、面にはヒビが入っている。

成功 🔵​🔵​🔴​

舞塚・バサラ
【SPD】
風魔小太郎…伝説はかねがね
故、逃げられる前に仕留めるまで
いざ__罰裁羅の業を執行するで御座る

屋敷の仕掛け
忍びの端くれで御座る故覚えがあるで御座るよ。そら、其処の床板と壁が仕込みに御座る
あとは…横!(見切り、第六感、学習力、忍び足)

攻撃
腕が6本あろうと稼動域、そして動く範囲には限度はあるで御座る
それを見て相手の攻撃が当たらぬ間合いと時折牽制を交え、UCや武器でも受けつつ…(見切り、第六感、残像、武器受け、早業)

ここまでやれば後は屋敷ごと解体作業で御座る(破壊工作、部位破壊、属性攻撃、クイックドロウ)

加えて…化身忍者としての力で風魔小太郎の宿す妖魔を此方に引き抜けないか試すで御座るよ



「風魔小太郎…伝説はかねがね」
 化身忍者である舞塚・バサラ(罰裁黒影・f00034)にしてみれば、強力な化身忍者であった風魔小太郎の名を知らぬはずはない。そしてその力量も、脅威性も。
「故、逃げられる前に仕留めるまで」
 忍ぶる者が恐れるなど、あろうはずもなく。ただその任に向けて踏み出す。
「そら、其処の床板と壁が仕込みに御座る。あとは…横!」
 蛇の道は蛇とはよく言ったもので、バサラは巧妙に隠されたその罠たちを、一目で見抜いては躱してのける。危なげもなく歩みを進め、偉大な先達の成れの果てとの、顔合わせの運びとなった。

 待ち受ける敵の、眼が光る。その手は猛烈な速さで迫り、嵐のように攻撃を仕掛ける。その忍者刀が、鎖鎌が、鉄扇が、あるいは異形の剛腕が。矢継ぎ早に放たれるその攻撃を、掻い潜っては回り込み、距離を取っては飛び込んで。その間中、バサラの観察の目は小太郎の姿を逃すことは一瞬たりともなかった。
(腕が6本あろうと稼働域、そして動く範囲には限度はあるで御座る)
 いかに異形といえども、構造自体は人の腕であり、なればこそ関節の仕様は人のそれと大差なく、見切ってしまえばおのずと避けるべき道も見えてくる。そうであっても、実際に動くとなれば簡単なことではないのだが…

 いくらも器用に避け続け、いくらも時が経ったころ、風魔の面に宿った怪しい光が、その力を失い、消えた。いかに強力な力を持てども、いつまでもとは行きはしない。
「拙者は叫ぼう。その悪逆に『いつまで』と」
 そう、いつまでも悪逆を思うままに振舞わせてはならぬのだ。バサラは叫び、その能力を行使し、その身に携えた大剣を宙へと無数に複製した。それは焔と陰にて編んだ剣。影なる者を屠るため、陰なる刃が押し寄せる。
「いざ――罰裁羅の業を執行するで御座る」
 その刃たちは慈悲もなく、突き刺し、斬り裂き、焼き払い、その眼前の悪辣なる影を眩く照らして消し去った。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト