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エンパイアウォー②~高額先払い非戦闘依頼の裏側

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 主戦場とは離れたその場所散発的な戦闘しか起こらないその場所にかしゃり、かしゃりと鎧の音を立てて進む一団があった。

 現在オブリビオンとの激しい戦いが起きている奥羽地方。その戦場にわが子が取り残されてしまったと涙ながらに語り、私財をいくら持って行ってもかまわないから助けてくれと懇願され、徳川軍はいくばくかの兵をその取り残された子の捜索に当てていたのだ。

「聞いた話だとこの辺りのはずなんだが……」
「おい、あれじゃないか? あの女性」

 汗をぬぐい、周囲を見渡す彼ら。その中の一人が示す先には木陰にしんなりと座った女性の姿が見える。

「おそらくそうだろうな……おーい! 我々は徳川軍だ! 君のお父上の頼みで救助に来た! もう安心していいぞ、早くここから離れよう!」

 そう声をかけても女性は動かない。うつむいた視線を上げないまま、小さく揺れて。

「どうした? ああ、そうか。動けないのか。緊張も体力的問題もあるだろう。われわれがおぶって――」

 その言葉が終わらないうちに、手を差し伸べた兵の首が、飛ぶ。

「よく来てくださいました。……残念ですが取り残された子なんて始めから居ません」

 瞬きをすればそこには先ほどまでいた黒髪の女性はいない。そこには刀を構えた修羅が佇むだけで。

「だまして申し訳ありませんが仕事ですので……死んでいただきます」

 ――――その言葉のあとは、ただ地獄が広がるのみ。

 □ ■ □ ■ □ ■ □

「お集まりいただきありがとうございます。早速ブリーフィングを始めさせてもらいますね」

 集まった猟兵たちを見渡しながらイルリカ・プリュミエ(陽だまりの花・f03743)は言う。取り急ぎ手短に、と手元の資料を捲って。

「今回の相手は『剣鬼・無銘』と呼ばれるオブリビオンが相手です。……ただ、その手口が厄介で」

 思い出して苦虫を噛み潰すような顔をしながらも彼女は続ける。

「高額報酬の前払いと情に訴えかける依頼をして徳川軍の兵をおびき寄せて殺す、ということをしています。私が見た予知でもそれなりの人数が犠牲になってしまっていて……それはなんとしても阻止しなければいけません」

 この先重要となる兵の数。勝利のためにも、居なくなって欲しくないとも思いも告げながらも続けていく。

「猟兵を避けて依頼をしているので直接依頼をけることはできないと思いますが……救護に行く軍団に紛れ込むことやすり変わること。相手の奇襲を阻止する奇襲をするなど……手段はいくつかあると思いますがそれは皆さんにお任せします」

 以上です、と話を締めて改めて猟兵たちを見渡す。その目には心配よりも、信頼が勝っていて。

「戦争はまだ始まったばかり……ここで戦力を削られるのは好ましくありません。全員無事に帰ってこられるように、よろしくお願いします!」

 そう言って彼女は頭を下げ、猟兵たちを送り出していくのであった。


しゅみる
 ゆえ氏と申します。今回は戦争シナリオ、参加させていただきます。
 今回は主戦場とは少し外れながらも、工作をしようとしている敵を討っていただこうと思います。

 アドリブに関してやその他の事項に関してはマスターページに記載されているものもありますのでよろしければご参照ください。

 最後に残るは修羅か計略、それとも別の何かか。それではよろしくお願いします。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『剣鬼・無銘』

POW   :    魔剣・首刎
【敵の攻撃速度を上回る居合抜きで反撃し、】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    魔剣・千鳥
【極限まで殺意を研ぎ澄ませること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【一瞬で間合いに踏み込み、神速の一閃】で攻撃する。
WIZ   :    魔剣・無銘
【居合の構え】を向けた対象に、【敵の逃げ道を塞ぐように放たれた無数の斬撃】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:kuraba

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は蒼焔・赫煌です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なるほど……強いやつと戦いたいなら弱いやつから釣れといわれて半信半疑でしたが『雀』の言うとおりでしたね」

 はんなりと、足をたたむ女性は予知とは違いそう呟く。自分たちを救護しに来たと今まさに言った集団。

「ひい、ふぃ、みい……んん。それなりの数が居ますね。ただの雑魚狩りにならないか心配でしたが……無用だった用ですね」

 いつの間にかその手には刀――接敵してぎりぎりまで隠し持っていたそれを持って。
 彼女は言う。あらかじめ台本でも用意してたかのように。

「よく来てくださいました。……残念ですが取り残された子なんて始めから居ません」

「だまして申し訳ありませんが仕事ですので……――それでは、仕事も終わったところですので」

「趣味として、戦わせていただきます」

 刀の間合いにはまだ遠い距離。それでも彼女は動く。
 神速の踏み込みと共に、予知とは違う距離で戦いの火蓋は気って落とされた。
イフェイオン・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

救護に向かう軍団さんにお願いして同行を許可してもらいましょう。
「私お金好き。沢山あるともっと好き」
純真な少年らしさを出して情に訴えかければ何とかなると思いたいです。
後は『目立たない』ようついていくだけです。

敵の剣戟は早い。攻撃が放たれる前にブラックホープを発動して先手を取っていきたいですね。
おまけのブラックレインで『毒使い』の本領発揮といきましょう。
敵の攻撃は神速の域。どこまでついていけるかな。
傷ついても痛くても私がしたい事は一つだけです。この命を賭ける戦闘を。

報酬の事はご心配なく。貴方の死で我慢しますね。


蛇塚・レモン
なんだかずる賢い敵だよね……?
とにかく、人の良心に付け込む遣り口は気に食わないから阻止するよっ!

天下自在符を見せて、依頼を受けた兵に変装して同行するよ
(目立たない)
もし人影を見つけても絶対に声を掛けちゃ駄目だよ
これは罠かもしれないからね?

無名らしき女性を発見後、兵士たちは待機
あたいが先行
問答無用で蛇神様を女性の目の前に召喚、先制攻撃っ!
(先制攻撃+だまし討ち)
蛇神様が放った念動力と呪詛で対象を呪縛!(マヒ攻撃)
敵の動きとユーベルコード(刀)を封じるよ!(武器落とし)

すぐに兵士たちを逃がすよ
あたいは至近距離から指鉄砲で呪殺弾をぶっ飛ばすねっ!
(咄嗟の一撃+衝撃波+呪殺弾+零距離射撃+吹き飛ばし)



「私お金好き。沢山あるともっと好き」

 そんなことを言って同行していたイフェイオン・ウォーグレイヴ(濡鴉の死霊術士・f19683)の豹変に徳川軍の兵士は驚きを隠せないだろう。明らかに異質な触手に貫かれてナイフを構える様は異質といわざるを得ない。

「――流石に早いですね。これは、楽しめそうです」
「その言葉、私からも返させてもらおうか」

 異質なスピードの一太刀目を弾き刀一つぶんの距離が開く。内心にやりと笑う両者。一瞬の膠着のあと。再び切り結び始められる――そんな状況が続こうとした、そのとき。

「ちょーっとまった!」

 制止の声と共に――蛇塚・レモン(黄金に輝く白き蛇神オロチヒメの愛娘・f05152)の声と共に、剣鬼の背後に魔方陣が浮かび上がる。そこから現れるのは霊体の大蛇。うねり、地面を掠めながら相手に向かうが紙一重でその攻撃は届かない。

「声掛けちゃうし! なんかばれてるし! ……ともかく、兵士さんを逃がすのが先だよ! 協力して」
「……了解です。僭越ながら前衛を務めますね」

 レモンの声にイフェイオンは主張を交えながらも応える。三度切り結ぶとき。脳内麻薬をフル放出の激しく、楽しい切り合いを数秒。

「ぶっ飛ばすよっ!」

 その切り合いの間を縫うかのようにレモンは肉薄する。切り合いに集中しているからこそ出来た隙。致命傷にはならないと開けられたその場所へと取って置きの一撃をお見舞いする。

「! ――くぅ!?」

 刀の戻しは間に合わない。かろうじで衝撃を吸収しながらされるがっままに吹く飛ばされるもその有効打は確かであって。

「さて――では毒使いの本領発揮と行きましょうか」

 それを見てイフェイオンはナイフを投げる。二つの手から投げ出されたそれは片や、刀に弾かれながらももう一つは浅くない傷を相手へとつけて。

「ああ、そうです。報酬は足りませんので……追加であなたの命をいただくとします」
「人の良心に付け込む遣り口は気に食わないから……阻止させてもらうよっ!」

 それぞれの方向性の違う主張に剣鬼・無銘は笑う。ここまで違うものでも、協力し力をかけ合わせられるのが猟兵かとほくそ笑んで。

「いいだろう――しかし、相応の対価を置いていってもらおう」

 何事もなかったかのように剣鬼は構えなおす。戦いはまだ、始まったばかり――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鍋島・小百合子
SPD重視

善意に付け込んで暗殺するとは卑劣な輩じゃな
兵に損害が出ぬよう退治してくれるぞ

「下準備を万全にせぬとな。敵の首を掻くためにもよの」
救助部隊と同じ兵装に変装(早着替え併用)し救助に同行
事前にUC「群制御動陣」使用
召喚した苦無装備のメイド47人を戦闘知識活用にて指揮
相手に気取られぬように隠密重視で先行させ発見から事が起こるまでは潜伏を指示
敵を見つけたら救助部隊を下がらせてわらわが話しかけ…ると同時に潜伏させていたメイド達に苦無投擲で奇襲をかけさせる
以降メイドには敵の殺意の研ぎ澄ませを邪魔するよう妨害・攪乱を指示し、(他の猟兵とも)連携をとりつつ薙刀で攻撃(なぎ払い、鎧砕き、咄嗟の一撃併用)


上泉・祢々
そうですね
ちょっと話を聞いて回って依頼を受けた方を探しましょうか
見つけたらその方の後をつけさせていただいて奇襲を防ぎます
幸い私の見た目はそこまで目立ちませんし怪しまれることもないでしょう

相手が奇襲をしかけてきたらそこに割り込んで足を狙います
奇襲するような輩ですしいいですよね
避けられても別にかまいません
仕切り直して再開です

構えから察するに居合使いですか
あれ、速いように見えて腕の振り以上に速くならないんですよね
ですからあえて奇襲の時に見た速さと同じスピードで蹴りを放ちます
刀を抜こうとしたところで再加速して側頭部を蹴り抜きましょう

例え斬られた所で倒れる前に倒せばいいんです
というわけでさようなら



「ふむ……どうやら出遅れてしまったようじゃな。それでも犠牲者が出なかったことは行幸、だったかのぅ」

 開戦から少し、朱の鎧をまとった鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)が剣鬼の前へと立ちふさがる。たっぷりの余裕とゆらりと漏れ出す殺気。戦う者――女武者としての彼女が、そこで相対していた。

「善意に付け込んで暗殺するとは卑劣な輩……兵に損害が出ぬようこの私、小百合子が貴様を退治してくれるぞ」

 ゆらり、薙刀の先を揺らしながら構える彼女。それに呼応するかのようにまた、剣鬼も剣先を相手へと向ける。

「いざ――」

 その言葉と共に向けられるのは『薙刀』ではなかった。
 苦無が――小百合子があらかじめユーベルコードによって召喚していたメイドたちが姿を現し投剣。その人数に見合った弾幕を展開していく。

 だが。

 その苦無の大部分が届かない。全身のしなりを利用した剣鬼の太刀に次々と落とされ、仮に肌に届こう物も浅い傷をつけるに終わっていく。

「下準備を万全にして正解じゃったの。敵の首を掻くためにもよの」

 そんな姿を見て小百合子は呟く。
 これが終わりではない――そう剣鬼が気づく前に次の手が顔を出す。

 低い、低い、低い位置。引き絞られた体から放つ、己を武器とする武術。
 いつの間にかにそこへといた、上泉・祢々(百の華を舞い散らす乙女・f17603)の一撃が地面についた剣鬼の足へとめがけて放たれる。

 思わぬところからの一撃に剣鬼の体が反射で動く、動いてしまう。地面を蹴って宙へと浮かぶ。そして二人目の襲撃者へと目を向けていない彼女はすぐに自分の失策に気づくだろう。

「隙有り」

 揺れた小百合子の薙刀は剣鬼の首へと吸い付かんがごとくなぎ払われる。距離はあった。しかし一歩の大きな踏み込み、そして薙刀のリーチが生かされた一撃は確実にそこへと届く。
 息のつく暇の無い連撃。声のあげることもできない剣鬼は刀を戻すことしか出来ない。
 あわよくばその衝撃で吹き飛ばされようと意気込む――のだが、それも失敗に終わる。
 小百合子はその一撃で叩きつけない。たとえ長柄の重さと遠心力が犠牲になろうとも、ただ切ることに専心した連撃のための一刀を放っていた。

 ――すべては、次の手があるのだと知っているがゆえに。

「祢々殿!」
「任されました!」

 背後の彼女――祢々が小百合子の声に答え、構える。
 彼女が今まで練り上げてきた技術の一端。その身に宿る呪いとも言える加護に悩まされながらも、それでも歩み続けていたからこそ出た彼女の答えが現れ出る。

 一つ、構える。その型は猛攻のためのもの。相手を必ず倒すという専心から産まれた一撃。

「百華流伍之型『菖蒲』――!」

 全力全霊。その型から生まれでた脚撃は確かに剣鬼の側頭部を捉え、振りぬかれていく。
 その一撃に一切の容赦なし。岩をも砕くであろうそれは人へと向けるのはあまりに過剰な火力とも言えよう。
 
 そんな一撃をくらった剣鬼の体はあたかも風に吹かれる草のように転がっていく――だがそれを最後とせずに剣鬼と猟兵との戦いは続いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネリッサ・ハーディ

【SIRD】のメンバーと行動

救護に向かう兵に紛れて現場へ向かいます。具体的には、笠を目深に被り、兵に付き従う下僕の様な雰囲気で。あまり目標に近づくと露見する恐れがあるので、少し離れた辺りで目立たない様に動向を見守ります。
そのまま兵士(または猟兵)の誰かを不意打ちで斬ろうとした時、ハンドガン(G19C)にて2連射を加えて妨害。

・・・あなたの行いはいわゆる騙し討ちですが、別段驚く事ではありません。戦争とは、ありとあらゆる手段を講じるもの。ですから、私達も同じ様にありとあらゆる手段を講じさせて頂きます。形振り構わず、ね。

戦闘時は、G19Cで牽制射を加えて味方を援護。チャンスがあれば、UC発動。


寺内・美月

『共同参加:SIRD』
・当初は上空にて待機。14.5㎜特殊火器を展開して対地攻撃の準備を行う。
・SIRD人員と通信等で状況の把握(地上の状況、上空からの偵察)に努め、荒天時でも行動を継続する。
・敵を発見出来れば、SIRDを通じて全猟兵に警戒を呼びかける。この際に敵の直上に急行して射撃体勢をとる。
・前衛となる人員がいれば上空から14.5㎜特殊火器で狙撃、敵の行動を阻害(嫌がらせ)しつつ連携をとる。
・前衛がいなければ『繊月』と『司霊』を抜刀、全特殊火器シリーズを展開して射撃しつつ急降下、敵に接近戦を仕掛ける。
・一応、〖白鞘搭載型治療レーザー『月光』〗の準備をして負傷者の発生に備える。


灯璃・ファルシュピーゲル

【SIRD】一員として連携

事前に【Ouroboros Arsenal】でリモート地雷を準備
次に救援軍の行路上の村落に密かに入り天下自在符で
協力要請し村の年長者から有能なマタギとして森の案内人にと
推薦して貰い行軍に潜入し道程等調査し仲間に情報共有

現場が近づいたら周辺偵察を言い訳に先行
兵に被害が出ない様に注意し周囲の森に地雷設置(地形利用・戦闘知識)し
合流。剣鬼が刀に手を触れた瞬間に「お嬢さん花火は好きですか?」と即座に爆破。音と衝撃で出鼻を挫くと同時に指定UCで召喚した狼達に一気に襲わせ奇襲を妨害

以後は狼達の黒霧で敵の視界を攪乱して味方を援護しつつ
隙をついて狙撃(スナイパー)で確実に削ります


メンカル・プルモーサ
★【SIRD】で参加。
接触までは【不思議な追跡者】により徳川軍を追跡…少々離れた位置にいるよ…
徳川兵や仲間が剣鬼と接触後、仲間が不意打ちを止めた瞬間に【彼方へ繋ぐ隠れ道】を使い徳川兵達を自分の元へと避難させる…そして、天下自在符を見せて徳川兵に事情を説明…退避して貰って…
私は同UCを使い皆の場所へ移動するよ…
剣鬼に対しては…居合いにおいて大事なのは踏み込み…だからそこを崩す…居合いの瞬間に【支え能わぬ絆の手】により地面を崩して剣鬼の踏み込みを妨害…
さらに【鳴り止まぬ万雷の拍手】による目潰し等で動きを阻害して仲間の援護をするよ…
…ずるいかもだけどそちらも騙し討ちしようとしたし…お互い様だね…



「敵、指定地点へ侵入」
「こちらでも確認しました」
「上空からも確認した」
「こっちももうすぐ接敵します」

 転がり来た剣鬼。それを確認した四人はそれぞれ声を上げる。

「プランC、準備完了」
「当初の計画とは多少ずれがありますが……ここで詰め切りましょう」
「ああ、さっさと終わらせよう」
「え、じゃあみんな行きましょう」

「SIRD――状況開始」

 □ ■ □ ■ □ ■ □

 剣鬼の転がり進んだ先、そこは仮にも戦場だというはずなのに恐ろしいほど静まり返っていた。味方の姿は屍のみ。
 肌に吸い付く複数人の殺気とこちらへと走る足音を聞けばいやでもここが『狩場』であると理解できる。そんな場所。

 剣鬼はゆっくりと体を起こし、音のするほうへと体を向ける。

 そこにはハンドガンを構えた女性――ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)が姿を現していた。

「……あなたの行いはいわゆる騙し討ちですが、別段驚く事ではありません。戦争とは、ありとあらゆる手段を講じるもの。ですから、私達も同じ様にありとあらゆる手段を講じさせて頂きます。形振り構わず、ね」

 そう言いながら狙いを絞る。ダメージからぐったりとしながらも隙のない、鬼へと向けて。
 鬼もその様子を見て安易に発砲して隙を見せてくれる相手ではないと理解する。対抗するのならば銃弾より早く、首を切らねば。そう刀に手をかけて。

「ところでお嬢さん、花火は好きですか?」

 瞬間、声が響く。ネリッサのものではない、スピーカーから出た音。その声の主は――灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)はその手の中に納まっていたボタンを押す。

 一つ数えたときには剣鬼の周囲は地獄へと変わっていた。先ほどのボタンはリモート爆弾のスイッチ。ネリッサに被害が出ないようにしながらも連鎖的に爆発して行くそれらは辺りに爆風の花を咲かせていく。
 彼女のターンはまだ続く。続けて出でるのは黒い靄。そしてそこからは無数の狼の影たちが這い出て剣鬼を襲う。
 そしてそれに連動するようにネリッサのハンドガンが火を噴いていく。

 ――だが剣鬼はそれを本命とみなさない。

 体に感じる殺気、それこそ致命傷を与える機のものだけを読み取り体を傾ける。

 圧倒的な勝負勘――それによって必中であるはずだった灯璃狙撃、二つ目の銃撃を切り裂き落としていく。

 それどころか。

「――上か」

 窮地であるからこそ研ぎ澄まされた感覚がすべてを見通す。敵の位置、攻撃方法。分析しこの窮地を脱するためにどうすれば良いか考えをめぐらせていく。

「かまわない。打て」
「ああ」

 そんな剣鬼の思考を遮るように新たな声が戦場に響く。

 一人ははるか上空。極光に覆われながら空を飛び、並みの装甲車程度であれば容易に貫通する特殊火器を持った寺内・美月(霊兵の軍を統べし者・f02790)。

 受け答えと共に彼は引き金を引く。大音量と共に発せられるそれは人の身には明らかに過剰であるエネルギーを内包していることは確かである。
 そしてそれは一発ではない。二発、三発……牽制を含めて多くの弾丸の雨を降らしていく。

 もう一人は小高い丘の上。複数の文明圏を組み合わせた魔術を使う魔女、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。

 打てと声をあげた本人であり三度目の銃撃こそ必中にするための策を彼女は用意していた。

「繋ぎ止める絆よ、弱れ、停まれ。汝は摺動、汝は潤滑。魔女が望むは寄る辺剥ぎ取る悪魔の手」

 よどみなく彼女の言葉は紡がれて、その効果が発現する。それは物理法則の改竄。相手の摩擦という摩擦をなくし、居合いにとって重要な踏み込みを効かなくしていく。

 だがそれでも剣鬼はとまらない。あたかも想定してたかのように、訓練していたかのように己のセンスでその銃弾を一つ、弾く。

「観測せし虚像よ、沸け、轟け。汝は観客、汝は賞賛。魔女が望むは舞台を止めし大喝采」

 彼女はまだ言葉を紡ぎ続ける。次に発現するのは喝采のような轟音とイカヅチのような光の爆発。フラッシュバンよりもはるかに強力なそれで相手の近くを奪っていく。

 だがそれでも剣鬼は止まらない。見えていないはず。聞こえていないはず。それでも確かに、彼女は二発目の弾丸を弾く。

「準備完了。ネリッサ」
「ええ、ありがとう」

 それでも、それは予想されていた。ここまで多くの猟兵と戦ってきてまだ立つことのできるオブリビオンならばまだ足りない。
 重ね合わせたものを無駄にしないためにも、ここまで紡いで着てくれた皆に報いるためにもと。そう考えながら言葉を紡ぐ。

「The Unspeakable One,him Who is not to be Named――」


 その言葉から剣鬼から感じるのは不可視の恐怖。もともと見えないならまだいい。だがしかし近くにいるのに――この自分が特異であるクロスレンジにいるのに何をするか分からない不安に、ほんの一瞬支配されて。

「……さぁ、貪り尽しなさい」

 紡がれた言葉は終わり、条件は満たされた。
 現れるのは黄衣を纏った不定形の魔王。それは触手を伸ばし、鬼を絡めとり、拘束していく。

「こいつで終わりだ」

 呪文を、召喚を、高速を、すべてをはるか上空で見ていた美月は弾倉に残った最後の一発を打ち下ろす。正確無比。その弾丸は拘束された剣鬼を確かに貫いていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

宮落・ライア
演出真の姿(刀を持つ和装)
紛れ込む…のは難しいよねー。
ばれない様に追いかけるか。
こんな場所じゃ鎧の音は良く響くから追うのは簡単だし。

相手の奇襲は他の誰かが防いでくれないかな。
そうすれば急がなくて済むんだけど。
無理そうなら兵士が近づいていく段階でダッシュで接近し、相手の奇襲を【刀の継嗣】の見切り・視力・早業と【桜斬り】の一閃だけで相殺する。

ふむ、あの兵士に依頼した奴はなんなのであろうな。
まぁいいか。

ところで、貴様の神速を見せてくれ。
どれほどの速さなのか…興味がある。

出掛かりを潰すなんてことはしない。
どちらがより速く抜き、より速く斬るか。
相手が間合いに踏み込んだ瞬間に【桜斬り】



「おーい、聞こえてるかな? 聞こえてるよね? 早く目を開けてよ」
「さっきまで元気に動き回ってたんだ。消滅してないし五分ぐらいだったらその傷受けても生きてるでしょ?」
「聞きたいこともあるんだ。早く、起きて起きて」

 そんな風に声をかけられた剣鬼はしぶしぶといったように目を開ける。視線の先には黒髪の少女――宮落・ライア(ノゾム者・f05053)が自分をゆする姿が見えて深いため息を一つ。

「あのですね……この胸に空いた穴が見えませんか? 致命傷でもうすぐ死に絶えるって言うのになんの用ですかあなたは……」
「だから聞きたいことがあるって言ってるんだよ!」

 そんなライアの返答に剣鬼は深くため息をつく。

「私みたいな代わりの利くオブリビオンが重要な情報を持っているわけ無いでしょう。分かったなら――」
「今日やろうとしてただまし討ち、誰から提案されたの?」

 割って入ったライアの言葉に剣鬼は絶句する。
 突然だからではない。この作戦は、確かに提案されたものだったのだから。

「……なぜ、そう思ったのですか?」
「んー……戦い方を見ててもっとバチバチ一対一で切り結ぶ戦いのほうが好きなのかなーって思ったからかな」

 その言葉に鬼は再び息を呑む。強者と戦いあうのが望みであった。あわよくば彼女の言ったような戦いがしたい――とも思っていたがまさかそれが表に出ていたとは思いもよらなかった。

「で、誰なの?」

 そんな剣鬼の衝撃を無視するかのようにライアはたずねる。そんな彼女に押されるかのように剣鬼はその質問についつい答えていく。

「雀だよ……雀にそそのかされたのさ。ちゅんちゅんってね」
「またずいぶんとかわいらしいね……」
「はは、可愛く言っているが事実ですよ。――さて、これでもう眠っていいかい?」

 役目は終わった、といわんばかりに剣鬼は目を閉じる……が、再びライアはその目をこじ開けて。

「ダメですよ、やりましょうよ! バチバチの一対一!」

 そんな一言に剣鬼は目を丸くする。何を言ってるんだこいつ、といわんばかりの表情でライアを見つめれば彼女は至極真面目に答えるだろう。

「遅れてきて様子見してたら終わっちゃったんですよ! 消化不良なんです!」

 そんな懇願をする彼女に今度はたまらず笑い出す。一通り笑って落ち着けば笑顔で――敵だというのに、命の取り合いをする相手だというのに、笑って返す。

「――いいだろう。ただしこの体で全力を出せるのは一太刀のみ……一太刀で決着をつけよう」
「そうこなくっちゃ。じゃあ――」

 剣鬼が立ち上がる。
 そして、ライアのまとう雰囲気が一変、戦うためのそれに変わる。

「――貴様の神速を見せてくれ。どれほどの速さなのか……興味がある」

 両者、戦うものの姿への武者震いと笑みが抑えきれずにこぼれ出す。

 どちらがより早く抜くか。どちらがより早く振るうか。どちらがより早く斬るか。
 単純明快ルールなし。だけども己の信念をぶつけるために対等に。一歩、二歩、三歩と距離をとって構える。

 互いに、刀に手をかける。

 瞬間、交錯しその戦いは終わりを告げる。

「……――ありがとうございました。いい勝負でした」

 最後の言葉を残して剣鬼は地に伏せる。その表情、声色は満足させてもらったものへの感謝が込められていて。

「その神速の居合い、確かに見届けた。……来世があれば、次はお互い万全な状態で戦おう」

 その全力が一度で終わってしまうことを悔やみながらもまた、ライアも一太刀に感謝をしながら剣の鬼を見送っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月09日


挿絵イラスト