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エンパイアウォー④~嗤う呪術巫女

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●巫女を騙る者・アズサ
「捕まえちゃいましたよ~、小さな竜ですねー!」
 富士の樹海の奥深く、見目麗しい巫女姿の女か優雅にステップを踏んでいる。
 巫女を騙る者・アズサ。コルテス配下のオブリビオンである。
「あとは、お前を絞めて殺したら、その血を聖杯に注いで祈ればいいだけですね♪」
『グゥルル、ゥルルルッ』
 女の腕の中で小さな竜が暴れた。
 しかし、それを力でねじ伏せ女は嗤う。
「あっ、絞め殺したら血が流れませんよね。ええと、それじゃあまず斬り裂いて血を流してから締めたらいいでしょうかね?」
 シャリンと、女の髪にくくり付けられた鈴が鳴った。
 下駄で土を踏む独特の音も、かすかに響く。
 小竜の唸り声も絶えず漏れていた。
 儀式場は簡素。地面に描かれた個所が多いので、ただ歩いているだけでは見分けることはできないかもしれない。ただ、要所に火が炊かれているので、周辺は明るい様子。
「さぁさ、殺してしまいましょう♪」
 どこか楽し気に、アズサは儀式場へと足を踏み入れた。

●嗤う呪術巫女
 魔軍将の一人である侵略渡来人『コルテス』は、太陽神ケツァルコアトルの力を使い、富士山を噴火させようとしているようだ。
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は集まった猟兵たちに説明を始めた。
「富士の樹海に隠された儀式場で、コルテス配下のオブリビオンが富士山を噴火させる為の『太陽神の儀式』を行っているんだよ」
 富士山が噴火すれば、東海・甲信越・関東地域は壊滅的な混乱状態となるだろう。
 そうなってしまえば、徳川幕府軍は全軍の2割以上の軍勢を、災害救助や復興支援の為に残さなければならなくなると言うのだ。
「何より、富士山の噴火は……大惨事だよね。だから、お願い、これを阻止して! 富士の樹海の索敵は大変そうだけど、皆ならきっと大丈夫だよね。樹海を探索して儀式場を見つけたら、太陽神の儀式を行っているオブリビオンを撃破してね」
 儀式を行っているコルテス配下のオブリビオンは、富士の樹海に潜み、儀式の準備を進めているようだ。
 いかにうまく敵を索敵するか。また、もし可能なら奇襲攻撃を仕掛けても良いだろう。
「今回、皆に探してもらうのは、巫女を名乗っている見目麗しい妖狐の女性。でも、その姿に惑わされないで。その本性は、人を騙して骨の髄までしゃぶり尽くし、その怨霊を自分の力とする邪悪な呪術師だよ」
 これは、敵ボスとの戦いである。どうか気を付けて欲しいと、ルビナは頭を下げた。


陵かなめ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 ④富士の樹海へ赴き、コルテス配下のオブリビオンが行おうとしている儀式を潰しましょう。ボス戦になります。敵を撃破できればクリアです。樹海をうまく探索し、儀式場を見つけてください。
 オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『巫女を騙る者・アズサ』

POW   :    私、傀儡回しは得意なんですよ~?
自身が装備する【操り人形】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    その怨み、私の力にしちゃいますね~
全身を【怨霊】で覆い、自身の【食い物にしてきた人間の数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    私の活躍、そこで指を咥えて見てると良いですよ♪
戦闘力のない【怨霊】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【怨みと嘆き】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:赤霧天樹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

薄荷・千夜子
巫女というには穢れが酷いですね
そのような相手に好きにはさせません

【地形の利用】【情報収集】で敵の痕跡を探したり、【動物会話】で樹海にいる動物に儀式場の場所が分かるか聞いてみましょう
うまく見つかれば敵に気取られぬよう【忍び足】で【罠使い】[操花術具:藤巡華簪]を仕込ませておきます
準備が完了したら【先制攻撃】でUC『操花術式:藤巡呪楔』を使用
【毒使い】【呪詛】も乗せて行動阻害を
「貴女の企み、阻止させてもらいます。これは、そう簡単には解けませんよ!」
うまく行動阻害ができたら[操花術具:神楽鈴蘭]をシャンと鳴らし【属性攻撃:炎】【破魔】で浄化の炎で攻撃を
「巫女として、負けるわけには参りません!」


御倉・ウカノ
アドリブ歓迎
判定:WIZ
富士の噴火なんて冗談じゃないが、樹海に潜まれるってのは本当に厄介だね。あたしも『ジャンプ』で木に登って探すけど、ここは人海戦術…いや、"狐"海戦術で探しだそうじゃないか。UCで管狐達を呼んで索敵を行わせるよ。何体かは他の猟兵達につけて通信機兼道案内にして、兎に角一刻も早く儀式場を見つけ出すんだ。儀式場を見つけたら管狐を使って猟兵達を案内しつつあたしと残り管狐達で敵の撃破、最低でも儀式の遅延を行うよ。
「似非巫女なんぞにこの国を駄目にさせてたまるかってんだい!頼んだよ、管狐達!」


四王天・燦
巫女なアタシとしちゃあ最低の妖狐の面汚しだ。
粛清だぜ

生肉でも差し入れて樹海の動物たちと話すことで人の存在を聞いてみる。
細かい居場所は足跡追跡や聞き耳で特定

見つけたら挨拶代わりに四王稲荷符を投擲・貼り付けて呪詛を見舞う。
神鳴担いで「閻魔様がお待ちだぜ」と殺気全開

「成仏しろ。南無三!」
怨霊の応援団には稲荷符を投げ、範囲攻撃と破魔を叩き込む

飛翔されたら真威解放・神鳴。
納刀し力溜め開始。
速度で勝てない分は空中戦による小回りや太陽を背負っての逆光による目潰しで補う。
怯んだら力を解放し一閃。
「神威・電刃居合い斬り!」

最後は吸血・生命力吸収し精気を頂戴するぜ。
「不味っ?!心の穢れが精気の味に顕れてやがる…」


黒鵺・瑞樹
アドリブ連携可

UC空翔で樹海の上をかけ儀式場を探す。
方向は【第六感】【野生の勘】頼りになるが、火を焚いてるっていうなら煙が出てるかもしれない。
近くに行けたら【聞き耳】で様子見、【存在感】を消し【目立たない】ように移動。

右手に胡、左手に黒鵺の二刀流。
【先制攻撃】による【奇襲】をかけて【暗殺】の一撃。
初太刀の後は小竜を【かばう】様に動く。
さらに動きの制限【マヒ攻撃】かつ【傷口をえぐる】でよりダメージ増を狙う。

相手の攻撃は【第六感】【見切り】で回避。
回避しきれなものは黒鵺で【武器受け】からの【カウンター】を叩き込む。
喰らったら【激痛耐性】でこらえる。


ヨナルデ・パズトーリ
『動物使い』で呼んだ『動物と話す』事で樹海の中でも火がたかれ明るい所等の情報を集め敵の痕跡を『野生の
勘』により『見切り』『追跡』

敵発見後、UC発動

攻撃の直前までは『暗殺』技能を活かし『目立たない』様『迷彩』で気配を消す
隙を見つけ『怪力』により振るわれる『鎧無視攻撃』の『先制攻撃』で子竜と分断し 『救助活動』

即座に『高速詠唱』で『呪詛』の籠った『全力魔法』を叩き込む

攻撃は『残像』で避け当ったら『呪詛耐性』を込めた『オーラ防御』で防ぎ『カウンター』

その童ではなく貴様の血で此の地を満たしてやろう!

妾、テスカトリポカの前で世界は異なれどケツァルコアトルを侮辱したのだ・・・己が愚かさを知り疾く滅びよ!



●探索開始
「富士の噴火なんて冗談じゃないが、樹海に潜まれるってのは本当に厄介だね」
 木に登って様子を見ていた御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)が、ひらりと地面に着地した。
 すでにここは富士の樹海の入り口だ。うっそうと生い茂った木々の中に足を踏み入れてみると、やはりかなり視界が悪い。
 この悪条件の中、敵である『巫女を騙る者・アズサ』を捜索しなければならないのだ。
「巫女というには穢れが酷いですね。そのような相手に好きにはさせません」
 それでも、猟兵たちはやり遂げる覚悟でこの場に集結している。
 薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)がそう言うと、仲間たちも一層表情を引き締めた。
「巫女なアタシとしちゃあ、最低の妖狐の面汚しだ」
 両の拳を打ち鳴らし、四王天・燦(月夜の翼・f04448)が言う。
「粛清だぜ」
「まずは儀式場だよな。火を焚いているなら、煙が出ているかもしれない」
 黒鵺・瑞樹(辰星月影写す・f17491)はそう言って空を見上げた。
「樹海の中の情報を集めるには、動物に聞くのも良いであろうな」
 ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)の提案。
 ウカノはそれぞれ探索を始める仲間たちにこう話す。
「それぞれ探索するなら、あたしの管狐を道案内につけるよ」
 御倉流巫女神楽『飯綱』で召喚した管狐たちを一匹ずつ仲間のお供にし、通信兼道案内にしようと言うことだ。これならば、安心して各自探索が可能。一刻も早く儀式場を見つけ出すことができるであろう。
 猟兵たちはウカノの管狐を伴い、敵の儀式場を求めて富士の樹海へと入っていった。

●樹海探索
 ヨナルデは周辺の動物を呼び寄せ、樹海の中で火がたかれている場所や明るい場所が無いか情報を集めた。樹海は広い。集めた動物たちも、ほとんどが首を傾げた。だが、一部、鼻の利く動物たちが同じ方角に顔を向ける。
「あちらに向かうのが良いようじゃのう」
 動物たちが示した方角に何かある。ヨナルデの野生の勘もそう告げていた。
 すぐさま、ウカノによって管狐を通し情報が行き渡る。
「そう言えば、この辺りの足跡は比較的新しい感じがします」
 その方角に一番近かった千夜子が一層目を凝らした。樹海には落ち葉も多く、痕跡を辿ることは容易ではない。しかし、獣の足跡も人間の足跡も、古いものから新しいものまで、何かしら見えるのも確かだった。方角を特定できたことで、わずかに残る痕跡を見て取る。
「ここから、さらに奥へと足を踏み入れているようです」
「それなら上から見てみるぜ」
 知らせを聞いて、瑞樹がジャンプを繋いでやってきた。
「よっと!」
 続けてジャンプし、樹海の上から示された方角をうかがう。すると、確かにうっすらと煙が見えたのだ。
「いきなり近づくのは得策じゃないな。ほら、お前たち、どの辺りに人がいるか分かるか?」
 樹海の中で動物たちを集めていた燦は、準備してきた生肉を与えながらそのように聞く。
 すると、数体の動物が、奥の方から何らかの気配を感じると伝えてきた。
「だいたいの場所は決まったようだね」
 管狐と共に捜索をしていたウカノは、集まった情報を素早く仲間に流す。
 後は慎重に近づくだけ。
 樹海に足を踏み入れてから、まださして時間は経っていない。
 非常にスムーズに、猟兵たちは敵の居場所を特定した。

●笑う敵
「ええと、どうやって殺しましょうか。意外とうろこが堅いんですよね~♪」
 樹海の奥では、見目麗しい巫女姿のオブリビオンが儀式場の真ん中で笑っていた。
 どうやって子竜を殺すのか、楽し気に思案しているようだ。だが、その瞳に宿るのは真剣な光。儀式に全神経を集中させているかのよう。
 そこへ、管狐を従えたウカノが飛び込んでいった。
 見るからに怪しの呪術。目の前の敵は、姿だけ巫女に似せた酷いものである。
「あれれ? 何か御用ですか~?」
 ウカノの姿を見て、敵が微笑んだ。その手の中には、ぐったりとした子竜も見える。
「似非巫女なんぞにこの国を駄目にさせてたまるかってんだい! 頼んだよ、管狐達!」
 最低でも、この儀式を遅らせなければ。
 ウカノは手元に居る管狐に命じ、一斉の攻撃を仕掛けた。
 巫女を騙る者・アズサは管狐をなぎ払いながら怨霊を呼び出した。
「私の活躍、そこで指を咥えて見てると良いですよ♪」
 戦闘力のない怨霊だが、彼らの怨み嘆きが敵に力を与えていく。
「うふふ。私の力って、強いんですよー! お一人で大丈夫ですかぁ~?」
 敵の笑い声が辺りに響いた。
 その声を聞きながら、千夜子は敵に気取られぬよう、忍び足で移動する。慎重に操花術具:藤巡華簪を仕込みながら、周辺を確認していた。
 次に瑞樹が到着する。存在感を消し目立たぬよう近づいてきたようだ。千夜子と瑞樹は一瞬視線を交わして互いの存在を確認する。
 敵はウカノとの戦いに気を取られている。周辺に猟兵たちが集まっていることなど頭にない。
 ふと見ると、二人とは違う場所にヨナルデの姿があった。暗殺の技能を生かし、目立たないよう迷彩で気配を消していたのだ。
「勢いだけはあったようですけど、こんな管狐だけで、大丈夫ですかねー?」
 相変わらずオブリビオンは歌うように楽し気に声を張り上げている。管狐を次々に消し去り、上機嫌のようだ。
 最後に燦が到着したことを確認し、先制攻撃を狙っていた千夜子と瑞樹、ヨナルデがその時一斉に動いた。
「五芒の藤が巡るは呪いの楔」
 千夜子がユーベルコード・操花術式:藤巡呪楔を発動させた。
 呪詛を纏った花枝が飛び、敵の体を拘束するように動きを封じる。
「な、え?!」
「貴女の企み、阻止させてもらいます。これは、そう簡単には解けませんよ!」
 千夜子は、花枝に毒と呪詛を乗せていた。
「こっちからもお見舞いするぜ」
 続けて燦が四王稲荷符を投げつけ呪詛を流し込む。
 ウカノとの戦いに集中していた敵は、呆然とした表情で飛び出てきた猟兵たちを見た。拘束と呪詛とで、動きが急激に鈍ったのは明らかだった。
 敵の背後からは瑞樹が迫る。
「敵の気を引いてくれて助かったぜ、ウカノ」
 放つのは暗殺の一撃。
「あ、あが、が」
 敵は信じられないと言った表情で、己を貫いている刃を抜こうとする。
「どうやらみんな、間に合ったようだね」
 ウカノは残った数体の管狐をいったん引き、仲間たちへと頷いた。
「十分じゃな。ほら、よそ見は感心せぬよ。子竜はいただいていくぞ?」
 他に気を取られている敵の腕を砕いたのは、ジャガーを模した黒曜石の鎧に身を包んだ姿のヨナルデ。第一之太陽再臨を発動させて敵に迫ったのだ。ヨナルデは子竜を掴んでいた腕を狙い、鎧を無視するほどの大打撃を叩き込んだ。
 敵が片腕を無くすと、子竜が空中へ放り出された。それを優しく瑞樹が受け止める。
「よし、俺の後ろに居るといい」
 震え弱っている子竜の様子を見て、背にかばうように位置を取った。

●樹海の奥に響く声は
「ちょ、ちょっと、酷いじゃないですかぁ。何です? 邪魔をしないでいただきたいのですけど」
 ようやく千夜子の拘束から抜け出した敵が、片腕に武器を構える。すでに砕かれた腕は使い物にならないようだ。
 その前に、悠然と立ったのは燦。
 雷様が鍛えた刀・神鳴を担ぎ、殺気を全開にする。
「閻魔様がお待ちだぜ」
「……、ふ、ご冗談を……」
 声は弱々しいが、何か隙を探して敵が周囲に目を配った。
 と、見つけたのは巨大な戦斧を構えたヨナルデの姿。
「その童ではなく貴様の血で此の地を満たしてやろう!」
 世界は異なるとはいえ、ヨナルデの目の前で、テスカトリポカの前でケツァルコアトルを侮辱したのだ。
「っ、いや本当に、冗談じゃないですよ! 奇襲とか卑怯じゃありませんかぁ? もういいです!」
 敵が突然体を反転させた。
 これは逃げの一手。
 もちろん、猟兵たちはそんなことを許さない。
「逃がすわけないじゃないか! 管狐達!」
 しっかりと戦況を見ていたウカノが待機させておいた管狐を放った。管狐達は逃げる場を奪うように敵に襲い掛かる。
「ああ、もう! 小うるさい狐が!!」
 自分に縋りついてくる管狐を、敵が鬱陶しそうに払った。
 その腕をめがけて瑞樹がマヒ攻撃を放つ。
「ああ、もちろん逃がさない。さあ、今だ!」
 敵の腕がしびれたことを確認し、瑞樹が仲間に声をかけた。
 シャンと操花術具:神楽鈴蘭を鳴らしたのは千夜子。
「巫女として、負けるわけには参りません!」
 そう言って、巻き起こすのは破魔の炎。浄化の炎はたちまち燃え広がり、敵の体を包み込んだ。
 続けてヨナルデが全力魔法を準備する。
「己が愚かさを知り疾く滅びよ!」
 高速で練り上げられた呪詛の魔法が膨れ上がり、炎に悶える敵の体に解き放たれた。
「……っ!!」
 もはや敵は悲鳴を上げることもできない様子。
 ただただその場から逃げようと、巫女を騙る者・アズサが地面を蹴った。
 それを見た燦が静かに神鳴を納刀し敵を見据えた。
「御狐・燦が願い奉る。今ここに雷神の力を顕さん」
 慌てず、じっくりと武器の威力を高めていく。
 真威解放・神鳴。
 自身は凛々しく煌びやかな戦巫女の装束に変身し、ついに神鳴の柄に手をかけた。
「神鳴――真威解放!」
「ひっ」
 気合に気圧されるように、喉の奥で泣く敵。
 その懐へ燦が踏み込んだ。
 高まった力を全て開放し、一閃する。
 刀身から雷が散り、敵の体全てを破壊した。

『グゥルル、ルルルッ』
 瑞樹の背に隠れていた子竜が小さな鳴き声を発してその場を飛んだ。
 ――見事敵を撃破し儀式を阻止した。
 猟兵たちは飛ぶ子竜を見ながら、それを実感した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト