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エンパイアウォー③~山岳に潜みし武器群

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「復活を阻止した武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきたのは、皆様ももうご存知のことと思います」
 その一方で、徳川幕府軍がこの国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍もあわせ幕府軍10万を招集し、動き出してもいるのが現在の状況だ。
「これに伴い『第六天魔軍将』達もまた動き出したようなのです」
 行く手を阻み、幕府軍を壊滅させるべく様々な行動に出ており、ミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)が君達へ声をかけたのも、この一つに対処してほしいからであった。
「集結する徳川幕府軍は本隊が東海道を、中山道方面軍が中山道を通り、畿内への玄関口である関ヶ原へと向かう予定なのですが――」
 中山道の要衝である『信州上田城』周辺は、既に魔軍将の一人である軍神『上杉謙信』の軍勢の手に落ちてしまっているのだという。
「上杉軍は、中山道方面軍を殲滅するべく準備を整えています」
 準備が終われば、中山道方面軍へと襲いかかることだろう。
「中山道方面軍の壊滅を阻止する為には、皆様方の力で『信州上田城』の上杉軍の力を削ぐ必要があるのです」
 信州上田城は小さな山城のため、オブリビオンの軍勢全てを収容する事は出来ず、収容しきれなかったオブビリオン達は城の周囲の山岳地帯に複数の部隊として集まっているらしい。
「皆様には、そこへ先行していただきたいと思います」
 山岳地帯にいる上杉謙信配下のオブリビオンの軍勢のうち、主力となる強力な部隊が幾つも撃破されれば、不利を悟った上杉軍は撤退すると予想される。君達にミュリエルが依頼するのは、この強力な部隊の一つ、浮遊し飛び回る武器の怪異である兵器百般で構成された部隊の撃破だ。
「山岳地帯で有利に立ち回る方法や待ち伏せしようとしている敵を奇襲する策があれば、戦いを有利に進めることができるかもしれません」
 どのように動くかは、おそらく君たち次第。
「サムライエンパイアの明日のためにも――」
 どうか力をお貸しくださいと豊かな胸を弾ませてグリモア猟兵の少女は頭を下げたのであった。


聖山 葵
 と言う訳で、今回は山岳に潜む空飛ぶ武器群のオブビリオンからなる部隊を撃破していただくするお話となっております。

 戦場は城の周囲の山岳地帯。ミュリエルさんが触れているような何らかの工夫があれば戦いを有利に進めることも可能かもしれません。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 では、ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『兵器百般』

POW   :    騒霊カミヤドリ
【纏っている妖気の色が血のような赤】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ひとりでに動く武器
【念動力で浮遊すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【自身が持つ武器としての機能】で攻撃する。
WIZ   :    武器の知恵
技能名「【武器攻撃】【武器受け】【戦闘知識】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。

イラスト:童夢

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

真白・白夜
山での戦い…隠れる所が多いですが、それは僕とて同じこと!

山の岩陰に身を隠し、【迷彩】で敵に気付かれない様近付きます

そして、攻撃可能な距離まできたら、好戦的で残忍な人格に交代し、敵に【サイキックブラスト】での【先制攻撃】を【だまし討ち】で仕掛けます
「今だ!」
『おう!ガラクタ共が!俺がゴミに変えてやらぁ!』

【範囲攻撃】で攻撃範囲を広げ、【衝撃波】で吹き飛ばします
『オラオラ!早く壊れちまえよ!』

敵の攻撃は、【オーラ防御】で防ぎ、防ぎきれなくても【残像】で回避か、【カウンター】で反撃します
『やった、とでも思ったか?馬鹿が!俺はここだぜ!』

アドリブ&協力OK


孫六・兼元
ん?今回のてき…兼元のどーるいっぽい。なら、どっちがゆーしゅーかしょーぶ、しょーぶ。関の孫六こそ古刀最上作って、今一度戦場にしめすっぽーい。でも、うえだーはいい思いでない。さなだーいない?いない?

ん、武器のぐんぜーが相手ならこっちも数でしょーぶ。【錬成カミヤドリ】で兼元もふくせー作って数そろえって向かいうーつ。40近くの本数になるから一部隊分はできそー。

後は、大阪の合戦まで戦場を渡り歩いた兼元が、銘刀とはなにかをなまくらどもに教えてやるー。

【補足】
連携、アドリブ大歓迎。兼元も打刀のヤドリガミなので、武器対武器の集団戦というのをやってみようかと、傍から見るとすごくあれですが。遣い手さんどこー。


緋月・透乃
敵は生き物っぽいの無しで空飛ぶ武器だけなのかな?こんなのが部隊としてでてくるとは、色々な敵と戦えそうな予感がして、今後が楽しみだね。

山道を徒歩で進みながら食べ物を食べて【沢山食べよう!】を発動させておくよ。
敵は飛べるということは、頭上から襲ってくるような気がする。頭上に注意しながら進むよ。
武器はスプーンを使うよ。
近接武器の敵は、敵のほうから近づいてきそうなので寄ってきたところを打ち返していくよ。
地上にいると囲まれそうだったり、遠距離武器の敵がいたら、飛行して一気に接近してぶん殴っていくよ。
はじめは飛行できることを隠しておいて、地上にいてはあまりにも不利に感じたら飛行するってことだね。



「山での戦い……隠れる所が多いですが、それは僕とて同じこと!

 転送されるや否や、迷彩で周囲に溶け込みながら、真白・白夜(多重人格者のサイキッカー・f10864)は山の岩陰に身を隠した。
「それ程離れたところに転送されたとは考えにくいですが……あ」
 周囲を撫で敵を探していた視線が一点に留まったのは、木々の間から明らかに枝とは違う細長い物体が金属の光沢を持ちながら突き出していたからだ。姿を隠していた甲斐があったか、白夜の方が先に敵へ気づけたらしい。ならばあとは一撃の届く間合いまで近寄ってから襲い掛かるだけだ。
「今だ!」
 じりじりと近寄り判断を下した白夜は足元の小石を拾って放ると合図と共に肉体を他の人格に明け渡す。
「おう!」
 応えた好戦的で残忍な人格が得た体で見たのは、小石に音を立てた茂みに気をとられそちらへ向かおうとする武器の群れ。
「ガラクタ共が! 俺がゴミに変えてやらぁ!」
 簡単に騙された武器群れのオブビリオンへと両手を向け、先制攻撃である高圧電流が放たれた。
「ん? 今回のてき……兼元のどーるいっぽい」
 思わぬ奇襲を受けた武器の群れを見上げ、ポツリと呟くのは、ヤドリガミである孫六・兼元(流転刀旅・f09554)。
「なら、どっちがゆーしゅーかしょーぶ、しょーぶ。関の孫六こそ古刀最上作って、今一度戦場にしめすっぽーい」
 転送されたばかりではあるが好機は見逃さず、即座に自身の本体を多数複製すると、そのまま操り混乱冷めやらぬ武器群へと嗾けた。
「遣い手さんどこー」
 結果として出現したのは、まさにそう表現してもおかしいところは何もない、遣い手のない剣戟の数々。小太刀が打刀に叩きつけられて近くの木へと突き刺さり、とっさに矢をつがえようとした弓が矢を中ほどで斬り飛ばされ、役立たずになったそれを放り出す。槍は反射的に襲ってくる打刀に向けて突きこむが、本来なら遣い手の急所があるべき何もない場所を虚しく貫いた直後、穂先を斬りおとされる。
「けっこう優勢っぽい」
 奇襲から繋げたからだろう。まともな対応が許されなかった武器のオブビリオンは数を減らし。
(「でも、うえだーはいい思いでない。さなだーいない? いない?」)
 操り手である兼元は遠くに見える城のシルエットを一瞥してから、きょろきょろと周囲を見回した。だがの危惧した相手はおらず、それでも目に留まったのは武田の赤とは別の赤。
「敵は生き物っぽいの無しで空飛ぶ武器だけなのかな?」
 視界の中に味方の空飛ぶ武器も含まれているのだが、それはそれ。
「もぐもぐ……こんなのが部隊としてでてくるとは、色々な敵と戦えそうな予感がして、今後が楽しみだね。あーんっ」
 一つにまとめた赤い髪と豊かな胸を揺らして現在進行形の剣戟を見上げていた緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は笑顔で手にしたニンジンの最後の一欠を口へと押し込んだ。奇襲を警戒して見上げた頭上で既に戦いが始まっている。
「いっぱい食べて楽しくいこー!」
 ならば、後は食事で得た力をもって身の丈程もある巨大スプーンを振るうのみであった。手始めに近くの木に突き刺さっていた小太刀を粉砕し。
「オラオラ! 早く壊れちまえよ!」
 新手の登場にあたふたするオブビリオンの武器達が白夜の放った衝撃波でまとめて吹き飛ばされる。もっとも、吹き飛ばされたのは場に居た武器達の内の一部。
「っ」
 流石にこのままではやられる一方と理解した一振りの太刀が白夜向けて飛来し、オーラの守りを抜けて切っ先が突き立ち。
「ぐ」
 胴を貫かれた白夜は短い呻きを残して、掻き消えた。太刀のオブビリオンが貫いたのはただの残像であったのだ。
「やった、とでも思ったか? 馬鹿が! 俺はここだぜ!」
 突きつけられたハンドガン・改の銃口が火を噴き、刀身の側面に至近距離から銃撃を受けた太刀は折れ飛んで躯の海へと還る。
「幾らか数を減らされてるから、四方八方からとは行かないみたいだね!」
 降ってくる複数の刀剣を巨大スプーンで弾き散らし、打ち返し、岩や地面、木に突き刺さって身動きの取れなくなったオブビリオン達を破壊しながら透乃はちらりと近接武器達の向こうを見る。ちょうどそこには複数の弓に矢がつがえられ、引き絞られているところであり。
「うん、まぁそうなるよね」
 身をかがめた透乃の大きな胸がたゆんと弾む。次の瞬間、もう透乃の姿は地には無く、食事によって得た飛翔能力で引き絞られた弓達の間近に迫っていた。
「油断大敵!」
 叩きつけられた一撃に耐えかね、音を立てて弓の本体が居れたことで矢は見当違いの方向へ消え。
「大阪の合戦まで戦場を渡り歩いた兼元が、銘刀とはなにかをなまくらどもに教えてやるー」
 かかって来るっぽいと地で兼元が挑発すれば、あっさりと引っ掛かり飛んできたなまくらが両断されて地に転がる。奇襲からの猟兵達の攻撃に浮遊する武器の群れは数を減じた。だが、未だに元の半数近い数の武器群が残され、体勢を立て直そうと動き始めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

峰谷・恵
「立て直し中の奇襲にはご用心ってね」

先行した猟兵と敵との戦闘音を頼りに急行、態勢を立て直そうとする敵の只中に飛び込んで可能な限り多くの敵を範囲に捉えてフルバースト・マキシマムを発動、一掃する。
その後はMCフォートと熱線銃の連射で近寄る敵を迎撃しながら遠距離攻撃してくる敵をアームドフォートの砲撃(誘導弾+鎧無視攻撃+範囲攻撃)で破壊していく。
敵の攻撃は可能な限り回避、かわしきれないものはダークミストシールド(盾受け)で防御、それもくぐり抜けてきたら4重の防具とオーラ防御で耐え、遅すぎた収穫期を叩きつけ(怪力+鎧砕き)破壊する。
自分の周囲に敵が集まったら再度フルバースト・マキシマムで一掃する



「あっちの方なのかな? あっ」
 戦闘の音を頼りに峰谷・恵(神葬騎・f03180)がたどり着いた先見たのは、木に突き刺さった刀がその身を引き抜こうと上下に揺れ、刃の欠けた太刀がふらつきながらも浮かび上がりどこかへ行こうとする光景だった。進行方向を辿れば、現在進行形で体勢を立て直そうとしている主無き武器の群れ。
「立て直し中の奇襲にはご用心ってね」
 ためらうことなく恵は飛び込むと、全ての武装を展開、引き金を引く。
「こんなものかな」
 武器故に悲鳴も断末魔もなかった。ただ、幾つもの武器が壊れ、骸の海へと還り。
「遅い」
 あちこち破損しながらも一矢報いんと飛来した槍を熱線銃の連射で粉砕し、飛来した矢は半歩横に動くことで躱す。恵へ放った矢を避けられた弓に目が合ったなら、見ていたことだろう自身に向けられたアームドフォートの砲口を。
「稚拙だ」
 立て直しが出来ていないからこそ反撃は散発的で、手袋に着けた青い菱形から生じた黒い霧状の盾が砲撃を放ったばかりの恵を襲った斬撃を弾いた。
「っ」
 このままでは部隊を立て直す余裕がない、武器群に焦りや苛立ちと言った感情があるかは不明だが、少なくとも恵を排除しなくてはならないと決断したのだろう。周囲の生き残った武器達が一斉に恵へ殺到するが、待っていたのは二度目の全武装による一斉発射であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

笹乃葉・きなこ
サムライエンパイアの戦争に加勢に来たのは良いけど、
頭をつかわねーとダメなのかぁ。うーん。

オラのユーベルコード相手を掴んで引きずりこむのも出来るかとおもったべ。
山岳地帯だから隠れながら攻撃しても言い訳だべ
だからこっそり近づいでユーベルコードで捕まえて引き寄せて、
一体一体ボコボコにして…。

理想は気が付いたら先頭にいた奴一人になって、
最後にオラたちでボコボコだべなぁ。
ちょうど季節は夏だしホラーっぽくていいかなぁって

時間がかけられれば、
一体一体丁寧に捕まえて恐怖を刷り込むのもいいんだけどなぁ。
時間がないっぽいし、急いでやろう。

余裕がないならジャンプで翻弄しながら
相手は武器だし恐怖とか感じんのかなぁ?



「サムライエンパイアの戦争に加勢に来たのは良いけど、頭をつかわねーとダメなのかぁ。うーん」
 味方によって更に数を減じた武器群の元へと向かいつつ、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)は唸った。周囲には視界を制限する木々が生え、見通しは良くない。
「んなら、オラのユーベルコードで掴んで引きずりこむの良かっぺな」
 可能か不可能かなら可能ときなこは思ったし、敵は立て直そうとしたところで更に襲撃を受けた直後なのだ。混乱している空飛ぶ武器もあれば、襲撃によって仲間とはぐれた武器も居る。
「あれにすっぺか」
 きなこが目をつけたのは、少数ではぐれ彷徨う武器達であった。先頭を行く太刀はやり過ごし、次の小太刀もスルー。
「奇術を見せてやるべ」
 最後尾の短槍を未知の生体エネルギーで絡めとると、気づかぬ他の武器を放置して慎重に引き寄せる。
「時間がかけられれば、一体一体丁寧に捕まえて恐怖を刷り込むのもいいんだけどなぁ」
 この状況じゃ仕方なかっぺと独り言ちてまず短槍を折り砕き、同じ要領で一体一体間引き、武器達の数を減らしてゆく。
「ちょうど季節は夏だしホラーっぽくていいかなぁ」
 いつの間にか単独で寂しく山岳を彷徨うオブビリオンからすればたまったモノではないが、浮かぶ太刀に感情があったとしても恐怖や不安はそう長く続かなかっただろう。まだ宙に浮く武器達は他にも残っているのだ。きなこは、まだこちらに気づかぬ武器を捕らえるとその仲間同様に始末し。
「これでそれなりに数は減ったはずだべ」
 同様に落伍者を狩ってゆけば、見かける浮遊する武器の数はさらに減ってきている。壊滅まであと一息であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルドルフ・エルランゲン
※連携アドリブ大歓迎

越後の龍の手勢が居ると聞いて来てみれば独りでに動く武器ですか、さても面妖な…

■詭道の計(Wiz))
他の猟兵との喧噪に紛れ近づく非武装と思わしき優男、殺気なんて放つはずも無く、撃ち減らされ疲弊した浮遊武器に近づき

そもそも武器が単体で戦うなどあり得ない事です。
武器とは人に使われてこそ真の力を発揮できるのです。どの武器にも人が持つ為の握りがあるのがその証左。
人によって扱われねば、如何に攻撃力が有ろうと、技能が有ろうと、戦闘知識が有ろうと、ただのガラクタに過ぎない。
武器を自覚するなら、怨念にて動く自らに恥じ入るが良い!

※ハッタリを理屈で言いくるめて戦意を奪って怨念に成仏してもらう



「越後の龍の手勢が居ると聞いて来てみれば独りでに動く武器ですか、さても面妖な……」
 呟くルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)の視界にあるのは、数が減り武器群とすら呼べなくなった浮かぶ武器であった。ここまでの戦いで破損したのであろう、ルドルフの目に留まった刀は大きく刃こぼれしており。
「ふむ」
 殺気を帯びることなく、放つこともなく。それでも近づけばオブビリオンの方とてルドルフに気づく。くるりと刀身の向きを変えると、纏っている妖気の色を血の様な赤へと変え。
「なるほど」
 最初に犠牲となったのは、風に揺れた木々の枝だった。刀により近い位置で動いたからか、ルドルフの歩く速さより枝の揺れの方が早かったのか。だが、断ち切られてしまえば、揺れる枝はなくなり。
「私が何の対策もしてないと思ってるんですか?」
 続いてルドルフを襲った刃は、ルドルフの言葉と態度にただならぬモノを感じ、弾かれたかの様に軌道を変えた。
「そもそも武器が単体で戦うなどあり得ない事です」
 無理に軌道を変えたかのような動きの結果、地に落ちた刀を見つめ、ルドルフは語る。
「武器とは人に使われてこそ真の力を発揮できるのです。どの武器にも人が持つ為の握りがあるのがその証左」
 視線は刀身から鍔を超え柄に至って指摘し。
「人によって扱われねば、如何に攻撃力が有ろうと、技能が有ろうと、戦闘知識が有ろうと、ただのガラクタに過ぎない」
 尚も言葉は続けながら、刀が再び浮こうとした瞬間冷たく見据える。
「武器を自覚するなら、怨念にて動く自らに恥じ入るが良い!」
 ただの一般人が万全の状況の武器群を前にして言ったなら意味はなかったことだろう。だが、一喝したのは猟兵であり、武器のオブビリオンは追い込まれていた。
「解ってもらえた様ですね」
 力を失い、壊れかけの武器として骸の海へと還り始めた刀を眺め、ルドルフは小さく息を吐く。とりあえず最初に遭遇した武器はうまく言いくるめられたらしい。
「この調子で、終わらせてしまいましょう」
 たとえ言いくるめられなかったとしても、一人で充分倒しきれる程度しか浮かぶ武器は残っていない。この地に残っていた武器達が全滅したのはそれから暫しの後のこと。こうして猟兵達の活躍によって、山岳に潜む武器群は取り除かれたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月09日


挿絵イラスト