エンパイアウォー③~山岳地帯の蛇
●山岳地帯に敵は待つ
中山道――徳川幕府軍が関ヶ原へと向かうルートの一つである。
順調にいけば、苦も無く軍を進められたであろうこの道に、しかし今、一つの問題が発生していた。
中山道要衝たる『信州上田城』。その周辺が、魔軍将の一人である軍神『上杉謙信』の軍勢によって占拠されてしまったのだという。
足止めを食らうだけならまだしも、謙信の軍勢は、中山道を行く徳川幕府軍のせん滅を目論み、今まさに、軍勢を準備しているというのである。
敵はオブリビオンを含む大軍勢……如何に徳川幕府軍と言えど、太刀打ちすることは難しいだろう。このままでは、中山道を行軍する彼らの壊滅は免れまい。
だが……まだ希望は、残されていたのである――。
●蛇を討て
「というわけで、その最後の希望が諸君らであるわけなのだな」
むにむにと手をこすり合わせながら、マイン・ラクーンは猟兵たちへと告げた。
まずは、現在の状況を説明しよう。
寛永三方ヶ原の戦いに勝利した猟兵達が手に入れた『第六天魔軍将図』。そこには、『第六天魔軍将』達の名が連なっていた。
その内の一人、武田信玄は三方ヶ原の戦いで撃退できたものの、残る第六天魔軍将達は、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢を仕掛けてきたのである。
これに対抗すべく、徳川幕府軍は幕府軍10万を招集。幕府の総力をあげて、敵の首魁、織田信長を撃破すべく、行動を開始したのである。
「敵を撃退するには、我々猟兵、そして徳川幕府軍、両方の力が必要なのである。ここで徳川幕府軍を壊滅させてしまっては、戦争の敗北に一歩近づくことになってしまうわけであるな」
そのため、猟兵たちには徳川幕府軍の下へ向かい、彼らを援護してほしいというわけだ。
「君たちに戦ってもらいたいのは、この信州上田城付近の山岳地帯に潜む、『うわばみ』なる巨大な蛇たちである。酒を飲んで火を吹く、常識知らずな奴らなのだぞ」
山岳地帯である故、足場は戦闘するには心もとない。徳川幕府軍や猟兵たちにとっては戦いづらい地形となるが、蛇であるうわばみは、足場などものともせずに襲い掛かって来るだろう。
「そのため、何らかの対策を考えた方が良いかもしれないのだ。戦い方によっては、この山岳地帯という地形が有利に働くかもしれぬ。知恵と勇気を結集し、見事に勝ってくるのだ、猟兵たちよ」
そう言って、マインは猟兵たちを送り出した。
洗井落雲
お世話になっております。洗井落雲です。
信州上田城、その山岳地帯に潜む蛇を撃退してください。
●このシナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●成功条件
すべての『うわばみ』の撃退。
●状況
中山道は、信州上田城近辺の山岳地帯が舞台となります。
此処に待ち伏せしている20匹の『うわばみ』をすべて撃退してください。
山岳地帯という事もあり、些か動きづらい地形となっています。
しかし、この地形を逆に利用したり、待ち伏せしている敵を奇襲するなど、何らかの対策があれば、この状況も有利に働くはずです。
以上となります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『うわばみ』
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POW : 噛みつく
【鋭い牙】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 巻きつく
【素早い行動】から【巻きつき攻撃】を放ち、【締めつけ】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 炎を吐く
【体内のアルコールを燃焼した炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:塚原脱兎
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●蛇を討て!
猟兵たちが向かった現場は、中山道の山岳地帯だ。
起伏が激しく、森林により見通しの悪いこの場所は、むやみに突っ込めば、潜む『うわばみ』達に待ち伏せされ、あえなく返り討ちになってしまうかもしれない。
だが、ここでしり込みはしていられない。
後方に待つ部隊を救うためにも、勇気を出して突き進むのだ!
スコル・カーバイト
こんなクッソ暑いときにめんどーな大事起こすなっつーの…。さっさと終わらせてーから手加減しねーぞ。いいな、いいだろ?答えは聞かねーけどなぁ!!
●山岳地系か。【地形の利用】を活かせば有利に動けそーだな。【目立たない】で奇襲かけられる距離まで近づいて一気にけしかけっぞ。覚悟しろよクソ蛇ども、狩りの時間だ。
●【UC:ヴァイオレンスヴォルフ】で狼形態に変えて草陰から奇襲を変えるスタイルで攻めるぞ。攻撃しては物陰に隠れてまた攻撃するヒット&アウェイだ。敵の攻撃は己の反応速度を活かして回避するか、こんなに敵がいるし【敵を盾にする】で凌ぐか。
ま、こんなとこか。狩られる側になった気分はどーだ?あぁ?
※アドリブ可
霧島・絶奈
◆心情
蛇とは、こういった環境下に於いては驚嘆すべき狩猟者であるのでしょう
ただ、それは相手が知性無き獣の話です
知性を以て野生の脅威を駆逐する故に、我々は「ヒト」なのですから
◆行動
【罠使い】の活かし所でしょう
木々等の死角になる場所に罠を仕掛けつつ前進
少なくとも設置方向からの奇襲を抑制
ある程度前進したら『暗キ獣』を使用
面制圧による大規模な山狩りを敢行
鉄床戦術を応用
槍衾を構えた屍兵軍が索敵と迎撃を担い、屍獣が側面及び後方より遊撃
これが群の強みです
私は罠を仕掛けつつ追随
接敵時は【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】【精神攻撃】を行い敵に【恐怖を与える】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
黛・夢乃丞
うわばみ…
お前なんぞにやる酒はねぇ!(酒好き駄目妖狐)
殲滅してみせるぜ、この俺が薙刀「炎断」でよぉ!
■戦闘
敵に近付くわけにはいかねぇな
適当な岩場に身を潜めるぜ【忍び足】
気配を消し、UC【サイコキネシス】で
適当な岩を動かして蛇の意識を誘い
敵が動いた所でサイコキネシスの遠距離攻撃を
(本当は派手に接近戦するのが好きなんだけどよぉ)
でも敵の攻撃やUC怖いから絶対近づいてやんねぇ
近づいたとしても薙刀の【衝撃波】と斬撃で戦いつつ【武器受け】
サイコキネシスで岩を敵との間に挟んだりぶつけたり
意地でも30cmの範囲内から避けるぜ
そして【カウンター】してみせる!
仲間がいれば後方支援するぜ!
※アドリブ&絡み大歓迎!
依神・零奈
……いよいよ関ケ原の戦いにも引けを取らない
日ノ本を舞台の大合戦じみてきたね
……真田親子がいれば張り切ってたかな
地形は山岳地帯で敵方は地形を諸共しないと来た
……だとすると地形を気にしないという訳……かな
待ち伏せしている敵より高所……できるだけ急な坂の上に陣取り
わざとこちらに気が付かせて上ってきたらUCを発動
「大地は随分と潤っているね、些か溺れるくらいに」
舌禍による禍言が引き寄せる厄災で土砂崩れを引き起こさせるよ
うわばみ達がそれに巻き込まれ混乱したら無銘刀を抜き放ち
一気に坂を駆け降りるよ、その速度を利用して
うわばみ達の首を刎ねるように攻撃を仕掛け一撃で仕留める事を狙うよ
からり、からり、と――。
山肌を、大小の石が滑り落ちていった。
『うわばみ』達がちろちろと舌を出しながら、視線を交わし合う。
此処は、うわばみ達オブリビオンの陣地。地の利は、うわばみ達にある。それは、うわばみ達が傾斜のある山肌を、物ともせずに動き回れる、という事が第一。
そして、迫るだろう敵より上に布陣しているためだ。傾斜を登るには、二足歩行の動物たちは少し手間取る。故に、その隙をつくことができる。
だが……ふと、不安がよぎる。
もし、自分たちより機動力のある存在が、すでに自分たちの頭上に構えていたのだとしたら――。
その時。
狼の遠吠えが、あたりに響いた。
うわばみ達が、慌てて視線を頭上、山の上へとやれば、そこには赤々と燃える、焔を纏った、一匹の狼の姿があった。
すでに奇襲されていたのだ! 慌てたうわばみ達が、一斉に物陰から飛び出し、斜面を登り始める!
「掛かった!」
その声と共に、地に転がる岩が、一斉に動き出した! 石持つように動くその岩が、次々とうわばみ達へと襲い掛かり、押しつぶしていく!
「テメェらに飲ませる酒なんて、勿体なくてねぇよ! テメェらが食らうのは、石ころで充分だ!」
叫ぶのは、サイコキネシスにより岩を動かし、叩きつける、黛・夢乃丞だ! 同時に、焔の狼、スコル・カーバイト、そして同様に頭上に布陣していた依神・零奈が、一気に地を駆け降りる!
「こんなクッソ暑いときにめんどーな大事起こしやがって! さっさと終わらせてーから手加減しねーぞ。いいな、いいだろ? 答えは聞かねーけどなぁ!!」
「大地は随分と潤っているね、些か溺れるくらいに。日ノ本を舞台の大合戦、私も一つ、舞わせてもらうとするよ」
スコルの牙が、うわばみの鱗をかみ砕き、その内部までえぐり砕いた。一瞬で絶命したうわばみを放り捨て、すぐさま別の獲物へと襲い掛かる。
一方、守護神霊の姿となった零奈は、土砂崩れを巻き起こし、その波に乗ってうわばみへと一気に突撃する。
「一つ……二つ……三つ!」
『無銘刀』が煌けば、その呟き通りに一つ二つと、うわばみの首がするりと落ちる。
突然の奇襲に、うわばみ達が浮足立つ。地の利を完全に殺されたどころか、逆に有利をとられて攻撃に転じられたのだ! こうなっては、うわばみ達はしっぽを撒いて逃走するしかあるまい。幸いにして、まだうわばみ達には足が残っている。このまま斜面を駆け抜け、撤退に転じるのだ。
慌てて逃げだすうわばみ達。だが、その眼前には、無数の『屍獣』と『屍者』の群れがあったのだ。
眼下より迫りくる群れ、そして、退路を防ぐように、側面から迫る群れ……それは、崖下にて指揮をとる異端の神――霧島・絶奈が呼び出した、屍の群れであった。
「なるほど、あなた達蛇は、こういった場面では比類なき狩人であるのでしょう」
絶奈が静かに、言葉を告げる。その眼に宿る暗い炎。それは、うわばみ達を射すくめるのに充分な迫力を持つ。
「ですが、それも知性なきケモノを相手にしての事。あなた達が相手にするのはヒトの群れ。知性を以て野生の脅威を駆逐する故に、我々は「ヒト」なのです。では、思い知っていただきましょう。ヒトを相手にするという事を」
ごう、ごう、と屍の群れが動き出す。
此処は、狩場である。
だが、獲物は人にあらず。
獲物は、蛇だ。
「狩られる側になった気分はどーだ? あぁ?」
焔の狼が、狩場をかける。その爪がうわばみを切り裂き、牙は肉をかみ砕く。
「答えは聞いてないけどな!」
「オラオラ! どんどん追い込むぜ! 食らいつくしちまえ!」
夢乃丞の操る岩石が、次々とうわばみの足を止め、その逃げ場をなくしていく。時にその岩はうわばみの肉体を潰し、悲鳴を上げさせた。
「私たちを――猟兵を舐めないでもらいたいな。地の利を得たとて、それをひっくり返せない道理などないのさ」
悲鳴を上げるうわばみを、守護神霊が、零奈が切り裂く。逃げ出すうわばみの姿をみつけるや、禍言を唱え、うわばみの動きを鈍らせた。そのうわばみに素早く近づくや、一気に斬り捨てる。
それが、最後の一匹だったようだ。零奈は刃を振るい、血を振り払うと、声をあげた。
「これで全部、かな?」
「臭いはないな」
スコルが頷く。
難攻不落と思われていた、蛇の待ち構える山岳……それは、猟兵たちの活躍により、容易に攻略されたのだ。
「なら……これで、狩りは終わりですね」
絶奈が、肩をすくめて、告げる。
「やれやれ、戻って一杯やるか。連中の徳利見てたら、飲みたくなっちまったじゃねぇか」
けらけらと笑う、夢乃丞。
もちろん、戻って祝杯をあげるのもいいだろう。
そうする権利を、猟兵たちは勝ち取ったのだから。
大成功
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