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エンパイアウォー④~白刃繚乱煉獄炎山

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「昨今のキナ臭え気配は、お前さんらも承知の通りだ」

 藤間英は集った猟兵たちを見渡した。

「恐れ多くもご乱心めされた右府(うふ)様を沈めるべく、徳川(トクセン)家の軍を守り、力を振るってくれって話だ」

 江戸での暮らしが長い藤間の物言いがわからない猟兵に、慣れた猟兵が「右府ってのは信長のことだよ」と教える。
 徳川家をトクセンと呼ぶのは、不敬を恐れてのことだ。

 長キセルを咥える藤間の顔は、この日やけに塞ぎ込んでいる。

「今回の俺たちの任務は、霊峰富士の守護だ。南蛮の火の神の力で山を噴き飛ばそうとする輩がいる。その儀式を食い止めなきゃならん」

 藤間は一枚の絵を見せた。
 凛とした佇まいの女が、白刃を携えている。
 刃は血に濡れていた。そばに、竜の亡き骸が打ち捨ててあった。

「富士の樹海のどこかで、この女が儀式を行っているはずだ。諸君らには彼女を見つけ出し、儀式を阻止してもらいたい。
 激しい戦闘が予想されるし、一筋縄じゃいかねぇだろう」

 だが、サムライエンパイアを守り信長公を討ち果たすには、この邪悪な技術を止めなくてはならない。

「諸君らの手で、富士を、サムライエンパイアを、守ってくれ」

 藤間は集まった猟兵たちに、深く頭を下げた。

————————

 富士の樹海、奥深くに、一人の女がいた。
 ダーク・クリンゲ。
 かつては崇高な騎士であった彼女が今望むのは、己がより強力な力を持つこと。
 そのために、より強い敵と死合うこと。

 織田信長の思惑に、彼女は興味を持たない。だが強敵と相見えるこの機を逃すつもりはなかった。

 とらわれた竜の子が哀れな悲鳴をあげる。
 ダーク・クリンゲは竜の子を見下ろして舌打ちした。
「ジタバタするな。それでも竜か、情けない」

 ぴしゃりと叱りつけて、ダーク・クリンゲは殺意を研ぎ澄ます。

「早く来い、猟兵たち。私を、満たしてみろ」

 張り詰めた弦のように油断のない気配を撒き散らし、ダーク・クリンゲは薄く笑い、猟兵たちを待ち構えていた。


千歳アキラ
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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ご無沙汰しました。千歳アキラです。
永らく休業しておりましたがまた再開致しました。
初めましての方も、お久しぶりの方も、存分に遊んでいただければ幸いです。

サムライエンパイアイベントで胸が高鳴っております……!!!
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第1章 ボス戦 『ダークプルティア『ダーク・クリンゲ』』

POW   :    私の刃は鋼のみならず。闇雫流・水流刃
【刀身から水流を放射、微細振動する水流 】が命中した対象を切断する。
SPD   :    貴様に見切れるか? 闇雫流奥義・三連自在刃!
【速さに秀でる水流の斬撃】【間合いに秀でる刀の斬撃】【自在に動かせる髪の鋭い先端による斬撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    見切った技をもう見せるな。闇雫流・呪縛暗黒面!
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【対象に張りつき動きまでも封じる闇の仮面】が出現してそれを180秒封じる。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシズホ・トヒソズマです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

朱葉・コノエ
山の噴火が敵の狙い、ですか。
そんなことをしてしまえば被害が大きくなるのは確実…速やかに撃破を狙いましょう。
【残像】【早業】を駆使して邪魔をする敵は全て一刀で斬り伏せて儀式の元へと向かいます。

ダーク・クリンゲ…あれがこの儀式を行う軍の将ですね。
その殺気…ただならぬ相手と見て間違いないでしょう。
死合を求めているというのなら…この刀と我が剣術を以て、貴方を満たして見せましょう。

【見切り】で攻撃をかわしつつ、僅かなスキを見て抜刀術で攻め立てましょう。相手よりも速く、確実に斬り落とす。
相手が距離を取った瞬間、【紅颪流・空断】を発動します。

※アレンジ、他猟兵との絡み歓迎


シャラク・エスペラント
サムライの国を滅ぼす儀式…
きっとシャランラたちがとめてみせますの!

キレイで力強さを感じる方です、わん☆
とてもステキな方ですのになぜ…

強い者と戦いたい…?
闘うならいつでもお相手します
…ですがそれは互いを磨きあい心を重ねるためで
ただ傷つけるためではありませぬ!
それをシャランラがこの身をもって伝えますの!

(戦闘スタイルはプロレス風。
ドロップキック、エルボードロップ、ヒップアタック、バックドロッブ、スカイツイスタープレスなど)

シャランラはまっすぐぶつかるしかできませぬゆえ…
お覚悟を!!

(良いようにあしらわれる描写歓迎)
な、なにも通じない…!?
このような力をなぜ…?(涙)

(アドリブ、絡みオーケー)



 朱葉・コノエ(茜空に舞う・f15520)は話を聞いて顔を歪めた。
「山の噴火が敵の狙い……ですか」

 被害が甚大となることは容易に予測がつく。
 コノエはシャラク・エスペラント(羅刹っ娘純情・f08009)とともに富士の樹海へ足を踏み入れた。

「サムライの国を滅ぼす儀式……きっとシャランラたちが止めて見せますの!」
「えぇ。誰も死なせはしません」
 羅刹とキマイラの二人は、山中の捜索を続ける。

 やがて、シャラクが足を止めた。
「コノエ様、あちらを……」
 シャラクの指さす先に、不自然に凍り付いた木がある。
 コノエは頷いて見せた。
「近いですね。きっともう、敵の領域に入っている」
 二人は息をひそめ、周囲を伺う。

「いるな?」
 凛とした声が響いた。
「出てこい。私は逃げも隠れもしない」
 敵オブリビオンに違いなかった。

 ダーク・クリンゲ。
 クリンゲとは、独逸語で刃のことを指す。
 即ち、居合剣術「紅風流抜刀術」の使い手であるコノエにと同じ、剣術の使い手である。
 放たれるダーク・クリンゲの殺気に、シャラクは眉根を寄せる。
「強者との戦いは、互いを磨き合い心を重ねるもの……。ただ傷つけるためのものでは、ありませぬ!」
 シャラクはキッとダーク・クリンゲを見据えて戦闘スタイルに入る。
 ダーク・クリンゲの殺気が高まるのが分かった。
 凍てつくほど鋭い闘志が二人に真っ向からぶつけられる。

「笑止!」

 ダーク・クリンゲは唇をゆがめた。

「お前は私の試金石に過ぎない。屍を晒し我が武勲の誉となれ……!」
 言うなり、真っ向から突っ込んできた。
 通常ならば、回避行動をとってもおかしくない。
 だが、シャラクはプロレスラーだった。

「ふんっ……!」

 小さな体では信じられないような力で、ダーク・クリンゲの刺突を脇に挟んで抑え込む。
「シャランラはまっすぐぶつかるしかできませぬゆえ……、お覚悟を!」
 シャラクはダーク・クリンゲの首に腕をかけて、上体を抱え上げようとする。

「牛殺し!!!」

 渾身の一撃で、ダーク・クリンゲを地面へ叩きつけようとする。
 確かに決まったと思った。
 だが、着地点にダーク・クリンゲがいない。

「そんな……!?」
 動揺するシャラクのすぐ背後に、ダーク・クリンゲが現れた。
「面白い娘だ。準備運動程度には、なったが」
 ダーク・クリンゲがユーベルコードを発動させようとしているのが分かる。
「ッ!」
 とっさに拳を固め、シャラクはダーク・クリンゲの胴を殴りぬこうとした。
「なっくるボンバ~!!」
 強かに当たれば、周囲の地形ごと破壊されるような一撃。
 だが、ダーク・クリンゲは容易に回避した。
 そして反撃に出る。

「私の刃は鋼のみならず――」

 ヒリつくほどの殺意だった。
 とっさに、シャラクは身を固める。
 だが、間に合わない。

「闇雫流、水流刃……!!」

 ダーク・クリンゲのユーベルコードが発動した。刃の先からほとばしる水流が、触れたものすべてをなぎ倒していく。
 木が音を立てて倒れた。

「ふん」

 後も残らず消し飛んだかに見えるシャラクに、ダーク・クリンゲは軽く笑う。
 そしてもう一人の猟兵を探そうと周囲を見渡した。

 次の瞬間、ダーク・クリンゲの右手から血が噴き出した。

「なっ……?!」

 動揺するダーク・クリンゲのすぐ目の前に、朱葉・コノエが立っている。
 プロレスラーであるシャラクが、回避行動に映らないのをコノエは読んでいた。シャラクが陽動の役目を果たし、ダーク・クリンゲの注意を一身に受けることも。
 だから戦闘の隙をつき、ユーベルコードが発動した瞬間、シャラクを移動させ、樹海に紛れてダーク・クリンゲの背後を取った。

「速度では、私が上回ったようですね」
 刀を軽く振り、刃についた血を払い、納刀する。
 彼女が使うのは抜刀術だ。抜き身の刃を無駄に振り回す真似はしない。
 
「ふ、面白い」

 ダーク・クリンゲが表情をゆがめる。
 
「抜かないまま、どこまで私とやり合うつもりだ?」
「幾度も討ち合うつもりはありませんよ。私の勝負は、一瞬です」
「貴様に見切れるか?」

 ダーク・クリンゲが間合いを詰める。
 刀から迸る水流の刃、刀の本体そのもの、そして刃と化した髪の斬撃を駆使して、一歩、二歩とコノエを追いやる。
 だがコノエはすべてを読み切った。

「言ったはずです。速度では、私が勝ると……」

 わずかな歩みで右へ、左へと刃を躱しながら、柄へ手をかける。
 ユーベルコードを発動させるつもりだと読んだダーク・クリンゲが、間合いを取ろうとした。
 だが、コノエのユーベルコードに、ただの間合いは意味をなさない。

「離れても無駄です」
 【集中状態】となり、空間ごと相手を叩き切るのが、コノエの居合術の神髄だった。
「紅颪流・空断」

 コノエの抜き放った刃は、ダーク・クリンゲの右目を切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
【ソロ希望・POW】
うふふ……私、美人には強いのよ。
お望み通り 満たしてアゲル❤

『欲望開放』で一糸纏わぬ女神の姿に。
愛欲に比例した戦闘力増強と
最大4600km/hの速度で【空中戦】が可能

彼女の攻撃を【見切り・残像】で回避後
【属性攻撃】の雷で痺れさせ【衝撃波】で刀を叩き落し
【踏みつけ・早業】で連続蹴り!
快楽の靴が 彼女の全身に快感を与えるわ

音速を超えた私は、吹っ飛んだ彼女に追いつき
抱きしめて【吸血】しつつ【呪詛】を注いで弱らせ
背中やお尻を愛撫しながら
猫のように全身を擦りつけ【生命力吸収】

抵抗など【オーラ防御・激痛耐性】で愛撫も同然

オブリビオンへの愛。それが私の力の源。
貴女にも、愛を教えてアゲル❤



 それはひどく、歪な愛だった。
「うふふ……私、美人には強いのよ」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はそう口にしてニッコリと笑った。
 
「お望み通り 満たしてアゲル❤」

 ドゥルールが唯一心を開くのは、オブリビオン。
 その中でも美しいものがいれば、彼女の気持ちははやる。

「『欲望開放』」

 ありのままの自分を晒すことを選び、ドゥルールは一糸纏わぬ女神の姿に変貌する。
「ゾクゾクして、たまらないの……!」
 恍惚と口にする彼女は、愛欲に比例した戦闘力増強と最大4600km/hの速度で【空中戦】が可能な体となっていた。
 今の彼女にかなうものなど、そう大抵はいないだろう。

「面妖なやつめ……!」

 ダーク・クリンゲは嫌悪感をあらわにしてユーベルコードを発動させようとする。
 刃から放たれる水流で一気にケリをつけるつもりだった。

「闇雫流・水流刃!!」

 だがドゥルールは見事に【見切】った。
「なっ」
 ユーベルコードを回避されて生じたスキを突くように、【属性攻撃】の雷で痺れさせる。
 よろめきそうにたたらを踏んだ彼女の手に【衝撃波】を叩きつけ、刀を取り落とさせる。

 ダーク・クリンゲは怒りをあらわにドゥルールを睨みつけた。
 だが、ドゥルールは動じない。

「ねぇ、こんなのはどう?」
 ダーク・クリンゲに追い打ちをかけるように腹部をしたたかに蹴り飛ばした。快楽の靴が、ダーク・クリンゲに快感をもたらす。

「ふざ、けるなァアア!!」

 怒鳴る声にまだ覇気は残されているが、立ち上がる力は残されていない。
「オブリビオンへの愛。それが私の力の源なの」

 うっとりと、ドゥルールは微笑んだ。

「貴女にも、愛を教えてアゲル」

 そして、己の愛を余すことなくダーク・クリンゲに伝えるべく、再び彼女へと肉薄した——。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇迦野・兵十
富士のお山は拝んどくぐらいで丁度良いと思うんだがねぇ。
―煙管を咥え、ぷかりぷかりと煙を吐く

右府殿はそうは思わなかったようだけどね、お前さんはどう思う?
―友人にするように【誘惑/コミュ力】で語りかけながら彼女に向かってゆるゆると近づく

お前さんの剣は強いねぇ。
江戸の並み居る達人だって、敵わなさそうだよ。
―相手からの攻撃には刀を抜かぬまま【見切り/武器受け/残像】で回避。
 当たった場合には【激痛耐性】でへらへらした表情を崩さない

でも知ってたかい?
―【見切り】で隙を見つけ、顔を付け合せる距離まで【早業】で踏み込み、へらりと笑う

狐の言葉をまともに聞いちゃいけないってことを、さ。
―【戯事・灰落とし】



「富士のお山は拝んどくぐらいで丁度良いと思うんだがねぇ」

 指令を受けて、宇迦野・兵十(きつねさん・f13898)は深く紫煙を吐いた。
 ほとんど自然体のその姿は、まるで友人との道楽道中かのようだ。

「右府殿はそうは思わなかったようだけどね。お前さんはどう思う?」

 だがその穏やかな言葉が向けられる先は、オブリビオン——ダーク・クリンゲだ。

「景観に何の価値がある」

 ダーク・クリンゲは珍しく、己の価値観を吐き出す。

「何がどれほど美しかろうが、力にはならない。——何の役にも立たないのなら、殺してでも活かす術を与えるべきだ」
「そうかい。そんな考え方も、あるんだね」

 宇迦野はダーク・クリンゲを見てわずかに笑う。

「お前さんの剣は強いねぇ。江戸の並み居る達人だって、敵わなさそうだよ」
「やるのか」
「そうだね。……今なら、勝機があるかもしれない」
「そうか」

 ダーク・クリンゲは薄く笑った。
 刹那、抜刀して宇迦野に斬りかかる。
 だが宇迦野は刀を抜かなかった。身体を半歩ずらすだけで太刀筋に応じる。
「残像か。厄介だな」
「それは買い被りだよ、お前さん」

 言葉はどこまでも、互いに穏やかだった。
「その、ようだな」
 ダーク・クリンゲのユーベルコード、闇雫流・水流刃が宇迦野の腹部をかすめ、貫く。
 だが、宇迦野は【激痛耐性】で余裕を崩さない。

「ところで、知ってたかい?」

 そして、ダーク・クリンゲの間合いに踏み込んだ。

「狐の言葉をまともに聞いちゃいけないってことを、さ」
 ダーク・クリンゲはわずかに目を開いた。
 そして、諦めたように笑った。
 どれだけ敵を殺しても、友のように語らう経験は積めなかった。
 だからこそ、宇迦野を警戒することができなかった。

「——戯事・灰落とし」

 ユーベルコードを真っ向から受け、ダーク・クリンゲが倒れる。
「もし、お前さんに次があるなら」
 亡骸を眺め、宇迦野は一人呟いた。
「その時は、富士の美しさを愛でようか。団子でも、食べながらさ」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月11日


挿絵イラスト