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エンパイアウォー⑤~斬れるもの斬れないもの~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●礎の戦
「知ってのとおり、サムライエンパイアでは織田信長率いる『第六天魔軍将』との戦争がはじまっています』
 お集まりいただきありがとうございます――プルミエール・ラヴィンスは、そう猟兵たちに述べ、説明を始めた。
「寛永三方ヶ原の戦いで、私たちは『第六天魔軍将』の一角『甲斐の虎・武田信玄』を討ち取ることに成功しました。信長は残りの魔軍将たちとともにサムライエンパイアを征服せんと攻勢をかけてきています。これに対し徳川幕府軍は総力を挙げて打倒信長へ向けて進軍しています」
 猟兵たちの役目はこの軍勢を守りつつ、魔軍将たちと戦うことにあるのだが。
「幕府軍の兵10万の行軍に必要な兵糧をはじめとした補給物資が間に合っていません。幕府の総資産を凌駕する個人資産を持つ魔軍将の一人「日野富子」が全国の商人に対して物資の買占めを行っているためです。このままでは予定の規模での行軍は不可能でしょう』
 物資を補給するためには、こちらも資金を手に入れなければならない。そのため、幕府軍は神君徳川家康公が有事のためにと遺した『徳川埋蔵金』を用いることを決定した。
 埋蔵金は幾つかに分けられて隠されており、その場所への地図は借り受けられている。プルミエールの転移によって向かうことができるだろう。
「ですが、神君家康公は埋蔵金を守るために「謎」を遺しています……皆さんには、その謎を解いてほしいのです。たった一人だけでも正解すれば、埋蔵金を手に入れる事が出来るでしょう。どうぞ、よろしくお願いします」

●斬れるものと斬れないもの
 転移によって訪れた先では、森の中に小さな社が隠されていた。
 社の中には恐らく十二支を象ったのであろう石像が順番に並んでいたが、辰と巳の石像は見当たらない。
 更に詳しく調べてみたところ、それぞれ土台の部分には押し込むことの出来る仕掛けが施されている。
 そして、石像の中央には以下の文言が記された巻物が広げてあった。魔術的な保護によるものか、幾十年をも経たであろうそれは一切の汚れや掠れもなく読むことができる。

「我が忠臣が携えた蜻蛉切の槍。
 蜻蛉をも斬るが、猫は斬らず。蛙は斬れるが、人の子は斬らず。
 ならば並ぶ像より、槍が斬れるものを選べ」

 徳川家康の中心といわれた本多忠勝の槍、蜻蛉切にまつわる文言。
 この巻物が、神君家康公が遺した埋蔵金を隠す「謎」であることは間違いないようだ――。


遊津
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 遊津です。
 一番好きな戦国武将は伊達政宗です。史実では江戸時代まで生きて家光公にも仕えた人物ですが、サムライエンパイアでは生存しておられるのでしょうか。
 さて、エンパイアウォーの謎解きシナリオです。
 正解すれば埋蔵金を発見できます。
 こちらのシナリオは必要成功数が少ないため、ご注意ください。
 答えだけではなく、謎に対してどのように感じたか、どう考えて答えにたどり着くか、埋蔵金を発見したときの反応や運ぶ方法など書いていただければ助かります。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『神君家康公の謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スペードスリー・クイーンズナイト
答え:酉

埋蔵金を隠す為に謎を作るのはいいが解けなかったらどうするのだろうか?
いや、解けないような者に与える必要はないということなのだろうな。

斬れると言われているのは蜻蛉と蛙
斬れないのは猫と人
斬れない側の共通点は哺乳類であること
斬れる側の共通点は哺乳類ではないことだ
つまり、十二支の中で哺乳類でないのが正解となる
辰と巳は見当たらないから答えは酉だ!

これが埋蔵金か
後の世の事を考えこうして残してくれるとは
ありがたく頂戴します

一人で運ぶのは厳しいか
私の【もっと愉快な仲間達】に手伝ってもらうとしよう

アドリブ歓迎


中村・裕美
WIZ

「……これって……『〇〇にはあって〇〇にはない』形式……よね?」

十二支で辰巳が外された理由を考えると、それがあると『槍が斬れるもの』が増えてしまうから。
蜻蛉、蛙、龍、蛇が斬れて、猫、人の子が斬れない。
「……哺乳類と……それ以外?」
もしそうだとすれば、残りの干支で哺乳類でないものは
「……『酉』……かしら?」
これで失敗したのなら、ものすごく恥ずかしいが、うまくいったのならホッと胸をなでおろす。
あとはUCを使って埋蔵金を運ぼう
「そう言えば……ここの入り口って」
もし玄関の方角が辰巳の方角であれば、良い風を運び込む吉相の方角。財宝は戌亥の方角に置くのが相応しい
「……そこまで……考えてたのかしら?」


ユキ・スノーバー
※アドリブ等歓迎
(うーんと、?マークを浮かべつつ像を眺めて)
答えは『酉』かな?(びしっ!と指もとい手で示しつつ)
ええとね、十二支は
『子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥』ってなってるけど、既に『辰・巳』が無い
この二つに共通するのは、卵から生まれる所かな、と思ったら
残りで卵から生まれるのは酉さんだけになるんだよね……
漢字が似てて紛らわしいんだけど、卯は兎さんだしっ!
最初虫の付く漢字で迷ったんだけど、検索かけてもピンとこなかったから多分あってると思うっ!
どうかな?どうかなっ?

合ってたらぴょんぴょん飛んで喜びつつ、埋蔵金運ぶの頑張らないとなんだよーっ!



●斬れるものにあり、斬れぬものになし
「埋蔵金を隠すために謎を作るのはいいが、解けなかったらどうするのだろうか? ……いや、謎も解けないような者に与える必要はない、ということなのだろうな」
 スペードスリー・クイーンズナイト(女王の騎士・f20236)は首肯しながら巻物をじっと見つめた。
「斬れると言われているのは、蜻蛉と蛙。斬れないのは猫と人か……」
「……これって……『〇〇にはあって〇〇にはない』形式……よね?」
 俯き加減でそう言うのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。
「ええと、十二支は『子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥』ってなってるけど……」
その隣でテレビウムの顔にハテナマークを浮かび上がらせながら、ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)も像を眺める。
「蜻蛉と蛙はどっちも漢字に虫が入ってるけど、同じように虫が入ってる蛇さんの像はここにないし、そうすると検索かけてもピンと来ないんだよね」
「そう、ね……多分、十二支の中の辰巳が外されてることにも、きっと重要な意味があるんだわ」
 ユキの言葉を受けて裕美はそう言うと、更に続ける。
「辰巳が外されている理由……それは、この二つがあると『槍が斬れるもの』が増えてしまうから」
「ふむ。では、斬れるものは『蜻蛉』『蛙』に『龍』『蛇』も加わるのだな」
「そうなるとやっぱり虫は違うよね、龍、簡単な方の竜でも虫は入ってないもん」
 三人は巻物と像を交互に見やりながら思考を巡らせる。
ふと、スペードスリーが呟いた。
「逆に斬れないものは、猫に人の子――人の、子」
「ねえねえ、なんで「人」じゃなくてわざわざ「人の子」なんだろう?」
「……!なるほど、そういうことか」
 スペードスリーと同時に閃いたのであろう裕美が呟く。
「……哺乳類と……それ以外?」
 その言葉を聞いて、ユキもぴょんと飛び上がった。
「そっか!蜻蛉と蛙は卵で生まれてくるけど、猫も人もそうじゃないもんね!兎さんの卯はちょっとだけ字が似てるけどっ」
「つまり辰巳を除いた十二支の中で、哺乳類でないのが正解となる。ならば答えは――」
「「「酉」」」
 三人の声が同時に答えを導き出すや否や、呼び声に答えるように酉の像から音が鳴り。
ずん、と重い音がして社の奥、戌と亥の像の背後の壁が開いていく。
そこから見えるのは、千両箱の山――

「これが埋蔵金か…後の世のことを考えてこうして残してくれるとは。神君家康公よ、ありがたく頂戴します」
 感嘆の声を漏らすスペードスリーの後ろで、裕美はよかったとほっと胸を撫で下ろす。対照的に、ユキはぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜んでいた。
「それじゃあ、埋蔵金運ぶのがんばらないと、なんだよーっ!」
 ユキがそう言うと天井から忍者装束に身を包んだぬいぐるみのような白熊がしゅ、しゅっと降りてくる。
「みんな、手伝ってー!」
 その声に応えた白熊忍者たちが次々に千両箱を背負って運びだしてゆく。
「ふむ、やはり一人で運ぶのは厳しいか。私も仲間たちに手伝ってもらうとしよう」
 スペードスリーに呼び出された小人たちも、協力して千両箱を外に運んでいった。
同様に小型機械を召喚して運搬を行わせていた裕美は、ふっと立ち並ぶ石像を見渡した。
「そう言えば…ここの入り口って」
 扉が開いたのは戌と亥の像の間。そして、この社の入り口の両脇に卯の像と午の像。すなわちこの入り口が欠けていた辰巳の像のあるべき位置だ。
「玄関の方角が辰巳の位置なら、良い風を運び込む吉相の方角。財宝は戌亥の方角に置くのが相応しい……」
 裕美はぽつりと呟いた。
「……そこまで……考えてたのかしら?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月04日


挿絵イラスト