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エンパイアウォー③~主よ軍神よ、その御許に

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 甲冑で全身を覆った武者たちが山道を塞ぐ。斧槍を携え、ずらりと面甲を並べ。あるいは徒歩で、あるいは騎馬で、整然と幕府の軍を待ち受ける。
 当然ながら、その全員がオブリビオン。ただの人が突破するには荷が勝ちすぎる相手である。その全員が声もなく油断もなく身じろぎもなく。この一戦を大一番と、士気いと高く待ち受ける。


「よォし次行くぞォ、行ける奴ァ集まッてくれや」
 グリモア猟兵の我妻・惇は、両手を打ってアピールする。
「また上田城の近辺で、敵の部隊が見えた。ブッ潰しに向かッてくれねェか」
 三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきた。それに伴い幕府軍は、諸藩の援軍を含めて総勢十万の兵をもって、総力をあげて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出した。そのうちの本隊が東海道を、中山道方面軍が中山道を通り、畿内への玄関口である関ヶ原へと向かう予定になっている。
 しかしその中山道方面の要衝『信州上田城』周辺が、すでに魔軍将の一人である軍神『上杉謙信』の軍勢により制圧されており、城の周辺には多くのオブリビオンが集まっている。そのまま進めば幕府軍との衝突は避けられず、多大なる被害を受けることになるだろう。
「ンだから、その前に俺らで向かッて、出来る限りブッ倒して数を減らしてやろうッてェ寸法だな」

 相手は鎧兜に身を包んだ切支丹武者の一団である。士気は軒高で腕も立ち、部隊としての連携もそこそこの練度があるため、まとめて多くを相手にするのは些か骨も折れそうであり、そうそう油断できる相手ではなさそうだ。飛びもできないし視野もそう広くはなく、索敵能力に欠けるのが付け入る隙という所か。
「あと、敵さンも騎馬での戦闘も視野に入れてるらしくて、戦う場所は結構拓けて足場も良いぜ。見晴らしも良いもンでそこは奇襲にはちと不利だが…まァ工夫して攻めてくれや」

 敵集団をうまく分断、あるいは分散させられれば戦いやすさは随分と違ったものになるだろう。工夫の苦労か苦戦の苦労か、どっちを取るかは…。
「任せたぜ」
 そんな風に言って、惇は猟兵たちを転送させ始めた。


相良飛蔓
 お世話になっております。相良飛蔓と申します。お読みいただきありがとうございます。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 基本は集団戦で、敵の主力となる強力な部隊の攻略を行います。猟兵の襲撃で戦力を失えば、不利を悟った上杉軍は撤退します。
 オープニングにも触れている通り、奇襲のための工夫があればより戦闘を有利に運べるかもしれません。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『切支丹武者』

POW   :    騎馬突撃
自身の身長の2倍の【軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    後方支援
【切支丹女武者】の霊を召喚する。これは【鉄砲による援護射撃】や【一斉掃射】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    主の裁き
【ハルバード】を向けた対象に、【天からの雷】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:森乃ゴリラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シン・ドレッドノート
【SPD】
幕府軍に被害を出さないよう、速やかに敵軍勢を排除しましょう。
「帰りを待つ人の所へ、皆さんが無事に帰れるように…」

他の猟兵の援護として、遠距離から狙撃し、私の方へ注意を惹きつけましょう。

【異次元の狙撃手】で超長距離射撃を行います。
射程ギリギリの敵軍が見渡せる高台に陣取り、4対のライフルビットを真紅銃に合体、威力と弾速を強化。ソードビットで銃身を支えたら、電脳ゴーグル・怪盗の単眼鏡の望遠機能で敵軍を照準に捉えます。

味方が接近するタイミングに合わせ、狙撃開始。超高速の弾丸を敵軍に撃ち込みます。

私に気づいて向かってきたら、閃光の魔盾のビームで受け流しつつ、カウンターの射撃を撃ち込みますね。


サリー・オーガスティン
■戦闘心証
騎馬、対、騎馬戦だね。
ボクが負ける道理はないけど、ね
(行くよ、ジェイク。ボクと君の速さを見せつけなきゃ)

■戦闘
人馬一体発動!

可能な限り敵陣系に「くさび」を入れるよう、ジェイクを走らせよう
(敵騎馬の分断を第一に振る舞う)

騎馬戦にもつれ込んだら、各個撃破
【操縦、騎乗、ダッシュ】で、切り抜けて、
【2回攻撃、スナイパー、誘導弾、なぎ払い、零距離射撃、援護射撃】
で(アームドフォートとDragoon Musketで)攻撃だ!

「そちらが軍馬なら、ボクも「鉄馬」……バイクのジェイクの出番だね。そして、ボクが力や魔力は兎も角、スピードで負けるのは屈辱だからね」

※アドリブ・連携共に歓迎


緋縅・善蔵
「切支丹ムッシャぁ……が来たか」
ってかキャラ被ってんじゃねーか!
という事で【騎上】した〔黒曜の一角獣〕味方の支援に。
【オーラ防御】と【力溜め】で守りを底上げ
〔VRB〕で戦闘力を上げた後、敵が射程内なら〔ミサイルカーニバル〕等の遠距離装備の【一斉発射】
【天からの雷】は【雷撃耐性】でダメージを軽減。
敵が白兵戦を仕掛けて来たらVRBの本領。【見切り】で避け【空中戦】の【ダッシュ】で距離を取り、プラズマライフルやアサルトライフルで【スナイパー】
被弾は【激痛耐性】で耐え、敵の動きが鈍くなったら【早業】で大剣を抜刀。
【串刺し】の【ランスチャージ】で仕留める。
誘い受けだった場合は【零距離射撃】の【一斉発射】


ヴィリヤ・カヤラ
分断出来たら楽だよね、試してみようかな。
仲間の邪魔をしない程度に…
誰かいたら敵の半分くらいかな?
…大丈夫そうなら全域を覆いたいくらいだけど。
『属性攻撃』で制御して【四精儀】の闇の霧で覆ってから、
霧が晴れる前に『高速詠唱』で【氷晶】を使って攻撃してみるね。
着弾点で爆発させたら馬も驚いて少しは混乱してくれるかな?
一瞬でも脚を止められたら良いな。

後は【氷晶】と鋼糸の刻旋で戦っていくね、
騎乗してるなら【跳飛】で跳んで馬に乗ってる
兵士を刻旋で捕まえて投げて攻撃したり
盾にしたり出来るかやってみようかな。

跳んでる間の攻撃が恐いけど、
受けたら『劇痛耐性』で頑張るよ。
このくらいで止められると思わないでね。



「行くよ、ジェイク。ボクと君の速さを見せつけなきゃ」
 サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)は敵よりいくらか離れた場所で、愛車である宇宙バイクのカウルを撫でた。
「ボクが負ける道理はないけど、ね」
 ジェイクに跨り、フルフェイスのバイザーを下げれば、彼らの関係はもはや『ボクと君』ではない。人馬併せて一体と成し、全部で一個の『ボク』である。そうしてサリーはヘビーチューンのエンジンを回し、重低音を響かせながら猛スピードで駆け出した。

「分断出来たら楽だよね、試してみようかな」
 戦術の大筋は決まっているが、細かい部分において不確定要素がある。どのくらい敵が散開しているか、他の仲間はどう戦っているか、採るべき策を考えるうちに、ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は敵と対峙していた。臨戦態勢にある武者たちは主の裁きたる雷を落とすべく、次々に猟兵へ斧槍を差し向ける。神の徒ならぬダンピールへと、束ねし雷光が降るより先に。
「切支丹ムッシャぁ……が来たか」
 何やら不思議なニュアンスを篭めて呟く緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)が、黒曜の一角獣に騎乗して突然に姿を現した。物々しい鎧装のその男は、現れるなりオーラを纏い力を溜めて、さらに紅蓮の闘気を噴出させた。
「バンシィ!俺に力を貸せ!」
 呼びかければ一角獣は大地を蹴り、天空高くに跳び上がった。撃ち降ろされた雷霆を、物ともせずに吹き散らし、地を揺らしながら降り立てば、
「ってかキャラ被ってんじゃねーか!」
 敵側に居並ぶ全身鎧の騎馬武者たちへ、フルアーマーの騎馬猟兵はそう吠え立てて、怒りと共にその砲門からあらん限りの火力を投げつけた。

 しばしの後、オブリビオンの鎧武者たちの元へも轟音が届いた。姿は見えねど明らかに山道を猛烈な速度で駆け上がる何かに、彼らは警戒を割く必要があった。眼前の善蔵のミサイルカーニバルに対し、彼らは陣形を密集させて、前衛の少人数にその攻撃を集中させる策を採った。それは被害を最小限に留めるための手段。一個の生物のような時間差のない連携により、彼らの失った兵はごく少ないものであった。
 しかしそれゆえに、その後の間もない行動に少しの影響が発生した。音より遅れて姿を見せたサリーだったが、警戒してなおその対応を遅らせたのは鎧武者たちの方であった。それだけ速い突進に、回避も出来ずに突き飛ばされて、整った布陣はなぎ倒された。

 いくら部隊が少人数とはいえ、簡単に突破されては武者たちも気に入らない。兵団の一部が騎馬隊として、駆け抜けたサリーへと揃って轡を向ける。
「騎馬、対、騎馬戦だね」
 大きな体躯の馬たちに、さすがにぶつけるわけにはいかない。勿論サリーだって、スピードだけが能ではない。追ってくるその騎馬たちへと、その手から小銃・Dragoon Musketを、そしてその下半身――ジェイクのボディにマウントされたアームドフォートを差し向けた。充分に引き付けて、再度エンジンの回転音。
「ボクが力や魔力は兎も角、スピードで負けるのは屈辱だからね」
 騎馬は速いがジェイクはそれを上回る。引き付けながら引き離しながら、巧みに射撃し追跡者を転がし、そのスピードを証明してのけている。

 二人の騎馬猟兵により、歩兵と騎兵は分断されてそれぞれに釘付けになっている。そうするとヴィリヤの採るべき策はおのずと絞られた。
「この地を構成するモノよ、その力の一端を示せ」
 属性と自然現象とを合成した現象を発動させるユーベルコード・四精儀により、顕現したのは闇の霧。視界を奪うその暗闇に、包まれたのは歩兵隊。どこが出口か深奥か、直進すらもままならぬ、そんな霧中に惑う者らへ依然火砲は降り注ぎ。
 その苦境へと立ち返らんと踵を返す騎馬隊へも、ヴィリヤの術は抜け目なく。
「射抜け!」
 遠くより走るその足元へ氷刃を並べて打ち込めば、それらは次々に爆発し、連続的に轟音を響かせる。音に驚いた騎馬たちは、騎手を振り落とさんばかりに身体を立ち上げて前進を放棄し、そこにつけてさらに――
「ターゲット・ロック…目標を狙い撃つ!」
 ひとりの騎馬武者の頭を、高密度の粒子ビームが撃ち貫いた。如何様に探しても狙撃者の姿はオブリビオンの目には捉えられない。探す間にさらにもう一体。狙い定めしその射程は遥かに遠く。

 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は速やかにかつ丁寧に、怪盗の単眼鏡で見据えた標的を撃ち落としていく。4対のライフルビットを合体させた真紅銃<スカーレット・ブラスター>はその威力と弾速を極限まで増し、ソードビットを支えとして銃身を定め、狙いの制度もまた確実なものとする。持てる全てをその一射ごとに注ぎ込み、次々と騎馬武者たちを仕留め行く。その心の裡の、かの怪盗を衝き動かしたる思いは一つ。
「帰りを待つ人の所へ、皆さんが無事に帰れるように…」
 静かなる祈りを静かなる狙いに乗せ、彼は一心に敵を撃つ。幕府軍に被害を出さぬよう、彼らを待つ者を悲しませぬよう。彼にとっての最も大切な物は愛である。そのためにならどれだけの力だって出せるのは当然の理であると言えるのかもしれない。

 そうして瞬く間に仕留められた騎兵隊は、もはや数人を残すのみ。そして、その後方にはサリーの向けた銃口があり、後退するを許さない。
 闇の霧から解放された歩兵隊は、満遍なく間断ない砲火によって大小様々に負傷しており、満足に戦える者は多くない。撤退のための道を開くにも、先に控える善蔵が馬上にランスを構えて待ち受け。
 退くも許さぬ状況に、打つ手に困るそのうちに、発進準備を整えた、両の騎兵が駆け出した。
「往くぞ、バンシィ!」
「行くよ、ジェイク!」
 それぞれの相棒の名を高らかに、知らしめながら走り抜け。全力の攻撃を放ちつつ、残る全ての武者たちを、余すことなく圧し潰し。
 この場におけるすべての敵は、こうして全てが討ち果たされた。先の憂いを断つものとしては、最上の戦果と言えるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月04日


挿絵イラスト