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エンパイアウォー①時間外れの天船の流星群

作者：劇団劇作家

　稲荷・四乃がグリモアベースの一室にてサムライエンパイアの戦場について説明しており、猟兵たちに戦況と戦場の説明をしていた。
「と言うわけで次の戦場はこちらになります」
　稲荷が指し示したのは、江戸を含む大規模な範囲だった。その規模はあまりにも大きく合戦ではない別何かではないかと猟兵たちに感じさせる。
「具体的に言いますと、魔軍将の一人である百面鬼『風魔小太郎』による無差別爆撃により徳川幕府軍にとって重要な施設等が攻撃されているんです。猟兵の皆さんにはこの爆撃の被害を防いでいただく、というのが今回の戦場における任務です」
　稲荷は自分の分の資料をめくり説明を続ける。
「それでこの爆撃の主犯である百面鬼『風魔小太郎』は手下であるオブリビオンを隕石に変えて降らせる『風魔忍法隕石落とし』によって爆撃を行っているそうです……隕石……うっ頭が……あ、もう大丈夫です。水飲んだら頭痛は収まりましたから。
　えっと、この忍法？の最大の特徴は衝突前に隕石を爆発させることで周辺に被害を及ぼす上に爆発したオブリビオンは風魔小太郎のそばに再出現するものになっているようです。これ、防げなければ無限ループってことですか……。特攻させるかと思いきや蘇生させて再出発させられるとか……あちらに仲間意識あるのか逆に不安になってきました。
　敵の事心配している場合ではないですね、はい。ということなので、猟兵の皆さんには隕石として降って来るオブリビオンを爆発する前に迎撃して仕留めてもらうということになります。……以上で説明を終わります。何か質問はありますでしょうか？――無いようですね。それではお願いします」
　稲荷はそう言うと深々と頭を下げた。

第1章 集団戦 『切支丹武者』

POW   :    騎馬突撃 自身の身長の2倍の【軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。 SPD   :    後方支援 【切支丹女武者】の霊を召喚する。これは【鉄砲による援護射撃】や【一斉掃射】で攻撃する能力を持つ。 WIZ   :    主の裁き 【ハルバード】を向けた対象に、【天からの雷】でダメージを与える。命中率が高い。 イラスト：森乃ゴリラ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

　隕石となって降って来るオブリビオンを迎撃するため、見晴台に登った本山。
「固定砲台の迎撃システムにでもなった気分っすよ」
　本山はそう言いながら熱線銃を構え、隕石に狙いをつける。
「むむ！今まで気にしたことなかったすけど、隕石って直線状じゃなくて曲線を描いて落ちて来るんすね！」
　落ちて来る隕石を眺めてそう述べた本山。実際の隕石は隕石そのものとしては真っ直ぐに落ちてきているのだが、地球の自転や重力を含めた様々な理由によって放物線を描いて落ちて来る。今回の隕石は宇宙から落ちて来るものとは違うが、同じように放物線を描いて落ちてきていた。
「これは新発見ですけど、軌道を読むのは難しくないっすね」
　本山は新しい発見を元に隕石の軌道を計算し、熱線銃を構え狙いを定める。
「発射っす！」
　本山はＵＣ【クイックドロウ】を発動し、隕石を次々と撃墜していく。
　本山に撃墜された隕石は隕石化が解け本来のオブリビオンの姿、切支丹武者に戻り本山に攻撃を仕掛ける。
「接近戦も想定済みっすよ！」
　本山は熱線銃からグルメツールに武器を持ち替え地上戦に入る。
　切支丹武者たちの方もＵＣ【後方支援】を発動し、それぞれが二人一組で襲い掛かって来る。
「そうすれば勝てると思ったら餡子より甘いっす！」
　本山はあえて敵の方に突っ込み乱戦に持ち込む。こうすることにより、一度に複数の敵を相手取る事になるが、後方の切支丹女武者の霊は誤射を恐れて撃つことが出来ないまま術者が倒される事によって消えていく。
「ふっふーん。おかわりをくれてもいいっすよ？」

成功 🔵​🔵​🔴​

「星を射抜く……斬り祓う……なんて刺激的な体験でしょう！？」
　隕石として降って来るオブリビオンの流星群を見て気分を高揚させる紬雁。
　紬雁は長屋の屋根の上に飛び乗り、流星群のうち一つに目星をつけると屋根の上を忍者のように飛び移って移動し、隕石の落下予想地点まで近づくとユーベルコードを発動する。
「『奇しき名たる魂を振りて畏みお越し起こし申す…来たれ！』」
　ＵＣ【雲身雷翔・電】を発動し空を舞う紬雁は、【薙刀「巴」】を構え流星群に突撃する。
「せいっ！！」
　紬雁と流星群はすれ違い、紬雁は傷を負う事無く流星群はオブリビオンへと姿を変えて落ちていく。紬雁の攻撃はまだ終わらない。
「そのまま土は踏ませませんよ」
　紬雁は振り返って、今度は【破魔重弓「鳳翔」】を取り出すと、空から自分が迎撃したオブリビオンめがけて射る。
　オブリビオンにとっては最悪の事態だった。身体は宙に浮いているため回避行動をとれず、反撃を取ることすら出来ないために彼らは紬雁が放った矢に為す術無く射貫かれ爆発することなく地に落ちていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「これはいけませんね。味方の被害が拡大してしまいます。食い止めるために、やや強引な手を使いますか」
　オブリビオンの流星群による被害の甚大さを見て早急に対処するべきだと見たマリア。彼女もまた彼女なりのやり方で流星群の迎撃を始める。
　マリアはまず江戸湾に向かい二つのユーベルコードを発動する。
「『やったー！この船に乗る夢が叶いました！』『艦隊ができますね！ハレルヤ』」
　マリアの詠唱により、二つの西洋の海賊船と３０体のゾンビ、クラーケンを召喚する。マリアはダッチマン号に乗り込み、両船を指揮し大砲をまだ落ちていない流星群に向けさせる。
「ダッチマン！クイーン・アンズ・リベンジ！全砲門展開！目標、降下中の隕石多数！漏らさず撃ち落としなさい！撃ててえええええええええええ！！」
　マリアの指揮により砲弾の弾幕が展開されすべてではないものの隕石のいくつかを撃墜に成功し、撃ち落とせなかった隕石は他の猟兵が撃墜する。
　撃墜され隕石化が解けた切支丹武者たちは自分達を撃墜した猟兵を始末しようとマリア達に攻撃を仕掛ける。
「ふふ、かかって来なさい。クラーケンと私の中国拳法で……ってこのユーベルコードを発動している間は戦えないんでした！しかも空からの雷！？仕方がありません！逃げます！」
　地上戦での事を深く考えていなかったマリア。体勢を立て直すため彼女は船と共に海の底へ潜る。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

「よかろう、今こそ我が覚悟と怪力を見せるとき」
　空を眺めそう決心するルパート。愛機のトライクをある場所に先に走らせルパートは隕石撃墜のためユーベルコードを発動する。
「『我が身は人に非ず。我が身は尊き魂を護る鎧也！』」
　ルパートは隕石に向かって走りながらＵＣ【信ずる者に殉ずる為の鋼姿】を発動し鉛の翼を生やし大剣を構えた姿で突撃する。
「ふんむっ！」
　いくつかの隕石をその大剣で薙ぎ払うが、残りの隕石をその身で受けてしまい隕石とともに落下するルパート。だがこれは計算のうちで、落下地点のすぐそばに先に走らせていたトライクがおり、ルパートはボロボロの身体で翼を動かして軌道を逸らしトライクのそばに落ちる。
「ぐはっ！『我が身は過去に潰えど……我が魂は尚、未来を進む！』」
　ルパートは隕石をその身で受けた事と落下の衝撃で瀕死になったことをトリガーとしＵＣ【死を越え燃え立つ黎魂】を発動、トライクに積ませた鉛とユーベルコードにより成形した鎧で瀕死状態から一気に立ち直り、隕石化が解けたオブリビオンとの戦闘に備える。
「ふむ。これでよいな。さぁ第２ラウンドだ。行くぞニクス、あの鎧砕き尽くしてくれようぞ」
　ルパートは自分が撃墜しその身で軌道を逸らした隕石、切支丹武者達と対峙する。切支丹武者達はＵＣ【騎馬突撃】を発動しそれぞれが騎馬に乗り武器を構え、ルパートは【爆槍フェニックス】を構えトライクにまたがり対抗する。
「行くぞ！」
　一対多数のランスチャージ。普通に考えればルパートの方が不利とも思える状況であるが、ルパートは一撃で終わらせるためユーベルコードを発動する。
「『我が血はもはや栄光なく。されど、未だ夜空に燃え続ける！』『我らが駆ける前には勝利の未来。しかし駆けた後には屍と瓦礫のみ！』」
　ＵＣ【夜鷹の不知火纏う騎身】【荒狂い破滅齎す戦車】の同時使用。トライクの加速力と爆槍フェニックスと融合したことによる破壊力、この三位一体とも言える姿に切支丹武者は本能で危険を察知し逃げ出そうとする。
「逃げきれると思わないことだあああああ！！」
　ルパートの加速力はすさまじく、いくらか距離があったのにも関わらずすぐさま背を向けた敵たちに追いつき追い越す。三位一体のルパートの突進の威力はすさまじく、直撃を免れたオブリビオンでさえ余波で倒され消滅するという威力であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「少しでも、高い所で迎撃しよう! 『演目「黒雨」』!」
「前回の戦争で編み出した『飛柱騎乗法』見せてやるぜ！」
　戦場に着くやいなや行動を開始する六代目とキマイラフューチャーでの戦争で生み出した戦術で隕石を撃墜しようとするアーサー。二人の赤い男が降る星よりも今輝く。
　六代目はＵＣ【鬼猟流　演目其ノ二「黒雨」】を発動し宙に糸を張り巡らせ【人形
「暁闇」】を隕石に向かわせる。
「隕石がなんだ! 受け止めてやる!」
　暁闇を隕石に突撃させて破壊し、残りの隕石を演目「黒雨」で張り巡らせた糸で受け止め自重と勢いを利用し斬り裂く。
「『【Select…FLYING ACTION!!】行くぜ、ライドラン！ 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ！！』」
　対するアーサーは愛機のバイクであるライドランを槍に変形させてまたがり、六代目が張った糸の間をすり抜け流星群へ特攻する。その雄姿は止まらない彼の正義の如く、彼の輝く熱い心がいくつもの隕石を貫いた。
「彼は大丈夫か？なんか、体当たりしていったように見えたんだが……」
「いっでぇええ！手として悪くねぇと思うが問題はこれだな……」
　空を見上げアーサーを心配する六代目と攻撃の反動の痛みに耐えながら空を飛ぶアーサー。だが、この戦いは隕石撃墜では終わらない、隕石化が解け本来の姿に戻ったオブリビオン、切支丹武者たちが地上で集結し隊列を組む。
「おっと、これらを対処しなければならないんだったな」
「あとはあいつらを倒せば終わりだな」
　切支丹武者達はＵＣ【騎馬突撃】を発動し騎馬隊を編成、二手に別れ一方が六代目に襲いかかり、もう一方は上空にいるアーサーを撃ち落とそうとＵＣ【主の裁き】を発動する。

「自分の人形……舐めてもらっては困る！」
　六代目は操り糸を手繰り寄せる。その糸の先にあるのは先ほど隕石に突撃させた暁闇。彼は自分に向けて突撃してくる騎馬隊の手前に暁闇を落とし砂煙を起こすことによって敵の視界を奪う。その隙に六代目は【口径漸減式大型銃「玲瓏」】を取り出し砂煙に向けて弾丸をばら撒く。だがそれでは敵の突撃は止まらない。だが、敵は減り残った敵はあとわずか。
「残ったか。問題ない、これで仕留める！」
　六代目は【玲瓏】を片付け【伸縮機能付き多節棍「双爪丸」】を取り出し、残った敵に備える。
　敵は勢いを増し突進、六代目も【双爪丸】を振り回しこちらも敵に向けて走る。
　すれ違いさま、六代目は勢いそのままに進行方向に向けて跳躍し、お互いの勢いを利用して切支丹武者どもに【双爪丸】の一撃を叩きつけ馬上から落とす。
「こんなものだな」
　六代目が着地し後ろを振り返れば、馬に乗った切支丹武者の姿はなくどれも家屋や地面に叩きつけられ消滅した。
　
「墜とせねぇよ。そんなユーベルコードじゃあ！」
　アーサーは高速飛行を続け敵の照準から逃れ敵のユーベルコードを避け続ける。
「お返しに見せてやるよ。そっちの愛馬はでかくて強そうだけど……俺の愛機も負けてねぇぜ？ 何せ爆発するからな！『【Select…DRIVE ACTION!】行くぜ、ライドラン！ 俺たちの一撃…受けてみやがれ！！』」
　アーサーはＵＣ【エクスプローシブ・ドラゴンライド】を発動する。こちらも照準を合わせる必要のあるユーベルコードだが、敵は重いハルバードで速いアーサーに標準を合わせるために集まったままその場を動かずにいたため難しい話ではない。
　アーサーはユーベルコードの対象を真ん中にいる奴に合わせ発動する。対象にされた切支丹武者は周りの仲間を巻き込んで爆発しライドランと鎖で繋がれる、生き残った個体は鎖を伝ってきたアーサーに後ろから攻撃され消滅した。
「正義は必ず勝つ！」

　猟兵の奮闘により流星群の被害を免れたが戦争はまだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2019年08月05日