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エンパイアウォー⑤~洞窟内の回答者達

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 八月。徳川幕府はいくつかのことに気付いた。
 一つは、米や藁といった行軍に必要な兵糧が天井知らずに高騰していたこと。
 一つは、それら突然の高騰がサムライエンパイア全域で同時多発的に生じたこと。
 そして最後の一つは、その高騰を率いていたのが魔軍将の一人、大悪災“日野富子”の買い占めによるものだったということ。


「……このまま買い占めが続けば、予定される規模の幕府軍を動員する事ができませんわ」
 サムライエンパイアの現状を告げたフォルティナ・シエロは、グリモアベースに集まった猟兵達に顔を向ける。
「この買い占めに対抗して充分な補給物資を揃えるために、徳川幕府は、神君家康公が有事の為にと遺した“徳川埋蔵金”を使うことを決定しましたわ……!」
 これがその埋蔵金が隠されている地図ですの、と猟兵達に手渡す。
「それ、徳川幕府から借り受けたものですので後でちゃんと返してくださいましね? ――ともあれまぁ、実はその地図の地点まで行っても埋蔵金は得られませんの」
 何故か。
「どうやら神君家康公が埋蔵金の盗掘を防ぐために残したという“謎”を解かなければならないようですわ」
 腕を組んで眉をひそめながら、言う。
「埋蔵金は幾つも分けられる形で、魔術的に隔離された隠し部屋などに隠されている……とのことですの。
 つまりはその地図も数多く分割された埋蔵金の一部なだけですわね」
 ともあれ、とフォルティナは言葉を告げる。
「謎に関しては現地に記されているとか。――それじゃあ、転移いきますわよ?」


 猟兵達が地図に従ってたどり着いた場所は、サムライエンパイアのある山、そこにある洞窟の中だった。
 奥へ踏み入っていくと、やがて開けた場所にたどり着く。
 空間の奥、狭まった道を閉ざす扉の表面には光る文字が浮き上がっていた。
 そこに書かれていた文字はこうだ。


 フフフ……。
 おおかたここに眠る埋蔵金を探しに来たポコリンね?
 賊か、はたまた未来の子孫か……。まあどちらでもいいポコ……。この謎は誰も解けな――待った。やっぱ猿は駄目ポンポコ。貴様は猿の関係者じゃないポコ? もしそうだったら今すぐ引き返して下野にある神社にお参りしてくるポンポコリン。
 違うポコ? 本当ポコ?
 それじゃあ問題ポンポコリン!

 問一。
 たたこえたもたたあたげたず、たあしおたとたもたなたくた、たまたいたにたちたのよたうたにた たすべてたの たくたにた にた おたとたずたれたるたたもたのたはたたたた?

 答一。
 あ□。

 問二。
 た(答一)たたたにたなたるたとうたまたれた、たよるたたたにたしたたんたでたたしたまたうた かたったこたうたをたたみたせたるた かたたたとたたたおたもえたたたたばたたかたたたたたくたたれたたたたるたたたたたたたこたとたもたたた たこたれたたたたたはたたたたたたたなたにたたた?

 答二。
 たい□□。

 解るポコ? どうせ解らんポコね!
 しかし慈悲深い神君は貴様に謎を解く手がかりを与えてくれたポコ! 凄いポコ! 正しく神君ポコ!
 以下が手がかりポコ!(心して読むポコよ)

 答一の手がかりは、『聖徳太子』ポコ!
 答二の手がかりは、『下野にある山』ポコ!

 これで解るポコか〜? 解らんかもポコね〜?


 大悪災“日野富子”による買い占めに対抗するべく、猟兵達はこの謎に取り掛かっていった。


シミレ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 シミレと申します。TW6から初めてマスターをします。
 今OPで17作目です。サムライエンパイアは三回目です。
 不慣れなところもあると思いますがよろしくお願いいたします。

 ●目的
 ・“徳川埋蔵金”を得るために、残された謎を解く。

 ●説明
 一章のみの冒険フラグメントです。
 答一と答二を回答してもらいます。

 ●他
 皆さんの活発な相談や、自由なプレイングを待ってます!!(←毎回これ言ってますが、私からは相談見れないです。ですので、なおのこと好き勝手に相談してください。勿論相談しなくても構いません!)
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第1章 冒険 『神君家康公の謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が謎を前にしたそのとき、
「――――」
 扉の前に光っていた文字に追記がなされた。


 ポンポコリン。
 “手がかり”って言ったけど、あれはまぁあれポコ。
 何か時々いた、“ゆーでーしーあーす”とか、“ひーろーずあーす”とか、そういう聞いたこともないところからやって来た連中の言葉で言うところの、“ヒント”っていうあれポコよ。
 “手がかり”っていう言葉に囚われて、何か変に考えすぎちゃ駄目ポコよ。
 思考の取っ掛かりとか、まぁそんな感じポコよ。

 かーっ! ていうか、ここまで教えてくれるとかちょっと神君すぎるポコね――! 優しィ――!
 えっ? つまり徳川が天下とるのもやむ無しってポコじゃん!
 ↑そういうポコ(神
 

 大悪災“日野富子”による買い占めに対抗するべく、猟兵達はこの謎に取り掛かっていった。
落浜・語
なんか、凄くバカにされてる気がする…
まぁ、いいんだが。きっちり解いてやろうじゃないか。

ポコポコうるさいなと思ったが、これ、狸ってことだよな。多分。でもって、問題には、た、がいっぱい、と。
つまり安直だが、問題を『た』ぬきでよめ、かな。
問1が『こえもあげずあしおともなく、まいにちのようにすべてのくにに おとずれるもの』
答えは、朝。

問2が『あさになるとうまれ、よるにしんでしまうかっこうをみせる かとおもえばかくれることも これはなに?』
答えは太陽

多分、あってると思いたい。

凄い馬鹿にしたような問題だったが、溜め込みはかなりのもの、と。
これで助けになればいいけどな


ユーゴ・メルフィード
わしは、猿の関係者じゃありませんのじゃ、
シャーマンズゴーストなので、きっと大丈夫だと思いますのじゃー
ということで、いざ謎解きなのですじゃ!

【WIZ】閃きで挑むのじゃ!
タヌキさんの謎解きなので「た」を抜けば良いのじゃな

問一は、ふむふむ……、
こえもあげず、あしおともなく、まいにちのようにすべてのくににおとずれるものは
答えは「あさ」じゃな。

同じ感じで、問二も頑張るのじゃ!
あさになるとうまれ、よるにしんでしまうかっこうをみせるかとおもえばかくれることもこれはなに?
むむ、これはヒントをありがたーく見るのじゃ!(お手手を合わせて拝みつつ)
わかったのじゃ、答えは「たいよう」じゃな!

アドリブ歓迎なのじゃー


二子塚・たがや
※タガヤ人格

今回の戦いは物資も重要になるみたいですね

今が正に有事…ありがたく使わせていただきましょう


(謎を確認して)…これは、全文を読む限り、問題文から「た」を抜いて読め、ということになりそうですね

UDCアースでは家康公が「タヌキ」と呼ばれていたという逸話があるのですが、此方でもそうなのでしょうか?

では、問題文から「た」を抜いて読んでみましょう
(しかしたの字が異様に多い。別人格の彼だったらさぞ面倒臭がっただろうなと思いながら)

…ふむ、問一の答えは「あさ」、問二の答えは「たいよう」ですね


これでここの埋蔵金は手に入れることはできましたね

微力ですが、手分けして運ぶことと致しましょう


火土金水・明
【WIZ】で挑戦です。
えーっと、家康公自身が、自分をタヌキと認めているのでしょうか?(汗)。
問一は、たを抜いて「こえもあげず、あしおともなく、まいにちのように すべての くに に おとずれるものは?」になるので、答一の答えはあ「さ」。
問二は、同じようにたを抜いて「あさになるとうまれ、よるにしんでしまう かっこうをみせる かとおもえば かくれることも これ はなに?」になるので、答二の答えはたい「よう」。
二つの答えを合わせると「さよう」でいいのかな?


秋月・信子
・Wiz

第一の手がかりは聖徳太子、第二の手がかりは下野にある山ですか…
…謎は全て解けました
これらはフェイク、引っ掛けです
本当の手がかりは…門番のタヌキさん、貴方です

問題文をROSETTAに入力して「た抜き」するようエンコードすれば…
【こえもあげず、あしおともなく、まいにちのようにすべてのくににおとずれたるものは?】

答えは…朝(あさ)ですね

次の問題も同様にたを抜いて、先程同様に当てはめれば…
【あさになるとうまれ、よるにしんでしまうかっこうをみせる かとおもえばかくれることも これはなに?】
これも答えは簡単です
太陽(たいよう)です


それにしてもタヌキって…神君家康公が聞かれたらご立腹しそうですよね




 語は目の前に浮かぶ光る文字を見た。
『解るポコ? 解らんかもポコね〜?』
 半目だった。
 なんか、凄くバカにされてる気がする……。
 ともあれ謎解きだ。この奥にある埋蔵金を持ち帰り、徳川幕府への助力とする。そのために来たのだ。
「きっちり解いてやろうじゃないか。――なあ皆」
 そう言って、己は振り返った。
「どうだ、解けたか? ……一応聞くが」
 そこには他の猟兵達がいた。


 その内の一人、ユーゴが光る文字列にふむふむと頷く。
「わしは猿の関係者じゃありませんのじゃ。だからきっと大丈夫だと思いますのじゃー」
「そこはまあ、そうだろうな……」
 しかし、と目を細めながら前に立っていた語が改めて文面を眺める。
「ポコポコうるさいとは思うが、これってつまり狸ってことだよな」
 思わず、といった調子の言葉を発したのはたがやだ。同じく謎を眺めている。
「UDCアースでは家康公が“タヌキ”と呼ばれた逸話があるのですが、此処でもそうなのでしょうか」
「もしそうだとしたら、神君家康公ご本人が聞かれたらご立腹しそうですよね……」
 学生服姿の少女、信子がたがやの言葉に反応し、
「というかこの場合、家康公自身が、自分をタヌキと認めているのでしょうか……?」」
 明が鈍い汗を垂らしながら首を傾げている。
 そうして皆で文面を見ていると、信子が口を開いた。
「第一の手がかりは“聖徳太子”、第二の手がかりは“下野にある山”ですか……。――謎は全て解けました」
「早いのじゃ!?」
 信子が頷く。
「これらの手がかりはフェイク、引っ掛けです」
 扉に指を突きつける。
「そう……。本当の手がかりは……門番のタヌキさん、貴方です」
 まあそうだろうな、と語が頷く。
「手がかりの前に、まず“問”の文を解読しなけりゃならんからな。ポコポコうるさくて、もって、問題には、“た”がいっぱい、と……。安直だな」
「タヌキさんの謎解きなので、“た”を抜けば良いのじゃなー」
 “た”の正体はそれだ。


「しかし……」
 たがやは文面を見ながら、思う。
 たの字が異様に多い……。
 別人格の“彼”だったらさぞ面倒臭がっただろうな、と思っていれば、
「とりあえず私が持つ“ROSETTA”に謎を入力しておきました」
 信子が、手に持っていた携帯端末を軽く揺らして見せる。
「そして“た”を抜くようにエンコードをすれば……」
 結果は端末の画面だ。
 己はそれを読み上げる。
「“こえもあげず、あしおともなく、まいにちのようにすべてのくににおとずれるものは?”……」
「漢字に直すと……」
 信子が“ROSETTA”を操作し、文字列を変換していく。
「“声も挙げず、足音も無く、毎日のように全ての国に訪れるものは?”、ね」
「だから、入力するのは……」
 ユーゴが扉に向かい、入力する。
「答えは“あさ”じゃな。」


 明は“ROSETTA”の画面を見ながら、それを持っている信子の言葉を聞いた。
「そして次は問二ね……」
 語が読み上げる。
「“(答一)になるとうまれ、よるにしんでしまう。かっこうをみせるかとおもえばかくれることも。 これはなに?”……。
 この(答一)って箇所にさっきの答えを入れればいいわけだよな」
 するとどうなるか。
「“朝になると生まれ、夜に死んでしまう。格好を見せるかと思えば隠れることも。これはなに?”……」
「むむ、これはヒントをありがたーく見るのじゃ!」
 ユーゴが扉に手を合わせて拝みつつ、第二の手がかりを読み上げる。
「“下野にある山”、じゃな」
「……随分限定的ですね……」
「下野っていうのは、この場合“げや”じゃなくて地名、“しもつけ”だな」
「下野国……。UDCアースで言うところの栃木県、その南部ですね。そこの近くにある代表的な山といえば……」
 信子が言う。
「日光山ですね」
 己は答二を見た。
「“たい□□”……。日光という言葉が手がかりだとすれば、答えは“たいよう”……。二つの答えを合わせると“さよう”でいいのかな」
『左様ポコォ――――!! なんちゃって――!』
 扉の表面にその文字が現れた次の瞬間。扉が勢いよく開いた。


 信子はそれを見た。
 光が……。
 扉の奥から溢れている。
 文字列を生み出していた光とは別。それをはね返すことで現れる反射の光だ。
 色は黄金で、大量だった。あまりの光量に、扉の前に立っていたユーゴは目を覆っている。
「おいおいおい……」
「まさかこれほどとは……」
「…………」
 語とたがやが驚愕し、明にいたっては言葉を失っているが自分も彼らと同感だ。
 なぜなら、
「これ、全部が金なんですか……」
 扉の奥、床に敷かれた布の上にそのままあった大量の金は、置かれていると言うよりは、積まれていると、そう形容した方が正確だった。
 セキュリティあれで良かったんですかね……。
 ともあれこれが“徳川埋蔵金”で間違いないだろう。
「これで日野富子の買い占めに対抗できますね……」
 この埋蔵金があれば、“首塚の一族”や彼らの護衛である幕府軍への兵糧を始めとした支援が行えるようになるのだ。
「勝利に一歩近づけた……。そう思っていいでしょう」
 幕府に連絡すると、すぐに回収部隊がやってきた。
 運び出され、必要な場所へと輸送されていくそれらを確認した後、自分達は帰路についていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト