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エンパイアウォー①~降り注ぐ炎の雨

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「ついに、始まったのね、サムライエンパイアの戦争」
 純白の六翼を羽ばたかせ、小高い丘に降り立つ、瑠璃凰花・未来(神避の熾天使・f13139)。
「今回は、今までの戦争とは少し異なるかしらね。進行する一〇万の徳川幕府軍を護りながら共に進軍するという形ね」
 ホワイトボードを持ってきながら告げる。既にそこにはいくつかの情報が書き出されていた。
「向かうべき戦場は現時点で五つ。今回私が予知したのは、隕石ね」
 隕石、その言葉に何が起きるのか察しがついた猟兵達はその表情を曇らせた。
 進軍中に隕石なんて降り注げば、一溜まりもないのは明白だからだろう。
「名は確か、『風魔忍法隕石落とし』だったかしら。百面鬼の風魔小太郎が繰り出す技……? でいいのかしらね」
 疑問調なのは、それが儀式なのか奥義なのか、そういったところがはっきりしないためだろう。
「まぁ、そこは今大事ではないわね。これがもたらす結果は皆も想像通りよ。だから、この隕石を阻止しなければならないわ」
 隕石の大きさはどデカイのが一つというわけではない。それだけを言うならば、人間大の岩石、というのが一番しっくり来るだろう。厄介なのは、衝突に合わせるように自爆するため、人は愚か建物も無事じゃ済まされないということだろう。
「この隕石の正体は、風魔小太郎の配下オブリビオンよ。頭を叩きたいのは山々なんだけど、それを行ってる風魔小太郎本人自身は、現状その場にはいないわ」
 落胆する未来。風魔小太郎を見つけるには、皆のサバイバルでの戦い次第となる。
「まずあなた達には、この隕石をどうにかして止めて貰う必要があるわ」
 その手段は、真っ向から射撃勝負で撃ち落とす、受け止めるなど、どのような方法でも構わない。
 但し、相手が隕石であることを考慮に入れた立ち回りが必要となる。
「隕石というだけあってその威力は生半可な銃撃じゃ止まらないわ」
 受け止めるにしても、相応の防御力を事前に備えなければならないだろう。
 他にも方法があるならば、その方法を試してみても構わない。
「この隕石を止めると、隕石と化してたオブリビオンが正体を現すわ。あとはいつも通り、そのオブリビオンを撃破するのが、あなた達の今回の役目ね」
 相対する事となるオブリビオンは、少女風のオブリビオン。一見可愛らしく見えるが、騙されてはいけない。サムライエンパイアの侍たちには見たことのない剣技で圧倒してくる。猟兵たちにとっても、その機敏な動きに翻弄される可能性がある、厄介なオブリビオンだ。集団戦となることも考慮に入れた戦い方をする必要があるだろう。
「そうそう、隕石を止めて満足しちゃダメよ。そのオブリビオンに逃げられたら、おそらくはまた隕石と化して飛んでくるわ。必ず撃破して」
 そんな人居ないだろうけどと呟きつつ、念の為と注意を促す未来。
「大変な戦いの始まり。でも、あなた達ならきっと勝てる。私もそう信じるわ。検討を祈るわね」
 言いながら、胸の前に水晶玉を浮かせる。仄かに淡い光を放つと、展開された魔法陣から、転移ゲートが形成。
 猟兵達を見送った。


るっこい
 はいどうも、初動が遅れました、るっこいです。
 ついに戦争が開始されましたね、今回もマスター業務頑張っていきたいと思います。
 まず最初に①からとなります。このまま順繰りに②、③……と出していけたらなと考えてますが、どうなるかはまだちょっと未定です。
 では、各章解説。

●第一章
 飛来する隕石をどうにかして止め、出現するオブリビオンと戦ってもらう事となります。
 一度に相対する相手は3~10体。参加人数一人あたりの数となります。
 大前提とする隕石の対応がなければ、苦戦以下の判定もしくは不採用となりますことを予めご了承ください。
 逆にその後のオブリビオン撃破を行うという内容でも同様の判定となりますので、必ず両方の対応を行ってください。連携を前提とするプレイングならばこの限りではありませんが、複数人での参加でない場合はおすすめ致しません。

=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

●プレイングについて
 同行者の方がいる場合は一行目にお相手さんのお名前とID、もしくはグループ名をお書きください。お名前の場合はフルネームでなくて構いません。
 絡み歓迎、アドリブ歓迎、連携歓迎の方、字数に余裕があればお書きいただけると助かります。ステシでもOKです。とてもとても書きやすくなります。
 また省略文字もご利用いただけます。詳しくはマスターページを御覧くださいませ。

 まだまだ不慣れな部分が多く拙い文章になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
 皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『異国の少女剣士』

POW   :    跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD   :    縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ   :    憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:ちーと

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

虚・楓
隕石……ふぅむ流星を相手にしたことは今までなかったが、しかしやると言うのならば怯まず挑むしかあるまいな。

【POW】
落ちてくる、と言うのがそのまま直線に落ちてくるのであれば、こちらの【UC】の出番じゃのう。あらかじめ先陣を切って斬撃を幾重にも配置、落ちてくる隕石を削る様にして勢いを殺す。減速したそれを武器で受け止め、そのままずんばらりといくぞ。(武器受け・鎧無視攻撃)

さて、おぶりびおんが出てきたら次はそちらの対処じゃな。
基本は至近距離での戦闘になるんじゃろうし……うむ、相変わらず武器受けからの二回攻撃等で攻めようかのう。
逃げようとするならダッシュで距離を詰めて斬る。

さて、戦況がどう動くか。


エミリィ・ジゼル
隕石ですか。しかもとにかく数が多いと。
なるほど厄介ですね。ではこちらも隕石落としで対抗しましょう。

具体的には《サメを属性と言い張るメイドの術》を使用。
このUCであればサメ属性の自然現象を起こせます。
そして流星群も立派な自然現象です。

ようするに空一面を覆うサメ属性の流星群で隕石を粉砕してやろうというのが、今回の作戦です。

「降り注ぐ火の雨がなんぼのもんじゃい!サメの雨を食らえ!」

相手はおそらく憑呪宿奪で相殺しようとしてくるでしょう。
その瞬間を狙って第二のUC《時を止めるメイドの術》を発動。
時間を止めて接近し、『だまし討ち』『暗殺』『カウンター』を各技能をフル活用して聖剣めいどかりばーで斬り伏せます


ガルディエ・ワールレイド
飛んで火に入るなんとやらって奴だ
まぁ戦争なんだ。悪く思うな

◆隕石対策
【万の軍勢】使用。創造した無敵の城塞で食い止める
創造した兵達は一先ず城塞内に待機

◆敵の攻略
兵と協力して飛来した敵を討つぜ

基本は歩兵に包囲させて討ち取らせる
ただ味方の数が多すぎて身動きが取れなくなると本末転倒だ
極端過ぎる数の兵士の投入は控えるぜ

敵が上空に逃げたら弓兵やマスケット銃兵から矢弾を

このUCは俺の実力や勇気が創造の根幹になっている
それを示すために俺自身は敵に一騎打ちを仕掛けるぜ
武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
敵が空中に逃げれば《念動力》で引きずり下ろし、上方への刺突で《串刺し》を狙うぜ



「何か降ってくるぞ、散れ、散れー!」
 突然差した影に、侍たちは空を見上げ、声を上げて逃げまとう。
 見ただけでわかる。それが、当たればまず生きていることは出来ないであろうものであることは。
「――風塵逆巻き刃となす!弐の型・微塵億枚下ろし!」
 だが、その隕石は空中でその勢いを大きく減速させる結果となった。
 それは、その場に現れた猟兵達のおかげか。
 ある者は無数の斬撃を先んじて飛ばし、その斬撃に隕石が当たるよう仕向ける。
「寧ろ増えたんですけどぉ!?」
 驚く侍たちの頭上は、その言葉通り、寧ろ増える影。
「降り注ぐ火の雨がなんぼのもんじゃい! サメの雨を食らえ! 安心してください、味方ですので!」
 増える影の正体はまさかの“サメ”。なぜそんなところにサメがいるのか。そういう張本人の言葉に、しかし侍たちは信じられるかぁと涙目になりながら逃げまとう。
「全くだな――勇将の元に弱卒無し。即ち俺が力を示すならば、お前らもそれに相応しい実力を持つ事となる」
 そんなサメと隕石の雨から、突然現れた城塞が侍たちを庇った。
 その数は数えるのも億劫になる数だ。仮に降り注ぐサメを数に数えなかったとしても、である。
「それ、ずんばらりじゃ」
 《弐の型・微塵億枚下ろし》の斬撃で勢いを削り、次々と武器で受けてはバッサリ切り落としていく、虚・楓(霊魂料理人・f14143)。その攻撃は、一つ一つが隕石の脆そうな地点を狙った非常に的確な攻撃だ。脆い部分を見る力に長けているのだろう。
「流星に交じってサメとは……間違って捌かぬよう気をつけねばの」
「だめですよ捌いては、サメの餌食になりますよ!」
 《サメを属性と言い張るメイドの術》によって降り注ぐサメの雨を降らす張本人、サメマニアなメイドさんことエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)。サメを愛してやまないだけに捌かれるのを見るのはごめんらしい。曰くそのサメは属性らしいが。
「まぁ、大丈夫だ、この城塞がある限りは空からの攻撃は通させないぜ」
 降り注ぐサメも立派な脅威なのだが、その辺りはガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)の《万の軍勢》による城塞が許さないだろう。
「さて、おぶりびおんのお出ましじゃな」
 止めた傍から次々と現れるオブリビオン、異国の少女剣士。
 猟兵を見定めるなり、彼女らは次々と機敏な動きを見せ、猟兵達に迫ってきた。
「――ふんっ!」
 振るわれる西洋剣を真正面から受ける楓。
 だが、敵は一体ではない。
「連携出来るオブリビオンなのでしょうか?」
 楓の隙きを狙って真横から差し込んできた別のオブリビオンから、サメをぶつけてそれを阻止するエミリィ。
「これだけ大掛かりなことを仕掛けてきてるんだ、連携してきてもおかしくはない」
 その言葉に返しながら、ガルディエは城塞から程よい数の兵を繰り出し、互いに連携するオブリビオン達を次々と取り囲ませる。
 情勢は有利、誰が何処から見ても、そう思うだろうと言えるその状況は、しかし一向にそれ以上の進展がない。
「……ふぅむ? 気のせいじゃろうか、敵の数が全く減っとらん様に思うの」
 相手していた一体が体勢を立て直すためか一時離脱しようとするのを、真後ろから朝霧と夜霧による一撃で止めを刺しつつ、疑問に思ったその点を口にする楓。
「言われてみれば、あまり位置が変わってませんね……」
 戦況が有利に働き、推しているのであれば、前に出ていてもおかしくはないその状況で、しかし周りの景色は全く変わらないまま。
「お前さんのサメが原因なんじゃないか?」
「な、わたくしのサメがそんなこと……!?」
 ガルディエの言葉にたじろぐエミリィ。しかし、否定しきれないとも言うべき辺りは、やはりサメである。
 一度攻撃から一点、受けに回りつつ敵の行動を注意深く探る。
 普通に相手している分には、その気になれば一人でも倒せる――といっても機敏な動きで肉薄してくる点や連携する点など気をつけるべきことは多いが――のがほとんど。そこまで警戒して見るほどのものでもないように思われたが――
「ああ、なるほど……そう言うことでしたか――――ターイム!」
 合点がいったかのように頷くエミリィ。自身に迫る攻撃を認識しつつ不意に高らかにそう叫んだ、その刹那。
 その場に居たはずのエミリィの姿はなく、代わりに、未知の物体カジニウムという鉱石で作られたらしい聖剣めいどかりばーを手にした姿のエミリィが、いくつかのオブリビオンの背後に回り込んでいた。しかも、先程まで居た位置から現在位置までの軌道上にいるオブリビオン達全てが、斬り裂かれた状態で。
「わたくしのサメを逆用するなど、言語道断です」
 ニコリ、微笑んで振り返る彼女のその表情は、しっかり笑っているはずなのに、何処か恐怖を感じさせるもの。
「ふむ、サメが増えていたのは小奴らの仕業ということかの」
 エミリィのその言葉に、ようやく気づいた楓も、少女たちが放つサメの見た目をした斬撃に気づく。
 傍目にはエミリィが降らせたサメにしか見えないそれは、エミリィのサメを相殺させ、自分らが攻めるための視覚的な壁として利用していたのだ。
「なるほどな。そう言うことなら、話は早い」
 攻めているはずが膠着しているというその状況のカラクリを知れたなら、もう勝ちが見えたも同然だろう。
 ガルディエは己の軍の士気を上げるべく、城塞から飛び出す。魔槍斧ジレイザ、そして魔剣レギアの二刀を手に、こちらの動きに合わせて複数体で行動するオブリビオン達の元へ。
「はぁ!」
 鬼気迫る勢いで問答無用に斬りかかる。この一撃に、オブリビオン達は一体がそれを受け、地を蹴って回り込んだ三体のオブリビオンがガルディエの背後を取った。
「取ったと思うか? 甘いぜ」
 しかし、そんなことは織り込み済み。真正面に振るったのは、レギア。そちらは囮であり。
 空いたもう片方の手で振り向きざまに横薙ぎに振るわれる、ジレイザの斧部分を用いて繰り出された強力な一撃は、背後を取って切りかかってきた三体を纏めて吹っ飛ばす。
 だが、その攻撃を逃れた別の一体が、ガルディエの頭上を取っていた。
「そら、こっちじゃよ」
 が、そちらは楓がカバー。
「止めはしっかり刺しておきましたよ」
 ふっ飛ばされたオブリビオン達は、エミリィの《時を止めるメイドの術》による時間操作術の餌食になっていた。この一連の行動が、ガルディエの万の兵の士気を向上させるのに十分な結果となり、より強力になった兵達がオブリビオン達に襲いかかった。
 そうして、互いに連携を重ね、隕石の脅威を次々と払っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シール・スカッドウィル
一人あたりは両手で足りるか。
【最適化】を肉体から武装へ伝播し強化。
初手は毒爪エイトルを隕石に向けて射出。
接触すれば十分だ、腐食による<破壊工作>を開始。
次に、繋を用いて【輻射】による<誘導弾>で迎撃、上下二連装による即時<2回攻撃>。
アトモスを利用して風<属性攻撃>を増幅、初弾は連続した衝撃で威力を削ぎ、次弾で腐食部に集中させ、振動で打ち砕く。

うまくいけば、中もそれなりにシェイクされているはずだが……とりあえず、着地点に<全力魔法>注いでスフィアを投擲。
運用していた属性は風――竜巻でも起こるか。
後は繋で退き撃ち。
近付く理由がな……あぁ、逃げるなら【輻射】で板〇サーカスして貰うのでそのつもりで。


雛菊・璃奈
この世界はわたしの故郷…これ以上好き勝手はさせない…!

ラン達メイド6人を連れて参加…。

【UnlimitedΩ】を展開…。
【呪詛】で極限まで強化し、落ちて来る隕石全てを【Unlimited】の一斉斉射と黒桜の呪力解放による【呪詛、衝撃波、なぎ払い】で迎撃していくよ…。

敵が元の姿に戻ったら、ラン達と手分けして殲滅…。
わたし自身は【妖剣解放】や凶太刀の加速で敵の密集地帯に飛び込み、敵を切り捨てながら再度【UnlimitedΩ】を展開…。
一斉掃射で一気に敵集団を殲滅していくよ…

何で貴女達みたいな人が信長の配下をやってるのかわからないけど…悪いけど、手加減はしない…。止めさせて貰うよ…


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

まだ降ってきてたんですか…1個も地上に落とさせはしませんよ。
「ターゲット・ロック…目標を狙い撃つ!」
【異次元の狙撃手】を発動、長距離からスナイパー技能による狙撃を行います。

怪盗の単眼鏡の望遠機能で目標をロックオン。4対のライフルビットを真紅銃に装着、出力と射程を最大限にアップさせ、ソードビットで銃身を支えた状態で隕石に最大出力の一撃を発射、撃ち抜きます。

落下してきた敵に対しては、分離したビットを周囲に配置、フェイントを織り交ぜた射撃で対応します。
瞬間移動に対しては閃光の魔盾のビームを展開、受け流してカウンターの零距離射撃とソードビットの斬撃をお見舞いしましょう。



 城塞が展開され、サメの雨が降り注ぐその地域とは異なる別所。
 そちらでは、別の猟兵達が隕石に向かっていた。
「数は多いが……足りるか」
 そう呟きながら、己自身とその身に纏う多数の武装と《最適化》を行う、シール・スカッドウィル(ディバイダー・f11249)。目についた最も地上に近い隕石目掛け、毒爪エイトルを放つ。
 両の手を合わせ、総数一〇もの爪が飛び、飛来する隕石に向かっていくが、地上から打ち上げたものと空から炎を纏って落ちるものでは運動量の差は歴然。《最適化》により精霊に近しい存在に昇華しようとも、自然そのものの法則には逆らえない。
 当然ながら、放たれた毒爪はその全てが弾かれた。
「――それでいい」
 だが、シールは寧ろ、計算通りだと告げる。その理由は。
 ――次の瞬間、隕石が纏う炎に、変化。化学反応による影響だろうか、その赤い輝きは緑に近しい輝きへと変わり、見るものに近づきがたい印象を与える。既にシールの、隕石弾と化しているオブリビオンに対する攻撃は始まっていた。
 手にするは、上下二つの砲身を持つ、一つの銃、『繋』。二発を間髪入れず速射で放たれるは、《輻射》。
 精霊インクナビュラの力を借り、更には生体魔導呼吸器のアトモスを使って風の力を極限にまで増幅させられたその二つの弾丸は、初撃で隕石の勢いを十分すぎるほどに殺し、続く二撃目は緑色に変色した原因、その位置へと的確に差し込む。その強力な風の影響だろう、勢いが衰える隕石は、狙った一〇に留まらず、周辺の複数の隕石にまで影響を及ぼしていた。
 一方で、六人のメイドを従え、隕石へと向かっていく雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)。
「この世界はわたしの故郷……これ以上好き勝手はさせない……!」
 ふるさと。それは誰にとっても、変えの効かない大切なものだ。世界を破壊せんと迫るオブリビオン達の企てだろうと、絶対守ってみせる、その強い意志で向かっていく彼女に。
「私達は!」「ご主人さまと!」「共に!」
 付き従う、かつては人々に仇なすかもしれない存在だった彼女らは。
「お嬢様は」「わたしたちが」「守る!」
 共についていくと決めた彼女らは、璃奈と共にあろうと、戦う。
 ラン、リン、レン、そして、ミア、シア、ニアの六人は、それぞれが己の箒の柄を抜き放ち、そこに隠されていた刀身を露わにする。
 心配ではあるが、同時に頼もしくもある彼女らに、璃奈自身もよりその意志を確固たるものに昇華させ。
「いくよ……!」
 告げ、発されるユーベルコード、《Unlimited curse blades Ω》。召喚されし二四〇本もの魔剣や妖剣の現身が、空の隕石を次々と撃ち落とす。
 やはり、地から放たれる射撃では、空から高速落下する隕石を撃ち落とすには威力がいささか足らないらしく、召喚した剣と同数の隕石を落とすことは敵わない。
 だが、同時に振るわれた、黒桜の黒き一閃、そして込められた呪詛の力が、ユーベルコードを後押ししていた。
「まだ降ってきてたんですか……1個も地上に落とさせはしませんよ」
 更に続く形で、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)も隕石に狙いを定めていた。その狙いは最も近い隕石ではなく、遠い位置にある隕石。近くの隕石は、他二人の猟兵で事足りると判断してのことだ。
 構える真紅銃に、蒼い宝玉が輝く四対ものライフルビットを装着した上で、そのままではどうあがいてもぶれてしまう銃身を蒼い刃のソードビットにより固定する。
 そして、怪盗の単眼鏡に備わる望遠機能を用い、照準を固定。
「ターゲット・ロック……」
 かなり離れた位置であることを考慮し、落ちてくる速度、距離、そして大気の動きを見定め、真紅銃の角度を調整する。
「目標を狙い撃つ!」
 エネルギーを収束させ、放たれた粒子ビームは、見事に狙った隕石にクリーンヒット。その勢いを大きく減衰させた。それだけでなく、その隕石を突き抜け、後ろに続いていた別の隕石にまで到達。たまたまとはいえ、これは設けものだろう。
 もちろん、シンも一撃で留めず、繰り返し行うことで、後続の隕石を一つでも多く減らしていくシン。そうすることで、近くの隕石を処理する二人の負担を減らした。

 隕石の脅威はほぼなくなったと言っていいが、まだ落ちてきている事自体に変わりはない。岩が空から降ってくるというのは、仮に建物二階の高さからでも十分驚異となりうる。空中にある以上安心は出来ない。
「ああ、とりあえずこれもおいておこう」
 それに対応するためなのか、シールは己が為せる魔力をスフィアへと収束させ、ただでさえ圧縮されている魔力をより強力に圧縮させる。
 それだけで災害規模の損害を引き起こすと言われるそれを、上から圧縮かけて放てばどうなるか。
「――竜巻でも起こるか」
 その言葉が答えだ。隕石の着弾とスフィアの魔力圧縮体がその地点に着弾するのは、ほぼ同時。
 その地点を中心に、猟兵達を巻き込む大嵐が巻き起こった。
 突如達成した竜巻に、いくつもの隕石が巻き込まれ、その起動を超えて竜巻から射出される。最も、その距離僅か50mにも満たない距離。その場にいくつもの竜巻が発生すれば、互いに相殺し合い、或いは増幅し合う。今回は相殺されてしまったようで、巻き込まれた隕石が軌道を変えて飛び散るという自体は避けられた。
「んじゃ、とどめだ」
 半ば強制的にその姿を戻されたオブリビオンに、繋による退き撃ちでトドメ。アトモスによる風の振動が原因なのだろう、目を回すオブリビオン達に無慈悲に打ち込まれた。
 突然の突風に巻き込まれながらも、それに耐えきり、シールの攻撃の対象とならなかったいくつもの個体がシール目掛け迫ってくる。
「お、来るのか?」
 いいながら、繋を向け放つ二発の弾丸。
「ほら、もう一回だ」
 更に追加二発。また追加二発、と、オブリビオンからしてみればかなり嫌な感じの攻撃の仕方するシール。
「逃げても無駄だよ」
 といって、更に繰り返し放たれる、《輻射》。しかも、今までの比じゃない。
 視界いっぱいの無数の弾丸を相手にオブリビオン達は、最初は頑張って避けていたものの、圧倒的物量を前にして勝てるわけがなかった。
「何で貴女達みたいな人が信長の配下をやってるのかわからないけど……悪いけど、手加減はしない…… 止めさせて貰うよ……」
 ラン達が横でオブリビオン達と刀を交え、接戦を繰り広げる中、璃奈も接敵する目の前の少女に語りかけながら戦う。
 再度展開された《UnlimitedΩ》を利用しながら、集団である少女オブリビオン達を次々と倒していく。
「ご主人さま!」「危ない!」「い!」
 攻撃直後の隙きを狙って瞬間移動してきた少女から、ラン達が仕込み刀を合わせ守る。
「お嬢様に!」「手を出すのは!」「許さないです」
 その背後からミア達三人がその少女を斬り伏せ、璃奈を守った。
「ありがとう……」
 璃奈のお礼に、嬉しくなってキャッキャする六人。だが、戦闘中であることは忘れない。衣装内に仕込まれた暗器を投擲して近くの少女オブリビオンを倒しつつ、次なる目標へと各自が散り散りになる。
「一気に、殲滅する……」
 今度はいつ、ラン達が狙われ、そして自分が動けないタイミングになるかわからない。ここで長期戦は不利だと考え、璃奈は意識を集中させる。
「カバーします!」
 分離したビットを周囲に配置し、フェイントも交えて少女オブリビオンを攻撃するシン。シールもそれに合わせ、璃奈を狙う個体を中心に倒していく。
「――全ての呪われし剣達……わたしに、力を……立ち塞がる全ての敵に終焉を齎せ……! 『unlimited curse blades』!!」
 やがて、練り上げた呪詛とともに、改めて召喚された二四〇本もの剣や刀が、次々と少女オブリビオンを屠るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月07日


挿絵イラスト