エンパイアウォー①~貧乏隕石流星雨
●降り注ぐ貧乏神
街道をゆく徳川軍は、今まさに、空より飛来する敵の攻撃にさらされていた!
降り注ぐは無数の隕石群! 奇妙奇天烈なその攻撃は、風魔忍軍の棟梁、百面鬼『風魔小太郎』の忍法、『風魔忍法隕石落とし』によるものであった!
「おのれ、面妖な!」
隕石群の被害にさらされながらも、侍大将は部下たちに迎撃を命ずる。だが、いかな武士とて降り注ぐ隕石に立ち向かう事はできない。しかもこの隕石は、オブリビオン……『超・貧乏神』の変じた姿なのだ!
隕石の迎撃に成功できなければ、落着後の自爆し付近に甚大なる被害をもたらし、忍法の力で再び隕石へと変じて降り注ぐ。仮に隕石の迎撃に成功したとしても、その瞬間に本来の姿、超・貧乏神の姿をとり、破壊活動を再開する。隙など生じぬ、二段構えの作戦に、侍たちは次々と倒れていく!
「ドゥェッヘッヘ! さぁ~あ、貧乏になるのだ!」
超・貧乏神は下卑た笑い声をあげながら、壊滅して行く武士たちをなぶり始めるのであった!
●貧乏神迎撃
「というわけで、諸君らにはこの貧乏神隕石を迎撃してもらいたいのであるぞ」
マイン・ラクーンは、集まった猟兵たちへと、そう告げた。
まずは現状について説明しよう。寛永三方ヶ原の戦いに勝利した猟兵達は、『第六天魔軍将図』を手に入れる事となった。この『第六天魔軍将図』に名を連ねる『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服するために一大攻勢を仕掛けてきたのである。
徳川幕府は、この国難に立ち向かう為、総勢10万の徳川幕府軍を結集。その総力をかけて、『第六天魔軍将』の首魁……『織田信長』を撃破すべく、行動を開始したのであった。
敵軍の撃破には、もちろん猟兵たちの力、そして徳川幕府軍の力、双方が不可欠である。
「だが、敵ももちろん、こちらがやって来るのを手をこまねいて待っているわけではない。『風魔小太郎』なる敵の忍法により、オブリビオンが隕石となってやって来る、というヤベー作戦を実行してきたのである」
このままでは、幕府軍の部隊に壊滅的な打撃が発生してしまう。そうなれば、今後の戦況は大きく敵側に固むことになるだろう。
「そうなる前に、このヤベー奴らを迎撃してほしいのである。とはいえ、隕石を迎撃しても、奴らは元の姿に戻り、オブリビオン『超・貧乏神』として攻撃してくるのだ。つまり、隕石を迎撃しつつ、超・貧乏神とも戦わねばならん」
マインはむにむにと両手をこすり合わせた。
「危ない橋を渡るところであるが、諸君らであればよゆーであろう。ではでは、レッツでゴーだ、猟兵たちよ」
そう言って、マインは猟兵たちを送り出したのであった。
洗井落雲
お世話になっております。洗井落雲です。
此方、戦争シナリオとなっております。
●成功条件
すべての超・貧乏神の撃退。
●このシナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●状況
徳川軍を襲撃する10個の隕石を迎撃し、その正体である『超・貧乏神』を撃退しましょう。
隕石を迎撃できなかった場合、隕石は自爆し、広範囲に被害を与えたうえ、再び空へと舞い戻り、落下してきます。しかし迎撃できた場合には、超・貧乏神としての正体を現し、襲い掛かってきます。この超・貧乏神を一体倒すごとに、隕石の落下を一つ止めることができます。
そのため、プレイングには『隕石の迎撃』『敵への対処』の二つが必要になるでしょう。複数名で同時に参加し、それぞれを担当する……という戦い方も有効かもしれません。
すべての隕石を迎撃し、すべての超・貧乏神を撃退できれば作戦は成功となります。
以上となります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『超・貧乏神』
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POW : ドゥェッヘッヘ! お前達の身体を貧相にしてやろう
【指定した肉体の部位を貧相にする光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : どんな技術も、私の前では素人以下になるのだぁ!
自身に【金属を高速で腐食させるオーラ】をまとい、高速移動と【指定した技能のレベルを0にする光線】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 貧すれば鈍する! 頭も心も貧しくなるがいい!
【知識を奪う光線】【記憶を奪う光線】【性格を下劣にする光線】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:仁吉
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●降る星、降る神
現場へと到着した猟兵たちを待ち構えていたのは、今まさに徳川軍に降り注がんとする、隕石の群れの姿であった。
このまま見過ごしていては、徳川軍に被害が及ぶことは間違いないだろう。
もはや一刻の猶予もない、今すぐに迎撃に移れ!
アトシュ・スカーレット
【翠銀】
アメリアちゃんと協力して戦うよ!
「うわー…隕石って普通に見るのは初めてかも」
【希望への軌跡】を発動させて、アメリアちゃんに隕石が落ちる場所を教えて、迎撃して貰うね
あ、アメリアちゃんをいつでも庇えるように待機しておくよ!
んー…まだちょっと『先』っぽいー…意外と10秒短いな
超・貧乏神戦はオレが突っ込むよ!
突っ込む前にJoyeuseと村雨に腐敗の【呪詛】を付与しておくね
アメリアちゃんの援護がオレごと巻き込むようになってるけど、【希望への軌跡】や【激痛耐性】、【見切り】で可能な限り躱して爆煙の中からこんにちは、からの騙し討ちだね!
ちゃーんと視えてるぜ、アメリア!
アメリア・イアハッター
【翠銀】
貧乏神…6年ローン…うっ、懐が
確かに隕石なんて中々空から降ってこないもんね
カメラ借りて来ればよかったかな
隕石迎撃の準備として、UCを発動し空中に目一杯魔法のミサイルを貯めておく
発射方向、発射タイミングはレティに従う
えーと、もうちょっとこっち?
おっけーいつでもいけるよ!
迎撃に成功すれば、可能な限り敵が空中にいる間に撃ち落そうとUCを発射しつつ、敵の落下位置から距離をとる
落下後、レティの突撃より少し先んじてUCを発射
レティのことは気にせずにやたらめったら発射し、敵を攻撃しつつ地面にもミサイルを当てて爆煙と土埃で敵の視界を封じる
こっちからも見えないかもだけど、問題ないね
視えてるよね、レティ!
「うわー……隕石って普通に見るのは初めてかも」
ともすれば、世界滅亡を思わせる風景にもかかわらず、どこか「珍しいものを見たなぁ」と言った面持ちで言うアトシュ。もちろん、緊張感がないというわけではない。「この程度の危機、危機の内には入らない」という、猟兵として自信あっての事であり、それは決して、油断や慢心などではない、純然たる事実であった。
「確かに、隕石なんて中々空から降ってこないもんね。カメラ借りて来ればよかったかな」
相槌を打つアメリアであったが、しかし一瞬、顔をしかめた。
「でも、あれ貧乏神なんだよね……貧乏……6年ローン……懐が……」
ぽんぽん、と空し気にポケットを叩くアメリア。ポケットを叩いても、中の財布は増えない。
「ま、景気よく、貧乏爆破作戦と行こうか」
アトシュは笑いかけると、空を『視る』。映し出されるのは隕石の描く軌跡――現在から、さらにその先の未来の軌跡まで。
「マジック・ミサイル、全展開! 指示よろしくね♪」
同時に、アメリアはマジック・ミサイルを空中に一斉展開した。その先端が、アトシュの指さす先へと一斉に向かう。発射、の掛け声とともに、ミサイルたちは踊る様に、その空間へと殺到した。その先は、今は虚空。だが、十秒後には――。
「ギャアアアアアッ!」
見事、その軌道を予測された隕石にミサイルが突き刺さり、中より悲鳴を上げながら、超・貧乏神が飛び出してきた!
「おのれェ! こうなったら肉弾戦だ! 貧乏になれぇぇい!」
「冗談! 貧乏なんて願い下げっ!」
襲い掛かる超・貧乏神を迎撃すべく、アメリアが放つマジック・ミサイル。それらは周囲へばらまかれ、爆発と煙を激しく巻き起こす!
「煙を……だが! ドゥエヘッヘッヘ! 馬鹿め! こうなってはこちらの姿も見えまい!」
嘲笑の声をあげる超・貧乏神。しかしアメリアは、にっこりと笑って見せた。
「そう、見えない……けどね!」
「問題ない! オレには『視える』のさ!」
土煙と爆風を切り裂いて、突撃するはアトシュだ。その両の手に輝く、『Joyeuse』と『村雨』、刀形態へと変化させた、二つの刃!
その両の刃、きらめく一閃! X字に切り裂かれた超・貧乏神、その肉体が呪詛に蝕まれ、徐々に消滅していく!
「ば、馬鹿な……!」
二人の見せた、見事なコンビネーションの一撃に、超・貧乏神が絶えられるはずもない。その身体が完全に消滅するのに、さほどの時間は必要なかった。
ミサイルの土煙が晴れた先に、アメリアの姿を確認したアトシュは、にっこりと笑って頷いて見せる。
「一丁上がり、ね!」
その様に、アメリアもそう言って、笑って見せたのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
津久根・麦穂
ネム(f04456)と参加
ネムはかなり無茶な戦い方をすると聞き及びます
もしネムに危険があるならば彼女を守ることが最優先です
無茶はいけませんよ、ネム……
対空機関砲に換装した【蒸気戦車“雷鳥”】でネムを援護し
隕石の破壊を試みましょう
(迎撃に成功し敵が正体を表したら)
ネム?何を気にしているんですか?
私は大きさは別に……違う?手榴弾?
なるほど、破片は無効化されるでしょうが
爆風は効果があるかもしれません
背負った【ミミック】に命じて
【携帯仕掛け罠Ⅱ】を発動します
頼みますよミミック……敵の弱点は
(射出された【蒸気携帯仕掛け罠】は“木製仕掛け弓矢”)
【アドリブOK・UC詠唱はあってもなくても可】
ネムネ・ロムネ
むぎ(f19253)と
ん。
ありがとーむぎ
無茶しないよーに頑張るね
だからネムを守って
【蒸気戦車“白鶺鴒”】の砲座に乗り込んで取り付けられたバルカン砲で隕石を迎撃です
バズーカも利用してUCを発動
【スナイパー】【誘導弾】の技能で上空の隕石を可能な限り迎撃するのですよ
正体を現したらむぎを【援護射撃】です
景気の悪い顔しやがってです
貧乏が伝染るのです
近寄るんじゃねーですよ
んぇ?身体を貧相にです?
ネムの身体のどこを指定するつもりなんでしょーか?
これ以上ネムのどこを貧相にするつもりなんですかね
これ以上って言うんじゃねーですよ
もー許さねーです
全員まとめてぶっ飛ばしてやるのです
むぎ
これを使うのです
手榴弾を手渡した
「無茶はいけませんよ、ネム……」
迫る隕石群を臨みながら、麦穂は相棒のネムネへと声をかける。
二人は、お互いに発掘されたという蒸気戦車に乗って、戦場へと駆け付けていた。麦穂が駆る蒸気戦車は、『“雷鳥”』。そしてネムネの駆るそれは『“白鶺鴒”』だ。
「ん。ありがとーむぎ。無茶しないよーに頑張るね? ……だからネムを守って」
戦車上部より顔を出し、そう告げるネムネへ、麦穂は力強く頷いて見せた。
「迎撃……始めますよ!」
麦穂の言葉に、ネムネは戦車内部へ戻ることで同意を見せた。
二人の戦術は、単純にしてパワフルだ。対空砲やガトリング砲を装備した戦車を用いて、隕石を撃ち落とす。シンプルだが、これ以上にわかりやすく、かつ効果的な手段もないだろう。
「まとめて撃ち落とす、です」
ネムネの呟きを合図に、果たして一斉射は始まった。高らかに鳴り響く砲弾の音が、耳をつんざいて周囲に響き渡る。放たれた雨あられの如き銃弾は、次々と隕石に着弾。銃弾は火花を散らしつつ、隕石を激しく削り飛ばしていき、やがて激しく爆発すると、その中心より超・貧乏神が現れた!
「ドゥェッヘッヘ! 無茶しやがるぜ!」
超・貧乏神は下卑た笑い声をあげつつ、ネムネへと向かって跳躍。落下してくる!
「その身体ァ! 貧相にしてやるゥゥ!!」
「んぇ? 身体を貧相にです?」
ネムネがその眉をひそめた。
「ネムの身体のどこを指定するつもりなんでしょーか?」
「え? それはその、全体的に」
「これ以上ネムのどこを貧相にするつもりなんですかね」
「え、だから」
「これ以上って言うんじゃねーですよ」
「ううん、そんなこと言ってな」
「もー許さねーです。全員まとめてぶっ飛ばしてやるのです」
交渉は終わった。こうなれば実力行使である。ネムネはガトリング砲をぶっぱなしながら、蒸気戦車の無限軌道を激しくかき鳴らした。そのまま勢いよく麦穂の戦車の近くへと移動。がこん、と上部ハッチを開いて、
「むぎ、むぎ」
と、麦穂を呼んだ。果たして麦穂もまた、ハッチを開いて顔を出すと、
「ネム? 何を気にしているんですか? 私は大きさは別に」
「これを使うのです」
と、何かを手渡した。
「……手榴弾?」
麦穂の呟きの通り、それは大きめの手榴弾である。
「なるほど、破片は無効化されるでしょうが、爆風は効果があるかもしれません。それに……」
手榴弾のピンを引き抜いて、麦穂は超・貧乏神へと向けて放り投げる。数秒の間をおいて、手榴弾は爆発。閃光と爆風が巻き起こり、超・貧乏神の視覚を激しく乱した。
「な、なんだってんだ!?」
慌てふためく超・貧乏神たちが、足元に仕掛けられた何かに気づくことは無かった。それを踏んだ超・貧乏神の身体に、無数の木製の仕掛け矢が襲い掛かり、次々と突き刺さっていく!
「ギャァァァァァ!」
断末魔の悲鳴を上げて、超・貧乏神が消滅していく。
「トラップも仕掛けやすくなりますからね。よくやりました、お疲れ様です」
『携帯仕掛け罠Ⅱ』によるトラップを仕掛け、戻ってきたミミックへ、麦穂は労いの言葉をかけるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
霧島・絶奈
◆心情
貧すれば鈍するのは其方です
仮にも神を名乗る者が鉄砲玉の真似事とは…
嘆かわしいとは思いませんか?
◆行動
『暗キ獣』を使用
隕石は我が軍勢が、敵そのものは私が迎撃します
軍勢は密度を維持出来る範囲で広域に展開
また、軍勢同士を積み上げる事で幾分か高い場所で槍衾を構えさせます
敵が正体を現したら『DIABOLOS LANCER=Replica』に【範囲攻撃】【マヒ攻撃】の力を込めて【二回攻撃】
直接ダメージと我々の全体強化
敵にこの二者択一を迫る事で【精神攻撃】と為し【恐怖を与える】としましょう
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
敵のユーベルコードは迎撃に加わっていない軍勢を盾として防ぎましょう
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】
「徳川軍にはその貧相な指一本、触れさせはしませんよ」
スナイパーとして、落下中の隕石の狙撃を行いましょう。
4対のライフルビットを周囲に展開、真紅銃、精霊石の銃を両手に構え、落下してくる隕石を電脳ゴーグル・怪盗の単眼鏡の望遠機能でロックオンします。
「ターゲット・ロック、目標を狙い撃つ!」
【異次元の狙撃手】の射程に入り次第、隕石に一斉射撃して撃墜します。
「そのまま骸の海まで落ちなさい!」
落下してきた敵とは、移動しつつ距離をとって、フェイントをおりまぜた射撃で応戦しつつ、回避できない攻撃は閃光の魔盾のビームで直接触れないよう受け流して防御しながら、撃破していきますね。
パティ・チャン
■戦闘心証
元より体躯が小さい妖精族に、「身体を貧相にする」とは、これ如何に?
超・貧乏神の隕石に対し、UC「サイコキネシス」を使うことで、可能なら迎撃、最悪でも仲間の迎撃アシストを出来るよう食い止めます。
【カウンター、2回攻撃、世界知識、なぎ払い、衝撃波】を乗せていきます
最大の目的は、いち早く敵の群れを迎撃すること。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
■対・貧乏神
引き続きサイコキネシスで対抗
(人間サイズの剣と盾を装備)
攻撃には【カウンター・勇気】で対抗
【2回攻撃、属性攻撃、鎧砕き、衝撃波】を乗せて攻撃を
※アドリブ・連携共に歓迎
猟兵たちの活躍によって、隕石群はその数を確実に減じていく。
「もう少し……ッ!」
パティの念じるサイコキネシスにより、隕石群は徐々に、その落下速度を低下させていった。続いて、その進行方向が一か所へと集まっていく。
「そう来たなら……目標を狙い撃つ!」
シンの『怪盗の単眼鏡』がきらりと輝いた。『真紅銃<スカーレット・ブラスター>』の銃口が隕石を狙い、それに連動するライフルビットが複雑な軌道を描きながらの自律支援を開始する。ライフルビットの蒼い宝石が、日光を受けて煌いた瞬間、一斉に発射されたビームが隕石に着弾。爆発と共に隕石を消滅させる。
「闇黒の太陽の仔、叡智と狡知を併せ持つ者。私を堕落させし内なる衝動にして私の本質……」
一方で、絶奈は己が姿を異端の神々の似姿へと変貌させた。あるいはそれこそが、絶奈の本質を現した姿なのかもしれない。いずれにせよ、その姿となった絶奈は、己が全力を解き放ったことと同義である。
ぞぶり、と、絶奈の影が周囲へと侵蝕するように広がっていった。やがてその影の中から、無数の何かが這い出してくる。
それは、疫病を纏う屍獣の群。そして槍衾を構える屍者の軍勢。
屍獣は咆哮を。屍者は槍を鳴らし、その外見からは想像もできぬ身軽さで、隕石群に次々と突撃していく。
猟兵たちの攻撃が、ついに最後の隕石を討ち取った。そこから落下してきた超・貧乏神が、残る超・貧乏神たちと共に、忌々し気に舌打ちを一つ。
「まさかぁ、ここまで邪魔されるとはな……」
「当たり前よ! あなたたちの蛮行、これ以上見過ごす事なんてできないわ!」
パティの言葉に、ドゥェッヘッヘ、超・貧乏神たちが笑う。
「威勢がいいなぁ……だが! すぐにその身体を貧相にしてやるぜぇ」
「もとより体躯が小さいのは承知の上よ。でも、そんなの問題じゃないって教えてあげるわ!」
「徳川軍にはその貧相な指一本、触れさせはしませんよ」
シンが真紅銃を超・貧乏神たちへと向ける。ライフルビットがシンを守るように、銃口付近へと展開された。
「落下してきたならそれはそれで結構。そのまま骸の海まで落ちなさい!」
「ドゥェッヘッヘ……おきゃぁぁぁぁぁっ!」
超・貧乏神たちが奇声を上げながら跳躍! 一気に猟兵たちへと飛び掛かってくる!
「サポートするわ!」
パティが念じ、超・貧乏神の一体を地へと叩き落す。
「では、狙い撃ちましょう!」
シンが次々とビームを発射していく。ライフルビットの援護も含めた三次元的な複雑な攻撃が、超・貧乏神たちを翻弄していく!
「ええい、ちょこまかと!」
「……ちょこまかと五月蠅いのはそちらでは?」
忌々しげに言い放つ超・貧乏神へ、『暗キ獣』による軍勢を差し向けるのは絶奈である。屍獣の牙に噛みつかれた超・貧乏神が、ぎゃあと悲鳴を上げて消滅した。
「そもそも……仮にも神を名乗る者が鉄砲玉の真似事とは。……嘆かわしいとは思いませんか?」
どこか憐憫の色すら含ませるその言葉に、超・貧乏神は激高した!
「うるせぇやい! こっちも尻に火がついてんだ!」
「貧すれば鈍するというのは、其方のほうでしたね」
思わず、肩をすくめる絶奈。ぱちり、と指を鳴らすと、槍衾がその超・貧乏神を突き刺し、消滅させた。
「残り2体ね!」
サイコキネシスで超・貧乏神を振り回しながら、パティが叫んだ。一体の超・貧乏神を念動力でつかみ上げ、その肉体を利用して残る一体に叩きつけ、まとめて中空へと放り投げる。
「では、これで、お終いだね」
シンのライフルビットたちが放り投げられた超・貧乏神を、次々と狙い撃っていく。
「ち、ちくしょう! 覚えてやがれ……!」
それが、超・貧乏神たちの最期の言葉になった。放たれた真紅銃の光線が二体の超・貧乏神をまとめて打ち抜き、そのまま消滅させたのである。
かくして、隕石群は猟兵たちの活躍により、消滅した。
一仕事を終えた猟兵たちを出迎えたのは、命を救われた徳川幕府軍の侍たちの、歓声であった。
大成功
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