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山姥伝説を追え

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●山姥の噂
 それは、山深い小さな村でのこと。
「……新兵衛さんは、まだ帰ってこんのか」
「山に狩りに行ったきり、もう五日になるぞ」
「やはり、山姥の仕業じゃろうか」
 村人たちは一様に暗い顔で、井戸端に集まってはぼそぼそと話し合っている。
「庄屋さんとこの牛もやられたそうじゃ」
「吉彦爺様の畑も根こそぎ野菜を盗られておった」
「やはり、山姥の仕業じゃろうか」
 どの話題も、最後には山姥の仕業ということで終わりを告げる。

『山にある洞窟には山姥が住んでいて、人や家畜を攫っていく。攫われた人や獣は、頭から丸かじりにされてしまう』

 それは、村に古くから伝わる言い伝えだ。
 だが、これまでは誰も山姥を実際に見たことはなかったし、犠牲になることもなかった。村で立て続けに不穏な事件が起きるようになったのは、ここ1月ほどのことだった。
 始めは誰かのいたずらか、不幸な事故か、或いは不埒な賊の仕業だと思っていた。
 だが、これほど立て続けに事件が起これば、もはや偶然では片づけられない。
 誰からともなく、村人たちはこう言うようになった。
『やはり、山姥の仕業じゃろうか』
 と……。
 困り果てた村人たちは、金を出し合って評判の武芸者に山姥退治を依頼した。だが、その武芸者も山に入っていったっきり、戻ってはこなかった。
 万策の尽きた村人たちは、山姥の影におびえる日々を過ごすしかなかったという。

●噂の真相を探れ
「サムライエンパイアのとある山村で、不穏な事件が立て続けに起きています」
 グリモアベースに集う猟兵達に、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は冷静な声でそう告げた。
「村人達は言い伝えに出てくる山姥の仕業と考えているようですが、ワタシの予知によればこれはオブリビオンの引き起こした事件です。ただ、どのようなオブリビオンがどのような目的で事件を起こしているかまでは分かりません」
 そこで猟兵達には、実際に村へ向かい、相手の正体を探り当ててほしいのだと、エルシーは続ける。
「村人たちに話を聞いて回れば何か手掛かりがつかめるかも知れないし、実際に山に入って山姥を探しまわってもいいでしょう。あるいは、自らを囮として山姥を誘き出すという手も使えるかもしれません」
 各々得意な方法で、事件の解決に当たってほしいということらしい。
「このままでは村人たちも、安心して年を越せないですから。皆さんの手で村に平穏を取り戻してあげてください」
 そう言ってエルシーは、猟兵達を送り出したのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 もうすぐお正月ですが、オブリビオンは空気を読んでくれないようです。

 1章は事件の全容が明らかになるまで2章に進めませんので、頑張って調査してください。

 みなさんのプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『首狩り山姥』

POW   :    山を歩き回って山姥の家を探す

SPD   :    山で迷ったフリをして山姥を誘き寄せる

WIZ   :    現場検証、聞き込み調査など

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

麻古衣・紬
「相手が何かわからない状態では接触は避けたいなぁ」
極力、村人への聞き込み調査や、山の中で事件などがあった跡を探そう。
相手の実体を探ることが倒すうえでもやりやすいからね。
オブリビオンであろうからには、やはりユーベルコードを使用した痕跡なんかが残るんじゃないかな……。
例えば樹木には攻撃の跡だとか、地面には足跡だとか。
村人の証言ももう少し集めれば何か共通点が見えるかもしれない。
(WIZ使用行動)



●聞込み調査
 さっそく問題の山里にやってきた麻古衣・紬(灼華絶零・f06768)は、どうしたものかと思案する。
「相手が何かわからない状態では接触は避けたいなぁ」
 相手の実体を探ってからの方が、倒すうえでもやりやすい。とりあえず紬は、村人たちに話を聞いて回ることにした。
「そんなわけで現場の状況を聞きたいんですけど。何か気付いたことありませんか?」
 紬の問いに、そういえばと、村人の一人が口を開く。
「行方不明になった新兵衛さんを探しに行った時、獣の毛が散らばってるのを見かけただ」
「ああ、そんなら庄屋さんとこの納屋でも、牛以外の動物の毛があっただよ。きれいな黄金色の毛だったべさ」
 どうやら事件には、何らかの動物が絡んでいるようだ。それがオブリビオン自身なのか、オブリビオンが使役する動物なのかまでは分からないが。
「それと、行方不明になった人のことを詳しく聞かせてもらいたいんですが」
 紬が少しでも事件の共通点を探すべく、そう尋ねる。
「村の若い衆の新兵衛さんに木之助さん、それと雇った武芸者の沖津様の3人だべ」
「あれ? 沖津様というのも、もしかして若い男の人ですか?」
 紬の問いに、村人が頷く。つまり、行方不明になっているのは3人とも、若い男性という共通点があるのだ。
「ただの偶然かもしれないけど、頭の片隅に留めておいた方がよさそうだね。」
 紬はさっそく、村人たちから得た情報を他の猟兵達と共有することにしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

屋良・内夫
【POW】を選択

現場百篇。村人たちは山姥、山姥で思考停止してるし、山の中に直接行って、調べるのが一番だろ。

とりあえず最後に入ったっぽい武芸者の足跡を探してどこら辺まで行ったか調べるだろ。そこまで行けば何か手掛かりが見つかるはず。
武芸者の最後の場所を見つけたら、そこを中心に辺りを調査だろ。
何かの足跡、木に傷がついてないか、道らしきものが出来てないか、
とにかく歩き回って色々探すだろ。

【影の追跡者の召喚】も使ってみるだろ。まあこいつの扱いはそこまで得意じゃないし、気休めだろ。



●山の探索
「現場百篇。村人たちは山姥、山姥で思考停止してるし、山の中に直接行って、調べるのが一番だろ」
 屋良・内夫(爆走特攻・f05289)は、村に着くなりさっそく山に踏み入っていった。
 探すのは、最後に森に入ったらしい武芸者の足跡だ。武芸者が行方不明になって1日以上経っていたが、幸いにも内夫は足跡を発見することができた。
「後はこの足跡を辿って、どこら辺まで行ったか調べるだろ。そこまで行けば何か手掛かりが見つかるはず」
 何度か足跡を見失いそうになりながらも、内夫は山の上へ上へと目指していく武芸者の足跡を追跡していく。
 そして辿り着いたのは、山肌にぽっかりと穴を開ける、大きな洞窟の前だった。
「ここで足跡が途切れてる。なら、ここを中心に辺りを調査だろ」
 内夫は【影の追跡者】を召喚すると、手分けして周囲の捜索を始める。
「……さっきまで追跡してきた足跡以外にも、複数の足跡があるだろ。でも、ここで争ったような痕跡はない。ってことは」
 内夫は、眼前に広がる洞窟に目を向けた。この洞窟に、武芸者は入っていったのだろう。
そういえば山姥伝説でも、山姥は山の洞窟に住んでいると言われていた。
「けど、さすがにオブリビオンのアジトかも知れない場所に一人で踏み込むのは危険だろ」
 そう言って肩を竦めると、内夫は他の猟兵達と合流すべく、村へと引き返していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベール・ヌイ
「山姥は・・・鬼女とも・・・いわれていたりする・・・。つまり・・・鬼の可能性あり・・・?」

鬼を狩れるかもしれないので眠気が半分吹き飛んでます
とりあえず山で迷ったふりをしましょう。
【楽器演奏】で【誘惑】するような演奏でおびき寄せれないかな?
もし動物たちがよってきたら【動物会話】で山姥の家をきくのもよいかもしれませんね
もし他の方も一緒に迷ったふりをするなら温かいお茶を持っていって、寒くなると大変ですしね


旗村・グローリー
山姥を探す。

歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……。
これは間違いなく山姥の仕業だ。

牛をさらい、人を喰らい、その舌も大分肥えてきたことだろう。
さらなる美味を求める頃合いだと、歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……。
すなわち全生命体の頂点に立つ、ジャイアントパンダの出番だ。

山に入り自らを囮とすることで、山姥をおびき寄せよう。
なんてったってパンダだ。ただの熊とは違う。
捕まえて食べてしまいたい。
山姥グルメNo.1食材を前にして、そう思わぬ山姥はいないだろう。
歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……。


吉瀬・煙之助
山姥伝説ねぇ、オブリビオンじゃなかったほうが恐ろしいわ
なんておちゃらけつつ、いっちょ山姥をおびき出しますか

旅人らしく旅衣装に荷物を背負って山ん中をウロウロする
「あれ、山を降りる道はどっちだったかね?」
といいながら疲れた様子で切り株に座り込んでみよう
山姥が近づいてきたら、嬉しそうに「ああ、こんなところで人に会えるとはありがたい」と喜び油断を誘いますか
接触したら本体の煙管の煙でほかの猟兵に知らせますかね



●山姥待ち伏せ作戦
「山姥は……鬼女とも……いわれていたりする……。つまり……鬼の可能性あり……?」
 鬼に対する殺意を抱くベール・ヌイ(桃から産めれぬ狐姫・f07989)は、鬼を狩れるかもしれない可能性に、眠気が半分吹き飛んでいた。
「そう、歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……。これは間違いなく山姥の仕業だ」
 そう断言したのは、ただのジャイアントパンダ……ではなく、旗村・グローリー(ザ・ジャイアントパンダ・f04986)だ。
「山姥伝説ねぇ、これで正体がオブリビオンじゃなかったほうが恐ろしいわ」
 そうおちゃらけて見せるのは吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)。
 3人の目的は共通していた。山に分け入り、自らを囮として山姥を誘き出すことだ。
 3人は作戦の成功を誓いあうと、それぞれに山へと踏み出していった。

 煙之助は、旅人を装うために旅衣装に荷物を背負い、山の中をウロウロしていた。
「あれ、山を降りる道はどっちだったかね?」
 と、いかにも道を迷った風を装う。だが、山姥はいつまで経っても現れない。
「……これは外れかね。運がなかったのか、条件が違っていたかってことかな」
 せめて手掛かりだけでも見つけようと、山の中を歩き回りながら、煙之助は自らの本体である煙管から、煙をくゆらせるのだった。

 ベールもまた、しばらく山の中で迷ったふりをしていたが、中々山姥が出てこないので一計を案じることにした。
「楽器を使って……誘惑するような……演奏で……おびき寄せれないかな?」
 ベールにしか鳴らせない無音鈴を振って演奏を開始する。だが、いつまで待っても山姥は現れず、寄ってくるのは動物ばかり。
 しかし、動物と多少会話のできるベールにとっては、それも無駄なことではなかった。
「動物さん達……教えて……山姥の家を」
 しかし、動物たちから帰ってきたのは、意外な答えだった。
「え……。この山には……鬼も山姥も……いない? いるのは……ヌイの同族?」
 それはすなわち、今回の事件の黒幕が、ベールと同じ妖狐であることを示していた。

「牛をさらい、人を喰らい、その舌も大分肥えてきたことだろう。さらなる美味を求める頃合いだと、歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……」
 山の中腹で座禅を組んでいたグローリーは、そう言って目を見開く。
「すなわち全生命体の頂点に立つ、ジャイアントパンダの出番だ」
 そして待つこと約半日。いっこうに山姥が現れる気配はない。
「まだ来ないのか……。いや落ち着け、なんてったってパンダだ。ただの熊とは違う。『捕まえて食べてしまいたい』山姥グルメNo.1食材を前にして、そう思わぬ山姥はいないだろう。歴戦の戦士としてのおれの勘が告げている……」
 そう呟いた直後、背後に何者かの気配を感じる。すばやく飛び退りつつ、振り向いたグローリーの目に移ったのは。
「出たな山姥!! ……では、ない!?」
 そこにいたのは、鍬を振りかぶった朴訥そうな若い男の姿。
「む? お前はもしや、行方不明になったという新兵衛とやらではないか?」
「く、熊がしゃべった!?」
 一方、新兵衛と思しき若者は明らかに動揺している。
「ジャイアントパンダと熊を間違えるとはどういうことだ! ……ん? こいつ、瞳にハイライトがない。何者かに操られている……いや魅了されているのか」
 とはいえ、歴戦の猟兵であるグローリーに、ただの村人が敵うはずもなく。グローリーの腹パンチ一発で、新兵衛は意識を失ったのだった。
「いまいち状況が分からんが、とりあえず手掛かりは確保した。まずはこの男を村に連れ帰るとしよう」
 グローリーは新兵衛を肩に担ぎ上げると、山を下りていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

旗村・グローリー
若者を村に連れ帰ろう。

この新兵衛らしき男が、なんらかの手がかりを有しているのは間違いない。
話を聞くためにも一度仕切り直しといこうじゃあないか。
行方不明者を連れ帰ったとあれば、すこしは村人も安心するだろうしな。
なに、礼など不要だが……強いて言えば餅が食べたい気もするが、いやなに気にしなくていい。
ちなみに焼き餅の素晴らしいところは、餅の白と海苔の黒の絶妙なコントラストにある。

新兵衛の意識がはっきりしたら覚えていることを語ってもらおう。
つまりは、この山にジャイアントパンダは生息しているのか、ということだ。
あとは山姥の話とかあればついでに聞こう。
まああまり無理はしなくて構わない。ゆっくり思い出せ。



●新兵衛の話
「この新兵衛らしき男が、なんらかの手がかりを有しているのは間違いない。話を聞くためにも一度仕切り直しといこうじゃあないか」
 こうしてグローリーは、新兵衛を連れて村へと戻ってきた。
「おお、新兵衛さんじゃ!」
「よかったのう、無事だっただべか」
 村人達が、安堵と喜びの表情でグローリーと新兵衛を迎える。
「パンダ様、ありがとうごぜえましただ」
「なに、礼など不要だが……強いて言えば餅が食べたい気もするが、いやなに気にしなくていい」
 グローリーは謙虚にもそう断ってから、
「ちなみに焼き餅の素晴らしいところは、餅の白と海苔の黒の絶妙なコントラストにある」
 と付け加えることを忘れない。

 半刻後、目を覚ました新兵衛に、餅を頬張ったグローリーが尋問を開始した。
「君に聞きたいのは、つまりは、この山にジャイアントパンダは生息しているのか、ということだ」
「はい?」
 質問の意味が分からなかったらしく、新兵衛が間抜けな返事を返す。
「ああそうだ。山姥の話とかあればついでに聞こう」
「山姥? そんなのオラ知らねえだ」
「ならば君はこれまで、どこに隠れていたのだ?」
「オラ、別嬪な女の人の所にお世話になってただ」
 新兵衛の話を要約すると、狩りの途中で美しい女性を見かけた新兵衛は彼女に一目惚れ。彼女の後を追っていったのだという。ベールの話も総合して考えれば、その美女こそ妖狐だったのだろう。
 妖狐に魅入られた新兵衛はその後、彼女にお願いされるままに行動してきた。
 牛を殺したのも、畑の作物を盗んだのも、妖狐に唆された新兵衛と、もう一人行方不明になっている木之助の仕業だったようだ。
 二人とも、妖狐に気に入られたい一心で、悪事に手を染めていたらしい。
「成程。同情の余地もないが、最後にその女のアジトを教えて貰おうか」
 グローリーの問いに新兵衛が白状したのは、内夫が山中で見つけたあの洞窟だった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『忍者屋敷を攻略せよ』

POW   :    力づくで無理やり突破する

SPD   :    巧みに罠を見抜き、避けて突破する

WIZ   :    知恵や魔法で、危険な場所を安全にしてから進む

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 苦戦🔵🔴🔴
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●危険な洞窟
 村人の話では、妖狐が隠れ家にしていた洞窟は、戦国時代にこの地を根城にしていた忍軍の拠点だったのだという。戦国時代が終わり忍軍が姿を消した後も、この洞窟に仕掛けられた無数の罠は残り続けた。そのためこの洞窟には、誰も近寄ることはなかったのだ。
 オブリビオンが隠れ家にするのに、これほどうってつけの場所はないだろう。
 新兵衛の話によれば、この洞窟を抜けた先にある小さな稲荷神社に妖狐がいるらしい。
 猟兵達は、無数の罠を乗り越えて妖狐を追い詰めるべく、洞窟へと足を踏み入れるのだった。
屋良・内夫
【pow】を選択

「ふっ、罠があったとしても俺には大したことないだろ」
(装備している宇宙バイクを撫でながら)「なぜなら、相棒がいるからな。」
「さあ、突っ走るだろ!ゴッドスピードライド!」

装備した宇宙バイクを、ピーキーすぎて普通の人には扱えないような独創的なシルエットのバイクに変形させ、走り始める。
さらに走行時にはホイールからスパークが迸っている。
まあただのゴッドスピードライドなので、何が変わるわけでもないのだが。
やはり気分が違う。

巧みなライディングテクニックを用いて強引に神社まで駆け抜ける!



●罠をぶっちぎれ
「ふっ、罠があったとしても俺には大したことないだろ」
 洞窟を前に、内夫は愛機たる宇宙バイクを撫でながら不敵な笑みを浮かべた。
「なぜなら、相棒がいるからな」
 宇宙バイクを一般人には扱えないレベルでピーキーな性能の、独創的シルエットの形態に変形させると、一気に洞窟に突入していった。
「罠があったって、作動する前に突破しちまえが関係ないだろ!」
 床にぽっかりと落とし穴が開ききる前に、廊下の両側の壁から矢が飛んでくる前に。内夫の乗った宇宙バイクはホイールからスパークを迸らせながら洞窟内を駆け抜けていく。
 だが当然洞窟内は、乗り物に乗って入ることを前提にした造りではない。バイクでは通れない細い通路、曲がり切れない急な曲がり角。内夫の巧みなライディングテクニックをもってしても物理的に突破不可能なエリアも、当然、存在する。
「それでも、行ける所まで行ってみるさ!」
 落ちてくる吊り天井の下をギリギリで走り抜けながら、内夫は洞窟内を駆け抜けていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

旗村・グローリー
忍者屋敷を突破しよう。

竹林の賢者であるジャイアントパンダだからこそ分かる。
忍者屋敷というものは生半可な事では踏破不能。
無数の罠が仕掛けられたジャパニーズラビリンスと言えよう。

だがおれもまた、かつて通信教育で忍術を学んだ男。
無人の屋敷を突破するだけならば、やりようはいくらでもある。
パンダ流忍術のひとつ、斧遁の術で屋敷を破壊しつつ進もうじゃないか。

罠の中には老朽化し、駆動が怪しいものもあるだろう。
ならばいっそ破壊してしまった方が安全だし、手っ取り早い。
時には叩き割り、時には切断し、時には部屋をまるごと叩き潰し。
着実に歩みを進めよう。



●正面突破
 洞窟を前に、グローリーは腕組みをしたまま深く息を吸い込んだ。
「竹林の賢者であるジャイアントパンダだからこそ分かる。忍者屋敷というものは生半可な事では踏破不能。無数の罠が仕掛けられたジャパニーズラビリンスと言えよう」
 だが、とグローリーがカッと目を見開く。
「おれもまた、かつて通信教育で忍術を学んだ男。無人の屋敷を突破するだけならば、やりようはいくらでもある」
 そしてグローリーは、自信満々で洞窟内に足を踏み込んでいった。
「む?」
 さっそく足元に仕掛けられていた荒縄が足首に巻き付くと同時に跳ね上がり、グローリーを宙づりにする。
「さっそく罠か。だがパンダ流忍術のひとつ、斧遁の術の前には無意味」
 グローリーが、どこからともなく取り出した斧を振るうと、荒縄はあっさり千切れた。
「罠の中には老朽化し、駆動が怪しいものもあるだろう。ならばいっそ破壊してしまった方が安全だし、手っ取り早い」
 グローリーは斧を縦横に振るい、部屋全体を破壊しながら前進を開始した。
 ある時は天井から降ってくる槍を弾き飛ばしついでに天井を破壊し。
 ある時は狭い通路で前方から転がってきた岩を斧で真っ二つにしながら、着実に歩みを進めていく。
 その道程は、確実に後から続く猟兵達の安全地帯を生み出していったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベール・ヌイ
「ぬぃーん・・・鬼じゃないのか・・・」

残念そうにしつつお仕事には手を抜きません
【楽器演奏】で【誘惑】した動物さんに【動物会話】でお願いして罠のありそうなところを教えてもらいましょう
ご褒美にきび団子(ペット食用可能)をあげればきっとやる気出ますよね
念の為ゴリラ召喚して前を歩いてもらっておきます
漢探知?いいえ、ゴリラ探知です


霧城・ちさ
洞窟には罠がいっぱいあるみたいですわね。私は罠を作動させないように罠を探しながら進みますの。可能であれば解除を試みますわね。何度も作動するような罠でしたら目印をつけていきますわね
進むと危なそうな場所を見つけたらうさぎさんを呼び出して確認してみますわっ
罠の解除に複数の人が必要な時とかありましたら協力して対応しますわね



●動物たちの行軍
「ぬぃーん……鬼じゃないのか……」
 鬼に対して強い殺意を持つベールは、黒幕が鬼でなかったことに落胆の色を隠せなかった。だが、猟兵として仕事の手を抜くようなことはしないのが彼女の流儀だ。
 ベールが無音鈴を鳴らすと、洞窟の周囲にいた動物たちが集まってくる。動物と会話できるベールはさっそく、動物たちに洞窟内の様子を尋ねる。
 大半の動物たちは、洞窟内の危険を本能的に察知していて、入ったこともないものが大多数だった。しかし元々洞窟に住み着いていたネズミやコウモリたちは、洞窟内の様子に詳しい。ベールがご褒美のきび団子(ペット食用可)を差し出すと、罠の詳細とまではいかないが、罠のありそうな場所を教えてくれる。
「洞窟には罠がいっぱいあるみたいですわね」
 霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は、ベールが動物たちから聞き出した情報を元に、罠を避けるようにして洞窟内を恐る恐る進み始めた。
 もちろん、動物たちの話を全ては鵜呑みにせず、自分でも罠を探りながら進む。動物たちを信用していないわけではなく、動物相手では作動しなくても人間相手なら作動する罠もあるはずだからだ。
『今は亡き雷獣よ……どうかその力をここに……』
 ベールが、ユーベルコード【護理雷招来】を発動させ、雷獣ゴリラを召喚する。
「心強い護衛ですね」
 ちさからかけられた言葉に、ベールは小首を傾げた。
「護衛……? いいえ……これは漢探知……いいえ、ゴリラ探知です」
 そのままゴリラはずんずんと洞窟内を進んでいき……見事床に仕掛けられていた落とし穴にはまっていった。
「ぬい……、ここに……罠があった」
「ご、豪快な罠の見つけ方ですわね」
 ちさは周囲の仕掛けを調べて可能な範囲で罠を解除し、目印を付けていく。
「けれど、安全で確実な罠の探知方法だと思いますわ。私もお手伝いしますわね」
 ちさが『私のうさぎさん、一緒に探索してほしいですの』と呼びかけると、白と黒の2羽のうさぎが現れ、ゴリラの横に並び先頭を進み始めた。

 こうして、猟兵達の手によって洞窟内の大半の罠は解除された。
 だが問題は、目的の稲荷神社に通じる道が見つからないことだ。ここは元々は忍者の拠点だった場所。隠された通路でもあるのだろうか?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

仲佐・衣吹
オルタナティブ・ダブルで僕ことベストが分身に
本体は私ことウォッチがお預かりし、手分けして隠し通路を探しましょう

まぁ僕が罠にかかってもウォッチに助けてもらえばいいもんね。安心安心
……慎重に参りましょうよ

存外、入口の近くや罠の側などに見落としている箇所があるかもしれません
道中振り返りつつ洞窟の壁や地面天井などを調べてゆきましょう

僕は先へ進んで罠を解除しながら調べて行くよ
意外とこの落とし穴の先に横穴が、なんてことあるかもしれないよ?
とりゃー!
分身だからって無茶しないで下さい!!



●僕と私の探索行
 洞窟の入り口までやってきた仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)は、【オルタナティブ・ダブル】を使ってもう一人の自分を生み出していた。
「じゃあ、僕ことベストが分身を使わせてもらうよ」
「では、本体は私ことウォッチがお預かりします」
 衣吹の二つの人格が、それぞれに本体と分身を預かる。
「まぁ僕が罠にかかってもウォッチに助けてもらえばいいもんね。安心安心」
「……慎重に参りましょうよ」
 衣吹同士でそんな掛け合いをしながら、二人で手分けして隠し通路を探し始めた。
 大半の罠は既に、先に探索を開始した猟兵達によって解除或いは破壊されているため残されたものは数少ないとはいえ、油断は禁物だ。
「存外、入口の近くや罠の側などに見落としている箇所があるかもしれません。道中振り返りつつ洞窟の壁や地面天井などを調べてゆきましょう」
 ウォッチは慎重に、一箇所一箇所丁寧に隠し通路を探していく。一方、罠を解除しつつもずんずん先に進んでいったベストは、
「意外とこの落とし穴の先に横穴が、なんてことあるかもしれないよ? とりゃー!」
 と、自ら落とし穴に飛び込んでいった。
「ちょっと! 分身だからって無茶しないで下さい!!」
 慌ててウォッチが落とし穴に駆け寄り、穴の中を覗き込む。すると、
「あったー!!」
 穴の底では、ベストが満面の笑みでガッツポーズを決めていた。そして彼の指さす先には、確かに未発見の通路が先へと伸びていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

旗村・グローリー
抜け道を探してみよう。

成程、忍者屋敷ともなれば隠し通路のひとつやふたつやみっつやよっつ。
あってもおかしくは無いというわけか。
掛け軸をめくった場所にある抜け穴、井戸から繋がる地下通路。
畳をめくった先の抜け道、何気ない場所にある回転壁。等等だな。

破壊しながら来た道を引き返し、ジャイアントパンダの野生の勘で調べてみようか。
なに、魔術妖術の類が機能しているわけでも無さそうだ。
物理的に道が作られているとなれば、候補に挙がる場所は大体絞られると見た。
普段遣いにしているとなれば、必要以上に面倒な仕掛けを施すことも無いだろう。

おそらくはあと一息。
待っていろ狐、対面の時は近い。



●抜け道のその先へ
「成程、忍者屋敷ともなれば隠し通路のひとつやふたつやみっつやよっつ、あってもおかしくは無いというわけか」
 落とし穴の先に隠し通路が見つかったとの報告に、グローリーは深く頷く。
「ならば、ジャイアントパンダの野生の勘で調べてみるとしよう」
 そしてグローリーは、斧で洞窟内を破壊しつつ、来た道を戻り始めた。
「なに、魔術妖術の類が機能しているわけでも無さそうだ。物理的に道が作られているとなれば、候補に挙がる場所は大体絞られると見た。普段遣いにしているとなれば、必要以上に面倒な仕掛けを施すことも無いだろう」
 そして、これまで探索した範囲にこれ以上の隠し通路はないと判断すると、落とし穴に飛び込んでいく。
 落とし穴の先は、罠こそないものの複雑に入り組んだ迷路となっていた。
「一見迷路の先に出口があるように思えるが、恐らくそれもまやかしと見た」
 グローリーは、迷路の途上にあった畳張りの道場を、念入りに調べ始める。掛け軸をめくってみたり、畳をめくってみたりするが、通路らしきものはない。
「だが、こういう何気ない場所にある壁には、仕掛けがあるのではないのか?」
 グローリーが何箇所か壁を慎重に押していくと、果たしてそのうち一箇所がどんでん返しとなっており、さらに奥へと通じていた。
「おそらくはあと一息。待っていろ狐、対面の時は近い」
 その通路の先は山の頂上付近への出口となっており、洞窟を出た猟兵達は、遂に目的の稲荷神社を目前にしたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『妖狐』明日香
「あれあれ? こんなに一杯ここに人が来たのは初めてだね」
 稲荷神社から現れたのは、可愛らしい一人の少女だった。だが、その身から生える狐の耳と尻尾が、彼女が人間ではないことを如実に物語っている。
「うーん。山姥の仕業に見せかけて若い男の子たちを私の虜にしようっていう計画だったんだけど、中々うまくいかないもんだね☆」
 てへっと舌を出しながら、愛らしく首を傾げる少女。すると稲荷神社の中から、二人の若い男性が姿を現した。
「どうしたっぺ、明日香ちゃん」
「騒々しいが、何事でござるか?」
 一人は、いかにも農民風の若者。もう一人は、腰に刀を差した眼光鋭い青年だ。おそらく、行方不明になっていた村人の木之助と、武芸者の沖津だろう。
 二人とも、明日香と呼ばれた妖狐に魅了され、言いなりとなっているようだ。
「沖津さん、木之助さん。恐い人たちが明日香をいじめに来たの。でも二人が明日香を守ってくれるよね」
 瞳を潤ませ、上目遣いに二人にそうお願いしつつ、後退していく明日香。
「当然だっぺ! おいらに任せるずら!!」
「か弱き婦女子を寄ってたかって嬲ろうなど、人の道に外れし外道どもめ。拙者が成敗してくれる!」
 明日香を護るように立ちはだかる二人の影で、ほくそ笑みつつ鋏を構える妖狐。
 山姥伝説を悪用し、悪事を働く『妖狐』明日香との決戦が、始まろうとしていた。
霧城・ちさ
山姥の仕業にみせかける……山姥は存在しませんの?
妖狐もおしおきが必要そうですが若者と武芸者さんをどうにかしないといけませんわね
できれば傷もつけずに無力化したいですの。うまく気絶させるか押さえ込むしかありませんわね
うさぎさんを呼び出してそれぞれに向かってもらいますの
妖狐の相手は他の方におまかせしますわね


旗村・グローリー
狐に仕置きを。

山姥の伝説を利用したのは構わない。
多少の悪事を働くのも、まあどうでもいいと言えばどうでもいい。
問題なのはただひとつ。
ただの狐が自分のことをかわいいと思っていないか、という点だ。

かわいいアニマルランキングにおいてジャイアントパンダこそが不動の一位。
今年も一位だし、去年も一位だったし、間違いなく来年も一位だろう。
そのラブリーパンダちゃんを差し置いて、狐が、ただのきつねが。
自分自身をかわいいと思っているその傲慢さ、身の程知らずさ、井の中の蛙さ。
諸々含めての勘違いには、灸を据えなければならない。
改めて告げる。最もかわいいのはパンダだと。

怒りの斧で攻撃する。



●妖狐にお仕置きを
「山姥の仕業にみせかける……結局、山姥は存在しませんの?」
 ちさの問いを、『妖狐』明日香は蔑むように笑い飛ばした。
「ばっかじゃないの? 山姥なんて実在するわけないじゃない。でも村人たちは山姥の存在を信じ込んでたから、丁度いい隠れ蓑に使わせてもらったの。おもしろかったわよ? 明日香がなにやっても、ぜ~んぶ山姥の仕業だって、勝手に思い込んでくれるんだもん」
 心底おかしそうに笑い続ける明日香の前に、ずんとグローリーが踏み出す。
「山姥の伝説を利用したのは構わない。多少の悪事を働くのも、まあどうでもいいと言えばどうでもいい」
 グローリーの迫力に、武芸者の沖津と村人の木之助が身構えるが、グローリーは構わずに指を明日香に突きつけた。
「問題なのはただひとつ。ただの狐が自分のことをかわいいと思っていないか、という点だ」
「……え?」
 思わず明日香が間抜けな声を発するが、グローリーは構わずにさらに続ける。
「かわいいアニマルランキングにおいてジャイアントパンダこそが不動の一位。今年も一位だし、去年も一位だったし、間違いなく来年も一位だろう。そのラブリーパンダちゃんを差し置いて、狐が、ただのきつねが。自分自身をかわいいと思っているその傲慢さ、身の程知らずさ、井の中の蛙さ。諸々含めての勘違いには、灸を据えなければならない」
「えっと……何の話かな?」
「えっと……何の話ですの?」
 図らずも、明日香とちさの声がシンクロした。
「分かり難かったか? ならば改めて告げる。最もかわいいのはパンダだと」
 グローリーは、もはやこれ以上語るべき口は持たぬとばかりに、右手の斧を振り上げる。
「このパンダ……只のパンダではない!? だが、明日香殿は拙者が命に代えてもお守り致す!!」
「お、おいらだって、パンダなんか怖くないずら! むしろモフりたいべ!!」
 そんなグローリーの前に、決死の覚悟で沖津と木之助が立ち塞がった。
「妖狐もおしおきが必要そうですが、まずは若者と武芸者さんをどうにかしないといけませんわね」
 ちさは、(「このままだとグローリーさんの斧の錆にされてしまいそうですし」)と心の中でつぶやきつつ、【やさしくかわいい白うさぎさん】と【ワイルドでかっこいい黒うさぎさん】を召喚。そのままうさぎ達を、沖津と木之助に向かわせる。
「うぬ!? パンダの次は黒うさぎとは! 拙者を愚弄しているのか!!」
「だ、だめだ……おいらにはこんなにかわいいうさちゃんを殴ることなんかできねえべ!!」
 思わぬ増援の登場に戸惑う2人に、うさぎたちは容赦のない後ろ足キックを浴びせていった。
「できれば傷もつけずに無力化したいですの。うまく気絶させるか押さえ込むしかありませんわね」
 うさぎたちはちさの考え通りに沖津と木之助を無力化させるべく、鳩尾や首を狙ってキックを繰り出す。
「こっちはうさぎさんたちへの指示に集中しなければいけませんので、妖狐の相手はおまかせしますわね」
「うむ。思い上がった狐への仕置きは任せろ」
 沖津と木之助がうさぎ達の相手で手一杯になっている隙に、グローリーは一気に明日香との距離を詰めると、その勢いのままに怒りを込めた斧を振り下ろした。だが、明日香はその重い一撃を、手にした鋏で軽々と受け止める。
「パンダもうさぎも確かにかわいいけど、明日香の方がもっともっとかわいいんだよ☆」
 こうして、戦いの火蓋は切って落とされたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

麻古衣・紬
「若人を虜にするわ、ほくそ笑んで鋏ちょきちょきしてるやつのどの辺がか弱いのですかね……」

どうみてもあんなにアグレッシブなら、僕のほうがよっぽど、弱そうなものですが……。
それに、人の道から外れるって……まぁ、オブリビオンにそんなことあれこれ考えるだけ無駄ですね。
一応、彼ら若者達の言い分通りに人道に則して虜の若者には攻撃がいかないように、ウィザード・ミサイルで「妖狐」明日香を攻撃しましょう。
もっとも、若者が魅了されているのも妖狐の方を倒してしまえば解除されるかもしれませんし。


ベール・ヌイ
「山姥じゃないとか・・・どうでもよくなってきた・・・ゴリラさん・・・よろしく」

山姥じゃないので明らかにやる気がなくなってます。同族?なにそれ美味しいの?
とりあえずゴリラを実体化させて突撃させましょう。ハサミは双銃の【援護射撃】【クイックドロウ】【二回攻撃】【属性攻撃】(氷)でできる限り対処します。あとゴリラの攻撃が行かないように【誘惑】でこちらに注目させましょうかね、攻撃がきたら【激痛耐性】で耐えます
ゴリラが近づけれたらプロレス技を電撃付きかけてもらいましょう。ジャーマンスープレックスとかいかが?



●飛び交う鋏
「山姥じゃないとか……どうでもよくなってきた……ゴリラさん……よろしく」
 黒幕が山姥ではなかったことにすっかりやる気をなくしたベールは、【雷獣ゴリラ】の霊を召喚すると、ふわあっと大あくびをした。
「ちょ、ちょっと、やる気出して下さい。ほら、相手は妖狐の名を汚す悪い人ですよ?」
 紬があわててベールのやる気を引き出そうとするが、
「同族? なにそれ美味しいの?」
 ベールのやる気は全く戻らない。
「あれ? そこに明日香のお仲間がいるの? なら、あなたも明日香と一緒にここで楽しく暮らさない?」
 嬉しそうに手にした鋏を振り回しながら、明日香がベールに呼びかける。が、
「そんなことより……ねてる方が……楽しい。キミこそ……こっちにきて……いっしょにねよう」
 それは、人によっては何物にも勝る誘惑。だが、残念ながら明日香には通用しなかった。
「明日香のお誘いを断ったこと、後悔させてあげる」
 明日香がまるでジャグリングでもするかのように、複数の鋏を宙に投じると、それを一斉に投げつけ始めた。
「ぬい……めんどくさいなあ」
 ベールは次々と迫る鋏を、氷火双銃の早撃ちで次々と撃ち落としていく。
「若人を虜にするわ、ほくそ笑んで鋏ちょきちょきして投げつけてくるやつのどの辺がか弱いのですかね……」
 紬は(「どうみてもあんなにアグレッシブな狐より、僕のほうがよっぽど、弱そうなものですが……」)と心の中でつぶやきつつ、ウィザード・ミサイルで反撃を開始した。
「なによ、こんなもの!」
 明日香は投げた鋏で炎の矢を迎撃しようとするが、炎の方が数が多く、防ぎ切れない。
「お、おのれ! 明日香殿を火あぶりにしようとは、人の道を外れたド外道め!」
 黒うさぎさん相手に苦戦している沖津が、悔しそうに叫ぶ。
「人の道から外れるって……。まぁ、オブリビオンに操られてる人にあれこれ言っても無駄ですね。妖狐の方を倒してしまえば魅了も解除されるかもしれませんし」
 そして、紬と明日香が炎の矢と鋏を飛ばし合う中、いつの間にか明日香の至近距離まで接近しているものがいた。そう、ベールの召喚したゴリラである。
「え? いつの間に……!?」
「てきとーに……なげちゃえ」
 ベールの指示を受け、凄まじい力でガシッと明日香に組み付いたゴリラは、そのまま豪快にジャーマンスープレックスを決めたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

仲佐・衣吹
う~ん、可愛い可愛くないは人それぞれだもんね……
残念だけど、今回あの三人を魅了できたのは、たまたまだね。うんうん
自分の魅力に自信ありという明日香を侮辱しながら気を引くよ

そんなに自信があるなら、僕を熱くしてみなよ
剣をすらりと抜いて挑発するよ

避けたり斬ったりしながら逃げ回り妖狐の炎を使い切らせるよ
炎を使い切ったところで

やっぱり見る目がないじゃないか
分身の僕にばかり夢中になるなんてね

死角に回り込み攻撃力強化した本体のウォッチが斬りかかるよ


屋良・内夫
(乗っている宇宙バイクを軽くなでながら)
「洞窟ではこいつに活躍させられなかったから、
ここで名誉挽回と行こうじゃないか。」

少し離れたところからゴッドスピードライドを発動。
加速させつつジャンプして魅了された二人を飛び越える。

その後、妖狐めがけてフルスロットルで突撃。
「ひき逃げアターック!死ぬといいだろ!」

突撃後はターンして、妖狐の周囲を回って、様子を見ながら再度突撃。
これを繰り返す。



●裏の裏
「いたたた……もう、なんなのあのサル~」
 地面に叩きつけられた明日香が、顔をしかめて立ち上がりかける。だがそこに、
「洞窟ではこいつに活躍させられなかったから、ここで名誉挽回と行こうじゃないか」
 【ゴッドスピードライド】を発動させ、宇宙バイクをフルスロットルで加速させた内夫が突撃を仕掛けてきた。
「きゃあ!!」
 態勢の整っていない明日香にはその攻撃を回避する術はなく、直撃を受ける。その小柄な体が一気に10メートル近く吹き飛ぶが、明日香は空中で器用に回転し、なんとか着地した。
「ちょっと! かわいい女の子を車ではねるとか、おかしいんじゃないの!?」
 流石に明日香が怒りの形相を浮かべる。
「う~ん、可愛い可愛くないは人それぞれだもんね……」
 そんな明日香をことさらに挑発するように、肩を竦めて見せたのは衣吹……の中の人格の一つ、ベストだ。
「残念だけど、今回あの三人を魅了できたのは、たまたまだね。うんうん」
「なに。あんた明日香に喧嘩売ってんの?」
 見事に挑発に乗せられた明日香の周囲に、一つ、二つと狐火が立ち昇る。
「そんなに自信があるなら、僕を熱くしてみなよ」
 ベストが、ルーンソードをすらりと抜き放ち明日香に向けた。
「なら、明日香をバカにしたこと、後悔させてあ・げ・る」
 煽情的に微笑みながら、妖狐の火を投じ始める明日香。そして、火をある時はルーンソードで切り裂き、ある時は紙一重でかわしていくベスト。
「おっと、そっちにばかり気を取られてると危ないだろ」
 Uターンして戻ってきた内夫が、宇宙バイクを加速させつつ、うさぎに取り押さえられている沖津と木之助をジャンプして飛び越える。
「ひき逃げアターック! 死ぬといいだろ!」
 そして、再度バイクで明日香に特攻を仕掛けた。
「おんなじ手を、二度も喰らうわけないでしょ!!」
 3つの狐火を合体させて作り出した巨大な火の玉を身代わりにして、内夫の宇宙バイクの突撃から逃れる明日香。
 だが、そこに正面からベストがルーンソードで斬りかかる。
「もらったよ!」
「あ、明日香をなめないでよね!!」
 咄嗟に鋏で剣を受け止めつつ、残った2つの妖狐の火をベストにぶつける明日香。衝撃で吹き飛んだベストだったが、その顔には渾身の笑みが浮かんでいた。
「やっぱり見る目がないじゃないか。分身の僕にばかり夢中になるなんてね」
 そう言い残し、ベストの体が薄れていき――そして消滅する。いや、消えたのは【オルタナティブ・ダブル】で生み出された分身だ。
「なにそれ!?」
 そして、驚愕する明日香の背後には、衣吹の本体を預かるウォッチが迫っていた。
「本命はこちらです!!」
 【トリニティ・エンハンス】で強化されたルーンソードが、明日香の背中を切り裂く。
「きゃあああっ!!」
 思わず絶叫する明日香だったが、彼女の危機はそれだけでは終わらなかった。明日香の周囲を旋回していた内夫が、再び宇宙バイクで今度は正面から突っ込んできたのだ。さすがにかわす間も何かを盾にする間もなく、空中高く跳ね上げられる明日香。
「……許さない。あたしをこんな目に遭わせたお前達は、ズタズタに引き裂いてあげるんだから!!」
 直後、明日香の全身からまばゆい光が放たれた。そして見る間に、その姿が9本の尾を持つ巨大な狐に変じていく。
 野生の力を開放し、九尾の狐と化した明日香はストンと地面に着地すると、周囲の猟兵達を睨み据えた。
『あたしのこの姿を見て生きて帰った者はいない。お前達、全員皆殺しにしてあげるわ!!』

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

旗村・グローリー
狐に説教しよう。

かわいさを追求した結果、小さくなるのならばまだ分かる。
だがしかし、デカくなってどうするというのだ。
もはやそれではただのデカきつねではないか。
うどんに入れて食べるくらいしか道は残されていない。

ラブリー街道から脇道に逸れてしまったきつねに大いなる憐憫を。
戦斧を振るい、そのしっぽを一本一本切り落としていくとしよう。
多少は戦闘能力が向上しているようだが、まったくもって関係ない。
平成最後のかわいさ合戦から逃げ出した者など、恐るるに足らず。

すべてのしっぽを切り落とすべく、暴風雨となって荒れ狂おう。
さあ決着の時だ。


霧城・ちさ
狐さんも本気ですわねっ
生きて帰った者はいない。つまり今までいなくなった方はもう……
かわいさアピールだけならまだ許せましたが今後犠牲が増えないようにここで倒すしかありませんわっ
負けそうになって逃げるとかしませんわね?
ここで逃げられても困りますし警戒はしておきますわっ
皆様の力でここまでこれましたし最後まで戦いぬきますの
全力で攻撃して押しきりますわね
フェイントやカウンターも使ってしっかり追い詰めて撃破を狙いますの



●九尾、舞う
「狐さんも本気ですわねっ」
 九尾の姿と化した明日香と対峙したちさが、思わずその身を震わせる。
『うふふ、せいぜい怯えなさい。あんたたちみんな、燃やし尽くしてあげる!!』
 明日香は9本の尻尾の先に狐火を発生させると、尻尾を振って次々に炎を投じ始めた。たちまち、稲荷神社の周囲が炎に包まれていく。
「かわいさを追求した結果、小さくなるのならばまだ分かる。だがしかし、デカくなってどうするというのだ」
 その炎の中を、真っ直ぐに明日香の方へと歩みを進めるパンダが一頭いた。いや、ただのパンダではない。鉄斧を構えたグローリーだ。
「もはやそれではただのデカきつねではないか。うどんに入れて食べるくらいしか道は残されていない」
 そしてグローリーは、大きく振りかぶった鉄斧を、力任せに明日香目掛けて振り下ろした。
『かわいくないですって? 分かってるわよそんなこと! だからこの姿になるのは嫌なのよ! この姿を見たあんたたちは、絶対に生かして帰さないんだからっ!!』
 明日香は軽々とその一撃を回避。同時に明日香の尻尾のうち1本の先端が鋏のように変化し、斧を振り下ろした姿勢で固まるグローリーの腕を挟み込む。鋏はグローリーの腕に深く食い込み、激しい出血をもたらした。
「生きて帰った者はいない。つまり今までいなくなった方はもう……。かわいさアピールだけならまだ許せましたが、今後犠牲が増えないようにここで倒すしかありませんわっ」
 グローリーを鋏に捕らえたことで、動きが止まったのは明日香も同じこと。ちさは指先を明日香に向けると、『ジャッジメント・クルセイド!!』と叫んだ。次の瞬間、天から降り注いだまばゆい光が明日香を撃ち貫く。
『小癪な小娘っ!!』
 明日香は狐火でちさを牽制しつつ、その場から飛び退こうとする。だが、その尻尾はいつの間にか、グローリーにしっかりと掴まれていた。
「まだ説教は終わっていないぞ」
「!? こいつ!!」
「ラブリー街道から脇道に逸れてしまったきつねに大いなる憐憫を」
 言うや、無造作に斧を尻尾に向けて振り下ろすグローリー。その一撃で尾の1本が、根元から千切れて地に落ちる。
『いやあああっ!! あたしの自慢の尻尾が!!』
 9本もある尻尾のうちの1本を切られただけではあったが、その一撃が明日香に与えたショックは大きかった。思わず放心した明日香に、ここぞとばかりに猟兵達が一斉攻撃を加えていく。
「多少は戦闘能力が向上しているようだが、まったくもって関係ない」
 そしてグローリーは、明日香の反撃の狐火や鋏の攻撃に晒されながらも、無慈悲なまでに正確な一撃を、次々と明日香に叩き込んでいく。それはさながら、荒れ狂う白と黒の暴風雨。そして斧が振るわれる度に明日香の尻尾が1本、また1本と千切れ飛ぶ。
『なんなの!? なんなのこれ!? なんであたしがこんな目に遭わないといけないの!?』
「まだ理解していないのか。平成最後のかわいさ合戦から逃げ出した者など、恐るるに足らず」
 もはや3本の尻尾を残すばかりとなった明日香に、グローリーが悲歎の想いを込めて斧を振り下ろした。さらに1本の尻尾が根元から切断されたその時。
『冗談じゃないわ! あたしは生きるの!! どんなことをしても面白おかしく生き抜いてやるんだから!!』
 地面に落ちた尻尾が、突如大爆発を起こした。
「む!?」
 立ち込める爆炎に、グローリーを始めとした猟兵達は明日香の姿を一時見失う。その隙に、明日香は全力で跳躍し、猟兵達の包囲を突破していた。
『危なかったけど、詰めが甘かったわね! 覚えてなさい。いつかきっと、復讐してあげるんだから!!』
 そう言い残し、そのまま飛び去ろうとした明日香だったが、
「まさか、負けそうになったからって逃げるとかしませんわよね?」
 いつの間にか先回りしていたちさが、【魔法のピコピコハンマー】を全力で明日香の鼻頭に叩き込んでいた。
『きゃんっ!!』
「ここで逃げられても困りますし、警戒しておいて正解でしたわっ」
 逃走の可能性を想定して行動していたちさは、機先を制され動揺する明日香に、追い打ちとばかりに指を突きつける。
『ま、まって!! やめなさい!!』
「皆様の力でここまでこれましたし、最後まで戦い抜きますの。『ジャッジメント・クルセイド!!』」
 直後、天から降り注いだ裁きの光が、明日香の胸を貫いていた。
『きゃああああああああああっ!!!』
甲高い悲鳴を最期に残し。『妖狐』明日香はその場にドウッと倒れ、息絶えたのだった。
「む? 拙者は今まで何を……」
 明日香に魅了されていた武芸者の沖津と村人の木之助が、我に返ったように周囲を見回す。
 こうして、山姥伝説を悪用して自由気ままに悪事を働いてきた『妖狐』明日香は討伐され、山深くの小さな村には、再び平穏が戻った。
 猟兵達は村人達に惜しまれつつも、帰路へと着いていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月11日


挿絵イラスト