エンパイアウォー⑤~人惹く煌めき~
Q.戦に必要なものを何か一つ挙げよ。
A.金銭。
「身も蓋もない話だが、エンパイアウォーにて金子が必要になった」
水着姿の幽暮・半月(一葉・f00901)は真剣な声で話を始めた。
オブリビオン・フォーミュラ織田信長。彼を倒すべく徳川幕府は戦いを始めた――までは良かった。
なのだが、兵糧を始めとした補給物資が足りない。魔軍将の一人、大悪災『日野富子』が大規模な買い占めを行ったがために価格が青天井で跳ね上がっているのだ。
故に、神君家康公の遺した埋蔵金を入手し購入に充てる――それが今回の任務であった。
「場所は地図があるから簡単に行けるだろう。その後が問題なのだ」
とある大規模な洞窟の一番奥、浅い地底湖のど真ん中に一つの祠。最早忘れられたであろうその中に櫃は鎮座していた。これが家康公の残したものだ。
大きさだけなら簡単に持ち上げられそうだが、実際に持ち上げることはできない。単に重量があるから、ではなくどんな力自慢でも持ち去ることは叶わない。
この櫃は謎かけを解かないと開けられず、動かすこともできないのだ。家康公が盗掘を防ぐために施した仕掛けだという。
「岩石の天井にヒントと思われる文字がでかでかと掘ってあってな」
『星、時、魚、鯱』
『力、柔、性、毅』
『英、板、蝋、榴』
「……うむ、俺にはもう分かったぞ。とてもかんたんだ。かんだんだろ?」
ほぼ確実に分かっていないであろう、棒読みの半月は一人納得したような小芝居を始めた。
「いやーでもその場に行って読んだものがちゃんと考えて解かないといけないようなのだなこれが、だから俺は答えも教えられんのだ、実に惜しい、本当に惜しいなー」
自分は分かっているアピールがしつこい半月であったが、猟兵たちの冷ややかな視線に気付いて気管も無いのに咳払いをした。
「とにかく、エンパイアウォーに勝つには必ず手に入れなくてはならん。頼んだぞ」
赤城
赤城と申します。よろしくお願いします。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●注意事項
プレイング中に必ず『謎の答え』とその理由をお願いします。また、謎ときに頭をひねったり正解不正解が分かった時のリアクションなどもあると書きやすいです。
必要な👑数が3なので、事故らないようにある程度届いたらまとめて執筆したいと思います。
正解者が複数いた時は協力して解いたみたいないい感じになります。
それでは楽しいプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
こういうのはな、コード『操演』にて蜘蛛型ドローンのオクタビアスくんを呼び出し、サムライエンパイアの言語データベースにアクセスするのが一番じゃよー!
……なるほど、わかったぞ!
これはそれぞれの文字列に共通した二文字熟語を割り出し、三つの漢字から成る一つのキーワードを完成させよということだったのじゃな!
ならば「金」「剛」「石」で金剛石!
ダイヤモンドパワー!
埋蔵金に相応しいリッチな合言葉ではないか。
さあ、お宝とご対面じゃぜー!
フェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ
ん。謎解きね?得意なのだわ。塔の中でもなぞなぞの本は読めたから。
えぇと、かんじ……かんじは苦手なのだわ。おさむらいさんはよくこんなちまちました文字を書けるのだわ……
……うん。
多分わかったのだわ。
金星・金時・金魚・金鯱。
剛力・剛柔・剛性・剛毅。
石英・石版・石蝋・石榴。
金剛石。ダイアモンド、なのだわ?
光に当てるとキレイだけどわたしはアレキサンドライトの方が好きなのだわ。
さてな。運び出しのお時間だわ。
シュークンチュク、ドゥヴィゲーシャ(くるみ割り人形、前進)!
さ、後は彼らに任せるのだわ。
わたし?わたしはティーポットより重いものは持てないのだわ。
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆心情
んー察するにそれぞれの文字群に
共通の文字が当て嵌める系の謎解きですよねー
◆行動
其れならば【WIZ】的に【世界知識】で導き出せます
判り易いのは最後のカテゴリーの『榴』
恐らくは石と繋げて『石榴』
それぞれ『石英、石板、石蝋、石榴』で問題無さそうですしね
次は最初のカテゴリーの『星』と『魚』
金と繋げれば『金星』『金鯱』
やはり『金星、金時、金魚、金鯱』と全て神君がご存知のものです
此処までくれば『金◯石』で後は簡単
『剛力、剛柔、剛性、剛毅』となるので
正解はダイヤモンドこと『金剛石』ですね
うふふ、埋蔵金にも煌めく宝石がありそうな気がするのですよ
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
どこかから水が染み出しているのか、ぴちょん……と澄んだ音が洞窟の中に響いた。
謎の彫られた天井を仰ぐのは三人の猟兵、にも関わらず瞳が二対きりなのは一人がブラックタールだったからである。
「ん。謎解きね? 得意なのだわ。塔の中でもなぞなぞの本は読めたから」
嘗て高い塔の中に閉じ込められたフェドーシヤ・ロゼストベンスカヤ(光の娘・f19067)は、今は頭上を仰ぎ見ている。ランタンに照らされ、それでも影の色濃い洞窟の中で銀の髪に銀の瞳、人形を思わせる白い肌はよく目立っていた。
反対に灰色スライムな黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は、考え込むように軽く縮んだり戻ったりしていた。
「んー察するに、それぞれの文字群に共通の文字が当て嵌める系の謎解きですよねー」
「きっとそう、えぇと、でも、かんじ……かんじは苦手なのだわ。おさむらいさんはよくこんなちまちました文字を書けるのだわ……」
なぞなぞは得意でもそこは九歳、じっくりと天井とにらめっこする構えである。その横で胸を張ったのは神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)だ。
「そういうのは妾に任せておけ!」
灰色の髪と黒いゴスロリ服を揺らしてはきはきとユーベルコードを詠唱すると、カシャカシャ音を立てて現れたのは蜘蛛型ドローン、その名もオクタビアスである。
「オクタビアスくんじゃ! こうやってサムライエンパイアの言語データベースにアクセスするのが一番じゃよー!」
主が自慢げに紹介する間にもオクタビアスは仕事を開始し、壁に膨大な量の漢字を投影し始めていた。フェドーシヤが興味津々と言った態で壁に近付き、アマミも少し前かがみになって考える。
「それぞれの文字列に共通の文字を割り出し、三つの漢字から成る一つのキーワードを完成させよということじゃな? ……ふむ、これは二字熟語から成る可能性が高そうじゃ」
「判り易いのは最後のカテゴリーの『榴』ですよね」
ミコもまた興味深げに壁を見やり、今まで吸収した己の知識と照らし合わせながら思考を巡らせた。
『榴』と組み合わせられる漢字はそうそうない。ミコの声に反応してオクタビアスが『榴』を起点に文字を絞り込んでいく。
「恐らくは石と繋げて『石榴』でしょう、ということは……」
「他の字にも『石』をつけていけばいいかしら」
そうすると『石英、石版、石蝋、石榴』の四単語が投影され、プレゼンのスライドさながら『石』の字がぴかぴか輝きながら隅っこへと移動していく。
「……ザクロ、くだものなのにどうして石が付くのかしら……」
「言われてみればそうじゃの。何故そんなことになったのじゃ?」
素直な好奇心をぽつりと呟き、年少の二人は謎解きとは少し外れた部分に首を傾げた。その様子にふふ、とミコから笑い声が零れる。解説しようかとも思ったが、果たして自分の知っている知識とサムライエンパイアの語源は同じなのだろうか、と躊躇して謎解きに思考を戻すことにした。
「次は最初のカテゴリーがいいでしょうか」
「最後が石だから、それっぽい漢字になりそうじゃ」
オクタビアスが『石』の文字だけ残して新たに単語を並べていく。
フェドーシヤが壁から一旦目を離し、謎かけを確認すると再び壁に戻る。そうするうちに『それっぽい』単語が絞り込まれていて仕事の速さに目を瞬かせ――その単語は視界に入った。
ぱっと気付いただけの、直感に従った判断というのは案外馬鹿にできない。見つけたそれが正解であると気付いて言葉に出した。
「『金』……?」
「『金』。確かに金星、金時、金魚、金鯱……全て神君がご存知のものです」
『金』の字もまた投影画面の隅っこへ。頷くようにミコはぷるんと体を震わせた。
「此処までくれば『金、ナニカ、石』で後は簡単ですね」
「最後の一つは『剛』じゃな!」
アマミが自信満々に後を引き取った。何故すぐに分かったと言えばそこは『剛』力の羅刹である。
そうして浮かび上がった単語に三人は頷き合った。
「つまりこれは……ダイアモンド、なのだわ?」
「ダイヤモンドパワー! 埋蔵金に相応しいリッチな合言葉ではないか」
「ダイヤモンドですね」
オクタビアスの投影を消すと壁から離れ、祠に向き合った。そうしていっせーのーせ、と三人は合わせて。
「答えは『金剛石』!」
見た感じは何も変わらない。すわ不正解か、と緊張が走ったが、古いものが軋む音が祠から響いた。それが鍵の開いた音であると察するや否や、アマミはぱちゃぱちゃと足元の水を跳ね上げながら駆けていく。
「さあ、お宝とご対面じゃぜー!」
「シュークンチュク、ドゥヴィゲーシャ(くるみ割り人形、前進)!」
祠に乗り込む羅刹の少女に続いて、神の少女が召喚した人形たちが几帳面そうな動きでついて行く。祠の階段で立てるかたかたという音が可愛らしい。
ミコは黒っぽい体でランタンを掲げつつ銀髪の少女に尋ねた。
「フェドーシヤさんは行かないんです?」
「わたし? わたしはティーポットより重いものは持てないのだわ。ミコさんは?」
「アマミさんがとても楽しそうでつい、眺めていたくなるんですよ。それに光源はしっかり持っていた方が危なくないですしね」
そう会話する間にも、アマミがくるみ割り人形と協力しながら既に持ち出してきている。指示するような声ははしゃいでいるのがはっきりと分かる、元気な声だ。
「うふふ、埋蔵金にも煌めく宝石がありそうな気がするのですよ」
「アレキサンドライトもないかしら……」
「キラキラ光るお宝ゲットなのじゃー!」
大成功
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