エンパイアウォー⑤~権現様と知恵比べ
寛永三方ヶ原の戦いを制し、猟兵達が手に入れたるは『第六天魔軍将図』。
記されし八名はいずれも名だたる面々ばかり。
その一人である「武田信玄」以外の者共を率い、第六天魔王が動き出す。
時の将軍である徳川家光はこの危機に立ち向かうべく挙兵。
魔王の居城そびえし、肥前の国・島原へ向けて行軍を開始した。
●
「……行軍開始したんはエエんやけど」
蓮条・凪紗(魂喰の翡翠・f12887)は軽く苦笑いを浮かべた。
自分の故郷たる世界の一大事とは言え、祖父の代はまだ戦が行われていたと聞く。その前も、その更に前も、戦を経て今の時代がある。ならば、現状を嘆く暇はない。
「行軍って人数仰山おるさかいな。兵糧なんかの補給物資は幾ら有っても足らないくらいなんやけど――なんや、値段が突然クソ高くなったらしゅうて」
これも魔王軍の仕業である。魔軍将の一人、大悪災『日野富子』がその莫大な資産を駆使して必要物資を買い占めてしまい、意図的に価格高騰を引き起こしているらしい。
「このままやったら幕府軍の動員どころやない。って訳で、上様は虎の子のアレを使う事になさったんや」
徳川埋蔵金――! 神君家康公が幕府の有事の為に隠し遺したという噂のアレである。
その埋蔵金を使い、物資を調達して行軍の憂いを断つ。
「皆には上様より拝領した地図を元に探しに行って欲しい。ただ行くだけのお使いやないのが厄介なところなんやけど……」
埋蔵金の盗掘を防ぐため、その場所には謎が示されている。
家康公との知恵比べ……とでも言ったところか。
「そんな訳で、埋蔵金発掘クイズに挑戦する奴、大募集」
●
地図に示された場所に行けば、明らかに人の手が入った洞窟が木々や岩で隠されているのが見つかった。そっと中に入って行けば、湿った空気とカビた匂いの奥に大きな石扉のようなものが見えた。
そっと手をかけてみるも、押しても引いてもびくともしない。
その大きな一枚岩の側には小さな金属板が11枚。
『中タ二木ソタ人心一力月』
そして脇にはこう書かれている。
『彼の者の名を宝の守護と成す。その名を識り、敬を抱きて呼べば道は拓かれる』
成る程、これが謎と言う訳か。
恐らくある人物の名を導き出し、敬意を持って声に出せば開く魔術的仕組み。
さぁ、謎解きの時間だ。
天宮朱那
=============================
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
天宮です。京都にある信長と秀吉祀った神社はお参り済み。東照宮もいずれ行きたい。
そんな訳で、エンパイアでの戦争開始。
プレイングには『謎の答え』を書いてください。
ただ答えるだけではなく、それの解説でも考えたり答えを思い付いた台詞など、キャラクターらしい行動がありますとリプレイでも生き生きと動けるかと。
扉の奥、埋蔵金を発見のリアクションもあったらいいなぁ。
正解先着3~4名様が最大人数。ただし答えのみでキャラ行動が余りに乏しい場合は採用が難しいのでご承知置きを(描写が難しいので)。
日程とか何かあればマスター紹介ページに記載します、ご参照を。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
|
POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
👑3
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【WIZ】使用
・アド/絡◎
■解
・本多 忠勝様
■解法
・金属片の文字を組み合わせて、別の文字を作る
1:来+一=本
2:タ+タ=多
3:中+心=忠
4:月+ソ+二+人+力=勝
■行動
成程、しっかりと検討してみましょう。
「彼の物の名」というからには、この問題の解は「家康公が信を置く誰かの名前」になるはずですねぇ。
でしたら、この「11文字」は「3~5文字程」の漢字に置き換えられる可能性が高いですぅ。
一番解り易いのは「タ+タ=多」、この文字が入るお方となりますと、徳川四天王のお一方、本多忠勝様ではないかと思いますぅ。
無事に発見出来ましたら、喜ばしいことですぅ。
早く届けた方が良いですし、急ぎましょうかぁ。
ステラ・エヴァンズ
謎解き、ですか…戦働きよりはお役に立てるかもしれません
頑張ってみると致しましょう
ほむ、この11文字を組み合わせて人の名を示せばよろしいご様子
では、少し組み合わせたりしてみながら考えてみましょう
それなりにアタリをつけていきましょうか
彼の家康公が守護にと言うのであればそれはきっと徳川の家臣に違いなく
それでいてこの大役を任せるのであれば…徳川四天王の何方かと思った方がよろしいか
ああやはり、そうでありましたか
木に一で本
二つのタで多
中と心で忠
月にソ、二、人、力で勝
…本多忠勝様こそが守護者で相違ありませんでしょう?
埋蔵金が出てきたら驚きはしますがそれより安堵を
無事に己の務めを果たせたようでございますから
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆心情
んーこういう時に守護者となるのは
神君が頼りにされていた方の様な気がするのですよね
◆行動
其れならば【WIZ】的に【世界知識】で導き出せます
木と一で「本」
タとタで「多」
中と心で「忠」
月とソと二と人とカで「勝」
徳川四天王の一人にして名槍蜻蛉切の持ち主
武功に事欠かない「本多忠勝」公その人ですね
私自身も槍の使い手ではありますが
その域までは達してませんしね
まぁ、細かい話は良いのです
徳川の世、いいえこの世界の為に此方の埋蔵金はお借りしますね
出来ればちょっとだけ仕合ってみたかったですが・・・
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
藤代・夏夜
UDCアースじゃたまに埋蔵金特番やってるけど、
まさか私がそれに挑戦するとは思わなかったわ
家康公も天国から埋蔵金特番見てたりするのかしら
儂の埋蔵金まーだ探しとるんか、みたいな
いけない、そういう妄想は後ね後
謎解きしましょ!
徳川家康公が遺したものに通じるヒントだし、
答えは家康公に近い人…信頼をおいてた家臣の名前かしら?
…ハッ、ちょっと待って!
…アツイ信頼をおいていた家臣…忠義…主と従者…つまり主従モノ!
やだ凄い萌えてきたわ!
萌えも知力に変えて考えたおかげかしら
木と一で本、中と心が忠
このヒント、徳川四天王・本田忠勝さんの漢字をバラした文章よ
花も実も兼ね備えた武将とうたわれし本田忠勝様
って呼んでみましょ
「UDCアースじゃたまに埋蔵金特番やってるけど……」
藤代・夏夜(Silver ray・f14088)は洞窟の中をくるっと見回しながらもテレビ番組でやってたあれを思い出す。まさかそれに挑戦するとは思いもよらず。
「家康公も天国から埋蔵金特番見てたりするのかしら。儂の埋蔵金まーだ探しとるんか、みたいな」
「さぁ……良く存じ上げませんけども……」
ステラ・エヴァンズ(泡沫の星巫女・f01935)は首を傾げた。世界も時代も違えばジェネレーションギャップとか言うレベルではなく。
現代っ子の夏夜に、中世世界のステラ。そして――。
「んー……こういう時に守護者となるのは、やはり神君が頼りにされていた方の様な気がするのですよね」
スライム……ではなく、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)がぷるぷるとタールの身を震わせながら金属片を見つめている。
「成る程、しっかりと検討してみましょうか」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の胸も負けじとぷるぷる揺れている気がするのは気のせいか。唯一いた男が夏夜で良かった気もする。
「は、いけない、そういう妄想は後ね、後。謎解きしましょ!」
どーいう妄想に発展していたかは不明だが。彼の言葉にステラもこくりと頷いた。
「戦働きよりはお役に立てるかもしれません。頑張ってみると致しましょう」
「ほむ、この11文字を組み合わせて人の名を示せばよろしいご様子」
早速文字の刻まれた金属片をカチャカチャ動かしてステラは言う。
「では、少し組み合わせたりしてみながら考えてみましょう」
「彼の者の名……と言うからには、この問題の解は『家康公が信を置く誰かの名前』になるはずですねぇ」
るこるが推測を口にすると夏夜も頷き。
「徳川家康公が遺したものに通じるヒントだし、信頼をおいてた家臣の名前かしら?」
「そうですね、彼の家康公が守護にと言うのであれば、徳川の家臣に違いなく」
ステラもこくりと頷いた。先程、ミコも同様の推測を述べていた。となると、だ。
「この11文字は3~5文字程の漢字に置き換えられる可能性が高いですぅ」
それなりにアタリをつけて、漢字になる組合せを考えて見る。
「これを二つ合わせて――」
タ+タ=多
るこるが作った一文字。一番解りやすい組合せにして、そこから連想しやすい名前が4人の脳裏には存在した。
「この大役を任せるのであれば……徳川四天王の何方かと思った方がよろしいかと思ってましたが」
ステラが言うと、三人も頷いた。答えの推測は出来ている。後は組合せを作って間違いがないか検証するだけだ。
そして――4つに仕分けされた金属片がそこに並べられた。満足げにステラは頷く。
「ああやはり、そうでありましたか……」
1:来+一=本
2:タ+タ=多
3:中+心=忠
4:月+ソ+二+人+力=勝
「徳川四天王のお一方」
「武功に事欠かない……かの天下三名槍が一つ『蜻蛉切』の持ち主」
「花も実も兼ね備えた武将とうたわれし――」
『『 本多忠勝様!! 』』
四人の答えを言う声が重なる。それは戦乱の時代において家康公を支えた四天王の中でも特に武に秀で、戦においては傷一つ負わなかったとも伝えられる勇猛な武人の名。
これ程、守護において心強い存在はいないだろう。故にその名を言霊として此処の封印の術式に用いたのだろう。
果たして、重い石扉ががたんと大きな音を立て横にスライドしていくのが見えた。
「きゃっ、正解! そうね、アツイ信頼をおいていた家臣……忠義……主と従者! つまり主従モノ!」
こんな形でも忠義を貫いているのかと思うと、夏夜は激しく萌えを感じて一人きゅんきゅんしている。
「私自身も槍の使い手ではありますが、忠勝公の域までは達してませんしね……」
ミコは少し残念そうに呟いた。もし彼の武人と出会えるような事があえば、ちょっとだけでも仕合ってみたかったなんて心の片隅で思いながら。
「まぁ、細かい話は良いのです」
ぷにぷにと揺れながら、ミコは扉の奥を覗き込む。そして驚いたように固まった。
「うわぁ……」
「凄いですね、これは……」
後に続いたるこるとステラも感嘆の息を飲む。
そこには暗い洞窟の中にも関わらず、輝きを煌びやかに放つ金の延べ棒が大量に詰んであったのだから。
「無事に発見出来たのは喜ばしいことですぅ」
るこるは他に罠が無いかを見回してから延べ棒を一つ手に取った。ずっしりとした重量。間違い無くこれは純金そのものだろう。
「無事に己の務めを果たせたようで、何よりです」
ステラは安堵したのか大きく息を吐いた。
「さ、早く届けた方が良いですし、急ぎましょうかぁ」
「おっけ、力仕事なら任せて☆」
るこるの元気な声の促しに、夏夜も延べ棒を大量に持ち上げた。
去り際に。ミコは先程の金属板が置かれた場所に向け、小さく一礼してから誰かに向けるように言葉を紡ぐ。
「徳川の世……いいえ、この世界の為に、此方の埋蔵金はお借りしますね」
家康公、そして忠勝公。今の時代を築き上げた英雄達への敬意を籠めて。
――必ずや戦に勝利を。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵