エンパイアウォー①ニンニンメテオ防衛戦!!
●流星を模した忍びの進軍
サムライエンパイア。
進行する徳川軍を襲う流星のごとき煌めき。
「ッ!?」
そこに墜ちるは、隕石だった。轟音を立て落っこちてきた隕石……否、オブリビオン。忍びのような姿をしているが、其れは人間ではなかった。
「徳川の者らの好きにさせてはならぬ。往くぞ」
静かに言って、忍びたちは徳川軍の兵士らを血祭りに上げていく───。
●風魔忍法隕石落としを阻止せよ!
所変わってグリモアベース。
肉球マークが特徴的なグリモアを輝かせ、表情を曇らせる狐獣人の少年がそこにいた。
「みんな大変だ!今すぐサムライエンパイアへ向かって欲しい……!!」
焦燥感に駆られ取り乱した様子の妖狐の少年は、石狩・和人(秘める想いは護るべき友の為に・f06901)だ。
「とうとう第六天魔王『織田信長』が進軍を開始したらしいんだ。対処するべく徳川幕府が兵を挙げて魔空安土城に軍を出したというんだが……」
徳川幕府軍は、この国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍もあわせ幕府軍10万を招集。
幕府の総力をあげて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出しましたというのだ。
「第六天魔王『織田信長』を撃破する為には、この徳川の軍勢は是が非でも必要になる。行軍する徳川幕府軍を、信長軍の攻撃から守りつつ、行く手を阻む信長軍の魔軍将達と戦って欲しいんだ」
グリモアでスクリーンを移しながら、狐少年は説明を続ける。
「『魔軍将』の一人である戦国の世の関東で暗躍していた風魔忍軍の棟梁、百面鬼『風魔小太郎』は、集結しようとする江戸幕府軍を壊滅させるべく、『風魔忍法隕石落とし』を実行に移したらしい」
各所で予知されるこの隕石落としを阻止する事が出来なければ、徳川幕府軍は軍勢を集結させる事に失敗してしまう。そうなってしまえば充分とは言えない戦力で信長軍との戦いに赴く事になり、徳川軍は苦戦を強いられることになってしまう。
「君たちには、この『風魔忍法隕石落とし』を迎撃することで徳川幕府の軍勢の混乱を防いで、万全な状態で決戦に赴けるように手助けしてもらいたい」
和人は、苦虫を噛み潰したかのような表情のままグリモアを転送モードへ移行させると。
「幾千もの戦を乗り越えた君たちが頼りだ。よろしく頼む……!!」
君たち猟兵は静かに頷くと、和人のグリモアから放たれる優しい光に包まれたのだった。
不知火有希哉
●注意!!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
おはこんばんにちわーうるふ!
活動縮小するつもりが戦争になってしまったんで再び筆を取った不知火有希哉です!
今回はサムライエンパイアの戦争一発目ってことでシナリオを出させていただきました!……22作目か、早いなぁ(しんみり)
●補足
このシナリオは【集団戦】となります。
3~10体程度のオブリビオンが“風魔忍法”によって隕石の弾丸となって降り注いでくるので、その被害を抑えるよう行動を起こしてください。
迎撃が成功させると、隕石から本来のオブリビオン姿に戻るので、それを撃破してください。
●プレイングについて
通常の集団戦に加えて『落下してくる隕石』に対する対応も行う必要があります。
方法、手段は猟兵である皆様におまかせします!
…というわけで、今回もよろしくおねがいします!
第1章 集団戦
『妖魔忍者』
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POW : 忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナイツ・ディン
「自爆特攻……なるほど忍者。」
『いや違うんじゃないかしらね……?』
なるほど、と頷くナイツと呆れるような蒼竜の『ローア』
隕石に対しては視力、スナイパーを使ってフェアリーボウで撃ち落としを試みよう。貫通はしなくてもダメージ与えれば弱まるかもしれないしな。
近くに落ちてくるのであれば【竜の水鏡】で相殺だ。
戦闘時は紅の竜槍ディロで武装しながらローアのサポートで立ち回る。薙ぎ払いで殲滅しながら、遠隔での忍法鬼火を【竜の水鏡】で防いでいく。
「火を水で反射するってのもおかしな話だ。」
『竜たるもの、この程度の奇跡は起こせて当然よ?』
得意げなローア。あんまり表立って戦闘しない竜だけど、やはり戦いは好きなのか…?
●妖精騎士は蒼い龍と共に
グリモア猟兵の狐少年に転送され、その地に降り立った妖精の男性と追従するは美しい雌の蒼龍。
彼、ナイツ・ディン(夏の褐色妖精・f00509)と寄り添う『彼女』は竜槍の一本、蒼竜のローアだ。
「自爆特攻……なるほど忍者ならではか?」
『いや、それは違うんじゃないかしらね……?』
なるほど、と頷くナイツと呆れるようローアは溜息を付きつつ。
「さぁ、仕事の時間だぜ!行くぞ、ローア!」
ナイツは颯爽とローアに飛び乗り、流星が落ちるであろうポイントに急行するのであった!
●流星襲撃作戦を阻止せよ!
風を切るようにポイントへ急行したナイツとローア。
「予知にあったポイントはこの辺だったと思ったんだが……」
グリモアに映されていた背景を思い出し、周囲のポイントをローアに指示して飛んできたものの、特に変化があるように見えなかった……のだが。
『あの輝き、何かしら……?』
先に気付いたのはローアだった。メラメラと燃えながら、こちら目掛けて墜ちてくるのは……隕石だろう。初発の弾数は…およそ6つ。
「アレか、隕石に化けた連中は!」
持ち前の視力で対象を捕捉したナイツは、弓『フェアリーボウ』を引き、狙い撃つ。
「喰らえッ!!」
ぎりり、としなる弓から放たれた一矢が、落ちてくる隕石を1個捉え、爆散させた。
「まずは1つ!!」
爆散した隕石が黒い霧になって消えたのをみて、対象がオブリビオンである確信を得る。
『ナイツ、一つ一つ弓で撃ち抜くのは時間が掛かりすぎるわ』
「わかってる!それでも、数は減らしたほうがいいだろ?」
もう一度弓を引いて放つものの、スナイパーの技術があっても逸れてしまった。こちらの攻撃に気づいて向こうも対応してきたか、火炎術による攻撃が飛んでくる。
「──それならローア、任せた!」
『貴方は貴方に囚われる。水竜を甘く見ないことね』
ユーベルコードの詠唱を挟み、『竜の水鏡(ミラーリング・アクアドラゴン)』を放つナイツ。飛んできた炎をローアによって作り出された水鏡から映し出された炎に掻き消されて。
残りの隕石が着弾し、忍びが出現。
「邪魔をするか猟兵……。ならばここで死んでもらおう」
自身の骨を利用した武器を手にしているのか、ぐじゅりと肉を裂く死の匂いを纏った忍びがナイツへ襲いかかる!!
「くそ、一筋縄にはいかねぇか!!」
『──ナイツ!!』
ローアに声を掛けられ、再び空を舞うナイツは紅の竜槍ディロを装備して忍び達を肉薄する!
「何ッ!?」
「甘いな、隙だらけだッ!!」
刹那のタイミングで交差し、薙ぎ払われたディロによる一撃により1体の忍びの胴体と下半身が吹き飛ぶ。
「──ガッ!!?」
吹き飛んだ一体が霧に消えてナイツは不敵な笑みを浮かべる。
「小癪なッ!!」
遠距離から飛んでくる忍法鬼火を『竜の水鏡』で相殺し防いで、更に数を減らしていく。
「火を水で反射するってのもおかしな話だけどな」
『竜たるもの、この程度の奇跡は起こせて当然よ?』
得意げなローアの自信満々な表情を眺めるナイツ。あんまり表立って戦闘しないローアだが龍ということもあって戦いは好きなのだろうか…?
ナイツが対応した隕石に擬態した侵略者を殲滅することに成功したが、コレで終わりではない。彼が空を見やると燃ゆる星はまだ流れてくる。
この『エンパイアウォー』はまだ始まったばかりなのだから───。
成功
🔵🔵🔴
田中・香織
隕石をアームズフォートの対空砲で迎撃するわ。
空中の相手なら対空砲が使えるあたしの得意分野だから。
地上に落としたら催涙ガスを撃ち込んで動きを封じた後、重機関銃(アサルトウェポン)とアームズフォートの大砲を撃ちまくって攻撃するわ。
今回は一緒に戦う人も多いから他の人とも積極的に連携して攻撃するようにするわ。
鈴木・志乃
いやだぁ
もう
たたかいたくない
ふーまこたろーきらい
(多数の戦場に参加しうんざりしている)
【隕石対策】
UC発動
255の大花火で迎撃かまします
さすがにこの数と威力、避けられないとおもうけどなァ……
通常戦闘でもUC続行【祈り、破魔、衝撃波、なぎ払い】
めちゃめちゃに荒らしてやろう
鬼火って怨念とか霊の具現化だって聞くけど
聖属性の攻撃効くんじゃない? ためしてみよー
敵攻撃は【第六感で見切り】光の鎖で【早業武器受けからのカウンターなぎ払い】
【オーラ防御】常時発動
必要に応じて【念動力】で周囲の破損して良い器物や土を嵐と化し
敵にぶつけたり壁として運用したりします
この戦争のせいであたし個人も
甚大な被害食らってんだよ
●少女たちの反乱(仮)
時を同じくして、妖精の男性と同じタイミングで転送されていた人影が1つ。
その姿は、特徴的な桃色の巻き髪を有ししていて。ぬいぐるみのヤドリガミの少女、田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)がそこにいた。
「隕石の破壊及びオブリビオンによる進撃の阻止命令……頑張らなきゃ、ね」
護るらねばならない使命感を抱いて、少女は立ち向かう。
「いやだぁ……もうたたかいたくないー…ふーまこたろーきらい……」
(´・ω・`)←こんな顔をしているオラトリオの女性が1人、少女の隣に立っていた。
多数の戦場に参加し疲弊しているのか、それともうんざりしているのか──。鈴木・志乃(生命と意志の守護者達・f12101)は少々疲れている様子であった。
●戦闘開始!
「アレね?攻撃目標の隕石って」
落ちてくる隕石を目標として定め、アームズフォートの対空砲を展開すると迎撃行動に移る香織。
その数、ぱっと数えただけでも11つはあるだろう。先の猟兵がある程度撃墜していたことを考えると、どうやら回数を分けて撃ち込まれているようだった。
「空中の相手なら対空砲が使えるあたしの得意分野だから……!」
キッと鋭く睨みつけてロックオン、もうひとつ叩き落とす。
「とはいえ、仕事は仕事!」
気を取り直して、志乃はユーベルコード『意志の花(ファイアーワークス)』で香織が撃ち漏らした残りの隕石を迎撃する。
およそ255発の大花火が、残った隕石群を消し飛ばした……様に見えたのだが。
「さすがにこの数と威力、避けられないとおもうんだけどなァ……」
隕石の偽装が剥がれ着地した忍び達を眺め愕然する志乃。潔く相手はオブリビオンだもんなぁと諦める。
「討伐しきれないなら、この手で滅するのみ!!」
「この小娘共も猟兵か……ッ」
苦虫を噛み潰したかのような顔でこちらを睨みつけてくるのは、迎撃され擬態が解けたオブリビオンの忍者たち。
「早速で悪いけど、あなたたちの好きにさせるわけにはいかないよ!」
好機と踏んだのか、アームドフォートから『催涙ガス(クロロアセトフェノン)』を撃ち込んで動きを封じに掛かる香織。
「こほっ…けほっ」
「小細工などしおってからに……!!」
(鬼火って怨念とか霊の具現化だって聞くけど…もしかして聖属性の攻撃効くんじゃない?)
ふと思案した事象は試してみたくなるよね?……ということで、物は試しで!
「残念、コッチは至って大真面目っ!」
忍びらの行動を阻害する目的で、志乃は花火を豪快にぶっ放す!
「遊んでるつもりかァ!!」
ぼぉっと放たれる魔炎は共闘してくれている少女がかき消す。
「援護はこちらに任せて」
「うん、お願いするね!」
志乃は光の鎖で忍びを対応しつつ、香織はアサルトウェポンの重機関銃を弾幕の様にバラ撒いて牽制。
「豆鉄砲に被弾する我らではないッ」
肉薄する忍びに一瞬怯えを見せる香織。しかし、それ自体が少女が仕掛けた罠であった。
「…甘いよ!」
隙を見せたと思わせたところに、掬い上げるようにしてアームズフォートの砲身を飛び込んできた忍びの鳩尾へ突き立て、砲撃。
「な、なにッ……!?」
勢い余って宙へ放り出された忍びが気付いたときには、既に下半身は消し飛んでいたあとだった。
「貴様らァ!!」
「おっとあぶないっ」
オーラ防御のお陰で魔炎は防御がある程度出来るが、実体攻撃は防ぎきれない。志乃は光の鎖を揺らし、忍刀による一閃を武器受けすることで防ぐ。
「お返しっ!」
カウンターの要領で振り払い、周辺の忍びごと鎖で薙ぎ払う。
「ぐはっ……!?」
「この戦争のせいで……あたし個人も甚大な被害食らってんだよぉ!!」
半泣きな表情を浮かべていた志乃はコレでもかと言わんばかりに、地に伏した忍びらを花火で追討ちするのであった。
「これでトドメです!」
ズドン!!と大きな音で放たれた最期の一撃。それは香織所有のアームドフォードの砲撃によって辺り一面一掃されていた。
とりあえず、お掃除は一段落……かな?
あとの残りは、別の猟兵に任せるとしようか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベルベナ・ラウンドディー
密偵出身で特技は破壊工作。この手の任務なら心得があります
バイクで追い回せないだけ難易度は上がりますが…
宇宙船の外壁に爆弾張り付けるのと同じ要領ですよね?
【破魔・空中浮遊・破壊工作・時間稼ぎ】
空中で接近、爆弾を仕掛けて退避…のちにユーベルコードで隕石を閉じ込めつつ、爆弾と炎で落下速度を削ぎながら粉砕します
…破魔の力が及ぶだけ普段より燃えてくれますが…どこまで上手くいくかな?
集団戦
【騎乗・串刺し】
一度見せたユーベルコードにハマってくるとも限らない
…よってバイクによる騎兵戦も想定しましょう
手練の者とて戦列を分断して各個撃破で臨めば此方が有利なはず
動きが鈍ったところを改めて結界内に封じ込め始末します
バロン・ゴウト
魔将軍達の好きにはさせないのにゃ。ケットシーの剣士、バロンがお前たちの相手にゃ!
隕石は怖いけど、【勇気】をもって挑むのにゃ。
【アイリスの嵐】を【全力魔法】でぶつけて迎撃するのにゃ!
妖魔忍者相手には敵の攻撃を【武器受け】しつつかわし、【フェイント】を織り交ぜながら隙をついて敵の急所を【串刺し】して、すかさずの【2回攻撃】にゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
●忍者鎮圧作戦!
一方、華の女性陣が暴れていた地域から少し離れたとある場所。
隕石に偽装した忍びたちが襲ってきて戦闘が行われるであろう予想ポイントに隠れているのは、別働隊の猟兵だ。
(密偵出身で特技は破壊工作。この手の任務なら心得があります)
左右に分かれた異なる色の髪に、黒い衣を身にまとう竜人が、顎に手を添え考え事をしていた。
彼の名はベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)という。
「バイクで追い回せないだけ難易度は上がりますが…宇宙船の外壁に爆弾張り付けるのと同じ要領ですよね?」
昔は元ヤンキーな優等生らしくやんちゃしていたらしいが、丁寧な物腰からは元ヤンキーという事実を微塵も感じることはできない……少なくても今は。
「魔将軍達の好きにはさせないのにゃっ」
一方、一緒にいるのは黒猫の少年バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)である。
2人は顔を合わせて頷くと、行動に移した!
●戦闘開始!
竜人である故にある翼を拡げ空中に舞うと、直接隕石へ接近する。
移動する黒い影が、連中に爆弾を仕掛けて退避…のちにユーベルコード『拘束結界生成(グレイプニル)』で結界を生成し隕石を閉じ込めながら、爆弾と炎で落下速度を削ぎつつ爆砕する。
「!?」
一瞬の出来事に、姿を顕にされた忍びたちに動揺が広がる。
「隕石は怖いけど、勇気をもって挑むのにゃ……っ!」
下から眺める小さな黒猫少年は、落ちてくる隕石の威圧感に声を震わせながら、装備したレイピアを高く掲げる。
「コレがボクの…全力魔法にゃーっ!!」
ユーベルコードを発動させると、レイピアをアイリスの花びらに変換して吹き荒れた。
ぶわりと勢いよく空へ舞うアイリスの花びらが、隕石の様な外装を優しく剥がしていく。
「しまった、外装が!?」
2人によって剥がされた忍者達は、地面に着地するなり体制を整え牙を剥いてくる。
「ケットシーの剣士、バロンがお前たちの相手にゃ!」
猫の体躯に合わせたレイピアを構えて、バロンが勢いよく飛び込んでいく!
「殺ッ!!」
忍者刀による一閃は黒猫の身体を捉えた様に見えたが、少年に傷はない。
「そんな攻撃当たらないのにゃ!」
ひょいひょいと小さな体を活かして避けたり、投げられた手裏剣をレイピアで武器受けで対処するバロン。
「隙だらけにゃ!」
鮮やかなフェイントを織り交ぜながら一瞬の隙を縫う様に足元へ接近するバロン。
後ろへ回り込んで踵骨腱へ素早い2回突き攻撃、更に2回攻撃で的確にダメージを与える。
「ぎッ!?」
蹴り払われる直前に飛び退き、距離を取る黒猫剣士。
「ッ……!ケダモノ風情が調子に乗るなッ!!」
激高した1体の妖魔忍者が、バロン目掛けて魔炎を吹きかけ襲い掛かる!
「にゃっ!!」
軽い身のこなしで忍者の肉体を駆け上がり、肩を蹴り上げ空高くジャンブ。
「ボクの全力魔法……もう一回食らえなのにゃーっ!!!」
渾身の魔力開放で放つ『アイリスの嵐』が、忍びたちを暴風で一気に巻き上げ、叩きつけた!!
「ぐはぁ!!」
バロンが一生懸命に暴れていたところに近づき、可愛らしくも勇ましい黒猫をヒョイと抱きかかえる竜の青年。
「バロンくん、この先は観ちゃダメですよ?変な音がしたりしても気にしないでくださいね」
「べ、ベルベナさん?わかったにゃー」
にっこり笑ってから、バロンに手で軽く目隠しすると。
「さぁ、貴方たちには覚悟してもらいますよ?『食う者を食らう物。貪る者を貪る物。猫の足音、女の髭……」
「ま、待て……ッ!!」
戦意を喪失させて怯えきった視線を向ける者、これでもかと手裏剣などで抵抗してくる者……行動を起こすが全て無駄である。忍び全員を強固な結界に閉じ込める。その待っているのは、避けようがない『消滅』という未来。
「岩の根、熊の腱、魚の息、鳥の唾液。現れ、閉じ、燃え、その命脈を永劫に貪り尽せ』」
ベルベナの慈悲無き詠唱が淡々と響く。それは、襲いかかってきた忍びらに最期を告げる呪詛である。
「き…貴様ッ!?」
「がッ、やめ、あがっぁぁあああっぁあ!!!」
バロンの活躍により動きが鈍ったところを改めて結界内に封じ込める。
そして無慈悲に迫る聖なる劫火によって、敵対していた忍びたちは跡形もなく灰燼に帰していたのだった。
「さ、お仕事はコレでおしまいです」
「お疲れ様なのにゃー♪」
かくして、この戦場での戦闘は猟兵側の勝利に終わり、こちらによる徳川軍の兵隊の護衛が済んだ。
しかし、他の地域の戦闘は依然続いているのである……。
大成功
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