エンパイアウォー⑤～徳川埋蔵金の『謎』
寛永三方ヶ原の戦いに勝利を収めた猟兵達。彼らが手にした謎の巻物に記されていたのは、オブリビオン・フォーミュラ『織田信長』の名であった。
サムライエンパイアに出現した信長は島原に築き上げた『魔空安土城』において、虎視眈々と何らかの陰謀を企てているのだという。彼の野望を食い止めるには『魔空安土城』に攻め上がり、信長と雌雄を決するに他はない。
だが、彼の居城には猟兵たちですら破ることのできない強固な防護が張り巡らされている。
……唯一、防護を突破する術を持つのは、江戸幕府の『首塚の一族』だけであった。
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「斯くして、『首塚の一族』と護衛の軍勢が出立したわけなんだけど……」
集まった猟兵たちを前にして、グリモアベースの京奈院・伏籠（K9.2960・f03707）はなにやら困り顔だ。彼は手にしたメモ用紙を猟兵たちに配りつつ、作戦の説明に移る。
コツンと叩かれた彼のグリモアが空中に投影するのはエンパイアの古風な地図だ。地図上には幕府軍の進軍予定路が朱色で記されている。
幕府軍の道中には様々な困難が予知されているのだが、伏籠が掴んだ危機の内容とは……。
「結論から言うと、幕府の軍勢は軍資金が足りない状況にある」
補給物資不足による軍勢減。それが彼の語る『苦難』だ。
無論、本来であれば幕府も万全の態勢で行軍を支援するはずである。そのバックアップが上手くいっていないのは――、魔軍将の一人、大悪災『日野富子』の暗躍によるものだった。
「嘘か誠か、日野富子の個人資産は徳川幕府の全資産を凌駕するとか。彼女の買い占め行為のせいで幕府は十分な物資を準備できない状況にあるわけだね」
なんとも世知辛い話だが、戦争をするにも先立つものがなければ二進も三進もいかないものだ。買い占めによる物価高騰はボディブローのように幕府へダメージを与えていた。
……とはいえ、そこはエンパイアの統治者である徳川幕府。こんなときのための隠し資産がきっちり存在するのだという。
「それこそが、徳川埋蔵金！ ……うん、少なくともエンパイアにはマジであるらしい」
『徳川埋蔵金』は神君家康公が有事の為にと遺した隠し財産だ。隠し、といっても徳川家には『徳川埋蔵金の地図』がきちんと伝わっている。
すでに地図そのものは徳川家からグリモア猟兵が借り受けており、埋蔵金の一部が眠るポイントも発見済み。
……問題は、神君家康公が埋蔵金の盗掘を防ぐために残したという『謎』であった。
「財宝は魔術的に隔離された部屋に封じられているみたいでね。部屋の扉を開けるには神君の提示する『謎』を解かないといけない。……そう、今回はみんなに『謎』を解く知恵を貸して欲しいんだ」
その謎が記されているというのが、冒頭で配布されたメモ用紙である。猟兵たちが手元に視線を落とせば、用紙には次のような文面が記されていた。
『きまいら』たちは夜とあり。
九つ足せば白くなり。一つ失くせば黒くなる。
東に向かえば口噤み。彼らの供は何者か？
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「部屋の扉には鍵穴どころか取っ手もなし。音声認識らしき術式が仕込まれているみたいなんだけど……、たぶん、誤答したら二度と開かなる類の術だと思う」
と、これは魔術師でもある伏籠の見立てである。チャンスは一発。扉の前で『正解』を発言できれば問題なく埋蔵金を入手できるはずだ。
「それじゃ、答えがわかった人がいればすぐに現地に転送するよ」
そう言ってグリモアを輝かせる伏籠。ゲートの先に垣間見えたのは、荘厳な雰囲気の石室だ。のっぺりとした石扉には件の散文が記されているようだ。転送の準備を整えつつ、伏籠は猟兵たちにひとつ頷きかける。
「腹が減ってはなんとやら。首尾よく埋蔵金を手に入れて万全の物資を準備したいね。頑張ろう、イェーガー！」
灰色梟
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
１フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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こんばんは、灰色梟です。
やってきましたエンパイア・ウォー。今回は謎解きシナリオとなります。
プレイングには必ず、『謎』の『答え』を記載してください。原則、正解者のプレイングを採用してリプレイを作成する形になります。（正解者が複数名いた場合、全員は採用できないかもしれません）
それでは、皆様の回答をお待ちしています。埋蔵金入手を目指して一緒に頑張りましょう。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | ［評価なし］ |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
雷田・水果
【WIZ】
「これは……漢字の問題ですね」
●解説
きまいら＝鵺（ヌエ）
九つ足せば白くなる＝鳩
一つ失くせば黒くなる＝烏
東に向かえば口噤み＝鶫（ツグミ）
水果は扉の前に立ち、凛として答える。
「彼らの供は【鳥】です（威光）」
猟兵たちがメモ用紙と格闘を始めて、僅か数分。天啓はドラゴニアンの少女にいち早く舞い降りた。
雷田・水果（人派ドラゴニアンの鞭使い・f19347）は確かめるかのように口の中で幾つかの言葉を転がしてみる。ヒントを元に、ひとつ、ふたつ、みっつ。思考の内でピタリとピースが嵌る音がした。
「これは……、漢字の問題ですね」
確信の光を瞳に宿し、すくっと立ち上がる水果。彼女は淀みない足取りでサムライエンパイアへと向かう。グリモア猟兵の転送を受ければ、件の石扉はもう目の前だ。
飾り気のない扉の前に立ち、水果は小さく息を吐く。そうしてから、彼女は凛とした佇まいではっきりと答えを口に出した。
「彼らの供は【鳥】です」
『きまいら』は『鵺』
『白い』のは『鳩』で、『黒い』のは『烏』
そして、『東』に向って口を『鶇』
すなわち、問いの答えは【鳥】である、と。
堂々たる水果の物言いに、彼女の全身から眩い威光が溢れた。その答えを吟味するかのように石室が沈黙に包まれる、が、それも一瞬のこと。『正しき解』を認識した石扉は、まるで傅くかのように地面に沈み込んで宝物庫への道を水果に開いた。
開かれた扉から水果の視界に飛び込んできたのは、彼女の威光に負けんばかりに輝く大判小判の山々だ。室内に足を踏み入れた水果は周囲を見渡して思わずほぅと息を吐く。
「それでは、こちらはお借りしますね。……必ず役に立ててみせますから」
財宝を残した人物に対して、ぺこりと頭を下げる水果。
彼女が見事に入手した埋蔵金は、幕府の軍勢の補給物資となり、彼らの苦難を助ける力となるだろう。
大成功
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