1
エンパイアウォー③~絡繰部隊を討て

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #からくり忍者軍団

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#戦争
🔒
#エンパイアウォー
#からくり忍者軍団


0




●グリモアベース
「開戦っす!戦争っす!サムライエンパイア 信州上田城行きっす!」
 威勢のいい声がグリモアベースに響く。戦争の話を聞きつけて集まった猟兵たちに説明を始める。

 難に立ち向かう為、幕府の総力をあげて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出した。
 最終決戦の地は関ヶ原。本隊が東海道を、中山道方面軍が中山道を通り、畿内への玄関口である関ヶ原へと向かう予定だ。

 「この中山道の要衝である『信州上田城』周辺が『上杉謙信』の軍勢が制圧されてしまっっているっす」
 上杉謙信――軍配を執った戦いは負け知らず、その強さは神とみまごうほどという。
 上杉軍は、中山道方面軍を殲滅するべく準備を整えている。正面から衝突すれば壊滅は免れないだろう。
「壊滅を逃れるために、猟兵さんたちで上杉軍の力を削いできて欲しいっす。向かって貰う場所は信州上田城っす」
 信州上田城は小さな山城のため、軍勢全てを城に収容できない。城の周囲の山岳地帯に、複数の部隊のオブリビオンが待機している状況だ。

「その中の1部隊、からくり忍者軍団を撃破して欲しいっす。
 山岳地帯の森の中に潜んでいるところを叩くことになるっすから、足元がめっちゃんこ悪いっすけど、逆にその地形をうまく味方につけて欲しいっす」
 一工夫すればより良い成果があげられるだろう。

「俺、今月誕生日なんっす。誕生日プレゼントにこの世界の平和が欲しいっす!なんて、緊張解けたっすか?大きい戦いっすけど、いつも通りしっかり頼んだっす!」
 パンと打ち鳴らされた掌の音に、紅梅のグリモアが咲き誇る。導く先は、山の中。


ごは
 ごはです。熱い戦争が始まりましたね。
 戦争シナリオをお送りします。

 戦争シナリオの為、成功を優先します。成功到達最低人数に到達次第、執筆終了させていただく場合があります。
 執筆速度を優先するためお一人さまごとの描写になるかもしれません。

 【8月4日(日)以降にリプレイ執筆を開始】します。1度ほどプレイング再送をお願いしてしまうかもしれません。執筆具合はMSページにてお知らせいたします。

 それでは宜しくお願いいたします。

=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
35




第1章 集団戦 『からくり忍者軍団』

POW   :    からくり・自己犠牲術
【死角から超高速で接近し、忍刀】による素早い一撃を放つ。また、【壊れたパーツを破棄する】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    からくり・自己複製術
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【からくり忍者】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    からくり・麻痺拘束術
【麻痺毒の煙幕爆弾】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖】で繋ぐ。

イラスト:なかみね

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天春御・優桃
 撫で斬りだ。
 重力にだって逆らってやるさ。

 【地形の利用】がしやすい場ってのは良いな。
 地面だけではなく、樹の幹、枝、空中も足場に【ダッシュ】に【ジャンプ】縦横無尽の【空中戦】だ。
 転地鉄塵、戴天空刃を四肢に纏い、【ダンス】ように刃を振るう。
 【存在感】で【誘惑】して攻撃を誘発して、カウンターを狙っていく。
 
 纏う風鉄の天地【属性攻撃】で切り刻んでいこう。
 ほら、さっさと来いよ。服が汚れる前に終わらせてくれねえか?

 アドリブ歓迎



「さて、いこうか」
 戦場に砂塵が舞いあがる。
スクラップ――砂塵を巻上げる烈風を召喚し、身に纏い、天春御・優桃(天地霞む・f16718)はあえて隠れず、目立つようポーズを決めた。圧倒的な自信からだろうか。人指しゆびを天につきあげ仁王立ち、自分が一番とでも言うように。まるで隙だらけだ、倒すなら今だという誘惑に駆られる。忍者たちの注目を集める。

「俺のステップについてこれるか?」
 口火をきったのは優桃だ、素早く木々を飛び移る。樹の幹、枝を蹴って縦横無尽に飛ぶ。
 地形の利用がしやすい場は空中戦が得意な優桃にとってはうってつけの戦場だ。
「――カタ、カタタタタタタ」
 だが、からくりも忍者というだけあって身のこなしが良い。カタカタ絡繰が動く音を鳴らしながら身軽に木々を飛び移りついてくる。

「撫で斬りだ」
 飛び移った枝をもって大車輪で一回転、両手を持ち替え体を反転させて回転、後ろから迫ってきた絡繰を蹴り飛ばす、更にもう一回転して加速し、手を離して飛び出し後ろに控えた忍者たちを両足揃えて蹴り飛ばす。
「――カタタ、カタ」
 嘲笑うように鳴る絡繰、直線的な攻撃は読みやすい。完全な脱力状態で蹴りを受け新たな同胞を生み出す。
「さあてこっちが本命だ、重力にだって逆らってやるさ」
 空中でくるりと一回転し、絡繰たちに向き直る優桃。空を蹴って折り返す。
「天も土なり也ってな」
 優桃は空中を蹴って跳びなおせるのだ。
 後転、横転で加速し、転がりながら中段を薙ぎ払うよう蹴り、身を沈めたまま下段をなぎ払よう蹴り、敵正面に降り、逆立ちするように身を捻り、全身を使って跳ね上げるようドロップキック。
「――カタ!! カタタた!?」
 蹴りを放ちながら跳んでくるとは思いもよらない。しかも空中でだ! 三連の蹴りをまともに受けて半壊する絡繰たち。

 トン、と木の枝の上に降りる優桃。足を交互に後ろにひき踊るようなステップをふみつつ、
「ほら、さっさと来いよ。服が汚れる前に終わらせてくれねえか?」
 くいくいっと手招きをする。その動きは一見無意味に揺れるよう。千鳥足のようなステップは法則を読みきれそうで目が離せない、また、易々と討てそうで一撃を誘う。ジンガという動きを絡繰たちが知っていたかは兎も角として。
「――カタタ、カタタタタタタタタ!」
 優桃を囲んで一斉に飛び掛ってくる。

「フィナーレといこうか」
 手をつき1体目の足を薙ぐように蹴り、左右の足を開脚し、交互に蹴り上げながら体全体で回転する、砂塵があがり烈風が巻き上がる。ブレイクダンスでいうトーマスフレアーの動きだ。一斉に飛び掛ってきた絡繰たちを巻き込んで、竜巻のように踊り明かす。空気を蹴り跳べる優桃の一撃は重く、巻き込んだ絡繰たちに防御を許さない。
「――カタタ!?」
 更に回転し烈風で絡繰を一塊に纏め、片手で倒立しながら蹴り上げフィニッシュ。ワンハンドキープ、フリーズの一種を決める。
「ふう、おつかれさん」
 くるりと宙返りしてまた別の枝に降り立つ優桃。空に舞い上がり砕けて消える絡繰の欠片を背にスーツについた埃をぱんと払った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳩麦・灰色
協力アドリブ可、口調ほぼ標準語


開戦やー戦争やー信州上田城行きやー
てことでウチ、じゃなくて私も行くよ
足場は悪いみたいだけど、森だから木や岩があるだろうし、使えばこちらだけ有利に動けるかな


まず【視力】【暗視】で接近と突撃ルート決めやね
幕府ルートの逆から行ったら奇襲出来たりして

ルート決めたら【地形の利用】【ダッシュ】【クライミング】で敵さんが1番集まってるとこに飛び込んでそのままUC使うわ
その後【早業】で残った敵さんの反撃来る前にはよ逃げよ

あとは敵さんめっちゃ速そうなんが怖いけど【第六感】【見切り】で回避重視、味方さんを空砲銃で【援護射撃】すんで
ウチ実戦で銃使うん初めてやけど、何とかなるやろ。うん


神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
なんだかすごいところ。お城には攻めずにまずは下準備っていう事。
数も多い…と。そう、それならこっちも同じようにしてから向かおう。
そうそう、プレゼントの為に何か戦利品持っていかないと?

皆数は多いけど、私の姿に変装させて……うん。
これで一目見ただけじゃわかりにくい様にカモフラージュ。
飛威と符雨は適当なタイミングで一緒について行って。私はもう少し後から。
足元が悪いみたいだから木があれば近くに寄るようにね。
戦いのメインは多対一。相手より高い所を位置取る様に頑張って。
とはいうけど低い位置からは相手の足元を狙えるし一長一短?



「なんだかすごいところ」
 神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は高台から戦場を眺めていた。
 戦場では多対一になる、高い場所から戦場を見渡して指示を出すほうが確実だ、ここなら戦場全体を見渡せる。また、足元が悪いことを警戒して木の側によるようにしたのだ。ここなら木に隠れれば身を隠せるだろう。発見されないように警戒しながら、戦場を見渡す。絡繰たちの姿が一つ、二つ……。
「数も多い……と。そう、それならこっちも同じようにしてから向かおう」
 眞白は万全の準備を整えて、親愛なるカラクリ人形の軍勢を送り出した。

「開戦やー戦争やー信州上田城行きやー」
 鳩麦・灰色(音使いおおかみ・f04170)も別の高台から戦場の様子を伺っていた。
 突撃ルートを決めるための敵陣視察だ。足場が悪いみたいだけど、森だから木や岩を使って……、
「幕府ルートの逆から行ったら奇襲出来たりして」
 ひらめいた。にんまり口角をあげる灰色。そうと決まれば作戦決行だ。

 ガサガサと草葉が鳴る。絡繰忍者が聞き逃すはずがない、音に振り返るとそこには草むらから姿を見せる眞白。
「――カタ……カタタタた!」
 襲撃者の姿に切りかかろうとする絡繰忍者たち。
「こっち」
 後ろから眞白の声。目の前に居たはずの眞白が、後ろに居るのだ。
「――カタタタ!!」
 今度こそと刀を構えて突撃する絡繰忍者。
「ちがうわ、こっち」
 今度は横、右側だ。
「こっち、こっち、私はこっち」
「「「私はここ」」」
 『眞白』たちが取り囲む。眞白に変装した眞白のカラクリが絡繰忍者の群れを取り囲んだのだ。
「――カタタタ、カタタタ」
 数に圧倒されうろたえる絡繰忍者。本物はどこだ。
「――カタ! カタカタカタカタ!」
 1体の絡繰忍者が高台をさす。本物の眞白の姿に気付いたのだ。オブリビオンは猟兵の存在を見抜く、姿形だけ取り繕っても効果はない。絡繰忍者たちは本物の眞白に向けて煙幕を放つ。
「させません」
 戦術器「飛威」の刃が煙幕を断ち切る。だが、一つ、二つ、三つ……続けざまに投げつけられる煙幕には適わず、捕まり鎖に絡めとられる。
「――っ」
 引きずりだされる。じゃりっと嫌な音を立て腕に食い込み自由を奪う鎖に顔をしかめ抵抗する飛威。
 その鎖に符が張り付いた。じゃらりと音を立て崩れ落ちる鎖。戦術器「符雨」による符術だ。飛威の自由を奪う鎖を断ち切った。

 眞白を護るように展開するカラクリ人形と飛威、符雨。両者のにらみ合いが始まり、戦況は一時膠着状態になる。

「(なんやここ、一番敵さんが多そうだけど)」
 地形を利用して茂みに身を隠し、戦場を駆け抜ける灰色。幕府ルートの逆側から崖を登りきるとそこには、眞白の山。眞白の絡繰人形が絡繰忍者軍と交戦している最中だった。えらいとこにでてしもたやろか、でも敵さんには気付かれてないみたい。

「まぁえぇよ! 広がれ、“四番”!」
 鉄パイプを振動させ、一薙ぎ。戦闘のために振動しやすく作ってあるパイプは今日も良く鳴る。灰色の武器は『音波の衝撃』だ。ブオン!と風を切る音とともに、半月型の衝撃派が生まれ、一面をなぎ倒していく。思わぬ方向からの奇襲に避けきれず吹き飛ばされ体を半壊させられる絡繰たち。
「よっしゃ、ホームランや! ……やない、だね!」
 思わずガッツポーズをキメる灰色。
「あなた猟兵さんだね? 残った敵さんの反撃来る前にはよ逃げよ」
 立て直される前に去る、ヒットアンドウェイが勝利への近道だ。敵と戦っているのはきっと味方だと眞白に声をかけ早々と駆け出す。

「せやけど、敵さんめっちゃ速そうなんが……来てる! もう追いついたんや……だね!」
 背後から迫る気配がある気がする、勘が告げる敵の気配に声をあげる灰色。壊れたパーツを捨てたのだろう、スピードアップして眞白の背に迫り、刀を振りあげる、
 ――パン!
 空砲の発砲音が響く。空砲とは本来実弾がこめていないものだが、圧縮された音が凶器となるよう調整されている灰色手製の銃だ。発射された空砲は、絡繰の残っていた体を撃ち砕いた。
「ウチ実戦で銃使うん初めてやけど、何とかなるもんやな、うん」
 こわ、かなわんわー。無事銃が命中した興奮に思わず気持ちが緩みかけたが、はっと耳をピンと立てる灰色、来る、何処からか。
 ――パ、パン!
 再び響く銃声。符雨の銃が灰色の背に迫る絡繰を撃ち抜いていた。
「おあいこね」
 互いに互いの背を護りながら灰色と眞白たちは戦場を駆け抜け、数体の絡繰忍軍を撃破した確かな成果を残し離脱したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アレク・アドレーヌ
からくり部隊ねぇ…人形遣いの人形が単独で動いているものって認識でいいんかね?

とはいえ見た目からは想像できぬほどに精巧な作りな気がするがまぁ壊せと言うなら壊すし戦争である以上躊躇う必要も全くないから…思いっきり暴れさせてもらうとするか。

麻痺毒の煙幕が厄介ではあるが使うUCの都合上対応策も何もないので被弾前提で蹴り飛ばすしかないかなー



「からくり部隊ねぇ…人形遣いの人形が単独で動いているものって認識でいいんかね?」
 見た目からは想像できぬほどに精巧な作りな気がする。だが、壊せというなら壊す、戦争である以上戸惑う理由もない。
「……思いっきり暴れさせてもらうとするか」
 アレク・アドレーヌ(出来損ない・f17347)は決意を固めて戦場を眺める。どこからか逃れてきたのだろう、半壊した絡繰忍者の群れが茂みから顔を出した。これは丁度良い。

「出来ればこいつだけは使いたくなかった……」
 真の力には至らないが、半壊の絡繰ならこれで十分だ。生体外骨格:脚部の制限を外し脚力を増強する、ぐぐっと筋肉が肥大する。
 凄まじい数の飛蝗の群れを身に纏い、大型化した翅を広げ大空に舞う。その姿は臣下を連れて跳ぶ群生相のよう。ぎらり、ヒーローマスクに覆われた瞳が凶暴性を解き放ち残忍に光を発する。――さあ、行くぞ。

 一気呵成に下降する。
「これを使わせたことを――」
 煙幕、麻痺毒、厄介なのは承知の上だ。それを喰らった上で、その倍、倍以上の圧倒的な力を叩き込んでやる。
「地獄で、後悔しろ!!」
 煙幕が視界を遮る、見えない、だが気配はわかるこの先に敵が居ると本能が呼ぶ。腕が足が痺れる、だが構わない痺れきる前に目の前の敵を打ち砕く!
「貴様らぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
 雄叫びをあげ、両脚が! 身体が! 突き刺さる!!! アレクの渾身の力を篭めた一撃が絡繰忍者を貫く。その気迫は絡繰忍者の逃亡を許さない、真正面から蹴りを受け絡繰忍者は爆発四散した。

成功 🔵​🔵​🔴​

月藤・紫衣
…ふむ
では誕生日の贈り物をお土産にするために頑張りましょう
なんて…冗談はあまり得意ではないので、真面目にお仕事いたしましょう

死角からの接近を【第六感・見切り】で回避
難しいようなら【激痛耐性】で一撃を耐えてみせましょう
その代わりに彼らのどこでも構いませんからしっかりと握って【海雫】で振り回し、地面に、敵に、叩きつけて【マヒ攻撃】を
ああ、ついでですからまだ仕掛けて来るようなら掴んでいる【敵を盾にする】ことで攻撃をかわしつつ、【歌唱】による【高速詠唱】によって風【属性攻撃】で【なぎ払い】ましょう

これでも、一応この世界に愛着のようなものがあるんですよ
ですから…邪魔をするなら容赦しない



「……ふむ。では誕生日の贈り物をお土産にするために頑張りましょう」
 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は、包囲している絡繰忍者を見据える。じりじりと迫ってくる絡繰忍者たち。
「なんて……冗談はあまり得意ではないので、真面目にお仕事いたしましょう」
 淡々と述べながら、酔蜜月刀を抜き放つ。刀身のルーンが闘志に呼応するようにぎらりと光る。

「――カタカタタタタタタ」
 ――来る。
 後ろから突き刺すように突き出された刀を刃で受け、身を翻しながら抱きかかえるようにしてから絡めとり、腕を捻り上げる。
「最初から激しいですね」
 紫衣の死角から打ち込まれる刃、刀を反対の手に持ち替え受け流す。
「少々野蛮ですが、露払いにはこれが楽なんですよね」
 捻り上げた腕を、もうひと捻りして地に叩きつける。――浅い、力任せに投げる技はこの身には見合わないのか。掴んだ手を一旦放し、先ほどかわした絡繰が再び切りかかりくる刃を潜り抜ける。
「心の無い絡繰では、足りませんね」
 切り下ろされる刃、切り上げて剣線をそらす、突きを顔を横に倒して避け、お返しにひと突き。気を抜けば下草に足をとられそうになる。そこに潜む敵も居るのではないか。そよぐ風すら憎らしい、運ぶ音は唯の草の音か、敵の気配か。

「これでも、一応この世界に愛着のようなものがあるんですよ」
 サムライエンパイアは猟兵になりたての頃から護ってきた世界だ。その頃は、歌うこと、支えることを主としていた。だが、今は、自ら掴み叩きのめす。世界に心を貰った。身に纏う空気は変わらないが、秘めていた凶暴性を解き放つように熱く絡みつく。
「ですから……」
 ぶつかりあう刃。ギリリ、金属が擦れる音が鳴る。互いの力が拮抗し刹那の間睨みあう。
「邪魔をするなら容赦しないっ」
 力を振り絞り刃を押し込みぐるりと一回転、――撥ねる。絡めとられ、撥ね上げられ、高々と空を舞う忍者刀、がら空きの胴にルーンが一閃、絡繰忍者の胴を真っ二つに裂く。
 藤の瞳が爛々と輝く、熱く熱く熱を帯びて。
「さぁ、次は誰ですか――」
 誘い込むように歌を紡ぐ。すべてを倒しきるまで、この歌は止まらない。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト