エンパイアウォー⑤~怪僧の問い掛け~
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「戦争といやぁ、数の勝負。数といやぁ、やっぱり支えるのに必要なのは兵糧だねぇ」
そうしみじみと呟くのは、老齢のグリモア猟兵――中御門・千歳(死際の死霊術士・f12285)だ。
千歳によれば戦争により既に食糧の高騰が始まっているらしい。
どうやら大悪災『日野富子』の買い占めによるもので、このままでは徳川軍は満足に兵を動員することも出来なくなってしまうだろう。
「金の問題は、金で解決するしかないねぇ」
そう呟きながら千歳が取り出したのは、徳川家に伝えられた徳川埋蔵金の地図。
日野富子の財力は莫大……これに対抗するには、家康公が有事の為にと遺した『徳川埋蔵金』に頼る他無いという判断らしい。
「とは言っても、そう簡単にも行かないみたいだけどねぇ」
徳川埋蔵金は魔術的に盗掘対策が行なわれており、それを解く為にはパスワードが必要になるとのことだ。
「あたしたちが向かう埋蔵金では、この『謎』を解かないと手に入らないみたいだねぇ」
千歳の手にある埋蔵金の地図の端には、掠れて見づらいがパスワードのヒントであろう、文章が記載されていた。
「両足八足大足二足横行自在、また両目は天を指す。何者か?」
どうやら猟兵たちが担当する埋蔵金が隠された寺における伝承に関わるものらしい。
この問い掛けによる何者かの正体こそが、封印を解くパスワードとなると思われる。
「飯がなけりゃ戦は出来ない……戦闘じゃないけどね、気を抜かずにしっかり頼むよ」
白髪の老兵はそう言いながら猟兵たちを送り出した。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
ちょっと簡単すぎるかもしれませんが謎解き依頼、一つ出させて頂きます。
エンパイアらしく、民間伝承に纏わるものを出させて頂きました。
ググれば瞬殺で答えが出てきてしまいますので、ググらずにご回答下さい。
●依頼について
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
プレイングには必ず謎の答えを含めて下さい。
また、謎解き中のRPや答えを思いついたRP、埋蔵金を発見したRPを含めて頂くと良いかと思います。
謎解き依頼ですので、あまり大人数を採用するつもりはありません。
正解者の方から1~2名を採用させて頂く予定です。
到着順とプレイングの中身を総合的に見て判断させて頂きます。
以上、宜しくお願い致します。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二天堂・たま
足が八本というとカニくらいしか思い浮かばんな…。横行自在というのは横向きに歩くという意味か?
両目は天を指すというのは、目が上向きという事だろうか。
大足二足はなんだ…ハサミが2つあるということかな?
この時期は毛ガニ…ちと遅いくらいかな。
カニといってもタラバガニでは無いのだろう。アレはヤドカリの仲間、6本足だからな。
もし見つけられたらUC:妖精の里で収納して陣地に持ち帰ろう。
兵糧や軍資金は多くても困ることは無い。
忍足・鈴女
ふっふっふ…
足が10本で横歩き…ヒントしかないなあ…
ずばり蟹やろ…
鋏も一応「足」やしな…
(と自慢げに応えつつも内心はガクブルである)
合ってたら自慢げに
ドヤる
埋蔵金かー
どんなんやろなあ…
大判小判がざっくざくとか…
まあ一人では運べへんから
みんな手伝うてや
あかん
蟹食べたなってきた…
兵糧代わりに何匹か買ってってええ?
うちの猫ちゃんのお土産代わりに
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深い森の中、山岳の中腹にあるその寂れた寺院を、忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)と二天堂・たま(神速の料理人・f14723)は訪れていた。
グリモア旅兵からもたらされた徳川埋蔵金の地図を基に、寺院にたどり着いた二人。
その地図に記された謎解きの問題は、どうやらかつて寺院に赴いた旅の僧侶が、寺の僧侶に化けた怪に問いかけられたという逸話に関わるものらしい。
そうした伝承は現地の農民からも聞き出せたものの、伝承自体相当古いらしく、その問いの答えまでは聞き出すことが出来なかった。
であるならば、その問いの答えを自力で出さねばならない。
しかしながら二人は既に道中に思い付くものがあり、自信満々に寺院へと入っていったのだった。
埃を被った建屋の中には、独鈷杵を持った等身大の仏像と共に様々な生き物の小さな木彫り象が安置されている。
伝承によれば怪は旅の僧侶に正体を看破され、独鈷杵によって体を貫かれることで倒されたという。
であるならば……
「ふっふっふ、分かったぞ……おそらく像と独鈷杵がポイント、つまりは謎解きの答えとなる像を独鈷杵で壊せばええんやろ?」
そう自身満々に鈴女は言い放つものの、その内心はガクブルもの。
これで関係無く寺院を破壊しただけになってしまえば、どういった扱いを受けるのかが容易に想像出来たからだ。
「まぁ、そういうことだろうな」
共に訪れたたまの同意を貰い、鈴女は心の中でほっと一安心していた。
気を引き締め直した二人は、改めて地図に記された文章に目を通す。
「足が八本というとカニくらいしか思い浮かばんな……」
たまが思うに、横行自在とは横向きに移動すること、両目は天を指すというのは目が上向きという意味だろう。
「大足二足はなんだ?ハサミが2つあるということかな?」
「ええやろ、鋏も一応足やしな」
強いて言えば大足がハサミという解釈で良いのかが悩みどころではあるものの、二人の意見は完全に一致。
様々な生き物の像の中からカニの木彫り像を探し出し、仏像の独鈷杵で打ち砕いた。
その瞬間――仏像が光輝いたかと思えば、仏像の前に山のような大判小判が積み上がった。
「ほら、思った通りや!」
どや顔で大喜びする鈴女――でもやっぱり像を壊すのが怖くて、たまに壊してもらったのは秘密だ。
「あ、でもさすがにこの量は運びきれへんやろ」
そう鈴女が懸念するのも当然、その大判小判の山は成人男性と言えど、容易に運びきれる量では無いからだ。
「ワタシに任せなさい」
そう答えたたまが使用したのは『妖精の里』
彼の肉球で触れた財宝が、彼の作り出した異空間へと収納されていく。
「おぉ、ええやん!」
順調に財宝が消えていく様を眺めながら、ふと鈴女は思い出したように言葉を放つ。
「あかん、蟹食べたなってきた……兵糧代わりに何匹か買ってってええ?」
「……こんな山奥では売っていないと思うぞ?」
そんな冗談を言い合いながら、二人は手に入れた成果にほくほく顔で帰還していったのだった。
大成功
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