エンパイアウォー①~尽くるか付くるか燃ゆる星
「さァ野郎ども、お待ちかねのいくさだぜェ。気張ッて頼まァ」
三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきた。徳川幕府軍は、織田信長の居城である魔空安土城へ向けて、諸藩よりの援軍も合わせて十万の軍勢でもって進軍する。それを阻む多くの苦難が既に予知されており、そう簡単には行かないだろう。文字通りの決死行である。
今回の戦いにおいて、堅固な守りを誇る魔空安土城を攻略するには、幕府軍の力が必要不可欠であり、是が非でも彼らを守り抜く必要がある。猟兵にとっても苦しい戦いになる…と、グリモア猟兵、我妻・惇は歯を剥いて笑う。
「まァよォするにだ…よォやッと親玉ブッ潰しに行けるッつーわけだァ!」
今回ここでは、信長配下の百面鬼『風魔小太郎』の忍法による幕府軍の被害を防ぐことが目的である。用いられる攻撃は『風魔忍法隕石落とし』。配下のオブリビオンを隕石の弾丸に変化させて落下させ、衝突の瞬間に自爆させることで標的を破壊するという物である。そして迎撃を受けずに自爆を果たしたオブリビオンは風魔小太郎のもとに再び現れ、何度でも隕石として降り注ぐ。
「要はアレだな、全部叩き落とせ。避けンなよ」
迎撃に成功すれば元のオブリビオンの姿に戻る。ここでは大火蜂、名前の通りの妖である。周囲は街道の開けた場所で、迎撃するにも戦うにも、戸惑うことはないだろう。
「とにかァく、ぐだぐだめンどくせェ説明はしたが、飛ンで来ンのブチ落として戦闘になッたらブチ倒して、そのまま真ッ直ぐ敵の親分まで向かえば良いンだよなァ!?」
攻撃は最大の防御ということもある。落ちる前に叩き落とせ。倒される前に倒しきれ。
「さァ行ッた行ッた!」
惇はぐいぐいと急かし、猟兵たちを火急の任務へと送り出した。
相良飛蔓
お世話になっております。相良飛蔓と申します。お読みいただきありがとうございます。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
流れとしては、隕石を迎撃して、元の姿に戻ったオブリビオンを倒す、という感じです。迎撃方法は落としても往なしても受け止めても、有効らしければOKです。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『大火蜂』
|
POW : 種火
【自身の身体】が命中した対象を爆破し、更に互いを【火事の炎】で繋ぐ。
SPD : 延焼
【周囲の炎が燃え広がること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火事】で攻撃する。
WIZ : 不審火
自身が戦闘で瀕死になると【炎】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二天堂・たま
あの隕石、撃ち落とさないと何度でも降り注いでくるのか…仕方あるまい。
UC:アルダワ流錬金術で周囲の無機物を自然界に存在するものに変換・操作する。
射程は46メートル…やはり水鉄砲かな、ここは。
高速で打ち出される水はコンクリート並の強度になる。
そして現われる大火蜂を水で飲み込み消火すれば退治完了だ。
延焼なども防ぐことはできるが、デカイ蜂というのはそれだけでおっかないものだな。
まぁ隕石落としの主犯である風魔忍者と比べれば前座にもならんのだが。
●物理の時間
「あの隕石、撃ち落とさないと何度でも降り注いでくるのか…仕方あるまい」
二天堂・たま(神速の料理人・f14723)はいくらも降り注いでくるそれを仰ぎ見て、嘆息するように言った。青みがかった灰色の毛並みを、蓄えた髭のように触りながらしばし考え。
「…やはり水鉄砲かな、ここは」
周囲を確認する。少し離れた所に幕府軍の侍たち、足元は整備された街道、それがしばらくは続く。安全とリソースの確認を終えると彼は頷き、空へと向き直った。
「ちちんぷいっ!と」
唱えると、周囲の地面が広範にわたって円形に浅く抉れ、同質量の水塊が中空に現れた。たまがアルダワ流錬金術によって作り出したそれは、猛烈な勢いで飛翔し、隕石の一つへと激突した。水とはいえ高速で打ち出されればその強度はコンクリートに比肩しうる。まさに塊、まさに激突と呼称するに相応しい轟音を伴い、その隕石は砕け、その水塊は弾けた。
「そして…」
爆ぜる火種の音を鳴らしながら、大任を果たし損ねた大火蜂が姿を現した。羽搏くたびに、顎を合わせるたびに、パチパチと抗議の音を聞かせる。
「これで、退治完了だ」
たまは取り合うことなく、宣告した。ただの挑発ではなく、事実として告げた。すぐ後に、先ほど弾け散った大質量の水弾が、再び塊の様相を呈して上空よりオブリビオンへと襲い掛かった。的確な操作によって水中へと引き込まれた大火蜂はじゅうと一声、あっという間に溶け消えた。
ユーベルコードを解除すればへこんだ地面も元通りに盛り上がり、彼はおどけた調子で身震いして見せた。
「デカイ蜂というのはそれだけでおっかないものだな」
心にもない。事実彼の細い目は、余裕を湛えて笑みの円弧を顕著に見せる。
「まぁ主犯である風魔忍者と比べれば前座にもならんのだが」
成功
🔵🔵🔴
白峰・慎矢
戦が長引けば、それだけ被害や犠牲が大きくなる……確かに、急がないといけないな。
(落ちてくる隕石を見て)ふむ、叩き落とすのも良いけど、受け止めてしまえばすぐに敵と戦えるんじゃないかな?速さはあるかもしれないけど、直線的な動きだし、捉えられないことはないよ。ここは鞘を盾にして正面から「盾受け」しよう。なに、徳川軍の皆も命がけで行軍してるんだ、俺もこのくらいはしないとね。
敵が姿を現したら、刀で戦おう。向こうから体当たりしてくれるなら好都合だ。「残像」で躱して、【剣刃一閃】で「カウンター」しよう。この刀は、人々を救った神様が使った、「破魔」の力が宿った刀だ。炎の体だろうが、斬れるなら何でも倒せるさ。
●落日と白光
「戦が長引けば、それだけ被害や犠牲が大きくなる……確かに、急がないといけないな」
白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)は空の隕石を見上げ、その先の幾度か、あるいは幾度も起きるであろう戦いを思った。勿論それは彼だけが思ったものではないが、神社に祀られる弓に宿った、人の思いを受けて生まれたヤドリガミである彼の、人を案じる思いが強いのも無理からぬことである。
「ふむ、叩き落とすのも良いけど、受け止めてしまえばすぐに敵と戦えるんじゃないかな?」
動力を持たぬ自由落下であり、動きは直線的で捉えられないことはない。しかし落下高度に見合ったそれなりの速さはあり、そう簡単なことではないはずである。
「なに、徳川軍も命がけで行軍してるんだ、俺もこのくらいはしないとね」
護り手は、猛然と迫り来る隕石に怖じることなく、正面から迎え撃った。刀の鞘を眼前に構え、そこに霊力を纏わせる。こちらも彼と同様、敬意を持って祀られた品である。それは、今また人々の矢面に立ち、今また人々を守らんとする。霊器の思いは、慎矢の思いは、堅牢な城壁のごとくにオブリビオンの躯体を受け止め、その勢いを殺しきって見せた。
慌てるように大火蜂が元来の姿に立ち戻り、自らを受け止めた鞘を蹴って距離を取る。慎矢もその機に刀を鞘より抜き放ち、切先を差し向けて対峙する。すぐに妖は爆ぜる火花を散らしながら、猟兵に向けて再び襲い掛かった。
「体当たりしてくるなら好都合だ」
真白の男を黒く焼き焦がさんと、飛んだ火蜂は空を切る。居たはずの男は身一つ躱し、赤い眼光は勢い余った敵の背を射抜く。
「この刀は、人々を救った神様が使った、『破魔』の力が宿った刀だ。炎の身体だろうが、斬れるなら何でも倒せるさ」
言葉とともに振り下ろされた白刃は、言葉の通りに斬り裂いて、煤の曇りの一つも見せず、邪なるを討ち果たした。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です
忍者さんの忍法って…
隕石も落とせるんですね…☆
――って、
そんなのを街道や町に
落とさせる訳にはいきません…!
自身のオラトリオの翼を使い
【空中戦】で飛翔
落下中の隕石を
迎撃に向かいます
隕石に向けて
UCを発動
隕石を纏めて吹き飛ばします
(味方を巻き込まない様に)
隕石から
大火蜂さんに戻ったら
自身の剣
『ヴォーパルソード』に
『氷』属性を付与しての
【属性攻撃】や【なぎ払い】等の剣戟や
剣からの【衝撃波】【誘導弾】等の遠距離攻撃等を
組み合わせ
【第六感】【早業】等で手早く
倒していきます
『貴方達オブリビオンさん達に、サムライエンパイアを蹂躙させる訳にはいきません…ここで阻止させて頂きます…!』
●花の吹雪か木枯らしか
「忍者さんの忍法って…隕石も落とせるんですね…☆」
年相応の好奇心か、それとも出自から来る性格によるものか、感嘆の声を上げるアリス・フェアリィハート(不思議の国の天使姫アリス・f01939)のその言葉には、少し緊張感に欠けるきらいがあるが
「――って、そんなのを街道や街に落とさせる訳にはいきません…!」
言われるまでもなく気を取り直した少女は、すぐさま地面を蹴って飛び上がった。翼を操り風を切り、速度を上げて敵へと向かう。先程のような表情はもはや見せず、その目は阻むべき相手の姿をしっかりと捉えていた。
「――もの言う花たちの噂話は…あらゆる世界に広まっていくのです……」
剣を向けるや刃は無数の花弁となって、舞い踊りながら隕石群を包み込むように吹き付けた。すると小さな対峙者のエスコートを受け、遥かに大きな質量を持ったそれらが俄かにくるくると回り、軌道を乱れさせた。
花弁の正体は、言うまでもなくアリスのユーベルコードによるもの。フラワリーズ・フェイトストーム、時空をも歪ませる衝嵐を呼び起こし、広範囲へと効果を及ぼす能力である。
減速したり衝突したり、花吹雪は多くの敵を巻き込んで、何体かの大火蜂を顕現させることに成功した。やはり威する音を発しながら、取り囲み追い詰める妖達に、小さな少女は臆する様子もない。改めてアリスの手がヴォーパルソードを握り、刀身へと魔力を込めれば、刃は凍気を帯びて輝きを増す。
「貴方たちオブリビオンさん達に、サムライエンパイアを蹂躙させる訳にはいきません…ここで阻止させて頂きます…!」
一斉に襲う炎熱を、小さな身体のその猟兵は巧みに躱して囲みを破る。寄れば氷刃閃きて、離せばすかさず衝撃波。息をつかせぬ早業は、歩みを許さぬ逆風のごと、確実に火蜂どもの身を削り、風前の灯火の様相と成す。
成功
🔵🔵🔴
ヴィリヤ・カヤラ
それじゃあ、思いっきり全力でいくよ!
まずは落とさないと始まらないよね!
降ってくるのが早いなら『高速詠唱』を使いつつ、
『全力魔法』と『属性攻撃』の
【四精儀】で氷の竜巻で落としてみるね。
広い場所だから攻撃範囲が広くても問題ないよね?
隕石から元の姿に戻った敵も巻き込めたら良いけど、
難しいと思うからその時は
鋼糸の刻旋で刻んでいくね。
最初の氷の竜巻の冷気も『属性攻撃』も絡めて
使えそうなら使っていくね。
見える範囲の敵は逃がす気はないからね?
竜巻の効果が終わってたら【四精儀】をもう一回追加か、
【氷晶】で上からの攻撃をしてみようかな。
熱そうだから涼しくしたいしね。
敵の攻撃は『火炎耐性』で我慢するよ。
●爆弾低気圧
「それじゃあ、思いっきり全力でいくよ!」
こちらはヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)。まずは落とさないと始まらないよね、ということで、まだ向かい来る隕石へ。減速や衝突を経た飛来物は、着弾予定地点を散らばらせて落下して来ている。全てを各個に落とすには些か時間が足りないようだ。逸れているため人的被害は避けられるが、再度の発射のリスクは悩ましく…
「広い場所だから、攻撃範囲が広くても問題ないよね?」
高い水準での成功が要求される任務にしかし、ヴィリヤは口の端を少し上げて見せた。誰に宛てるでもない問いは、誰の答えを待つこともなく、彼女自身によって肯定され、許可された。
「この地を構成するモノよ、その力の一端を示せ!」
高速で、全力で、広範囲に展開されたユーベルコードの術式は、巨大な氷の竜巻を展開した。高くに吹き荒れる零下の壁は、弱った隕石たちの多くを巻き込み、地へと引きずりおろした。
離れた者は嵐の外へ、近くの仲間は嵐のうちへ。そうしてできた嵐の檻へ、引き込まれたる大火蜂。飛べばあおられ這っては斬られ、逃げるを許さぬ嵐の檻へ。
「見える範囲の敵は逃がす気はないからね?」
虜囚となったる妖どもを、依然荒れたる烈風がヴォーパルソードで切り刻む。回り込んだる新たな火蜂をヴィリヤの鋼糸が切り刻む。瀕死の彼らが及ぼす炎も、ふたりの凍気が諸共に。
術者の制御を離れた竜巻は、そう長くはない生命を終えた。時間にすれば数十秒、非常に短い間ではあるが、それで充分であった。晴れたころには次弾の向かう姿は見えつつも、少なくとも地上に妖の姿はなくなっていた。
「熱そうだから涼しくしたいしね」
大火蜂の炎の熱さを、季節柄の蒸し暑さと一緒に吹き飛ばし、猟兵は侍たちを一度振り向き、にっこりと笑って見せた。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!
第六天魔王、きたねー!
風魔忍法、火の鳥だー、って。
おいらも負けずに、燃えていくからねー♪(にぱー)
ダッシュからのジャンプで隕石と空中戦。
グラップルの拳で、先制迎撃!
何かに当たると爆発するみたいだから、飛び道具で応戦していこうかなー。
アンちゃん、前に出ないようにね?
左右の袖口に付けた大きな双鈴を振る。
しゃん。
袖口から舞扇の幻影が飛び出し、空の火の鳥を打つ。
しゃん。
ふわりふわりとステップ。
しゃん。
振り上げる袖の鈴音に合わせ、舞扇が乱舞。
扇は幻影、弾けて消える。
近接してくる敵は、左拳で往なし、右拳で撃退。
もー。猛暑なんだから、少しは遠慮してほしいよね!(良い笑顔で)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
サムライエンパイアはわたし達の住む所
まつりんと手を繋いで
勇気と気合い、注入(こく)
ん、頑張ろ
【白銀の仲間】で透明の熊を十体
数が多いから指示はシンプルに
落ちてきた隕石、地上に落ちる前に殴り飛ばして
飛ばす先、一ヶ所に集めて
大火蜂同士で身体をぶつけ合い爆破させる
そして大火蜂を分散させない
ん、うさみみメイドさん、行って
灯る陽光のオーラをメイドさんとまつりんに纏わせ、迫る攻撃はオーラで庇い防御
メイドさん、相手は飛んでる
蜂の身体を蹴りジャンプ
フェイント入れながら蹴りをお見舞い
わたしはまつりん達が囲まれないように
後方からの蜂を剣で斬り倒す
ん、まつりんの背中、守る
●相互作用
「サムライエンパイアはわたし達の住む所」
見上げながら、木元・杏(ぷろでゅーさー・あん・f16565)が言う。迫り来る敵を迎え撃つために、ここに立っている。守りたい場所を守るために。
しかしそれでも、怖いものは怖い。杏はとりわけて勇敢なわけではない。それでもここに立てるのは。
「第六天魔王、きたねー!」
元気な笑顔は平素と変わらず、木元・祭莉(サムシングライクテンダネスハーフ・f16554)は空を仰ぐ。ここに立つのは、守りたい人を守るため、倒すべき敵を倒すため。
もちろん、怖くないわけではない。旺盛な好奇心に隠されがちだが、彼もまた臆病さを抱えている。それでもここに立てるのは。
「がんばろー!」
「ん、頑張ろ」
互いに互いの手を握り、勇気と気合を奮い立たせる。そばにいるから、怖くたって頑張れる。
「おいらも負けずに、燃えていくからねー♪」
勇気いっぱい元気いっぱい駆け出した祭莉は、助走も充分に踏み切り、跳んだ。真っ正面に隕石を捉え、小さな拳を振りかぶり
「先制攻撃!」
満身の力を込めて、殴り飛ばした。弾かれた隕石は望まぬ軌道で地に向かう。
「行って」
杏の方でも別の隕石を迎撃する。ユーベルコードで透明の熊を十体召喚し、簡潔な指示を与えて散開させる。いくらかの着弾地点を押さえ、落ちる瞬間に、こちらもまた見えざる剛腕にて殴り飛ばす。兄妹に吹き飛ばされた隕石たちは、それぞれが火蜂へと姿を変じ――
「そこ」
殴り飛ばされ慣性移動を続ける先の、その一点で合流し、爆発した。杏の策によって祭莉の殴ったオブリビオンも巻き込んで、その身体どうしをぶち当てたのだ。燃える身体は触れ合うことで互いに大きなダメージを受けた。それでも戦意を損なわず、ぱちぱち鳴らして向かい来る。
「ん、うさみみメイドさん、行って」
妹は、相棒の人形をけしかける。それは軽やかに跳び上がり、空飛ぶ蜂を蹴りつける。その脚でさらに高く跳び、翻弄しながら蹴り飛び回る。
「アンちゃん、前に出ないようにね?」
続いて兄が躍り出て、両の袖口の大鈴を鳴らす。踊るように足を運び、ふわりと躱しながら舞扇の幻影を飛ばす。当たればそれは爆発し、さらなる被害を蓄積させる。地に踊る少年と宙に躍る人形に、灯る陽光のオーラでもって少女が防護を纏わせる。息の合った双子の連携は、実に見事なものである。
複数体のオブリビオンも、当然ながら猟兵と同様に連携を試みる。一体の火蜂を囮とし、別の火蜂が死角を狙って少年の背に迫るが。
「ん、まつりんの背中、守る」
さらにその背を杏が襲い、剣で斬り付け息の根を止めた。
「もー。猛暑なんだから、少しは遠慮してほしいよね!」
祭莉が振り返り笑顔を見せると、助けた杏も小さく頷き、二人揃って次の妖へ注意を向けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィロメーラ・アステール
「おー、隕石か! 宇宙ではよくあることだな!」
まあ実物とは色々と違うかもしんないけど?
だいたい似たようなモンだろ!
【煌天つまびく無窮の星琴】を使うぜ!
【全力魔法】の光の糸を【空中浮遊】させて張り巡らせ、空中に巨大な網を用意するぞ!
網には【火炎耐性】の【オーラ防御】の力を織り込む!
簡単に言うと丈夫で燃えない!
そして【念動力】で動かせる!
【第六感】と【空中戦】の知識をもとに、隕石の軌道を予測!
受け止めて【グラップル】状態に持ち込み、忍法を解除だ!
正体をあらわしたら、そのまま【破魔】のパワーを送り込むぞ!
妖が相手なら、聖なる【衝撃波】で攻撃したら効くかな?
糸を【武器改造】して攻撃する手もいいな!
ノイン・フィーバー
アイテム「ブーストストライガー」に跨って参戦。
宇宙バイクの機動力よりも、それに搭載されている火力目当て。むしろ固定砲台として運用します。
自身のアームドフォートと連動させて対空火力とする。
「こんなものが隕石落し、デスと? ただの小物の神風攻撃ではアリマセンか! 話を聞いて、宇宙から隕石を落とすトンでも忍術だと期待したワタシへ謝罪なさい!!」
不条理な事を口にしながら対空砲撃。
大火蜂達が出てきたら、ブーストスライガーはオートで走らせ飛び降り、アームドフォートで個別迎撃。
不審火を使って炎が増える=瀕死なので、その瞬間にフルバーストマキシマム発動。弾幕で纏めて攻撃し、本体側のHP切れを狙う。
●天網恢恢ぶっとばせ
大型宇宙バイク・ブーストスライガーに跨った長身の男。細身でスタイリッシュなシルエットに、戦闘能力を補助するであろうパワードスーツ型のガジェットと、その身に負ったアームドフォート。そしてその男の顔は、テレビであった。奥行きのあるブラウン管の、リモコンなどとも無縁であろう大きなツマミのついた顔。ヒーローマスクのノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)である。彼は、怒りに燃えていた。大火蜂たちの炎よりも熱く激しく、燃えていた。
「こんなものが隕石落し、デスと? ただの小物の神風攻撃ではアリマセンか! 話を聞いて、宇宙から隕石を落とすトンでも忍術だと期待したワタシへ謝罪なさい!!」
画面の表示を乱れさせながら、不条理な怒りを口にしながら、持てる武装の全砲門を空に向かって展開する。
「おー、隕石か! 宇宙ではよくあることだな!」
ノインの砲門の向いた先、空の隕石を仰ぎ見て、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が言い放つ。見た目にそぐわず長い時を生きる彼女には、そう珍しい光景ではないのかもしれない。
「まあ実物とは色々と違うかもしんないけど? だいたい似たようなモンだろ!」
もしかしたら、単純にアバウトなだけかもしれないが、それはともかく。
「奏でろー! 至極のきらめきで!」
つまびくは光の糸、編み出すは天網。フィロメーラは全力の魔法によって空中に巨大な防衛網を作り上げ、さらに念動力で巧みに操り落下軌道へ先回り、最終弾の隕石を数発まとめて受け止めた。落下に伴う運動エネルギーは枯渇し、重量で破ることも出来ぬ。ここで手をこまねいていては、もう一人の猟兵・ノインの格好の的となろう。となれば、あとは速やかに忍法を解いて戦うしかない。そうして元の姿を現した大火蜂たちは思い思いに火を放ち、忌まわしい縛を解かんとするが――
「その網は丈夫で燃えない、耐火性だ!」
猟兵が得意げに腕を組み、抵抗の無為を宣言すると、大きな光の捕虫網に囚われた妖たちは、顎や羽やをぱちぱち鳴らし、抗議の声を高らかに。
放つ炎は次第に増えて、しかしてそれは焦りを表す。光を弱める蜂どもを、見逃してやる義理もない。
「謝罪を! 要求! します!!」
答える言葉を持たない蜂へ、やる方のない怒りを向けて、ノイン・フィーバーは再度、最後の照準を合わせた。ブーストスライガーを飛び降りて、大地をしっかと踏みしめて。オートで走るそのバイクに、搭載された火砲も向けて、正真正銘彼の持ち得る全砲門を、敵の塊へぶっ放した。その名に違わぬ高熱量で、大火蜂どもを焼き尽くす。硝煙が晴れ網が消え、残った物は何もなく。弾薬と怒りを思い切り発散した彼の気も、少しくらいは晴れたろうか。
この後、しばらく待てども次弾が降ってくることはなく、陣容を整え直した幕府軍は再び動き出した。かくして猟兵たちは本地点における隕石落としを防ぎ切り、中断された進軍は無事に再開されたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵