●エンパイアウォー
三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきた。
徳川幕府軍は、この国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍もあわせ幕府軍10万を招集。幕府の総力をあげて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出したのだった。
「徳川幕府は軍勢を集結させると共に、全国の商人から兵糧などの補給物資を購入しようとしました。
しかし、兵糧を初めとした補給物資の値段が天井知らずに高騰しており、満足な量をそろえる事が出来ません。これは、個人資産が徳川幕府の全資産を凌駕する魔軍将の一人、大悪災『日野富子』の買い占めによるものです」
「このまま買い占めが続けば、予定される規模の幕府軍を動員する事ができません。この買い占めに対抗して充分な補給物資を揃えるには、神君家康公が有事の為にと遺した『徳川埋蔵金』を使うしかありません」
ルベルは地図を広げてみせた。
「これは、徳川家に伝えられた『徳川埋蔵金の地図』です」
そして、困ったように眉を下げる。
「徳川埋蔵金の地図に示された場所に向かうだけでは、徳川埋蔵金を得る事は出来ません。
神君家康公が埋蔵金の盗掘を防ぐために残したという『謎』を解かなければならないのです」
「ただ一人で構いません。お知恵を拝借したく存じます」
●
現地へ転送された猟兵を待っていたのは、広い部屋だった。部屋の中央には真っ白な紙で折られた折り鶴が浮かんでいる。何らかの術により動いている式神だろう。
折り鶴が声を発する。
「箱の中に折り鶴がある」
声は低い男性のものだった。古の術者の声だろうか。
「折り鶴は、一色の紙で折られている。折り鶴の色を当てて欲しい。
それは、夕暮れの先にあり、夜の前にある。
夜を通り過ぎると昼の空が広がり、昼の空を通り過ぎると新緑の季節が見える。
緑を過ぎた先には希望の太陽の光が見え、
太陽の下を通り過ぎれば炎のような夕暮れが待っているのだ」
「折り鶴の色は何色か?」
remo
おはようございます。remoです。
初めましての方も、そうでない方もどうぞよろしくお願いいたします。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
OPでグリモア猟兵が説明していますが、今回は正解者お1人のみを執筆させて頂きます。正解者が複数いらした場合は先に送信頂いた方を選ばせて頂きます。
キャラクター様の個性を発揮する機会になれば、幸いでございます。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャルファ・ルイエ
埋蔵金の謎解きって、普段なら浪漫がありますけど……。
今回は戦争ですし、買占めをどうにかするためにも謎を解かないと。
自信はあまりありませんけど、この問題なら、折り鶴の色は紫でしょうか。
たぶん、色相環のことを言ってるんじゃないかと思うんです。
色相環を左回りから見て行って、夕暮れは赤や赤紫、夕暮れの先と夜の前の紫を通りぎて、夜の青紫、昼の空色の青、そのあと緑の色が注ぐ居て、太陽の黄色、夕暮れの橙や赤。
……どうですか?
静かな部屋だった。
広い部屋を見渡す瞳は涼やかな水にも似ていた。声は、部屋の壁に染み込むように響き渡る。
「埋蔵金の謎解きって、普段なら浪漫がありますけど……。今回は戦争ですし、買占めをどうにかするためにも謎を解かないと」
その部屋に辿り着いたのは、シャルファ・ルイエ(謳う小鳥・f04245)。青髪飾る霞草が淑やかに揺れて、少女は愛らしく首を傾げてみせた。
彼女の澄んだ声を聞くのは、小さな折り鶴だけだった。パタ、と紙の羽が軽く羽ばたきを見せる。問いの答えを待っているのだ。
「自信はあまりありませんけど、この問題なら、折り鶴の色は紫でしょうか」
声はまっすぐに向けられた。
「たぶん、色相環のことを言ってるんじゃないかと思うんです」
シャルファがゆっくりと自分の考えを説明する。
答えに定められている単語さえ言えば正解だろうとは思うのだが、学生でもある彼女は先生に回答するかのように丁寧に自分が答えに辿り着いた道筋を話すのだった。
其の丁寧な心根が伝わったか、折り鶴も声を挟まずに静かにシャルファの声を聞いている。
(なんだか、不思議な感じです)
シャルファは目元を和らげた。
紙で折られたに過ぎない式神が、心や感情を有する生き物のように感じられて。
「色相環を左回りから見て行って、夕暮れは赤や赤紫、夕暮れの先と夜の前の紫を通りぎて、夜の青紫、昼の空色の青、そのあと緑の色が注ぐ居て、太陽の黄色、夕暮れの橙や赤」
ぐるり、と。
たおやかな手に携えるウィルベルで円を描いてみせれば、硝子のベルが涼やかな音を鳴らす。意思を持って慣らせば臨んだ音楽を奏でるベルは、今は主の感情を映し出すかのように清廉な響きを湛えていた。
「……どうですか?」
もう一度、こてんと首を傾げてみせれば、折り鶴はようやく声を発した。
「道は、拓かれた」
鶴が大きなサイズになり、シャルファの前へと降り立った。
「……乗るんですか?」
ふわり、と空色のスカートを摘まみ、恐る恐る乗れば鶴は広い室内の天井付近へと舞い上がる。そして、隠し部屋への入り口が目の前でぽっかりと口を開いた。鶴に掴まりふわふわと隠し部屋に行けば、埋蔵金が待っていた。
「ありがとうございます。
……これで、作戦は完了ですね」
ただひとりで疾風のように作戦を成功させたシャルファは花のように柔らかに微笑み、グリモアベース経由の転送で徳川幕府軍に埋蔵金を届けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵