エンパイアウォー⑤～子ども
●エンパイア・ウォー
「サムライエンパイアで、埋蔵金を探して頂きたいのです」
ルベル・ノウフィル（星守の杖・f05873）がそう言って地図を広げた。地図は徳川家に伝えられる『徳川埋蔵金の地図』である。ルベルはそう説明し、エンパイアの情勢を確認する。
「貴方様は僕より世界情勢に通じていらっしゃると思うのですが、現在サムライエンパイアでは徳川幕府軍と織田信長軍との戦争が勃発しております」
「ところが、徳川幕府軍が兵糧などの補給物資を購入しようとしたところ、物価が高騰しており、困ってしまっているわけです」
それは『日野富子』の買い占めに起因するとルベルは語る。
「買い占めに対抗して充分な補給物資を揃えるため、神君家康公が有事の為にと遺した『徳川埋蔵金』を探し当てたい、と、そういう依頼でございます」
「埋蔵金を探し当ててくださいますか？」
ルベルは猟兵に頭を下げる。
猟兵が頷けば、地図を示しながら説明が加えられる。
「地図に示された場所には、神君家康公が埋蔵金の盗掘を防ぐために残したという『謎』がございます。謎解きをすれば、徳川埋蔵金を得ることができましょう」
「謎が解ければ、おひとりで十分。頼りにしておりますゆえ、どうぞよろしくお願いいたします」
グリモアが淡く光れば、選ばれし知恵者を現地へと導いてくれる。
●問
転送先は、小さな座敷牢だった。
部屋の中央にヒトガタの式神が待っている。式神は女性の声でやわらかに問いかけた。
「問う。
一昨日、その子は齢五つであった。
来年の誕生日を迎えると、八つになると言う。
さて、その子の誕生日は何月何日であろうか」
remo
おはようございます。remoです。
初めましての方も、そうでない方もどうぞよろしくお願いいたします。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
１フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
謎掛けに答えて頂く内容となります。OPでグリモア猟兵が説明していますが、正解者おひとりでシナリオはクリアとなります。複数の正解者がいた場合、プレイングの送信が速かったお1人様のみを執筆させていただきます。よろしくお願いいたします。
キャラクター様の個性を発揮する機会になれば、幸いでございます。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | ［評価なし］ |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【WIZ】使用
・アド／絡◎
■解
・12月31日
■解法
1：「1月1日(＝誕生日の翌日)」に尋ねたとすると、「一昨日から尋ねた日」までで「+1歳」
2：「来年の誕生日」までに「1月1日になった年」の「年末の誕生日」を間に挟む為、「+2歳」になり「一昨日：5歳」「来年の誕生日：8歳」が成立する
■行動
成程、こういう問題ですかぁ。
検討してみましょう。
要するに、「一昨日」から「来年の誕生日」までの間に「来年の誕生日」を含め「3回の誕生日」が発生する日付になる条件を考えればよいのですねぇ？
(『■解法』を出して)
この様な形で如何でしょう？
無事に発見出来ましたら、[怪力]と「大八車」で、急いで運びましょう。
座敷牢に転送されたのは、ただひとり。
艶やかな黒髪を靡かせた夢ヶ枝・るこる（豊饒の使徒・夢・f10980）だけだった。
小柄な少女はヒトガタの式神に向け何度か目をぱちぱちと瞬かせた。
「式神さん、ですね。私はるこるです。埋蔵金を頂きたくて、来ました」
他に仲間はいない。ただひとりだ。失敗することができない――若干の緊張。少しだけおどおどと、声を放てばヒトガタは思いがけず友好的な気配の滲む声を返してくれる。
「解をとなえし者に、財を与えるとされている」
口調は無骨だが、声はなにやら優しい女性のように感じられてるこるはそっと緊張を和らげた。
「成程、こういう問題ですかぁ。検討してみましょう」
あどけない風情の声が狭い牢内に反響する。
式神は特に急かすこともなく、少女をじっと見守っていた。さながら、小さな子を見守る母親のように。
るこるは式神に確認するように呟いた。
「要するに、「一昨日」から「来年の誕生日」までの間に「来年の誕生日」を含め「3回の誕生日」が発生する日付になる条件を考えればよいのですねぇ？」
ヒトガタがひらひらと狭い室内を舞う。それは肯定するようだった。
「式神さん、お仕事お疲れ様ですね」
のんびりと声をかけながら、るこるは素早く思考を巡らせて解に辿り着いた。
「お互い、お仕事終わりにできそうですよ」
言えばヒトガタが嬉しそうにふよふよとする。
他に誰もいない牢内で、ぴちゃんと水滴が落ちる音が響いた。
（ここは、何所にある牢なんでしょうね）
ふと疑問を覚えながらもるこるが解答する。
「答えは、12月31日です」
「誕生日の翌日、1月1日に尋ねたとすると、「一昨日から尋ねた日」までで1歳、年を取っています」
「来年の誕生日までに「1月1日になった年」の「年末の誕生日」を間に挟みます。ですから、2歳、年を取ったことになります」
「そのため、「一昨日：5歳」「来年の誕生日：8歳」が成立するのです」
筋道立てて説明すれば、ヒトガタが嬉しそうにくるりくるりと舞い踊る。
「正しき解となえし者に、財を与えるものとする」
声は、正解を歓んでくれる響きだった。
牢の床にパッカリと地下への入り口が現れた。
「この先に埋蔵金があるんですね」
ヒトガタに別れを告げて先へ進めば、やがてるこるは隠し部屋に辿り着いた。
「これは転送するのも大変そうですね」
大八車に怪力で埋蔵金を載せ、るこるは額に浮かんだ汗をぬぐった。
「でも、これでお仕事は完了です！」
声には年頃の少女ならではのあどけなさが溢れている。
たったひとりの可憐な知恵者は、こうして作戦を成功させたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
