エンパイアウォー②~同じ武士なら踊らにゃ損々
●少女と屍人
踊れや狂えや、水晶達。
再び動く力を与えられた者達よ。私と共に舞いましょう。
何、貴方達の仲間は次第に増えていきます。故に力尽きても問題などありません。
さぁ、武士ならばそれに見合った場所で踊りなさい。
その水晶の身体で、相手を魅了させるのです。
●奥羽屍人戦線
「来てしまったか」
柳屋・怜(千年狐・f05785)は深刻そうに目を閉じ、腕を組んでいた。いつもの笑みは浮かべていない。
「我が故郷、サムライエンパイアが動き始めた。この一ヶ月、世話になるぞ」
先日あった寛永三方ヶ原の戦いに勝利を収めた猟兵達。そこで手に入れた『第六天魔軍将図』に記された者達が、今回一大攻勢を掛けて来たのである。
「先の戦いにて討ち取った武田信玄以外の者が襲って来る。我々は幕府の総力をあげ、徳川の軍勢と共に織田信長の元に向かわねばならぬのだ」
それが今回の戦争、エンパイアウォーである。
「さて、まず我からお主等に頼みたい事は……『水晶屍人』なる軍勢を阻止する事である」
場所は奥羽地方。そこに水晶屍人という、肩から奇妙な水晶を生やした動く屍の軍勢が奥羽諸藩を狙っているという。
人間が水晶屍人に襲われてしまい、噛まれたものなら最後。噛まれた人間も水晶屍人と化してしまう。しかし幸いと言うべきか、猟兵だけは噛まれても水晶屍人にはならないようだ。
「こ奴等は『魔軍将』の一人である陰陽師『安倍晴明』の術によるものだ。水晶屍人の指揮をとっているのも、奴の配下のオブリビオンであるぞ」
水晶屍人は数こそ多いが、知能はなく戦闘能力も高くはない。指揮官さえ倒してしまえば奥羽諸藩の武士達だけでも駆除が出来るようになるので、今回、猟兵達には水晶屍人を退けつつ指揮官を狙って貰う事となる。
「お主等が狙う指揮官は、舞踏家の少女である。生前は悲しき人生を歩んだようだが今はオブリビオン。……同情などせず、その魂を鎮めさせてやるがよいぞ」
では説明は終わりだ、と怜はグリモアを掲げる。
「これらを止めなければ、織田信長との戦いで苦戦する事になる。初戦とて肩慣らしの戦などではないのだ。皆の者、宜しく頼むぞ、こんこん」
猟兵達にそう言葉を掛け、怜のグリモアは輝き出した。
ののん
=============================
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
お世話になります、ののんです。
●状況
サムライエンパイアが舞台となります。
8月10日までには結果が出せるよう、早めの執筆を心掛けていきたいと思います。
●プレイングについて
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『橘・佐江』
|
POW : 霧斬舞
【妖艶な花魁】に変身し、武器「【鉄扇】」の威力増強と、【幻惑の霧】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD : 蝶の舞
【扇】による素早い一撃を放つ。また、【帯を解く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 華の舞
自身の装備武器を無数の【桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:茅花
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シルマ・クインス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
その戦場は輝いていた。
水晶の波が揺れ動いている。否、水晶に憑り付かれた屍の軍勢がぞろりぞろりと地を踏んでいる。
「踊れや踊れ。狂えや狂え。えぇ皆様、良い足踏みですよ」
軍勢の何処かで幼い少女の声がした。しかし多すぎる水晶屍人と輝く水晶によって、小さな指揮官は見えないようだ。
猟兵達はこの軍勢をどうにか退けながら、指揮官を探し討伐しなければならない。
はてさて少女は何処?
死して尚続く永遠の盆踊りは、猟兵達の元へゆっくりと近付いてくる。
片桐・公明
遠くの櫓や木のような高い場所から双眼鏡で敵軍勢を観察
指揮官を見つけたらそこまでまっすぐ駆け抜ける
取り巻きは適当にあしらう
「Shall we dance?って言っても通じないか。」
「私は片桐公明。貴方舞踏家なんだって?良かったら一緒に踊らない。」
「最も、私の舞闘は普通と違うわ。あなたについてこれるかしら。」
UCでひたすらインファイトを仕掛ける
多少の攻撃は受けてもやむなしだが、決して防御・回避を回避しているわけではない
「私の諸葛流舞闘術は強さと美しさを兼ね備えているの。攻撃を美しく受け流すなんて造作もないことなのよ。」
【絡み・アドリブ歓迎です】
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆心情
希代の陰陽師として名を残すセイメイですか
真贋はさて置き此の軍勢を退けて進み
所在を突き止め直接お目にかかりたいものです
◆行動
【黒竜の災厄】でマイハンドと攻撃回数を増やし
愛用の黒竜剣で九連斬し【範囲攻撃】で突貫しボスへの道を切り開きますよー
はい、【気合い】を入れた【怪力】による重い斬撃かつ
【生命力吸収】でその屍を動かす呪力さえ喰らい尽くしましょう
うふふ、少しかすっただけでも【毒使い】による腐食毒で朽ち果てますよ
此処は私に任せて皆さんは先へ進んで下さい
大丈夫、冴え渡る【第六感】で致命的な攻撃は防げますし
【カウンター】を決めて時間は稼ぎます
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
「さて、と」
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は聳え立つ大木に登り、生い茂る葉の中から双眼鏡を覗く。敵の軍勢を見るなり彼女は思わず声をあげた。
「わっ、太陽に照らされて水晶が眩しい……」
「真夏日ですからね。私達も溶けてしまいそうですよ」
木陰とはいえ梅雨明けの暑さだ。公明の後ろに浮かぶブラックタール、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)も苦笑いを浮かべている。
「(ブラックタールも汗ってかくのかな……?)」
そんな素朴な疑問も思い浮かべながらも、公明は敵の観察を続けた。
「うぅん、キラキラして見にくい……ん、あれは?」
しゃらり、ひらり。水晶屍人達の中からちらりと一瞬見えた何か。公明は見逃す事なくじっと一点を見つめる。
「あれは扇……舞踏家と聞いているし、きっとあれね」
見付けたよ、と彼女はすぐさま大木を飛び下り、他の猟兵達へ報告を行った。
「ここから真っ直ぐ。体の大きな水晶屍人に囲まれた中に指揮官がいるよ」
「なるほど、ありがとうございます。それでは私が道を切り開きましょう」
後を追って下りて来たミコは頷き、彼女も早速と言わんばかりに戦場へと向かって行った。
「希代の陰陽師として名を残すセイメイですか。所在を突き止め直接お目にかかりたいものです」
いざ水晶屍人の姿を目の当たりにすると、どれも痛々しく見えてくる。右へ左へ、覚束無い足取りはまるで踊っているかのよう。嫌でも快くない術である事が分かる。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第弐の竜よ!」
黒竜剣を構えながら詠唱すると、自身の影から現れたのは黒竜の残滓。その災厄は周囲の水晶屍人を飲み込み動きを封じていく。
その間にミコが黒竜剣で次々と水晶屍人を切り刻み、生命力という名の呪力を吸収していく。水晶と化した部分を砕かれた者は力を失い膝を着き、倒れると同時に塵となり消えていった。
「ふむ、見た目通り水晶が弱点のようで。それが分かれば十分です」
まぁ、水晶を狙わなくとも朽ち果てますがね、と付け足し。確かに水晶の破壊されていない者も、彼女の腐食毒によって侵され動きを止めていく。
「此処は私に任せて皆さんは先へ進んで下さい」
ミコのウインクを受け取った他の猟兵達。その中で公明は頷くと、ミコを狙って襲い掛かる水晶屍人を掻き分け、指揮官の居る元へ一直線に走り出した。
しゃらり、ひらり。辿り着いた先に待っていた、否、舞っていたのは双眼鏡で見えた扇と、その持ち主。水晶屍人にも劣らない涼しげな色の和服を着た少女がそこにいた。
「初めまして、私は片桐公明」
一旦立ち止まり一礼をする公明。
「貴方舞踏家なんだって? それじゃあ……Shall we dance?」
「悪いのですが、お稽古の邪魔なのです。異国の方」
ぱちん、と扇を閉じると、突如少女の体を藤色の霧が包み込んだ。霧が晴れるとそこに立っていたのは少女ではなく、美しく妖艶な花魁。
「へぇ、舞闘で勝負? あなたについてこれるかしら」
少女に続き公明も構えを取ると、一歩足を踏み出し地面を蹴り上げた。蹴り上げた直後、公明の体は弾丸のように一直線に少女の元へ飛んで行く。
少女は霧を纏った鉄扇を振るい、公明に向かって竜巻を巻き起こす。鎌鼬の刃のように体に傷を付けられる、が。
「私の諸葛流舞闘術は強さと美しさを兼ね備えているの。攻撃を美しく受け流すなんて造作もないことなのよ」
地面に拳を叩き付け、あえて竜巻に身を寄せ空中へと浮かぶ。くるりと回れば公明の体は少女の真上へ。
公明の長い両脚は少女の首元を掴むと、そのまま体を捩じり回転させながら少女を地面へ叩き付けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ジュリア・ホワイト
指揮官撃破、斬首戦術は戦争のセオリーだね
いいとも、ボクも力を貸そう
「何よりボクはヒーローだからね。こんなバイオハザード、見過ごせないよ」
敵指揮官には動輪剣とスコップで接近戦を挑もうか
部下を盾に逃げられるのはごめんだしね、食らいついていこう
更に【安全第一!線の内側にお下がり下さい!】で下す命令は
「服をはだけることを禁ずる!」だ
これで霧斬舞と蝶の舞の強化を封じれる……といいなぁ
あとは純粋な戦闘技能で遅れを取らないようにするのみだ
「ボクは誰かを守るために戦う。だから誰が相手であれ、負ける訳には行かないんだ!」
【アドリブ歓迎】
戦場を見渡すジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)。水晶屍人の軍勢を見るなり眉間にしわを寄せるが、ここで退く訳にはいかない。
「何よりボクはヒーローだからね」
自身に言い聞かせるように呟く。手に残虐動輪剣と黒光りするスコップを握れば、ジュリア・ホワイトからヒーロー・オーヴァードライブへと気持ちが切り替わり。
「さぁ、ボクはオーヴァードライブ! 通りすがりのヒーローさ!」
猪突猛進にも等しい力ある駆け抜け方は蒸気機関車の如く。水晶屍人を吹き飛ばしながら指揮官の少女のいる場所へと突き進む。
「……あれだ! よし、逃がさない!」
少女の舞う姿が視界に入った瞬間、ジュリアは首に掛けたホイッスルを口元へ運び、大きく吹き鳴らした。
ピーッ!!
高音が戦場に響き渡る。その音に誰しもが振り向く。振り向いた先にいるのは、少女に真っ直ぐと人差し指を向けるジュリアの姿だ。
「何です、舞いの邪魔をそのようなものでするとは」
不機嫌そうに少女がそう吐き捨てると、体に霧を纏い始める。が、
「これはルールだよ、『服をはだけることを禁ずる』!」
「ぐっ……」
ジュリアが大声で宣告すると、少女はぴたりと動きを止めた。ジュリアのそれがユーベルコードである事を感じたのだろうか、少女を纏う霧は大人しく消えていく。
「他のお客様の迷惑になるからね。行儀の悪い振る舞いはご遠慮願うよ?」
「行儀の悪い、ですって……? 私の舞踏が?」
ぎゅ、と扇を握る手に力が籠る。
「……いいでしょう、術を使わなくとも問題などありませんから」
少女は怒りを込めながら、ジュリアに向かって扇で襲い掛かろうと走り出した。
大きく振り上げる腕。上から叩き落とされる扇を、ジュリアはスコップの面を向けて受け止める。
「き、傷付けたのは悪かったよ。でも、ボクは誰かを守るために戦うヒーロー。だから誰が相手であれ、負ける訳には行かないんだ!」
例え少女でもオブリビオン。骸の海に還さねばならない存在。同情しないよう気持ちをぐっと抑えながら、ジュリアはスコップ面で扇を弾き、そのまま体を回転させながら残虐動輪剣で少女を斬り払った。
成功
🔵🔵🔴
須藤・莉亜
「不味そうな奴らばっかだなぁ。」
さて、美味しい血の敵さんはどこにいるのかな?
とりあえず、適当に深紅で捕まえた水晶屍人を【吸血】。一応味見はしとかないとね。
んでもって、血狩りのUCを発動。指揮官に対する吸血欲求を使って、指揮官を分身たちに探してもらってみよう。
見つけたら47人の僕で攻撃していこう。
分身の中にLadyをぶっ放す僕、奇剣で斬りかかる僕、深紅で縛り上げる僕なんかを混ぜて攻撃。
本体の僕は血飲み子と悪魔の見えざる手で攻撃していく。
もちろん全員【吸血】も狙っていくよ。
戦場に煙草の匂いを残しながら、ゆらりゆらりと歩く男がいた。
その男に近付く一体の水晶屍人。しかし水晶屍人は男の持つ紅い鎖によってあっさりと束縛されてしまった。
「不味そうな奴らばっかだなぁ……でも、一応味見はしとかないとね」
鎖を引っ張り、捕まえた水晶屍人を近くへ寄せると、水晶化されていない首元へ顔を近付け牙を喰い込ませる。
「……やっぱり不味かった」
淡い期待も裏切られた男は少しがっかりした態度を見せながら、水晶屍人を地面へ叩き付けるように投げ捨てた。
「さて、美味しい血の敵さんはどこにいるのかな?」
先程の事はなかったかのように再び歩き始め、男――須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)は指揮官探しを再開した。
「確かこの辺りって誰かが言ってた気が……あぁ、そうか。分身達に手伝って貰おう」
ふぅ、と息を吐くと、吸ってもいないはずの煙草の煙がふわりと空中を漂う。煙はやがて人の姿を模すと――莉亜の姿とそっくりな存在を次へ次へと生んでいった。
「みんなで指揮官を探すよ。……不味い屍よりはマシなんじゃないかな」
ぼそりと呟くと、莉亜の分身達は一斉にその場から散っていった。彼らの欲するものはただ一つ、血だ。
指揮官を発見するまでに時間は掛からなかった。分身達が突然何かに反応し、ある方向へと向かって行く姿を眺めながら、本物の莉亜は後ろを付いていく。遠くから少女の悲鳴が聞こえたが……まぁ想定通りなので気にする事ではない。
「まだ指示してないのに、貪欲だねぇ。まぁいいけど」
その言い方はまるで他人事のよう。ライフル銃や刀、鎖など、物騒な物を握る分身達の囲んだ中に、確かに指揮官らしき少女の姿が見えた。
「……じゃあ、捕まえてみんなで味見しようか」
既に武器を持って襲い掛かろうとしている者もいるが、それはそれとして。他の分身達に改めて指示を下す莉亜。獲物はあれ、と指さした先にいる少女に向かって、分身達は欲望のままに襲い掛かっていく。
「何、ですかっ、貴方達は……っ!」
扇を桜の花びらに変化させ、桜吹雪によって莉亜の分身達を寄せ付けないように抵抗しているが、莉亜達の『欲求』がそこで消え去る訳がない。
「……ち」
分身の一人、誰かが囁く。
「……ち、ち、血、血、血、血」
その囁きは他の分身達にも感染していく。囁きは呟きに、呟きは叫びに。獲物を阻む桜吹雪を物ともせず、分身達は少女を求めて足を踏み入れ腕を伸ばす。
「待ちなさい、貴方達、待ちな……!!」
求めるものが目の前にあるのに待つものか。莉亜達は欲のままに少女の体に牙を向けた。
「――悪くない、かな」
莉亜達の誰かが、そう言った。
大成功
🔵🔵🔵
神凪・狐毬
【心情】
なんですかこの薬屋泣かせの敵は。
噛まれたら問答無用で屍人になるとか、誰も喜べない病気ですね。
……ええ、ええ。許せませんよくそったれ。
そんな敵も将もなにもかも。一切合切焼き尽くしてやりましょう。
【行動】
彼女に有効打かどうかわかりませんが、周囲の屍人が邪魔ですね。焼きましょう。
それによって、できるだけ屍人の数を減らし、ボス格への道を作ります。
「悪いね。こんな薬しかだせない私を、憎んで果てな」
ボスも、遠距離からの一手ですね。近づいたら応戦はしますが、「フォックスファイア」で桜の花びらも霧も一切合切焼いた方が、嫌がらせには最高でしょう。
「踊るのはあなたですよ。お嬢さん。相方は火炎ですがね!」
猟兵には通用しないものの、水晶屍人に噛まれると、自身も水晶屍人となってしまう。
その事を聞いた時から神凪・狐毬(巫女の姿をした小悪党薬師・f00559)は怒りに震えていた。
「なんですかこの薬屋泣かせの敵は。……ええ、ええ。許せませんよくそったれ」
……正直金にならない依頼など基本的には引き受けないのだが、何せ自分も相手も周囲も、誰も喜ぶ事のない迷惑な病気だ。薬師として放っておける訳がない。今回は特別サービスという事にしておこう。
「こんな疫病はですね……はい、一切合切焼き尽くしてやりましょう」
こういうのは熱による殺菌が一番でしょう。子悪党とはいえ一応医術は心得てますから。と、狐毬は頷きながら戦場へと赴いた。
水晶屍人達はふらふらと覚束無い足取りのまま狐毬に近付く。彼らの攻撃は容易に避ける事は出来るものの、数が多く前へ進む事が出来ない。
「いやはや邪魔ですね……では、焼きましょう」
狐毬の周囲に現れる小さな狐火。複数あったそれは一ヶ所に集まり出すと、やがてそれは巨大な火球と化した。
狐毬は両腕を大きく振り回すと、それに合わせて火球も縦横無尽に暴れ回り、水晶屍人達を薙ぎ払いながら焼き尽くしていく。
「私は病気の根源に用事があるのですよ。邪魔しないで下さいな」
燃える戦場を渡り歩く狐毬。水晶屍人も数が減ってきた所で、ちらりと見えたのは涼しげな色をした扇。
「……ですから、お稽古の邪魔をしないで下さい。折角の稽古場も台無しじゃないですか」
猟兵の戦いぶりに不満を漏らす指揮官の少女。空中へ投げた扇を桜吹雪へと変化させ、狐毬へ向かって吹き掛けた。
「台無し? ええ、『わざと』台無しにしていますから!」
にっこりと微笑みながら火球をぐるりぐるりと回した後、桜吹雪に向かって発射させる。巨大な火球は桜の花びらを一瞬にして火の粉と消し炭と化させ、そのまま一直線に少女を狙い突っ込んでいく。
「踊るのはあなたですよ。お嬢さん。相方は火炎ですがね!」
大きな音を立てて爆発し、更に広がる炎を眺め笑う狐毬。一頻り笑った後、ふぅ、と溜め息をつくと、
「……悪いね。こんな薬しか出せない私を、憎んで果てな」
焼き払った全てのものに向かって、そう囁いた。
大成功
🔵🔵🔵
逢坂・理彦
盆踊りには死んだ人が混じってるなんていうけれどこれはそんなどころじゃないな。
まずは屍人の踊り手さん達には退散してもらわないとだね。指揮官は小柄だそうだから屍人に紛れて姿が見えないからね。
UC【狐火・穿ち曼珠沙華】何割かは打ち込まないで残しておくとして…それ以外は全部撃ち込もう。
屍人が倒れてそれでも立っている影があるのならそれだろう。
そしてそれは屍人達より軽やかに踊ってるだろうから【聞き耳】で足音を聞き分けて当たりをつけたら【早業・なぎ払い】飛翔して空に逃げたなら残した曼珠沙華を撃ち込もうか。
敵攻撃は【第六感】【戦闘知識】で【見切り】
アドリブ連携歓迎。
「盆踊りには死んだ人が混じってる……なんていうけれど、これはそんなどころじゃないな」
逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)はのらりくらりと戦場を歩く。
視界に入るものは踊る水晶だらけ。目的のものは見当たらない。
「紛れて見えないんだろうな、指揮官は小柄だそうだからね」
それに太陽に反射した水晶が眩しい。このまま目だけで探すのは苦労しそうだ。
「なら、まずは屍人の踊り手さん達には、退散してもらわないとだね」
そう呟き足を止めると、彼の周囲に異変が起き始める。
「踊り場らしく華やかにしてやろうかな。例えば、そう……一面を曼珠沙華の花で彩ろうか?」
足元から広がる赤。戦場に咲き始めた曼珠沙華は朱々と燃える。
いくつかの花がふわりと風に揺られながら浮くと、蒲公英の綿毛のように水晶屍人の軍勢の方へ飛んで行く。ふわりと花の香りを残しながら水晶屍人達の足元に落ち地面に食い込むと、突然激しく炎を噴き出し、水晶屍人もろとも地面を焼き尽くしていった。
「踊るなら、どうぞあの世で」
さて、踊る屍を彼岸の先へと案内した所で敵は少なくなった。これならば『あの音』が聞こえるかもしれない。
理彦は耳をぴんと立て、足踏みの音に集中する。
大抵聞こえてくるのは下手な盆踊りの地響きだ。……しかし、その中でも確かに雰囲気の違う音を感じる。
――とんとん、とととん、とん、とん、とん。
「なかなか出来る奴もいるじゃないか」
整ったその音のする方向へと体を向け、薙刀、墨染桜を握り締めると。
「おじさんも混ぜて貰っていい?」
踏み込みながら墨染桜を大きく横へ薙ぐ。突風の刃が周囲の水晶屍人達を切り刻み吹き飛ばしていく。
鎌鼬の如き竜巻が大勢を巻き込む中、竜巻の中にひらりひらりと紛れたのは桜の花びら。花びらは竜巻の勢いに乗せ理彦へ襲い掛かろうと迫り来る。
「彩るなら、もっと静かに華やかにするべきですよ」
竜巻の奥から現れたのは小さな少女。間違いない、指揮官だ。
彼女の姿と桜吹雪の攻撃を見るなり、理彦は何かを考える素振りを見せながら墨染桜の構えを解いた。
「そうね、おじさんの髪の毛も尻尾も台無しにされちゃあ困るな」
襲って来るはずだった桜の花びらは理彦の目前で火の粉と化し、散っていく。
「花、ありがとうね。これはお返しだ」
燃える曼珠沙華。花茎は鋭い杭となり、少女の体を貫き燃やしていった。
成功
🔵🔵🔴
中御門・千歳
ザッフィーロ(f06826)と参加
水晶屍人ねぇ…こりゃまたゾンビ映画さながらの光景だねぇ
さぁて、いっちょ気張らなきゃいけないねぇ
『式神召喚・具足』を使用するよ
錆丸は周囲で弧を描くように、侘助は前へ前へと暴れさせるよ
さぁ、侘助っ!錆丸っ!いっちょ働いてきなっ!
今回はともかく数が多いからね、『死霊の紋章』を解放して皆を支援するよ
あたしが傷を負っちゃあ、この術はダメになるからね
いつも通り、頼りにしてるよ
(背後のザッフィーロの背を手の甲で軽く叩きながら)
敵を操ってるなら、力の流れがあるはずさね
『心眼鏡』で流れを探って、敵を見つけるとするよ
見つけたら、仲間に指示をしなきゃね
行きなっ!侘助っ!
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
千歳嬢f12285と
…犠牲になった者はどれほど無念な事か
早く司令官を探し被害を食い止めんといかんな
千歳嬢の案内に従い戦場を進む
千歳嬢の其方の瞳は初めて見るが力が見えるとは…!本当に頼りになるな
その分道中の護りは任せて貰えれば幸いだ
戦場では切り込む様に『怪力』を乗せたメイスを振るい『2回攻撃』
敵を『なぎ払い』ながら進もうか
だが、優先は式神を使う千歳嬢に攻撃が及ばん様にすること故
常に千歳嬢は『かば』い『盾・武器受』後メイスにて『カウンター』を繰り出そう
多少怪我をしても俺は『激痛耐性』がある故問題はないからな
司令官を見つけたならば【穢れの影】にて動きを止めんと試みる
動きを止めているゆえ千歳嬢、頼む
「さぁ、侘助っ! 錆丸っ! いっちょ働いてきなっ!」
我が子(或いは孫かもしれない)を力強く見送る。そんな雰囲気を思わせる老婆の声が戦場に響き渡った。
中御門・千歳(死際の死霊術士・f12285)の周囲を大百足が飛び回り、彼女の前方には骸の鎧武者が水晶屍人達を薙ぐ。更に彼女の隣にはヤドリガミのザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)が付き添っている。
「水晶屍人ねぇ……こりゃまたゾンビ映画さながらの光景だねぇ」
そう言いつつけらりと笑う千歳。反対にザッフィーロは悲しげに首を横に振る。
「……犠牲になった者はどれほど無念な事か。早く司令官を探し、被害を食い止めんといかんな」
「当たり前さね。……さぁて、いっちょ気張らなきゃいけないねぇ。アンタも頼むよ、いつも通り、期待してるよ」
とん、とザッフィーロの大きな背中を軽く叩く千歳。二体の式神を召喚している間、彼女は戦闘に参加する事は出来ない。攻撃は式神とザッフィーロに頼るとして、千歳自身はサポートに回る事にする。
「で、肝心の大将は、っと」
千歳が取り出したのは老眼鏡。それを掛けて周囲を見渡し始める。
「千歳嬢、それは?」
「これかい? 心眼鏡って言ってねぇ、見えないものを映し出す代物なのさ」
ザッフィーロに説明しつつ、ある一点を見つめ目を細める。
「霊力を込めると……ほら、見えたよ。力の流れってものがね」
心眼鏡を通して彼女が見たものは、水晶屍人達から漂うオーラ。それは何処かへ向けて糸のように一直線に伸びていた。
おいで、と千歳は式神とザッフィーロに手招きをして歩き出す。式神二体は変わらず周囲の水晶屍人達を払い除け、ザッフィーロはメイスを握り千歳の護衛を全うする為に勤しむ。
「流石千歳嬢。其方の瞳は初めて見るが、力が見えるとは……! こちらは任せてくれ、指一本触れさせはしない」
「ヒッヒ、その意気だよ!」
ひらり、ひらり。とん、とん、とん。
悲しきかな。その音頭を見る者は数名の猟兵だけ。友に舞おうとする者は誰一人としておらず。
「どうして貴方達は邪魔をするのですか」
指揮官の少女は一人舞いながら、悲しげに呟く。
「私は独自の舞を、皆に見せたかっただけ。生前はそれが受け入れられず、散々な目に遭いましたが……それは過去の話。二度目の機会を与えられても尚、私は受け入れて貰えないというのですか?」
少女の問いに、まず答えて見せたのは千歳だ。
「ヒッヒ、訳アリと見たが残念だ。あたしらは猟兵、アンタはその敵。理由なんざそれだけさね!」
シンプルで残酷だが間違ってもいない事実。ザッフィーロも少女に語り掛けるよう話す。
「千歳嬢の言った通りだ。表現をするにしても、舞台と魅せ方を間違えたようだな」
もしも彼女が善なる心の持ち主の元で蘇ったのならば、結末は変わっていたのだろうか。
「……そうですか」
少女のその声は、何かを諦めたような声だった。扇を開き、垂直に上へ放り投げる。扇は蝶のように宙を舞い、ひらりひらりと桜の花びらと化していく。
突如巻き起こる突風。それは桜の花びらを巻き込み、まるで千歳を狙うかのように飛んできた。
「侘助! 錆丸!」
彼女の号令と共に式神達が動き始める。鋼の大百足、錆丸は自身の巨大な体を盾にし桜吹雪を受け止める。
その間を潜り抜けた桜吹雪が引き続き千歳を狙うが――もう一つの盾、ザッフィーロがそれを許さない。
彼女の前へ立ち、エネルギー体の盾を展開し攻撃を防ぐ。式神達の姿が消えないという事は、彼は彼女を守り切ったという事だ。
「500年分の穢れだ。この重みを味わうと良い」
ざわ、とザッフィーロの足元から無数の腕が伸びる。果たしてそれは生を恨むものなのか、それとも同類を迎えようとするものなのか。
少女の小さな悲鳴も聞かないまま、何かを求める影は少女の体を取り込んだ。
「千歳嬢、頼む」
「何、指示はとっくに出してるよ」
動きを封じられた少女の耳に入ってくる、恐怖の足音。
がしゃり、がしゃり。何かが背後から近付いてくる。あぁ、その足音が止まった次に迫るのは、恐らく死だ。少女ですらそれは容易に予想が出来た。
「やりな」
千歳の言葉の後、鎧武者、侘助は刀を横一線に振った。
残った水晶屍人達の動きが突然おかしくなった。指揮官を失い、踊る力を失ったのだろう。
今だと言わんばかりに奥羽諸藩の武士達が武器を掲げて総攻撃を仕掛ける様子が猟兵達の目に入る。
自分達のミッションは、これにて果たす事は出来た。これでこの場所は彼らに任せても大丈夫だろう。
武士達の武運を祈りながら、猟兵達は次なる戦場へと向かって行くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴